1: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:15:17 ID:gIv

友達に読んでもらいたくて書いた、46キロバイト。
ギャグとしてエロくないエロ描写があるので、なろうにもノクターンにも投稿できないためここで晒す。

内容は、缶蹴りがメジャースポーツとなった世界でのラブコメ。




2: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:16:48 ID:gIv

『缶蹴りとフラッシュバック』


 今日の夕日は綺麗な色だった。紫、オレンジ、紺。まるで人生が変わりそうな、何か加護があるような、心が洗われるような。そんな色だった。

 部活終わり。この夕日を見ながら家路に付くのが僕の日課だ。
 空閑高校、缶蹴り部所属、部長の秋世勘太(あきせかんた)。
 そんな言葉で表される『僕』という存在を忘れさせてくれる、夕日の色。

 みんなからは茶化されて『あきかん』なんてあだ名がついているけど、不思議と僕はそれを気に入っている。
 まぁ、なにせ僕は缶蹴り部の部長なのだから。それくらい空き缶のことを好きで、好きで、大好きでいなければ、全国……ましてや世界なんて、狙えるワケがない。





 


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3: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:17:53 ID:gIv

 今年は凄い一年が入ってきた。
 誤差は一ミリ圏内、狙ったところに空き缶を飛ばせるゲームの支配者『秋山寛吉(あきやまかんきち)』
 フットワーク・フィジカル共に部長の僕と負けずとも劣らない元サッカー部所属『管彰人(かんあきと)』
 そして、他の追随を許さぬスピードで場をひっかきまわす、僕の弟『秋世勘助(あきせかんすけ)』。

 二年はうかうかしてられないし、三年は最後の年。
 今年こそ僕は、缶蹴り大会で頂点をとる。

 部の練習用の缶(重量五キロ)を夕日にかかげて誓う。
 夕日の光は空き缶のスチールに反射し、かつてない輝きを誇っていた。

 一しきり眺めた後、僕は鞄を肩に掛け直して自宅へと歩を進めようとする。

 と、その時。




4: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:18:47 ID:gIv

「せんぱーい!」

 と女の子の可愛らしいハイトーンボイスが聞こえ、僕ははたと足をとめた。
 声の主を確認するように、身体ごと反転させて彼女へと向き直る。

「せんぱーい! もう! ちゃんと待って、って言ったじゃないですかー!」
「そんなに走ったら危ないぞー!」

 そこにいたのは缶蹴り部の新マネージャー、菅野美喜(かんのみき)だった。

 元々缶蹴りに男女の区別はなく、試合では男子も女子も入り乱れて行うことが多い。世界でもロシアの『カンノケリニコフ』や中国の『漢・蹴宇(かん・けりう)』などが女性選手として活躍している。

 にも関わらず、彼女がマネージャーとして部に参加しているのは、ひとえに彼女の足のケガが原因だ。
 中学の頃、全国大会の決勝で、相手選手の一瞬の隙をついた素晴らしい缶蹴りを見せた彼女だったが、直後、アキレス腱を断裂。表彰は辞退せざるをえず、両親からは缶蹴りを続けることを拒まれた。




6: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:20:11 ID:gIv

 しかし、それでも缶蹴りを続けたい彼女は両親を説得し、マネージャーとしてこの部に入ってくれたのだった。

 さらに彼女のことを追記すると、とても可愛い。
 ともすれば、この学校で一番可愛いかもしれない。
 とにかく声は小鳥が囀るようで、目はパッチリとガラス玉のよう。化粧は彼女にとってただの枷としてしか働かず、缶蹴りによって鍛え上げられた肉体は今でもスレンダーな体形を保っている。
 肌は陶器のように白磁で、顔の配置は神が彼女だけを贔屓したかのように完璧だ。上手く肩で切りそろえられているセミロングの髪型は、金糸を漆黒に染め直したかのよう。

 非の打ちどころのないとはまさに彼女のために作られた言葉だ。
『泣く子も覚える恋の始まり』。これをキャッチコピーとして採用しよう。

 と、いけないいけない。僕と彼女はただの部長とマネージャーの関係。ましてや気を引き締めなければいけないという時期に色恋沙汰など、他の部員に示しがつかない。




8: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:20:56 ID:gIv

 とは言っても、彼女に告白した男子生徒の数は、既に両手では及ばないほどだ。
 恐らく部員の半分、いやそれ以上の人数が彼女をオカズに夜の大運動会を決行しているだろう。
 それだけ放っておけない存在だ。気にするなというほうがおかしい。

 それでも、彼女は男になど脇目をふらず、自分の好きな缶蹴りをサポートする側に回ってくれているのだ。
 僕は――いや、僕らはその想いに応えなければいけない。

「大丈夫ですよー! もうリハビリは必要ないくらいに回復してますからー!」
「いやそういう問題じゃなく――」

 と、走り寄ってきた彼女に僕が言葉を返そうとしたときのことだった。




9: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:21:24 ID:gIv


「わっ!」

 コツン、という音が聞こえた。

 それが靴の爪先と地面のこすれ合う音だと気づくよりも先に、僕は腕を前に差し出していた。

 しかし、僕は大事なことを忘れていた。

 先程まで夕日に掲げていた、スチール缶(重量五キロ)の存在を。

 右手にある、凶器(重量五キロ)の存在を。



(思えば、僕の人生はラッキースケベの連続だった――)




10: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:22:12 ID:gIv

――

 小学校、三年生。

 僕はここで初めて缶蹴りと出会った。

「一緒に遊ぶ?」

 校庭の隅でぽつんと立っていた僕に、そんなことを言ってくれた女の子がいた。
 当時の顔は、あまり覚えていない。

 ただ風に揺れるショートカットと、向日葵のヘアピンがよく似合っていたことだけは印象に残っている。




11: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:23:33 ID:gIv

「私が缶を蹴って、それを拾い上げるまでにキミが隠れるの」

 こくり。

「そして、私が缶を元の位置に戻してキミを探す。で、私が缶から目を離したなー、って時にキミが缶を蹴りにくる!」

 こくり。

「私がキミの名前を読んで缶を踏んだらキミの負けだけど、それまでにキミが缶を蹴り飛ばせばキミの勝ち! ね? 簡単でしょ!」

 こくり、と僕は頷く。昔は無口で友達も少なかったから、異性とどう接していいのか分からず、とりあえず頷いていた気がする。

「じゃあ始めよ! この缶を蹴ったときにスタートだからね! それ!」

 彼女の健脚から繰り出された蹴りは、缶を空高くへと舞い上げた。それを僕はただ茫然と見ていて、蹴り上げたときのカコーンという心地よい音色に耳を傾けていた。

「ほら早く隠れて! 私が缶を戻すうちに!」




12: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:24:11 ID:gIv

 言われて僕は初めて足を動かす。隠れるといっても、そんなすぐ言われても思いつくものじゃなく、近くにあった遊具の後ろで小さく縮こまっていた。

「よぉし探すよー! どこにいるのかなー!?」

 わざとらしく大声を張り上げる彼女に、僕はビクビクと怯えながら身体を丸めていた。
 待って、待って、待って、動かずに待って。
 ポン、と肩を叩かれた。

「みっけ!」
「あ……」

 わー! と叫びながら缶へと走り去っていく彼女。足裏で缶を踏みつけ、むんと胸を張る。

 追いかけることすらできなかった。

「次、キミの番ね!」




14: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:24:43 ID:gIv

 缶の前に立つ。隣の彼女は今にも走り出しそうな体勢で待機している。僕は思いっきり足を振り上げ、缶の中心を蹴りつけた。
 思っていたより飛ばなかったことに拍子抜けしながら、缶を拾いに行く。

 缶を戻しにくると、既に彼女の姿はなかった。

「えっと、確か探せばいいんだよ、ね……」

 特に何の考えもなしに、先程まで隠れていた遊具の裏へと走った。
 瞬間、視界の端で何かが動くような気配がして首を振り返らせた。

 彼女は既に、缶へと狙いを定めて足を動かしていた。

「わっ!」

 びっくりした僕は「みっけ」と叫ぶこともせず、ただ彼女の向かう先――空き缶へと走り始めていた。




15: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:25:58 ID:gIv

「隙ありぃ!」

 そういって足を振り上げる彼女に、何とか追いついた僕は缶を足裏で踏み付ける。
 しかし咄嗟に足を引っ込めることなどできない彼女は、そのまま缶目掛けて蹴りをかます。

 当然、缶を踏みつけていた僕のバランスは崩れ、近くにいた彼女の身体を巻き込みながら地面へと転がった。

 当時のことはいまだに覚えている。忘れることができない。

 僕が下で、彼女が上に覆いかぶさる体勢。
 両手が彼女の服の中に入り込み、発育のよかった彼女は小学三年にしてブラをしていたのでさらに中へと入って生乳を直で触ることになってしまった。
 ちなみに顔は短パンをずり下げて鼻先が彼女の所謂花弁に当たるところでモガモガしていた。

「モガー! モガー!」
「ひあっ……! ちょ、何して……っ!?」

 パニックになるとさらにモガモガするらしく、モガモガした結果彼女のデリケートな部分をさらにモガモガすることになってしまった。
 今でも忘れられないモガモガとなっている。
 いやホント、わざとじゃないから。
 わざとじゃないとできないとか関係ないから。
 できちゃったのは仕方ないから。




16: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:26:30 ID:gIv

 小学生にしてこの体験はさすがに恥ずかしかったらしく、彼女は大層ご立腹の様子だったが、しかし交友を続けることは許してくれた。




17: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:27:38 ID:gIv

――



 六年生になった。ある日教育実習と称して、若い女性の方がやってきた。

「今日から一週間、みんなと一緒にお勉強させてもらう『』です。えーと、よろしくお願いしますね」

 とにかく、可愛かったのを覚えていた。
 黒いロングヘアをシニヨンにまとめた髪型はとにかく似合っていたし、大人の色香を漂わせた雰囲気は男子生徒に人気があった。
 あわよくばパイタッチに及ぼうとする阿呆もいたけど、それすら許す器の大きさには尊敬の念を覚えた。

 しばらくして、体育の時間に親睦を深めるという名目で、ドッジボールをやろうという話になった。
 ちなみに多数決の結果である。僕は終始缶蹴りを推していた。
 周囲の低能な猿どもは子供らしく玉遊びに興じるのが大好きらしい。

 いや、別にドッジボールが苦手とかそういうワケじゃない。
 あまりにも影が薄いせいで最後まで狙われないのが悲しいとかそういう理由があるワケじゃない。
 目立とうとしてボールを投げたら凄く非難されて落ち込んだとかそういう思い出なんかない。
 何なのアレ? ボールをとったら必ず強いヤツに献上しないといけないルールでもあるの?




18: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:28:38 ID:gIv

「まぁまぁそういわず、たまには缶蹴り以外もやってみなって」

 と、あの向日葵のヘアピンの彼女にも説得され、しぶしぶ僕もそれを受け入れた。

 彼女との仲は既に親友と呼んでも差支えないほどに深まっていて、小学四年生になったときからはあだ名で互いを呼んでいた。
 僕は「アキカン」で、彼女が「向日葵」。実に安易だ。

 ちなみに彼女はクレヨンしんちゃんみたいで嫌だとダダをこねていた。
 もっとも、慣れていくうちにどうでもよくなったらしいが。

 いつも缶蹴りをして遊ぶ校庭。
 そこに白線で区切られたコートで、試合は始まった。
 チームは四つに分けられ、八対八の勝負。
 ちなみに実習生の先生は僕と同じチームだった。
 向日葵ちゃんとはチームが別々で、とても心細かったのを覚えている。




19: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:29:31 ID:gIv

「おりゃー!」

 教育実習の先生にいいとこを見せようとしたんだろう。
 勢いよく投げられたボールは真っ直ぐ僕の顔面へと飛来し、鼻っ面を叩いた。

「いばっ!」とかだいたいそんな感じのことを叫びながら、僕は背中を地面へと打ち付ける。
 酩酊する意識の中、鼻の下をつつつと流れる鼻血の存在に気づき、自分が怪我をしたこと理解した。

「先生はこの子を保健室に連れていくから、みんなは気にしないで遊んでてね」

 先生に手をとられ、支えられながら立ち上がり、誘導されるままに足を動かした。
 これまたクラスメイトも非情なもので、何の気遣いもなしにそのまま試合を続行していた。




20: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:30:32 ID:gIv

「大丈夫?」

 保健室にて。
 部屋に充満する独特な薬品臭に交じって、先生の香水の匂いが妙に心地よかったのを覚えている。

 ティッシュを渡され、丸めて鼻に突っ込む。

「あー、平気です」

 ちょっと濁った声で言葉を返す。
 すると先生はにっこりと花の咲くような笑顔で「よかった」と微笑んだ。
 小学生なりにドキリとした。

「あっ、そうだ。これ、落ちてたよ」
「え? あ」

 渡されたのはいつも持ち歩いている空き缶だった。
 いつでも缶蹴りで遊ぶことのできるようにポケットに突っ込んでいるのだが、それがいつの間にか落としていたらしい。
 礼を言って受け取る。

「そういえばキミだけドッジボールじゃなくて缶蹴りがやりたいって言ってたね。キミ、缶蹴り好きなの?」
「はい、好きです!」

 反射的に声を上げた。
 一瞬驚いた様子で僕を見る先生だったが、次第に頬を緩め、ベッドに座る僕の隣へと移動してきた。

「実は私のお兄さんね、缶蹴りの世界選手なんだ」




21: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:31:34 ID:gIv

「ホントですか!?」

 驚愕で、思わず声を荒らげる。
 唖然として口を開き、先生の一言一句に耳を傾けていた。

「とっても強くてね。誰にも追いつけない、誰にも見つからない、誰にも勝つことができないなんて言われちゃって、スッゴく自慢のお兄さんなんだ」

 途端、先生の声のトーンが落ちる。

「とは言っても、もう『元』世界選手なんだけどね」
「……? 何か、あったんですか?」
「…………うん」

 とても悲しそうな顔だった。思わず聞き返してしまったことを後悔するくらいに。

「……練習中に蹴り飛ばした缶が睾丸を直撃。
まさに精巣爆裂ボーイとなってしまったお兄さんは痛みにバランスを崩してしまい、チームメイトと激突して怪我を負った。
幸いお兄さんの怪我は対したことなかったんだけど、相手側に選手生命に関わるほどの大怪我を負わせちゃって……罪悪感からもう缶蹴りはやめるって……ぐすっ。
ご、ごめんね。こんな話しちゃって」




22: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:32:44 ID:gIv

 いつの間にか涙が先生の顔を装飾していて、鼻をすする音だけが聞こえるようになっていた。
 居心地の悪い状態で僕は何もできず、ただ黙りこくっていた。

「えっと、だから私が言いたいことは……」

 ――ただ黙りこくって、僕は先生の手を握った。

「え……?」
「……あの、すみません。こんなことしかできなくて。お兄さんのこと、ホント気の毒で……」

 何か気の利いた言葉をかけられないかと必死に考えたが、僕にはこれだけしか言えなかった。

「でも、きっとお兄さんも缶蹴りに戻ってきてくれます! だって、そんな凄い人が、こんなに面白い缶蹴りをやめるなんて、絶対に無理だから!」
「……うん、ありがとう」

 先生からの突然の抱擁を受け、僕は肩をビクリと震わせた。
 ふくよかな胸部が僕の顔をうずめ、暖かな体温が身体を包み込む。
 香水の匂いがさらに如実に感じられた。

「そうだよね、私が信じてあげなきゃね」

 元のほんわかとした声が戻る。僕は安堵して「えへへ」と笑った。
 先生と身体が離れる。
 あともう少しこの気持ちのいい体験をしておきたかったけど、僕でも空気くらい読める。

 そして、先生は目を瞑って僕の前髪をかき上げた。

「ありがと」




23: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:33:25 ID:gIv

 チュッ、と水音が響く。おでこに先生の唇が触れたと気づくのに、やや時間を要した。
 気付いた瞬間、羞恥を含んだ血液が全身を走る。
 キスされたのは初めての経験で、赤面する顔がひたすらに恥ずかしかったのを覚えている。

「えっ、ちょっ、いや、ええっ!?」
「ふふっ、可愛いね」

 先生の顔がやたらと色っぽく見えた。先程まで肌に触れていた唇に意識が向き、目を合わせることができなかった。

「どうする? もっと先のこともしちゃおっか……?」
「さっ、先!」

 心臓の酷使が半端ない。ドクドクとした生々しい鼓動は胸に手を当てずとも分かってしまった。
 もはやその『先』のことを真剣にどうしようか考えていると、ガタリと保健室のドアが音を立てたことに気づいた。

 目を向けると、そこには顔面蒼白の状態で慄いている向日葵の彼女がいた。




24: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:34:05 ID:gIv

「大丈夫かなって思って……来たんだけど……お邪魔、みたいだね」
「ま、待って向日葵ちゃん。これは違うんだ……」
「……っ、ごめん!」
「向日葵ちゃん!」

 僕の言葉も聴かず、彼女は外へと走り出していった。

「ほら、早く追っかけて」

 ポン、と僕の背中を押す先生。僕はその勢いのまま、彼女を追いかけ始めた。
 缶蹴りを始めてから鍛えられた脚力は並の物ではない。既に小学生としての平均タイムを一回りほど縮める実力を持っている。
 たかが女の子を追走することなど容易いもので、すぐに彼女を捕まえることができた。

「やめて! 手を離して!」
「お願いだよ違うんだ向日葵ちゃん!」




25: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:34:50 ID:gIv

「何が違うの! ホントは成熟した女の人のほうがいいんでしょ!?
 ガキ臭い未発達マ〇コなんかより熟練の香りを醸し出す淫乱マ〇コのほうがいいってハッキリ言ってよ!」

「そんなことないよ! 僕はいまだに産毛すら生えていない向日葵ちゃんの不毛地帯をバカになんかしたりしないし、
 何より僕は向日葵ちゃんのつるつるロリっパイが好きなんだ!」

「嘘! ホントはムチムチ爆乳美女のほうが好きなんだ! ほら離して!
 小六にしてバストがBもない将来性皆無の発展途上乳はさっさと消えるから!
 はいはい! 邪魔な存在が消えてあなたの股間のGDPはむくむくと回復の兆しを見せてくるでしょうね!」

 ヒステリックに叫び散らす彼女に痺れを切らした僕は、彼女の両手を自分のところへと引き寄せ、大きい声でハッキリと宣言した。

「本当だよ!!」
「……っ」




26: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:35:18 ID:gIv

 ぴたり、と彼女の挙動が静止した。双方の距離は唇を突き出せばマウストゥマウスが出来上がる近さにあり、表情の移り変わりがよく見えた。

「本当だから、信じて」
「……」
「僕はちっぱいのほうが好きだから」
「……ホント?」
「うん」

 彼女は決まりが悪そうに、うつむき加減で沈黙。

 しばらくしてコクンと頷いた。

「ごめん、ちょっとイライラしてた」
「ううん、僕だって悪いから」

 このときから既に、僕らは互いの好意に気づいていたのかもしれない。

 後から聴いた話によると、先生は既に彼女の存在に気づいていたらしい。知っていた上で僕にちょっかいをかけ、反応を楽しんでいたのだと。
 ハハッ、まったくとんだ性悪マ〇コだったようだ。
 やっぱり小学生は最高だぜ。




27: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:36:09 ID:gIv

――



 中学生。
 やっぱり小学生は最高だなと認識したあの日から数年の月日が経ち、職場体験の時期がやってきた。

 同じ学校に進学し、晴れて彼氏彼女として付き合うことになった僕と向日葵ちゃん。
 そりゃあもう思春期の男女が毎日、缶を蹴ったり蹴られたりの爛れた日々を過ごしていた僕らは、将来のことなんかほとんど考えていなかった。

 向日葵ちゃんからは「プロ缶蹴り選手にならないの?」と首を傾げられたが、僕にそんな情熱は無かった。
 先生のお兄さんの話を聞いて萎縮してしまったのもあるし、何より向日葵ちゃんと過ごす時間のほうを大事にしたかったからだ。

 甘い考えのまま、僕と向日葵ちゃんは日々缶蹴りを生でやり(缶蹴り用語:『生缶蹴り』缶の中身を残したまま缶蹴りを行うこと。蹴ったときの爽快感はあるが人に当たると非常に危険)、
 毎日のように中に出していた(缶蹴り用語:『中に出す』エリアルールで高得点ゾーンに缶を蹴り入れること)。




28: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:36:57 ID:gIv

 職場体験では、先生に勧められたところを適当に選んでおいた。

「『幼稚園』かー。まぁ子供は好きだし、なんとかなるんじゃないかな?」
「へー、意外。アキカンって子供好きだったんだ」
「だって子供って向日葵ちゃんみたいな子多いし」

 喜んでいいのか蹴ればいいのかよく分からない表情をする向日葵ちゃんに、僕はニッコリとほほ笑みながら腰に手を回した。

「……ねぇ、今日は後ろでしようよ(缶蹴り用語:『後ろでする』後ろ走りで缶蹴りを行うこと。
 傍から見ると滑稽で笑えるため、昔はテレビ番組でよく行われていたプレイであるが、負傷者が続出したため今では禁止となっているルールである)」
「えー、あれ疲れるからやだー」
「いいじゃん。ちゃんと優しくするからさ」
「んー。……一回だけだよ?」

 などとは言いつつ、悪戯っぽい笑い方をする彼女。口では抵抗していても身体ではやりたがっているのだ。

「じゃ、いくよ……」
「うん、きて……」

 その日は放課後から朝までやり通し、首がバキバキになった。




29: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:38:08 ID:gIv

「ふぅ、疲れた」

 職場体験初日。幼稚園児の有り余る体力、絶えないトラブルに精神をすり減らしまくった僕は、隠れるように施設の裏で腰を下ろしていた。
 これについていける向日葵ちゃんは凄い。ありあまる母性を発揮し、八面六臂の活躍を見せている。さすがだ。結婚しよう。
 しかし残念ながらありあまる父性を持ち合わせていない僕はこうして幼稚園の裏でサボっている、と。なんとも情けない。

 とにかくエプロンが邪魔だ。これでは缶蹴りを行うときも思い切り足を上げることができない。

「ここでも缶蹴りは人気なんだなぁ」

 缶蹴りは野球、サッカー、バスケに告ぐ人気スポーツだ。
 そもそも、子供の遊びである『鬼ごっこ』と『かくれんぼ』を組み合わせたルールなのだから、そりゃあ人気は出るだろう。
 食べ物で表せばカレーとハンバーグを合わせたみたいなものだ。

 現在は昼休みの時間。校庭を確認しにいけば遊具で遊ぶ者、隅で草弄りや昆虫を観察している者、走り回りながら大声で叫ぶ者。
 その中でも缶蹴りを行っているのは、園児の半分くらいだろうか。
 缶蹴りと言っても遊具を扱った複合ルールは存在するから、汎用性は高い。




30: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:39:19 ID:gIv

「いいなぁ」

 昨晩、向日葵ちゃんと朝までいやらしくカンカンやったのを思い出す。あー向日葵ちゃんと一生缶を蹴りあえたらなぁ。

「じゃあ一緒にやる?」

 ふと隣から声が聞こえ、振り向く。そこには膝を折ってこちらを見上げる幼女の姿があった。まるでリスを彷彿とさせる小柄な体躯の彼女。
 パッチリとした目でこちらをジッと見つめ、何だか全てを見透かしているようだった。

「やる……って、缶蹴り?」
「うん」

 小さく首肯を返す幼女。これ以上なく嬉しい誘いだが、ふと疑問に思ったことがあった。
 走り回る園児の集団を指差し、問う。

「キミは混ざらないの?」
「私は強すぎるからダメだって。つまんないの」

 強すぎるってなんだそのカッコいい理由。今度僕もぼっちでいたらその理由使おうかな。

「ね、一緒にやろ?」

 服の裾を控えめに摘み、くいくいと引っ張る。




31: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:39:56 ID:gIv

「ぐ……っ」

 滅茶苦茶可愛らしい仕草でおねだりしてくる幼女。これを拒めることのできるヤツがいたら見てみたいものだ。

「わかった、やろう」
「わーい」

 二つ返事で了承した。しかし懸念はある。こんな小さい子とヤって、怪我をさせないだろうか……。

 まぁいっか! そんときゃそんときっしょ!
 パチンと指を鳴らし、僕はある提案をする。

「どうせだから後ろでやろうよ」
「後ろ?」

 僕は目の前の幼女に『後ろルール』を教えてやる。

「へー、面白そう!」

 ぴょこぴょことその場で跳ね、期待を露わにする幼女。

「じゃあ私が受け(缶蹴り用語:『受け』攻守でいうところの守り。缶を守る側。反対は攻め)ね!」
「おーけー」




32: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:40:38 ID:gIv

 缶蹴りに飽きた園児たちが放置した缶を拾ってきて、地面にセットする。

「いくよ! それっ!」

 カコーンと高い音を立て缶が舞い上がる。僕はその隙に適当なところを見繕い、隠れる。
 これまで幾度と繰り返した動きだ。もしもかくれんぼがオリンピック競技に選ばれたなら世界は僕という存在を放っておかないだろう。
 今回は幼稚園の屋根の上に隠れることにした。既に壁走りは体得している。人は意外にも三次元把握に弱い。そこを突いた作戦だった。
 もっとも、ヤり慣れている向日葵ちゃんにはすぐにバレてしまうが。

「よーしどこにいるかなー、私すぐにさがしちゃうよー」

 大きな声を出して自分の位置を知らせる。
 やはり園児か。
 そう思いながら「ふっ」と笑みを零した、その時だった。

「あ、」

 ぎゅるり、と幼女の首が回る。
 まるで自動追尾機能がついているかの如く正確な動きは僕を真正面にとらえたまま、静止。
 一瞬、何が起こったか分からなかった僕は身体が強張らせ、茫然と口を開ける。




33: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:41:05 ID:gIv

 そして彼女がこちらを見据えた状態で、背後へ一歩踏み出したとき、僕は反射的に屋根から飛び降りた。
 エプロンが空気抵抗でバサバサと音を立て、地面に降りるまでの時間にもどかしさを感じる。

 何故バレたか。そう思うより先に身体が動いていた。
 後ろ歩きでひょこひょこと缶へ向かう幼女を、首を百八十度回転させて追いかける。

「あはは、おもしろーい」

 確かに傍目からは滑稽だろう。しかしここで幼女に負けてしまえば男のプライドはズタズタ、後にも引けぬ状況。笑えねぇ。

 だが、ギリギリ。勝てるかもしれない。
 中学生と園児、まず歩幅が段違いだ。園児の一歩は中学生の半歩ほどだろう。
 このままいけば――。

 そう、このままいけば。




34: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:41:28 ID:gIv

「ていっ!」

 幼女が予期せぬ行動を起こした。

 バックステップ。

 幼女の小さい靴が地面を蹴りつけ、後方へと大きく飛ぶ。

「なん……だと……」

 確かに、バックステップは距離を大幅に縮められる。
 しかしそれなりにデメリットはあるのだ。
 バランスを崩す可能性や、体勢を立て直す際に隙が生じたり。

 何よりこれは攻めに置いてこそ最高の効果を発揮する。
 何故なら缶が足に当たりさえいればいい攻めに対し、受けは缶を踏まなければいけない。
 倒せばそれは攻めの功績となる。

 そしてバックステップは、何より缶を踏むのに適していない移動法。

 だが目の前の幼女は、どうだ。




35: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:42:13 ID:gIv

「ほっ、ほっ、ほっ」

 まさに熟練のプロの如く使いこなしているではないか。

「天、才……!」

 意外にも、僕の内に湧き上がった感情は恐怖だった。
 園児でこれなら、将来はきっと――手のつけられない化け物が出来上がっているに違いない。

「てやっ、と。これで勝ーち!」

 と、幼女の足が缶を踏みつけようとする。
 勝敗が決まる。

「くっ……ぅ! 届けぇ!」

 後ろ蹴り。
 大人気なくも、体格差を生かしたリーチで勝負を決めに走る。
 そしてこれは、足の可動域で唯一、前掛けのエプロンに引っかからない攻撃。

 結果、僕の脚部は幼女が缶を踏みつけるよりも先に触れることに成功していた。

 しかし勢いは止まらない。

「えっ……?」
「危ない!」

 幼女と足と僕の足とが絡み合いくんずほぐれつゴロゴロと転がって、複雑な絡み合い方をしていく。
 頭や肘やらを地面に擦りつけながら四回転半くらいして、やっと止まる。

「い、いたた」

 頭部をさすりながら身体を起こす。激しく衝突し合っていたが、幼女ちゃんのほうは大丈夫だろうか。
 そう思い姿を確認しようとすると、自分のズボンがひざ元まで下がっていることに気づいた。

「あれ?」




36: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:42:43 ID:gIv

 さらに冷静になって自身の状態を確認すると、表面的にはエプロンで隠されてはいるものの、その下は完全なるマッパということを理解する。

 否、それだけではない。

 そのエプロンの下には更に幼女ちゃんが入り込み、その小さなお口で僕の股間の暴れん坊将軍の鞘の役割をしているではないか。
 一度も抜刀したことのない我が刀身は、いまだ鞘として未熟であろう幼女ちゃんの口内でかつてない感覚にビクビクと震える。

 まずい、と当然思った。
 エプロンの下、ふくらみが微かに挙動を示しながら動く。
 幼女ちゃんも気がついたのだろう。
 自身の置かれている状況を。

「ん……んん!?」

 パニックになるとモガモガする。
 それは小学三年の頃、始めて向日葵ちゃんと遊んだときに身に染みて分かっていたことだった。




37: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:43:59 ID:gIv

「ふぁ、ふぁあにほれ!? んぶっ、じゅぶじゅぼぼぼぼ!?」
「うわあああああ!」

 手練れのソープ嬢もかくやなテクで股間のきのこの山をねぶりまくる幼女。
 子供のミニマムお口ではきのこの山でいうチョコの部分までしか咥えることができない。
 しかしその分、敏感なチョコ部分で幼女お口の全ての挙動を味わうことができるのだ。

 これにはタケノコの里派の僕も、貞操観念がタケノコの里の脆いクッキー部分のようになってしまう。




38: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:44:34 ID:gIv

「んぶじゅぶっ! もふっ、ふぁあぶじゅぷじゅぽっ!」
「おうあああああ!」

 僕のガチガチにボッキ―したうまい棒は幼女のお口でパックンチョされてしまい、未知の快感にビックリマンチョコしてしまう。
 敏感な部分をチロルチロルと舌でガブリチュウされたり、唇でカリパス部分をチューベットされたりと、僕のうまい棒をすこんぶと勘違いしたかのような扱いだ。

 次第に僕の股間のうまい棒はクアトロチーズな臭いを醸し出すモロッコヨーグルを吐精し、ホワイトロリータな幼女の口端を更に白く染めていく。
 口内では吐き出されたモロッコヨーグルとうまい棒が上手い具合にねるねるねるねされ、背筋にブラックサンダーが走った。

 非情にまずい、このままでは僕のチョコベビーを発射しかねない。
 溶解しゴムの圧力に押し出されたおっぱいアイスを想起した僕は、ピコラに突っ込んだトッポを引き抜くように慎重に腰を動かそうとする。
 ダメだ、次第に視界がわたパチの如く明滅し始めてきた。

 いけない! このままでは幼女のお口にモーニングサンダーしちゃう! 幼女のフエラムネで僕のうまい棒ドンパッチしちゃううう!

「ふぁああっ、なんらかこれ、ぴくぴくしれきらよぉ」

 僕の理性は二階から落としたポテトフライの如く砕け散った。




39: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:45:14 ID:gIv

 瞬間、僕の充分すてんばぁいされたくるみぽんちおは勢いよく開封したベビースターのように幼女の口内で弾けた。

「あああっ!!」
「んぶぶっ!? んふっ! ぷわぁあ!」

 予想外の量のヨーグルに幼女ちゃんは思わず口を離し、ケホケホと噎せる。
 僕はというと野外プレイという新たな快楽に酔いしれ、股間から広がる甘い快感に浸っていた。

「あっ、だっ、大丈夫? 怪我とかない?」
「ふぇぇ、なにこれ変なあじぃ……」

 幼女の口端から漏れ出るスペルマに思わず股間がピクリと反応した。
 圧倒的強者を組み敷くという優越感ゆえか、それともたった今僕の異常性癖が判明したのか。
 しかしこれから起こる悲劇に、そんな理由なんてどうでもよかった。

「ねぇ……ちょっと、何してるの……?」

 背後から、聴き慣れた声が聞こえた。
 振り返りたくない。そんな気持ちを押し殺し、機械的に首を動かす。

「向日葵ちゃん……!」




40: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:45:37 ID:gIv

 今、一番会いたくない相手だった。まさに誤解とも言い切ることのできない状況。
 僕は何かを言おうとして口を動かすが、どうにもならないことを悟り口をつぐむ。

「ねぇ、何か言ってよ……。これは誤解だよ、って言ってよ。……ねぇ」
「ご、ごめん」

 言い訳をする資格などなかった。向日葵ちゃんはそんな僕を睥睨し、感情を爆発させる。




41: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:46:20 ID:gIv

「やっぱりそうじゃん!! ずっと前から思ってたけどやっぱりアキカンって私のことどうとも思ってなかったんじゃない!?
 都合のいい女の子だとでも思ってるの? 一緒にちょっとマニアックな缶蹴りをプレイできたら誰でもよかったんじゃない!?」

「そうじゃないよ! ただこれは自分でも信じられないくらいの偶然とトラブルが原因で」

「何!? 偶然やトラブルで幼女に射〇しちゃうの!? どんだけ節操のないおち〇ぽだよ!
 どうせいつでもおち〇ぽみるくをすてんばぁいしてて発射寸前のギリギリのスリルを楽しんでたんでしょ!?
 園児の前でもそうって変態だね! 変態おち〇ぽだよ! ほら、今反応した!!」

「違うよっ。これは僕がただマゾなだけで、決して向日葵ちゃんを軽く思っているワケじゃないんだって!」

 目の前で繰り広げられる口論に、幼女ちゃんは怯えた様子で萎縮していた。

 向日葵ちゃんは半分物凄い剣幕で、けどもう半分は泣きそうな複雑な表情で声を荒らげていた。
 僕は焦燥で精神がどうにかなりそうだった。




42: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:47:22 ID:gIv

「あ、わかっちゃったー。あれだ、私がもう小学生じゃないからだ。そうだよね、最近陰毛も生えてきたし。
 私がもうロリコンのストライクゾーンを離れたからもう価値がないんだ! ぐすっ、そうなんでしょ!? バカぁ!」

「そんなことあるわけない! だいたい陰毛生えてきたって言っても産毛がちょっとじゃん!
 そもそも外見からしてまだ小学生で通用するし、胸だって小学三年の頃から変わらないミニミニちっぱいだからロリコンの需要はある痛い!!
 痛っ、やめて僕のマゾち〇ぽ蹴らないで!!」

「うえぇぇぇ! それはそれでムカつくぅぅ! せめて少しは成長したって言えぇぇ!」

 ちょっ、やめっ、やめて! 僕のうまい棒に容赦ない蹴りを浴びせないで!! 見た目うまい棒でも強度はふ菓子なの!
 止めっ、今睾丸かすったぞ!!
 もうやめろ僕が二人目の精巣爆裂ボーイになってもいいのか!!

「ほら見て! 僕のおち〇ぽが向日葵ちゃんに蹴られたおかげでむくむくと膨らんでいくよ! ほらっ! ほらっ!!」

 半泣きのまま股間の上でスタップダンスを踊る向日葵ちゃんを泣き止ませるべく、僕はおち〇ち〇を見せつけるように腰を大きく振った。

「うわぁぁぁ変態ぃぃぃ!」
「おうとも自覚してるよ!」

 完全に号泣し始めた向日葵ちゃんへの悪戯のつもりで、僕はそのままおち〇ぽリンボーダンスを続けた。
 足をぴくぴくと動かせながら徐々に近づいていくこの動作はそれなりに恐怖を演出するらしく、先程まで激怒していた向日葵ちゃんの姿は既にどこにもなかった。




43: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:47:59 ID:gIv

 その後、おち〇ぽリンボーダンスで向日葵ちゃんを追い回したツケは園長先生に洒落にならないぐらい怒られる形として返ってきた。

 つーかさぁ……何もそんな人格否定までする必要ないじゃん……。
 マジでアイツ呪ってやる。冗談も分からないクソ真面目が。たぶんアイツ学生時代に女の子と缶蹴りできなかった雑魚だろうな。
 缶蹴り童貞(笑)。週五ペースで女の子と缶を蹴る勝ち組だけど質問ある?(笑)。

 はぁ……。

 あーあ、アイツが寝ている間にチ〇コの割れ目にカイワレ大根生えねぇかな。




44: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:48:30 ID:gIv

――


 職場体験が終わり、中学三年の夏がやってきた。
 明日から夏休みだというのに何の計画も立ててはおらず、いまだ将来の夢など決まっちゃいない僕は学校で向日葵ちゃんに「どうしようかなぁ」などと危機感皆無な口調で話しかけていたりしていた。

 すると向日葵ちゃんは唐突に、「うちにこない?」と僕を誘ってきた。

 実を言うと僕は今まで、向日葵ちゃんの家に一度として訪れたことがない。




45: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:49:07 ID:gIv

 理由を訊いても、

「何となく」
だの、

「なんかやだ」
だの、

「ちょっとデリカシーないと思う」
だの、

「ずっと前から言いたかったんだけど、少しは女心って考えたことある?」
だの、

「違うの、別に何か隠してるわけじゃないんだ。けど、お願い。ホント放っておいて」
だの、

「何度も何度もしつこい! 本っ当アキカンって独占欲強いよね。正直、私普段から一々言わないだけで、迷惑してることってたっくさんあるよ
 女の子ってそういうことされるとスッゴくストレス溜まるって知ってる? マジあり得ない、帰って。
 今度私の後を追って来たらアキカンの乳〇をスタジアムに見立ててベイブレード回すから」
だの……。

 せめてラバーフラットボトムのストームペガサスだけは勘弁してほしいと思った。
 ベイブレードじゃなくて僕の乳〇がバーストしちまうよ。




46: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:49:52 ID:gIv

 とまぁ、こうも拒絶されてしまっては泣く泣く家で一人缶蹴りに興じるしかない。もう二度とコナンの犯人のコスプレをしながらストーキングはしまいと胸に誓っていたのに。
 それがまさか、今度は向日葵ちゃんのほうから誘うなんて、思ってもいなかった。
 もちろん二つ返事でオーケーした。

「うん、じゃあ、また放課後ね」

 その日の授業はいつもの何倍にも長く感じられた。
 まだかなぁまだかなぁとチラチラ時計を見ては一切進んでいない秒針にもどかしさを覚えたり、向日葵ちゃんがなんで僕を誘ったのか考えて悶々としたり。

 終業式が終わり、待ちに待った放課後がやってくると、「じゃあいこうか」と向日葵ちゃんは淡々とした口調で述べた。
 やはり何か見せたくないものでもあるのかな、と思い「やっぱやめる?」と返したが拒否された。

「今日じゃなきゃいけない」とのことだった。

 彼女の家は平凡な一軒家だった。中に入ると即座に二階へと上がらせられた。

「今日、親いないから」




47: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:50:28 ID:gIv

 さらりと告げられた衝撃の事実に、僕は緊張で身体が硬直したのを感じた。

「もしかして、今日じゃなきゃいけないのって、親がいるとできないことでもあるの?」
「うん、まぁ、そう」

 顔を合わせず、言いにくそうにする向日葵ちゃん。
 心臓がバクバクとした音を立てる。

 階段を一歩一歩上がる度に、濁ったような心地いいような感情が意識を飲み込んでいく。
 まるで今から悪いことをするような、あの感覚。

「適当なところに座って」

 彼女の部屋は至って普通だった。ベッドと、テレビと、本棚と、クローゼットと。
 室内の色調は大人しめで、僕の部屋よりも大人な雰囲気がした。
 何よりマンガだらけの僕の本棚とは違い、向日葵ちゃんの本棚には分厚い辞書のような参考書がたくさん並んでいた。

 彼女がベッドにどっかりと腰を下ろす。




48: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:50:49 ID:gIv

「留学したいと思ってるんだ」
「……は?」

 不意打ちだった。出会い頭に右フックを食らったような衝撃に、殴られてもいないのに視界が揺れた。

「えっと……え? 何それ」
「私、スポーツ医学を専攻したいと思っててさ。それで海外のほうが進んだ分野が多いって聞いたから、それで」
「いや、ねぇ。待ってよ。ちょっと……おかしいって」

 もう少し考えなって。
 海外だよ? 日本語通じないんだよ? それにほら、文化の違いとか、苦労しそうじゃん。
 あとほら、ここでしか食べられない料理とか多いよ。外国の食べ物ってカロリー高いのばっかって聞くし、太っちゃうかもしんないじゃん。
 そういうの気にするタイプだったでしょ。

 だからさ、ほら。




49: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:51:17 ID:gIv

「将来はスポーツトレーナーになって、プロの選手たちを影から支えたいんだ」
「だ、だからりゅ、留学するの? わざわざ? 日本じゃダメ、なの?」

 焦って上手く言葉を紡ぐことができない。まるでお酒でも飲んだかのように考えはまとまらなかった。視界の端からゆっくりと白んでいく。
 まるで自分だけ置き去りにされているかのような劣等感。大事なものが手のひらから零れていくような虚無感。

 酷く喉が乾いて、水が欲しかった。

「できるだけ上に行きたいの。世界で通用するくらい、とっても有名になって、叶えたい夢があるから。だからアキカンは――」

 輝くような笑顔で喜々として語る彼女の顔は、僕には眩しすぎた。
 今までなるようになると思っていたから、彼女も僕と同じだと思っていたからこそ、裏切られたような気がした。
 当然のように、彼女は僕と同じ位置にいてくれるのだと信じていた。何も言わずついてきてくれるんじゃないかと自惚れていた。
 言いようのない真っ黒な感情が胸中を埋め尽くしていく。

「い、いかないで……っ!」




50: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:52:07 ID:gIv

 僕は彼女の言葉を遮った。これ以上聞いていると、僕のボロボロのプライドが耐え切れなくなってしまう。

「そんな、似合わないよ。だってスポーツトレーナーでしょ。医学でしょ。柄じゃないって。キャラじゃないって。そこまで頭よかったワケでもないじゃん。どうしていきなり……」
「いきなりじゃない。もう中学三年だよ」

 至極冷たい口調だった。経験したことのない彼女の態度に、心臓が震えた。

「もう将来進むべき道を探さなきゃいけない、いや、もう既に向かっていなきゃいけない段階なんだよ。
 まだどうしようか迷っていたら、いざ頑張ろうってときに周囲から遅れたスタートを切らなきゃいけないんだよ」
「そりゃ、そうだけどさ。……まだ早いって」
「じゃあ進学する高校は決めたの?」
「……まだ、だけど。でも、なるようになるから」
「たぶん、そうやってずっと、目を逸らし続けてたんだよね。目を逸らして、毎日毎日カンカンカンカン、猿みたいに缶を蹴って。
 どうにかなる、なんとかなるって。子供じゃないんだよ? いつまでも好きな缶を蹴ってばかりいられないんだよ?」




51: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:52:58 ID:gIv

 なんだか、現実味のないやり取りだった。
 いつになったら『そんな君にオススメなのがこの進研ゼミ!』みたいな感じでやってくれるのかを待っていた。
 早く勉強・部活と中々結果を残せていない僕に『さぁ今からでも遅くない、ここが人生の分岐点だ!』みたいに励ましてくれるのかを待ちわびていた。

 でも、そんな気配は一切なく。
 というか彼女が進研ゼミをやってる姿を見たこともないからきっかけもないし。
 だからこれは夢なんじゃないかと、僕は本気で思い始めてきていた。

「大人になったらやりたくないことも平気でさせられる。
 コカ・コーラ派なのにペプシの缶で缶蹴りをさせられるかもしれない。
 レッドブル派なのにモンエナの缶でプレイしなきゃいけないこともある。
 毎回アキカンに合わせてたけど、実は私、モンエナの缶は凄く苦手だったの。
 あそこまで縦長だと足裏で踏み付けるのが困難だから」

 僕はそのとき、初めて彼女の本音を知った。
 レッドブル派であることを隠し、ずっと僕に合わせてモンエナ派を装ってくれていたなんて、考えもしていなかった。
 もしかしたら、野菜生活もあのなんかラベルが紫色のヤツのほうがよかったかもしれない。午後の紅茶もミルクティーのほうが好みだったのかもしれない。




52: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:53:50 ID:gIv

「特にふってふってゼリーは辛かったなー。新しいプレイを発見するためとはいえ、あそこまで受けに不利な缶は見たことがなかったや」

 そうだよね。あれキャップ型だから、慎重に踏み付けないと滑って転ぶもんね。

「……そっか、本当にごめん。僕、向日葵ちゃんの気持ち、全然考えてなかった」
「ううん、もういいの」

 そりゃ、そうだ。
 だってもう顔を突き合わせなくてもいいんだから。
 彼女はもう、僕と毎日会わずに済むんだから。

「じゃあ、お別れ、だね」
「…………」

 僕の言葉に、彼女は返事をしなかった。

 きっと彼女が本音を吐露してくれなかったら、まだすがりつく気でいただろう。
 缶タイプの底に残ったナタデココの如く、何度振ってもへばりついて。
 まぁあれ、口から離して振るとなぜか普通に出てくるんだけど。

 とにかく、僕と彼女はこれから、別々の道を歩むことになったというワケだ。

「……今日はもう帰ろうかな」

 言って、僕は彼女の部屋を出ようとする。
 と、次の瞬間。僕は制服の裾を摘ままれ、足を止める。

「待って、まだ話は終わってない」
「え……?」




53: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:54:20 ID:gIv

 彼女はそう言って、ベッドの下をごそごそと漁り、ある一つの物体を取り出す。
 赤い塗装に入った、白いストライプのライン。

「まさか、それ……」
「うん、TENGA」

 オナカップ。
 赤ちゃんの生産元を訊かれたらコウノトリと返すように、缶蹴りの中でも暗黙のルールというものがある。

 特にオナカップは成人に至っていないものが缶として扱うのは危険で、それがバレてしまうと、世間からは白い目で見られてしまうこと必至だ。

「最後だから、どうせなら思い出が欲しいの」
「そんな……バカじゃないのか。留学したいんだろう。この事実が露呈してしまったら、向日葵ちゃんは……」
「ううん、構わない」
「……っ!」

 彼女は赤面する顔を隠そうともせず、真っ直ぐと僕を見つめていた。
 ここで引いたら男が廃る。
 そう自分に言い訳して、僕はオナカップ片手に佇む彼女の手を強引に引っ張って外へと連れ出した。


 感想を一言で述べると、癖になる蹴り心地だった。




54: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:54:56 ID:gIv

――


 彼女の乗った飛行機が墜落したと知った。
 夏休みの中盤にさしかかった辺りのことだった。
 向日葵ちゃんを空港で見送って、家に帰ってきて何気なくテレビを眺めていたときの速報だった。

 何の冗談だろう、と僕は目を疑っていた。
 四月一日にはまだ早かったし、そもそもテレビが嘘を報道していいわけでもなかったから、とにかくこれが誤報である可能性を信じ、ただ拳を固く握っていた。

 生憎、そのテレビは真実だけを伝えていた。
 日本人観光客を乗せた飛行機が墜落したこと。
 その飛行機には向日葵ちゃんも乗っていたこと。

 僕はそのとき、大事な何かがどんどん身体から抜けていったのを感じた。




55: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:55:31 ID:gIv

 葬式には出なかった。それは向日葵ちゃんが死んでしまったということを認めることになってしまうから。
 夏休みが終わっても学校へは登校せず、自分の部屋のベッドで腐っていた。

 こんなときでもお腹が減る自分の身体に嫌気がさした。腹の虫が鳴る度に拳を叩き込み、吐くものもなくなった胃を苛め続けていた。
 きっとこの世を統べる神は今頃、ケータイ小説にはまっているに違いない。
『とりま人殺しときゃ絶望感出るっしょwww』などとほざいているに決まっている。

 茶色のカーテンは、もう二か月ほど前から締め切ったままだった。
 窓の外に映る色が嫌いだった。黄色の太陽、赤のランドセルに、木々に乱反射するオレンジ色の日光。そのすべてが明るくて、僕には眩しすぎた。

 それでも聞こえてくる児童の笑い声が不快で、毛布にくるまって外界の情報をシャットダウンする。




56: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:56:15 ID:gIv

 思い返すのは、向日葵ちゃんとの思い出の日々。
 出会いの小学三年生、すれ違いの小学六年生、喧嘩の中学二年生。
 彼女と過ごした日々を、体温、気温、感触、色に、環境音。全てを如実に正確に、思い返していく。

 毎日毎日、こうして思い出しては、彼女がまだ生きているように錯覚して、堕落した日々を過ごしている。
 やっと、彼女が僕に留学を告げたところまできた。初めて彼女が僕に冷たく当たったときのことだ。
 衝撃的過ぎて忘れることもできない。とにかく思い出しやすくて助かった。

 マゾだった僕は彼女の突き放すような言葉に、一々股間が反応して辛かった。

 そろそろ終わりが近づいてきた。
 彼女が旅立つ。

 空港で出会ったときのこと。人の雑踏、手を振ったときの心境、悲しそうな表情、吸った空気の匂い、踵を返したときに翻った服の裾。
 どうでもいいことも全てひっくるめて思い出す。
 脳をフル回転させ、精神が擦り切れてでも記憶を引っ張りだしていく。

「あ――」

 と、ここで一つ思い出したことがあった。




57: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:56:38 ID:gIv

「手紙!!」

 がばりと毛布をはねのけて、隅で埃を被ったままの鞄を漁る。

「どこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだどこだ」

 空港の売店で買ったお茶にはカビが生えていた。しかしそれを気にすることもなく素手で底を漁り続けて、僕は一つの白い紙を取り出す。

「あった……」

 震える両手でそれを拾い上げる。匂いを嗅ぐと、埃が呼吸器系に入って噎せた。さすがに彼女の匂いは残っていなかったらしい。
「家に帰ったら読んでね」と言われて渡された、彼女からの手紙だ。帰宅してからは飛行機事故に気をとられていて、すっかり忘れていた。

 荒い息を整え、彼女の残した遺産を僕は、ゆっくりと開いた。

『アキカンへ』

 そこにはハッキリと、彼女の字で、僕のあだ名が書かれていた。




58: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:57:24 ID:gIv

『ちょっと照れくさいから、こうして伝えるね』

「ああ、大丈夫だ」

 まるで彼女と会話をしているかのような感覚に、胸が優しいもので満ちていくのを感じた。

『私が留学するって伝えたとき、結局言えなかったことなんだけど……やっぱりアキカンには缶蹴り選手を目指してほしいんだ』

「……あ」

 そういえば言葉を遮ってしまったことがあった。あのとき、向日葵ちゃんはこのことを伝えたかったのか。

『私がスポーツトレーナーを志す理由として妹のことがあるんだけど……妹は缶蹴りの天才なんだけど、しょっちゅう怪我をして帰ってくるんだ』

「妹……いたんだ」

 全然知らなかった。

『将来はプロの缶蹴り選手として活躍するだろうって言われてる。でもプロとなると、大きな怪我なんかをしちゃったらそこで終わっちゃうでしょ?
 それ以外に取り柄があるなら別だけどさ。だから私は妹のためにスポーツトレーナーになりたかった』
『あと、これまで家に呼ばなかった理由として、妹の存在があるんだよね。妹ってスッゴく可愛いし、缶蹴りも上手だから、アキカンがとられちゃうかもって思ってたんだ。ごめんね』

「そんな……僕が向日葵ちゃん以外に振り向くわけないじゃん」

 だから家についていこうとすると激しく拒絶していたのか。
 いやでも、さすがに酷過ぎじゃないか。デリカシーないよねとかキレられたりしてたときはさすがに泣きそうになったんだけど。




59: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:57:59 ID:gIv

『あ、でも妹って滅茶苦茶いい子だから、もしも浮気するなら妹にしてね。それ以外は私認めないから』

「どっちだよ」

 取られたくないとか言ってたのに?

『まあ、それはさておいて……とにかく、アキカンには缶蹴り選手になってほしいよ』
『ずっと私とばかり缶蹴りしてて気付いてないと思うけど、アキカンはもう既に缶蹴りが上手だよ』
『きっとアキカン、将来のことなんか全然考えてないだろうし。絶対プロでも通用するようになるって! 私が保証するよ』
『そして、一緒に頂点目指そうよ。私たち二人力を合わせれば夢なんかじゃない!』
『さぁ今からでも遅くない! ここが人生の分岐点だ!』

「あ、ここで言うんだ」

 進研ゼミみたいなセリフ。




60: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:58:59 ID:gIv

『……私ちゃんと頑張るから。アキカンも』

 ここから先はぐじゃぐじゃと殴り書きのようにして書かれていたりして、解読は不可能だった。
 と言っても、何度も書き直していて、結局言葉が見つからなかったようだ。
 一番下に可愛らしい絵文字が描かれていて、いい具合に誤魔化している。

「へへ……ちくしょう」

 僕は立ち上がり、茶色のカーテンを横に払った。

 窓の外は夕焼けに染まっており、昼間かと勘違いしていた僕は一瞬面食らう。

 二か月ぶりの換気は外のやや冷えた空気を部屋に送り込み、室内の雰囲気を一新させた。

 そういえばもう十一月なんだと思いながら、僕は窓の外へと身を乗り出した。

「……よしっ」

 空気は澄んでいた。

 きっとこの声はよく通るに違いない。

「見てろよ! 向日葵ぃぃぃぃぃ!!」

 夕日を指差しそう宣言する。

 と、手紙をよく見返すと裏に何かが書いてあった。

『PS:そろそろあだ名じゃなくて名前で呼ぶ癖をつけておいてください』

「預言者かコイツは」




61: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)21:59:18 ID:gIv

 まぁ、もしも今度会えたときはそう呼んでやることにしよう。
 向日葵じゃなく、あの名前で。

「あの名前……。……?」

 そういやなんだっけ。

 あの、えっと……たしかなんかこう、『かん』っぽいアレ。
 あーあの……。

「あ、そうだ」

 僕は思い出す。

『菅野美穂(かんのみほ)』という、彼女の名前を。




62: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:00:11 ID:gIv

――


「そうか!! キミと向日葵ちゃんは姉妹だったんだ!!」

「ぐぼふぉ!!」

 後輩ちゃん、菅野美喜の口に僕の持つスチール缶が入った。

 まぁそんなことよりも。

 走馬灯のようにして思い出された記憶は、僕がもう忘れ去っていたであろうものまで呼び起こしてしまった。

「思えば君の両親が缶蹴りを反対したのは、既に姉を一人亡くしてたからなんだ。きっとそういう死に近いものに過敏になってしまっていたんだろう。
 ははっ、なんて偶然だよ。まさか向日葵の妹が、僕と同じ高校に入学してくるなんて」

「ぐふぉ!! おうおううあうあ!!」

 缶はちょうど後輩ちゃんの大きく開く口にミラクルフィットしてしまった。引き抜こうにも缶のフチが彼女の歯に引っかかってしまって抜けない。

 まぁそれはおいといて。




63: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:01:14 ID:gIv

 僕は向日葵ちゃんがべた褒めしていた妹の存在を、改めてまじまじと見つめ直す。

「なるほど、確かに良い子だ。今なら向日葵ちゃんの言っていたこともよく分かるよ」にこっ。

「ウヴォォエ! オウウウアイエエ!!」

 キチガイを見るような目で僕を見上げる後輩ちゃん。
 重量五キロの缶を口で咥えるには筋力が足りないらしく、自然と四つん這いの視線で下を向くようになってしまった。

 まぁどうでもいいか。

 僕は蹲る彼女の肩に手を置き、優しげな声音で話しかける。

「できれば、向日葵ちゃん……キミの姉の、墓参りをさせてくれないか。
 向日葵ちゃんがいないと何もできなかった自分と決別するため、向日葵ちゃんと関連する全てのものには関わらないようにしていたけど……気が変わった」

「エッエヴュッ! ヴァアアウオオウビュ!!」

 口の隙間から黄銅色の吐瀉物が漏れ出る。
 見上げた顔は涙目で、懇願するかのような表情に思わずキュンときてしまう。
 次第に見開かれた目は充血し、顔色が青く染まっていく。
 美少女の面影はどこにもなく、死に絶えた魚のほうがまだキュートだろう。

 まぁこれはなんとかなるとして。

 思い出された過去を一つ一つ吟味し、咀嚼し、飲み込み。僕は晴れやかな笑顔で言う。

「向日葵ちゃんに会わなくちゃ!」




64: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:02:06 ID:gIv

――


 その墓石は、見るからに大事にされているように思えた。
 こまめな手入れが行き届いているのだろう。
 他とは比べものにならないくらい、綺麗な状態だった。

 僕は墓前に跪き、彼女の好きだったレッドブルをお供えしてやる。

「ははっ。翼を授けるなんてキャッチコピー、ここでは皮肉にしかならないかな」

 返事はない。当然か。千の風だって言っている。そこに私はいませんと。眠ってなんかいませんと。

「中学の頃よりは痩せたかな? まぁ筋肉はついただろうから、そういうのよくわかんないと思うけど」

 苦笑し、必至に次の話題を探す。
 不思議と、言葉が中々出てこなかった。
 元々彼女のほうから話しかけてくることが多かったからだろう。

 言いたいことはたくさんあった。でも、慣れない感覚にあたふたとしてしまう。
 フォローはない。全部自分で解決しなきゃいけないんだ。

「そういえば、君の顔を久しく忘れていたんだよね。どうだったか。結構可愛かったのは覚えているんだけど。あれかな、心因性のショック的なものかな?」

 返事のない虚しさ。ここで彼女なら、どう返してくれるんだろう。『忘れるなよ!』とか笑って言ってくれそうな気がする。
 全ては想像に過ぎないけども。




65: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:02:45 ID:gIv

「キミの妹に会ったよ。とっても可愛かった。確かにあれが妹だったらどこまでも尽くしたくなるよな。スポーツトレーナーを志すのも無理はないよ。
 もっとも、最近はなぜか避けられてるけどね。会話をする声が毎回震えてるんだよな」

 あと顔を見るたびに両手で口を押えて吐きそうになっているっぽい。

「あ、そうだ午後の紅茶を持って来たんだ。ミルクティーだよ。僕はストレートティー派だったから、たぶん好きだよね」

 こうして問いかけても答えはない。
 もしも本当はストレートティーが大好きでも、それを知るすべはない。
 野菜生活のパッケージはやっぱり紫色のヤツのほうがよかったのか。
 アクエリアス派なのかポカリ派なのか。
 ファンタはオレンジが至高かグレープが至高か。




66: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:03:44 ID:gIv

「もしも僕が早めに缶蹴り選手を目指していたら、キミは生きていたのかな」

 ふと悲しくなって、そんな無駄なことを言ってみる。

「一緒に高校に行けてたのかな。一緒に部活に入れていたのかな。一緒に放課後を過ごしていたのかな。一緒に下校していたのかな。
 ……一緒にご飯を食べてたり、一緒にレッドブルを回し飲みしていたり、一緒にドクぺのまずさに悪態をついたりしていたのかな」

 もしもそうなら、とても素晴らしい人生なんだろうと思う。
 けど、僕は変わった。

 今の僕は彼女がいなければ何もできないアキカンじゃない。

 全国を目指す仲間と共に毎日缶を蹴り続ける、空閑高校缶蹴り部部長の秋世勘太だ。まぁあだ名はまだ「アキカン」だけど。

「今まで本当にありがとう、向日葵」




67: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:04:51 ID:gIv

 そういって、僕はその場を立ち去ろうとする。
 すると踵を返した瞬間、お供えしていたはずのレッドブルの缶が倒れた音がした。
 びっくりして振り返る。中身は入っているはずなので、風に押される心配もなかったのだが……。

「あっ」

 と、僕は彼女との約束を思い出す。

「細かい奴だな」

 僕はレッドブルを立て直し、ヒラヒラと手を振って別れを告げる。

「またな、美穂」



『いくよー』

 カコーン。

 誰かが缶を蹴り上げた。




68: 名無しさん@おーぷん 2018/01/24(水)22:06:45 ID:gIv

これで終わりです。
友達には「流し読みしたけどイカれてる」と好評でした。
今度はもっと面白い作品を用意できるようにしたいです。
それではまた。






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引用元: ・昔書いた小説を発掘したので晒す

 

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