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399: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)00:44:23 ID:kHg


場面は戻り…
シンデレラの世界 魔法使いの家

・・・

ゴーテル「さて、キモオタよ。その魔法具で時を止める方法じゃが…」

ゴーテル「先に言ったように新型おはなしウォッチで時を止めるにはある条件を満たす必要がある、その条件というのがじゃな…」

キモオタ「その条件とは……?」

ゴーテル「お主自身が『時間』に認められる。という事じゃ」

キモオタ「むむっ…?『時間』に認めて貰うですと?それは一体どのような意味でござろうか?」

ゴーテル「どうもこうもそのままの意味じゃよ。難しく考える必要などありゃせん」

ティンカーベル「つまりアリスが『時間』と仲良くなることで時を止めてるみたいに、キモオタも『時間』と仲良くなって時を止める力を手に入れようって事?」

ゴーテル「当たらずとも遠からずといったところか…。特に『時間』と親しくならずともその魔法具には時を止める力が備わっておる、ただし……」

ゴーテル「事情があるとはいえ、お主が勝手に時を止めてしまえば……その行為に腹を立てる存在がおるんじゃよ」

キモオタ「はぁー!?こっちはちゃんとした理由があるのに怒られる事なんか無いじゃん!誰なの!?そのわからず屋は…!」プンスカ

キモオタ「もしや、我輩が時を止める事で怒るだろう存在というのは……『時間』いいや『時間殿』でござるか?」

ゴーテル「左様、確かにお主はその新型おはなしウォッチで時を止める力を手に入れた。ただし、今はまだその力を使ってはならん」



ゴーテル「『時間』そのものが…それを許しはせんじゃろうからな」




400: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)00:46:56 ID:kHg

キモオタ「なるほど…つまり我輩が時を止めるには時間殿の許可が必要だと、そう言う事でござるな?」

ゴーテル「そういう事じゃ。その魔法具を使えば時間との対話自体は可能じゃ、あとはお前自身が『時間』と交渉を……」

ティンカーベル「ねぇねぇ、別に許可なんかとらなくても勝手にやっちゃえばいいじゃん!もし怒られたら後で謝ったらいいよ!」

カイ「お前、俺の話聞いててよくそんな事言いだせたな…。んなことやってみろ、キモオタがどうなっちまうかわかんねぇぞ」

魔法使い「『時間』という存在は強大すぎる我々のような人間が刃向ってはならんのだ。怒りをかう事は絶対に避けるべきだ、決して敵に回してはならない存在なのだから」

ゴーテル「うむ、なにしろ相手は『時間』じゃ。その気になればキモオタを時と時の狭間に幽閉し、永久に虚無の空間をさまよう事になるやもしれんでの…」

キモオタ「ひえっ…なんと恐ろしい…!」

ティンカーベル「うーん…じゃあ駄目だね、それは流石にちょっとだけ困るよね…」ウーン

キモオタ「大いに困っていただきたいところですなwww」コポォ

ゴーテル「なんにせよ『時間』に無断で時を止める事は死を意味する。キチンと『時間』と対話し、時を止める許可を得るのが無難じゃな」

ティンカーベル「でもさ、簡単に許可してくれるのかな?もしも「駄目!」って言われたらどうする?外見がキモイから駄目って言われたら反論の余地が無いし…」

キモオタ「ちょwwwとはいえ、もし断られてしまえば我々はアリス殿の時止めに対抗する手段を失ってしまうでござるし、ちょっと不安でござるな」

ゴーテル「なぁに、そう不安に感じる事もあるまい。無断で時を止めれば『時間』も怒るじゃろうが、事情を話せば大丈夫じゃろ」

ゴーテル「お前が時を止めたいというのは決して私利私欲の為ではない、友を助け世界を救うためであるときちんと説明すれば問題なかろうて」




401: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)00:54:01 ID:kHg


ティンカーベル「そうだよね!私達、正しい事してるんだし!悪いことするために時間を止めようってわけじゃないし!」

キモオタ「そうでござるなwww誠心誠意込めつつ事情を話せば時間殿も協力してくれるでござろうwww」

ゴーテル「うむ、何一つ案ずる事などありゃあせん。あぁ……そういえば一つだけ注意点があるんじゃったわい」

キモオタ「ほうwww注意点でござるかwwwそれは一体なんでござるかなwww」

ゴーテル「今回、その魔法具を作るにあたって色々と調べてわかったんじゃが…時間というのは軽視される事をとことん嫌うようなんじゃ」

ティンカーベル「そーなんだ!そーいえば、帽子屋も時間に『時間を無駄にしてる』って思われて喧嘩になったんだっけ」

キモオタ「そうでござったなwww故に、アポ無しで時を止めたら怒るんでござろうなwww」

ゴーテル「うむ、じゃから『時間』という存在は無駄にされる事を、蔑ろにされる事を、粗末に扱われる事を何より嫌う」

ティンカーベル「ん?つまり、どゆこと?」

ゴーテル「つまり時間という存在はじゃな。休日にだらだらと惰眠を貪ったりする輩なんぞを嫌っておるんじゃ」

キモオタ「……」ギクッ

ゴーテル「予定も立てずにうだうだ過ごした揚句、中身の無い時間を過ごす者…」

ティンカーベル「……」ギクッ

ゴーテル「無計画に遊んでばかりで時間を浪費したり、挙句時間を持て余して毎度毎度暇つぶしなんぞに興じているような…」

キモティン「……」ギクギクッ

ゴーテル「時間に敬意を払わず、いつもウダウダダラダラと過ごしては時間を浪費しているような…」

キモティン「……」ギクギクギクゥ

ゴーテル「そういった怠け者の事を、『時間』は心底嫌っておるじゃろうなぁ」




402: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)00:59:06 ID:kHg

ゴーテル「まぁ、お主等には関係の無い話じゃから安心せい。キモオタはもういい大人じゃし、ティンカーベルに至っては妖精なんじゃから、そんな堕落した生活は送っておらんじゃろ?」

キモオタ「ハハハ、トウゼンデゴザルヨ。ワガハイ、イイオトナ、ナニモシンパイナイ、デゴザル」ドゥフフ…

ティンカーベル「ダヨネー、ワタシタチ、ダラクシテナイ、ダイジョブ」ハハハ…

カイ「お前らなんだその汗」

魔法使い「そもそも何故カタコトなのか」

ゴーテル「まさかとは思うが、お前たち……嘘じゃろ?」

キモオタ「……」

ティンカーベル「……」

ゴーテル「……」

キモオタ「ドゥフフフwww」

ティンカーベル「アハハハwww」

ゴーテル「呆れたわい…!何を笑っておるんじゃお前たちは!『時間』に協力してもらえんのかも知れんのじゃぞ!?」

ゴーテル「えぇい!とにかく話してみるんじゃ、お前たちが現実世界でどのように時間を浪費しておるのかを!」バンッ




403: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)01:00:16 ID:kHg

ティンカーベル「は、話すからそんな怒んないでよ…。ほらキモオタ話してあげて、休日何してるかとか…」

キモオタ「そ、そうでござるな…。まず金曜日の晩は一週間頑張ったご褒美にピザとかとって、平日に取り貯めた深夜アニメを見るでござるなwww」

ティンカーベル「そうそう、ピザが無くなったら近所のファミマでジャンボフランクとスパイシーチキンと…適当におにぎり買って夜遅くまで見るんだよ、ね」

ゴーテル「いい歳した大人が休みに浮かれて夜更かしとは…!まぁよい、それで一時くらいに寝るんじゃな?」

キモオタ「いやいやwwwそれくらいはまだ序の口でしてwwwそっから海外ドラマのDVD見たり、時には大体マリカーや桃鉄に興じますぞwww」

ティンカーベル「大体寝るのは明け方だよね!そんで次の日の昼過ぎにもそもそ起きてきてー、またファミマ行ってー」

キモオタ「ジャンボフランクとパンで腹ごしらえをしてwww家に帰って洗濯機回しつつ早売りのジャンプ読みつつネタバレスレに書き込んで…」

ティンカーベル「Youtubeとかニコニコ見てー、そんなこんなしてたら大体夕方になってるから大体近くのガストに行ってー、そんで帰りにゲオでDVD借りてー」

キモオタ「そして帰りのファミマで補充したジャンボフランクをかじってはコーラをグビグビしつつチップス的な菓子をもさぼり夜が更けていくというwww」

ゴーテル「……」

ティンカーベル「あっ、でも次の日出かけるからお風呂入って十二時には寝るよ!ねっ?」

キモオタ「ですぞwww日曜日はアニメイト行ったりゲーセン巡りしたり忙しいですからなwwwまぁ特に予定立てずにぶらついてるでござるけどwwwそのあとは……」

ゴーテル「もうよい」

ティンカーベル「えっ?まだ日曜日の夜何するか話してないk」




ゴーテル「もうよい」




404: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)01:02:37 ID:kHg

魔法使い「その辺でいいだろうゴーテル、いくら説教をしたところで過去を変える事は出来んのだから。肝心なのはどう『時間』を説得するかだろう」

ゴーテル「確かにそうじゃが…お前はなんだかんだで甘いのぅ。こういう奴等には厳しいくらいがちょうどいいんじゃい!」

カイ「同感だな、流石にだらしなさ過ぎるからな。マッチ売りもピーターパンも草葉の陰で泣いてんじゃねぇのか?」

キモオタ「ぬぅっ…」

ティンカーベル「うっ…」

ゴーテル(流石に精神的に来るものがあるようじゃな…。まぁ自業自得じゃ、これで少しは反省すればいいんじゃがな)

キモオタ「ティンカーベル殿、全てが終わったら…ちょっと生活見直そうでござる」ヒソヒソ

ティンカーベル「わかった、私もそうしたほうが良いと思う。約束ね」ヒソヒソ

ゴーテル「さて、『時間』をどう説得するかはキモオタに任せるとして…。ワシからの説明はこれで終わ――」ガタッ

キモオタ「むっ?どうしたでござるかゴーテル殿?突然立ち上がって……」

魔法使い「この感覚は…!お前たち!今すぐにゴーテルの背後に!」バッ

ティンカーベル「まさか襲撃!?早くない!?」

キモオタ「ちょ、突然そんなこと言われてましても…!」ドタバタ

カイ「ヤベェぞ…!確かにデカイ魔力を感じる…!そっちの壁の向こうだ…!」スッ

ドンッ! ゴゴォォォッ!

キモオタ「ぶひいぃぃっ!壁が一瞬で焼き払われて…!」

スタッ

アリス「やぁ、魔法使いにゴーテルも一緒か。ボクと戦う為の作戦でも考えていたのかい?」スッ

ゴーテル「……問題児の登場じゃな。全員、気ぃ抜くでないぞ…!」ググッ




405: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)01:06:55 ID:kHg

アリス「問題児とは随分な言い草だな、ボク自らわざわざ出向いたっていうのに」クスクス

キモオタ「アリス殿…!我々を追って来たのですな…!」

アリス「まぁ否定はしないけど、今の目的は君じゃあない。そっちの魔女たちだ」ヒュン

キモオタ「なんですと…!?」

スタッ

アリス「君たち魔女を生かしていては何かと面倒だからな、消しズミになってしまえ」スッ

カイ「クソッ、また例の瞬間移動か!」

魔法使い「火打石…!来るぞゴーテル!火炎系の魔法具を持っている!」

ゴーテル「……っ!」

アリス「間に合わないよ、魔力を持っていようと所詮は老婆。ボクの炎からは逃れられない」カチカチッ

ゴゴゴォォッ!!

ティンカーベル「あぁっ!ゴーテル!」

アリス「フフッ、老婆を焼き殺すなんて他愛も無い事だ…。……っ!」

ゴーテル「この程度で勝ち誇られても反応に困るのぅ、アリスや?」

メラメラメラ スッ

ゴーテル「老婆だろうと魔力さえ持っていれば魔女じゃい。避けずとも攻撃を防ぐ手段などいくらでも思いつくわい」

アリス「……防御壁か。驚いたな、君は植物を扱うしか能がないと思っていたのに、身を守る事にもたけていたなんてな」

ゴーテル「フォッフォッフォ、甘いのぉお前は。ワシは【ラプンツェル】のゴーテル…いいや、一人の母じゃぞ?護ることに関してはおとぎ話の世界でも五指に入るわい!」

ゴーテル「例え一国の軍が攻めてこようとドラゴンが襲い来ようと天地が崩れようと…ワシはラプンツェルを護る事ができるようにしとるんじゃ。お前の拙い攻撃なんぞ屁でもありゃあせんわい!」




406: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/27(月)01:07:45 ID:kHg

アリス「へぇ、それはすごいね。少しばかり舐めていたかもしれないな」クスクス

ゴーテル「お前が何をしにここに来たのかは大体察しが付くがの、こっちとしてもただ傍観しているわけにもいかんのでな」スッ

アリス「そうか、まぁ防御壁で防がれるなら魔力の底上げをすればいいだけの話だ」

カツンカツンッ

カイ「あの靴は…!ばーさん!アリスが履いてる靴は魔法具の威力を増幅する!用心してくれ!」

ゴーテル「厄介じゃな…じゃがどんな攻撃であろうと防ぐだけじゃわい!護る相手が可愛い可愛い我が娘じゃないのが残念じゃがなぁ!」ババッ

ゴーテル(とはいえ…ワシも本来の魔力を保持しておるわけじゃない、どこまで持つか正直なところわかりゃせんな…)

アリス「あくまで諦めずに立ち向かうか。いいね、どこまで耐えられるか見物だなゴーテル」カチカチッ

ボボボォォッ!!

アリス「さぁ防御壁を張ってみなよゴーテル、相手をしてやるかr――」

キモオタ「ちょwww我輩の存在を忘れてはおりませんかなwwwアリス殿www」シュタッ

ビュオンビュオンッ

カイ「あの長い棍は…孫悟空の如意棒か!?」

魔法使い(棍を振り回してあれだけの火炎を打ち消すか。どうやらキモオタ、おはなしサイリウムを使いこなしておるようだな)

キモオタ「ドゥフフwwwこの豚に茶々入れられるようでは底が知れますぞwwwさぁ続きを始めるでござるよwww」

アリス「…やっぱり、君は邪魔だなキモオタ。死に急ぐって言うなら相手してやるのも悪くは無い」スタッ

キモオタ「コポォwww死に急いでいるわけではござらんが、ぜひとも相手してもらいますぞwww」

ビュバッ




411: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/28(火)00:16:49 ID:KdF

今日は前回のレスと番外編のみです







412: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/02/28(火)00:18:02 ID:KdF

『カーチャンに送る写真』

キモオタ「さて、どうしたもんでござるかねぇ…」

ティンカーベル「んー?なんか浮かないキモイ顔してるけどなにか悩みごとでもあんの?私でよかったら話聞いてあげるよ!」

キモオタ「ちょwww『浮かない顔』でいいでござろうwww実は少し困ったことになりましてな、我輩の母上殿が絡んでいるのでござるが…」

ティンカーベル「キモオタのお母さん?そういえば最近よくメールしてくるよね?」

キモオタ「そうですぞwww最近スマホを購入したらしくちょくちょくメールしてくるのでござるwwwそこで我輩、少しは母上殿を安心させようと先日のバレンタインの戦利品の写真を添付したのでござるよwww」

キモオタ「すると母上、思ったより喜びましてなwww全て義理チョコだという事は見抜かれたのでござるが、我輩に友達が出来ているという事を喜んでくれたようでwww」

ティンカーベル「キモオタ、現実世界には友達いないもんねぇ…」

キモオタ「そして母上、我輩と友達が一緒に写っている写真が見たいなんて言いだしましてなwww我輩としても母上が喜ぶのならばと皆と写真を撮ってきたのでござるが……」

ティンカーベル「撮ってきたなら送ればいいじゃん?なにを迷う必要があんのさー」

キモオタ「そう言うのならばこの写真を見るでござるよwww我輩とシンデレラ殿でござるwww」スッ

ティンカーベル「……なんか、改めて写真で見るとシンデレラがお姫様のコスプレしてる人に見えるね、完全にコスプレイヤーだよこれ」

キモオタ「そうなんでござるよwww衣装が現実離れしてますからなwwwラプンツェル殿と撮った写真などなおのこと酷いですぞwww」スッ

ティンカーベル「うわー……ラプンツェル、髪の長さがもうありえないくらい長いから完璧にコスプレにしか見えない」

キモオタ「シェヘラザード殿や赤ずきん殿なんかコスチュームが独特でござるからどう足掻いても私服に見えないでござるしwww」

ティンカーベル「裸王なんかもうただのボディービルダーだしねこれ、桃太郎もなんか映画村とかで時代劇コスしてる人だもん。みんな服装が現実世界とは違うからなぁ…」

キモオタ「ドロシー殿は写真に撮られるのは恥ずかしいと断られてしまいましたしなwww逆に赤鬼殿なんかノリノリでポーズまで取ってくれましたぞwww」

ティンカーベル「いやいや、この写真は特殊メイクとかで誤魔化せるレベル超えてるよ!あっ、司書さんなら大丈夫なんじゃない?服だって現実世界のだしそもそも日本人だし!違和感ないよ!」

キモオタ「ヘンゼル殿の許可がおりなかったでござるwwwヘンゼル殿とグレーテル殿は比較的普通の服装でござるがロリショタを友人として紹介するわけにはwww」

ティンカーベル「駄目じゃん!もー、じゃあ仕方ないから私の写真を送るといいよ!それで解決!」

キモオタ「それ結局、風景写真を送ることになるのではwww」コポォ


後日、キモオタは結局みんなの写真をそのままカーチャンに送った
ボッチの息子に友達が出来た事を大いに喜んでくれたが、やはりコスプレイベントの写真だという誤解を与えてしまった




422: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:20:18 ID:BET

アリス「お前も懲りない奴だ、先の戦いでボクには敵わないって思い知っただろう」

キモオタ「ドゥフフwww確かにお主は強いでござるが、それでもワンチャンある限り我輩は立ち向かいますぞwww」ビュンビュン

アリス「チャンスなんか無いさ。ボクはいつだってお前の死角から攻撃できる、いい加減学習しなよ」ヒュンッ ザシュッ

キモオタ「ぬうぅぅん!緊急回避ぃぃぃっ!!」ズサーッ

アリス「考えが浅いな。如意棒を振り回していれば近寄れないとでも思ったか?そんな物、ボクには止まって見えるんだよ。キモオタ」

キモオタ「ほうwww止まって見えるという割にはショボイ攻撃ですなwwwこの程度の攻撃で我輩を倒すなど片腹大激痛ですぞwww」キリッ ズキズキ

アリス「血を流しながら言われても説得力がないよ。まぁその強がりがどこまで続くか見届けてやろうか」シュタッ

キモオタ「ブフォwww強がりとは何のことでござるか?wwwこれは余裕というもんでござるwww」シュバッ

ガキィィン

ティンカーベル「ゴーテル!この隙に魔法使いとカイを連れて別世界に逃げて!」スイスイーッ

カイ「待てよ、やっぱり俺も戦うぜ。手負いだっつっても頭数くらいにはなるだろ……っておい!放せゴーテルばーさん!おいっ!」ジタバタ

ゴーテル「まったく、油断も隙も無い小僧じゃな…」ガシッ

魔法使い「カイよ、手負いのお前と魔力の枯渇した私なんぞ容易く捕えられて盾にでもされるのがオチだ」

カイ「クッソ…!情けねぇ…!」ジタバタ

魔法使い「お前も私もやれるだけのことはやった。これ以上出来る事は無かろう、ならばあとはキモオタ達に託すべきだ」

カイ「そりゃあ…そうだけどよぉ……」

ゴーテル「待っておれ、今すぐに別世界へのゲートを……」ブツブツ




423: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:22:45 ID:BET


アリス「世界移動はさせないよゴーテル。君たちにはもう一つ役に立ってもらいたいんでね」ヒュッ

ヒュンッ

ゴーテル「……っ!」

キモオタ「ファッ!?しまったでござる…!ゴーテル殿ォォ!!」ダダッ

ティンカーベル「食い止められなかった!?ゴーテル!なんとか逃げてぇぇ!!」ピューッ

ゴーテル「クゥ、無茶言いよるわい…!」バッ

アリス「どんな優秀な魔女だろうと不死ってわけじゃない。その上老婆だ、その身にナイフを突き立ててやれば命を奪うなんて事は……容易い」シュバッ

ザクッ!!

キモティン「えっ…!?」

アリス「……足掻くね。まさかその身を犠牲にするなんて思わなかったよ、千変万化の魔法使い……!」ギリッ

魔法使い「フ、フッ…そう褒めるでない。お主の言うとおり、単なる足掻きなのでな…そう、最後の足掻きだ」ボタッボタッ

カイ「ばーさん…!」

ゴーテル「なん…じゃと……!?」

魔法使い「詠唱を…止めるでないゴーテル…!そう長くは止められん…!」ゼェゼェ

ゴーテル「う、うむ…!」ブツブツブツ

魔法使い「さぁアリスや、どうする…?私なんぞを突き刺したばっかりに身動きがとれぬようだな…」ボタボタッ

アリス「クッ、こいつ突き刺さったナイフごとボクの腕を…!自ら命を捨てるつもりか…!?」

魔法使い「解っておらんようだなアリス…ゴーテルを刺そうが私を殺そうが何の意味もありはしない…。何故ならお前の野望を食い止めるのはこんな老いぼれではないからだ」

アリス「……!」

魔法使い「見誤ったなアリスよ。キモオタもティンカーベルも、そして各地に散らばる仲間達…彼等の闘志は死んでなどおらんぞ?」




424: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:24:53 ID:BET


ゴーテル「…よし、完了じゃ!これでいつでも別世界へ渡れるでな…!」

アリス「…予定は狂ったけど構わない。このまま魔法使いを殺してしまえば結果は同じだ…!」

カイ「…っとぉ、ばーさん共が気合見せてんだ。俺だけぼーっと見てるってわけにはいかねぇんでなぁ!」ヒュッ

バシィィッ

アリス「チッ、鬱陶しく足掻くじゃないか死にぞこない共…!」ギロリ

カイ「少しは見せ場作っておかねぇと後で家族に笑われちまう。そう言うのは俺の役回りじゃねぇんでな」クックッ

ティンカーベル「よーしっ!アリスが魔法使いから離れたよ!私達で一気に叩こう!おらぁー!」ピューッ

キモオタ「ガッテン承知ですぞ!」ドスドスドス ビュンビュン

アリス「まぁいい、あいつらを逃がしたところで…結果は同じだ。結局、最後にボク達が立っていればそれでいい」ヒュッ

ガキィンッ ビュンビュン キィン

ゴーテル「魔法使い、立てるかの?キモオタ達がアリスを抑えておる間に、さっさと逃げてしまうぞ」

カイ「俺が肩を貸す。素人目でも明らかにやばいだろその傷は、さっさと治療しねぇと」

魔法使い「すまぬ。だが、逃げる前にひとつだけ…二人に伝えておかねばならん事がある」ヨロッ

ゴーテル「何を言っとるんじゃ!お主、控え目に言って死にかけじゃぞ!?」

魔法使い「わかっておる…。それにこれは私の推測、仮説にすぎない不確かな考えだ……だが」


魔法使い「私の考えが正しければ…あの二人に、キモオタ達に希望を与えられるかもしれん…」ヨロッ




425: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:26:48 ID:BET

魔法使い「キモオタ…!ティンカーベル…!」ヨロッ

ティンカーベル「えぇーっ!?なんでまだいるの!?早く逃げてって!あんまこっち余裕ないよ!こうなったら私が無理やり…」

キモオタ「待つでござる、魔法使い殿のことでござるから何か考えがあっての事。我々に伝えたい事があるのでは…?」ババッ

魔法使い「これは仮説だ、確かな情報ではない。だが…だが聞いておいてほしい」

アリス「……」ギロリ

魔法使い「お前たちは重々承知だろうが…おとぎ話の世界は現実世界の者に忘れられれば消えてしまう。そして、物語を動かす重要人物や主人公が消えたり死んでしまっても…同様だ」

魔法使い「ならば、その逆はどうなる…?」

キモオタ「逆…?それは一体どういう事d」

ティンカーベル「……あぁっ!?そっか…!そういう事なんだ…!それなら……!」

アリス「チッ、最後の最後まで目障りな老いぼれだ。やっぱり今ここで……」スッ

キモオタ「何が何だかわからんでござるがそれだけは阻止しますぞぉ!」ガキィン

魔法使い「ティンカーベルよ、お主は理解したようじゃな。ならばもう…恐れる事はあるまい」

ティンカーベル「うん…!ありがと、ありがとね魔法使い!」

ゴーテル「そこまでじゃ魔法使い、もう十分伝わったじゃろ。それ以上は本当に命にかかわる」

魔法使い「わかっている。…これで私の役目は本当に終わった、もう思い残すことなど無い」




426: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:30:43 ID:BET

ゴーテル「キモオタよ、悪いがワシ等はもう行くでな。協力できるのはここまでじゃ、なんだかんだでお前たちならば大丈夫だと信じとる!よいな!」

キモオタ「ガッテン!お任せあれ、でござるよ!」シュバッ

カイ「妹と弟、あいつら大概だからよぉ…まぁ死なねぇように見てやってくれよ、ティンカーベル」

ティンカーベル「任せて!だからカイは安心して逃げていいからね!」ピューッ

ゴーテル「うむ、では退散じゃ…!」ブワッ

ヒュンッ

キモオタ「ふぅ…これでなんとか三人を逃がす事が出来ましたな、被害は甚大でござったが…ここからが本番ですぞ!」

ティンカーベル「そうだよね!っていうか、まんまと逃げられてるとかアリスも大したことないよね!バーカバーカ!」プークス

アリス「フッ、フフフッ……相変わらずお前たちは呑気だね」

ティンカーベル「はぁー!?何その負け惜しみ!魔法使いやゴーテルを倒してこっちの戦力を削ろうって考えてたんだろーけど無駄に終わって残念でしたー!」ベロベロー

アリス「何も知らずに挑発なんかして、馬鹿に見えるぞティンカーベル」クスクス

ティンカーベル「はぁん!?馬鹿じゃないし!」イラァ

アリス「いいや、馬鹿だよ。魔法使い達が逃げようと、お前たちが何を企もうと…【雪の女王】の世界でボクを止められなかった時点で、もう勝負はついていたんだよ」ゴソゴソッ

アリス「ボクはもう勝利のカギを手に入れた。魔法使い達を目の前で殺せばうまくお前の心を折れるだろうと思ったけど、そもそもそんな小細工に頼る必要なんかないんだよ」

アリス「お前達お得意の友情だの絆だの信頼だの、あるいはおはなしウォッチだのおはなしサイリウムだの…そんなものはもう意味を成さない無意味なものだ」スッ

カランッ

アリス「どんなに優れた魔法具でも…この『魔法のランプ』の前では何もかも霞んでしまうからな」フフッ




427: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:34:16 ID:BET

キモオタ「あ、あれが魔法の…!」

ティンカーベル「ランプ…!もう奪ってたなんて…!じゃあシェヘラザードは!?」

アリス「ハハッ、いい顔をするじゃないか二人とも。シェヘラザードは今頃、国王に自作のおとぎ話でも聞かせているんじゃあないか?空の向こうの、ずっとずっと高い場所でね」

キモオタ「ティンカーベル殿!【アラビアンナイト】の世界には!?」バッ

ティンカーベル「……。……駄目!そもそも世界移動の門が開かない!つまりもう【アラビアンナイト】の世界自体が存在しないってことで…!」

キモオタ「ぬぅ…やはり連絡が付かないという事はそう言う事でござったか…!」クッ

アリス「長かったよ、長かった。【アラジンと魔法のランプ】に厄介な結界が無ければもっと楽だったんだけどな。でももう、ようやく苦労が報われた」

アリス「ボクはこの魔法のランプの力を使い、願いを叶える」スッ

キモオタ「うおおおぉぉぉっ!させませんぞぉぉぉぉぉ!!あれって確かこすられたらアウトでござるよね!?」ドタドタドタ

ティンカーベル「うん!アウト!逆に言えばアリスがランプをこする前に奪っちゃえばいいんだよ!おらぁーっ!」ピューッ

ウオオオォォ

アリス「…お前たちとは不本意ながら長い付き合いになるけど、そのがむしゃらにやれば解決するかもっていう考えは捨てるべきだとボクは思うな」

アリス「間に合う訳がない、間に合わせるわけがないだろう。ボク達は今この瞬間の為に様々な苦難を乗り越えてきたんだ」スッ




428: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:36:46 ID:BET


スッスッ

アリス「さぁ…出でよランプの魔神!そしてボクの願いを叶えろ!」バッ

ゴゴゴゴゴゴゴ

キモオタ「ぬぅっ…間に合わなかったでござるか!」

ティンカーベル「うぅ…まだ、まだだよ!まだなんとかなる!考えて考えて!」

アリス「無駄だ、全ての世界はもうボクの手中にある。もう諦めてボクの望みが叶うのを指をくわえてみているといい」

ズモモモモモ ブシャーッ

キモオタ「ファッ!?ランプから暗雲が吹き出しましたぞ!?」

ティンカーベル「あっ、見て!暗雲の向こうに何かいる…きっとあれが魔神だよ、ランプの魔神!」

魔神「……我、魔法のランプに封じられし魔神也。ランプの所有者となり、我の主人となった者は……汝であるか?」ゴゴゴゴゴ

アリス「そうだ、ボクはアリス。お前の主人だ」

魔神「御意。主は望んでランプの所有者となったと見受ける、そのランプがどういったものなのか説明が必要であろうか?」

アリス「必要無い。お前はただ、ボクの願いを叶えればそれでいい」

魔神「御意。では…主よ、我は汝の願いを三つ叶えよう。どのような望みであろうと、その手に収めてみせましょう」

魔神「大海を埋め尽くす程の財産だろうと、一国の王など目ではない神にも匹敵する名声だろうと、この宇宙全てを牛耳る事が出来る圧倒的な力であろうと…我は主に差し出す事が可能です」

魔神「我は主のしもべ、どのような願いでもなんなりとお申し付けを。さぁ、主…第一の願いをお聞かせください」




429: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:39:08 ID:BET

アリス「よし、それならばまずは…」

ティンカーベル「させるかオラァー!そのランプさえ奪っちゃえば所有者変わるでしょ!」ピューッ

キモオタ「ちょっ、ティンカーベル殿!?無茶ですぞ!?」

ティンカーベル「無茶でもやるしかないよ!今奪わなきゃ大変な事になっちゃうんだから!」ピューッ

アリス「……無計画が過ぎるなティンカーベル」ガシッ

ティンカーベル「くぅっ…!放せ!放せ!はーなーせーぇぇぇーーー!!!」ジタバタ

キモオタ「ティンカーベル殿…!いわんこっちゃない!今助けに行きますぞ!」ダッ

アリス「近づくなキモオタ。こいつの命は今、ボクが握っているという事を忘れるな。そこで黙って見ていろ」

キモオタ「ぬぅっ…」

アリス「話を中断して悪かったね魔神、それじゃあまずは一つ目の願いだ」

魔神「御意。なんなりと」

アリス「『【不思議の国のアリス】と現実世界の立場を入れ変えろ』それが一つ目の願いだ」

魔神「御意。【不思議の国のアリス】の世界を現実世界に、そして現実世界をおとぎ話の世界に変えてしまえばよいのですね?」

アリス「そう言う事だ。そして続けて第二の願いも叶えろ、いいな?」

魔神「御意。では第二の願いをお聞かせを」

アリス「【不思議の国のアリス】が現実世界になった今、もう他の世界なんか必要無い。お前たちが魔法使い達を必死で逃がした事も、まったくの無意味となる」

キモオタ「ぐぬぬ…。と言う事はアリス殿の願いはやはり…」

アリス「待たせたな魔神、さぁボクの第二の願いを聞け!そして叶えろ!ボクの、そして仲間達、無念に散って行ったルイスの想いを形にするため…!」



アリス「『全てのおとぎ話の世界を消滅させろ』!」




430: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:42:04 ID:BET

魔神「御意。第三の願いはどうなさいますか」

アリス「今は必要ない。その二つの願いを叶えたらランプへ戻って構わない」

魔神「御意。では、ハァァァァァ……フンッ!」パーッ ズワワワワ!

ゴゴゴゴゴ

キモオタ「結末を迎えている【シンデレラ】の世界が崩壊を…!」

ティンカーベル「ランプの魔神に願ったんだもん…!もう結末を迎えていようと迎えて無かろうとおとぎ話の世界がみんな消えちゃう…!」

アリス「それだけじゃない、現実世界も共に消える。いいや、今はもう【現実世界】という名のおとぎ話の世界だったな?」クスクス

キモオタ「何という事を…なんと言う事を!アリス殿ォ!こんな事をして多くの人々が消えてしまう事になるんですぞ!」

アリス「今更、そんな言葉がボクに通用するなんて思ってるのか?だとしたら随分と能天気だ」

キモオタ「何故、何故こんな事を平然に…!どうかしていますぞアリス殿ォ!!」

アリス「流石に生まれ育った世界を消されたら頭に来るかい?是非どんな気持ちなのか教えてほしいもんだな」

アリス「おとぎ話の世界を救う救うと旅をして、結局全ての世界を失ったどころか生まれ故郷さえも消えてしまった。父親も母親も、友人も一人残らず混乱の中消えていく…あぁ現実世界ではお前に友人なんか存在しなかったんだったか」

キモオタ「ぐぬぬ…!」

アリス「どうする?今から現実世界に戻るかい?まぁ戻ったところで何もできないだろうけどね」

アリス「ともあれこれで雑多な世界は綺麗に消え去った。唯一、【不思議の国のアリス】の世界を残してね。これでひとまず、ボクの願いは達成できたってわけだ」クックッ




431: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/06(月)01:47:44 ID:BET

アリス「ともあれこれで雑多な世界は綺麗に消え去った。唯一、【不思議の国のアリス】の世界を残してね。これでひとまず、ボクの願いは達成できたってわけだ」クックッ

アリス「ルイスが生み、皆が暮らす【不思議の国のアリス】だけが唯一存在する世界、もう 
魔神「主、我はランプへと戻ります。第三の願いを命じる際、またお呼び下さい」

アリス「御苦労。…さて、次はお前の番だな?ティンカーベル」

ティンカーベル「うっさい!放せ自己中ボクっ娘!死ね!」

アリス「死ねとは直球だな。だが死んでしまえと思っているのはこっちだって同じなんだ」

アリス「言ってしまえば全ての元凶はお前なんだからな、ティンカーベル」

ティンカーベル「はぁ!?あんたがいろんな世界で無茶苦茶するからこんなことになったんでしょ!私のせいにすんなバカバーカ!」キッ

アリス「いいや、お前が元凶だ。お前が現実世界に出向かなければ、キモオタを巻き込んでボクの邪魔をしなければこの計画はずっとずっと早く完遂していただろうよ」

ティンカーベル「ふんっ!残念でした!キモオタはキモイけど私の為に一生懸命手伝ってくれてるからね!お前の邪魔ができて良かった!あーよかった!」

アリス「憎まれ口が減らない奴だな。ボクがお前を消す方法を知らないとでも思ってるのか?」

ティンカーベル「ふんっ、どうせ知ってるんでしょ?でも別に平気だし、私!」

キモオタ「ちょ、ちょっとティンカーベル殿何を言っt」

ティンカーベル「むしろやれるもんならやってみなよ!でも私一人殺したところで何にもならないけどね!バカバーカ!」

アリス「……そんなに望むのならその存在を消してやる。」ビュンッ

ビタンッ

アリス「まったく難儀な種族だな、存在を否定されただけで消滅するなんて」」

ティンカーベル「フンッ、私はそう思わないし!」

アリス「そうかい、まぁどうだって構わないさ。お前を殺すのに特別な武器も魔法具もいらない。ただひとことお前に投げつけてやればいい、否定の言葉をな」




アリス「妖精なんかいない…!」




453: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:48:09 ID:65h

同じ頃
現実世界 某所 混乱に陥る都市

ゴゴゴゴゴ…

ギャーギャー ギャーギャー

警報『緊急警報!緊急警報!只今、原因不明の崩壊が発生しています!命を守るため、一刻も早く避難してください!』

「ここは危険だ!とにかく建物から離れねぇと下敷きにされちまうぞ!急いで避難場所へ走れぇぇ!!」
「うああぁぁ!!邪魔だ!どけぇぇ!!畜生、なんなんだよ…!何が起こってるんだよ一体!原因不明の崩壊ってなんなんだよ!」
「逃げろ逃げろおぉぉ!!立ち止まるなぁぁ!!走れええぇぇ!!」
「ううぅ…動けない、動けない…!誰か、誰か…助けて!」
「あぁぁ…!死にたくない…死にたくない…!」

警報『繰り返します!一刻も早く指定の避難場所へ急いでください!決して立ち止まらず!引き返さず!命を守る行動を最優先し、避難を――』

ギャーギャー ギャーギャー




454: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:48:30 ID:65h

スタッ

チェシャ猫「相変わらず、現実世界の人間共は愚かで滑稽だ。まるで現実というものが見えていない」

チェシャ猫「冷静に状況を判断すれば理解できるはずだ、目の前で起きている崩壊は異常なものだと。そしてこの惨状から逃れる事は決してできないという事を」

イソゲ ニゲロ ニゲロ!
ウワァァァ シニタクナイ シニタクナイ!
タスケテ タスケテ!

チェシャ猫「にもかかわらず、こいつ等は逃げ惑う。この状況が理解できないほど愚かなのか、理解していながらそれを受け入れられていないのか、あるいは自分だけは死なないという根拠の無い希望にすがっているのか…」

チェシャ猫「何にせよ、これは罰だ。誰かを、何かを犠牲にすることで手に入れた仮初の平穏に甘んじてきた罪に対する、罰」

チェシャ猫「何一つ、誰一人犠牲になる事など無い『完全なる平和』を掴み取る努力をしなかった、愚かな人間どもに対する報いだ」




455: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:49:23 ID:65h

ゴゴゴゴゴ……

ギャーギャー ワーワー

チェシャ猫「さぁ、そろそろ戻るとするか。愚か者共が絶望する姿はこの目で確かに確認した」スタッ

チェシャ猫「この世界、そして他のおとぎ話の世界が完全に消滅するのも時間の問題。そうすれば愚かな人間共は、我等の敵は全て消え去る」

チェシャ猫「アリスの仲間だけ、我々の理解者だけが暮らす平和な世界。【不思議の国のアリス】という名の、誰一人犠牲になる事の無い本当の意味で平和な世界を…ようやく手に入れる事が出来るのだ」

チェシャ猫「我が同士アンデルセン、そして我が友ルイス…お前達が想像していた形とは多少違うかもしれないが、私は…我々はお前達の仇を討った、そしてお前達の願いを実現させた」

チェシャ猫「【不思議の国のアリス】には戦争も無ければ貧困も無い。差別の心を持つ者も、偏見の眼差しを向ける者も存在しない」

チェシャ猫「それに何より、子供達にとって優しい世界がそこにある。あの世界の子供は身を売る事も、犯罪に手を染める事も、幼くして死ぬ事も無い」

チェシャ猫「お前達が、アリスが、我々が望んでいた理想の世界が…ただ一つの現実となって、その平和を永遠のものにするのだ」

チェシャ猫「……いいや、まだ仕上げが残っているか。作戦ではアリスがあの豚を始末する手はずになってはいるが……」

チェシャ猫「あいつの事だ、今まで散々邪魔をしてきた礼をするなどと言い出しかねない。そうでなくともあの豚の仲間が何人か我々の世界に入り込んでくるだろう」

スタッ

チェシャ猫「まったくもって面倒だが、自分達の部屋にゴミが転がっているのは見るに堪えない」

チェシャ猫「残念だが勝利の余韻に浸るのはしぶとい汚れを消し去ってからになりそうだ」スゥゥ

・・・




456: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:50:29 ID:65h

ライオンとねずみの世界 ライオンとねずみが暮らす森

ゴゴゴゴゴ…

リスリーダー「ご報告いたします王様!僕達、草食組は全員避難完了しています!」ピシッ

コヨーテ先輩「俺等、肉食組も避難完了してますぜ。コヨーテ数匹には逃げ遅れた連中が居ないか森を巡回させてまさぁ」

ライオンの王「報告ごくろう、無事に避難出来たようでなによりだ。巡回中のコヨーテにも頃合いを見て避難するよう命じてくれ」

コヨーテ先輩「わかりましたぜ。だが安心してくだせぇ、ウチの部下共はヤワな鍛え方してねぇんで。一匹の犠牲者も出さずに御覧にいれますぜ」キリッ

コヨーテ後輩「ヒューッwww流石は肉食組のリーダーッスわwww先輩マジカッケェwww」マジパネェ

コヨーテ先輩「オイオイwww俺がマジメにキメてんだから茶化すなってのwww」

ライオンの王「さぁお前達も避難所に急いでくれ、そして混乱が広がらぬように皆を安心させてやって欲しい」

コヨーテ組&リスリーダー「「承知でさぁ」」「わかりました!」シュタタッ

ライオンの王「……」

ネズミお譲「……辛いですわね。絶対に助からないという事がわかっていながら、避難するように命じるしかないというのは。心が痛みますわ……」ヒョコッ

ライオンの王「やむを得ん、真実を話したところで助かる術は無い…。我等はこの森を平和に導いたつもりでいたが、こうなってしまうと無力なものだ」

ネズミお譲「そんな風に自分を卑下しないでくださいまし!おじ様は立派な王ですわ、わたくしが太鼓判を押しますわ!」

ネズミお譲「それに赤ずきん達がきっとうまい事してくれますわ!【不思議の国のアリス】には大量の魔法具があるらしいですし、なんかこういい感じにやって…この世界が消えてしまっても復活させてくれますわ!多分!」

ライオンの王「フフッ、そうだといいがな。我々に教えられることは全て教えた、協力できる事は全てやった。あとは信じるのみだな」

ネズミお譲「大丈夫ですわよ!わたくし達ネズミとライオンが協力して平和な森を作れたんですもの!人間の女の子と鬼と精霊が協力すればもっともーっとでっかい事できますわ!」

ネズミお譲「それこそアリスなんか木端微塵のケチョンケチョン!必ずおとぎ話の世界に平和な日常を取り戻してくれますわよ!師匠であるわたくしが言うんですから間違いねぇですわ!」ドヤァ

・・・




457: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:51:52 ID:65h

裸の王様の世界

ゴゴゴゴゴ…

ギャーギャー ワーワー

「裸王様ー!お姿をお見せください!これは…一体この崩壊はなんなんですか!?なにが起こっているんですか!?」
「私達はどうなるんですか!?裸王様!裸王様!助けてください、私達を導いてください!」
「うぅ…筋肉神よ…。どうか我々をお守りください…」

ブリキ「城の前に人だかりが…。どんなに統治された国でも緊急時の混乱は防げないか…」

大臣「ブリキよ、崩壊が始まったという事はお前の連れ合いも【不思議の国のアリス】の世界に旅立つのだろう?顔を見なくてもいいのか?」

ブリキ「今ドロシーに会えば決心が鈍る、お互いにな。それよりも民衆の混乱がエスカレートすれば暴動に発展するかもしれない、早急に手を打った方がいいんじゃあないか…?」

大臣「ブリキよ。お前はまだこの国の凄さというのがわかっていないようだ、この程度の混乱など些細なものだ」

ブリキ「いや…いくらこの国の治安が良いとはいえ、今は緊急時だ。民衆の混乱を鎮めなければ大事に…」

スタスタスタッ

裸王「待たせてすまないな大臣、支度に手間取ってしまってな。民達の様子はどうだ?」シリアスマッスル

大臣「皆、王の言葉を今か今かと心待ちにしております」

裸王「うむ、では皆に事情を説明するとしよう。この世界が消え去ってしまう事、そして世界が潰えても筋肉の素晴らしさは潰えぬ事をな!」マッチョ

ブリキ「この世界が消え去る事をだと…?馬鹿な、そんな事をすれば確実に暴動になるぞ!?」

裸王「ハッハッハッ!我が国民は年中半裸で過ごす王を受け入れているのだ、世界が消え去る事を受け入れる事など容易かろう」ハッハッハ




458: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:53:04 ID:65h

裸王「皆の者、待たせてしまって申し訳ない!私はここに居る、鍛え抜かれた筋肉と共に!」マッスルポーズ

「おぉぉー!裸王様だ!ご無事で何よりです!ところで何が起こっているんですか!?ご存知なら教えてください!」
「この凄まじい揺れは地震でも炭鉱の崩落でもありませんよね?一体何が…」
「裸王様!そして筋肉の神よ、私達を導いてください!」

裸王「うむ、にわかには信じられないかもしれん。だが今から話すことに一切の偽りがない事を、私はこの筋肉に誓おう」

裸王「この国は…いや、この世界はもうじき消え去ってしまうだろう。非常に無念だが…それを止める事はこの裸王にすら出来ぬ。皆を世界の終末から救う事は…私には出来ないのだ」ザワザワ ザワザワ

「ら、裸王様にもなんとも出来ないなんて…!筋肉が通用しないんじゃあ…どんな手も通用しないって事じゃあないか!」
「世界の終りだ…!もうどうにもならない…!これじゃあこむら返りだぁー!」

ブリキ(そら見た事か、民衆が一斉にざわめき出した!あんな事を聞いて平常心を保てるわけがない…!)

裸王「だが私は!そして私の友は世界消滅の元凶がなんなのかを知っている!そしてその元凶と戦うべく今まで筋肉を研ぎ澄ませてきた!」

裸王「皆を今、苦しみから救いだす事が出来ないのは私の責任だ。だが信じて欲しい!私は必ずその元凶を打ち倒し、この世界を!この国を!そして民の笑顔と筋肉を取り戻す!」

ブリキ「いくら熱弁をふるったところで…消滅した世界を蘇らせるなんて戯言を混乱した民衆が信じるわけが……」

「なんだ、裸王様が取り戻してくれるってんなら安心だな!俺とした事がやべぇと思っちゃったぜ、とんだ取り越し苦労だったな。これで万事解決、帰って風呂入ろ」スタスタ
「裸王様がああ仰るなら私達は信じて待てばいいわね。裸王様に筋肉の加護あらんことを!」
「さっそく帰ってばーさんに伝えなきゃな、裸王様がなんとかしてくれるってな」

ブリキ「なんだと!?なんだって民衆がこうも素直に…普通は疑うだろう!?」

裸王「では私はこれより戦いの地に赴く!皆の者!次に会うときは凱旋パレードであると約束をしよう!では皆に、そして我が友に筋肉の加護あらん事を!」

ウオオォォ!!ラオウサマー! ガンバッテー!オウエンシテマスー!

ブリキ「…侮っていたな。これが裸の王の求心力か…!」

・・・




459: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:54:36 ID:65h

金太郎の世界 足柄山

ゴゴゴゴゴ…

食わず女房「桃太郎さんとライオンさん、行っちゃいましたねぇ…。私、ちょっぴり寂しいですぅ…」ションボリ

金時「そうだな、短い間だったが寝食を共にした仲だ。だがあいつは勇敢に戦場へ向かっていった!だったら残された俺達にできる事はあいつの勝利を信じてやることだ!そうだろう?」

舌切り雀「つっても、なんつぅか…ちぃとばかり不安は残るな。まっ、やれるこたぁは全部やって送り出せただろ。あとはあいつら次第ってぇとこだな」

食わず女房「大丈夫ですよぉ。桃太郎さんならきっと勝てますぅ、私は信じてますよぉ…」

金時「もちろん俺もだ。アリスは相当な強敵だって話だが、桃太郎は勝てる!あいつの努力を近くで見た俺が言うんだから間違いねぇ!」ハッハッハッ

舌切り雀「まぁ…あのクソヘタレにしちゃあよく頑張った方だな。【聞き耳頭巾】のジーさんと【雪女】の雪女からもあいつが日ノ本一だってお墨付き貰ったし、ここ数日であいつは見違えるようになったしなぁ」

舌切り雀「確かに今のあいつなら大抵の事は解決できらぁな。つっても完全に別人になったわけでもねぇ、またいつ臆病風に吹かれて腐った桃になっちまうかわからねぇから安心は出来ねぇなぁ…」

食わず女房「うふふっ…雀さんは口は悪いですけど、桃太郎さんの事が心配なんですねぇ…優しいです」

舌切り雀「まったくよぉ、あっしみてぇな雀に心配されるような侍がどこに居るんだってぇ話だ。困ったもんだぜあのキビダンゴ野郎はよぉ」

金時「ハッハッハッ、そう心配する事も無いと思うぞ舌切りの。確かにどこか頼りない所もあるが…それをひっくるめてもあいつは日ノ本一の侍だ。俺の侍としての魂がそう言ってる!」ハッハッハ

食わず女房「そうですよぉ、桃太郎さんは日ノ本の誰よりも強いです…。そして日ノ本の誰よりも美味しそうです、きっと柔らかくていい香りがするお肉です……だから大丈夫です」

舌切り雀「なにが大丈夫だってんだそりゃ。まったく、オメェらは楽観的すぎんだよなぁ…ったくよぉ」



舌切り雀(ここまでオメェの事信頼してる奴がいるんだ。この期に及んで無様な泣きっ面さらすんじゃねぇぞ、桃太郎)




460: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)01:56:53 ID:65h

アリババと四十人の盗賊の世界

ゴゴゴゴゴ…

ギャーギャー ワーワー

女の子「だ、誰か…!誰か助けてください…!お母さんが崩れた小屋の下敷きに…!誰か…!」

「この緊急時に他人なんか構ってられねぇよ!」
「うおぉぉー!どけどけー!俺が一番先に逃げるんだぁー!」
「気の毒だがそんなことしてたらこっちが逃げ遅れちまう…」

女の子「うぅ…誰も助けてくれない、このままじゃあお母さんを助けられない…」ポロポロ

親衛隊アニキ「どうしたんだお譲ちゃん、何か困ってんのかい?」

女の子「あっ、あの…!お母さんが小屋の下敷きになってて…助けてください!」

親衛隊アニキ「何っ、そいつはいけねぇ!オイ、お前らァ!二、三人こっちこい!この譲ちゃんのお袋さん助けるぞ!」ヘーイ!

親衛隊アニキ「他の連中は逃げ遅れた年寄りや子供が居ねぇか見て回れ!ラプちゃんが頑張ってんだ!俺達も出来る事やるぞ!わかったな!?」ヘイアニキ!

親衛隊アニキ「さぁ譲ちゃん、お袋さんの所に案内してくれ。すぐに助けてやっからな」

女の子「あ、ありがとうございます…!で、でもなんでこんな事に…お母さん助けられても、私達無事でいられるかなぁ…」オロオロ

親衛隊アニキ「可哀そうに、不安だよなぁ。でも大丈夫だ、俺の友達が悪い奴やっつけに行ってる、不安がらなくても大丈夫だ」ポンポン

女の子「お兄さんの…お友達…?」

親衛隊アニキ「あぁ、少し危なっかしいが友達思いで正義感が強い…髪の長い長いお姫様だ」ニッ

・・・




461: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:01:40 ID:65h

シンデレラの世界

ゴゴゴゴゴ…

ティンカーベル「……っ」シュウゥゥゥ…

キモオタ「ティ、ティンカーベル殿…!少しずつ姿が消えて…!」

アリス「【ピーターパン】の妖精は存在を否定されると消滅する。そのルールは元の世界が消えていたとしても当然適応される」

ティンカーベル「フンだ!今まさにそうなってんのにイチイチそんな事言わなくたって解るし!バーカバーカ!」

アリス「最期まで威勢だけはいい奴だ。喚くのは勝手だけどもうすぐ消えてしまうお前に興味なんか無いよ」

ティンカーベル「そーですか!いっとくけどね、私を消したところで何にもかわんないんだから!キモオタやみんなが絶対にお前の事やっつけてくれるし!」

アリス「何も変わらない?そんな事は無いだろう?なぁ、そうだろう?キモオタ」

キモオタ「……」ギリッ

アリス「お前にとってティンカーベルは大切な存在だったんだろう?そんな存在を消されてしまったんだ、平常心を保っていられないだろうね」

アリス「今まで一緒に過ごしてきた友達を失って平気でいられるほどお前は薄情じゃない。ティンカーベルを失った今お前は絶対に――」

ビュバッ

ガキィィン!!

アリス「……っと、真正面からいきなり攻撃とはお前にしては無策だね?」クスクス

ティンカーベル「キモオタ…!!」

キモオタ「アリス殿……ティンカーベル殿を、我輩の友人を…!過去のもののように言うのはやめてもらうでござる!」ギロリ




462: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:03:33 ID:65h


アリス「お前がそんな風に怒りをあらわにするのは珍しいね」クスクス

キモオタ「……我輩を豚と蔑もうが家畜と揶揄しようが好きにするでござるよ。とはいえ我輩は聖人君主ではないでござる、怒る時は怒るでござる」

キモオタ「そして友を軽んじられた今がその時でござるよアリス殿オォォォ!!」ビュバッ

シュタッ

アリス「相当、精神に負荷がかかっているね。無理もないか、初めてできた親友が死んだようなものだ」クスクス

アリス「でもボクとの戦いはお預けだ、そろそろボク達の【不思議の国のアリス】に侵入者が来るだろうから相手をしなくちゃいけない…それに」

アリス「お前には随分と世話になったからね、こんな場所ではなくもっとふさわしい場所で…礼をしなければいけない」ギロリ

キモオタ「こんなことまでやっておいて…逃げるつもりでござるか!?」

アリス「お前相手に逃げたりなんかするもんか。場所を変えようと言っているんだ」

キモオタ「……」

アリス「この世界はもうじき消滅する。そうなればお前と戦う舞台は一か所だけだ、どの世界かなんか言わなくたって答えは出ているだろう?」

キモオタ「【不思議の国のアリス】…の世界でござるな?」

アリス「まぁ、もはやそこにしか世界は存在しないわけだけどね」クスクス

アリス「その世界の中心にハートの女王の城がある、ボクと仲間達はそこに居る。決着をつけたいのならそこまでやってくることだな、キモオタ」

アリス「…もっとも、故郷を失った上に親友まで失って冷静さを欠いてしまったお前にボクを倒す算段があるのなら…の話になってしまうけどね」クスクス




463: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:06:24 ID:65h

アリス「それじゃあボクは先に行っているよ、長居してこの世界の消滅に巻き込まれても馬鹿みたいだからね。それにボクだって悪魔じゃない」

アリス「大切な親友との別れを惜しむくらいの時間は与えてやるよ」クスクス

ヒュンッ

ティンカーベル「あいつ最後まで好き勝手な事言っててメッチャ腹立つなぁ…もぉ!」シュウウゥゥゥ…

キモオタ「……ティンカーベル殿、すまんでござる。我輩が不甲斐ないばっかりにお主を消滅させてしまう事に…!」

ティンカーベル「……ねぇ、キモオタ」

キモオタ「お主が存在を否定されれば消えてしまう事は知っていたというのに、何もできなかったでござる!もっと具体的な対策を立てておくべきだったでござる…!」

ティンカーベル「ねぇ、キモオタ。ちょっと聞いt」

キモオタ「お主を失って…我輩は一体どうすれば…!すまんでござる、すまんでござるティンカーベr…おぶっ!」ドゴォ

ティンカーベル「聞け!私の話を!まったく前にも似たようなやり取りしたよもう…。あのねぇキモオタ!言っとくけど、私は感動的な別れとか別れ際に友情を確かめ合うとかそういうベタな事するつもりないからね!」

キモオタ「おぉう…お、お主このような時に冗談など…」

ティンカーベル「冗談じゃないって!もー…キモオタの事だから私が消滅しちゃったら絶対に取り乱すと思ったよもー…仕方ないなぁ…」

キモオタ「そ、そりゃあ取り乱しますぞ!?お主を失うという事は我輩にとっては……」

ティンカーベル「あのね、言っとくけどこれ…わざとアリスを焚きつけて私を消すように仕向けたんだからね?」シュゥゥゥ…

キモオタ「ファッ!?」




464: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:08:47 ID:65h

キモオタ「ど、どおりでなんか不自然というか無茶な感じでアリス殿に噛みついているとは思ったでござるが…自分を消滅させるためにわざと煽ったのでござるか!?」

ティンカーベル「だからそう言ってんじゃん!アリスがいつか私を消すってのはわかってたからさ、あーすればキレて私をすぐに消すかなって思って」

キモオタ「そんな馬鹿な…!一体何のためにその様な自殺行為を…!」

ティンカーベル「だってさ、私が消えなくてもきっとこの後アリスの世界に行ってあいつらと戦う事になるでしょ?普通に考えてさ」

キモオタ「まぁ…そうでござるな」

ティンカーベル「で、もう一歩でアリスを倒せる!って大チャンスの時に、私が存在否定されて消えてっちゃったら…キモオタは絶対にそのチャンスをドブに捨てて取り乱すよ?最悪すきを突かれて殺されちゃうかもしれないし」

キモオタ「た、確かにそうかもしれんでござる…」

ティンカーベル「でもこうやってあらかじめ消えちゃえばそんな心配も無くなっちゃうでしょ?それにこーすればキモオタもちょっとは心の準備ができるし」

キモオタ「しかし、もしかしたら消されないという可能性もあったでござるのに……」

ティンカーベル「いやー、ないと思うなー。あいつもそんな感じの事言ってたでしょ?私なんかいつでも消せるけどキモオタの精神をぐちゃぐちゃにするための弱点として消さずに取っといたんだってば」シュウウゥゥ…

キモオタ「……しかし」

ティンカーベル「もーっ!いっつもは気持ち悪いくらいポジティブなのになんで私が居なくなるくらいでネガティブになんのさ!このキモネガティブ!」

ティンカーベル「その様子じゃ魔法使いが言ってた言葉も忘れちゃってるでしょ?キモオタは仕方がない友達だよほんとにもー…」




465: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:12:25 ID:65h

キモオタ「魔法使い殿…?そう言えばなにやら言っておりましたな…」

ティンカーベル「主人公とか、私みたいな物語に深くかかわってる登場人物が消えちゃえばおとぎ話の世界は消える。でしょ?」

キモオタ「そうでござるな…」

ティンカーベル「じゃあさ、消えてしまったおとぎ話を何らかの方法で蘇らせたらどうなると思う?例えばさピーターパンも私も死んじゃってる【ピーターパン】の世界を魔法のランプで元に戻したとしたら…?」

キモオタ「そりゃあ【ピーターパン】の世界は元通りになるのでは?」

ティンカーベル「でも私達は死んでるわけだから元通りになった途端に消えちゃう、そんなの願いをかなえたって言えないでしょ?」

キモオタ「なるほど…!つまり魔法使い殿の説はこう言う事でござるな…!」

キモオタ「消えてしまった人々を個々に蘇らせたりせずとも、ランプの魔神殿に一言『おとぎ話の世界の完全復活』を望めばその世界もそれに巻き込まれて消えた人々も元のように蘇ると…!つまりはうまくすればティンカーベル殿を救いだす事も!」

ティンカーベル「そゆこと!そして都合のいい事にそのランプをアリスは持ってるんだよ。これってさ、よくよく考えたらメッチャ私達有利だよ?」ニヤニヤ

ティンカーベル「あいつを倒せなくたって、私達の中の誰かがランプを奪っちゃえばそれで勝ち!べりーいーじーもーどだよ!」

キモオタ「確かに、奪うだけなら割と…」

キモオタ「とはいえ、ランプを奪えなければ話にならないでござるし、仮に後に復活できたとしてもお主にこのようなつらい思いをさせてしまう事を…我輩は無念に思うでござるよ」

ティンカーベル「何言ってんのさ、私は全然気にしてないって。そりゃあ死んじゃったきりってなるなら怖いけど、ちょっとでも蘇られる可能性があるなら一回死ぬくらい我慢するよ」

キモオタ「しかし、そんな確証も無い賭けを…」

ティンカーベル「いやいや、確証はあるでしょ?だってキモオタ、約束してくれたじゃん?」

ティンカーベル「絶対に【ピーターパン】の世界を取り戻してくれるってさ」ニコッ




466: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:15:57 ID:65h

キモオタ(ティンカーベル殿の言葉は本心でござろう、しかし…消滅してしまうのが少しもこわくないなどという事はおそらくないでござる)

キモオタ(それでもティンカーベル殿は…我輩が気に病まないように、そして確実にアリス殿に勝利する為に気丈にふるまっているでござる)

キモオタ(ならば我輩が一人、落ち込んでいていいわけがないでござるな…)

キモオタ「……そうでしたな!いやいや、もちろん覚えておりましたともwww約束しましたからなwww」コポォ

ティンカーベル「だよー?もし忘れてたら部屋にあるアニメのDVD全部燃やすとこだよ」シュウゥゥゥ……

キモオタ「ちょwwwそれだけはご勘弁をwww初回限定版とかばっかりでござるにwww」コポォ

ティンカーベル「まぁ覚えていたから良し!それにちゃんと【ピーターパン】の世界復活させてくれたらさ、ピーターパンとか妖精の長とかにお願いしてキモオタのお願いなんでも叶えるように交渉してみるよ!ご褒美があった方がやる気出るでしょ?」シュウウゥゥゥ……

キモオタ「ほうwwwそれならば全てが解決した暁には妖精の奇跡で我輩に彼女を作ってもらいますかなwww」コポォ

ティンカーベル「あ、いや…そういう神の力を越えてる願いはちょっと……」

キモオタ「ちょwww神の力をもってしても我輩には彼女出来ないんでござるかwww」コポォ

ティンカーベル「キモオタはキモイからなぁ…とりあえずオタくらいまでならないと彼女は無理かな。絶対無理かな」

キモオタ「お主はwwwそうやって我輩をディスってばかりなんでござるから困ったもんでござるよwww」

ティンカーベル「アハハ、冗談だよ冗談!っと…そろそろ時間っぽいかな」シュウウゥゥゥ………

キモオタ「ティンカーベル殿。では…しばし待っていて欲しいでござる、必ずやアリス殿に勝利して【ピーターパン】の世界を…お主を取り戻して見せるでござる」

ティンカーベル「うんうん、約束だからね?」

キモオタ「うむ、約束でござるよ!」

ティンカーベル「もし約束破ったらクロゼットに隠してあるエッチな同人誌の存在を司書さんにバラすからね?」

キモオタ「えっ、なっ、ちょ、なんでアレの存在を知っt」

ティンカーベル「あははは!焦り過ぎだよー!っとぉ……流石にもう無理かな」ボソッ

ティンカーベル「じゃあ私はお先にちょっと休憩してるから!ぜーんぶ解決したら起こしてよ、そんでまた一緒にピザ食べよっ!」



ティンカーベル「それじゃあ、キモオタ……またねっ!」ニコッ

シュゥン……




467: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/13(月)02:21:25 ID:65h

今日はここまで たくさんのレスに感謝

これは別れの言葉じゃない
また笑って出会う日のための約束の言葉

不思議の国のアリス編 次回に続きます




469: 名無しさん@おーぷん 2017/03/13(月)21:52:56 ID:oFT

乙!
キモオタがかっこいい!




480: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/19(日)23:38:31 ID:l0c

グレーテルの登場頻度高いぞロリコン!と言われても気にしない番外編
【お千代の癖とバッグ・クロージャー】

現実世界 司書の部屋 ホワイトデーの日の夜

司書「ただいまー。二人ともごめんねー、少し遅くなっちゃった」ガチャッ

ヘンゼル「おかえり。夕飯の支度できてr」

グレーテル「甘い匂いがする……!お菓子……ううん、生クリーム使ってるお菓子の匂い……!」ガタッ

お千代「グレーテルはするどいなぁ〜。図書館の館長さんがホワイトデーにくれたの、ヘンゼル君とグレーテルちゃんとどうぞって。ケーキだよ〜」ウフフ

グレーテル「ケーキ……!イチゴが乗ってるの、あるかな……?」ワクワク

ヘンゼル「駄目だよグレーテル、ご飯の前なんだから」

グレーテル「大丈夫……見るだけ……。わぁ……美味しそうなのがいっぱいある……。私知ってる、こういうのをインスタにアップすると『いいね』がいっぱいもらえるんだよね……?」←よくわかってない

ヘンゼル「また変な知識を覚えて…。インターネットで食べ物の画像ばっかり見るのやめさせなきゃ…」

お千代「ふふっ、現実世界のケーキは凝ってるから見るだけでも楽しいよね。あっ、ヘンゼル、その紙袋は取っておいてね」

ヘンゼル「ん、いつもの所にしまっておくよ」

小夜啼鳥「……お千代さん、以前から気になっていた事があるのですが」

司書「わっ、小夜啼鳥さん。どうしたの?気になる事って?」

小夜啼鳥「紙袋が手に入るたびに保管してますが…それ本当に使うんですか?引き出しの中パンッパンですよ」




481: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/19(日)23:44:57 ID:l0c

小夜啼鳥「あまり口うるさく言いたくはないですけど、流石に度を越えてますよ。割り箸とか取っておいても使いませんって」

司書「で、でもね……」

小夜啼鳥「包装紙なんかもキレイに取ってますけど必要あります?輪ゴムに関してはもう捨てませんか?こんなにいらないでしょう」

司書「で、でも捨てるのもったいないから…。それにいつか使うかもしれないから…ね?」

小夜啼鳥「納豆に付いてたカラシとか使わないでしょう。小袋のソースも使っているところ見た事無いですよ」

司書「うっ…なんていうか、物が無い時代に生まれたからそういうの捨てるの抵抗があって…」

小夜啼鳥「まぁそれらは百歩譲るにしても…パンの袋を止めるアレはもう捨てましょう。山ほど保管して何に使うって言うんですか、絶対に使い道無いでしょう。流石にあれはゴミですよ」

ヘンゼル「そこまでだ小夜啼鳥。いいじゃないか、お千代がパンの袋を止めるアレを保管してたところで君に迷惑かけているわけでもないんだから」

小夜啼鳥「そうは言いますがいらないものは捨てなければ片付きませんよ?パンの袋を止めるアレなんかいらない物の最たる例でしょう」

グレーテル「もしも……明日飢饉になったらカラシだって貴重な食料だよ……。パンの袋を止めるアレだって役に立つかも知れないし……」

ヘンゼル「そうだよ。パンの袋を止めるアレだって……ほら、メモとか立てるのに使えるし、そうだよねお千代?」

グレーテル「うんうん……使い道あるよね……。パンの袋止めるアレにまだパンの匂い残ってるかもしれないし……ねっ、お千代ちゃん?」

お千代「今すぐ捨てるから二人とももうやめて…フォローされても悲しいだけだから……」ズーン…

おしまい

また明日に!




482: 名無しさん@おーぷん 2017/03/19(日)23:57:18 ID:XHS

和んだッ!異論は認めん!




484: 名無しさん@おーぷん 2017/03/20(月)12:25:20 ID:jtC

グレーテルの登場頻度高いぞロリコン!




486: 名無しさん@おーぷん 2017/03/20(月)16:56:46 ID:CUK

グレーテルの登場頻度高ry
てかグレーテルがさりげなくかまど探してる…危険!危険!




488: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:22:13 ID:mnS


崩れていくシンデレラの世界 崩落していく魔法使いの屋敷

ゴゴゴゴゴ

キモオタ「……ティンカーベル殿」

キラキラキラ…

キモオタ「……ドゥフフ、どうでござるかアリス殿。我輩の親友は一味も二味も違うでござろう?」

キモオタ「ティンカーベル殿は我輩にとって初めての親友でござる。アリス殿は彼女を消滅させることで我輩の戦意を喪失させようと考えたのでござろうが……」

キモオタ「ティンカーベル殿の方が一枚上手でしたな。失った存在は大きいでござるが…彼女の選択によって少なくとも我輩は一切の迷いなくお主と対峙できそうでござる」

キモオタ「ドゥフフwww我輩の戦意を削ぐつもりが、決意を新たにさせてしまうなど大誤算でござるなぁwww」

ゴゴゴゴゴ

キモオタ「それにしてもwww我輩の様なオタクに命を託すなどティンカーベル殿は相当なチャレンジャーでござるよwww」コポォ

キモオタ「しかし問題ないでござる。その選択は誤りではなかったと、この豚めが証明して見せるでござる」スッ

キモオタ「……さて、我輩もここに長居は出来ませんな」スッ


――マッチ売り「頑張ってね、お兄ちゃん。おとぎ話が消えちゃわないように……みんなのこと助けてあげてね?約束だよ…?」

――ティンカーベル「約束してくれたじゃん?絶対に【ピーターパン】の世界を取り戻してくれるってさ」ニコッ


キモオタ「……マッチ売り殿。ティンカーベル殿。安心してくだされ、お主等が託してくれたこのマッチと瓶詰めの妖精の粉…そして仲間達がいれば我輩に出来ないことなどなにもありませんぞ。さて、そろそろ……」グッ



キモオタ「友との約束を果たしに行きますかな」




489: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:25:24 ID:mnS

不思議の国のアリスの世界 キノコ生い茂る森

・・・

赤鬼「…赤ずきんの奴、遅いな」ソワソワ

人魚姫の声『いやいやいや、赤ずきんが【シンデレラ】の世界へ向かってからそんな時間経ってないんですけどー?流石に焦り過ぎっしょー』

赤鬼「それはそうだが……キモオタを連れてくるだけだぞ?そう考えたら遅くないか…?」

人魚姫の声『まったくさー、落ち着きなって赤鬼ー!私達がソワソワしてたってなーんにも変わらないっしょー?』

赤鬼「しかし、気がかりな事が多すぎてな…落ち着けってのが無理な話だ。この【不思議の国のアリス】以外の世界はどこも消滅を始めちまってる、他の連中が無事にこの世界に移動出来ていればいいけどな。それにキモオタの事も気になる」

赤鬼「詳しくは聞けなかったが、ティンクが消されちまったって話だ。あいつらは大層仲が良かったからな、キモオタは相当深い心の傷を負っただろう…」

人魚姫の声『大切な人と会えなくなるって、ある意味死んじゃうよりも辛いかんね…。あたしも身に覚えがあるからさ、しんどいの解るよ』

人魚姫の声『相手が友達でも、愛した人でもさ。今まで一緒に居るのがフツーだった相手と会えなくなるのは、寂しいなんて言葉じゃ全然足りないしねー』

赤鬼「まぁ…キモオタは心の強い男だ。大丈夫だとは思うが…流石に心配でな」

鬼神『消滅する世界と運命を共にしたであろう同胞を想うならばいざ知れず…人間共の心配をするなど愚の極みだな、青二才」

赤鬼「そんな風に言うなよ。オイラにとっちゃあ鬼も人間も同じ仲間、そこに違いなんかねぇんだ」

鬼神『フン、相変わらず虫唾の走る物言いだ。いいか青二才、腑抜けていようが甘かろうが貴様は鬼だ。鬼である以上、アリスとか言う人間の小娘如きに敗北する事は決して許さん』

鬼神『鬼は常に勝者であるべきだ。だが腹立たしい事に…現状は奴の思惑通りに事が運んでいる、貴様がこの地に居る事も他の連中が集う事さえも奴の計画通りなのだろう』

赤鬼「まぁ…そうだろうな。オイラ達を完全に排除しようってなら、とっくに襲ってきてるだろうしな」

鬼神『これがどういう事かわかるか青二才?あろうことか奴は鬼を舐めてかかっている…。掌を這う虫ケラなどいつでも潰せるのだと…!自分にとっては鬼などとるに足らない相手だと…!畏怖するに値しない瑣末な存在であると…!鬼である我々を軽視しているのだ!!』

赤鬼「お、おい鬼神…?」

鬼神『思い知らせてやれ青二才…!種族として優位なのはどちらなのか!生殺与奪を握っているのは鬼であるという事をあの小娘の身に刻んでやれ!』ゴゴゴゴゴ




490: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:28:17 ID:mnS


赤鬼(こいつが物騒で過激派だってのはいつもの事だが…)

鬼神『聞いているのか青二才?そもそも貴様が腑抜けているから舐められているんだぞ、わかっているのか!?』グオォ

赤鬼「なぁ鬼神…仮の話なんだが、もしもオイラが『アリスを倒すために力を貸してくれ』って言ったら、お前は…オイラ達に協力をしてくれるのか?」

鬼神『……』

赤鬼「こうなった以上…オイラ達はアリスとの戦いは絶対に避けられない。アリスを止めて、消えちまったおとぎ話の世界を元通りにしなきゃならない」

赤鬼「お前は鬼の尊厳を傷つけられたってんでアリスを憎んでるんだろう?だったら、オイラに戦う為の力を貸しちゃくれねぇか?」

鬼神『状況が状況だ、貴様に力を貸してやる事も…やぶさかではない』

赤鬼「おぉ…!お前は少しばかり乱暴だが協力してくれるってんなら心強い!アリスを倒して思いなおさせるって事も出来る!」

鬼神『ただし。甘ったれの貴様にその覚悟があるのならば、の話だ』

赤鬼「ん?戦う覚悟が出来て無いって言いたいのか?」

鬼神『戦う覚悟ではない、殺す覚悟だ。『止める』『倒す』などと言っている甘ったれにその覚悟ができているとは思えんがな』

赤鬼「……っ」

鬼神『貴様が望むのなら力は貸してやる。だがその場合…アリスとその一派は皆殺し、根絶やしだ。俺が出る以上それ以外の決着はありえんと思え』




491: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:32:12 ID:mnS


赤鬼「待てって鬼神!そりゃあこれは戦いだ、命を奪っちまう事もあるだろう。だが殺さずに解決できるってんならそうすべきだろ!?お前の力があれば命を奪わずに捕える事も…」

鬼神『捕えてどうする?この期に及んで説得でもするというのか?貴様、本当にその行為に意味があるとでも思っているのか?』

鬼神『そもそも…話し合いを無意味に感じ、解り合うことなど到底できないと知ったからこそアリスという小娘は自らの願望を暴力によって叶えた。違うか?』

赤鬼「……」

鬼神『フン、貴様が納得しようがしまいが俺には関係ないがな。そんな甘い考えで戦っていてはあっという間に俺に身体の主導権を渡すことになるだろう』

赤鬼「ま、待て!俺の身体で好き勝手する事は許さねぇぞ!?」

鬼神『知った事か、俺に身体を渡したくないのならば死に物狂いで戦え。そしてあの愚かな小娘を殺し、同胞を殺した報いを与えろ』

赤鬼「どうしてそうなるんだ鬼神…!オイラ達の目的はアリスを殺す事じゃあねぇだろ!」

鬼神『青二才が、アリスは全ての元凶。ならば奴を殺すことこそが唯一の解決策だ。フン…これ以上は何を話したところで無駄だ。力を借りる覚悟が出来たのならば呼べ、いつでも連中を根絶やしにしてやる』フッ

赤鬼「待て鬼神!話はまだ終わっちゃあ…クソ!なんだってあいつはあんな考えしかできねぇんだ!」バンッ

人魚姫の声『あたしには鬼神の声聞こえないケドさ…二人が話してんのアリスをどうするかって話でしょ?まぁ、難しい問題だよねー…あたしは命まで奪わなくてもとは思うケド、まーみんなが納得するカタチにすんのは相当難しいっぽいよね…』

赤鬼「あぁ、難しい問題だよ…。確かに鬼神が言うようにアリスを殺してしまえばこの一件はとりあえず解決するかもしれない、でもよぉ……そりゃあ、違うだろ?」

赤鬼「確かにアリスはとんでもない事をしでかした、易々と許される事じゃねぇよ。故郷を消された赤ずきんやティンクを見てりゃあ尚のことそう思う。だとしても……」

赤鬼「相手を殺して解決…なんて方法をとり続けてりゃあ、いずれ取り返しのつかない事になる。その結果が、今の鬼と人間の関係だってあいつはなんでわからねぇんだよ…」




492: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:34:56 ID:mnS

人魚姫の声『人間と鬼との関係…。えっと、確か……』

赤鬼「世界によって違いはあるだろうが、どこも大きくは変わらないはずだ」

赤鬼「オイラの世界の例でいえば…人間は村々を襲う鬼を恐れ畏怖し、そして憎んでいる。一方の鬼は心無い人間に女子供を殺され住処を追われ、人間を憎んでいる」

人魚姫の声『鬼は鬼で人間を憎む正当な理由があって、人間には人間で鬼を憎む真っ当な理由があるって事かぁ…でもそこまでこじれたらどっちが正義とか悪とかの話じゃないんじゃね?』

赤鬼「あぁ、どっちの種族も同族の弔いの為に敵を殺した。復讐の大義名分のもとに相手の命を奪った。そしてそれは新たな憎しみになって…結局、鬼と人間の間には深い溝が出来たままだ」

人魚姫の声『なんつーかさ……なんか空しいよね。だってそんなの真実の無い戦いだよ、結局そんな事繰り返したって争いは無くならないし…』

赤鬼「どっちにしろ、オイラが考えを曲げなけりゃあ鬼神が力を貸してくれる事はねぇだろうな…。これを機にあいつにも考えを改めて貰えねぇかと思ったんだけどな」

人魚姫の声『今のままじゃ無理っぽいねー。力借りれたらすっげぇ心強かったっぽいし、残念だよねー』

ザッ

赤ずきん「何を話しているかと思えば、そもそも鬼神の力を借りようって事が間違いなのよ。まったく……」フゥ…

赤鬼「おぉ、戻ってたのか、赤ずきん。心配したぞ」

キモオタ「おおっとwww我輩もいるでござるよwww」コポォ

赤鬼「キモオタ…。見たところ怪我なんかはしてなさそうで何よりだ。しかし、その、なんだ……どうやら大変な目にあっちまったようだな……」

キモオタ「全くでござるよwwwティンク殿は消されるでござるしwww赤ずきん殿の手を煩わせてしまうでござるし、踏んだり蹴ったりとはこの事ですなwww」コポォ

赤鬼「お、おう…?」(なんだ?ティンクのことで落ち込んでると思ったらそうでもねぇな…)




493: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:37:07 ID:mnS


赤鬼「なんつぅか…こんな事言っていいのかわかんねぇんだけど。なんだか思ったより元気そうだな」

キモオタ「ドゥフフwwwティンカーベル殿を失って我輩がもっと落ち込んでると思ったのでござるな赤鬼殿www」

赤鬼「そりゃあなぁ…。傍から見てもお前らは仲良かったし、あいつは賑やかだった分居なくなっちまうと悲しいだろ」

キモオタ「ご心配には及びませんぞwww確かにショックではござるけど、今我輩にできる事は落ち込むことではない故にwww」

ヒソヒソ

赤ずきん「彼に聞いた話だと…ティンクは自ら消されるようアリスに仕向けたらしいわ」

赤鬼「わざとか?なんでまたそんな事を…」

赤ずきん「キモオタの足を引っ張りたくなかったんでしょう。だから彼を鼓舞して自分は消える事を選んだのね……自分を犠牲になんてなかなか出来る事じゃないわ、凄いと思うもの」

赤鬼「なるほどなぁ、身体は小さいってのに肝は据わってるよなぁ…」

赤ずきん「彼女の覚悟を無駄にしない為にも、私達で絶対にアリスを止めなければいけないわね」

赤鬼「そうだな、オイラ達が腑抜けてちゃあいけねぇよな。気ぃ入れて挑まねぇとな」

キモオタ「赤鬼殿www赤ずきん殿www何をヒソヒソと相談しているでござるかwww我輩の陰口ですかなwww」

赤ずきん「何言ってるのよ、陰口ならあなたが居ないところで言うにきまってるじゃない」

キモオタ「ちょwww出来れば言わないでいただけた方がありがたいwww」

赤ずきん「冗談よ。それよりも他の仲間達もこの世界に集まっているでしょうし…今後どうするかを決めるためにも一度集まった方が良いんじゃない?」

赤鬼「そうだな、お前のお話ウォッチを使えばあっという間にあいつらをこの場に呼ぶ事ができるんだろ?」

キモオタ「その通りwwwでは作戦会議を行う為にも皆に呼び掛けてこの場に来ていただくとしますかなwww」コポォ




494: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:40:10 ID:mnS

しばらくして…

ヘンゼル「いつかはこうなるだろうと思っていたけど…遂にこの時が来てしまったね、もうアリスとの戦いは避けられない」

赤ずきん「そうね。でも私達だってただ指をくわえて状況を眺めていたわけじゃない、そうよね赤鬼?人魚姫?」

赤鬼「おうよ、短い修業だったが…それでも数日前のオイラ達とは比べ物にならない程だと自信を持って言えるぞ」

人魚姫の声『うんうん、私だってできる事はそんなないけど役には立つつもりでいるしさ、大船に乗ったつもりでいて欲しいんですけどー?』

裸王「ハッハッハ!頼もしい事だ、もちろん我々も筋肉を研ぎ澄ませていたぞ!ヘンゼルはもちろんのこと、グレーテルも自主的に修業に参加してくれたからな!我々の筋肉パワーをアリス達の目に焼き付けてみせよう!」マッチョ

グレーテル「私、マッチョには程遠いけど……お兄ちゃんと一緒に戦う……。私、頑張る……アリスちゃんやっつける……」フンスッ

司書「私は戦いでは役には立てないと思うけど、支援くらいは出来ると思います。特に、おとぎ話の知識に関しては頼ってもらって大丈夫です」

ドロシー「わ、私も支援が中心になるかと…怪我の治療のやり方は一通り覚えたので…。あ、あと道案内ならできると思います…が、頑張ります!」

ライオン「ドロシーちゃん…少し見ない間に頼もしくなって。僕は嬉しいよ…あっ、もちろん僕自身も頑張るよ!」

キモオタ「さて、まずは我輩の呼び掛けに応じてくれてありがとうでござる。ひとまず、皆の無事な姿を見る事が出来て安心したでござる」

桃太郎「ちょっと待ってくれキモオタ。お前が呼び集めたのは…本当にこれで全員?」

キモオタ「そうでござるよ。赤ずきん殿、赤鬼殿、人魚姫殿、裸王殿、ヘンゼル殿、グレーテル殿、司書殿、ドロシー殿、ライオン殿に桃太郎殿」

キモオタ「そしてこのキモオタを加えたメンバーでアリス殿に挑むことになるでござる」

司書「あの…キモオタさん、ラプンツェルさんは……?」

赤ずきん「そう言えば居ないわね…。いつもフラッとどこかへ消えるから気にしていなかったけど、この場に呼び出せなかったという事はもしかして…」

桃太郎「まさか…ラプンツェルは逃げ遅れておとぎ話の世界もろとも消える事になったって事か…!?」




495: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:42:26 ID:mnS


キモオタ「いや、ラプンツェル殿はこの場には居ないでござるが。消滅に巻き込まれたとかではないでござる、キチンとこの世界のどこかには存在してますぞ」

裸王「むっ?それはどういう事なのだ?ラプンツェルがこの世界に来ているというのならばこの場に来ない、あるいは来れない理由があると言うのか?」

キモオタ「むぅ…なんと言いますか。実際におはなしウォッチでの呼び出しを見てくれれば理解してもらえると思うのでござるが……例えば」スッ

キモオタ「ティンカーベル殿、応答してほしいでござる。今すぐ、我輩の下に集まってくれますかな?」

シーン…

グレーテル「なんの反応も無いね……」

ドロシー「ティンクちゃんは……その、消えちゃってるから反応がないのは、当然ってことなのかな…?」

キモオタ「そうでござるな、存在していないティンカーベル殿に連絡をつなぐ事は不可能。しかし……ラプンツェル殿、応答してくれますかな?我輩のもとに集まって欲しいでござる」

ザザッ ザーザー

司書「なんだかノイズがひどいですね…。電波が悪い…なんて携帯電話じゃないですしね、何故でしょう」

キモオタ「理由は解らんでござるが少なくともラプンツェル殿は生きてこの世界に居るでござる。それは間違いないでござろう」

ライオン「それじゃあ…ラプンツェルさんはどういう訳か今、応答できない状況だって事だねぇ…でも少なくとも生きてるって事は安心していいのかな?」

桃太郎「そうとも言いきれないぞ、この世界に居るは居るが大怪我をして動けないのかもしれない」

赤鬼「確かにその可能性も拭えねぇな…無事でいてくれるといいんだが…」




496: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:44:34 ID:mnS

赤ずきん「それで…これからどうするつもり?まずはラプンツェルを探すの?」

キモオタ「むむむ……実はまだ悩んでいるのでござるよ……」

ドロシー「どうするかはキモオタさんにお任せしますけど…早く決めなきゃアリスちゃんが襲ってくるかもしれないです…よ?」

キモオタ「いや、それに関しては大丈夫だと思いますぞ。アリス殿は我輩に『ハートの女王の城に居る、そこで決着をつけよう』と告げたでござる、その気になればあの場で我輩を消す事も出来たというのに…」

裸王「自ら居場所を明かすあたり…誘っていると見て間違いあるまい」

ライオン「誘ってる…?どうしてそんな事を…?」

赤ずきん「アリスにとって私達は邪魔者よ。特にキモオタは予想外の異物、今まで散々邪魔をされた分いたぶって殺してやろうって考えじゃあないのかしら?」

キモオタ「その通りなのでござるがそうも直球で言われると恐ろしいでござるなwwwしかし、そのおかげで向こうから襲ってくるという事はまずないでござろう、城にたどり着くまでは」

桃太郎「そう考えるのが普通だな…。ならば城へ急がなくてもある程度は安全にラプンツェルを探す事も出来ると言う訳だが……」

ヘンゼル「僕は反対だね。ラプンツェルさんには悪いけど、戦える状態にあるかどうかも解らない人を探すのに時間を割くのは…この状況じゃ下策だと思うよ」

グレーテル「ラプお姉ちゃんは優しい良い人なのに……見捨てちゃうの……?」ジトー

ヘンゼル「そうじゃないよ。アリスが絶対に襲ってこないって保証は無いんだ、皆で分担して探している最中に襲われたら何もできないままに全滅…なんて事だってあり得る。そうなれば最悪だ」

キモオタ「この世界は完全にアリス殿のホーム、我々にとってはアウェーもいいとこでござる。今、この広い世界で孤立するのは避けるべきでござるな」




497: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:48:10 ID:mnS


キモオタ「……決めたでござる。ラプンツェル殿には折を見て連絡をする事にし、我々はひとまずハートの女王殿の城を目指すでござるよ」

桃太郎「ラプンツェルの安否も気になるけど…全滅したら何の意味も無いからなぁ、そうするのが妥当だと拙者も思う」

キモオタ「皆もこの方針で納得してくれるでござるか?」

赤鬼「なぁ、キモオタ一つだけいいか…?」

キモオタ「赤鬼殿?なんでござるかな?」

赤鬼「アリスと戦うってのは解るが…具体的にはどうするんだ?いや、なんというか、殺しちまうつもりなのか…?」

キモオタ「いやいやいやwww我輩にそこまでの度胸は無いでござるよwww」

赤鬼「そうか…」ホッ

赤ずきん「でも、向こうはこっちを殺しにかかるわよ?だからこっちも殺す気で…なんて言わないけど、方針を定めておかないと危険じゃないかしら?」

ヘンゼル「そう言えばアリスの時間停止に対抗する手段はどうなってるの?あれをなんとかしなければ勝ちなんか望めないと思うけど…」

キモオタ「ご心配なくwww時間停止の対策もバッチリでござるし、勝ちパターンの計画もあるでござるからwww」

キモオタ「知っての通りアリス殿は魔法のランプを所有しているでござる。そして我輩が知る限り、残る願いは一つ……おそらくこれは最後の切り札として残すはずでござる」

キモオタ「おとぎ話の世界と現実世界を消した恐るべきランプでござるが…これを奪ってしまいさえすれば、その時点で我々の勝利は確定でござる」

司書「ランプを奪い、アリスさんを拘束…そして世界を元に戻す。といったところでしょうか」

ライオン「そ、そんなにうまくいくかな…。絶対に抵抗してくると思うなぁ……」

キモオタ「当然一筋縄ではいかないでござろう。しかし、ランプさえ奪ってしまえば失った世界も消えてしまった人々も全て蘇らせる事が出来るでござる。それにアリス殿の命を奪う事無く、この一件を丸く収める事も可能でござろう」




498: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:51:10 ID:mnS


キモオタ「故に、我々はアリス殿や仲間達と戦う事になると思うでござるが……最優先すべきはランプの奪取、この作戦で行きたいでござる」

裸王「うむ、敵とはいえ無駄に命を散らす事もあるまい。私はその案に賛成だ!私の背筋もそうすべきだとささやいている!」

キモオタ「皆の者も…この作戦で良いでござるか?」

赤ずきん「私達は異論は無いわ」

桃太郎「そうだな、拙者も賛成だ。戦いは避けられないだろうけど…それはもう仕方がない」

キモオタ「では善は急げでござる、早速城に向かうとしますぞ!ドロシー殿、案内をお願いできますかな?」

ドロシー「は、はい!任せてください!」

グレーテル「……?」

ヘンゼル「グレーテル?どうかしたの?空なんか見て」

グレーテル「……ねぇ、みんな……お空の上、見て……あそこ、何か飛んでる……」

赤ずきん「あれは…ドラゴン?というよりは……東洋の龍かしら?」

司書「確かにそう見えますね、でも…この【不思議の国のアリス】の舞台は西洋。それにこのおとぎ話に龍は登場しません、おそらく別の世界から来たのだと思いますが……」

キモオタ「別の世界から来た龍ですと…?まさか……」

ドロシー「……っ!!キモオタさん!み、見てくださいあの龍の腕……!右腕が無いです……!」

キモオタ「なんですと!?という事はあの龍は!」




499: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/21(火)01:54:53 ID:mnS

今日はここまで
不思議の国のアリス編 次回をお楽しみに

集う仲間!




502: 名無しさん@おーぷん 2017/03/21(火)18:17:55 ID:cNo

キモオタがカッコいいぜチクショウ!
キモオタのクセにてめーカッコいいんだよチクショウ!




510: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:40:22 ID:XDB

ドロシー「玉龍ちゃんだ…!き、きっと間違いありません!…あれは玉龍ちゃんです!」

キモオタ「で、ござるな!世界の崩壊を察知し、あの者たちもこの世界に来ていたのでござるか。これは心強いwww」

桃太郎「ん?玉龍って確か、孫悟空にベタベタしてた娘の事じゃなかった?えっ、もしかして同一人物なの?」

司書「玉龍さんは【西遊記】に登場する龍なんですが、変化の術が使えるんです。普段はお師匠様の三蔵法師さんを乗せる馬に化けてますが、女性の姿で戦う事もあるんですよ」

桃太郎「へぇー…なんかすごいな。しかし龍なんか伝説上の生き物だと思ってたけど、こうしてみると荘厳っていうかなんて言うか…畏れ多い感じがするな」

裸王「うむ!遠目からでもはっきりと感じる厳かさ!何よりもあの巨体を支える筋肉…是非とも間近で拝見したいものだ!ハッハッハッ!」

鬼神『これは好都合だ青二才、あの龍が居ると言う事は神殺しの猿人もいるはず。二匹まとめてこの鬼神が相手をしてやる』クックック

グレーテル「龍、カッコいい…。でもなんだかおっきいヘビにも見えるね…うねうねってしてるとことか…」

赤鬼「おぉ、確かにヘビに似てるな。女はヘビとかカエルは苦手ってよく聞くがグレーテルは平気か?」

グレーテル「うん、大丈夫…。ザリガニは嫌いだけど、ヘビやカエルは嫌いじゃないし触れるよ…」

赤鬼「おっ、偉いぞ!褒めついでに菓子をやろう、うまいぞ」スッ

グレーテル「わーい…おせんべいだ…」ウキウキ

鬼神『先程の仕返しのつもりか…?聞いていないフリとはいい度胸だな青二才』ギリッ

ドロシー「きっと【かぐや姫】の世界が消えて悟空さんやかぐやさんと一緒にこの世界に来たんだと思います…。合流したいですけど、大きな声を出しても届かないと思うし…どうしよう…」オロオロ

キモオタ「心配ご無用www声は届かなくとも我輩のサイリウムを光らせればこちらの存在を伝える事は出来ますぞwww」スッ




511: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:41:54 ID:XDB

ドロシー「あっ、そうですよね。こっちから見えるって事は向こうからも見えるって事ですもんね」

キモオタ「そうでござるwwwさて、おはなしサイリウムを光らせて…と、さぁいきますぞwww」

ピカー

キモオタ「ふんっ!はぁっ!玉龍殿にぃぃ!届けぇぇ!!我輩のパッションンン!!!」フリフリ

一同「……」

赤ずきん「キモオタ。ティンクが居ないから私が代わりに言っておくけれど……相変わらず気持ちの悪い動きね」

キモオタ「ちょwww我輩が渾身のオタ芸を披露しているというのになんという仕打ちwww」フリフリ

赤ずきん「そもそも踊る必要は無いでしょう。向こうは空から見ているのだから光を発するだけで合図としては十分よ」

キモオタ「そう言われてみれば確かにwwwいやはやwww無駄なカロリー消費でしたなwww」コポォ

ドロシー「あっ…でも玉龍ちゃんの動き止まりましたね。こっちに気が付いてくれたみたいです……あれっ?」

ゴォォォッ

ライオン「ええぇぇっ!?か、彼女こっちに向かって来てるよ!?」

ドロシー「ま、まさかこんな狭い場所に降り立とうとしてるんじゃ…!あわわ…どうしよう…!」オロオロ

ヘンゼル「こっちだドロシー、そんなところに立っていたら下敷きにされるよ。裸王さん、お千代とグレーテルをお願い」グイッ

裸王「うむ、任せよ!皆の者も出来るだけ距離を取るのだ、頭を守り身を伏せよ!」ヒョイ バッ

キモオタ「ぶひいいぃぃぃ!!!何故このような事にぃぃぃ!!」ズサーッ

ベキベキベキ!!バキバキバキバキー!!




512: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:44:58 ID:XDB

パラパラパラ……

玉龍(龍形態)「……」ズズゥゥン

人魚姫の声『うわーっ、陸の上にはこんなデカイ生き物居るんだ!?木とかメッチャ倒れてるし地面もえぐれてるし、ヤバくない!?』ワクワク

赤ずきん「何をワクワクしているのよ…。こっちはアリスと戦う前に死んでしまうところだったわよ…」ハァ

桃太郎「皆の者、無事か!?怪我をした者がいればなら拙者のもとへ!すぐに治癒する!」

裸王「うむ、こちらは平気だ。しかし間近で見るとその凄まじい姿に圧倒されてしまうな!神々しいとはまさにこの事!」マッスル

桃太郎「神々しいってのは同感だな、なんかもう畏怖すら感じるし。流石は龍…って感じがする、威厳とか凄いし…」

キモオタ「二人とも玉龍殿に幻想を抱き過ぎると夢が壊されますぞwww」コポォ

桃太郎「何言ってんだよキモオタ、玉龍殿のこの姿…まさに威風堂々って感じでさ、きっと凄く威厳あふれた喋り方とかすr」

玉龍(龍形態)「ドロシー!猪hキモオター!いやー、プチ久しぶりッスね!皆に愛されるプリティドラゴン、玉龍ちゃんのお出ましッスよー!」

ドロシー「も、もぉー!危ないからあんまり無茶しないでよ玉龍ちゃん!し、死んじゃうかと思ったよ!」

玉龍(龍形態)「タハー!メンゴメンゴッス!でもドロシーもうちの真の姿近くで見るの久しぶりッスよね?どうっすか?可愛いっすか!?可愛いっすよね!?どうなんすか!?」ウキウキ

ドロシー「どうもこうもないよ…。でもどっちかといえば可愛いって言うより、カッコいいって感じかなぁ…」ハハハ…

玉龍(龍形態)「カッコイイ!?それは男の子に使う褒め言葉ッス!うちみたいなキュートガールには相応しくないッス!褒め直して欲しいッス!」ジタバタ

桃太郎「……なんか、思ってたのと全然違う」ドヨーン

裸王「ハッハッハ!随分とフランクな龍も居たものだ!私とした事が外見で判断してしまうとは…裸王ミステイクッ!」マッチョ




513: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:47:01 ID:XDB

孫悟空「玉龍テメェ!今は龍の姿だってわかってんのか!?馬鹿デケェ図体で無茶してんじゃねぇ!あやうく殺しちまうところだっただろうが!」ゴッ

玉龍(龍形態)「フフフッ…うちは今、本来の姿に戻っているッス!先輩のゲンコツ程度じゃあ痛くも痒くもないッスよ!」ドヤァ

孫悟空「おう、そうか。痛みを伴わねぇと反省出来ねぇってんなら仕方ねぇな…伸びろォ!如意棒ォォ!!」ビュバッ

玉龍(龍形態)「先輩!?それは愛のムチにしては激しすぎるッスよ!?わかったッス!ちゃんとミナサンにあやまるッスから!如意棒は勘弁ッス!」

シュウゥゥゥ スタッ

玉龍(女の子形態)「さっきは危ない真似して申し訳なかったッス!龍の姿は久々でうっかりしてたんス!悪気は無かったからどうか許して欲しいッスよ!」ペコッ

孫悟空「ったく、やればできるってのに手間掛けさせやがる…」

桃太郎「おぉっ、本当に一瞬で娘に変身した。龍ってすごいな…」

赤鬼「いきなり龍が降りてきたのには驚いちまったが、大事にならなかったわけだしな!あんまり気にする事ぁねぇぞ、なぁ?」

赤ずきん「まぁ…みんな無事だったわけだしいいんじゃないかしら?流石に次は気をつけて欲しいけれどね」

玉龍「ありがとうッス!いやー、みんな優しくて玉龍ちゃん感激ッスよ!」

孫悟空「ったく、調子が良い奴だぜテメェは。っと、そこの半裸のおっさんとライオンは初めてだな。俺の事は孫悟空って呼んでくれ、消えちまった【西遊記】の主人公だ。よろしく頼む」

ライオン「えっとえっと、僕は【オズの魔法使い】のライオンだよぉ、よろしくね」

裸王「悟空よ!自己紹介感謝する!我が名は裸王!【裸の王様】の主人公を担っている!我が筋肉ともどもよろしく頼む!」マッスル

玉龍「そしてうちは玉龍ッス!悟空先輩とは肉体関係にある仲ッスy」

孫悟空「だからテメェはガキが大勢いる前で何言ってやがんだ!つぅか事実無根だからな!?こいつの戯言は基本的に信じねぇでくれ」ゴスッ




514: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:48:30 ID:XDB


ドロシー「……?」キョロキョロ

キモオタ「ドゥフフwwwしっかしお二人は相変わらずですなwwwまるで漫才を見ているような掛けあいですぞwww」コポォ

玉龍「ははぁーん…夫婦漫才ッスね?」ニヤリ

悟空「……」ゲシッ

玉龍「無言で攻撃をするのはやめてほしいッス!……ってドロシー?キョロキョロしてどうしたんスか?」

ドロシー「あの、かぐやさんは…?かぐやさんは一緒じゃないんですか…?」オロオロ

玉龍「あー……」

孫悟空「……」

ドロシー「えっ、えっ…?なんなんですかその沈黙…。ま、まさかかぐやさんに何かあったんですか…?」

孫悟空(ドロシーは知らねぇ。かぐやが連れ去られちまった時、こいつは既に別の世界に居た。かぐやがさらわれた事も、【かぐや姫】の世界が消滅しかけた事も、玉龍がかぐやに化けて一時的にしのいでいた事も知るはずねぇ)

孫悟空(かぐやの一件…ありゃあ完全に俺達の責任だ。アリスにとっちゃかぐやは邪魔な存在、それを知っていながらあいつを一人にしちまった俺達の責任だ。当然、ドロシーには何一つ非なんざありゃしねぇ。だが……)

孫悟空(ドロシーは気弱で優しい娘だ。何かと世話を焼いてくれたかぐやがさらわれちまったと知れば…。当然悲しむだろう、悪くすりゃあ自分を責めちまうかもしれねぇ…)

孫悟空(それはあまりに不憫だ、だからキモオタにも伝えなかったわけだしな…。隠し事を続けるってのは気が進まねぇが…かぐやの事はドロシーには黙っておくべきだな。こいつの為にも…それがいい。適当に誤魔化して…)

ドロシー「こ、答えてください悟空さん…!かぐやさんは、かぐやさんは無事なんですよね!?」




515: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:49:55 ID:XDB


孫悟空「あぁ、無事だ。かぐy」

玉龍「ドロシー…。言うのが遅くなってしまったッスけど、実はかぐやはアリスにさらわれてしまったみたいなんス…」

孫悟空「おい、玉龍!」

玉龍「ドロシーがキモオタ達と別世界へ渡った少し後ッス。うちと先輩が離れている隙を狙われて…連れ去られたッス。それからはうちがかぐやに化けてあの世界の消滅を防いでいたッスけど…」

キモオタ「なん…ですと…!?あの強力な力を持つかぐや殿が…!」

ドロシー「そ、そんな…!かぐやさんが…?なんてこと…」ヨロヨロ

司書「わわっ、ドロシーちゃん大丈夫?立てる…?肩貸すよ?」

ドロシー「ご、ごめんなさい…。大丈夫、大丈夫です…。ちょ、ちょっとショックで……ごめんなさい」

孫悟空「玉龍テメェ…!なんで言っちまうんだ!?こいつがショックを受ける事なんざ目に見えてただろ!?」

玉龍「黙ってたってそのうちわかる事ッス!ドロシーはうちらの仲間なんス、かぐやの事だって当然知る権利があるッスよ!」

孫悟空「そうかも知れねぇが実際こいつはふらつくほどショック受けてんだろうが…!言わねぇ事も優しさじゃねぇのか!」

ドロシー「ふ、二人とも良い争わないでください…!わ、私は大丈夫です…さっきは少し驚いて、ふらふらっとしちゃっただけで、もう平気です…あはは」

一同「……」

ヘンゼル「……無理して笑わなくたって良いでしょ、ドロシー」

ヘンゼル「かぐやさんは君にとって大切な人なんでしょ?だったらショックを受けて当然だよ、周りに気を使って笑う必要なんかないよ」




516: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:50:48 ID:XDB

ドロシー「そうかな……」

ヘンゼル「そうだよ。落ち込みたいなら落ち込めばいいし、泣きたいなら泣きなよ。僕でよかったら胸くらいなら貸すよ?」

グレーテル「今回だけは……見なかった事にしてあげてもいい……」プイッ

ドロシー「ありがとう…。ヘンゼル君もグレーテルちゃんも優しいね、でも大丈夫…確かに悲しいけど、私が泣いたところで何も変わらないもんね」

ドロシー「それなら今は…私にできる事をやるだけだよ。かぐやさんを助けるため、アリスちゃんを止める為…私が今できる事を一生懸命やるよ!」

玉龍「おぉー!ほら見るッス先輩!ドロシーは少し見ない間に見違えてたくましくなってるッスよ!」ドヤァ

孫悟空「なんでテメェが自慢げなんだよ。だがまぁ…俺の心配は余計なもんだったな」

キモオタ「そもそもアリス殿の恐ろしさを間近で見ていながら戦いを決意している時点でドロシー殿はなかなか勇気がありますぞwww」

赤ずきん「そうね。彼女が何もできない臆病者なら、そもそもこんな場所に居ないわよ。立派なものよ」

裸王「うむ、我が城でもドロシーは皆の力になろうと一生懸命努力していたのだ!筋肉を付けるには至らなかったが…あの努力は称賛に値する!」マッスル

司書「うんうん、礼儀正しいしドロシーちゃんは素敵な女の子だよね、ヘンゼル?」ニコニコ

ヘンゼル「そうだと思うけど…。なんで僕に聞くの?」

グレーテル「……」プクー

ドロシー「み、みなさんあんまり褒めないでください…!わ、わたしはそんな大層な人間じゃないですから…」アワワ

ドロシー「そ、それよりも今はハートの女王様のお城を目指しましょう。キモオタさんの話では、アリスちゃんはそこで待ち構えているんですよね?」

キモオタ「そうでござるwwwまぁ積もる話もあるでござろうがそれは道中にてwww今は一先ず城を目指すでござるよwww」




517: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/03/27(月)01:54:37 ID:XDB


玉龍「あっ、ハートの女王の城で思いだしたんスけど…。一体、ハートの女王の城ってどこにあるんスか?しばらく飛んでたッスけど影も形も見えなかったッスよ?」

赤鬼「そりゃどういう事だ?城なんてもん目立って仕方ねぇはずだ、空から探してりゃあすぐに見つかるんじゃねぇのか?」

孫悟空「いや、それがさっぱりでな。辺り一面に森が広がっていて城はどころか建物すらほとんどねぇんだよ」

玉龍「ドロシーはしばらくこの世界に居たんスよね?何か知らないッスか?」

ドロシー「あっ、えっと、それはね…。うーん、なんて説明したらいいんだろう……」

ドロシー「この世界は確かに【不思議の国のアリス】なんだけど、この森が広がっている『世界』はハートの女王様のお城がある『世界』とは違う…?というか…」オロオロ

裸王「むむっ?同じ世界でありながら違う世界…新手のなぞなぞかね?ハッハッハッ!」

グレーテル「……わかんない」

キモオタ「申し訳ないでござるけど微塵も理解できませんなwww」コポォ

ドロシー「うぅ…説明下手ですいません…」ショボーン

司書「大丈夫、私はなんとなくだけど理解できたよ」

キモオタ「流石は司書殿でござるなwwwでは我輩にもわかるように説明していただきたいwww」

司書「そうですねぇ…図で表すとわかりやすいかも知れませんね」ゴソゴソ

司書「少し待ってくださいね、図にしてみます」




524: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/01(土)01:30:48 ID:1Qj

みなしゃん元気しとぉや。>>1ばい

突然の報告になって申し訳なかが
本日(四月一日)ば持ちましてこんSSば打ち切らしぇてもらうけん
今までん応援して下しゃった皆しゃんほんまにありがとばいござおった

本日からは新作『グレーテル、お菓子裁判にかけられる』ば連載いたするばい
引き続き応援よろしゅうお願よかたするばい




525: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/01(土)01:32:16 ID:1Qj

不思議の国のアリスの世界 ハートの女王の城 裁判所

アリス「しゃて…それやあ早速グレーテルのお菓子裁判ば始めようとよ。裁判官はボク、アリスが勤めるとよ。よろしゅう」

帽子屋「検察官はうち、こん帽子屋にお・ま・か・しぇ・よぉ〜」ブホホ

グレーテル「被告人のグレーテルばい……」

ヘンゼル「ちょこっと待ったとよ。裁判官と検察ばキミ達がやるって?そぎゃんの公平な裁判になる訳がなかやあなかか」

ヘンゼル「そもそもなんばいこれ?お菓子裁判ってなん?グレーテルは裁判にかけられるクサうな事はしていなかけれど、なんかの間違いやあなかのか?」

帽子屋「失礼しちゃうわねぇ…!ここはハートの女王の裁判所なんばいもの、やったら裁判官も当然【不思議の国のアリス】の住人が務めるべきよねぇ、やったらアリスちゃんは適任ばいと思うわよぉ?」

アリス「そげん事ばいヘンゼル。それにキミはグレーテルに罪は無いと主張しとるクサうやけど、こうしてボクの手元には彼女に対する告訴状が存在するとよ。告訴しゃれとる以上裁判は避けられなか」

ヘンゼル「告訴状…!?一体、どぎゃん理由でグレーテルが告訴しゃれたってゆうんばい!」バンッ

アリス「まぁわかりやすく短く説明すると『グレーテルは事あるごとにスニッカーズのステマばしとる、これは裁かれるべき犯罪である』といった具合ばい」

ヘンゼル「バカバカしか…!なしそぎゃんことで裁判なんかやらなきゃならなかんばい、ほんまに君達不思議の国の住人はどっか頭がおかs」

グレーテル「よくわかんなかけど……。うち……スニッカーズ大好いとぉ……」

帽子屋「ほらごらんなしゃい!やっぱりグレーテルちゃんは有罪よ!スニッカーズが好いとぉんばいもと!」

アリス「そうばいな、自首とゆう訳か。賢明な判断ばい」

ヘンゼル「そうはしゃしぇなか、僕が弁護人ば務める!グレーテルば有罪になんかしゃしぇるものか。グレーテル、僕にどいでんが任しぇて、すぐにしまやかすから」

グレーテル「はーい……うち、お兄ちゃんのゆう事ちゃんと聞ける……。おとなしく待っとう……でもそん間におやつば食べよう……やーん、スニッカーズ……」モグモグ

ヘンゼル「グレーテル、話がややこしくなるけんスニッカーズは食べなかで」




526: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/01(土)01:33:25 ID:1Qj


アリス「告訴状によるとグレーテルは昨年の後半から主に番外編でスニッカーズのステマばしとるとのことやけん。それもいっぺん二度やあなか」

ヘンゼル「番外編とか言っちゃうのか」

アリス「ハロウィンにはスニッカーズ、クリスマスにもスニッカーズ、バレンタインも当然スニッカーズ…もはやスニッカーズのCMのオファーば狙っとるとしゃえ思える頻度であり――」

ヘンゼル「異議あり!グレーテルは確かにお菓子が好いとぉばい、でもそれはスニッカーズに限った事やなか!スニッカーズのステマばしとるのはグレーテルではなく、作者の方ばい!」

帽子屋「異議ありよぉ!おかしかわねヘンゼルちゃん、あんた達の作者グリム兄弟が亡くなりよったとが1800年代…スニッカーズが発売しゃれたとは1900年代よぉ?これって明らかにムジュンしとるわねぇ?」

アリス「そん通りやけん。ヘンゼルの異議申し立てば却下する」

ヘンゼル「ちごうとる!そっちの作者やなか!僕が言っとるのはこんSSの……」

帽子屋「こんSS…?ヘンゼルちゃんはなんば言っとるのかしらねぇ?」

アリス「しゃぁ…。ヘンゼル、君達の作者はグリム兄弟以外に存在しなか。あまりデタラメな事ばゆうようなら退廷しゃしぇる、よかいな?」

グレーテル「お兄ちゃんがんばれー……」モグモグ

ヘンゼル「クッ…なんで僕にはメタ発言が許しゃれてなかんばい…!」

アリス「裁判ば続けようとよ。また、グレーテルは番外編での出番が異常に多いとゆう指摘もあるとよ。これは先のステマの件との関連性が深いと推測しゃれる」

ヘンゼル「異議あり!やけんそれは作者がロリコンやけんばい!グレーテルに非は無い!」

アリス「ヘンゼルの異議申し立てば却下するとよ。グリム兄弟にそぎゃん趣味は無い、ロリコン作家は一人で十分ばい」

ヘンゼル「番外編とか言っとうくしぇに作者に関しては頑なとかズルイぞ…!」

グレーテル「お兄ちゃん……慌てなくても大丈夫……」

ヘンゼル「グレーテル…?ましゃか、なんか無罪ば決定づける証拠があるのか?」

グレーテル「ううん、無いたい…。でも焦ってもなんにもならなかよ……一緒にスニッカーズば食べて落ち着こう……」モグモグ

ヘンゼル(クッ…やっぱり僕が一人でなんとかするしかいなかのか…!?)モグモグ






527: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/01(土)01:34:48 ID:1Qj

本日はここまで

【次回予告】
妹の無罪ば主張するヘンゼルやったが、それば証明する事が出来なかまま裁判は進んでいった
一方、アリスと帽子屋によって提示しゃれる証拠品はどれもグレーテルの有罪ば示すものばかり
もう駄目ばい…。ヘンゼルが諦めかけたそん時、裁判所に飛び込んできたとはお千代やった
ざわめく陪審員達ばよそに、彼女が高らかに掲げたそんお菓子はケツまでチョコたっぷりのトッポやった

ヘンゼルとグレーテル、そいでお千代はこん裁判に勝利する事がでくるのか!?

次回『グレーテル、勝訴』 お楽しみに!




以上ば持ちまして今年のエイプリルフールネタとしゃしぇてもらうけん
打ち切りは当然すらごとばい!次回からきっちり続き書いていくたいんで引き続き応援よろしゅうお願いするばい!
(グレーテルのお菓子裁判は連載しとらん)




528: 名無しさん@おーぷん 2017/04/01(土)07:16:34 ID:sjI

ええっ?!お菓子裁判続かいなかんやろか?!?!




529: 名無しさん@おーぷん 2017/04/01(土)07:17:13 ID:sjI

なんねこれ...
勝手に変換しゃれるのか...
※おーぷん2ちゃんねるのエイプリルフール仕様です。




530: 名無しさん@おーぷん 2017/04/01(土)08:35:09 ID:jJM

いやー、びっくりした




533: 名無しさん@おーぷん 2017/04/01(土)20:58:55 ID:sVL

こwらw
盛大に吹いたわw
エイプリルフールには騙しゃれなかったけどな!

てか仕様ばいか?イッチそちらの方ばいかと思ったw




542: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:44:25 ID:bLP

標準語バージョン
不思議の国のアリスの世界 ハートの女王の城 裁判所

アリス「さて…それじゃあ早速グレーテルのお菓子裁判を始めよう。裁判官はボク、アリスが勤める。よろしく」

帽子屋「検察官はアタシ、この帽子屋にお・ま・か・せ・よぉ〜」ブホホ

グレーテル「被告人のグレーテルだよ……」

ヘンゼル「ちょっと待った。裁判官と検察をキミ達がやるって?そんなの公平な裁判になる訳がないじゃあないか」

ヘンゼル「そもそもなんなのこれ?お菓子裁判って何?グレーテルは裁判にかけられるような事はしていないけれど、何かの間違いじゃあないのか?」

帽子屋「失礼しちゃうわねぇ…!ここはハートの女王の裁判所なんですもの、だったら裁判官も当然【不思議の国のアリス】の住人が務めるべきよねぇ、だったらアリスちゃんは適任だと思うわよぉ?」

アリス「そういう事だヘンゼル。それにキミはグレーテルに罪は無いと主張しているようだけど、こうしてボクの手元には彼女に対する告訴状が存在する。告訴されている以上裁判は避けられない」

ヘンゼル「告訴状…!?一体、どんな理由でグレーテルが告訴されたって言うんだ!」バンッ

アリス「まぁわかりやすく短く説明すると『グレーテルは事あるごとにスニッカーズのステマをしている、これは裁かれるべき犯罪である』といった具合だ」

ヘンゼル「バカバカしい…!どうしてそんなことで裁判なんかやらなきゃならないんだ、本当に君達不思議の国の住人はどこか頭がおかs」

グレーテル「よくわかんないけど……。私……スニッカーズ大好き……」

帽子屋「ほらごらんなさい!やっぱりグレーテルちゃんは有罪よ!スニッカーズが好きなんですもの!」

アリス「そうだな、自首という訳か。賢明な判断だ」

ヘンゼル「そうはさせない、僕が弁護人を務める!グレーテルを有罪になんかさせるものか。グレーテル、僕にすべて任せて、すぐに終わらせるから」

グレーテル「はーい……私、お兄ちゃんの言う事ちゃんと聞ける……。おとなしく待ってる……でもその間におやつを食べよう……じゃーん、スニッカーズ……」モグモグ

ヘンゼル「グレーテル、話がややこしくなるからスニッカーズは食べないで」




543: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:46:54 ID:bLP

アリス「告訴状によるとグレーテルは昨年の後半から主に番外編でスニッカーズのステマをしているとのことだ。それも一度二度じゃあない」

ヘンゼル「番外編とか言っちゃうのか」

アリス「ハロウィンにはスニッカーズ、クリスマスにもスニッカーズ、バレンタインも当然スニッカーズ…もはやスニッカーズのCMのオファーを狙っているとさえ思える頻度であり――」

ヘンゼル「異議あり!グレーテルは確かにお菓子が好きだ、でもそれはスニッカーズに限った事じゃない!スニッカーズのステマをしているのはグレーテルではなく、作者の方だ!」

帽子屋「異議ありよぉ!おかしいわねヘンゼルちゃん、あなた達の作者グリム兄弟が亡くなったのが1800年代…スニッカーズが発売されたのは1900年代よぉ?これって明らかにムジュンしてるわねぇ?」

アリス「その通りだ。ヘンゼルの異議申し立てを却下する」

ヘンゼル「違う!そっちの作者じゃない!僕が言っているのはこのSSの……」

帽子屋「このSS…?ヘンゼルちゃんは何を言っているのかしらねぇ?」

アリス「さぁ…。ヘンゼル、君達の作者はグリム兄弟以外に存在しない。あまりデタラメな事を言うようなら退廷させる、いいな?」

グレーテル「お兄ちゃんがんばれー……」モグモグ

ヘンゼル「クッ…なんで僕にはメタ発言が許されてないんだ…!」

アリス「裁判を続けよう。また、グレーテルは番外編での出番が異常に多いという指摘もある。これは先のステマの件との関連性が深いと推測される」

ヘンゼル「異議あり!だからそれは作者がロリコンだからだ!グレーテルに非は無い!」

アリス「ヘンゼルの異議申し立てを却下する。グリム兄弟にそんな趣味は無い、ロリコン作家は一人で十分だ」

ヘンゼル「番外編とか言ってるくせに作者に関しては頑なとかズルイぞ…!」

グレーテル「お兄ちゃん……慌てなくても大丈夫……」

ヘンゼル「グレーテル…?まさか、何か無罪を決定づける証拠があるのか?」

グレーテル「ううん、無いよ…。でも焦ってもなんにもならないよ……一緒にスニッカーズを食べて落ち着こう……」モグモグ

ヘンゼル(クッ…やっぱり僕が一人でなんとかするしかないのか…!?)モグモグ




544: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:48:00 ID:bLP

【次回予告】
妹の無罪を主張するヘンゼルだったが、それを証明する事が出来ないまま裁判は進んでいった
一方、アリスと帽子屋によって提示される証拠品はどれもグレーテルの有罪を示すものばかり
もう駄目だ…。ヘンゼルが諦めかけたその時、裁判所に飛び込んできたのはお千代だった
ざわめく陪審員達をよそに、彼女が高らかに掲げたそのお菓子は最後までチョコたっぷりのトッポであった

ヘンゼルとグレーテル、そしてお千代はこの裁判に勝利する事が出来るのか!?

次回『グレーテル、勝訴』 お楽しみに!

以上、今年のエイプリルフールネタ。標準語版

以下、本編デス




545: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:50:38 ID:bLP

司書「この世界に存在するはずのお城が空から見つからない理由…」

司書「それはきっと【不思議の国のアリス】の筋書きを追っていくとわかりやすいと思います。ドロシーちゃん、間違っていたら言ってね?」

ドロシー「は、はいっ!」

司書「【不思議の国のアリス】の冒頭で主人公のアリスはお姉さんと一緒に川辺で休日を過ごしていました。おそらく自宅からそう遠くない場所だと思います」

司書「この川辺やアリスの自宅がある世界、ここはキモオタさんや私達が住んでいた現実世界と同じ様な場所です」

キモオタ「つまり魔法も無ければ不思議も無いってことでござるなwww」

司書「そうですね。そこでアリスは一匹の白ウサギが走っていくのを見かけます、それ自体は珍しい光景ではなかったんですが彼は洋服を着て時計を手にしていました」

司書「白ウサギに興味を持ったアリスは彼を追っていきます、そして白ウサギが飛び込んだウサギの穴に潜り込みます。するとその先は……不思議の国でした」

赤ずきん「なるほどね。アリスが住んでいた世界…これを仮に『アリスの故郷』として、その世界は『不思議の国』とは別の次元にある。ということかしらね?」

赤鬼「お、おい人魚姫。オイラにゃあサッパリなんだが……お前はわかったか?」

人魚姫の声『えっ?あっ、うん。……バッチリ理解してんですけどー!』

赤ずきん「……つまり『アリスの故郷』と『不思議の国』は地続きにはなっていないそれぞれが独立した世界という事よ。だけどそれらは両方ともこの【不思議の国のアリス】の世界の一部、ということ。そうよね?」

司書「私の見解ではその通りです。更に言えば『不思議の国』も『三月ウサギの庭がある世界』と『ハートの女王の城がある世界』は別物だと考えています」

司書「作中で、アリスがそれらの世界を行き来するには身体の大きさを変える必要がありますから。地続きになっていない別の空間、と考えた方が自然だと思います」




546: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:54:05 ID:bLP

司書「図で示すとこんな感じでしょうか…?」つ【メモ帳】

『アリスの故郷』
・主人公アリスが元々住んでいた場所。魔法も不思議も存在しなくて現実世界のよう

『不思議の国』
・三月ウサギの庭がある場所
・ハートの女王の城がある場所
・…etc
これらの世界には魔法や不思議が存在する。同じ『不思議の国』ではあるものの地続きにはなっていない?行き来するには特別な方法が必要

↑全てをひっくるめて【不思議の国のアリス】の世界
それぞれの世界を行き来するにはウサギの穴を通ったり、不思議な扉を使ったり、身体の大きさを変えて小さな扉を通るなどする必要がある

いくつかの異世界が【不思議の国のアリス】を形成している、と考えるとわかりやすいかも

司書「……って考えなんだけど、あってるかな?ドロシーちゃん?」

ドロシー「す、すごいです!その通りです、お姉さんは本当におとぎ話のこと詳しいんですね。わ、私、尊敬しちゃいます!」

司書「ふふっ、ありがとう。あっているなら良かった」ニッコリ

グレーテル「お千代ちゃんは司書なんだからこれくらい簡単なの…。ドロシーちゃんはもっと頑張った方が良いと思う……」ジトーッ

ドロシー「う、うん。つ、次はみんなの役に立てるように頑張る…!」

ヘンゼル「……ねぇキモオタお兄さん。なんだかグレーテルは事あるごとにドロシーに突っかかるんだけど、何故だかわかる?」ヒソヒソ

キモオタ「さぁwww何故でござろうなwww誰かに嫉妬でもしているのではござらんかなwww」コポォ




547: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:57:10 ID:bLP


孫悟空「しっかし、そりゃあ城が見つからなかったのも納得だ。俺達が居るこの場所と、城がある場所は別の世界っつーか別の次元っつーか…そういう事なんだろ?」

玉龍「ひとつの【不思議の国のアリス】の中に幾つもの世界?空間?があるとか考えもしなかったッスよ。不思議な事もあるもんッス!」

司書「なにしろここは『不思議』の国のアリス。ですからね」

キモオタ「ドゥフwww魔法や怪奇現象には慣れっこでござるがwwwそれでもこの世界の不思議っぷりはまたレベルが違うのでござろうなwww」コポォ

ヘンゼル「まぁ例えレベルが違おうが結局は魔法でしょ?魔法なんて今更珍しいものでもないし、冷静に対処すればどうとでもなるよ」

赤ずきん「確かにそうね。魔法なんて特別なものでもないもの」

桃太郎「いやいやいや!そりゃあお前達はそうかもしれないけど!拙者達は魔法って未だに新鮮だぞ!?裸王殿もそうでしょう!?」

裸王「むっ?いや、我が国にも魔法は存在し魔法具もあるのでな、驚くほどではない。とはいえ赤ずきんやヘンゼルの持つ魔法具などと比べれば見劣りするものだがな!ハッハッハ!」

桃太郎「マジか…。もしかして魔法が存在しないおとぎ話の住人って拙者だけ!?」ガビーン

ライオン「で、でも桃太郎さんも不思議な力持ってるでしょ?普通の人は治癒能力なんか持ってないし、十分すごいよ!」

キモオタ「普通の人は桃から生まれないでござるしねwww」コポォ

桃太郎「あー…確かに拙者の治癒能力も不思議といえば不思議か…。いや、でもこれ生まれつきだしそんな感じしないんだよなぁ」

赤ずきん「私の猟銃やヘンゼルの火打ち箱なんかは所詮魔法具ですもの。生まれ持ったあなたの能力の方がずっとすごいと思うわよ?」

桃太郎「そ、そう?そうか、そうかもしれないなぁー!赤ずきんが言うならそうかもな!」パァァ

ヘンゼル(あんまり話した事無かったけど、なんだかこの人ちょろい感じだな…)

ドロシー「あ、あのぉ…。私、一つ皆さんにお伝えしたい事があるんですけど…いいですか?」オドオド




548: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)00:59:38 ID:bLP


キモオタ「もちろんいいですぞwwwなんですかな?伝えたいこととはwww」

ドロシー「えっと、さっきお姉さんが説明して下さったこの世界の仕組みなんですけど…。一つ付け加えと言うか、補足というか……」

司書「うん、何かな?」

ドロシー「お姉さんが説明して下さったとおり【不思議の国のアリス】にあるいくつかの世界を行き来するには特別な方法が必要なんです」

キモオタ「確か、小さくなったり、謎の扉を使ったり…あとはウサギの穴をくぐったりですかな?」

ドロシー「そ、そうです。そのウサギの穴…アリスちゃん達はラビットホールって呼んでいたんですけど…。それで、えっと……」

ドロシー「アリスちゃんの望みを叶えるため、このおとぎ話の重要人物達は協力しあってるってのは知っていると思うんですけど。私がいた頃は集まって作戦会議とかお茶会もよく開いていたんです、三月ウサギさんの庭で……です」

赤鬼「まぁそうだろうな。でもそう考えると大変だな、そいつら全員同じ場所で行動してるって訳でもねぇだろうし、会議の為にわざわざ小さくなったりなんやらして集まるってのもなぁ」

人魚姫の声『その度にあっちの扉行ってこっちの穴くぐってー…ってのも面倒っちぃよねー。ぶっちゃけだるいって感じするー』

ドロシー「そ、それなんです。元の道順だと時間がかかります、だからアリスちゃんは本来この世界には存在していなかったラビットホールをもう一度作らせたんです。自分達が効率よく移動できるように」

キモオタ「なるほどwww筋書き通りのルートだと遠周りになる故、近道を作ったとwww言わば従業員用の通路といった具合ですなwww」

ドロシー「そ、そうですね。だから今では、それぞれの世界にいくつかのラビットホールがあるんです。それを使えば……近道できます。ここから女王様のお城への行き方も、私覚えてます。だから力になれると…思います」

ヘンゼル「へぇ、すごいじゃないかドロシー。この世界に居た君だからこそ解る情報だ、早速名誉挽回出来たね」

ドロシー「そ、そんな…ことないデス…」テレテレ

グレーテル「……」プクー




549: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)01:01:22 ID:bLP


司書「それなら、ドロシーちゃんにそのラビットホールに案内してもらって…ハートの女王のお城に向かう、というのが良いのかな?」

孫悟空「おう、そうなるな。あっちは俺達の事を待ちかまえてんだろ?さっさとケリを着けちまった方が良いだろうな」

玉龍「玉龍ちゃんとしてはうちと先輩との恋に決着をつけて欲しいッスけどね!」

孫悟空「なぁキモオタ、オメェ達は準備できてんだろ?だったらもう城に直に向かっちまおうぜ」

キモオタ「そうでござるなwww善は急げでござるwww」

玉龍「タハー!焦らし上手ッスね先輩は!」

赤ずきん「…ねぇドロシー、そのラビットホールの事だけど」

ドロシー「あ、うん…。なにかな…?」

赤ずきん「さっき『アリスはもう一度ラビットホールを作らせた』って言ったわね?あれどういう意味かしら?以前にも作らせた事があるという意味?」

ドロシー「そ、そうらしいです。まだ私が居なかった頃の事なので、話で聞いただけなんですけど…」

ドロシー「以前、この【不思議の国のアリス】にはアリスさんが作らせた別のおとぎ話の世界に通じるラビットホールがいくつかあったようなんです…」

キモオタ「ほう…。別のおとぎ話へ通じるラビットホール…でござるか?」

ドロシー「は、はい。青い鳥さんや世界移動の魔法具を手に入れるより前の事らしいんですけど…」




550: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)01:03:30 ID:bLP

裸王「うむ…?別のおとぎ話へ向かうラビットホールを作れるのならば、何故アリスはわざわざ世界移動が出来る魔法具を奪ったりしたのだ?」

桃太郎「確かに、そのウサギの穴で移動できるってならわざわざ奪う必要も無いように思えるな」

ドロシー「あ、あの…そのラビットホールは、安定していなかったんですよ」

赤ずきん「それ、どういう事かしら?」

ドロシー「例えば…赤ずきんさんの頭巾は行きたい場所を指定して、そのおとぎ話の世界へ行く事ができますよね?」

赤ずきん「そうね。基本的にはそう使うわね」

ドロシー「【不思議の国のアリス】の中で使う分には望む場所と場所をつなぐ事が出来たようです。でも別のおとぎ話の世界へ移動するとなると難しかったみたいで…」

ドロシー「別のおとぎ話の世界へ繋がるラビットホールでは、行先を指定する事が出来なかったんです。掘ってみるまで、その穴がどの世界に行くのかわかりません」

キモオタ「ほう、それでは少々使い勝手が悪いでござるなwww」

ドロシー「きっとアリスちゃんもそう思ったんだと思います。だからもう別のおとぎ話の世界へ繋がるラビットホールはアリスちゃんの命令で埋めちゃったみたいです」

赤ずきん「埋めた…?行き先が解らないとは言ってもそれは掘る前の話でしょう?一度掘って行き先が解ったなら、それはそれで使い道があるでしょうに」

ドロシー「う、うーん…。私が居なかった頃の話だから、詳しい事はちょっとわかんないけど…。やっぱり持ち運びが出来る魔法具と比べたら劣っちゃうから…かな?」

赤ずきん(それだけの理由でわざわざ埋めたりするかしら?使い勝手が悪いから使わなかったとして、放置しておいて損なんか無いでしょうに)

赤ずきん(推測の域を出ないけど、何か別の理由があって…アリスはそのラビットホールを埋めたのかしら……?)




551: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)01:04:39 ID:bLP


ドロシー「えっと…それじゃあ女王様のお城への近道、案内しますね…?みなさん、準備はいいですか…?」

キモオタ「もちろんですぞ!今の我輩はかなりノっておりますからな!友との約束を果たすため、渾身のオタ芸を披露しますぞwww」

赤ずきん「えぇ、私達はいつでも戦える。そうよね、赤鬼、人魚姫?」

赤鬼「おう!鬼神の奴は頼れねぇし自分達の力でなんとかしねぇとな!」

人魚姫の声『うんうん!アタシもバッチリサポートすっかんね!』

ライオン「ぼ、僕達も頑張ろうね。やれることは、やったもんね…!」

桃太郎「ああ、そうだ。金太郎や食わず女房や舌切り雀…他にも大勢の協力があってこそ拙者達はここに居るんだ、ちゃんと礼を言わないといけないしな」

裸王「ヘンゼル!そしてグレーテル、千代よ!我らが過ごした日々はこの時の為のもの!各々が力を出し切れば決して破れる事は無い!気を強く持ち、戦いの望むのだ!」マッチョ

ヘンゼル「うん。僕達には取り戻さないといけない物がたくさんある、そのためにもアリスから魔法のランプを奪還しないとね。でも、二人とも無理はしないでよ?」

お千代「もう、ヘンゼルってば…。それはこっちのセリフだよね、グレーテルー?」

グレーテル「うん、お兄ちゃんはいっつも無理する…。私達は無理しない、だからお兄ちゃんも無理しないで……約束」

ヘンゼル「…そうだね。わかったよ、約束だ」

裸王「ハッハッハッ!我が鍛え上げられし筋肉も美しき兄妹愛の前では霞んでしまうな!否…!ならば更に鍛えるのみッ!」マッスル

孫悟空「さぁて…気合入れて行くぜ玉龍。かぐやの奴、いつまで寝てんだって叩き起してやらなきゃなんねぇからな」

玉龍「そうッスね!そして全部解決したらもう一度天竺への旅を続けるッス!」

ドロシー「私も…全て終わらせて、償いをして…普通の女の子に戻ります…!」

キモオタ「では皆の者…!ハートの女王殿の城へ、行きますぞ!」ザッ




552: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)01:06:52 ID:bLP


不思議の国のアリスの世界 ハートの女王の城

アシェンプテル「……」

三月ウサギ「どうしたプテル?」

帽子屋「もう三月ウサギちゃんはデリカシーないわねぇ〜…アシェンちゃんは元々キモオタちゃん達の仲間だったのよ?元とはいえ、仲間と戦うのは気が重いのよぉ〜」

アシェンプテル「そんな事は無い。舞踏会で王子と出会ったのも、桃太郎やラプンツェルと友人になったのも、キモオタ達と友達だったのも……シンデレラだ。私ではない」

アシェンプテル「私はアシェンプテル、奴等とは何一つ接点の無い灰かぶりだ。赤の他人と戦う事に気を重く感じる事など無い」

帽子屋「あらそう?まぁどっちでもいいけどねぇ、そんなことよりあの負け犬女王をからかって遊びましょうよぉ」ブホホ

白ウサギ「ちょ、ちょっとやめてください!ハートの女王様は未だかつてない程機嫌が悪いんです!アリスさんの呼びかけでなんとかこの場には来て下さいましたが…刺激しないでください!お願いします!」

ハートの女王「白ウサギ!!大きな声を出すでない!首を刎ねられたいか!?」ギロリ

白ウサギ「ひいぃっ!申し訳ございません!!」ペコペコ

ハートの女王「雪の女王め…あのような屈辱は初めてだ…!奴は既に死んだが…それで許されるものではない…絶対に許さん、絶対にだ…!」

ハートの女王「……確か我等には向かう連中にはヘンゼルとグレーテルが居たはずだ。雪の女王はその二人を大層可愛がっていたそうだ…。ならば……」ブツブツ

チェシャ猫「……アリス。解っているとは思うが、奴等はお前が持つ魔法のランプを狙ってくるはずだ。気を抜かぬように」

アリス「大丈夫だよチェシャ猫、僕達の勝利は決定的だけど…それで付け入るすきを与える程、ボクは愚かじゃあない」

チェシャ猫「それならばいいのだがな…」

アリス「さぁ…噂をすればようやくお客様のご到着だ。みんな準備は出来ているね?時間だ、ルイスの…そしてボクの【不思議の国のアリス】の住人総出で――」


アリス「思う存分、連中をもてなしてやろう」




553: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/03(月)01:11:06 ID:bLP

今日はここまでです

いよいよ、いよいよ!頑張れキモオタ頑張れみんな!頑張れグレーテル!


不思議の国のアリス 次回に続きます




556: 名無しさん@おーぷん 2017/04/03(月)13:38:24 ID:U57

お菓子裁判と本編の落差




567: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:53:03 ID:7Va


グレーテルのお菓子裁判編 第二話『グレーテル、勝訴』

・・・

帽子屋「――っと、アタシが言いたい事はこれくらいかしらねっ。十分グレーテルちゃんの有罪が証明できたと思うわよっ!」

アリス「あぁ、とてもよくわかった。彼女がスニッカーズのステマをしていた事はもはや明確だ、だが形式上ヘンゼルにも聞いておこうか…。ヘンゼル、被告の無罪を証明する証拠はあるかい?」

ヘンゼル「……」ギリッ

帽子屋「準備する時間も無かったものねぇ〜。仕方ないわよぉ〜」ブホホ

ヘンゼル「クッ…僕はまたグレーテルを守れずに終わるのか…!」

アリス「主張が無いのなら判決に移らせて貰うけれd」

バターン!!

司書「…ヘンゼル!グレーテル!」

ヘンゼル「お千代…!」グレーテル「あっ、お千代ちゃんだ…」

帽子屋「あらあら、新しい弁護人の登場かしらぁ?もうアタシ達の勝利は決まったようなものだし手遅れなんじゃなぁい?」

アリス「帽子屋、油断しないように。彼女は頭が良い、何か勝算があって…あるいは重要な証拠をつかんで来たに違いない」

ヘンゼル「ここに来てくれたって事はグレーテルの無罪を主張する証拠を持ってきてくれたんだね!?」

お千代「えっ?私はグレーテルが裁判にかけられてるって聞いたから応援にね?グレーテルお腹すいたでしょう?はい、お菓子だよ〜」つ[トッポ]

グレーテル「わーい…最後までチョコたっぷりだ……」ポリポリ

ヘンゼル・アリス「……」




568: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:53:50 ID:7Va


ヘンゼル「お千代…!悪いけど今はそんな場合じゃ…!」

お千代「大丈夫、安心してヘンゼル。『グレーテル、勝訴』ってサブタイトルで有罪になったりしないよ」

ヘンゼル「それ言い出したら僕は何のために頑張ってるのかわからなくなるんだけど」

お千代「それにこれ、グレーテルのこと話したらキモオタさんが渡してくれたの。ヘンゼルが不利になってたらこの手紙を読ませて欲しいって」つ[手紙]

キモオタの手紙『どうやら追いつめられているようですなwwwこういう時は発想を逆転させるのでござるよwwwナルホド君www』

ヘンゼル「ナルホド君って誰だよ…」

キモオタの手紙『グレーテル殿が『ステマをしていない』事は証明できないかもしれないでござる。しかし、『別の事』ならばグレーテル殿自身が証明できるのではwww』

ヘンゼル「グレーテル自身が証明できる事……そうか!」

帽子屋「これ以上は時間の無駄よぉ?アリスちゃん、とっとと判決をくだしちゃいましょうよぉ〜」クネクネ

アリス「そうだな。では被告人グレーテルに判決を言い渡す、判決は――」

ヘンゼル「待った…!僕には、僕達にはまだ証言できる事がある!」

帽子屋「無駄な足掻きだと思うわよぉ〜?」ブホホ

ヘンゼル「グレーテル、耳を貸して。ゴニョゴニョゴニョ……できるね?」ヒソヒソ

グレーテル「……できるよ。でも……いいの?」

ヘンゼル「うん、思う存分語っておいで。必ず君の事を守ってくれる、頑張って」

グレーテル「がってんしょうち……」スッ




569: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:54:55 ID:7Va

グレーテル「それじゃあ…今からスニッカーズが世界一おいしくて飢饉を救えるすごいチョコバーだってことを説明するよ……」

アリス帽子屋「!?」

グレーテル「スニッカーズはアメリカで生まれたとてもおいしいチョコバーだよ……」

グレーテル「スニッカーズは世界中で大人気なの…。だから世界中の売り上げを合わせると一年間で二十億ドルにもなるんだって…」

グレーテル「すごい金額だね…。でもそれだけ世界中で愛されてるってことなの……どうしてそんなに人気があるのか説明するには、まずスニッカーズがどうして出来たのか――」

グレーテルの熱いスニッカーズ語りは三時間にも及んだ
スニッカーズの歴史から始まり、今に至るまでの数々の出来事を淡々と語り、加えてスニッカーズが飢饉を救う優れたチョコバーである事を力説した
その姿は自分の潔白を証明しようという事よりもむしろ、自らが愛しているチョコバーを認めて貰う為のようにも思えた
「あんな風に夢中になって熱く語るグレーテルは初めて見た」と、ヘンゼルは後に語ったという

グレーテル「……これで、おしまい。スニッカーズがすごいチョコバーだってこと、みんなに伝わってたらいいな……」

グレーテル「このSSを読んでくれてる皆もスニッカーズ買ってね…。全国のスーパーやコンビニで絶賛発売中だよ…。おなかがすいたらスニッカーズ、だよ……?」

帽子屋「なんてこと…!急な裁判で準備なんかできなかったはずなのに…!予想外よっ、こんなのっ!」

アリス「油断した…。グレーテルのマーズ社(スニッカーズ作ってる会社)に対する露骨なすり寄り…!見え見えのアピール…!こんなものはもうステマじゃあない…!これはもはや……ただの宣伝!」

ヘンゼル「そうだ!これはもうステルスしていないマーケティング!装いも隠しもしない純粋な販促!こんな風に堂々と宣伝ができるグレーテルに…ステマなんかする理由があるのか!?答えろアリス!」

アリス「ぐぬぬ…!」




570: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:55:32 ID:7Va

アリス「クッ…!まさか最後の最後で…!」

ヘンゼル「大方、言いがかりをつけてグレーテルを退場させることで作者のモチベを下げる事が目的だったんだろう?そうすれば君達が有利なままこのSSは打ち切られるだろうからね」

ヘンゼル「だがそのたくらみもここまでだ!さぁ裁判官らしく証拠の基づいた公平な判決を下せ!」

帽子屋「ア、アリスちゃん…。流石にこれはどうしようもないわよぉ…?」

アリス「ぐぬぬ…。被告人グレーテルは……無罪!これでいいんだろう、ヘンゼル…!」ギリッ

 無 罪

ヘンゼル「やった…!僕達は遂に無罪を勝ち取ったんだ!グレーテル!お千代!」ワッ

グレーテル「お千代ちゃん、たくさんお話したらのど渇いた…。飲み物ちょうだい…」

司書「うん、がぶ飲みミルクコーヒーでいい?」

グレーテル「わーい…がぶ飲みミルクコーヒーだ…」ガブガブ

ヘンゼル「……まぁ、いいけどね。グレーテルの無罪が証明されたんだし……」

こうしてグレーテルはこの裁判に勝訴した。だが油断してはいけない、アリスはこちらの戦力を削ぐためにまた新たな裁判を始めるだろう……。

……数日後

アリス「さぁ、それじゃあ早速ヘンゼルのシスコン裁判を始めよう。裁判官はボク、アリスが務める」

帽子屋「検察官はおなじみ帽子屋よっ!今回はイヤになるほど証拠が集まったから絶対に勝っちゃうわよぉ〜」ブホホッ

ヘンゼル「……」

グレーテル「おにいちゃんがんばれー」

おしまい




571: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:57:01 ID:7Va


不思議の国のアリスの世界 ハートの女王の城

ザッ

キモオタ「……ここがハートの女王の城でござるか」

ドロシー「は、はい、アリスちゃんはこの場所を中心に作戦を進めてきました。人質が捕えられている牢屋もこの敷地にあります、奪い集めた魔法具もこのお城の宝物庫に保管されているはずです…」

赤ずきん「まさに彼女の本拠地、と言ったところね」

赤鬼「それにしても随分とデカイ城だな…。旅の途中でいくつかの城を見てきたが、その中でも特にデカイ部類に入るぞ」

裸王「うむ、だが単に広大なだけではない。派手でありながら丁寧な造りをしている、おそらく生半可な攻撃など通用しない強固な城!決して見かけ倒しではないだろう!」

スタッ

アリス「フフッ、嬉しい事を言ってくれるじゃないか。自慢の城だからな、余所の国の王に褒められるとは光栄だ」クスクス

キモオタ「アリス殿…!」

アリス「やぁ、随分と遅かったじゃあないかキモオタ。まずは逃げなかった事を褒めてやろうか、とはいっても逃げ場なんか何処にもないけどね」クスクス

キモオタ「ドゥフフwww我輩、逃げるなんて選択肢は持ち合わせていないでござるよwww更に言えば負ける気も無いでござるよwww」コポォ

アリス「ふーん…ティンカーベルを失ったことで少しは落ち込んでいると思ったけど…。ボクが思っているよりも君は薄情な人間だったようだな」

キモオタ「何を言うかと思えばwwwティンカーベル殿との別れはほんの一時のものでござるwwwこの戦いが終わればまた会えるでござるのに落ち込む必要などないですぞwww」

アリス「ハハッ、そうだな。ボクを倒して魔法のランプを奪えば彼女を蘇らせることなんか容易い。確かに落ち込む必要なんかない。だがお前は一つ考え違いをしているよキモオタ」

アリス「そんな事をボクが許すと思うか?お前がどんなに魔法のランプに手を伸ばそうとそれは決して届く事はない。それに…この完成された世界に余所者は似合わない」

アリス「お前も、その仲間達も残らず葬り去る。そうすることでこの美しい世界は本当の意味で完成を迎える」




572: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)01:59:17 ID:7Va

アリス「とはいえ…。流石のボクも君達を一度に相手するっていうのは少し面倒だ。だから――この世界の住人総出で、君達を歓迎するよ」パチンッ

ザザッ ザザザッ

ライオン「うえぇっ!?茂みや物陰から大勢の動物たちが…!?」

グレーテル「あっという間に囲まれちゃったね……」

司書「芋虫、大勢の鳥類に森の動物達、代用ウミガメ…。彼等はこの物語の脇役達、そうよね?」

アリス「流石、詳しいね。君の言うとおり、彼等は【不思議の国のアリス】の物語の中の脇役達だ、だがボクにとっては脇役なんかじゃない。大切な仲間だ」

アリス「ボクが命じるまでも無く、頼むまでも無く、君達を始末する手助けをしたいと申し出てくれたのさ」

桃太郎「注意した方が良いぞキモオタ。この獣たち…強さはそれほどじゃあないけど、どいつも強い意志が宿った目をしてる。油断ならない連中だぞ」

キモオタ「ガッテン承知ですぞ!しかし、逃げるつもりは無いとはいえ、完全に退路を遮断されましたな…」

ザッ

帽子屋「んふっ。もちろんあの子達だけじゃないわよぉ?最後の仕上げですものっ、アタシ達が直々に相手をしてあ・げ・る・わよぉ〜!」ブホホ

三月ウサギ「まっ、少しばかり面倒だがこればっかりはやらねぇとな」

白ウサギ「アリスさんの、そして皆さんの願いを遂げるためにも死力を尽くしますよ!」

ハートの女王「……」ギロリ

チェシャ猫「煩わしい。早急に終わらせるとしよう」

キモオタ「やはり【不思議の国のアリス】の重要人物、幹部クラスの面々も勢ぞろいと言う訳でござるか…!」




573: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)02:02:05 ID:7Va


アシェンプテル「キモオタ。お前が戦うべきは【不思議の国のアリス】の住人だけではない、この私もだ」スタッ

キモオタ「シ、シンデレラ殿ォ!?悪魔の鏡の破片の影響とはいえお主やはりアリス殿側に…!」

裸王「むむっ…目付きも立ち居振る舞いも私の知るシンデレラとはまるで異なる…。一見、信じられぬ光景だが…」

桃太郎「それは拙者も同じだ。でもあの『ガラスの靴』を履く事が出来るのは全ての世界を探してもあいつしかいない。
あいつは間違いなく、シンデレラだ」

アシェンプテル「先程からシンデレラシンデレラとやかましい連中だ、あの無様な灰かぶりは死んだ。その名は口にするな」フンッ

赤ずきん「随分と趣味の悪いドレスを着るようになったのね、シンデレラ?」

アシェンプテル「周囲に流されて着せられた豪華なだけのドレスと比べれば随分マシだと思うがな。だがそんな事よりも――」カッ

ヒュバッ

赤ずきん「……っ!」ビッ

キモオタ「赤ずきん殿ォ!」

アシェンプテル「赤ずきん、その無様な名で呼ぶなと忠告したはずだ。二度目は無い」

赤ずきん「そう。それならなんて呼べばいいのかしら?」

アシェンプテル「その必要があるのならばもう一つの『灰かぶり』の名、アシェンプテルと呼べ。もっとも、私の名を口にする事があるとは思えんがな」

キモオタ「アシェンプテル…。司書殿、もう一つの『灰かぶり』とはどういう意味でござろうか…?」

司書「…元々【シンデレラ】にはいくつかバリエーションが存在するんです、元々は民間伝承の物語ですから」

司書「それをシャルルペローが編集したものが『サンドリヨン』日本で最も一般的な【シンデレラ】です。そして彼女が口にしてた『アシェンプテル』はグリム兄弟が編集した、もう一つの【シンデレラ】です。
それはもう随分と昔に消滅してしまったようですけど、その二つのおとぎ話の違いを一言で表すなら――」

司書「もう一つの『灰かぶり』アシェンプテルは継母や姉への復讐を遂げる、という点でしょうか…」




574: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)02:04:31 ID:7Va


キモオタ「復讐…」

アシェンプテル「そうだ、あの継母共を許すつもりはない。だが、あの世界が消えたことで連中も死んだ。不本意ではあるが一応の復讐は果たせたと言えよう」

アシェンプテル「だが私がすべきことは他にもある。それはお前達の心に巣くう『シンデレラ』を殺す事だ」

桃太郎「……」

キモオタ「我々の心の中の…?それは一体、どういう意味でござろうか…?」

アシェンプテル「私にとって『シンデレラ』は周囲に流されて平和ボケし、憎しみを忘れた無様な女。奴はもう存在しないが、お前達は奴の面影を追い続ける」

アシェンプテル「それが我慢ならない。あの無様な女が存在していたという証は、ひとつ残らず灰のように散らさねばならない。故にお前達を始末する、それが今の私の目的だ」

キモオタ「お主は魔法具によって洗脳されているだけでござる!その様なk」

桃太郎「キモオタ。あいつを正気に戻す役目、拙者に任せてくれないか?」

キモオタ「桃太郎殿…?それは構わんでござるけど…」

アシェンプテル「私を正気に戻す?辺境の地の侍が笑わせる、事あるごとに無様に怯えるお前に私の何を変えられると言うんだ?」

桃太郎「……お前、覚えていないか?前にお前の国を拙者とラプンツェルと三人で観光した時の話。拙者、なんだかんだあったけどあの時結構楽しかったんだよ」

アシェンプテル「……さぁ、覚えていないな」

桃太郎「あの時、あいつは冗談のつもりだったんだろうがラプンツェルはお前にこう言ったんだ」

桃太郎「『シンデレラが悪い子になっちゃっても私達が良い子に戻してあげる!』ってさ」




575: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)02:07:12 ID:7Va


アシェンプテル「それがどうした?そんな戯言を引っ張り出してどうしようと言うんだ?」

桃太郎「あいつは今、ちょっと遅れてるけどその事忘れてねぇと思うんだよ。それにお前を元に戻したいってのは拙者だって同じ気持ちなんだ」

桃太郎「拙者達は友達が居ない仲間だってお前あの時言ったけどさ。そんな事ないんだよ、だってお前もラプンツェルも拙者も友達だ。だから拙者はお前を…いいや」

桃太郎「拙者はシンデレラを正気に戻す、それが友としてお前に出来る事だ」

アシェンプテル「田舎侍が…」ギリッ

アシェンプテル「その名を口にするなと……何度も言わせるな!」ヒュッ

キモオタ「桃太郎殿ォー!」

ガキィィィンッ

アシェンプテル「……っ!」

アシェンプテル(私の蹴りを…。ガラスの靴の速度を乗せた高速の一撃を見切って、刀で防いだだと…!?)

桃太郎「……お前は拙者達の中に居るシンデレラの面影を殺すって言ってたけどさ、そりゃあ無理だよ」

桃太郎「拙者は日ノ本一の侍。そんな憎しみと怒りに任せただけの攻撃なんか、通用しない」

アシェンプテル「……どうやら、真っ先に相手をすべきなのはお前のようだな桃太郎」

アシェンプテル「そこまで言うのならば相手になってやる。私が『シンデレラ』を殺すのが先か、お前が『シンデレラ』を呼びもどすのが先か…だがここでは邪魔が入りそうだ、場所を移す。城内にそれにふさわしい場所がある」

スタッ

アシェンプテルの声「怯えず向かってこれると言うのならば来いヘタレ侍。このアシェンプテルが舞踏の相手をしてやる」

ヒュンッ




576: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/10(月)02:11:38 ID:7Va

今日はここまで!続きは明日か明後日に!

本編と裁判の差がありすぎてヤバい
桃太郎の実力、発揮なるか

次回に続きます!




577: 名無しさん@おーぷん 2017/04/10(月)03:14:47 ID:ty4

あ、なんだ今日は本編更新ないのか...





ん?!

番外編からの唐突な本編更新に頭が付いていけない




581: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/12(水)01:15:31 ID:yOc

桃太郎「相変わらずあいつの魔法具はすげぇな…。すぐに後を追いたいところだけど、城の中に戦いに相応しい場所なんかあるのか…?」

ライオン「う、うーん…訓練場ならあるけどあそこはお城の外だから違うかなぁ…?」

キモオタ「ドロシー殿、もしかしてこの城にはダンスホールがあるのでは?」

ドロシー「は、はい。舞踏会が催せそうなくらい広いホールがありますけど…」

キモオタ「それならば…おそらくシンデレラ殿はそのダンスホールに居るはずでござるよ、桃太郎殿」

桃太郎「ん…?どうしてそう思うんだ?」

キモオタ「シンデレラ殿、ドレスを身に纏いガラスの靴を履いていたでござる。ドレスの趣味は変わっていたでござるが…あれは彼女が舞踏会に向かった時のスタイル」

キモオタ「口では無様などと言っておりましたがな…。良くも悪くも自分の人生を変えた舞踏会には何か思うところがあるのでござろう」

桃太郎「確かに…ガラスの靴を使い続けているくらいだしなぁ」

キモオタ「それにあの高速を生かすにはある程度広い場所でなければなりませんからなwwwダンスホールという読みはあながち間違いではないかとwww」

ライオン「そ、それじゃあ僕が案内する…!背中に乗ってっ、桃太郎さん」

桃太郎「うん、かたじけない。それじゃあ拙者達はシンデレラを追う、一緒に戦えなくて悪いけどあとの連中は任せた!」

裸王「ウムッ!筋肉神は友情に厚い者に微笑む!桃太郎よ、お主に筋肉の神の加護あらんことを!後の事は任せたまえ!」マッスル

赤鬼「あぁ、こっちの事は気にしねぇでいいからな。全力であいつを正気に戻してくれ!頼んだぞ!」

キモオタ「死んだとしてもちゃんと埋葬しておきますぞwww」コポォ

桃太郎「死なねぇよ!まぁとにかくあいつの事は拙者にまかせてくれ、次会うときは必ずシンデレラも連れて帰るからな!」

シュババッ




582: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/12(水)01:19:00 ID:yOc


チェシャ猫「……良かったのかアリス?」

アリス「何がだい?」

チェシャ猫「アシェンプテルは連中を始末する上で非常に有効な駒だ。名が変わろうと連中にとってあの女は友人だ、攻撃をする事を躊躇するだろうからな」

チェシャ猫「更にあの機動力…一対一の戦いをさせるより、遊撃をさせた方がはるかに戦果をあげられただろう」

アリス「確かにそうかもしれない。だが彼女の相手は桃太郎、ああ見えて実力は本物だ。経験に裏打ちされた強さ、磨き上げられた剣術……そして治癒能力まで備えている」

アリス「高い戦力と治癒能力を持つ桃太郎をキモオタ達と分断出来たと考えれば、これはそんなに悪い流れじゃあない。これでもうキモオタ達は治癒に頼る事は出来ないんだから」

チェシャ猫「まぁ…そう考えれば悪手とは言い難いが」

アリス「何にせよ彼女にかかった魔法を解かなければ元のシンデレラには戻せない。だが桃太郎の能力では魔法を打ち消すことまでは出来ないという事は調べが付いてる」

アリス「何一つ心配する必要なんかないのさ。ボク達はこれからじっくりこいつ等を苦しめてやればいい、それだけだ」

アリス「彼女の行動は想定外だったけど、この程度では何も変わらない。ボク達は――」

ズダーン!!

アリス「……ッ!」ビッ

赤ずきん「あら残念ね…。額を撃ちぬこうと思ったのだけど頬をかすっただけだなんて……私の腕もまだまだね」

赤ずきん「でも油断はしない方が良いんじゃないかしら?頭が弾けるなんてあなたも嫌でしょう?」




583: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/12(水)01:24:55 ID:yOc


帽子屋「アリスちゃん…!大丈夫っ!?なんなのアレ…不意打ちだわ!許せない!許せないわよぉ!」ムキー

白ウサギ「ち、血が出てるじゃないですかァ!かすり傷みたいですけど化膿したら大変です!すぐに手当てを…!」

三月ウサギ「クッソ!姑息な真似しやがって…!あいつただじゃおかねぇ…!」

アリス「騒ぐな。大したことじゃない」

チェシャ猫「警戒心が薄れていたなアリス。くだらない慢心で全てを台無しにするつもりか?」

アリス「悪かったよ、ボクとした事が内心舞い上がっていたのかもしれない。まぁなんにせよ……まぐれ当たりは二度と無いぞ、赤ずきん」ギロリ

赤ずきん「あら、まぐれ扱いなんて心外ね。なんならもう一発、試してみる?」ガチャッ

アリス「好きにすればいいさ。でも流石に二度目はボクの仲間が黙っていないよ?そうだろう?」

帽子屋「当然よッ!こういう言い方アリスちゃんは好まないでしょうけど…女の子の顔を傷つけるなんて万死に値するわッ!女の子代表としてアタシは許すわけにはいかないわぁ!」

三月ウサギ「次、攻撃するそぶりを見せてみろ。テメェの頭巾が更に深い赤に染まる事になるからな!覚えてろテメェ!死ね!」

赤ずきん「自分たちの事を棚に上げて…。良い根性しているわね」

アリス「まぁそう慌てるなよ赤ずきん、ボク達は逃げも隠れもしない。だがボクが今一番殺したいのはそこの豚だ、悪いけれどそれ以外の連中はオマケでしかない」

赤ずきん「あら、随分な言い方ね…?」

アリス「本音を言ったまでさ。だからボクとしてはわざわざオマケと戦うのに時間を割くなんてバカバカしい事はなるべく避けたい、そこで……だ」

赤鬼「アリスの奴、一体何をしようってぇんだ…?」

アリス「なんてことは無い、少しふるいにかけるだけだ。お前達オマケがどうしてもボクと遊びたいっていうなら、こいつ等の相手をしてからにしてもらおうか」スッ




584: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/12(水)01:28:32 ID:yOc


アリス「さぁ出番だ青い鳥!!こいつらと少し遊んでやれ!」

巨大な青い鳥「お任せください!一人残らず呑み込んでやりますよぉ!!」バッサバッサ

巨大な青い鳥「僕はもうちっぽけな小鳥でも平和の象徴でも無い!アリスさんに頂いたこの身体と力で連中を喰い散らかしてやります!」バッサバッサ

キモオタ「あの者は…!ティンカーベル殿がファミチキと呼んでいた青い鳥殿でござるか!?何故あのように巨大な姿に!?」

ヘンゼル「この世界には身体の起き差を変える魔法具なんて掃いて捨てる程あるんだ、驚くような事じゃないさ。それよりも…」

グレーテル「あんなにおっきな鳥さんに襲われたら……大怪我しちゃうよ……なんとかしなくちゃ……」

アリス「フフッ、それじゃあボク達はこれで失礼するよ。さぁ、みんなも行こう。予定よりも長居し過ぎてしまったからね」

キモオタ「ぬぅっ…!待つでござるアリス殿…!拙者を殺したいと言うのならばこのような小細工をせずに正々堂々と戦えばいいでござろう!」

アリス「ブラフ頼りだった君の口から正々堂々なんて笑わせるね」クスクス

アリス「ボクは正々堂々だろうがそうでなかろうがお前を殺せればそれでいいのさ。今まで散々ボクの邪魔をしてきたお前だ、青い鳥相手に苦戦したりしないだろうけど…少なからず消耗はするだろう?お前も他の連中も」

キモオタ「青い鳥殿と戦わせて我々の戦力を消耗させるのが狙いでござるか…!」

アリス「率直に言えばそうだね、何も万端な状態のお前と戦う必要はないんだ」

キモオタ「なんと卑劣な手を…!しかし我輩は負けませんぞ、必ずお主を…!」

アリス「フフッ、いつだって威勢だけはいいな。それじゃあまた後で会おうじゃないか、キモオタ。ボクはこの城にいる。お気に入りの場所でお茶でも飲みながら待っているからいつでも来るといいさ……あぁ、でも」

アリス「せめて戦える状態で来てくれよ?そうでなければ殺しがいが無いからな」フフッ

スタスタスタ




585: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/12(水)01:34:10 ID:yOc

プチ更新ここまで 次回、vs青い鳥
青い鳥は何故、アリスに味方し戦うことになったのか?

次は木曜日に本編プチ更新+番外編『かぐやと豆』更新予定です




588: 名無しさん@おーぷん 2017/04/13(木)07:27:55 ID:9db

巨大な鳥…ロック鳥助太刀フラグ?
あとアシェンプテルって本人じゃなくて小鳥が目をえぐったんじゃなかったっけ?それとも自分の記憶違い?教えてくだせぇロリコン様。




589: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/14(金)01:22:33 ID:Nx2

番外編更新します
本編の更新はちょい延期、週末の定期更新には間に合うと思うんで申し訳ないけどもうしばしお待ちを…

>>588
流れるようなロリコン扱いで草
ちょっと読み返したら俺の書き方が悪かった
アシェンプテル自身が復讐してるというよりは【アシェンプテル】のおとぎ話に復讐要素がある〜みたいな意味合いでとってもらえたら嬉しい

個人的には【シンデレラ】のみんな幸せエンドより【アシェンプテル】の姉と継母が報いを受ける展開のが好き、王子が妙にえげつないのも好きだwww




590: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/14(金)01:25:20 ID:Nx2

四月に節分ネタをやる事に躊躇などしない番外編『かぐやと豆』

ドロシー「今日は良いお天気だなぁ…」ポケー

玉龍「うおぉーっ!ドロシー!?のんびりしている場合じゃないッス!今日は節分だって言うのに丸腰じゃ危険ッスよ!?」ドタバタ

ドロシー「えっ、えっ!?玉龍ちゃん一体何事なの?せつぶん…?」

玉龍「とにかくこの煎り豆を渡しておくッス!悪鬼が出たら手首のスナップを利かせて投げつけるんスよ!左手は添えるだけッス!」ビュンビュンッ

かぐや「うふふっ、玉龍ずいぶんと楽しそうね」ウフフ

ドロシー「かぐやさん、節分って何ですか…?も、もしかして戦いの訓練みたいなものですか?」オドオド

かぐや「単なる行事よ、物騒なものじゃあないわ。簡単に言えば厄除けね、邪気が発生しやすいこの時期にイワシの頭や柊を飾ることで邪気を引き連れてくる悪鬼を追い払おうという風習よ」

ドロシー「そんな風習があるんですね…。もしかして、この煎り豆も厄除けに使うんですか?」

玉龍「そうッスよ!鬼は豆が苦手って話ッスからね!全力でぶつけて攻撃するッス!目ッス!目を狙うッス!」ヒュヒュッ

ドロシー「えっ、その話って本当?前に見たときは赤鬼さん普通にお豆食べてたけど…?」

玉龍「そこはまぁ個人差があるッスから!ちなみにこの煎り豆は投げて攻撃する他にも食べる事で邪気や病から身を守れると言われてるッス!まさに攻防一体ッスね!」

ドロシー「へー…じゃあ病気にならないようにいっぱい食べた方が良いのかな?」

かぐや「多ければいいというものじゃないのよ、それは年齢の数だけ食べるの。そうすることで丈夫な体を得られると言われているわ」

ドロシー「そうなんだ、なんだか面白い行事ですね」

玉龍「かぐやにも煎り豆をあげるッスからちゃんと年齢の数だけ食べるッス!お手軽に健康な体をゲットするッスよ!」スッ

かぐや「あら、ありがとう。それじゃあ年齢の数だから二十……」

孫悟空「おいおい、かぐや。節分豆は年齢の数だけ食うんだぜ、二十も食ったら食いすぎだろ?」ヒョコ




591: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/14(金)01:31:45 ID:Nx2


かぐや「あら悟空。私こう見えて二十越えているのよ?」

孫悟空「いやいや、そりゃあお前が『月の姫』だった頃の年齢だろ?今はこの日ノ本で赤ん坊からやり直してんだから『かぐや姫』の年齢だけ豆を食うのが筋だろ。ってなると…お前が食う分はこんだけだ」スッ

 一 粒 。

ドロシー「な、なんで一粒なんですか…?もしかしてお二人喧嘩しているとか…?」ヒソヒソ

玉龍「違うッスよ。かぐやは月の民っすから人間とは成長速度が違うんスよ。だからじーさんが竹の中から見つけた赤ちゃんかぐやは三ヶ月くらいで年頃の娘に成長したんス。だから外見は大人ッスけどかぐやは実質一歳ちょいなんスよね」

ドロシー「へー…そうだったんだ」

かぐや「悟空、あなたの言い分も解るわ。だけど私の場合は少し特殊だから元の年齢だけ食べても良いんじゃないかしら?一粒なんて食べたんだか食べていないんだかわからないわ」

孫悟空「何言ってんだお前。この手の行事は疎かにしちゃあいけねぇ、キッチリやれってお師匠様も言っていたしな、ここは真面目に年齢分として一粒だけ豆を喰うべきだぜ」

かぐや「あのね悟空…私はこの行事を疎かにしているわけじゃないのよ。ただ一粒だけ食べたって仕方無いという事を――」

孫悟空「ははぁん、なるほどな…さてはかぐや、煎り豆が好物だから少しでも多く食べてぇって事だな?」

かぐや「そうじゃないわ、悟空。私はただ――」

孫悟空「なんつぅか意外だけどよぉ、実はかぐやも結構食い意地はってんだな!食い意地はってるといやぁ猪八戒だが、オメェもなかなか良い勝負かもしれねぇな!ガッハッハ!」

かぐや「猪八戒と、良い勝負……?」カチン

ドロシー「か、かぐやさん…?なんだか目付きが怖いですけど…」

玉龍「あー…先輩やっちゃったッスね。うちは知らないッスよー…」




592: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/14(金)01:36:23 ID:Nx2

かぐや「……悟空の言う通りね。私はこの体では一年足らずしか生きていないのだから一粒だけ食べる事にするわ」ポリポリ

孫悟空「おう、それがいいぜぇ。食い意地はってるとロクな事ねぇからなぁ」ハハハ

かぐや「さて、次は悟空が歳の数だけ煎り豆を食べる番よ?」ヒョイッ

孫悟空「ん?俺は不老不死になっちまってるしわざわざ豆なんざ食わなくても――」

かぐや「駄目よ。この手の行事は疎かにしてはいけない、そうなんでしょう?それともお師匠様の教えを無視するのかしら…?」

孫悟空「どうした?お前、なんか怒ってねぇか…?」

かぐや「確か…不老不死になる前のあなたの寿命が342歳。それから天界で好き放題した期間が約100年と数十年…」ザラザラザラ…

孫悟空「お、おいかぐや…」

かぐや「それからお釈迦さまに破れて五行山に約500年封印されて…。お師匠様に助けられて天竺までの旅路で数年……」ザラザラザラ…

かぐや「はい、これがあなたが食べるべき煎り豆よ」ドッサリ

孫悟空「馬鹿お前…!煎り豆ばっかりこんなに食えるわけねぇだろ!千粒以上って……馬鹿お前!」

かぐや「あら?私に強いておきながら自分は食べないのね?流石、斉天大聖サマは格が違うわねぇ……?」ジロリ

孫悟空「……わぁったよ、食えば良いんだろ!?ったくよぉ……うぅ、口の中がパサツキやがる…。ドロシー、すまねぇが水くれねぇか?」モシャモシャ

ドロシー「あっはい、すぐに井戸水を汲んできますっ!」トテトテ

玉龍「かぐやって、キレると途端に感じ悪くなるッスよね…」

おしまい(週末にまたお会いしましょう!)




594: 名無しさん@おーぷん 2017/04/14(金)14:46:18 ID:YMG

グレーテル(幼女)だけに飽き足らずかぐや姫(1歳ちょい)にまでフォーカスをあてるなんてやっぱり…




595: 名無しさん@おーぷん 2017/04/14(金)22:10:41 ID:wPi

一歳に手を出すなんて節操なしだなぁ




596: 名無しさん@おーぷん 2017/04/16(日)02:24:49 ID:Iqs

イッチのロリコン疑惑待ったなし




597: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)00:45:37 ID:WND

(ヤバい、本編を更新しないとおかしい流れになりつつある)

本編更新しまーす!




599: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)00:50:11 ID:WND

キモオタ「待つでござるアリス殿!我輩の話はまだ終わっておりませんぞ!」ダダッ

ドロシー「ま、待ってくださいキモオタさん!私も一緒n」

巨大な青い鳥(以下、青い鳥)「行かせやしないぞ!アリスさんの為にもお前達をここで足止めする!それが僕の役目だァ!!」バッサー

キモオタ「ぐぬぅっ…!邪魔をしないでいただきたい!」

青い鳥「散々アリスさんや僕の邪魔をしてきたのはお前じゃあないか!文句があるなら力ずくで僕を倒して見せろ!もっとも今の僕はちっぽけな小鳥じゃあない、恐れられるべき怪鳥だ!」

青い鳥「魔法薬『力太郎』と巨大化するキノコのおかげで僕はこの姿と力を手に入れた!もう僕を止められるものなんか何もない!どんな敵だろうと、運命だろうと!」

ブルゥォォォォォォォ!!!

キモオタ「ぐぬぬ…!アリス殿の思惑通りになってしまうでござるが、やはりここは我々でファミチキ殿を倒して進むしかないでござるか――」

ヘンゼル「キモオタお兄さんはつくづく馬鹿正直だね。なんであの化物の相手しようなんて発想になるかな」バッ

キモオタ「ヘンゼル殿!」

ヘンゼル「化物の相手は化物に任せればいいんだ。出でよ銀貨の魔獣!あの怪鳥を食い止めろ!」ガキン!ガキン!

銀貨の魔獣「ガルァァァ!!」ビュバッ

青い鳥「クソォ…火打ち箱の魔獣か!人間に従うしかできない魔獣なんかに負けてたまるかァ!!」ビュオッ

ガキィィン!!

ヘンゼル「ここは僕達が食い止める!キモオタお兄さんやみんなはアリスを追うんだ!」




600: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)00:52:42 ID:WND

キモオタ「助かったでござるヘンゼル殿!さぁドロシー殿、アリス殿の所まで案内してくだされ!」タタッ

ドロシー「わ、わかりました…!」タッタッ

赤ずきん「赤鬼、人魚姫、私達も急ぎましょう」スタッ

赤鬼「おう!あっちにはまだ仲間が何人もいる、少しでも戦力まとめてぶつからねぇとな!」

人魚姫の声『りょーかーい!でっかい犬とでっかい鳥の戦いとか見た事無いから興味あるけど…あいつ倒すのが先だもんねー』スゥー

青い鳥「そう簡単に突破されてたまるか!防衛部隊!投石部隊!あいつらが城に向かうのを止めるんだ!」

ビル「言われなくたってそのつもりだぜ青い鳥の旦那ァ!俺達みてぇな脇役がアリスの役に立てる最大の好機、見逃すわけねぇぜェ!!」

ザザッ

キモオタ「ぬぅっ!あの者…トカゲでござるか?いやそれよりも一人で我々を止めるつもりとは……まさか相当な強者では!?」

ビル「ヘヘッ…察しが良いねェ。俺様は『一番槍のビル』!!防衛部隊一の強者だァ!さぁさぁ侵入者共ォ!死にたくねぇ奴は下がっていやが…ブベラッ!」ドサッ

ズダーン

赤ずきん「先を急ぐわよ」タッタッタッ

赤鬼「容赦ねぇなお前…。つぅかなんだったんだアイツ……」タッタッタッ

「おい、ビルがやられたぞ。本当にあいつはクッソつかえねぇな……」
「いいよいいよ、わかってた事だし誰も期待してないから。それに侵入者共は僕達投石舞台が止めればいいだけだ」
「そうだな。【不思議の国のアリス】で鍛えた投石の腕、存分に発揮してやろうじゃないか。総員、投石準備ー!!」

「ひとまずは手押し車一杯!総員、投石始めェーー!!」

ビュンビュンビュンビュンビュンビュン




601: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)00:55:14 ID:WND

ヒューッ ドスドスドス!!

赤鬼「おいおい…まるで石の雨じゃねぇか!これじゃあ強引に進む事もできねぇぞ!?」バシッバシッ

キモオタ「地味な攻撃でござるが下手すれば大ダメージでござるしな…。赤ずきん殿があの投石を全て撃ち落とせるというのなら話は別でござるが…」サッ

赤ずきん「無茶を言わないで。そんな事をするならあの脇役達を一匹ずつ倒した方がずっと効率的よ」ササッ

人魚姫の声『そうはいってもさー、結構な数居るからどっちにしろ相当足止め食らうと思うんですけどー…』

裸王「皆の者!ここはひとまず散開するのだ!一か所に固まっていては集中攻撃を受けてしまうぞ!」

玉龍「とにかくこの脇役達を始末しない事にはどうにもこうにもならないッス!そうッスよね?先輩!っと、まずはまとめて三匹撃破ッスー!」シュバッ ザシュッ

孫悟空「チィッ…数が多すぎる!こいつらを一匹一匹潰してたんじゃあアリスを倒すなんてとてもじゃねぇが――」ビュ シュバッ

グレーテル「ねぇお千代ちゃん……私の魔法で、全部焼き払ったらどうかな……?」

司書「この状況じゃ味方まで巻き添えにしちゃうから難しいかな。でもこのままじゃ…」

ヘンゼル「クッ…実力は銀貨の魔獣の方が上のハズなのに苦戦してる…。空を飛べる相手だと有利に運べないか」クッ

銀貨の魔獣「ガルルゥ……」ジリジリ

青い鳥「空からは怪鳥の僕が襲い、陸地は防衛部隊と投石舞台の攻撃!お前達はここで何もできずにやられるんだ!アリスさんの所にたどり着くことさえできずに!」

青い鳥「でも念には念を入れよう。今でも十分だけど、もっともっと戦力を増やせば…お前達なんかあっという間にズタボロだ!」バサッ

バラバラバラバラ……




602: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)00:57:23 ID:WND

バラバラバラバラ……

キモオタ「……っ!ファミチキ殿が空からばら撒いているアレはまさしくトランプ…!これはマズイですぞ!?」

司書「ヘンゼル!魔獣さんにお願いして宙を舞うトランプを少しでも減らせない!?あの数が全て兵隊になって降りてきたりしたら…!」

ヘンゼル「わかった!銀貨の魔獣!あのトランプを一枚でも多く斬り裂け!」

銀貨の魔獣「ガルル…ガルルァ!!」ザシュザシュッ

ズダーンズダーン

赤ずきん「……駄目、数が多すぎる!とてもじゃあ無いけど撃ち落とせない!キモオタ!あなたもサイリウムの魔法で撃ち落としなさい!」ズダーンズダーン

キモオタ「承知でござる!しかし二人がかりでも撃ち落とせる量では――」フリフリ

ボウンボウンボウンッ

「Target Lock-on」
「Attack staeted…」
「……Ready」

ドロシー「あ、あわわ…青い鳥さんと、この世界の住民だけでも大変なのに、こんなにトランプ兵が増えちゃったら…」アワワ…

キモオタ「ぐぬぬ…こうなってはもう四の五の言っていられないでござる!全力で応戦してさっさと突破するほかありませんぞ!」

青い鳥「できるもんならやってみろ!この戦力差でお前達にできる事なんて何もないんだ!潔く諦めて倒されろ!」




605: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:01:39 ID:WND


青い鳥「投石舞台は防衛部隊と共に白兵戦にかかれ!そしてトランプ兵と共に一気に侵入者共を叩き潰すぞ!」

ウオオオォォォォ!!

赤鬼「こうなったら覚悟決めるしかねぇ!オイラが道を切り開く!赤ずきんは援護してくれ!」

赤ずきん「えぇ、背中は私に任せなさい」ガチャッ

裸王「この裸王に力比べを挑むとはその意気や良し!さぁ磨き抜かれし筋肉の躍動をその目に焼き付けよ!」マッスル

ヘンゼル「銀貨の魔獣!お千代とグレーテル、それと僕を背中に乗せてくれ!」

銀貨の魔獣「ガルゥッ!」ヒョイヒョイッ

ヘンゼル「キモオタお兄さんとドロシーは…距離が遠すぎる!キモオタお兄さん!ドロシーを頼むよ!」

キモオタ「ガッテン承知!とはいえこの数相手ではいつまでもつやら…いやいや、悩んでも仕方ないですな!まずは桃太郎殿の刃で敵を一掃しますぞ!」フリフリ

玉龍「先輩、これマズくないッスか!?このままじゃああの時の…【西遊記】の二の舞ッス!」

孫悟空「あぁ…だがそいつだけは避けねぇとお師匠様に申し訳が立たねぇ!こっから反撃と行くぞ!ついて来れるな玉龍?」バッ

玉龍「モチのロンッス!うちは先輩についていくって決めてるッスから!天竺だろうとベッドの上だろうとお供するッスよ!」ドヤァ

孫悟空「…そんだけ軽口が叩けるってならまだまだ余裕って事だな。さぁて、遅れずに付いてきやがれ玉龍!」ヒュバッ

青い鳥「何か策があるような口ぶりだけど、無駄だ!多勢に無勢なんだ、お前達にこの大軍を退ける力なんかありゃあしない!」

孫悟空「ハッ、テメェ元々は小鳥なんだろ?巨大化する時に脳みそだけデカくすんの忘れたんじゃあねぇのか?」ハハッ

青い鳥「こいつ…!僕を馬鹿にして……絶対に許さないからな!こいつを一番にぶちのめせトランプ兵共!いくら強かろうがこの数の優位を覆せやしない!」バッサバッサッ

孫悟空「やっぱり忘れてやがるな?数にものを言わせて戦うってのは何もテメェの専売特許じゃあねぇんだぜ?」

ブチッ フーッ

孫悟空「さぁ湧いて出てきやがれ俺の分身!遠慮するこたぁねぇ、思う存分暴れやがれぇ!!」




607: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:06:08 ID:WND

パラパラ…ムクムクッ

分身悟空達「「「うおおぉぉぉ!!任せやがれぇぇ!!俺ぇ!」」」シュババッ

青い鳥「そうか分身…!でもまだこっちの方が圧倒的に優位なんだ、少し数が増えたくらい…」

孫悟空「おいおい、誰がこれで終わりだなんて言ったんだ?」ブチッ フーッ

分身悟空第二弾「「「ウキキッ!ウッキィィィッ!!」」」サルサルサル

青い鳥「なんだって!?まだ…っ!?」

孫悟空「さぁて、もう一丁いっとくかぁ!!」ブチッ フーッ

分身悟空第三段「「「うっほほーーい!モンキィィィーマジーック!!!」」」ガンダーラッ

青い鳥「まさかこんなに数が増やせるなんて…!アリスさんそんなこと教えてくれなかったぞ!?」クッ

孫悟空「ヘッ、一度に出し過ぎると分身の精度が落ちちまうからやりたかねぇんだが…四の五の言ってられねぇ。それに多少精度は落ちちまったとしても――」

孫悟空「暴れ猿の名に、三蔵法師の守護者の名に恥じねぇ戦いは出来るぜ?」ニヤッ

青い鳥「クゥッ…!怯むな怯むな!実態があろうと所詮は妖術だ!一匹ずつ潰していけばいい!」

ウオオオォォォッ

裸王「おぉ…!噂には聞いていたがあれが孫悟空の分身…!なんと凄まじい魔法だろうか…!」マッチョ

キモオタ「この流れに乗ってこの者共を一気に蹴散らしますぞ!」シュババッ

孫悟空「おっとその必要は無ぇ!この脇役共とトランプ兵は俺と分身、そして玉龍が引き受ける!」

孫悟空「キモオタと他の連中は先に城に行ってろ!とっととアリスの奴をぶちのめして全て終わらせちまえ!」ニッ




608: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:12:00 ID:WND

キモオタ「なんですと!?いくら分身が居ようともこの敵の数…悟空殿とはいえ厳しいのでは!?」シュババッ

孫悟空「だからって全員でこいつら相手にしてたらじりじり消耗しちまうだけだ!何人かがこいつ等の相手をして、残った奴らでアリスを叩くってのがこの状況じゃあ一番だ!」

孫悟空「そうなりゃあ残るのは俺と玉龍が適任だ。言っちゃあ悪ぃがテメェ等とは戦いの年季ってもんが違うからなぁ!」

ヘンゼル「待ってくれ、だったら僕が残る!この中で一番強い悟空さんがアリスの相手をせずにこんな連中の相手をする必要なんかないじゃないか」

玉龍「わかってないッスねー。ヘンゼルが残って倒されでもしたら城に向かった奴等は完全に挟み撃ちになるんスよ?そうなったら目も当てられないッス」ヒュヒュッ

ヘンゼル「……」クッ

孫悟空「仲間の背中を守るのは一番強い奴の使命ってな!俺と玉龍ならこいつ等を一匹たりとも城に流しやしねぇ、仏に誓ってだ」

孫悟空「それにテメェ等はアリスを止める為に散々修業やら何やらしてきたんだろ?だったらあいつをぶちのめす役目は譲ってやらぁ!」

キモオタ「…わかりましたぞ!ここは悟空殿の策に乗るでござる!ここは任せて他の者はアリスを追いますぞ!」

ブルゥォォォォォォッ!!

青い鳥「やらせないって言ったはずだ!ここで役目を全うできなかったんじゃあ僕はあの頃と変わらないただの平和の象徴になり下がってしまう…それだけは絶対に駄目だ!」

青い鳥「おとぎ話最強がなんだ!龍の子がなんだ!どれだけ分身が居ようが…僕達は絶対に勝ってアリスさんの役に立って見せるんだ!」バッサバサーッ

孫悟空「俺の妖術を目にして怯まねぇってのは褒めてやるぜ、だが手加減するかどうかってのはまた別の話だ!全力で行くぜ玉龍!伸びろォ…如意棒ォォォ!!」シュババッ

玉龍「オッケーッス!玉龍ちゃんの秘めたる実力、存分にさらけ出すッスよぉー!!」シャキーン




609: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:15:49 ID:WND

キモオタ「皆の者!今のうちに一気に城まで駆け進みますぞぉー!!行きますぞドロシー殿!」ドスドスドス

ドロシー「は、はい!で、でもやっぱり敵が多すぎて、これじゃ皆さんと合流する事ができないです……きゃあっ!」ズサッ

グイッ

ビル「ヘヘッ…さっきは後れを取っちまったがこのビル様はただじゃあ倒れねぇ…!裏切り者のお前がいなけりゃあそいつは城の中で迷うしかねぇはずだ!」

ドロシー「は、放して…!」

ビル「放さねぇ…!お前達を城に向かわせる訳にゃあいかねぇんだ!俺達は脇役だがアリスの願いを叶えたいって気持ちは同じだ、お前らの様な侵入者に好き勝手させる訳にゃあいかねぇ…べぶっ!」ドサッ

ズダーン

ドロシー「あ、ありがとう…赤ずきんちゃん…!」

赤ずきん「礼は要らないわ。それより、この状況じゃあ合流するなんて無理よ。戦力を分散することになってしまうけど…今近くに居る者同士でアリスの元に向かうしかないわ」

赤鬼「あぁ、それがいいだろうな。オイラは赤ずきんと人魚姫で城に向かう!」

人魚姫の声『うんうん!私は二人としか会話できないしそーしたほーがいいっぽいね』

ワーワー

ヘンゼル「僕はお千代とグレーテルを連れて城に向かう。銀貨の魔獣に乗ったままならなんとか突っ切れそうだ」

グレーテル「今は離ればなれになっちゃうけど……みんなで頑張ってアリスをかまどにしようね……?」

司書「二人の事は任せてください!でも、そうなると裸王様がお一人で進むことに…」

ワーワー

裸王「うむっ!案ずるな!この裸王、一人とて一切問題無い!アリスの元まで一気に突き進んでくれよう!」マッスル




610: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:19:30 ID:WND


キモオタ「ならば我輩はこのままドロシー殿と進みますぞ!」

「させるか!あの裏切り者をまず殺すんだ!あいつは城の内部構造を知っているぞ!」
「あいつさえ殺せば他の連中はアリスの居場所の見当もつかないはずだ!他の連中は後回しにしてドロシーを狙え!殺せ!」

ドロシー「ううっ…私が狙われてる…!怖い…怖いよ…追いつかれたら殺されちゃう……きゃあっ!」ズサーッ

キモオタ「ドロシー殿!?大丈夫でござるか!?」

「しめた!あいつ転んだぞ!今がチャンスだ、この隙に攻めかかれ!」
「手間を掛けさせやがって…所詮あいつは魔法具も何も持っていないただの小娘だ、恐れる事はねぇ!やっちまえ!」

ドロシー(うぅ…。頑張って皆の役に立とうと思ったけど、やっぱり私足手まといだ…)ジワッ

ヘンゼル「立って!立つんだドロシー!君は何も持ってないわけじゃあないだろう!こんなところで諦めてどうするんだ!」

ドロシー「ヘンゼル君…」

ヘンゼル「聞かせてくれ!君にはアリスが言っていた『お気に入りの場所』とやらがどこなのかわかるんだろう!?アリスはこの城のどこに居る?僕達はどこに向かえばいい!?」

ヘンゼル「それを知っているのは君だけだ!君が諦めたらアリスを倒せない!勇気を出すんだ、ドロシー!」

ドロシー「そうだよ、そうだよね…私は決めたんだ。皆と一緒に戦うって、こんなところで諦めてたら送り出してくれたかかしやライオンに叱られちゃうよね…」スクッ

「あの子供余計な事を…!今すぐにドロシーを止めろ!アリスの居場所を口にさせるわけにはいかない!」
「裏切り者め…!これで死ねぇぇぇ!!」ビュバッ

ザッ

「こいつ…避けただと!?」

ドロシー「あ、アリスちゃんは…アリスが一番気に入っている場所は王座の間です!だからきっと、今もそこに居るはずです!」




611: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/17(月)01:23:31 ID:WND


ドロシー「王座の間は城の奥の奥…とても高い場所にあるけれど、その階までたどり着ければすぐにわかります!その階はほとんど王座の間に使われていますから!」

赤ずきん「王座の間…!とにかく上の階を目指していけばいいのね?」

ドロシー「はいっ!何処からお城に入ってもたどり着く事は出来ます!いくつも階段があるけど、お城の中央の方へ続く階段だけを探して上って行けばいずれはその階にたどり着けます!細かい道順は案内できなくて…ごめんなさい!」

裸王「問題無いぞドロシーよ!この広大な城からアリスを探す事を考えれば、その情報は事情に有益!」マッチョ

キモオタ「勇気出せましたなドロシー殿www」

ヘンゼル「これで僕達はアリスの元にたどり着ける!君のおかげだ、ありがとうドロシー」

ドロシー「う、うん…!頑張ろうね…!」タッタッタッ

「えぇい…!あの小娘余計な事を…!投石用意だ!今からでも連中を――」

分身悟空第一段「やらせねぇぞぉ!テメェ等の相手は俺だァ!!」シュバッ
分身悟空第二弾「ウキキッ、ウッキキー!!」サルサル
分身悟空第三段「うほほーい!マッチャアキィィィー!!」マチャアキ

「ぐおぉっ!邪魔をしやがって化け猿が…!」ズサー

孫悟空「なに余所見してやがんだぁ?分身じゃあ物足りねぇってなら俺が直接相手してやってもいいんだぜ?」ニッ

玉龍「先輩、超カッコイイッス〜!惚れ直すッスー!抱いて欲しいッスー!」

孫悟空「玉龍!テメェ戦いに集中しろ!さぁて、あいつらは城に向かった!こっからが本領発揮だぜぇ!!うおおおぉぉぉっ!!」ウッキィー

・・・





627: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/24(月)01:00:28 ID:vhU


不思議の国のアリスの世界 ハートの女王の城 城内

タッタッタッタッ ドスドスドスドス

キモオタ「ブフゥ〜www一時はどうなるかと思ったでござるがなんとか城内へ入り込めましたなwww」コポォ

ドロシー「は、はい…。どうやら追手も来ていないみたいで……良かったです」ホッ

キモオタ「あの者達は悟空殿と玉龍殿がバッチリ足止めをしてくれていますからなwww背中は二人に任せて我々は先を目指しますぞwww」

ドロシー「は、はい…!あっ、そこのつきあたりは左です」タッタッタッ

キモオタ「ガッテン承知wwwいやはや、ドロシー殿のナビのおかげで迷うことなく進めて助かっておりますぞwww感謝感謝ですなwww」ドスドスドス

ドロシー「お、お役に立ててるなら私も嬉しいです。で、でも……」

キモオタ「何か気がかりなことでござるでござるかな?www」

ドロシー「キモオタさんにはこうやって直接道案内が出来ますけど…。他の皆さんにはちゃんとした道案内ができなかったから…」

ドロシー「うぅ……私、今思えばすごく雑な道案内をしてしまいました…。確かに王座の間に行くには上の階を目指せばいいんですけど…もっと細かい説明をした方が絶対に良かったです。階段の場所とかそういう……」

キモオタ「いやいやwwwあの状況でしっかり説明するなど無理でござるよwwwそれぞれ別のルートを進んでいるわけでござるしwwwドロシー殿は最善を尽くしたと思いますぞwww」

ドロシー「で、でも…皆さんが迷って怪我でもしたら大変です…。そもそもアリスが玉座の間に居るって言うのも私の予想だから絶対ってわけじゃないし……。うぅ……私が確証の無い事を言ったせいで皆が酷い目にあいでもしたら……」

キモオタ「お主は本っ当に気にしすぎガールでござるなぁwwwそんな事気にしているのはお主だけでござるよwww」

キモオタ「本来は城中を走り回って探し出さねばならなかったところを、ドロシー殿のおかげでアリス殿の居場所に目星が付けられたのでござるよ?www」

キモオタ「お主が勇気を出して声を張ったおかげで、我々のミッションの成功率はぐぐっと上昇しているのでござるwww誇ってもいいぐらいですぞwww」コポォ




628: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/24(月)01:14:35 ID:vhU


ドロシー「も、もしもそうだったら…それはとても、嬉しいなぁ…」ニコッ

キモオタ「ドロシー殿はアレですぞwww少々ネガティブが過ぎますぞwwwもっと前向きに考えてもいいのではwww」

ドロシー「前向きに…ですか?」

キモオタ「そうですぞwww例えばお主が皆に道案内をした件でござるが…お主は自分のせいで皆が迷わないかと心配しているでござるよね?うまく道案内出来たのだろうかとwww」

ドロシー「は、はい…。やっぱり心配です…」

キモオタ「そうではなくwww成功した時をイメージするのですぞwww」

キモオタ「お主の予想通りアリス殿は王座の間に居てwwwスムーズにその場にたどり着けたことで万全な状態で戦えwww我々がアリス殿を止める事が出来たとしたらwww」

ドロシー「出来たとしたら…?」

キモオタ「MVPは間違いなくお主になるわけでござるよwwwラスボスの居場所をつきとめ、皆を導いたわけでござるからねwww」

キモオタ「そうすれば皆がお主に感謝しますぞwww赤ずきん殿や裸王殿はもちろん、消えてしまったおとぎ話を元に戻す事が叶えばその世界の住人もお主に感謝するでござろうwww」

ドロシー「あっ…それなら私がやってきた事の償いにもなるかも…」

キモオタ「もちろんなりますぞwwwそれに…ヘンゼル殿だってきっとお主の事を見直すでござるよwww勇気ある少女だと称えてくれるでござろうなwww」コポォ

ドロシー「へ、ヘンゼル君が…私を褒めてくれる…?」ドキドキ

キモオタ「褒められるどころかwwwお主の活躍によってヘンゼル殿はお主に惚れてしまうかもしれませんぞwww」

ドロシー「へ、ヘンゼル君が私に…?」

…ポワワーン




629: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/24(月)01:16:09 ID:vhU

・・・

白馬に乗ったヘンゼル「遂にアリスの悪事を止める事が出来たね」キラキラキラ

ドロシー「う、うん。ヘンゼル君や、キモオタお兄さん…皆が頑張ったおかげだね。消えてしまった世界も元通りにできるみたいで、本当に良かった……私は、何もできなかったけど……」ショボン

白馬に乗ったヘンゼル「ハハッ、何を言っているんだいプリンセス。君が道案内をしてくれたおかげで僕達はアリスを止める事が出来たんだ」キラキラキラ

白馬に乗ったヘンゼル「本当に助かったよプリンセス、感謝している。君は僕の誇りだよ」ギュッ

ドロシー「お、大げさだよ…。私にできるのは道案内くらいだったから…。で、でもヘンゼル君の役に立てて嬉しい、私にできる事があったらいつでも言ってね」ニコッ

白馬に乗ったヘンゼル「そうかい?それなら早速、君に道案内をお願いしようかな」キラキラキラ

白馬に乗ったヘンゼル「君を想い過ぎて前が見えなくなっている僕の恋心を……君のハートに案内してくれないか、プリンセス」

ドロシー「ヘンゼル君…!」キュンッ

グレーテル「ドロシーお姉ちゃん大好きー……」トテトテ

司書「あなたの様な可愛らしい恋人が居るなんてヘンゼルは幸せ者ね」ニッコリ

白馬に乗ったヘンゼル「さぁプリンセス、手を」キラキラキラ

プリンセスドロシー「はい…!」

■HAPPY END■

・・・




630: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/04/24(月)01:18:56 ID:vhU



ドロシー「……そ、そんなうまい話があるわけないじゃないですか!お、おとぎ話じゃないんですよ!?」ワタワタ

キモオタ「えぇぇwwwおとぎ話でござるけどwwwというか何を想像したのでござるかなwww」コポォ

ドロシー「ぜ、絶対に言えないです…!内緒です!」カァァ

キモオタ「ちょwww人に言えないような展開を想像するとはドロシー殿もなかなかに夢見がちガールでござるなwww」コポォ

ドロシー「うぅ……あっ、そこの角を左に進みますよ!わ、私は先に行きますからね…!」スタスタスタ

キモオタ「ドゥフフwww少しは恐怖が紛れたようでござるな、ドロシー殿www」

キモオタ「……」

キモオタ(さて…ドロシー殿と悟空殿達のおかげでうまく城に入りこめたのは良かったでござるが、分断されてしまったのは少々痛手ですな…一組ずつ我々の戦力を潰されでもすれば大惨事に…)

キモオタ(いやいや、前向きに考えるとするでござる。分断されたとはいえ逆に言えばあちらも戦力を分散せねばこちらを叩けないという事ですからな)

キモオタ(赤ずきん殿と赤鬼殿のコンビネーションはそうそう破られぬでござろうし。裸王殿の筋肉は言うまでも無く強靭かつ俊敏。ヘンゼル殿は持ち前のシスコン力で妹達を必ずや守るでござろう)

キモオタ(桃太郎殿も本当は頼れる男でござるから必ずやシンデレラ殿を救ってくれるでござろう。行方不明のラプンツェル殿は気がかりでござるが、きっと問題無いですぞ)

キモオタ(そしてもちろん我輩も、サイリウムを振るって全力で戦いますぞwww容易く負けるつもりなどありませんからなwwwアリス殿の時止めに対応する策もありますからなwww)

キモオタ(とはいえ……アリス殿を止める為の決めてであり切り札が欲しい所でござるな)

キモオタ(ふむ…。一度状況の整理をしてみますかな)




637: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:04:24 ID:PsG


キモオタ(まず、今の状況は……)

・アリスは魔法のランプを使って【不思議の国のアリス】以外の世界を消滅させた。キモオタ側もアリス側も別世界へ移動する事はできない。

・アリスの口ぶりから察するにこの世界に入り込んでいる余所者はこの城に居るキモオタの仲間(+ラプ)だけ

・アリス含む幹部達は城内で待ち構えている。それぞれの居場所は不明だがアリスは城の上部に存在する『王座の間』にいる(ドロシー談)

・キモオタの仲間達は別行動をとっている、状況と目的は以下の通り
『キモオタ、ドロシー』→王座の間を目指し城内を進んでいる
『赤ずきん、赤鬼、人魚姫』→王座の間を目指し城内を進んでいる
『ヘンゼル、グレーテル、司書』→王座の間を目指す、銀貨の魔獣に乗り城内を進む
『裸王』→王座の間を目指す、単身で行動中
『桃太郎、ライオン』→シンデレラ(アシェンプテル)を追って城内へ
『孫悟空、玉龍』→城外にて青い鳥と大勢の兵隊達と戦闘中。キモオタ達の背中を守る重要な役目
『ラプンツェル』→この世界に居る事はわかっている者の行方不明

・アリスは魔法のランプを既に二回使用。あと一回だけ願いを残している。

キモオタ(こんな感じでござるかね)

キモオタ(我々の勝利条件はアリス殿の撃破および無力化、一番手っ取り早い方法は魔法のランプの奪取でござる。そして敗北条件は味方の全滅……といったところですな)

キモオタ(そういえば我輩とドロシー殿がここにたどり着くまで一切トランプ兵と遭遇しませんでしたな。となると城内への侵入者は幹部達が相手をするという作戦なのでござろう)

キモオタ(帽子屋殿、三月ウサギ殿、ハートの女王殿、白ウサギ殿、チェシャ猫殿、そして……アリス殿。どの相手も一筋縄ではいかないでござろうな)

キモオタ(とはいえこっちも負けてはいませんぞ。この時の為、皆がそれぞれ腕を磨いて準備をしていたわけですからな。それに我輩にはアリス殿が持つ時間停止への対抗策もあるでござる、戦いの準備は万端ですぞ)

キモオタ(……とはいえアリス殿の余裕たっぷりの態度を見てしまうと若干不安が残りますな。今からでも新たな策、特別な一手、切り札的なモノが欲しい所でござるが)

キモオタ「何か妙案が浮かばないでござろうか……」




638: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:08:13 ID:PsG


ドロシー「キモオタさーん…?先に進まないんですか…?」ヒョコッ

キモオタ「おうふwww申し訳ないwww少々考え事をしておりましてなwwwすぐに行くでござるよwww」コポォ

ドロシー「考え事って、やっぱりアリスちゃ…アリスの事ですよね…?」

キモオタ「そうでござるwwwアリス殿に対して何か有効な作戦は無いかと知恵を絞っていたのでござるwww」

ドロシー「そうだったんですか…でもキモオタさんも皆さんもアリスを止める為にいっぱい頑張ってきたんです。だから私は、その、大丈夫だと思います」

キモオタ「確かに、皆はもちろんの事、我輩もやれることはやってきたつもりでござる。とはいえ切り札は一枚でも多い方が良いですからなwww」

ドロシー「それは私もそう思います…。アリスも他のみなさんも、当然だけど私が居た時よりずっと強くなってるみたいだったから…」

キモオタ「ドロシー殿は何か考えありませんかなwwwヤングなガール視点の意見も聞いておきたいでござるwww」

ドロシー「そ、そう言われてもそんなに急には…。私、作戦とか考えるのあんまり得意じゃなくて…」モジモジ

キモオタ「なんでもいいでござるよwww作戦とまでいかなくても思いつき的な事でも良いでござるしwww」

ドロシー「う、うーん…。それなら、アリスがこんな事をした理由をもう一回見直してみるとか…」

キモオタ「ほう…彼女の動機を再確認するということですな?」

ドロシー「は、はい。アリスには目的があって…それを叶えるために別世界の人たちをいっぱい傷つけて、他のおとぎ話の世界を消して、遂には現実世界までも消しちゃいましたよね?」

ドロシー「私にだって願いとか叶えたい事はあります。今までやってきた事の償いをしたい、ブリキ達の願いも叶えたい。赤ずきんちゃんやヘンゼル君ともっと仲良くなりたいし、グレーテルちゃんに睨まれないようになりたいです…」

ドロシー「でも…その願い事を叶えるために他の何かや誰かを犠牲にしようなんては思いません」




639: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:10:55 ID:PsG

ドロシー「でも、アリスは違うんですよね。その願いを叶える為に、自分たち以外の全てを犠牲にしちゃったんですから…」

キモオタ「それだけ、その願いは彼女にとって重大なものだと言う事でござろうが…」

ドロシー「……私にはわかんないです。世界中の全てを敵に回して犠牲にして、それでも叶えたい願い事なんて……」

キモオタ「……アリス殿はこう言っておりましたな。元々彼女が住んでいた現実世界で、アリス殿やルイス殿は周囲との違いから差別や迫害を受けたと」

キモオタ「それがどの程度のものかは想像に頼るしかありませんがな、少なくとも彼女は自分自身、そして大切に思っているルイス殿共々差別の対象にされ、辛い思いをしてきたと」

キモオタ「故に彼女はその復讐を遂げるため、そしてマイノリティとして扱われた自分やルイス殿が誰からの迫害も受けない世界を生み出すため…【不思議の国のアリス】以外の世界を全て消した」

ドロシー「世界中を敵にまわしても構わないなんて思えるような酷い事を、アリスやルイスさんはされていたって事なのかな…?」

キモオタ「少なくともアリス殿はそう思ったから、今回の事件を起こしたのでござろうな」

キモオタ「それだけ現実世界で彼女を取り巻く環境は劣悪で、世間のルイス殿に対する扱いは凄惨なものだったのでござろう。百年も昔の現実世界となれば、世間も今ほど少数派に寛容ではなかったでござろうしな」

キモオタ「数奇な生まれの桃太郎殿や、鬼である赤鬼、【キジも鳴かずば】の世界に迷い込んだヘンゼル殿達のように…周囲と違う存在を、世間は何かと忌み嫌いますからな」

ドロシー「……なんだか、こんな事を言っちゃダメなんですけど。そう考えるとアリスも少し、可哀想かもしれないです」

ドロシー「自分や大好きな人が世間から認められなくて、差別を受けるなんて……きっと、とても辛いです」

キモオタ「そうでござるな…。我輩はオタク故に、世間の冷たい視線も浴びに浴びてきたでござるから多少は気持ちもわかるでござる」

キモオタ「とはいえ、我々も大切な仲間や世界を奪われた身。流石に彼女の行為を見過ごすわけにはいきませんからな…。今はとにかく彼女を止める事を最優先に考えるでござるよ」




640: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:13:10 ID:PsG


ドロシー「あっ、それじゃあ……」

キモオタ「どうしたでござるかなドロシー殿www何か思いつきましたかなwww」コポォ

ドロシー「え、えっと…あの、本当にただの思いつきで…何の役にも立たないかもしれないんですけど…」オドオド

キモオタ「とりあえず話してみて欲しいですなwww恥ずかしながら我輩は特になにも思いついてないでござるしwww」コポォ

ドロシー「じゃ、じゃあ…。えっとですね、今話してみて改めて思ったんですけど…アリスってルイスさんの事をすっごく大事に思ってますよね」

キモオタ「そうですなwwwルイス殿は彼女の動機にも絡んでるでござるし、何より今までもアリス殿の口から何度もその名前が出てますからなwww」

ドロシー「私がアリスと一緒に居た時もよくルイスさんの名前を出してました。アリスだけじゃなくて、この世界に住む他の人たちもです」

ドロシー「作者だからって理由じゃなくて…アリスも他の人達も、この【不思議の国のアリス】に住む人達はきっと皆がルイスさんの事が好きなんだと思います」

キモオタ「一見妙な話でござるが、アリス殿が実は現実世界の住人だったという事を考えると不思議な事でも無いのかもしれませんなwwwこの世界に出入りしていたとしてもおかしな話ではないでござるしwww」

ドロシー「は、はい。だからですね、えっと…昔アリス達に何があったのかとか、ルイスさんの事をもっとよく知る事が出来たら、アリスを止める上で何かのヒントになるのかも……な、なんて事をですね。あの、思っちゃってるんですけど……」オドオド

キモオタ「ドロシー殿wwwお主自信が無さそうにしていた割にはなかなかグッドなアイディアを出すではござらんかwww」コポォ

ドロシー「そ、そうですか…?」テレテレ

キモオタ「そうですぞwwwこの有能っぷりは後ほどヘンゼル殿にバッチリ報告しておくでござるwww」コポォ

ドロシー「な、なんでそこでヘンゼル君が出てくるんですか…!い、いいですよ別に言わなくても…!」オドオド




641: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:16:24 ID:PsG


ドロシー「うぅ…さっき褒めて貰ったのに早速とぼけたこと言っちゃいました…」ドヨーン

キモオタ「ドンマイドンマイですぞwwwアリス殿の部屋に向かうのは難しそうでござるが、日記や書記から当時の情報を得るという着眼点は悪くないはずwww」

ドロシー「一応、書庫はありますけど…。でも確かそういったものは置いて無かったと思います…」

キモオタ「まぁそうでござるよね、そう都合よく行くわけが無いでござるかwww」

ドロシー「ですね…。あと可能性がありそうな場所はルイスさんの部屋、ぐらいかな…」

キモオタ「ファッ!?ちょ、ちょっとドロシー殿!?ルイス殿の部屋がこの城にあるのでござるか!?」

ドロシー「えっ…?はい、ありますけど…?」キョトン

キモオタ「ちょwwwそんな当然の様なリアクションをされてもwww初耳でござるよwww」コポォ

ドロシー「す、すいません…」

キモオタ「いやいやwww我輩も察しが悪かったでござるなwwwアリス殿の部屋があるわけでござるしルイス殿の部屋があっても何らおかしくは無いですなwww」コポポ

キモオタ(……とはいえ、ハートの女王の所有物であるこの城にアリス殿の部屋が存在し、なおかつそれが最上階という一等地というのはどういう訳でござろうか…?本来ならば女王や王が使うべき部屋でござろうに)

キモオタ(作者であるルイス殿の部屋が存在すると言う事を考えると、アリス殿の部屋は後になって勝手に作ったわけではなく元々この城に存在していた可能性が高いでござる、つまり…)

キモオタ(この城はおとぎ話の中ではハートの女王の城でござるが、実際のところはアリス殿の為に作られた城なのでは…?)

キモオタ(アリス殿が以前言っていた『【不思議の国のアリス】は自分の為に作られた』というのはもしや……そういう意味でもあるのでは?だとすれば……)

ドロシー「キモオタさん…?」

キモオタ「おうふwwwなんでもないですぞwwwぼーっとして申し訳ないwww」




642: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:19:33 ID:PsG


ドロシー「あの、ごめんなさい。も、もっと早く言えば良かったですね…。でもアリスとルイスさんだけじゃないです、他の幹部の皆さんにも部屋はあります。私が居る時も一室自由にさせてくれたから…」

キモオタ「ほうwww何はともあれ、まずはルイス殿の部屋に向かってみるでござるよwww何か情報が手に入るやもしれませんからなwww」

ドロシー「あっ、えっと…その事なんですけど。それはちょっと…難しいと思います」オドオド

キモオタ「おおっとwwwもしやルイス殿の部屋も王座の間を横切らないと行けないのですかなwww」コポォ

ドロシー「そ、そうじゃなくて…ルイスさんの部屋、鍵がかかっているんです。ルイスさんが最後にロックをかけた時からそのままになっているみたいで…当然鍵もスペアも無いんです」

キモオタ「ほう…しかしこの世界もおとぎ話の世界だけに魔法も妖術もなんでもアリアリでござるし、鍵を開けるくらい容易いのではwww」

ドロシー「そうなんですけど、アリスが『勝手に開けて入るとルイスに悪い』って言ってそのままになっているんです。だからあの部屋の中には誰も入った事が無いです、それに……」

キモオタ「部屋の中に何があるのか、アリス殿さえも知らない。ということですな?」

ドロシー「は、はい…」

キモオタ「そういう事ならばむしろ…ルイス殿には悪いでござるが鍵を開けて部屋に入るでござる。アリス殿でさえ知らない『何か』を手に入れられるかもしれませんからなwww」

ドロシー「で、でもどうやってあけるんですか?もしかして力技で叩き壊すとかですか…?」

キモオタ「我輩はそんな乱暴者ではないですぞwwwドロシー殿にはルイス殿の部屋に向かう前に宝物庫に案内して欲しいでござるwww」

ドロシー「宝物庫…?あっ、魔法の力で鍵をあけられる道具を探しに行くんですね?」

キモオタ「御明察wwwそれならばスマートでござろうwww我輩の腹はスマートではないですがなwww」コポォ

ドロシー「そ、そんなにうまくいくかな…?でも、わかりました。最初に宝物室に行って、それからルイスさんの部屋ですね。案内します、着いて来てくださいね」スタスタスタ

キモオタ「ちょwww渾身の自虐ギャグがスルーされたwww」




643: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:23:43 ID:PsG

数分後
ハートの女王の城 宝物室

キモドロ「……」

キモオタ「なんと言いますかなwww宝物室だと言うのに見張りも皆無な上に扉が開けっぱなしだった故、嫌な予感はしておりましたがなwww」コポォ

ガラーン

ドロシー「か、空っぽですね…」

キモオタ「考えが甘かったですなwwwぶっちゃけ薄々こうなっている事も予想していたでござるがwww」コポォ

ドロシー「ご、ごめんなさい。でも、良く考えたらこうなりますよね…。戦いに使えそうな魔法具はアリス達が持っているだろうし、強い魔力を宿したものは結界を破る為に使っただろうから…」

キモオタ「まぁ無いものはしかたないでござるよwwwそれに空っぽとはいえいくつか残された魔法具もありますしなwww一通り部屋を回って使えるものが無いかチェックしますぞwww我輩は右回りに見ていくゆえ、ドロシー殿はそっち側から頼みますぞwww」

ドロシー「は、はいっ!」タッタッタッ

・・・

キモオタ「…とは言ったものの、ぶっちゃけロクなものがありませんなwww少なくともアリス殿が今までに手にしていた強力な魔法具の類は全然見当たらないでござるしwww」

キモオタ「残された魔法具も見るからにショボイアイテムばかりwwwここに置いてある以上魔力を宿しているのでござろうが、これなんかただの紙とインクにしか見えないでござるしwww」コポォ

キモオタ「案内してくれたドロシー殿悪いでござるが、無駄足だったかもしれませんなwww」

…カチャカチャン

キモオタ「ややっ?今、何やら音が聞こえたような…?気のせいでござるかな…?」

…カツンカツン シュタッ

鍵「……」

キモオタ「ファッ!?な、なんですかな…?突然目の前に小さな鍵が…」




644: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:26:53 ID:PsG

…カツンカツン

鍵「……」キョロキョロ

キモオタ「いやはや驚きましたなwwwどうやらこの鍵は自我を持って動いているようですな、魔法具なのでござろうが一体どのような魔法具なのでござろうか?ここは司書殿に…」スッ

…カチャカチャ ドボーン!

キモオタ「ファッ!?先程のインク瓶に鍵がダイブしたでござる!?一体何なんでござるかこの鍵は!?」

鍵「……」ボタボタ

…カチャカチャ スラスラスラ

キモオタ「なるほど、言葉を発せない故にインクまみれの自分をペン代わりにして我輩に意思を伝えようと言う訳ですな。どれどれ…なんと書いてありますかな?」

鍵『欲望と憎悪入り混じる混沌の魔城≪キャッスル≫に足を踏み入れる物好きが居たとはな』

キモオタ「……」

鍵『不思議の国の支配者、アリスの目を掻い潜って来たという事は…貴様もまた選ばれし適合者という事か。面白い、神も粋な真似をする』

キモオタ「ちょwwwなんでござるかなこの我輩の中の黒歴史を抉るような中二感はwww」

鍵『何をブツブツ言っている…ハッ、まさか古より封印されし禁断の秘術の詠唱を――』

キモオタ「盛り上がっているところ悪いでござるがお主は何者ですかなwww」

鍵『フッ…俺が何者か気になるか、無理もない。適合者同士は惹かれあう運命≪ディスティニー≫何者も逃れる事は出来ない』




645: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/01(月)01:31:17 ID:PsG

鍵『俺は【青髭】と呼ばれる異世界より生まれこの地に降り立った男。名は遠い昔に捨てた身だ、俺の事は好きに呼べ。例えば…†鮮血に染まりし深紅の鍵†とか悪くはないと思うが』

キモオタ「我輩はキモオタと申す者wwwあの、さっきから我輩のメンタルにじわじわダメージが加わっているのでその喋り方やめていただけないものかとwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†『安心しろ、会話の中に魔術の詠唱を混ぜるような真似はしていない』

キモオタ「いや、そうではなくwwwその無理にカッコつけた感じの喋り方をやめて欲s」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†『無理などしていない。貴様、あまりに無礼な言葉を口にするようならば…鮮血と言う名の後悔の底に沈むことになるぞ?』

キモオタ「ドロシー殿ー!ちょっと来ていただきたいwwwこの者、我輩だけでは手に負えないでござるwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†『フッ、俺の放つ魔力に中てられるのを恐れたか。賢明な選択だ』

・・・

ドロシー「うーん…やっぱりあんまりちゃんとした魔法具は残ってないなぁ…。どれも壊れてたりとか良くわかんないものばっかりで……あれ?この薬ってもしかして……」

スッ

ドロシー「やっぱりこの薬…アリスが私を操る時に飲ませた薬だ…!うぅ…見てると嫌な思い出がよみがえってくるよぉ、こんなのさっさと棚に戻して――」

ドロシー「……」

ドロシー「で、でも…この薬があればこんな私でも強気になれるよね…。もしものときでも、みんなの力になれるかも…」

ドロシードノー!チョットキテイタダキタイー

ドロシー「あっ、はーい!行きますー!」

ドロシー(…とりあえず、とりあえず持ってるだけ。持ってるだけ、ね)

タッタッタッ




655: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:04:31 ID:Kna

ハートの女王の城 宝物室

ドロシー「キモオタさん、どうかしましたか?」ヒョコッ

キモオタ「ドロシー殿www助けてくだされwww我輩、なんだか妙な魔法具に絡まれてしまって困っているのでござるよwww」コポォ

ドロシー「妙な魔法具…?それって一体、何の事なんですk」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「『ドロシー』という名を聞いてまさかとは思ったが…やはりお前だったか」

ドロシー「あ、あなたは【青ひげ】の…!」ビクッ

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「覚えていたか、如何にも俺は【青ひげ】の世界で生まれた魔法の鍵だ。しかし驚いたな、まさかこの城でお前と邂逅する事になるとは……今日は随分と神が粋な真似をする日だ」

ドロシー「あっ、あの、その、えっと……」オロオロ

キモオタ「ドロシー殿、あの鍵殿と知り合いだったでござるか。友達同士…にはとても見えないでござるけど、一体どのような関係なのか聞いてもいいですかな?」

ドロシー「は、はい…。あの、その、私は……あの鍵さんの仇、なんです」

キモオタ「仇という事は、お主がまだアリス殿の元に居た頃の…?」

ドロシー「はい…。アリスが魔法具を集めていた頃、私は魔法の鍵さんを奪う為に所有者だった青ひげさんとその奥さんを……殺したんです」

キモオタ「そうだったのでござるか…。いやはや、言いにくい事を言わせて申し訳なかったでござる」

ドロシー「いえ…受け入れなきゃいけない事だから、大丈夫です。それに、私が落ち込んでいいことじゃ…ないです」

ドロシー「でも鍵さんは御主人さまを殺した私の事を絶対に恨んでます…。許してもらえなくて当然ですけど、なんとか償いをしなきゃ…。わ、私…キチンと謝ってきます…!」




656: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:07:38 ID:Kna

ドロシー「あ、あの…魔法の鍵さん…!」オドオド

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「何の用だ?言っておくが、俺を倒そうなどという夢物語は早々に捨てておけ。お前達二人が束になって掛ってこようと俺の漆黒の魔力の前には無力。瞬く間に深紅の鮮血がお前達を包むだろう」

キモオタ「深紅なのか漆黒なのかどちらかにしていただきたいwww」

ドロシー「あ、あの…!私は、私達は鍵さんに攻撃しようなんて思ってないです!わ、私はただ鍵さんに謝りたくて……」オドオド

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「謝るだと…?お前が、俺にか?」

ドロシー「うぅ……ですよね、わかってます…。謝ったところで許される事じゃないですもんね…。で、でも聞いて欲しいんです。私の気持ちを……」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「待て、お前は何か考え違いをしているようだ。俺は本当に身に覚えが無い。俺はお前に何かされたのか?謝罪が必要になるような事を」

キモオタ「ドロシー殿?深紅の鍵殿、どうやら煽りとか嫌味を言っているわけではないようでござるよ?本当に身に覚えが無いのでは?」

ドロシー「そ、そんなはずは…。だ、だって私は鍵さんのご主人様だった青ひげさんを殺したんですよ?【青ひげ】の世界が消えちゃったのだって私のせいで……」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「まさかとは思うが……お前が青ひげを殺した事を俺が恨んでいるとでも思っているのか?」

ドロシー「は、はい…。だって御主人さまを殺されたんですから私の事を恨むのは当然で……」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「クックックッ…!幾多の世界を破壊し、数多の生命を奪おうと所詮は子供…!その様な甘い考えでよく今まで生きてこられたものだな」

ドロシー「えっ…?」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「所詮この世は弱肉強食。青ひげが死んだのは奴が弱者であり、お前が強者だったからだ。弱き者には敗北を、強き者には勝利を…それが自然の摂理、万物に定められた運命≪ディスティニー≫」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「そして勝者には絶対的な正義が与えられる。故にお前に一切の非は無い、非があるとすれば弱者だった青ひげだ。奴が死んだのは奴自身の責任なのだから」




657: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:11:08 ID:Kna

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「故に、勝者であるお前が敗者の事など気にする事は無いのだ。むしろお前がやっている事は敗者に対する冒涜だ、勝者は堂々とするべきだ」

ドロシー「えっ…?キモオタさん、そうなんですか…?」

キモオタ「ちょwww我輩に振られてもwwwとりあえず深紅の鍵殿は気にしていないようでござるし結果オーライではwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「俺は冷酷な男≪クールガイ≫でな、かつて共に過ごした仲だからと敗者に同情するほどお人好しじゃあないのさ」

キモオタ「冷酷な輩は自分で自分の事を冷酷とか言わないでござるけどねwww」コポォ

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「フッ…なんとでも言え。とにかく、だ…俺は奴の死に関して特別な感情など抱いていないと言う事だ。理解したか、ドロシー?」

ドロシー「は、はい…」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「まぁいいだろう。そんな事よりもお前達は何故この宝物室を訪れたんだ?……あぁ、言わなくていい。俺がここでお前達と邂逅した事はお互いの魂が導きあった結果……すなわち運命≪ディスティニー≫……そうだろう?」

キモオタ「お主はディスティニー言いたいだけでござろうwww」コポォ

ドロシー「あっ…あの、キモオタさん。ルイスさんの部屋の鍵をあけるって話ですけど…魔法の鍵さんにお願いするっていうのはどうでしょうか?」

キモオタ「うーむwwwぶっちゃけこれ以上関わりたくないと我輩の魂が叫んでいるのでござるけどwww」コポォ

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「魂の叫び…か。それは深淵の底より世界に響き渡る賛歌の旋律≪メロディ≫…。だが如何なる存在も、人生という五線譜に刻まれた運命≪ディスティニー≫に抗う事は――」

キモオタ「ほらほらほらwwwもうこの感じ嫌なんでござるよwww一刻も早く実家に帰って中学の頃のノートを焼き払いたいwww」コポォ




658: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:14:30 ID:Kna


ドロシー「で、でも他に方法も無いですから…。それに魔法の鍵さん、きっと悪い人じゃないですよ…?」

キモオタ「やれやれwwwそれも一理ありますしなwww気は進まないでござるが頼んでみるでござるよwww」コポォ

ドロシー「じゃ、じゃあ私が…。あ、あの、魔法の鍵さん…私達、実はあなたにお願いがあるんです」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「フッ…俺の優秀さを見込んでの依頼か。やはり俺が纏う漆黒の魔力は強大すぎて、その凄まじさを隠しきれないようだな」

ドロシー「え、えっと…?と、とにかくですね…私達、開けたい扉があるんですけど肝心の鍵が無いんです。あの、魔法の鍵さんなら……その扉開けたりとか、できませんか?」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「愚問だな。俺は魔力を宿した鍵だ、どんなに強固な扉であろうと複雑な錠前だろうと開ける事は容易い。世界中の全ての扉と錠前は俺の前では無力化する」

ドロシー「わっ…!すごいです!それなら少しだけ、私のお手伝いをしてくれませんか?」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「そうだな…それもまた一興か。だが、手を貸すかどうかはお前達次第だな」

ドロシー「私達次第…?どういうことですか?」

キモオタ「報酬を寄こせって事でござろうwwwなかなか足元を見てくる鍵殿でござるなwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「働きに応じた報酬を要求するのは当然の掟だ。【青ひげ】を知っているお前ならば当然わかるだろう、俺が最も欲するモノが何なのかを」

ドロシー「それはわかりますけど…。鍵さんが欲しているモノって……血液ですよね?」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「よく解っているじゃあないか。俺は血液を浴びる事が何よりの喜びだ、だがこの部屋に閉じ込められてからはそれも叶わない。俺は今、非常に血に飢えている…!さぁ、お前は俺にどれだけの血液を差し出す?」




659: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:19:03 ID:Kna


ドロシー「うぅぅ…あの、血液以外じゃ駄目ですか…?」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「血液を差し出せないというのならばこの交渉は決裂だ」

ドロシー「そ、そんな…!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「代償を払わず成果を手に入れようなど虫のいい話だ。お前が本当にその扉を開けたいのならば、どのような犠牲も厭わないはずだろう」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「だが血を差し出したくないというのならば、お前の信念はその程度のものという事。信念の無い願いに応じてやるほど、俺も暇ではないのでな。諦めて他の方法を探す事だ」

ドロシー「き、キモオタさぁん…助けてください……」ポロポロ

キモオタ「ちょwww泣かなくてもいいでござろうwwwとはいえ我輩も血液を差し出すのは勘弁でござるなぁwwwドロドロ血液でござるしwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「俺はどちらでも構わない。お前達が諦めるというのならばそれもまた一つの選択、それもまた一つの運命≪ディスティニー≫」

キモオタ「あーあwww残念でござるなぁwww我々に…もといドロシー殿に手を貸す事はお主にとってかなりのメリットなのでござるのになぁwwwあーもったいないもったいないwww」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「……どういう事だ?」

ドロシー「キモオタさん…?」

キモオタ「ドロシー殿、鍵殿を説得する為にちょっとだけお主のトラウマに触ってしまうでござるけど…かまわんでござるか?」

ドロシー「えっと…うん、それで鍵さんに協力してもらえるなら、大丈夫です…!」




660: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:22:01 ID:Kna

キモオタ「深紅の鍵殿、お主の目の前に居るドロシー殿はどのような少女でござるかな?www」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「どうと言われてもな…内気で臆病な娘に見えるが?」

キモオタ「そうでござろうなwwwしっかしお主の記憶の中のドロシー殿はどうでござる?内気さも臆病さも無く、むしろ狂気に満ちているのではwww」コポォ

†鮮血に染まりし深紅の鍵「……実はそれは俺も気になっていた。かつて青ひげを殺したドロシーは相当好戦的で、頭のネジが数本はじけ飛んでいるような明るさがあったからな」

ドロシー「あ、頭のネジが…」ガーン

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「かつてアリスと共闘していたが今は決別している、という話は聞いていたからな。改心しておとなしい性格にでもなったものだと思い込んでいたが…違うのか?」

キモオタ「実はでござるな……今お主の目の前に居るのが本来のドロシー殿の性格なのでござる」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「それならば俺がかつて見た、あの狂気に満ちたドロシーは何だと言うんだ?」

キモオタ「あの姿はアリス殿に飲まされた魔法薬によって生み出された……ドロシー殿の第二の人格でござる!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「第二の人格……」ピクッ

キモオタ「悲しい事にアリス殿に目をつけられた内気少女のドロシー殿は彼女に薬を飲まされ、第二の人格を生み出されたでござる。そして本人が知らない間にドロシー殿は悪事に加担させられていたでござる!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(内気な少女に植えつけられた狂気に満ちた第二人格…。無自覚のうちに利用される少女…)ピクッピクッ

キモオタ「そしてなんやかんやでアリスから逃れたドロシー殿は悩みに悩み、そして今までの罪を償う為にアリス殿に立ち向かおうとしているのでござる!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(第二人格の存在に気が付き悩む少女…。呪われた運命≪ディスティニー≫に立ち向かう少女…)ピクピクッ




661: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:25:39 ID:Kna


†鮮血に染まりし深紅の鍵†「……」

ドロシー「キモオタさん…?鍵さん黙っちゃいましたけど…いいんですか?」ヒソヒソ

キモオタ「問題ないですぞwwwそれよりドロシー殿、鍵殿にこう言ってみて欲しいでござる……ゴニョゴニョ」ヒソヒソ

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「……」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(おいおいおい…第二人格とかマジか!カッコよすぎるだろ第二人格持ってるとか!しかも本来の性格と正反対の人格とかメチャクチャ燃えるじゃん!)

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(しかも利用されているのに気が付けないうちに第二人格は罪を重ねていって…ようやく気がついたときには自分は極悪人のレッテルが張られているとか!)

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(そりゃ滅茶苦茶悩んだだろうな、元々は内気な娘なんだし。でもそれに負けることなく今こうしてアリスに立ち向かおうとしてるとか……いいよ!すごくいい!)

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(なんだその王道ながらも熱い展開は!ヤベェ…滅茶苦茶心惹かれる!ぶっちゃけ仲間に入りたい…カッコつけて血液よこせとか言わずに味方しときゃよかった…!でも今更掌返すのもなぁ…)

ドロシー「あの、鮮血に染まりし深紅の鍵さん…」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「お、おう…?」

ドロシー「キモオタさんが話した通り…私はアリスに第二人格を植えつけられて、悪事に加担させられました。その事に気がついてからはとてもとても悩んだんですけど……その時私の心の支えになってくれたのは、仲間たちでした」

ドロシー「信頼できる仲間が居たからこそ、私はアリスに立ち向かう勇気を得る事が出来たんです。だから…深紅の鍵さんも私に力を貸してくれませんか?アリスの手で止められた運命≪ディスティニー≫という名の歯車を再び動かす為に…!」キラキラ

†鮮血に染まりし深紅の鍵†(こいつ…!なんて真っすぐな目をしてやがる…!)

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「フッ……お前に俺が纏う漆黒の魔力を使うこなせるとは到底思えんが。だが、いいだろう…!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「お前の魂の叫び≪シャウト≫…しかと聞き届けたぜ!この†鮮血に染まりし深紅の鍵†…お前に力を貸してやろう…!」

ドロシー「わぁ…!ありがとうございます!一緒に頑張りましょうねっ!」ニコニコ

キモオタ(やれやれwwwこれでルイス殿の部屋に入れますなwwwひとまず一件落着とはいえ、しばらく中二っぽいのは勘弁ですぞwww)

・・・




662: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:29:19 ID:Kna

ハートの女王の城 広間

ハートの女王「……」イライライラ

白ウサギ「……」オロオロ

ハートの女王「……ええい遅い!奴等は何をやっておるのだ!戻ってきたら即刻首を刎ねよ!」バンッ

白ウサギ「落ち着いてください、女王様!もうじき戻ってくると思いますので…」

ハートの女王「まったく…この女王を待たせるなどありえん!」イライラ

トランプ兵(偵察部隊)「mission complete…!」ドタバタ

白ウサギ「おぉ…!ようやく戻ってきた!早速状況を伝えt」

ハートの女王「早急に応えよ!憎き雪の女王が大切にしているというガキ共は確かにこっちに向かっているのだろうな?」ギロリ

トランプ兵(偵察部隊)「y…yes!」

白ウサギ「ハートの女王様!ご安心ください、ヘンゼルとグレーテル…そして千代は間違いなくこちらに向かっているようです!もちろん迎撃態勢も整っております!」

ハートの女王「フンッ、当然であろう!見ているがいい…雪の女王に受けたこの屈辱…必ず晴らしてやるのだ…!」

ハートの女王「総員配置に着け!もたもたしている奴は首を刎ねるぞ!」

バタバタバタ

ハートの女王「今一度命じる!我等の目的は雪の女王を慕うガキ共の首を刎ねる事だ!失敗は許さぬ!死ぬ気で任務にかかれ!」

・・・




663: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/08(月)01:36:46 ID:2Md

今日はここまで、不思議の国のアリス編 次回に続きます

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「深き森の魔女に魅入られし兄妹が尊大なる紅き女王と邂逅する…!」

ドロシー「えっと、次回はヘンゼル君達がハートの女王と遭遇しちゃいます!」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「尊大なる紅き女王は侮辱する、白銀と氷雪の女王を。そして魔力宿りし兄は激昂する、そして家族の尊厳を守る為立ちあがる…!」

ドロシー「それで、ヘンゼル君はハートの女王と戦う事になっちゃうみたいだけど、大丈夫かなぁ…」

†鮮血に染まりし深紅の鍵†「次回『混沌と深淵の運命≪ディスティニー≫』」

ドロシー(ヘンゼル君がカッコよく戦う姿、私も見たいなぁ…)ドキドキ

次回もお付き合いください!




671: ◆oBwZbn5S8kKC 2017/05/16(火)01:20:31 ID:yzP
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」十冊目【後編】へつづく


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