転載元:【ガルパン】身魂の操縦手 -冷泉 麻子-

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1: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:10:10.04 ID:WXuAsHkso

*一部独自解釈、設定有

*この作品はフィクションです
戦車の動作、性能等、実際のものと異なる場合があります






2: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:10:42.71 ID:WXuAsHkso

コンッ

麻子「…」

コンッコンッ

麻子「…んぅ…」


ガンッ!ガンッ!

麻子「うぅん…何だ…」

沙織「起きろーっ!!」

麻子「うわっ!」

麻子「…な、なんだ、沙織か」

沙織「なんだとは何よぉ」

麻子「人が弦罎乃せちよく寝てるのに、何の用だ」

沙織「もー、放課後に紅白戦やるって言ってたじゃん!」

麻子「あぁ、そうだったか…」

沙織「ほら、しゃきっとする!みぽりん達もう来るから!」

麻子「うぅん…あと1時間…」

沙織「もー!!」







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3: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:11:23.05 ID:WXuAsHkso

みほ「あ、沙織さん。もう来てたんだ」

優花里「お疲れ様です、武部殿っ!」

沙織「あ、みぽりん、ゆかりん。麻子が起きなくって…」

華「ふふ、沙織さんはいつも楽しそうですね」

沙織「…あれ、もしかして私、見世物にされてる…?」

麻子「ほら沙織、楽しいだろ。もうちょっと楽しんでていいぞ」

沙織「楽しくないから!ほらもう起きて!」


…また、いつもの戦車道が始まる

沙織が私を起こして、西住さんの指揮で私が戦車を動かして…

そんな、ちょっと眠いけど楽しい戦車道が、どこまでも続くと思っていたんだ

…だが、私の戦車道を待ち受けていたのは…




Girls und Panzer
 身魂の操縦手 -冷泉 麻子-




4: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:12:10.63 ID:WXuAsHkso

ドォォン!!

桂利奈「うわぁー!!」

ギギーッ
シュポッ

梓「すみません!ウサギチーム、三突にやられました!」

みほ「大丈夫ですか!?」

梓「はい、全員無事です!」

みほ「わかりました!」

優花里「これでこちらは残存2両、Bチームは3両ですか…少し厳しいですね」

沙織「みぽりん、どうする?」

みほ「三突を見失ってしまえば、また待ち伏せされる危険があります」

みほ「ウサギさんがやられた位置から推測して、まずは三突を叩きましょう」

みほ「おそらくこの地点…ですが、周りの木々がジャマで、上手く進めないかも…」

みほ「麻子さん、いけますか?」

麻子「まかせろ」

みほ「わかりました。では、この位置まで移動してください」

麻子「ほい」

ゴゴゴッ

沙織「麻子、よくこんなところ飛ばせるね…」

麻子「このくらいなら問題ない」

優花里「頼りにしてますよ、冷泉殿っ」




5: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:13:13.37 ID:WXuAsHkso


ゴオオッ


みほ「!これは…」

華「え?」

みほ「右後方からアヒルさんです!」


典子「あんこうチーム発見!根性で仕留めますっ!」

杏「あいよー。がんばえー」モグモグ


沙織「ど、どうしよ?このままじゃ三突とはさみうちに…」

みほ「…わかりました、右から迂回します。ここにレオポンさんを配置しているので、すれ違いざまに打ってもらいます」

ナカジマ「あー、こちらレオポン。アヒルさんの迎撃だね、了解ー」

みほ「麻子さん!」

麻子「ほい」


ガタガタ…


沙織「ちょ、だいぶ揺れてない!?」

華「麻子さん、大丈夫ですか?」

麻子「ん、まだ大丈夫…」





6: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:14:05.08 ID:WXuAsHkso


ガタタッ


典子「今!撃てーっ!!」

あけび「ハイッ!」


ドォォン!!


みほ「きゃあ!」

麻子「ぐっ!足元が…!」


ガタタッ

華「あっ…!麻子さん!!前!前っ!!」

麻子「えっ…!」

麻子「(大木…!ダメだ!間に合わなっ…!!)」

みほ「ぜ、全員、衝撃に備えっ…!!」




7: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:14:52.94 ID:WXuAsHkso


ギギーッ
ドカッ




沙織「きゃあ!」

優花里「うわっ!」

みほ「あ…わ、わ、うわぁあぁ!」

みほ「(あっ、お、落ちっ…!)」

華「みほさんっ!!」




ガッ

ドゴッ


ドサッ







8: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:15:29.58 ID:WXuAsHkso


沙織「うぅ…みんな、無事…?」

麻子「う…私はだいじょ…」

優花里「あ…に、西住殿は?」

華「…え?」

沙織「まさか、外にっ…」バッ


みほ「」


沙織「う、嘘…みぽりん!!」ガタッ

優花里「西住殿ぉっ!!」ガタタッ

麻子「あ…」


優花里「西住ど…」

ドロッ

沙織「え…?」

優花里「なっ、血…え…?」




9: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:16:04.13 ID:WXuAsHkso


優花里「あ…!」

沙織「み…みぽりん!!起きて!!みぽりんっ!!」

優花里「西住殿っ!!西住殿ぉ!!」ポロポロ

華「待ってください!!」

優花里「」ビクッ

華「…頭を打っているのであれば、むやみに動かすべきではありません」

華「額は出血しやすいだけです。まずは落ち着いてください」

沙織「は、華っ…」

華「沙織さん、全車両に訓練中止の連絡を。優花里さんは救急車を」

沙織「わ、わかった」

優花里「あ、りょ、了解、です」グスッ




10: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:16:44.00 ID:WXuAsHkso


・・・


沙織「…以上、通信終わります」

沙織「…ふぅ…」

麻子「…はぁっ…はぁっ…」

沙織「麻子?」

麻子「…わ、私が…私のせいで…西住、さん…」ガタガタ

沙織「麻子っ!」ギュッ

麻子「あ…さ、沙織…」

沙織「大丈夫だから。麻子のせいじゃないから。ね」

麻子「あ…」




11: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:17:15.50 ID:WXuAsHkso



ピーポーピーポー


優花里「あ、私が付き添います!」

沙織「落ち着いたら連絡してね」

優花里「はい、お任せください」


ブロロロロ…


沙織「…みぽりん…」

華「大丈夫ですよ、きっと。信じましょう」

沙織「うん…」

麻子「…」

沙織「麻子。大丈夫だから」

麻子「あ、あぁ…」

沙織「(…そっか…麻子、ご両親を事故で亡くしてるんだもんね)」

沙織「(これで大丈夫って言う方がムリかぁ…)」




12: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:17:55.15 ID:WXuAsHkso


〜〜〜数十分後:大洗総合病院〜〜〜



沙織「みぽりんっ!」ガチャッ

みほ「…あ、みんな」

華「みほさん」

麻子「…に、西住さん…」

みほ「わざわざ来てくれたんだ。ありがとう」

優花里「西住殿…西住殿ぉ…」グスグス

みほ「優花里さん、私はもう大丈夫だから」

沙織「大丈夫だったの?その、頭の包帯は…」

みほ「うん、ただの脳震盪だって。ちょっと額が切れちゃってたけど…」

華「そう、ですか…」

みほ「これから精密検査だけど、何ともなければすぐ退院できるから」

沙織「もー!キューポラから乗り出すの危ないっていっつも言ってるじゃん!」

みほ「ご、ごめんね」

沙織「…でも、よかった…本当に、大丈夫そう、で…ぅぇ…」グスッ

みほ「…本当にごめんなさい、心配かけちゃって…」




13: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:19:13.74 ID:WXuAsHkso


麻子「う…」

みほ「…麻子さん、私は大丈夫だったから」

みほ「ごめんね…」

麻子「そんな…私が、あんな事故を起こさなければ、こんなことには…」

麻子「…っ…!ごめん…ごめんなさい…西住さん…!」

みほ「ううん、いいの。大丈夫。」

みほ「あれは砲撃で体勢が悪くなっちゃってたし、仕方ないよ」

麻子「しかし、砲撃に気を取られて前方不注意だったのは間違いないんだ、あれは…」

沙織「もー、いいの!麻子!」

沙織「みぽりんがこう言ってるんだから、麻子もあんま気にしちゃダメだよ」

麻子「…あ、ああ…」

華「元気そうでよかった…では、そろそろお暇しましょうか」

優花里「そうですね。西住殿、しっかり休んでください」

みほ「うん。今日はホントにありがとう。また学校でね」

沙織「うん。またね」




14: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:19:48.02 ID:WXuAsHkso


〜〜〜後日:大洗女子学園〜〜〜




桃「えー、それでは、これより本日の訓練を開始するが…」

桃「その前に、今日から隊長の西住が訓練に復帰することとなった」

みほ「みなさん、長く留守にしてごめんなさい」

梓「西住隊長、無事でよかった…」グス

あゆみ「河嶋先輩、大泣きしてたもんねー」

桃「うるさいっ!」

杏「まーまー、河嶋も心配だったんだもんね」

桃「…会長まで…!」

桃「ああもう!とにかく、もう二度と心配をかけるんじゃないぞ!」

みほ「ふふ、ありがとうございます」

桃「…ゴホン、今回はまず、2チームに分けて紅白戦を行い、西住の体調を確認することとする」

桃「全員、準備しろ」

みほ「それではみなさん、お願いします」




15: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:20:20.52 ID:WXuAsHkso


=====


沙織「準備いいよ、みぽりん」

優花里「こちらも大丈夫です!」

華「…フフ、弦罎鯑阿すのも、久しぶりですね」

麻子「こっちも大丈夫だ。いつでもいけるぞ」

みほ「了解です。他車両、用意できましたか?」

杏『あー、こちらBチーム。全車準備オッケーだよー』

みほ「わかりました」

みほ「…それでは、訓練開始します。パンツァー・フォー!」




16: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:20:59.86 ID:WXuAsHkso


沙織「…」

みほ「…?」

華「あら…?」

優花里「…?冷泉殿?」

麻子「…」

みほ「麻子さん?」

沙織「麻子?どうし…」

麻子「はぁっ…はっ…はっ…」ガタガタ

みほ「えっ…?麻子さん?」

麻子「に、にしずみ、さ…」ガタガタ

沙織「ちょっ…!どうしちゃったの!?麻子!!」

華「すごい汗…!」

麻子「ご、ごめ…ぁ…」フラッ

ドサ…

沙織「麻子!麻子ぉ!!」





17: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:21:34.64 ID:WXuAsHkso


〜〜〜〜大洗女子学園:保健室〜〜〜〜




麻子「…」

麻子「…ん…あれ…?」

沙織「…あ、起きた?」

みほ「麻子さん…」

麻子「ここは…保健室か?確か私は、さっきまで…」

沙織「うん…」

麻子「…っ…そうか、私は…」

麻子「…すまない、西住さん…」

みほ「ううん、私は何ともないの」

みほ「それより、麻子さんの方は…その、大丈夫?」

麻子「…ああ、今は、なんともない」

沙織「麻子…」




18: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:22:39.14 ID:WXuAsHkso


麻子「沙織も、すまなかったな。もう大丈夫だから…」

沙織「…やっぱり、この前の事故?」

麻子「ぐ…」

麻子「…こんな時にだけ、鋭いんだな」

沙織「だって、戦車に乗ったときは何ともないのに、みぽりんが乗ってからおかしかったんだもん」

沙織「私だって気づくよ…」

麻子「…そうか。そうだな…」

みほ「あの、麻子さん。私は大丈夫だったから…」

麻子「ああ、それはわかってる。わかってるつもりなんだ」

麻子「…だが、あの場所にいると、どうしても思い出してしまうんだ」

麻子「あの時、戦車で聞いた西住さんの悲鳴。何かが戦車にぶつかる、嫌な感覚」

麻子「それがずっと、頭から離れないんだ」

みほ「麻子さん…」

麻子「…西住さん…すまない」

麻子「…私はもう…戦車には、乗れない…」




19: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:23:26.58 ID:WXuAsHkso


沙織「…ま、麻子っ…」

麻子「沙織。すまない。私はもう…」

沙織「な、何言ってるのさ!これまで5人でやってきたじゃん!」

みほ「沙織さん…」

沙織「そんなの、ちょっと寝てれば忘れるって!ほら、1日くらい寝たいだけ寝てていいからさ!」

麻子「沙織…」

沙織「だって、私…」ポロポロ

沙織「うっ…うぇぇ…!」ポロポロ

みほ「…麻子さん…」

麻子「…」

みほ「…わかりました」

沙織「え…?」




20: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/03(金) 23:24:09.93 ID:WXuAsHkso


みほ「麻子さん、弦罎離泪縫絅▲襪蓮」

麻子「操縦席のポケットに…」

みほ「…」

沙織「ちょ、ちょっと、何言ってるの、みぽりん…?」

みほ「これ以上、麻子さんを無理に戦車に乗せるわけにはいきません」

みほ「操縦手は、別の人を探します」

沙織「…っ!みぽりんっ!!」

ガタタッ

みほ「…ごめんなさい…」

みほ「ごめん、なさい…」ポロポロ

沙織「あ…」

沙織「(…そっか。みぽりんも前は、戦車がイヤになって黒森峰から…)」

沙織「(…同じなんだ、みぽりんも、麻子も…)」

麻子「西住さん…ありがとう…」

みほ「…行きましょう、沙織さん」グスッ

沙織「あ、み、みぽりん…」

みほ「…さよなら、麻子さん…」

麻子「…あぁ」

麻子「さよならだ、西住さん…」


〜〜〜〜〜〜




34: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:21:17.89 ID:4BC16uRlo


杏「…そっか、冷泉ちゃんが…」

みほ「…」

桃「今週末には、聖グロリアーナとの練習試合が計画されていますが…」

杏「断るのも悪いし、冷泉ちゃん抜きでなんとかするしかないね〜」

みほ「…弦罎料狃勅蠅蓮∧未凌佑鯏たってみます」

柚子「…西住さん、大丈夫?」

みほ「私は、大丈夫です」

桃「し、しかし…」

杏「わかった。こっちでも探してみるね」

みほ「はい、ありがとうございます」

杏「んじゃ、週末はよろしく〜」

みほ「はい、失礼します…」


バタン





35: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:21:54.37 ID:4BC16uRlo


桃「に、西住…」

杏「かぁしま、やめときなよ」

桃「ですが…」

杏「西住ちゃんは優しいからね」

杏「戦車に乗って、冷泉ちゃんがこれ以上傷つくのが耐えられないんでしょ」

柚子「西住さん、辛そうでしたね…」

杏「まぁ、私たちもはやることやろっか。いろいろ手続きやら済ませないとね」

柚子「でも、それじゃ冷泉さんは…」

杏「…正直、大丈夫だと思うけどなー」

桃「え?」

杏「西住ちゃんは優しすぎる。これ以上冷泉ちゃんにお節介するのはイヤだろーけど」

杏「…いるでしょ。西住ちゃんよりもっと冷泉ちゃんの近くにいて、もっとお節介な子がさ」

柚子「あ…」

杏「ま、あの子がなんとかしてくれるっしょ」





36: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:23:01.73 ID:4BC16uRlo


〜〜〜戦車倉庫〜〜〜




ガララッ

麻子「…」

麻子「…沙織、いるか?」

沙織「あ、麻子。来てくれたんだね」

麻子「ああ、親友の呼び出しだからな」

沙織「うん、ありがとう」

麻子「…それで、何の用だ?」

沙織「えへへ、じゃん!見てこれ!」

麻子「…そのヘルメットがどうかしたのか?」

沙織「自動車部から借りてきたの。これで、落っこちても大丈夫だよね?」

沙織「私がキューポラに立つから、麻子は…」

麻子「…何かと思えば、やっぱりその話か」




37: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:23:41.93 ID:4BC16uRlo


麻子「言ったろ。私はもう戦車には…」

沙織「いいから、いいから」

麻子「…っ」

バシッ

沙織「あっ…」

麻子「…っ…!やめてくれって、言ってるだろ…!」

麻子「私はもうダメなんだ!もう動かせないんだ!」

沙織「…麻子」

沙織「…麻子、言ったよね」

麻子「え?」

沙織「戦車に乗ると、みぽりんの悲鳴が、事故のことが頭から離れないって」

沙織「…みぽりんが戦車道で知ってほしかったのって、そんなことなの?」

麻子「…」





38: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:24:26.95 ID:4BC16uRlo


沙織「みぽりんが知ってほしかった戦車道って、そうじゃないの」

麻子「…」

沙織「麻子が優秀だとか、優秀じゃないとか、そんなことじゃないの」

麻子「…」

沙織「私、親友と一緒に戦車道がやりたいの。麻子」

麻子「…私は…」

沙織「…」

麻子「…私だって、本当は…やめたくないんだ…」ポロポロ

沙織「麻子。分かるよ。分かってるから」

麻子「っ…!う…!」ポロポロ


ガララッ


沙織「え…?」

みほ「…沙織さん、麻子さん…」

沙織「みぽりん…」

華「水臭いですよ、沙織さん」

優花里「弦羸鐚屬錬疑佑覇阿すものじゃないですか」

沙織「華、ゆかりんも…」





39: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:25:00.92 ID:4BC16uRlo


みほ「…ごめんね、麻子さん」

みほ「あの時は、麻子さんの気持ちを分かったようなことを言って…」

みほ「本当は、麻子さんの気持ちを分かってなくて、諦めちゃって…」

麻子「そんな、西住さんは…」

みほ「…麻子さん。私、やっぱり麻子さんと一緒に戦車道を続けたい」

沙織「…麻子、ゆっくりでいいよ」

麻子「沙織…」

沙織「私たち、カウンセラーの先生じゃないから、こんなことわかんないし…」

沙織「でも、本当にゆっくり、麻子のペースでいいから、ちょっとずつ戦車に触ってみようよ」

沙織「最初は、操縦席に座って、それから、エンジンをかけて、操縦桿を握って…」

沙織「ちょっとでもイヤになったら、すぐにやめていいから」

麻子「…」

沙織「麻子。私…私たち、いつまでも付き合うから」

華「麻子さん」

優花里「冷泉殿っ!」

麻子「…っ…!」ポロポロ

麻子「沙織…みんな……」




40: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:25:43.96 ID:4BC16uRlo



〜〜〜後日:大洗学園艦〜〜〜




ダージリン「…ごきげんよう、杏さん」

杏「ごきげんよう、ダージリン様。また練習試合受けてくれて、ありがとね」

ダージリン「私の方こそ、感謝していますわ」

杏「んー?」

ダージリン「全国大会で優勝してからの大洗とは、1度戦ってみたいと思っていましたの」

杏「あー、そりゃ光栄だけどさー…」

ダージリン「何か?」

杏「今日はちょっと、期待通りの動きはできないかもねー」

ダージリン「みほさんのこと?」

杏「ありゃ、知ってたか」

杏「連絡はしてるけど、みんなまだ来てないんだ」

杏「そんでさ、弦罎禄猗でき次第動かしてもいいかな?」

ダージリン「私は構いませんわ」

杏「んー。あんがとね」

ダージリン「では、確認します。ルールは8対8の殲滅戦。場所は前回と同じ市街地付近…よろしくて?」

杏「ん、間違いないよ」

ダージリン「では、お互い良い試合にしましょう」




41: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:26:27.39 ID:4BC16uRlo


杏「はいはーい。注目ー。とりあえず、弦罎呂△箸ら動かして良いってさ」

カエサル「しかし、その間の隊長は誰が?」

杏「あ、そっか。んー…」

杏「まーせっかくだし、次期隊長候補の澤ちゃん、やってみる?」

梓「えぇ!?わ、私ですか!?」

みどり子「そうね。せっかくの練習試合だし、後進のことを考えるべきだわ」

典子「なるほど!スポーツも戦車も、後輩の育成は必要ですよね!」

梓「わ、私が…」

杏「やってくれるー?」

梓「…は、はい!みなさん、よろしくお願いします!」

あや「…西住先輩たち、どうしてるんだろう…」

左衛門座「しかし、今いない人のことを言っても仕方がない。この戦力でどうにかするしかあるまい」

エルヴィン「そうだな…」





42: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:27:52.99 ID:4BC16uRlo


〜〜〜同時刻:大洗某所〜〜〜


ゴゴゴ…

キキッ


麻子「…ふぅーっ…」

沙織「…麻子、大丈夫?」

麻子「…ああ、もう大丈夫だ」

華「試合開始まで、あと5分ですね…」

優花里「今、会長殿から連絡がありましたが、あとから参加でも構わないそうですよ」

みほ「ありがとう、優花里さん」

麻子「…西住さん、ちょっといいか?」

みほ「なに?」

麻子「…その…本当にすまなかった」

みほ「そんな…私がドジだから…」

麻子「いや、そのことじゃない。あの事故は仕方がない…とは言わないが、その後だ」




43: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:28:29.55 ID:4BC16uRlo


麻子「…長い間、迷惑をかけてしまったからな」

みほ「ううん、いいの。麻子さんが戦車を嫌いにならなくて、本当によかったと思ってるから」

麻子「沙織も、秋山さんも、五十鈴さんも、本当にありがとう」

沙織「ふふ、麻子にそんなまっすぐお礼を言われるの、何かくすぐったいな…」

華「いいんですよ、麻子さん」

優花里「私たち、友達じゃないですか」

麻子「ああ…」

沙織「…麻子、ずいぶん素直になったね」

麻子「そうか?」

沙織「フフ、普段からそれくらいだと良いんだけど」

麻子「沙織も、すまなかったな。面倒をかけて…」

沙織「麻子。もういいから。ね」

麻子「…あぁ」

みほ「…時間です、行きましょう」

沙織「もうちょっと遅刻気味だけどね…」

麻子「ちょっと飛ばすぞ、捕まってろ」




44: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:29:08.32 ID:4BC16uRlo


〜〜〜大洗vs聖グロリアーナ:練習試合会場〜〜〜



ドォーン!

みどり子「ごめんなさい!カモチームやられました!健闘を祈ります!」

梓「わ、わかりました!」

あゆみ「梓、状況は?」

梓「車両の数だと、現時点で4対6…それに、アヒルさんチームが追われてる」

あや「た、助けに行こうよ!」

梓「で、でも、ダージリンさんの戦車がさっきから見当たらないから、うかつに動いたら私たちまで…」


ドオォーン!


梓「あっ…!」

典子「すみません!アヒルチーム戦闘不能です!」

梓「あ…」

桂利奈「ど、どうする!?またやられちゃったよぉ!」

梓「(これで3対6…あんこうも入れれば4対6だけど、今残ってるのはカメさん、カバさんだけ…)」

梓「…やっぱり、無理だったのかな。私なんかに、西住隊長の代わりなんて…」




45: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:30:06.38 ID:4BC16uRlo


紗希「…」

桂利奈「…紗希?どうしたの?」

紗希「…弦罅

桂利奈「え?」



ゴゴゴゴ…!



梓「あ…!」

あゆみ「隊長っ!!」


みほ「…遅れてすみません、みなさん」

桃「お、遅いぞ西住!」

柚子「桃ちゃん、泣かないの」

桃「な、泣いてなぁい!」グスッ





46: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:31:04.31 ID:4BC16uRlo


みほ「状況は?」

梓「ここでアヒルさんチームがやられちゃいました…それから、こっちに2両、ここに1両…」

みほ「わかりました、ありがとうございます」

梓「あ、あの…」

みほ「え?」

梓「ごめんなさい、隊長…私、隊長らしいこと、何にもできなくて…」

みほ「ううん、大丈夫。私こそ、遅れてごめんなさい」

梓「すみません…お願いします!」

みほ「…麻子さん、とりあえずこの地点まで行けますか?そこでもう一度あたりを確認します」

麻子「わかった」


ゴゴゴ…!


杏「…ね。大丈夫って言ったでしょ?」

柚子「え?」

杏「さぁて、生まれ変わった冷泉ちゃんを見せてもらおっかな」




47: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:31:51.78 ID:4BC16uRlo


〜〜〜あんこうチーム待機地点〜〜〜〜



ゴゴ…

麻子「…ここでいいか?」

みほ「はい、ありがとうございます」パラッ

みほ「ここでアヒルさんがやられたとすると、ダージリンさんはおそらく…」ブツブツ

麻子「…ん…?」

沙織「…麻子?」

麻子「…」

沙織「麻子?どうしたの?」

麻子「…」

沙織「麻子、もしかして寝てない?」

麻子「…」

沙織「ちょっと、麻子?どうし…」

麻子「…西住さん」

みほ「え?」

麻子「捕まってろ」


グッ
ブォォン!

沙織「きゃあ!」

ドォォン!!

沙織「えっ!?何?何!?」




48: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:32:41.19 ID:4BC16uRlo


アッサム「…あら、躱されるとは思いませんでしたわ」

優花里「な、今、どこから打たれたんですか!?」

麻子「左後方の路地から砲塔出してる。とりあえず距離取るぞ、隊長」

みほ「えぁ?は、はい!」

ゴゴゴゴッ

麻子「…!」

ギギーッ!!

優花里「うわぁっ!!」

ドォン!!

華「今度は前…!」

沙織「ウッソ!今、急停車しなかったら当たってたの?」

みほ「麻子さん、なんで今…!」

麻子「…さぁな」

みほ「え?」





49: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:33:28.24 ID:4BC16uRlo


ダージリン「…聞いたことがありますわ」

オレンジペコ「え?」

ダージリン「操縦手さん。あなた、戦車の操縦の最中に、手足の感覚がなくなったことは?」

操縦手「ええっ…?なんの話ですか?」

ダージリン「一流の操縦手は、戦車をあたかも自分の手足のように操ると言われているわ」

ダージリン「そして、自らの体の感覚がなくなり、自分の意識のまま、戦車を動かすことができると」

ダージリン「それこそ、自らの手足がそのまま戦車とつながっているように」

オレンジペコ「今のあんこうチームが、そのような状態だと?」

ダージリン「操縦手の感覚が極限まで研ぎ澄まされ、視覚だけではなく、あらゆる感覚からあたりを把握できると聞くわ」

ダージリン「砲弾や履帯の音、鉄や油の匂い、周りの戦車が動いたときの振動…」

ダージリン「それらのすべての情報を認識し、まるで自らの戦車を俯瞰で見下ろすような状態になると」

オレンジペコ「え…?まさか、先ほどの弦罎瞭阿は?」

ダージリン「アッサムとその後の砲撃が回避されたのは、偶然でもオカルトでもないわ」

ダージリン「おそらく、履帯の音と地鳴りから戦車の位置を把握したのでしょう」

オレンジペコ「そんな、そんなことが…?」

ダージリン「…さぁ、どうかしらね」

ダージリン「ともかく、逃げられてしまったことは事実よ。次の手を打ちましょう」

オレンジペコ「…弦罅△気蕕忙坡甲榔に入っていきます。どうしますか?」

ダージリン「追いましょう。2号車、3号車は西側、4号車は東側から回り込んで頂戴。私は正面から行きますわ」




50: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:34:27.68 ID:4BC16uRlo


麻子「……」

麻子「(感じる。いや、何も感じないというべきか)」

麻子「(自分の体が、弦羸鐚屬涼罎僕呂韻討い)」

麻子「(…そうだ。この戦車は、私の脚だ。私の体そのものだ)」

麻子「(自分の体を動かすことに、何を恐れる必要がある)」


麻子「…!」

ブオッ


みほ「! 麻子さん!後ろ!」

ゴォォッ

ローズヒップ「今度は逃がしませんことよー!」

麻子「またか…」

ゴォッ




51: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:35:05.97 ID:4BC16uRlo


沙織「ちょ、麻子!この速度であれ曲がれるの!?」

麻子「問題ない。そこの電柱にシュルツェンをひっかけて旋回する」

優花里「えぇ!?」

麻子「西住さん、一度引っ込んでてくれ」

みほ「は、はい!」


ガッ
ギギギギギッ!!


みほ「きゃあ!」

ローズヒップ「えぁ!?あっ、ちょっ!げ、減速!減速ーっ!!」

ギィーッ! ドォォン!!
シュポッ

ローズヒップ「あぁー!申し訳ありません!ダージリン様ぁー!」





52: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:35:57.65 ID:4BC16uRlo


優花里「相変わらず、元気な方ですね…」

華「これで残り5両…これならなんとか…」

みほ「…っ!停車してください!」

ギギッ


麻子「…囲まれてる、か?」


ゴゴゴ…!

みほ「あれは…」

沙織「左に2両、右に1両、後方にも1両…正面は…」


ゴゴゴ…

ダージリン「…ごきげんよう、みほさん」

みほ「ダージリンさん…!」

華「完全に囲まれていますね…」

優花里「5対1…!」

麻子「どうする、西住さん」

ダージリン「…あなたが操縦手さん?」

麻子「…ああ」

ダージリン「…フフ、良いお友達を持ったのね、みほさん」

みほ「え?」

ダージリン「何でもありませんわ。始めましょう」




53: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:36:50.48 ID:4BC16uRlo


ダージリン「…ふぅ…」

オレンジペコ「ダージリン様?」

ダージリン「…紅茶、もう一度贈らなければならないかもしれないわね」

オレンジペコ「え?」

ダージリン「悔しいけれど…今日の弦罎砲蓮何回撃っても当たる気がしませんもの」



みほ「……作戦は、今お伝えした通りです。左側面から隙間を抜けて突破します」

みほ「その後、カバさんチームの前まで敵を誘導するので、そこで交戦しましょう」

優花里「あ、あの隙間を通すんですか!?」

華「ギリギリで弦罎歪未譴修Δ任垢…」

沙織「ずいぶん難しいこと言ってない?麻子、大丈夫?」





54: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:37:24.46 ID:4BC16uRlo


みほ「難しいのはわかってる、けど…麻子さん、やれますか?」

麻子「(信用、してくれるんだな。あんなことがあっても…)」

麻子「…問題ない。一度右にフェイントを入れて、すぐに左から抜ける。捕まってろ」

グッ

麻子「ふぅーっ…」


ゴゴゴッ


麻子「…行くぞ、弦罅


みほ「ではこれより、包囲網を突破します!」

みほ「―パンツァー・フォー!」





- 完 -




55: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:38:10.54 ID:4BC16uRlo


以上です。ありがとうございました

冷泉殿がトラウマを克服して覚醒する、って話にするのは決まってたんですが、
その辺の過程が死ぬほど難しかったので、だいぶ駆け足になってしまいました

本編サンダース戦でナオミ姉さんの砲撃に対し、西住殿の「停車!」の号令で回避していますが、
アレは西住流の第六感なんですかね…

前回と同様に、もう1レスだけ投下してHTML依頼を出してきます
今回は次のタイトルだけ予告しておきますね
それでは、ありがとうございました




56: ◆o8JgrxS0gg 2017/03/05(日) 21:38:52.65 ID:4BC16uRlo



 【 次 回 】

Girls und Panzer
 不惜身命の装填手 -秋山 優花里-




57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/05(日) 22:40:26.88 ID:yfl2ic3mO

乙でした。




58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/06(月) 01:21:10.61 ID:FMyGVYcu0

乙乙です!




不惜身命の装填手 -秋山 優花里-へつづく


・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
 【SS速報VIP】【ガルパン】身魂の操縦手 -冷泉 麻子-
【※殿堂入り】地上波で「マ●コが見えた」と伝説になったシーンがこちらwwwwこれはヒドイわwwww...
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