転載元:男「ヤンデレってなんだ?」


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278: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/14(火) 15:00:32.81 ID:eoBQUCnL0


――

――――

――――――



男「――よしっ、これなら完璧だろ……!!」


男「わ、我ながらこの計画表の完成度の高さに、体が震えてきやがったぜ……!」



土曜日計画表

AM
 5時 起床。準備ができ次第、妹と出かける。

 7時 少し妹を待機させる。隙を見て幼馴染との合流地点へ。妹と幼馴染の間を往復しながら、店の営業時間まで持たせる。

 9時 店が開いたら、二人とも中にいれて、理由を付けて二人から離れる。その時お嬢様との合流地点へ。

 10時 妹を帰らせる。できれば幼馴染も帰らせる。そして、映画館へ。

PM
 0時 お嬢様を家まで送り、急ぎ学校へ。

 1時 急いで補習を終わらせ、友との合流地点へ。喫茶店へ連れていく。

 3時 友を帰らせる。すぐさま幼女ちゃんを迎えに。

 4時 幼女ちゃんにおやつを食べさせる。そうすると眠くなるはずなので、寝させる。

 5時 女さんとの待ち合わせ場所へ。

 ?時 女さんが終わり次第、ヤンキーさんと海へ。



男「――完璧だ……! 完璧すぎる……!!」


男「朝が少し早いが……。まぁ、妹なら大丈夫だろう」


男「幼馴染とも買い物できるのが1時間しかないが、まぁ幼馴染なら大丈夫!」


男「後輩の映画がある関係で、どうしてもデパートに4人集めなければいけないが……。まぁ、それも仕方がない」

男「映画も始まってしまえば、後輩もそちらの方へ集中するだろうから、映画が何時間なのか分からないが、終わりにだけ合わせれば多少俺がいなくても大丈夫」

男「午後の補習も何時間かかるのかよくわからないが、きっと大丈夫」


男「……怖いのは女さんだな。す、少し動きが読めないからなぁ……」


男「だが、そのために女さんには少し余裕をもって時間を割く」


男「ヤンキーさんは、まぁ大丈夫だろう」



男「ふっふっふ……。むしろ明日が楽しみになってきたぜ……!!」






280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 22:22:54.72 ID:duZoUH3Oo

追い詰められた時って穴だらけの計画でもなぜかいける!って思っちゃうよね

なぜかね……




281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/15(水) 18:35:34.81 ID:A5Yi30o/O

>>280
多分逃避の一種で、「もしもの最悪な状況」をなるべく考えようとしないんだと俺は思う……




282: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/16(木) 15:59:51.61 ID:+ZGrtX7O0


男「――よし、なんとかみんなに連絡はしたぞ」


男「……まぁ、妹には朝に出掛けるとしか言ってないけど」


男「とはいえ、5時も朝であることに違いはない。ヤンキーさんにも、行ける時間になったら連絡するって言ったし……」


男「……やれるぞ! この計画ならやれる……!」


男「――おっと、もうこんな時間か……。明日は早い、もう寝るかな……」


男「………………」





男「あ、そうだ。ログインボーナス、今日もらってなかったな。危ない危ない……」ピッピッ

男「どうせなら、遠征任務もやっとかなきゃもったいないよな。明日できないかもだし……」ポチッ

男「うわっ、このキャンペーン今日までかよ……。しょうがない、これやったら寝るか」カチカチ

男「うーん? あ、これも――」




――――――

――――

――








ユサユサ


「……さんっ? …………兄さん?」


男「ん……んぅ……?」


妹「兄さん? まだ寝ていたんですね……。今日は朝から出かけるって、昨日言ってたじゃないですか」


男「え? あぁ、そうだよ……な」ウトウト


妹「しっかりしていただかないと……。それで、いつごろ出かけるんですか?」


男「時間? 時間は……」チラッ






  AM 6:48






男「」





283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 16:36:20.16 ID:eQxkODt7O

やっぱりかwwwwww




284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 22:00:10.98 ID:JTwNYTJbo

男アホスwwwwww




291: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/19(日) 21:22:40.61 ID:cEx5oymB0


男「」


妹「……兄さん? どうかしたんですか? ……あ、私とのデートが楽しみで寝れなかったって――」


男「――へあっ!? いや、なん、でもない……という……わけ、でもないん、だけど…………」チラッ




 AM6:50



男「い、いいいいいい妹よっ!!」アタフタ


妹「な、なんでしょう?」


男「いま、いますぐ出かけようっ!!」


妹「い、今ですか?? 私にもいろいろと準備が……」


男「大丈夫っ!! 妹はそのままでも可愛いからっ!!」


妹「――っ! ぁ……はい……」カァアア


男「よし、行こうっ!! い、いま、光速で着替えるからちょっと待ってろっ!!」


妹「……はい……」カァアア










―――とある公園


妹「――し、しかし、兄さん? こんな急がなくても……」


男「い、いやぁね! 妹と、少しでも長くデートしたくてさっ!!」イソイソ


妹「そ、そうですか……。それは……、うれしいですけど……」


男(えぇっと、幼馴染との待ち合わせ場所は、あっちだったよな……。時間は――)チラッ


 AM6:58


男(ま、まだ大丈夫……! いや、思わぬハプニングだが、まだ立て直せる……!!)


妹「……兄さんと、二人きり……」


妹「腕とか組んでも……」スッ





男「あー、急にトイレに行きたくなってきちゃったなー!! すぐ行ってくるから、妹はここで待ってて!!」ダッシュ




妹「え、あ、はい……」





292: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/19(日) 21:48:03.15 ID:cEx5oymB0

 
 AM7:00


幼馴染「……ちょ、ちょっと早く来すぎちゃったかな?」ソワソワ


幼馴染「でも、男とデートなんて……! もう、楽しみで寝れなかったよう……」


幼馴染「ふふっ、早く来ないかなー」



ドドドドドド



幼馴染「……え?」


男「ハァ、ハァ……ゲホッ。お……ハァ、おはよう、幼馴染……」ゼェゼェ


幼馴染「お、おはよう。た、たしかに早く来ないかなーとは思ったけど、そんな急いで来なくても……」


男「ハァ、は、はは……。早く、幼馴染に会いたくて、さ……ゼェ……」フゥー


幼馴染「男……! うん、私も会いたかった!」


男「は、ははは……」


幼馴染「でも、こんな時間じゃ買い物っていっても、店が開いてないよね?」


男「ま、まぁ、なんだ。たまには、幼馴染とゆっくり過ごしたいと思ってさ!」


幼馴染「あ、そういうことなんだ! そうだねー、最近は邪魔……な雌豚……がいて、あまり話さなかったもんね!」


男(なんか聞こえた)


男「そ、そーいうことなんだよー! さぁさぁ、ベンチに座って!」


幼馴染「うん!」


男「――おぉっと! なら、あれだな!! 少し俺は飲み物でも買ってこようかなーっ!! 幼馴染はここで待ってて!!」


幼馴染「あ、私も行くよ!」


男「いいいいいやっ、大丈夫だからっ!! な、幼馴染は疲れてるだろうから、俺が買ってくるよ!」


幼馴染「い、いや。どちらかというと、男のほうが疲れてる気がするけど……」


男「と、とにかく待っててな!」ダッシュ


幼馴染「う、うん……?」






294: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/20(月) 12:07:58.38 ID:NT9u4+dr0


妹「……兄さん……」ポツーン


…ドドドドドド


男「いやぁ、悪いな、妹!」ゼェゼェ


妹「いえ……。しかし、そんな息が切れるほど走らなくても……」


男「は、はははー! 妹のところに早く戻りたくてね!」


妹「……っ! や、やっと兄さんにも、妹を優先することの重要性がわかってきましたか」


男「ま、まぁな!」


男「とりあえず、ちょっと歩こうか」


男(大丈夫……! あとは計画通りに行けば……!!)


妹「なんだか、兄さんと二人っきりになるのって久しぶりな気がします」


男「えっ? そんなことはないだろ、一緒に住んでるんだから」


妹「そうなんですけど……。でも、そうじゃないんです」


男「そうか? まぁ、妹がいいならそれでいいけどさ」


妹「……いま、私たちはどんな関係に見られてるんでしょうか……」ボソッ


男「ん? なんか言ったか?」


妹「いえ……。……今日はデートなんですし、腕とか組んでも……」スッ




男「あ、あー! しまったなー、トイレに忘れ物してしまったー!! ちょっと取ってくる!」ダッシュ




妹「あ……はい」シュン




妹「………………」ポツーン


妹「………………」モジモジ









妹「ついでだから、私もトイレに行こうかな……」







295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 14:25:15.58 ID:MSdV5AIoo

あ、死んだな・・・・




296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 19:00:17.78 ID:SPMPxb4QO

これは男がどこまで持ち堪えられるかが見所だな…




297: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/20(月) 21:49:01.71 ID:NT9u4+dr0


幼馴染「――あ、男」


男「ハァ……ゼェ……。た、ただいま……」ゼェゼェ


幼馴染「そ、そんな自動販売機って近くになかった?」


男「あ、あぁ、ちょっと見当たらなくて……」


幼馴染「近くにあった気がするけどなぁ……?」


男「ほ、ほらっ! とりあえず買ってきたから!」


幼馴染「あっ……。これ、私の好きなやつ……。男、覚えててくれたんだ」


男「ん、まぁな。ってか、そう簡単に忘れられることでもないけどな」


幼馴染「ううん、でもうれしい。……だって、それを知ってるのは……、男だけなんだよ?」


男「そんな大げさな……。ほかにも知ってるやついるんじゃないか?」


幼馴染「そうかなぁ?」


男「まぁ、幼馴染の事を好きな奴とかさ。お前、結構人気高い――」



幼馴染「そんなの知らない」



男「あ……、う、うれしかったりとかはないのか?」


幼馴染「うれしくない。……ばか」


男「……?? まぁ、でも――」



ニイサーン
ドコデスカー?




男「――――ッ!!」


幼馴染「どうかしたの?」


男「あ、あぁ!! 急にトイレに行きたくなっちゃったなー! ちょっと行ってくるっ!!」ダッシュ


幼馴染「あ、わ、わかった……」




299: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/20(月) 22:25:43.51 ID:NT9u4+dr0


妹「――兄さん? ……いったい、どこに……?」


男「お、おぉ! どうしたんだ妹よ!」


妹「あ、兄さん。トイレに行ってたのではないんですか?」


男「い、行ってたよ? た、ただ、あれだ。ちょっと、妹に飲み物でも買っていこうと思ってな!! ほら!」


妹「あ、そういうことですか……。ありがとうございます、兄さん」


男「いやぁ、気にすることはない! さ、さぁ、あっちに行こう!」


妹「……? は、はい……」


男(あぶねぇ……! だが、いける。ここまでは順調だ……!)


男(やってやる。無事に明日を迎えて見せる……!!)







―――9時 デパート前


妹「あぁ、ここですか。たしかに、ここなら何でもそろってますよね」


男「……ハァ、そ、そうだろ? ……よ、よぉし、入ろうか……」


妹「……なんだか、兄さん。今日は忙しないですね」


男「そ、そんなことないぞぉ……。何も問題はない。オールクリアだ」ゼェゼェ


妹「そう、ですか」


男「い、妹は何が見たいんだ? なにか欲しいモノとかあるのか?」


妹「いえ、特にはないのですが……」


男「あ、アレとかどうだ? よし、あそこに行ってみよう!」グイッ


妹「雑貨屋ですか」


男「う、うん! 嫌いじゃないだろ?」


妹「まぁ、見てて飽きないです」


男「うんうん! ――う、うっ! きゅ、急に便意が……! い、妹はここで待っててくれ!」ダッシュ


妹「あ……、兄さん……」シュン




妹「兄さんと居ないなら、こんな所にいたって……」










300: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/21(火) 14:36:54.41 ID:pVt6H0ll0


幼馴染「――もぅ、どこ行ってたの?」


男「い、いやぁ、ちょっとね!」


幼馴染「……? なんか、今日の男は落ち着かないね?」


男「そんなことないさぁ! あ、あはは……」


幼馴染「ねぇ、男?」


男「ん、どうした??」



幼馴染「私に、隠し事とかしてないよね?」



男「…………当たり前、じゃないですか」シラー


幼馴染「……だよねっ! ほらっ、早く入ろう?」ガシッ


男「お、おう!」







幼馴染「――わぁ! ねぇ、これとかどうかな?」ヒラヒラ


男「あぁ、似合ってるよ」


幼馴染「男、さっきからそれしか言ってない……」プクー


男「い、いや、本当に似合ってるって!」


男(……マズいなぁ。早くお嬢様のところに行かないと……!)


男「あ、あー! ちょ、ちょっとお腹の具合が……! ちょっと――」


幼馴染「トイレに行ってくる?」


男「……う、うん」


幼馴染「……わかった。それじゃ、私はここで待ってるね?」ニコッ


男「あ、あぁ、ごめんな!」ダッシュ


幼馴染「………………」





幼馴染「………………」ギリッ






301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/21(火) 16:52:12.13 ID:k1TjV9Dco

これはまずい




308: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/23(木) 22:43:44.51 ID:utsK7nA80


男「――と、とりあえずは作戦通り……!」


男「だけど……さすがに無理があるような……。トイレ行き過ぎだしな……」


男「だ、ダメだダメだ! あきらめるな。午前中さえ乗り切れば、何とかなる……と、思うんだ……!」


男「……大丈夫、俺ならやれる……」


男「さて、お嬢様との待ち合わせ場所はあそこだったよな――」





お嬢様「――あ、男さんっ。こっちです」


男「あぁ、お嬢様。おは……よう……ございます……」


お嬢様「……? ――あぁ、すいません。こちらの人たちは、私の家の使用人です」


男「あ、へぇ〜……そ、うなんだ」


お嬢様「……もう結構です。下がりなさい」


「ですが……」


お嬢様「……もう一回言いましょうか?」ニコッ


「し、失礼しましたっ! で、では……」イソイソ


お嬢様「――では、男さん? エスコート、お願いしますね?」


男「あ、あぁ……、がんばるけど……。やっぱり、なんか住む世界が違うなぁって思っちゃうね」


お嬢様「そんなことありません。じきに男さんも…………あら?」チラッ


男「ん? どうかしたの?」


お嬢様「…………いえ――」



お嬢様「猫を、見つけまして」ニコッ



男「猫?? デパートの中なのに? 迷い込んじゃったのかなぁ……?」キョロキョロ


お嬢様「……どうでしょうね。ついてきたのか、邪魔しに来たのか」


男「邪魔?? ……よくわからないけど……?」


お嬢様「ふふっ、気にしないでください。ただの――」




お嬢様「 泥棒猫、ですから 」






309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 03:04:27.44 ID:cKH6m36vo

デパートが血の海に




311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 05:13:39.03 ID:sisXjwTyo

お嬢様なら痕跡を残さず消してくれるはず……




312: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/24(金) 09:52:51.31 ID:BIUm0TVv0


男「ははっ、魚でもくわえてたの?」


お嬢様「いえいえ。泥棒猫とはいっても、まだ何もできてないみたいです。まぁ、なにより――」




お嬢様「盗らせる気なんて、ありませんけどね」ニコッ




男「――ッ」ゾクッ


男(な、なんだろう……。たまにお嬢様って、すごく怖いんだよな……。そんなわけないのに、なんでかな……)


男「と、とりあえず行こうか?」


お嬢様「はい。……ふふっ、男さんっ?」ムギュ


男「ちょ、お、お嬢様!? そんなくっつかなくても――」



ドガシャァン‼



男「おぉうっ!? な、なんだ??」


お嬢様「大丈夫ですよ。……猫が暴れただけですから。――ほらっ、はやく行きましょう?」グイッ


男「う、うん……?」







お嬢様「――男さんっ、男さんっ! これは、これはいくらぐらいするものなんですか??」


男「100円だね」


お嬢様「それじゃあこちらは?」


男「それも100円」


お嬢様「これなんかも?」


男「100円」


お嬢様「こっちのはっ?」


男「それは200円」


お嬢様「えっ」


男(お嬢様が思いのほか100円ショップに食いついたなぁ……。ウィンドウショッピングってこういうのじゃない気がするけど……)


男(いや、まぁ好都合だ。この隙に二人のところに一旦戻るか……)


男「ごめん、お嬢様! 俺、ちょっとトイレに行ってくるから、ここで待っててくれる?」


お嬢様「あ、はい。わかりました」ニコッ




314: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/25(土) 09:38:42.48 ID:GsigQ6ru0


―――雑貨店

妹「――兄さん、今回はずいぶん遅かったですね」


男「あ、あぁ、ごめんな。ちょっと大物だったんだよ……」


妹「そうですか。……兄さん」


男「ん、どうした?」


妹「兄さんは…………」


男「おう」


妹「――……いえ、なんでもないです」


男「え、なんだよ気になるじゃん」



妹「私は、兄さんのことを尊敬してますし、信頼もしてます。いいんです、それだけで」



男「お、おぉ……、ありがとう……?」


妹「――兄さんも、たった一人の妹なんですから、一線を超えるぐらいの気持ちでいてもらわないと……」マッタク…


男「いや、それは超えちゃいけないもんだろう」


妹「私はかまいませんが」


男「あぁはいはい。……あ、しまったー! トイレに――」


妹「また忘れ物ですか? まったく……、待ってますから早くとってきてください」ヤレヤレ


男「お、おぅ! 行ってくるっ!」ダッシュ





妹「…………兄さんは、悪くないですよね」





315: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/25(土) 10:49:32.08 ID:GsigQ6ru0


―――服飾店

幼馴染「――あ、おかえり男」


男「た、ただいま……」ハァハァ


幼馴染「そんな急がなくてもよかったのに」ニコニコ


男「ははっ、い、一応ね……」


幼馴染「ねぇねぇ、男! これは似合ってると思う??」ヒラヒラ


男「白のワンピースか……。うん、すごい似合ってると思うぞ?」


幼馴染「本当っ?? じゃあ、これ買っちゃおうかな!」


男「いやいや、自分の好きなの買えばいいのに」


幼馴染「ううん。男が選んでくれた、これがいいの!」


男「……まぁ、いいけどさ」


幼馴染「……でも、すこし汚れが目立っちゃうかも」


男「白い服なんてそんなもんだろ」


幼馴染「まぁ、そうだよね。特に――」



幼馴染「赤い色なんて、すごい目立っちゃうよね」



男「……? まぁそれは目立つだろうな」


幼馴染「うん、でもいいの。男が似合うって言ってくれれば……」


男「ははっ、そんなに言ってほしいなら、別にいくらでも言ってやるよ」


幼馴染「……信じてるから」ボソッ


男「……あ、あー! ごめん、トイ――」


幼馴染「忘れ物? もう、男はこれだから……。待ってるから早くとってきなよ」


男「わ、悪いな! 行ってくるっ!」ダッシュ





幼馴染「…………男は優しいから……」




317: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/27(月) 13:24:58.27 ID:CJt0P71v0



男「――ハァ……ま、待たせたねお嬢様」ゼェゼェ


お嬢様「ふふっ、いえ大丈夫ですよ?」


男(よし、いい調子だぞ……! この調子で行けば、みんな笑顔で明日を迎えられるんだ……!!)


男(なんてことはない。ここまでやってこれたんだ。大丈夫、俺ならやれる。I CAN DO IT)


お嬢様「……さん。……男さん?」


男「――おぉっ!? ど、どうしたのっ!??」ビクゥ


お嬢様「そ、そんな驚くとは……。――いえ、これはいくらぐらいするものなのかな、と思いまして……」スッ


男「あぁ、それは1080円」


お嬢様「えっ」






―――デパート 9:50


妹「これなんか、兄さんの部屋にいいんじゃないですか? ほら、机とベッドの隙間にでも」


男「あぁ、確かにピッタリかも」


妹「これは、クローゼットの上の棚にでも置いとけば便利です。ほら、兄さん使わなそうなものって上の棚に投げ込むじゃないですか?」


男「たしかに――。って、なんでそこまで知ってるんだよ!?」



男(やっと……。やっとここまで来たぞ……)


男(だが、ここからが難所でもある。妹と幼馴染を帰らせなければいけないが……)


男(いや、大丈夫。心配なんていらないさ。なんせ、実の妹と、毎日のように一緒に過ごしてきた幼馴染だ。きっとわかってくれるはず……!)


男(…………大丈夫……かな)




318: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/27(月) 14:16:31.38 ID:CJt0P71v0


妹「それで、こっちのやつは――」


男「あ、あのさっ、妹!」


妹「はい。どうしたんですか?」


男「あー……っと……」


妹「……?」


男「か、帰らないか?」


妹「……はい?」


男「――あ、あれだよっ!! これから雨降るって言ってた気がしないでもないし! やっぱりこんな日は家でゴロゴロするに限るかなーって、そんな風に思ったりしてしまっただけなんだけどさ! いや、妹が帰りたくないっていうなら、まぁそれはあれだよ? アレだけどさ!!」アタフタ


妹「…………」ウツムキ


男(あ、これはマズい――)




妹「わかりました」ニコッ




男「ま、まぁ、そうだよな! だけど、そこをなんと――……え?」パチクリ


妹「わかりました。それでは帰りましょうか、兄さん」ニコニコ


男「あ、あー……。俺、ちょっと帰る前に寄りたいところがあって……。まぁ、あの、妹を連れていくほどのところでもなく……えっと……」


妹「そうですか。それでは、私は先に帰っていますね?」ニコッ


男「あ、うん……」


妹「どうしたんですか? 兄さん?」ニコニコ


男「い、いやぁ! なんでもないぞ、妹よ! そ、それじゃ家でっ!」ダッシュ


妹「はい、わかりました」ニコッ






妹「 寄り道は、しないでくださいね 」






319: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/27(月) 14:40:43.07 ID:CJt0P71v0


――服飾店

幼馴染「――わかった。急な用事ができちゃったなら仕方ないよね……」


男「あ、あぁ、本当にごめんな?」


幼馴染「ううん。男と少しでもお買い物できたのが、私はうれしいから」ニコッ


男「今度さ、別の形で埋め合わせするよ」


幼馴染「本当っ? あははっ、男は本当に優しいね?」ニコニコ


男「そ、そんなことはないよ! そ、それじゃ、俺は行くから!」


幼馴染「うん。気を付けてね?」ニコニコ


男「おうっ!」ダッシュ



幼馴染「…………優しいね――」ボソッ



幼馴染「 でも、雌豚達にまで優しくしちゃダメなんだよ? 」



幼馴染「男は、私にだけ優しければいいの」


幼馴染「……でも、しょうがないよね。それが男のいいところだもんね」


幼馴染「……雌豚どもが悪いんだよね? そいつらがいなくなれば……」


幼馴染「本当、邪魔だな……」


幼馴染「絶対わたさないんだから……!」




321: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/27(月) 22:19:26.22 ID:CJt0P71v0


男「な、なんかヤケに二人ともすんなり終わったな……」

男「まぁ、なんだかんだで早く家に帰りたかったのかもしれないなっ! しかし、これは僥倖だ。この調子で行けば……!!」

男「よしっ! 頑張るぞ!」

男「さて、次は後輩か…。ふっ、まぁ簡単だろう」

男「映画が始まってしまえば、もう隣に誰が居ようが関係ないしな。適度にお嬢様との間を往復すれば、もう大丈夫だ」

男「もう山は越えた。幸せな明日が、俺を待っているぞっ!!」イヤッホーウ






―――映画館


男「――さて、とりあえずお嬢様と別れて映画館着たけど……。後輩がいないな……」


男「たしか、このあたりで……」


後輩「せーんーぱいっ!!」ダキッ


男「うぉうっ!? あ、あぁ後輩か……。ど、どこでもやることは変わんないのな……」ドキドキ


後輩「ふふーんっ! 一日一回はやらないと気が済まないです!」


男「それはまた、はた迷惑な」


後輩「いやー、それにしても! 休日に会う先輩というものもいいですねっ。なんだか新鮮な感じがします!」


男「確かにな、あまり休日に会うことはないもんな」


後輩「そうですねー。……『会う』ことはないですもんね」


男「――で? そういや、結局何の映画を見るとかってのも、俺は知らないんだが……」


後輩「はいっ! 先輩に、ちょっとサプライズ感を出そうと思って!」


男「ほうほう。して、どんな映画なんだ?」


後輩「じゃじゃーん! これですっ!」



『父さんと犬』



男(……なんだこの、まったく惹かれないタイトルは……)


男「あ、あぁ……。聞いたことなかったけど、これは有名なのか?」


後輩「有名か有名じゃないかと問われれば、有名じゃないと応えるしかないですね」


男「な、なんでこれを……? ま、まぁいいか。いったい何時間なんだ――?」




 上映時間:4時間




男「」




325: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/28(火) 14:44:57.61 ID:zHBM3GIO0


男「な、なかなかあれだな。長いんだな……」


後輩「はいっ! 私の理想にぴったりなんですよ!」


男「え、理想?? どういう……――」


後輩「まぁまぁ! とりあえず中に入りましょう? ほらほらっ!」グイグイ


男「お、おぉ……」


ギィィ
バタン


後輩「――この映画のいいところはですね。まずはその上映時間です」


男「あぁ、長いな。こんなの初めて見たぞ」


後輩「ですよねー。まぁ、他にもあるんですよ」


後輩「次にそのストーリーですね」


男「ほう。4時間かけるだけの価値があるということか」


後輩「あははっ、全然ですよ。山もなければ、谷もない。ただ、おっさんと犬が戯れてるだけの映画です」


男「……へ、へぇー。で、でもなんか、感動するポイントとかがあったり……?」


後輩「いやぁ、そんなのもないです。でも、逆に言うと静かなんですよねっ!」


男「あぁー……」


後輩「ほらっ、映画ってやっぱりドカーンとか、大きな音が鳴ったりするじゃないですか?」


男「まぁ、そういう映画だと鳴るよな」


後輩「そういうのがなくて、まるでBGMを聞いているかのような感じなんですよね」


男「……それは、映画としてダメなんじゃないか……?」


後輩「まぁまぁ! それでですね……――あ、この席です」ストン


男「おう」


後輩「それで、何よりもいいところはですね〜……?」


男「何よりもいいところは……?」







後輩「私たち以外、誰もこの映画を見に来ないってとこです」ニコッ












327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/28(火) 19:47:41.91 ID:BELul6hVO

((((;゚Д゚)))))))




328: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/29(水) 15:02:44.12 ID:3XOvdKcJ0

男「……えっ?」


後輩「素敵ですよね――?」



後輩「4時間、先輩と二人っきりだなんて」ニコッ



男「――ッ!」ゾクッ



後輩「あははっ! やっとこの時がきたんですねっ!」

後輩「私、どれだけ今日を楽しみにしてたと思います?」

後輩「ずーっと……。ずーーーーっと前からです」

後輩「毎日毎日、先輩と登校するのも楽しいですけど、やっぱりそれだけじゃ足りないんですよ」

後輩「はぁー……。でももう一年早く生まれたかったなぁー、って思うときは多々ありますね」ウーン…

後輩「そうすれば、ほかの誰にだって先輩をとられなんかしないんですけど……」

後輩「でもでもっ! こうして、後輩として出会えたってこともうれしいんですけどねっ?」ニコッ


男「あ、あはは……。そんなに後輩に懐かれてると――」



後輩「懐く? 違いますよ。愛しています、先輩」



男「え……。――じょ、冗談やめろって! そ、そうだ、俺なにか飲み物でも買って――」グッ


後輩「先輩」ガシッ


男(あ、あれ、後輩につかまれた腕が動かない……。こいつ、こんなに力強かったのか……??)


後輩「先輩って、鈍いですよね……。もう、鈍感すぎてこっちがどうにかしちゃいそうですよ」


男「こ、後輩……?」


後輩「――まぁ、もう関係ないですけどね。……逃がしませんから」ググッ


男「ちょ、こ、後輩――!!」



後輩「なーんて! そんな風にやるつもり、だったんですけどねぇ……」



男「……え??」


後輩「どうやら、私たち以外にもお客さんが来ちゃったみたいです」ハァ…


男「あ、お、客さん……?」チラッ



妹「面白そうな映画ですね、兄さん?」


幼馴染「男と映画っていうのも何年ぶりかなぁー?」


お嬢様「ふふっ、男さんも誘ってくれればいいのに」ニコニコ



男「」




329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/29(水) 15:55:52.24 ID:pxbXJODPo

修羅場にもほどがあるww




330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/29(水) 16:49:02.32 ID:tNRByo9hO

これはもう失禁レベルの恐怖……




331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/29(水) 21:15:10.96 ID:qSmbyws2o

逆に考えるんだ……ここを切り抜ければ明日を迎えられるんだ……




332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/30(木) 12:53:07.97 ID:qBTrTTOSO

ぞっとするぜえ…
おらわくわくしてきたゾ




333: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/04/30(木) 16:02:00.70 ID:qB7rZ1pA0


男「…………あ、あれ、妹さん……。か、帰ったのでは……?」ビクビク


妹「なんだか急に映画が見たくなっただけです。まさか、兄さんがこんなところにいるとは、思ってもみませんでしたけど」


男「お、幼馴染も……」


幼馴染「私も映画が無性に見たくなっちゃってね? 男がいるとは思わなかったけど」ニコッ


男「そ……そっか。……ぐう、ぜんだね……」ガタガタ


お嬢様「この映画、なかなか面白いですね? 男さん?」ニッコリ


男「ウ、ウン、ソウダネ……」


後輩「はぁ……。先輩方と妹さん? せっかくの私と男先輩の時間を邪魔しないでほしいんですけど……」


幼馴染「あぁ、後輩ちゃん? ……学校の中でだけなら見逃してあげたのになぁ」


妹「……邪魔ですか。私と兄さんが一緒にいることが、一番自然なことだと思いますけど」


お嬢様「『兄さん』……? ――あぁ、男さんがこの前話していた義妹さんですね。私、仲良くなりたかったんですよ」


妹「そうですか。私はなりたくないですが」




後輩「…………」ムスッ


幼馴染「…………」ニコニコ


妹「…………」ツーン


お嬢様「…………」ウフフ



サァ、オイデポチ
ワンワン‼
ハハハハ――




男( 逃げ出したい )






334: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/02(土) 09:34:05.42 ID:i3dXAEYJ0


男(落ち着け。落ち着くんだ俺……)


男(どうすればいい? いや、もう結構どうしようもない気がするけど……)


男(ダメだっ! ポジティブに考えるんだ……。あれだ、とりあえず過去は振り返らないようにしよう。もう後悔しかない)


男(今の時刻は10時半。12時には学校に行かなければいけない。そして映画は14時までだ……)


男(あと1時間半のあいだに何とかしなければ……!!)



オイ、ポチ‼ ドコヘイクンダ‼
ワン‼
カエッテコーイ‼




男「い、いやー! じ、実はさ、みんなで一緒に遊ぼうと――」


妹「やけに、朝から兄さんがコソコソしているな、とは思ったのですが……。だから一昨日はあんなことを言っていたんですね。……友、という人はいないようですが」


男「さ、サプライ――」


幼馴染「おかしいって思ってたんだ。最初に会った時は、妹ちゃんの匂いがしてもしょうがないかなーって思ってたのに、ずーっとするんだもん」


男「みんな、な、仲良く――」


お嬢様「私も、猫が三匹もいるとは思ってませんでした……」


男「あ、あの――」


後輩「やっぱり、先輩は人気者ですねー? ――でも、負ける気はしません」



ポチ…ドコヘイッタンダ…
ワン‼
…‼ ポチ、ポチナノカッ?
イエス



男( 逃げよう )グッ



ガシッ



妹「どこへ行くつもりですか兄さん?」


幼馴染「まさかトイレじゃ、ないもんね?」


お嬢様「まだ、映画は終わっていませんよ?」


後輩「先輩っ? とりあえず座りましょう?」




男「ま、待って……話せば、話せば分かり合えるっ! みんな仲良く! ね!?」






335: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/02(土) 14:08:07.39 ID:i3dXAEYJ0


妹「『分かり合う』? ……そんな必要あるのでしょうか?」


お嬢様「義妹さんとならわかりますが……。それ以外は必要ありませんね」


妹「そこも必要ないです」


後輩「そうですよねー? ……男先輩以外はいらないんですよ」


幼馴染「男は優しいから……。だから、男は何も悪くないよね?」


男「み、みんな……?」





妹「そうですね。兄さんは何も悪くありません」ギロッ


後輩「先輩は鈍感で、お人よし過ぎるんですよーっ」ハァ・・・


幼馴染「男の事、一番わかってるのは私なんだから……!」ググッ


お嬢様「ふふっ、みなさん……。何をしたって無駄だと思いますけど」ウフフ






ショクン、ワタシハセンソウガスキダ
ワン‼
クソノヨウナセンソウヲノゾムカ?
クリーク‼
ヨロシイ、ナラバ―








「「「「……………………………………」」」」










妹「――……え?」


幼馴染「あれっ??」


お嬢様「あら……」


後輩「あちゃー……」


――――――

――――

――




男「何とか逃げれたけど……。今日、家帰れないよなぁ……」トボトボ





338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 22:08:38.72 ID:AfjZH939o

よし、予定通りだな




339: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/03(日) 20:21:59.56 ID:6Ff/pOj70


男「――いやいやっ! もう起ってしまったことはしょうがない!」


男「あとは、時間が解決してくれる……と、いいな」ハァ…


男「予定も、午前中のミスは午後には関係ないし。……よし、学校に行くかっ! それでさっさと終わらせよう……」





―――学校


先生「――ってこと。どうかな?」


男「ま、マジですか……?」


先生「うん、マジ。男君も補習がすぐに終わるかもしれないし、私も用事があるし、早く終わりにできたらうれしいからさ?」


先生「――問題数は2問! どっちも解ければ、補習は終わり」


男「数学ですもんね……。それならいける、かな……?」


先生「うんうん。男君は理数系だもんね?」


先生「ただ、それもできないようだったら……。もう徹底的に、先生の家で勉強を教えてあげる」


男「ヴ……。……で、でも! すごく難しい問題……とかじゃ、ないですよね??」


先生「先生がそんな問題出すと思う?」


男「え……。むしろ、思わないとでも思ってたんですか?」


先生「はぁ……。男君は疑り深いなぁ……」


男「そういう環境を作り上げたのは、先生じゃないですか!」


先生「――わかった。それじゃあ、これから出す予定の、その2問を男君に見せてあげる」


先生「男君は、見てから受けるか受けないか、選んでいいよ」


男「本当ですかっ!?」


先生「ただしっ! ずっと見られちゃうとさすがにズルいから、10秒だけね?」ニコッ


男「あ、ありがとうございますっ!」


先生「1問目は普通の問題。2問目が証明問題になってるからね? それじゃあ、はい――!」ヒラッ



問1

Xⁿ+Yⁿ=Zⁿ

この式が成り立つ、X・Y・Z・nに当てはまる数字をすべて答えよ。ただし、数字は1以上の自然数とする。


問2

上記の式で、nの値が3以上の時――



男(あ、よかった……簡単そうだ!)




344: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/05(火) 14:12:14.16 ID:jz6CWT0H0

先生「――はい、終わり」ピラッ

先生「どう? 受けてみる? それとも、普通に補習する?」


男「……受けますっ!」


先生「よろしい」ニコッ

先生「それじゃ、時間は30分間で。……始めっ!」


ピラッ


男(俺ならできる、俺ならできるはずだ……!)

男(えぇっと……、当てはまる数字か……。うーん……)

男(――おっ! Xが3で、Yが4。Zが5で、2乗なら大丈夫じゃないか??)

男(よしよしっ! この調子で行けば、楽勝だ……!!)


先生「…………」ニコニコ



―――20分後


男(――あっれぇ……?? なんだこれ……。ぜんっぜんわかんねぇ……)


先生「残り10分」ニコニコ


男「うっ……。せ、先生、こんなの授業でやりましたっけ……?」


先生「残り9分45秒」ニコニコ


男「あぁ……はい……」


男(大丈夫! 何を焦る必要があるのだ……。考えればわかるはずだ、落ち着いて、冷静に……)


男(……………………)




男(いや、ダメだ。これ、わかんねぇ)


―――試験終了


先生「――はいっ! それじゃ回収するね?」


男「…………はい」


先生「さーて……。どんな感じかなぁ……?」


問1
X=3 Y=4 Z=5 n=2


問2
 答えを書こうと思いましたが、書くためには余白が足りず、断念いたしました。



先生「…………ある意味正解かな……」ボソッ


男「え、えっ、なにか言いましたっ??」アセアセ




347: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/08(金) 10:18:52.86 ID:XZd6JF9a0

先生「――いや、なんでもないよ? ……それじゃあ、男君?」ニッコリ

男「…………」ガタガタ

先生「これの答えは、先生の家でゆっくり聞いてあげる、ね?」

男「ま、マジですか…………。普通に補習受けとけばよかった……」ガックリ

先生「まぁ、そんなこともあるよ――」


先生「それじゃ、行こうか?」ガシッ


男「へっ?? ……い、今からですか??」

先生「そうだよ? 何か問題があった?」

男「いやいや! それはあまりにも急というものではありませんかっ!?? せ、せめて来週とか……」

先生「ダメだよ。こういうことは、思い立ったときにヤらないと」

男「とは言っても……」アセアセ

男(しかも、先生に掴まれた腕が動かない……)

先生「ほーらっ。抵抗しないの……」グイッ

男「きょ、今日は別の用事も入ってて! そっちにもいかなきゃなんですけど!」


先生「別の用事? どんな用事かなぁ?」


男「えぇっとぉ…………。友達と、遊ぶ、約束が……」

先生「学生の本分は勉強です。ほら、もう行くよ?」グイグイ

男「い、いやぁ……。……す、すいません先生っ!!」ドンッ

先生「きゃっ……!」ドサッ

男「本当にごめんなさいっ!! 月曜日に何でもするんでっ!!」ダッ

男(しょうがない! これはしょうがないことなんだっ!! とりあえず、友のとこに行かなくちゃ――)



ガチャガチャ



男「あ、あれ、開かない……!? な、なんで??」ガチャガチャ


先生「……この教室の扉は、内側からも鍵で開けるようになってるの。……だから、コレがないとここからはでれないんだよ?」チャリン


男「あ、あはは……。知らなかったなぁ……」ガタガタガタガタ


先生「痛かったなぁ……。でも、しょうがないからもうココでいいかな? 私も、男の子引っ張っていくほど力もないし……」


男「い、いや、それは本当に申し訳ないんですけどっ! で、でも、あの――!」


先生「それじゃ、男君。しよっか?」ニッコリ


男「え、え!? 勉強をですよねっ?? あぁもう、誰か――!!」


先生「無駄だよ、今日は誰もいないから。今日というこの日のために、ずーっと準備してきたんだだから……」ヌギヌギ


男「ちょっ、なんで、服を……!!?」




先生「抵抗したかったら、抵抗していいからね? でも、男君は優しいから……。もう、私のこと突き飛ばしたりしないよね?」






348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/08(金) 11:35:43.45 ID:LUT4WlVRO

もう絶体絶命?やん……




351: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/09(土) 16:01:03.76 ID:UV27tjvV0


男「せ、先生……、なんで……?」


先生「なんで? それは男君が大好きだからだよ。ほかに質問は?」ニッコリ


男「だ、大好き……えっと……冗談、じゃない……ですよね」


先生「ダメかな? 教師失格かな? ……でもね、もう我慢できなかったんだ」


先生「男君の周りって、女の子ばっかりなんだもん。友さんも、幼馴染さんも、女さんも、先輩さんもお嬢様も委員長さんも……。あ、あと後輩さんもかな?」


先生「最近はヤンキーさんとも一緒にいるようになっちゃって……。やっぱり、先生って立場じゃ難しいよね」



先生「――でも、もう決めたの。男君は、私が養ってこうって」



男「や、養うって……」


先生「私なら、男君を一生守っていける。……大丈夫、心配しないで?」


先生「家に来れば男君の部屋もちゃんとあるし、もちろんご飯だって作るよ」




先生「男君……だから、ね?」ニッコリ



男「――ッ!」ゾクッ


男(先生が近寄ってくる……。先生の様子もなんだか変だし……、どうにかして出れないのか……!?)


先生「大丈夫だよ? 先生が優しくリードしてあげるから」


男「あ、あはは……。……そうだ……花壇……」ボソッ


先生「えっ?」


男「……ご、ごめんなさいっ! また月曜日学校でッ!!」ダッ


先生「お、男君っ!? そっちは窓――!」


男「うおぉおおおおお!!」ガッ


ドシャァ‼


男「し、死ぬかと思った……。教室が二階でよかった……」


先生「だ、大丈夫っ……?」


男「大丈夫ですっ! そ、それじゃっ、さようなら〜!!」ダッシュ


先生「男君…………」



先生「…………三階にしとくべきだったなぁ……」ハァ…





352: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/11(月) 21:23:10.55 ID:ZVA0U3Qv0

男「はぁ……はぁ……。ここまでくれば……、何とか……」


男「……先生の下着姿……」


男「――い、いやいや!! 俺は何を……」カァアア


男「しかし、先生はどうしたんだろう……。なにか、つらいことでもあったのかな……」


男「――まぁ、それは今日が終わってから考えよう。……えぇっと、今の時間は……」


PM 12:57


男「……なんだ、計画通りじゃないか! さすが俺だぜっ! あーっはっはっは――」


男「……は……はは……」


男「はぁ…………」ガクッ


男「…………次、行くか……」トボトボ


男「――しかし、友のところも少し距離があるんだよなぁ……」


男「近道していくか。林の中を突っ切ることになるけど……、しょうがない」


男「――……できるだけ、明日からのことは考えないようにしよう……」





「――あっ……。お、男!」


男「え? ……あぁーっと……なにか?」


男(誰だろう? どっかで見覚えのあるような……。いや、でもこんなかわいい人知らないよな……)


「な、なにかとは何さっ!? ……ボクが……せっかく……」ボソッ


男「この声……。――えっ!? と、友……か??」


友「はぁっ!? そうに決まってるじゃないか! ……もう、冗談でもたちが悪いよ?」


男「あ、あぁ……。そ、そっか、その服……、この前買ったやつだもんな」


友「そ、そうっ! ど、どう……かな……?」


男「……すごい似合ってるよ。いつもの友と雰囲気が違うから、気付かなかった……」


友「そ、そっか、似合ってるならいいんだ……」エヘヘ…


男「はは…………」


友「………………」


男「………………」


友「…………あ、あはは…………」モジモジ


男「あはは………………」オロオロ




356: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/15(金) 15:02:57.86 ID:xGsraxa00


男「…………」ソワソワ


友「…………」ソワソワ



シーーーン…



男「――あぁ、もう! じゃ、じゃあ行こうか!!」


友「そ、そうだねっ!! 行こう行こう!」


男「い、いやー! それにしてもいい天気だな!」


友「そうだねっ! いい天気だね!」



男「こんな天気のいい日は、テンキーでも買っちゃおうかなー!」ドヤッ



友「……………………」


男「ごめん」


友「いいよ。……しかし、男からそれ聞いたのたぶん4回目ぐらいなんだけど」


男「これ、結構好きなんだよな」


友「別にそれはかまわないけど、それを聞いたボクはどうすればいいのさ」


男「笑えば――」


友「あーはいはい」


男「最後まで言わせろよっ!? まったく……。……ぷっ、はははっ!」


友「ははっ、あはははっ! ……やっぱ、男とはこうでなくっちゃだよね」


男「おう、そうだな……! なんか、今日はいろいろありすぎて、少し疲れてるみたいだ」


友「へぇー、そうなんだ……」




友「――で、いろいろってなに?」




男(あ、墓穴掘った)





358: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/18(月) 15:58:24.34 ID:VL+lR0370


男「あぁー……。い、ろいろは、いろいろさー……」


友「…………ふぅーん」ジトー


男「あ、あはは……」


友「……………」


男「……………」ダラダラ



友「――まぁ、いっか」



男「え?」


友「ほらっ、時間がもったいない! 今日はどこに連れてってくれるんだい?」ニコッ


男「あ、あぁ、よしっ行こうか!」


友「おー! あははっ、ボク、男がどんなところに連れてってくれるのか、すごい楽しみだったんだよねっ!」ルンルン


男「ふっふっふ……。まぁ、期待して待っていることだなぁ……。必ず、友の想像を裏切って見せるぜっ!」


友「へぇー。……悪い方じゃなきゃいいけど――」ハァ…









友「――美味しいっ!」


男「だろっ?」ドヤッ


友「……そのドヤ顔が、どうにもムカつくけど……」


友「――でも、確かにいい喫茶店だね? たしかに、想像を裏切られたよ」


男「ははっ。まぁ、それはよかったよ」


友「それにしても、どこでこんなお店知ったんだい?」


男「まぁ、なんだ。いい男っていうのは、こういう店を嗅ぎ付けてしまうも――」



 「おぉ、男君じゃないか。……あれ、今日はお母さん達と一緒じゃないんだねぇ?」



男「――の、なん、だよ……。……あ、はは、こ、こんにちは……」


友「……へぇ〜。いい男……ねぇ」ニヤニヤ


 「おっと、今日は彼女さんが――」


男「――とりあえず黙っときましょうか店長??」ニコニコ




359: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/05/19(火) 14:54:13.83 ID:MD/rvV0o0

友「か、かかか、彼女ってっ!! そ、そんなわけないじゃにゃいですかっ!」


男「あー、かまわなくていいよ。店長は、俺の姉にも妹にも同じこと言うんだから……」


友「…………へー」ゲシッ


男「えっ!? なんで蹴ったのっ!??」ビクッ


ソレジャ、ゴユックリー


男「――まぁ、そういうことさ。……でも、本当におすすめのとこなんだよな」


友「……うん。ボクもこういうところ、好きだよ」


男「『誰もつれてったことのないところ』ってのとは、ちょっと違うかもだけどな。……ただ、ここってあまり多くの人に知ってほしくないんだよな」


友「ははっ、じゃあ男はそんな大事なお店を、ボクに教えてくれたわけだ」


男「まぁ、そうなるな。気に入ってくれたようで何よりだ」



友「うん、うれしい……」ニコッ



男「お……おう…………」


友「えへへ………………」ニコニコ


男「………………」


友「………………」


男「………………」


友「………………」



男(あれ、なにこの雰囲気)





友「――そ、そういえば、男ってさ?」


男「お、おう、どうした??」


友「ここに来るとき、どこ通ってきたんだい? パッと見た感じ気付かなかったけど、服にいろいろついてるよ?」


男「えっ? ……あぁ、ほら――」


男(――いや、あの林を突っ切る近道は、遅刻常連のやつらにとっては有名な道だけど……。それを言ったら、なんでそんな急いでたんだ、って話になるよな……)


男「……木登り、してたんだ」


友「は? …………頭でも打ったの?」


男「あぁー……打ったかもな」シミジミ


友「…………?」




360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 20:19:09.77 ID:LQiXdArqO

さぁ〜てあとどれだけ逃げ切れるのか(ゲス顔)




367: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/18(木) 10:46:19.47 ID:L8VhkUthO

――― PM 2:50

男「――なんてことがあったんだよ」


友「あははっ! へぇー、そいつはまた面白いことがあったもんだね」


男「なかなかの災難っぷりではあったけどな……」チラッ


男(……そろそろ時間か。だ、大丈夫、友ならきっと……)


友「…………」ニコニコ


男(……まぁ、1・2発殴られるのは覚悟しとこう)


男「あ、あー、もうこんな時間になっちゃったなー」


友「え? ……本当だ、気付かなかったよ」



男「よ、よしっ。そろそろ帰るかっ!」



友「…………は?」


男「と、友とはいっつも遊んでたりするしさっ! 別に今日じゃなくてもいいっていうか、その、あれだっ!! また別の――」


友「……はぁ……」ヤレヤレ


男「……っ」ビクッ


友「……男は、なにか他にやることがあるんだね?」


男「い、いやー!?? べつに、そういうわけじゃ――!」


友「………………」ジー


男「…………はい」


友「正直でよろしい。…………わかった」


男「え……?」


友「大事な用なんでしょ? ……なーんか、最初会った時から様子がおかしいなぁ。って、思ってはいたんだけどさ」


男「あ、あぁ……」


友「ボクは、今日これだけ男と一緒に――。じゃ、なくてっ! ……こんないいお店も教えてもらったし。ボクは満足だよ」アセアセ


男「ごめん……。今度、今度はもっと違うとこ行こうぜっ! 来週でも……、二人とも暇だったらさっ!」


友「うん、そうだね。楽しみにしてるよ」ニコッ





男「しかし、ちゃんと別の友達とも遊んだ方が――」

友「…………」バキッ

男「とても痛いッ!??」ビクッ






368: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/18(木) 10:48:42.23 ID:ezkMinhKO


男「――よかった……。すんなり帰ってくれて……」


男「でも、友は電話した時からなんか怪しんでた様子だったから、ぜったい怒ると思ったんだけど……」


男「まぁいっかっ! よぉし、次は幼女ちゃんのところだなっ! ここまでくれば、もう楽勝だろ」


男「……………………」


男「でも……、今日どこで夜を越せばいいんだ……」ズーン







幼女「おとこーっ!」ガバッ


男「おっ! 幼女ちゃん今日も元気だね!」


幼女「うんっ! 早くおとこに会いたいなーって思ってたの!」


男「ははっ、そっか。よし、それじゃさっそく行こっか?」


幼女「どこに行くのー?」


男「うーん……。幼女ちゃんはどっか行きたいところとかある?」


幼女「あそこっ! おっきなとこ!」


男「大きい?? ……もしかして、映画館とか一緒になってるとこかなー?」


幼女「うん、そこっ!」


男「ははっ、そっかー! でも、別のところにしよっか、ね?」


幼女「えー、どうしてー?」


男「あ、あー、それは……」シラー


幼女「…………??」ニコー


男「お、鬼が、居るから……」


幼女「お、鬼さんがいるのっ?? じゃあ、いいっ!」プイッ


男「そ、そうだろ?? よぉし、じゃあ動物園とかどう?」


幼女「動物園っ! ……でも、動物園には鬼さんいないよね??」


男「ははっ、大丈夫だよ!」


幼女「なら行くっ! ……女の子の鬼さん、でないといいねっ!」ニパー


男「うん、そうだねー……――えっ?」


幼女「どうしたのー? 早くいこーよー!」パタパタ


男「――あ、あぁ、うん……」





369: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/18(木) 10:51:18.71 ID:ezkMinhKO


―――動物園


幼女「わー、キリンさんだー!」


男「おぉー……、動物園なんて何年ぶりだろ」


幼女「えへへ〜、楽しいねっ?」


男「そうだねー」


幼女「むー、ホントに楽しい??」


男「うん、楽しいよっ! 俺も、動物は好きだからね〜」


幼女「じゃあじゃあっ! 今度はあっちに行こー?」グイグイッ


男「あははっ、そんな急がなくても大丈夫だよ――」





幼女「――おとこ〜? 手、つないでもいい?」


男「ん? そりゃ、全然いいけど」ギュ


幼女「ふふ〜んっ! それじゃ、今度はあっちー!」グイグイ





幼女「う〜、ちょっと疲れちゃったかもしれない……。おとこ、抱っこしてー!」


男「あーそうだよねー? ――はい、これでいいかな?」


幼女「うんっ! えへへへ〜……」グゥ~


幼女「……おなかすいちゃった……」


男「俺もおなか空いちゃったよ……。それじゃ、ご飯食べよっか――?」





幼女「おとこ、あーんしてっ!」


男「はいはい、おおせのままに。――はい」


幼女「あむっ! ……うん、おいしいっ!」ニパー


男「それはよかった」


幼女「それじゃ、おとこにもしてあげるね? あーんっ!」


男「――あ、あぁ、ありがとう……。あーん……」パクッ


幼女「おいしいっ?」


男「うん、おいしいよー?」ニコッ






374: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/21(日) 15:54:55.81 ID:CqnNBUk2O


幼女「――わーっ! ライオンさんだー!」


男「おぉー、すごいね。迫力満点だなぁ……」


幼女「えへへ〜、おーいおーいっ!」ブンブン


男「あぁっ! あんまり刺激しちゃダメだよーっ?」


女「そうだよー? ライオンさんも、びっくりしちゃうからねー?」


幼女「…………チッ……」ボソッ


男「ん? どうかしたー?」


幼女「――ううんっ! なんでもなーい!」ニパー


女「あははっ、子供はかわいいねー」


男「うん、無邪気なところがいいよね」


女「……まぁ、あの子は何か裏がありそうだけど……――」ボソッ


女「――ねぇ、男くん?」


男「ん? どうしたの?」


女「私たち三人が並んでたら、周りの人は夫婦だと思ったりしちゃうかな?」


男「あぁ〜……。どうだろ、見えちゃうかもねー」


ギュッ


女「いつか、私たちの子供も……、あんないい子だったらいいなぁ」


男「ははっ、何をいって――」


男「………………」ハッ


男「――…………るん……ですか……、お、女…………さん……!?? な、なんでここ――」アゼン…


女「えー、冗談なんかじゃないよ? ……ねぇ、男の子と女の子だったら、どっちがいい?」ニコッ


男「い、いやぁ……。どっち、と言われましても……」オドオド


女「私はね? 男の子が欲しいなぁ、って思ってるの。きっと男くんに似て、素敵な子になると思うんだ」


男「な、なんの話だか分からない、なぁ……」アハハ…


女「女の子は、いらないよね? だって……――」ウーン




女「――男くんの近くには、私だけいればいいから」ニッコリ




男「――――ッ」ゾクッ





375: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/21(日) 15:56:29.81 ID:CqnNBUk2O

男「――そ、そうっ!! 女さんは、どうしてここにっ??」


女「え?」ニッコリ


男「……いや……なん、でここにいるのかなぁーって……あはは……」


女「…………」ニコニコ


男「…………」ダラダラ


女「……聞きたい?」ニッコリ


男「いや、大丈夫です」


女「ふふっ、ほら手つなごう?」スッ


男「……う、うん」


女「…………どうしたの? ――手、つなぎたくない?」


男「い、いやっ! そういうわけじゃ――!」




幼女「おっとこーっ!」ドンッ




男「うおっ!? ――よ、幼女ちゃん。もう、危ないよ?」


男(ヤバかった……。幼女ちゃんがいなかったら、何かすごいプレッシャーに押しつぶされるところ――)




幼女「……このおばさん、だれー?」




男「」


男「よ、幼女ちゃんっ!? あ、あのね、この『お姉ちゃん』は――」


女「ふふっ、こんにちは? ……私はね、男くんと結婚する女っていうの。よろしくね?」ニッコリ


男「はいぃ!?? お、女さんっ、なにを――」


幼女「ウソつき」


女「……何がかなぁ?」ニッコリ


幼女「おばさん、ウソつきだね。……男は、おばさんみたいな人、好みじゃないよ……?」ボソッ


女「へぇー、そうなんだ。でも、関係ないよ? ――男くんは、私のことが好きなんだから」


幼女「ふふっ、かわいそうなおばさん。現実を見れないんだね?」


女「へぇ………………」ニコニコ



男(何話してるかわからないけど、とても近寄れる雰囲気じゃねぇ)ガタガタ




377: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/22(月) 10:09:48.76 ID:bbB32O8xO


PM 04:10


男(――と、とりあえず、こうなってしまったことは仕方がない。次のことを考えなければ)


男(幸い、女さんの目から見れば、俺は幼女ちゃんの保護者のように見えるだろうし……)


女「男くんが、五時からじゃないと私と出かけてくれない、っていうから、それまで時間つぶしのつもりで来たんだけど……」


女「こんな『偶然』ってあるんだね? やっぱり、男くんと私は赤い糸でつながれてるんだよ」ニッコリ


男「あ、あはは……。そ、そう……かな?」


女「それにっ、男くんがもし……万が一にもほかの女の子と一緒に居たら、私は何してたかわからないけど……」


男「ウ、ウン……」


女「でもっ、こんな子供の面倒見ていたなんて……。ふふっ、もっと好きになっちゃったよ」


男「ハハッ、アリガトウ……」


幼女「…………」ジー


幼女「――おとこっ! あっちいこっ!」グイグイ


男「おぉ、わかったわかった……」


男(厳しい状況だ……。だが、ヤンキーまでの時間は、まだまだある)


男(それまでに何とか――)





ヤンキー「わぁー、ウサギさん可愛いなぁ……」ナデナデ





男「」



ヤンキー「飼いたいけど……。でもこの前は、猫を撫でてただけで、次の日には『生きたまま埋めた』みたいに噂ができちゃったし……。飼えないよなぁ……」


男「………………」


幼女「……? おとこ、どうしたの?」


男「う、ううん。なんでもないよー?」


女「あれ? あの人って……」


男「――いいいいやっ!!?? 気のせいじゃないかなっ?? ね、こんなとこにヤンキーがいるわけないじゃないっ??」アセアセ


女「私、そこまで言ってなかったんだけど……。――まぁ、それは置いといて」



女「――ヤンキーさんのこと呼び捨てで呼んでるなんて、ずいぶん仲良しなんだね? どうやって仲良くなったのか、私、知りたいなぁ……」ニッコリ


男「」




380: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/25(木) 00:31:23.54 ID:c4kNRPvqO


男「ちょ、ちょっとねっ!!」


女「ちょっと?? ……ヤンキーさんと『ちょっと』なにがあったの?」ニコニコ


男「…………あっ、幼女ちゃん! あっちでゾウさんに餌があげられるみた――。……ってあれ、幼女ちゃんは……?」キョロキョロ



幼女「――ねーっ、お姉ちゃんっ! 一緒にウサギさん触ってもいいー?」



男「」


ヤンキー「えっ? あ、あぁ、いいけど……。お父さんとかお母さんはどうしたの?」


幼女「お兄ちゃんなら、あそこにいるよっ!」ビッ


ヤンキー「お兄ちゃん……?」


男「……っ」サッ


ヤンキー「…………あの、向こうのキリン見てる人かな?」


幼女「うんっ! 隣に居るのはおばちゃん」


ヤンキー「おばちゃんって……。随分若く見えるけど……」


女「…………」スタスタ


女「――こんにちは。 ヤンキーさん、ですよね?」


ヤンキー「――っ! ……チッ、……そうだとしたら?」ギロッ


女「私、同じ学年の女っていうの。よろしくね?」


ヤンキー「……で、要件は?」


女「ははっ、大したことじゃないよ。……一つ、聞きたいことがあるんだけどさ」


ヤンキー「…………?」




女「ヤンキーさん、単刀直入に聞くけど。私の男くんとどういう関係なの?」




ヤンキー「は? お、男……? 男って同じ学校の……?」

ヤンキー「――って、ちょっと待てよ。『私の』ってなんだ?」

女「そのままの意味だけど……。それぐらいの意味ならわかるでしょ?」

ヤンキー「――ッ!! へぇ……、随分とバカにしてくれるなァ……」ピキッ


ゴゴゴ…



幼女「あれーっ? おとこ、どこ行くのーっ?」ニパー



男「」ビクッ




381: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/25(木) 00:33:04.83 ID:KHRd40VgO


男「……ぃ、ぃゃぁ……。……少し、トイレに…………」ビクビク


ヤンキー「――へっ!? お……おと……こ??」パチクリ


男「……や……やぁ……」


ヤンキー「わぁぁっ! ほ、本当におとこだぁ……!」キラキラ


男「き、奇遇だ――」


ヤンキー「――会いたかったぁ!」ダキッ


男「うおっ!? ちょっ、あ、あの、周りに――」




ヤンキー「――昨日から、ずっとずーっと楽しみにしてたんだっ!」


男「や、ヤンキーっ? お、落ち着い――」


ヤンキー「本当だよっ? 楽しみすぎて昨日眠れなくて……」


男「わかった! わかったから――」


ヤンキー「夕方からって聞いて、少しがっかりしちゃったけど……。で、でもっ、それでもうれしかったからっ」


男「あ、あの――」


ヤンキー「でねっ? 時間まで何してようかなー、って思ったんだけど、こう見えて私って動物が好きなんだ! だから、普段はあまり来ないけど、ちょっと行ってみようかなってことで来てみたのっ!」


ヤンキー「動物と一緒に居るのも楽しかったんだけど、早くおとこに会いたいなぁーって、ちょうど思ってたところだったんだよねっ!」


ヤンキー「すごいよねっ! こんな偶然。あははっ、やっぱりおとこ大好きっ!」ギュゥ


男「あ、あはは……。――で、でもいいの?」


ヤンキー「えっ? 何が??」キョトン


男「いや……ねぇ?」チラッ


ヤンキー「…………あ」


ザワザワガヤガヤ
アツイナー
ミセツケテクレルネー‼


女「……ふぅん」


幼女「へぇー……」



ヤンキー「………………」ゴホンッ




ヤンキー「――な、何か見たかッ?」ギロッ


女「ばっちり見たけど」





382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/25(木) 00:51:23.07 ID:sPXOuFFCO

ヤンキーが癒やし




384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/25(木) 08:34:17.10 ID:hjqF/ACbO

ヤンキーちゃん最高




386: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/26(金) 14:52:38.11 ID:7z1Cw2zsO

ニートになりたい。



ヤンキー「………………」カァアア


女「あの学校では随分と恐れられているヤンキーさんも、男くんの前ではそうなっちゃうんだね?」ニコッ


ヤンキー「………………う、うるせぇ」ボソッ


女「――まぁ、でも。安心したかな」


ヤンキー「……え?」


女「だって――」



女「それは、ただの犬と何も変わらないしね」ニッコリ



ヤンキー「…………どういう意味だよ?」ギロッ


女「普段、他の弱い犬たちには大きい顔して、いざ飼い主が来れば、飼い主に甘える……。――ね、犬と変わらない」ニッコリ


ヤンキー「――ッ!!」ブチッ


男「ちょっ、二人とも落ちつい――!」

ガシッ

幼女「おとこーっ? ――……邪魔しちゃダメだよ。いま、面白いところなんだから」ニヤッ


男「え……よ、幼女……ちゃん……??」ゾクッ



ヤンキー「――ハ……、ハハハッ! そんなこと言ってきたのお前が初めてだよ……。……後悔すんなよ」


女「ふふっ、必死だね? ……それもそっか、そうでもしないと飼い主に見捨てられちゃうもんね?」ニコニコ


ゴゴゴゴゴゴ……





男「……あー……」


男「――よしっ、ゾウさん見にいこっか?」


幼女「……おとこ、げんじつとーひだね」


男「いやいや、俺は幼女ちゃんと動物園に来ただけ。もともと、誰とも会ってなかったんだ。会う予定もなかったし。うん、そういうことなんだ」


幼女「…………まぁ、都合はいいか……」ボソッ


男「ん? どうしたの?」




幼女「――ううん、なんでもなーい!」ニパー





388: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/27(土) 23:50:05.14 ID:4A/njR3pO

―――幼女の家

PM5:18


男「――ごめんね? いろいろあったから、あまり動物園にもいられなかったけど……」


幼女「ううんっ! 今日はおとこと一緒で楽しかったー!」ニコニコ


男「……そういってもらえると、俺もうれしいよ」


幼女「うーん、でもねー?」


男「ん? どうしたの?」



幼女「――あの女はダメだよ?」



男「――ッ!」ゾクッ


男(まただ……。たまに、幼女ちゃんが幼女ちゃんじゃないように思えてくる……)


男「あ、あぁ、女さんの事かな? まぁ、悪い人ではないんだけど……」


幼女「あれはダメ。いつか男を傷つける」


男「あ、えっと……。どうしたの、急に? なんか変だよ?」オロオロ


幼女「……そうね。もう、関係ないか……」ウツムキ…


幼女「――じゃあねー? ごほーび上げるから、目をつむってー?」キラキラ


男(……そう、だよな、これが幼女ちゃんだ。……やっぱり俺も、疲れてるんだろうな)


男「えー? なんか怖いなー」


幼女「こわくなんかないよー? ごほーびだからっ!」ニッコリ


男「はははっ、しょうがないなぁー……」


幼女「えへへ〜……」


男(ま、どうせまた軽いキスとかなんだろうなー。……いや、やっぱり幼女ちゃんは俺の癒しだ)




カチャ




バチッ



男(――ん? なんだろうこの音……。なにか……――ヤバいッ!!?)バッ

バチチチッ
ヒュン…

男「――あ、あぶねぇっ!? ……よ、幼女、ちゃん……? え、な、何を……!」



幼女「……チッ。――はぁ……、台無し……」




389: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/27(土) 23:50:34.01 ID:3Zc/HVurO

男「……幼女、ちゃん? それって……――」


幼女「……なんで避けちゃうかなぁ? あと、ちょっとだったのに……なっ!!」ブンッ

バチッ

男「うおっ!? ――ちょ、ちょっと待ってっ! きゅ、急にどうしたのっ!?」


幼女「……避けないでよ男。痛いのは一瞬だから……――」



幼女「次、起きた時には、全部終わってるからさ……」



男「――ッ!!」


男「わ、訳がわからないよっ!? そ、それ、見たことないけど、スタンガン……だよね?? なんで、そんなもの……」


幼女「………………」



幼女「――すたんがんっ?? ちがうよーっ。これはね? この前、おとーさんに買ってもらったおもちゃなんだー?」ニコニコ



男「…………ウソ、だよね……?」


幼女「………………」


幼女「――……ははっ……。あはっ、アハハハハッ!!!」


男「…………幼女ちゃん……」


幼女「……そうだよねぇ、もう騙されないよねぇ? あぁーあ、失敗するなんて、いままで演技してたのがバカみたい!」ケラケラ


男「幼女ちゃん……だよね? い、いったい、どうしたの……?」


幼女「『どうしたの?』って……? 別に、どうにもしてないよ。私はもとからこういう性格なの。……男に近づくために、猫かぶってただけ」


男「で、でもっ! 幼女ちゃんは、何年も前から――」


幼女「――そうだよっ!! 何年も前から、私は男に近づくために計画してきたっていうのに……。邪魔な女たちが……ッ!!」イライラ


男(――……あれっ? よく見たら、この家何かが……変じゃないか?)キョロキョロ


男(この前の時は気付かなかったけど……。まるで、生活感が――)


幼女「 気になる? 」ニコッ


男「――ッ!」ビクッ


幼女「大丈夫だよ、心配しなくても誰もいないし……」


幼女「――誰も、来ないから」


男「……そ……んな……。こ、この前まで…………――!」


幼女「…………ははっ」



幼女「 邪魔、でしょ? 」ニッコリ




391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/28(日) 01:23:39.22 ID:2+8agg6X0

※まだ土曜日




392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/28(日) 02:20:53.87 ID:OhSfSKeco

その分日曜は楽だから……




393: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/06/30(火) 15:39:54.13 ID:85V7Si79O


男(違う、これは、幼女ちゃんじゃない。見た目はそうにしか見えないけど、これは、違う。違うはずだ――)


幼女「逃げる? そうだね、それが一番いいと思うよ」


男「…………どういう意味?」


幼女「そんな構えなくっていいよ。コレ以外、何も用意なんてしてないから」ヒラヒラ


幼女「男に今できるのは、私におとなしく捕まるか、逃げるか……。この二択でしょ?」


幼女「まぁ、私的にはおとなしく捕まってくれた方がうれしいけど、男はそういうわけにはいかないもんね?」


幼女「だったら、逃げるんでしょ? なら、逃げればいいと思うよ」


男「…………?」


幼女「……なんでそういうこと言うんだって顔だね? ……わかるよ? 私だって、男をずっと見てきたんだから」


幼女「残念ながら、どうしたって私は子供だし、男には追いつけない……」





幼女「でも、絶対に捕まえる」ニッコリ





男「…………ッ!!」ゾクッ


幼女「……だから、逃げてもいいよ? ……ね?」ニコッ


男「――な、何がどうなってんだよぉおおおおおお!!」ダッ


ガチャバンッ‼


ハハッ‼ アハハハハッ‼
アハハハハハハハハハハハハハハハッ‼








―――公園


男「――ハァ……ハァ……。ゲホッ……はぁ……」


男「夢、じゃない……よな……? ゼェ……ドッキリとか……」


男「――やめよう。……とりあえず、俺はどうすればいい……」ハァ…


男「ははっ、ハハハハッ……。何もできねぇんじゃないか……」


男「家にも帰れない。どこか遠くに……って言っても、もうそんな金もないし……」





「――男?」





398: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/04(土) 14:56:43.41 ID:sRMWvSpNO


男「――ッ!」バッ‼


男「……あっ、先輩……?」


先輩「……なにしてるの? こんなところで……」


男「あ、あぁ、いや……。ちょっと、いろいろありまして……」


先輩「……ふぅん……そう」


男「………………」


先輩「………………」


男「……先輩、帰らないんですか?」


先輩「……男は、帰らないの?」


男「あぁ、えっと……。ちょいと、帰れなくなったと言いますか……なんというか……」ゴニョゴニョ


先輩「……私の家……泊まる?」


男「えっ?? それはいいですよっ! 悪いですし……」


先輩「……どうせ、明日来る予定……」


男「あぁー……いやっ! でも泊まるのは……」


先輩「……いいの?」


男(しかし、このままだと野宿する羽目になるうえ、もしかしたら誰かに見つかる可能性もあるよなぁ……)


男「――……じゃ、じゃあ、お言葉に甘えてもいいですか?」


先輩「……うんっ」ニコッ






男「――ところで先輩はなんであんなところ歩いてたんですか? あまり休日は出かけない、って言ってませんでしたっけ?」


先輩「……ちょっと……コンビニ行ってた……」ガサッ


男「あぁ……。あ、じゃあ袋持ちますよ?」ヒョイ


先輩「……ありがとう」


男「いえいえ、こっちがお礼言わなきゃなんですから。――……あれ?」


男(この袋……。このコンビニってこっちの方向にあったっけ……??)


先輩「……どうか、した?」


男「――あ、あぁ、いえ! 私服姿の先輩って新鮮だなぁー、って思っただけです」ニコッ


男(きっと、俺が知らないだけだよな……)





399: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/05(日) 10:17:20.98 ID:b8InpWezO


―――先輩の家


先輩「……どうぞ」


男「おじゃましまーす……」


先輩「……大丈夫……今日と明日は……誰も帰ってこないから」


男「あ、そうなんですか……」


男(……あれ、それって……二人きりってことじゃ……)


先輩「……くつろいで、いいから……」スタスタ


男「く、くつろいでって、先輩はどこへ?」


先輩「……お風呂。……一緒に入る……?」


男「いいいいいいやっ!! 大丈夫ですっ! くつろがさせていただきますっ!!」


先輩「……そう」スタスタ


シーン…


男「――……はぁ……。それにしても、今日は疲れた……」


男「……なにから、片づければいいだろうなぁ……。いっぱいありすぎて……」

ハピネス~コノステキナ~

男「――あっ、メール……。そういえば、朝からドタバタで全然見てなかった……」ポチッ


着信 256件

メール 384件


男「………………」スッ


男「――あー、テレビとか見てもいいかな? いいよねっ! くつろいでていいって言ってたし、きっと大丈夫だよねっ!! やったー、テレビだ……」アハハ


ポチッ


――いま、巷では相手をとことん追いつめる『追い詰め女子』が流行っ――


プツッ


男「……飽きたなぁ」


男「………………」


男「しかし……先輩に拾ってもらってよかった……。あのままだったら、本当にどうなってたかわからない……」


男「いま、これだけ落ち着いていられるのも、先輩のおかげだ。感謝しないと……うん……」ボーッ


男「……しかし……疲れたなぁ……。少し、眠い……――」ウトウト



――PM6:30――





402: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/08(水) 14:54:48.70 ID:91I3EePZO


男「――……うぅん……」


男「……あれ、ここって、どこだっけ…………?」ボーッ


先輩「……男、起きた?」ジー


男「……へ? ――せ、先輩ッ!!?」ガバァ


男(い、今、膝枕……して……)


先輩「……ご飯、できた」


男「あ、あぁぁありがとうございますっ! い、いただきますっ!」




――PM8:40――

男「――ごちそうさまです。いやー、おいしかったですっ!」


先輩「……そう……よかった」ニコッ


男「先輩って、料理上手なんですね」


先輩「……別に……大したことない」


男「いやいやっ! 毎日食べたいぐらいですよ」


先輩「…………そう。…………それなら、大丈夫……」ボソッ


男「えっ?」


先輩「……なんでもない」


先輩「……もう、寝る……?」


男「そう、ですね。あ、じゃあこのソファーで――」


先輩「……こっち」


男「え? あ、いや、ここで……」


先輩「……こっち」


男「……あの…………」


先輩「…………………………」ジー


男「つ、着いていきます……」


先輩「……うん」


男(あれかな、なんか開いてる部屋があって、そこ使っていいよとかそういうことなのかな? きっとそういうことなんだろうな)


ガチャ


先輩「……私の部屋。……入って」





409: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/14(火) 14:58:02.12 ID:DK8TNNaSO



男「………………えーっと……」


男「あ、あれですか? トランプとかですかっ?」


先輩「……トランプ、やる?」


男「い、いいいやっ! べ、別にやりたいというわけでは無かったんですけどっ!」


先輩「…………?」


男「お、お邪魔します……」


男(は、入ってしまった……。しかし、この前先輩をおくってきたときも見たけど、少し殺風景な部屋だよなぁ……)


先輩「………………」ガチャン


男「……せ、先輩?」


先輩「……どうしたの、男?」


男「こ、ここで寝ろ、ってことですか……?」


先輩「…………嫌?」


男「い、いやいやっ、嫌じゃないですけど……。 やっぱり俺、さっきのソファーで――」


先輩「……ダメ」


男「り、理由は……?」


先輩「……ご飯、食べた」


男「……まぁ…………はい……」


先輩「……泊めて、あげる」


男「…………はい……」


先輩「………………」ジー


男「………………」


先輩「………………」ジーー


男「…………こ、ここで寝させていただきます……」


先輩「……うん」ニコッ


男(で、でも、あれなんだろ。きっと布団とか用意してくれて『私がこっちに寝るから、男はベッド使っていいよ』とか、そんなノリなんだろう。いやいや、ご迷惑かけているのは俺なんですから、そんな俺は床で寝ますよ、床で――)



先輩「…………隣……」ポンポン



男「」





410: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/14(火) 21:42:13.22 ID:ZmZqhDqQO



男「そ、それはダメですっ!! あの、えっと……ダメです!」


先輩「……なんで?」


男「…………なんで、と言われましても……」


先輩「…………私と、一緒に寝たくない……?」


男「ね、寝たくないというか……。や、やっぱり……、年頃の男女ですし……」モゴモゴ


先輩「……そう。……男は、私のこと……嫌いなんだ……」


男「いやいやっ! そんなわけないじゃないですかっ。――た、ただ、それでも一緒に寝るというのは……」


先輩「………………」


男「な、なんとも…………」


先輩「………………………………」


男「………………あ、あの……」


先輩「………………グスッ……」



男「――ね、寝ましょうッ!!? ね、それがいいっ! あ、あーっ、眠くなってきたなー!!」


先輩「…………隣……?」


男「…………あ、えっと……」


先輩「…………グスッ……」ウツムキ


男「――あ、当たり前じゃないですかっ!! わ、わー、先輩の隣で寝れるなんて、なんて幸せ者なんだろうなっ!」アセアセ


先輩「……そう、よかった」シレッ


先輩「――…………」ポンポン


男「……し、失礼、します……」モゾモゾ


男(――どうしてこうなった……)


先輩「……おやすみ」


男「あ、はい……おやすみなさい……」


パチッ


男(…………いや、俺が変に考えすぎなんだよな。ただ先輩は、俺をベッドで寝させてあげようっていう、純粋な行動なんだろう。ははっ、深く考えてたのが恥ずかし――)



先輩「…………男?」ギュウッ



男「…………な、なんでしょう……?」





413: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/16(木) 16:00:14.37 ID:9lgInKYPO


先輩「…………私………………」


男「……………………先輩?」


先輩「――……なんでも……ない」


男「そ、そうっすか……」


先輩「…………なんで……背中向けてるの?」


男「俺この体の向きじゃないと寝れないんデスヨー」


先輩「………………そう」


男(それにしても、すごい先輩のいい匂いがする……。ね、寝れないかもしれない……)


男「い、いやー、しかし今日は助かりましたよー……。先輩に会ってなかったらどうなってることか」


先輩「………………そう」


男「………………………………」


先輩「………………………………」


男「――…………あ、そういえば……。結局、明日には俺がここに来る予定ではありましたけど、何する予定だったんですか?」


男「それが結構気になってたんですよねー……」


先輩「………………………………」


男「…………先輩?」


先輩「………………」スー


男「……なんだ、寝ちゃったのか……。……まぁ、俺も寝るか。なんだかんだで、疲れてるしなぁ……」ウトウト


男「……他のことは……また……明日考えればいいか……」


男「……おやすみなさい」






――AM3:15――



ガタガタ
ガタン


ガチャガチャ
ジャラジャラ…


ガチャリ
ガチャリ




男「――……うぅん? なんだ……?」





415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/16(木) 17:20:46.49 ID:xZvBRWdko

いっそもう目覚めないほうが……




416: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/21(火) 22:05:16.10 ID:S2Hch3iBO


カチャカチャ
カチャカチャ


男(……ん? ――あぁ、先輩の家に泊めてもらったんだっけ……)


カチカチ
ギギ…


男(あれ、先輩が居ない……。ってか、この音はなんだ? それに、あそこにいるのは……)


男「…………先輩……?」ボソッ




先輩「――ッ!!」バッ




男「………………スー…………」グーグー


先輩「……気の……せい……?」


男「……………………うーん…………」ムニャムニャ


男(うおぉおお……!! せ、先輩がすげぇ勢いで振り返ったから、とっさに寝たふりしてしまった……)


男(し、しかし先輩……明かりも付けずに、なにやってるんだ?? 一瞬でよく見えなかった……)


男(まぁ、ちょっと探し物とかかな……)チラッ



先輩「…………これで……大丈夫……」ボソッ



男(……うーん、やっぱりよく見えない……。だけど、なにか変じゃないか? この部屋、さっきと……)


先輩「………………」クルッ


男「――っ!」サッ


男「………………グー……」


男(……いま、先輩……なに持ってた? …………て、手錠のように、見えたけど……)


カチカチ
ジャラジャラ…


男(あ、あれ……。も、もしかして、すごくピンチなんじゃないか??)


男(い、いや、先輩が……そんなこと……。――そ、そうだよ、わからないっ! 何か別のことに使うのかもしれない!)


男(とりあえず、もう少し様子を見てみないと――)チラッ





先輩「 やっぱり、起きてる 」




男「」




418: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 01:52:58.25 ID:lA/zTyWbo

怖すぎワロタ




419: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/22(水) 15:56:00.45 ID:TxHEZTK1O


男「――せ、先輩ッ!!?」ガバッ


先輩「……おはよう」


男「あ、あぁ、あはは……。お、おはよう、ございます……」


先輩「……男、どうしたの?」ニコッ


男「い、いやぁ、何だか目が覚めてしまって……ですね……。――せ、先輩は……な、何をしてたんです……か?」


先輩「……男、手だして」


男「は、はは……。な、なんで、ですか?」ビクビク


先輩「……手…………だして……?」ニコニコ


男「い、いやです……。お、俺、トイレに――って……!?」ダッ


先輩「……どこいくの、男」


男(や、やっと暗闇に目が慣れてきたと、思ったら……)


ガチャガチャ
ガンガンガン‼


男「な、なんだよ……これ……」


男「さ、さっきまで、こんな鍵ついてなかった……のに……」


男(南京錠だけでも、すごい数だ……。こんなの……どうすれば……)


先輩「……さっき、つけた」


男「そ、そうなんですか……。そうですよね、最近不審者が出るとかいうそんな話を聞かないこともないような気がしますからね……あはは……」


ガチャリ


男「……あっ」


先輩「……これで……一緒……」ギュウ


男「……あ、あはは…………」ジャラ


パチッ


男「――えっ? なに、これ……」


先輩「……男……大好き……」ギュゥウウ


男「い、いや、先輩? これ、えっ? 全部、俺の写真……?」


先輩「……男が……あまり部活に来ない……から……撮ったの……」ニコッ


男「は、ははは…………。そ、それは、申し訳なかったです……」


男(お、俺の写真が、壁中に……。――あ、あれは、友と買い物行った時の写真か……? 俺以外の人の顔が、全部塗りつぶされてる……)





421: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/07/24(金) 15:51:24.68 ID:BNORRJyiO



――AM6:00――


男「………………」ダラダラ


先輩「………………ん……」ギュゥウ


男(太陽出てきたなぁ……。叫べば、助けを呼べるかなぁ……)


男(携帯は寝る前に、うるさいから電源切っちゃったし……、下手に触って先輩に没収されたら、打つ手なくなっちゃうもんなぁ)


先輩「………………」スリスリ


男「…………あ、先輩。僕、トイレに行きたいなーって……」


先輩「……はい」スッ


男「ぺ、ペットボトル……。――あ、あの、大の方なんですけど……」


先輩「………………」スッ


男「――あ、やっぱりいいです。便意は引っ込みました。だから、しまってください」


先輩「…………そう……」


先輩「………………」ギュゥウ


男「……先輩、そんなくっつかれると暑いですよ」


先輩「……クーラー、つける?」


男「い、いや、あの、離れてくれれば……」


先輩「………………」ピッ


先輩「………………」ギュゥウウウ


男(あぁ……涼しいなぁ……)ポケー


先輩「………………」スリスリ


男「………………」


先輩「………………」スンスン


男「………………」


先輩「………………」スリスリ


男「………………」ナデナデ


先輩「………………っ!」


先輩「………………」ギュゥウウウ


男(なんか、小動物みたいだ……。かわいいなぁ……)





424: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/08/02(日) 13:09:20.06 ID:s8+hsyBaO


――AM7:12――


先輩「………………」ギュゥウウ


男「………………」


先輩「………………」ギュ…


男「…………先輩?」


先輩「………………」スー


男「……ははっ、寝ちゃった……。疲れてたのかなぁ……」


男「まったく、こうして見ればかわいい――」


男(――って! いや待て、これはチャンスなんじゃないか??)


男(この隙に何か、なにか脱出する方法を……)


男(鍵……の場所はわからないよなぁ……。ほかには……)キョロキョロ


男(……そうだよ、携帯があったじゃないか! よしっ、先輩を起こさないように……)モゾモゾ


先輩「………………んぅ……」ギュウ


男「………………」ビクッ


男「………………せんぱーい……?」ボソッ


先輩「………………」スー


男「……よし………………」ゴソゴソ


男(――とれたっ! 先輩の頭で画面が見えないけど……。とりあえず、電源入れて……――)



ワタシモガキナガラアルキダスノ~♪



男「――ッ!!」ビクッ


男(ちょうど電話かかってきやがった! と、とりあえず、音を止めなきゃ! え、えっと、どうすればいいんだっけか……あぁ、なんでもいいから止まってくれっ!!)


ピタッ


男「…………ふぅ……」


男(よし……。まずはマナーモードにして……あ、先輩は――)



先輩「………………」ジー



男「………………あ、先輩おはようございまーす」ダラダラ


先輩「……おはよう」ニコッ





426: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/08/03(月) 22:28:10.86 ID:K9Hb6GH4O


先輩「……男? なに、してたの……?」


男「い、いやぁ、なんにも……」シラー


先輩「……男……怒らないから……ね?」


男「お、怒られることは、なんにも――って……。もう、わかってるんですよね?」アハハ…


先輩「……私は……男の口から、聞きたい……」ニコッ


男「……ご、ごめんなさい。携帯で助けを呼ぼうとしていました……」


先輩「……そう」


男「………………」ダラダラ


先輩「…………それじゃあ……悪いことした男には……お仕置きが、必要……だよね?」


男「じょ、情状酌量の余地……なーんて……?」


先輩「………………」ニコッ


男「……ないんですね」


男「ち、ちなみに、お仕置きって……なにを?」


先輩「……大丈夫。……怖くない」


男「あぁー……、それはうれしい……なぁ」アハハ…


先輩「……男――」




ピンポーン




男「……お、お客さんですよ?」


先輩「……知らない」



ピンポーン



先輩「……男? 服……脱がすね……」


男「い、いやっ、ちょっとまっ――」




ピンポーンピンポーンピンポンピンポンピンポンピンポンピピピピピピ――

ドンドン‼ ガンガンガン‼ ガッシャーン‼



「おっとこくーんっ? お姉ちゃんが迎えにきたよー!」





427: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/04(火) 03:01:02.36 ID:i4BsubaOo

さっすが姉ちゃん頼りになるゥ!





なるよね?




428: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/04(火) 07:27:33.67 ID:JI6wY7q2O

以外ッ!それはお姉ちゃんッ!




435: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/09/02(水) 00:18:39.73 ID:cGOP58fjO


男「――え? この声って……!?」


先輩「……お姉ちゃん……?」


男「い、いや……でも、なんで……」



姉「男くーんっ? どこの部屋に居るのかなー……?」トントン…



男「や、やっぱり姉さんだ……。なんでここが……」


先輩「……男のお姉さん……たしか……」



姉「ここかな?」ドガァン‼


姉「――うーん……? 男くーん……?」コツコツ…



先輩「……男、呼ばないの?」


男「…………あ、あはは……。なんか、あまりいい予感がしないんですよね……」



姉「――あっ、ここだっ!」


ガチャガチャ


姉「あれ、開かないよ? ねー、男くん居るんでしょ?」


ガチャガチャ
ドンドン


姉「ねぇ、なんで返事しないの?」


ガンガンガン‼
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ‼


姉「――あ、そっか! 男くん寝てるんだねっ!」


姉「もぉーしょうがないなぁ……」



姉「――お姉ちゃんが起こしてあげなきゃ」



ガンガンッ‼

ドゴォン‼







姉「 見ーつけたっ 」ニコッ











443: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/10/03(土) 14:38:24.67 ID:FbIBw2krO


姉「あれー、男くん起きてるね。……なんで嬉しそうにしないの? お姉ちゃんが迎えに来たのに。ねぇ、なんで?」


男「い、今起きて、ちょっと寝ぼけてるだけだよっ! す、すごくうれしいなぁ……」


姉「はははっ! だよね? そうだよね? もぅ男くん大好きっ!」


姉「――で、あんたは誰なの? この匂い……男くんの制服についてた……」ギロッ


男「ね、姉さんっ! この人はっ部活の先輩で――!」


先輩「……生徒会長……」ボソッ


男「えっ?」


姉「…………」


男「せ、先輩、姉の事知ってるんですか……?」


先輩「……私が一年のころの……生徒会長」


姉「――あ、そっか! 男くんとは入れ違いだったから、知らないよね! 言ってなかったし」ケロッ


男「ぜ、全然知らなかった……。でも、先輩もよくそんな二年前の会長の事覚えてますね……」


先輩「……有名……だから」


男「有名……? 姉さんが?」


先輩「……全国1位」


男「…………え?」


先輩「……全国模試で1位とったから」


男「――っ! ははっ……ま、まさか……」


姉「あぁー、そういえばそうだったかもしれないなぁ……。たしか、あの時は男くんが『頭のいい女の人が好き』って言ってたから」


男「で、でも、そんなの、知らなかった……」


姉「だって、男くんの好みが変わっちゃったんだもん」


先輩「……その次は……柔道部でもないのに……柔道県大会優勝」


姉「そうそう。それは『強い女の人が好き』って言ってたから」


男「…………は、はは……」


先輩「……あとは……マラソンでも……たしか」


姉「え? ――あぁ、その時は『走ってる女の人が好き』だったかな」


男「……ぜ、全部知らないんだけど……」


姉「えぇーっ、言ったよぅ! 男くんが全部信じてくれなかっただけで……」ムゥー






444: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/10/03(土) 14:42:16.01 ID:FbIBw2krO



姉「――まあ、そんなことはどうでもいいの」


姉「ねぇ、なんで男くんがあんたと手錠でつながってるわけ? それに、この写真……――」ギロッ


先輩「……別に……あなたには関係ない……」ツーン


姉「……っ!! へぇ……、いい度胸してるね」イライラ


男「ね、姉さんっ!? あ、あのちょっと――」


姉「大丈夫だよー、男くん? ……すぐにその女の手首切り落として自由にしてあげるから」


男「なにも大丈夫じゃないよっ!? 姉さん、これはち、違うんだって!」


姉「違う……? 何が違うの? ねぇ、男くん」ニッコリ


先輩「…………おと……こ……?」


男「あ、えっと…………」


男(ど、どうしよう……。でも、このまま何も言わなかったら、先輩が危ない……。正直、姉さんだったら本当にやってもおかしくはない……)


姉「……男くん? まさかとは思うけど、この女を庇おうとしてるわけじゃないよね?」ニコォ


男「ち、違うってっ! あ、あの、えっと、これは……――」


先輩「………………」


姉「これは……?」






男「お、俺の趣味、だからっ!!」






姉「」



先輩「……男……」ドンビキ…


男「……せ、先輩は引かないでくださいよっ!??」コソッ


先輩「……わかってる……」ニコッ


男「……姉さんは、本当にやりかねませんから。昔から、そうなんですよ……――」コソコソッ



姉「――はっ! ……へ、へー……、そ、そそそそうなんだ……。男くんって、そういう趣味が、あ、あったんだ……ね……」


男「………………うん……」


姉「………………それも、いいか……」ボソッ


男「――え? な、何か言った?」




454: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/24(火) 19:29:11.05 ID:QSILkU430



――AM7:55――


姉「――それじゃ、『私の』男くんの趣味に付き合ってくれてありがとうね。……えっと、先輩さん?」


先輩「………………」ジッ


姉「まぁ、男くんの先輩ってことらしいし、いつもお世話になってるみたいだから、この写真については見なかったことにしてあげる」


先輩「………………」


姉「――さ、帰ろっか? 男くん」ギュッ


男「う、うん……」


先輩「――……生徒会長」


姉「…………なぁに?」ニコッ


男(せ、先輩……!? な、なにか変な事言わなければいいけど……)オドオド




先輩「……『姉弟』で……いつまでも仲良く……してください」ニッコリ




姉「………………」


先輩「……男くんは……良い子です。……そんな……『血のつながった』弟が居て……羨ましいです」ニコッ


姉「………………」キッ



男(なんだ、よかった……。何を言うのかと思ったけど、これなら姉さんも――)ホッ



姉「………………」


先輩「………………」



男(――あれ……? なんだろう、この気まずい雰囲気……)



姉「――……行くよ、男くん」グイッ


男「えっ? あ、あぁ、わかったよ。そんな引っ張らなくても……」


ガチャ


先輩「……じゃあね、男……」



先輩「――……また、後で……」ニコッ



男「……え?」


――バタン




455: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/24(火) 21:51:42.06 ID:QSILkU430



姉「………………」スタスタ


男「ね、姉さん? もう引っ張らなくて大丈夫だから!」


姉「…………なに、男くんはお姉ちゃんと手を繋いでたくないってこと?」


男「い、いや! そういうわけじゃないけどさっ!」


姉「なら、いいでしょ」スタスタ


男「あ、あぁ……うん」


姉「あとね、男くん」


男「ん?」


姉「部活は辞めてもらうから」キッパリ


男「へっ!? い、いやいやいやいや!」


姉「……わかった?」スタスタ


男「わ、わかんないよ!」


姉「いいから辞めるの。男くんは、お姉ちゃんのいうことを聞いてればいいから」グイグイ


男「姉さんッ!」バシッ


姉「――ッ! ……お、男くん……?」ビクッ


男「あ……ごめん……」


男「――で、でも! 俺だって、もう子供じゃない。自分で、考えて動くよ」


姉「ご、ごめんね。お姉ちゃんも……悪かったよ……」


男「ううん、いいよ……」


姉「………………」


男「………………」


姉「……あ、えっと……。あの、先輩って娘は、学校ではどんな感じなの?」


男「あー……。まぁ、おとなしい……かな?」


姉「ふぅん……」


男「……そういえば、先輩……。また後で、ってどういう意味かな……? 聞き間違いかな……」ボソッ


姉「………………っ!」ハッ


姉「男くんっ! 服、全部脱いで。それと携帯。あぁ持ってるもの全部出して!」グワッ


男「えっ」





457: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/24(火) 22:56:25.68 ID:QSILkU430


男「ちょ、急にどうしたのっ!?」


姉「いいからっ! 早く!」


男「む、無理に決まってるだろ! こんなところで!」


姉「じゃあ、上着と持ってるものだけでいいから! ……あとは家で処分すれば」ボソッ


男「わ、わかったよ! ……っていっても、財布と携帯ぐらいしか……」


姉「………………」ジッ


姉「……携帯はダメだね」ブンッ


男「えっ?」


ガッシャン
バキッ‼


男「」


姉「財布も捨てるね」ポイッ


男「ちょっ! えっ、えっ!??」オロオロ


姉「お札は抜いたから大丈夫だよ。カードだって、ポイントカードぐらいしか入ってないでしょ?」


男「お、俺が頑張って溜め続けた、ポソタポイントが……。って、それはいいけどっ! 急になにを――」


姉「携帯はお姉ちゃんが新しいの買ってあげる。そうだよ、どうせこれから服も買いに行く予定だったんだし……」


男「い、いやだからっ! どうしてこんなことしたんだって!」


姉「……男くんは、あの家に何時間居たの?」


男「先輩の家に……? えっと……半日ぐらいになるのかな?」


姉「チッ……」


姉「――その間、ずっと起きてた?」


男「いや、そりゃ寝たけど……」


姉「……まさか、あの部屋でじゃないよね?」


男「………………」ダラダラ


姉「……ふぅん……」ギリッ


姉「とりあえず、家に帰るよ。いろいろ、準備しなきゃ……」ブツブツ


男「あ、うん……。――って、あ、あの姉さん! い、妹……とかは……?」


姉「知らない。昨日は帰って来てなかったみたいだけど」シレッ


男「そっか……」ホッ





460: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/27(金) 01:23:02.04 ID:9s317UFf0


男(しかし、家に戻るのはいいけど……。危ないことには変わりないんだよな……)


男(どうにか打開策を考えないと……)


男(しかし、なんだか姉さんの元気がないのが気になる……。考え事でもしてるみたいだけど……――)


姉「――ねぇ、男くん」


男「な、なに? どうしたの、姉さん」


姉「お姉ちゃんね……。男くんのことが好きだよ」


男「えっ……? あぁっと…………」


男「…………うん。俺も、姉さんのこと好きだよ」


姉「……ははっ。お姉ちゃん、男くんがそう言ってくれてうれしいな……」


姉「……そうだよね。…………関係なんか、ないよね……」


男「どうしたの、急にそんなこと……」



姉「……血なんて…………」



男「……姉、さん?」


姉「――ううん、なんでもないよー? えへへ、男くん大好きっ!」ギュゥ


男「あ、あはは……」


男(よかった。いつもの姉さんに戻ったみたいだ……)


姉「それじゃっ、早くお家に帰ろっか!」


男「うん、そうだね!」





姉「――よーし! お家に着いたね」


男(……よかった。どうやら、妹は家には居ないみたいだ……)ホッ


姉「それじゃ、男くんはぜーんぶ服着替えてね?」


男「まぁ、わかったよ。よくわからないけど……」


姉「それでね……着替え終わったら、お姉ちゃんの部屋に来てくれる?」


男「え、なんで?」


姉「えへへ、お姉ちゃんが可愛い弟に良いことしてあげるっ!」ニコッ


男「あー……。ま、まぁ、わかったよ……」アハハ…


姉「うんっ! それじゃ、後でねっ?」




461: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/28(土) 02:28:31.46 ID:hoT/zf7i0



――AM8:45――


トントン

男「――姉さん? とりあえず、着替え終わったけど……」


姉「あ、男くん! 入っていいよー」


男「あ、うん……」


男(そういえば……。前回、姉さんの部屋に入ったのっていつだっただろう……? なんだか、ずいぶん前の事だった気がする)


男「そいじゃ、お邪魔しま――」ガチャ


姉「……男くん? どうしたの、入ってこないの?」


男「え……?」


男「あ、あれ、なんで……――」





男「――ここは、俺の部屋?」





男「そんなっ、部屋は……間違えて、ない、よな……?」



姉「お・と・こ・く・ん?」



男「うわぁ!」ビクッ


姉「ははっ。もぉー、どうしたの……?」ニコニコ


男「ね、ねぇ、姉さん……。この部屋って……?」


姉「えへへー、すごいでしょ? この部屋に居るとね、いつでも男くんを感じられるんだぁー……」ニコニコ


姉「……まぁ、いつもは男くんの部屋に居たいんだけど……。高校生になってから、男くんもたまに怒るようになったし……」シュン


姉「――でもほら、これとか懐かしいでしょ? 男くんが小学生の時まで使ってた机……」


男(……よく見ると、部屋の家具の配置は全く一緒になってるけど、あれは古くなって捨てたものばっかりだ……)


姉「この毛布も。枕も。イスも。クッションもぜーんぶ……ね?」


姉「――でも、足りないの」ニコッ


ガチャリ


男「あ、あれ、なんで鍵なんか……――」


姉「男くんならわかるよね……? この部屋に足りないもの……。そして、お姉ちゃんがいっちばーん、欲しいもの」


姉「――ね? 男くん」ニコッ




464: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/11/29(日) 21:33:40.98 ID:lTJ8aocK0

男「姉さんが欲しいもの……? な、なんだろう、わ、わかんない、なぁ……」


姉「むー、男くんはいつもそうだよねー……」


姉「まぁ、いいけどね。それも含めて男くんだから」


姉「小さい頃から、ずーっと。私だけの男くん……」


男「ね、姉さん……?」


姉「男くんのことを一番見てきたのは私。……妹ちゃんより、お母さんより、私は男くんを見てきたんだから」


姉「だから、男くんは私だけのもの……。男くんには私が居ればいいの」


姉「だって……、だってわたしは男くんの――」



――――『姉弟』で……いつまでも仲良く……してください……



姉「…………っ!」


男「……ね、姉さん? あ、あれだよ、姉さん少し疲れてるんじゃないかなっ? ほら、落ち着いて……?」


姉「お……とこくん……。……そう、そうだよ……」ギュッ


グイッ
ドンッ


男「え……?」


姉「男くん、大好きだよ。大好き。もう……――」


姉「――誰にも渡さない」ニコッ


ガチャリ
ガチャリ


男「あ、あれ、姉さん? なんで……」ガチャガチャ


男(ま、また手錠……。しかも、今度はベッドの足に……。これじゃ、何もできない――)


姉「男くん、私ね……子供が欲しいなーって思うんだぁ」


男「へ、へぇー……。じゃ、じゃあ俺は叔父さんになるのかなー」アハハ…


姉「……わたし、その冗談は好きじゃないなぁ」


姉「――まぁ、いいよ。……今日なら、デキるとおもうから……」ヌギヌギ


男「ね、姉さんッ!?? ま、待ってよ! ま、まさかとは思うけど……。お、俺たち『血が繋がってる』んだよっ!?」


姉「…………っ! ――……だから? だからダメなの?」


男「だ、だって、俺たち『姉弟』だし、こんな――ムグッ!」




姉「…………ごめんね、男くん。お姉ちゃん、バカだからわかんないや」ニコッ




466: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/04(金) 22:05:27.02 ID:I0Ts10zf0


男「ね、姉さんっ!! 今なら、俺は気にしないからっ! だから――」


姉「……もう、うるさい口だなぁ。……そうだっ、お姉ちゃんのパンツあげる」エイッ


男「はっ!? ちょ、ムグッ――!」


姉「うれしい? そうだよね、男くんはお姉ちゃんのパンツ大好きだもんねー?」


男「んー!!」ブンブン


姉「もう、そんな嘘つかなくてもいいんだよ? 誰もいないんだし……」


姉「それじゃ……男くんの男くんを――」ガシッ



男「ごめん、姉さん」



姉「えっ……?」


ドンッ‼


姉「キャッ……!」ドサッ


姉「あ、あれ、なんで……っ!?」


男「……あのベッド使わなくなったのは、姉さんが手錠をかけた木の部分が、ボロボロだったからなんだ……」


男「それで……。ごめん、ちょっと俺は出かけてくるから」フイッ


姉「ま、待って男くんっ! どこにもいかないで……!」


男「…………ちょっと、出かけるだけだよ。いつか、戻ってくるから」


姉「……だめ、だめだよ……。男くんが居ないと、お姉ちゃん……生きていけないよ……」


男「……ごめん」


ガチャ


姉「待っ――!!」


バタン


姉「………………………………」


姉「…………ふふっ……」


姉「…………男くんのことを一番理解しているのはお姉ちゃんなんだから……」ブツブツ


姉「……そうだよ。だからお姉ちゃんは男くんと一緒に居ないとだめだよね……」ブツブツ


姉「…………あっ、そうだっ。……きっと男くんは周りの娘達に毒されちゃったんだ……」ブツブツ


姉「…………助けないと……。だって私はお姉ちゃんだもん……待っててね男くん……いま助けに行くからね……」ブツブツ


姉「……おとこくん」




468: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/10(木) 18:13:52.25 ID:Wi3lInQz0



――AM9:30――


男「――これで……家にも戻れないな……」


男「夢……じゃ、ないんだよな……」


男「……ん、そっか。今日はもう日曜だったなぁ……」


男「……あぁ……まったく……、どうなってんだか……」トボトボ


男「………………」


男「ダメだ……。色々なことがありすぎて、頭が回らない……」


男「…………あっ、そうか。携帯もないんだったな……」


男「財布も……。一応ポケットの中に二千円入ってるけど……コレじゃなぁ……」


男「はぁ………………………………」




男「――よしっ!!」ガバッ




男「まー、うだうだ考えるのは俺には向いてない! うんっ!」


男「――まぁ、いろいろ問題はあるけど、過去に戻れるわけじゃないんだし……」


男「そうだっ! もしかしたら、みんな演技とかで、明日になったら普通に戻ってるかも……っ!」


男「――なら、いいなぁ……」ハァ…


男「……とりあえず、今の状況を整理するか……」



男「…………いや待てよ」



男「それより、俺……普通に歩いてちゃマズいんじゃ……――」





「お・と・こ・くん?」





男「……えっ?」ゾクッ


男(あれ、これすごくやばいんじゃないか……? いや待て、落ち着け。とりあえずどうする、走るか? でも、迂闊に動き回ったら、他の人に――)


「……男君っ! もう、メール送っても返事くれないし……。――って、どうしたの? 顔、青いけど……」


男「――へっ!? ……って、あ……委員長……?」


委員長「そうだけど……。あれ、男君……なにかあったの?」





470: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/11(金) 23:49:36.37 ID:EL7A2s4h0


男「そっか……委員長か……。――いやーごめん、なんでもないんだ」ホッ


委員長「そう……? あまり、なんでもないようには見えないけど……」


男「ははっ、まぁ……ね」ハハ…


委員長「うーん……。少し、心配だな……」


男「……ありがとう、委員長」ニコッ


男「――で、俺にメール送ったんだっけ? いやいや、今日は携帯も失くしちゃってさ……もう……ね」ズーン


委員長「あはは、そうだったんだ。それならしょうがないね」


委員長「……でも、男君? 今日いろいろあったのはわかるけど……、私との約束忘れてないかな?」


男「……あっ…………わ、ワスレテナイヨ」


委員長「あら、そうなんだ。まぁそうだよねー? 副班長である男君が、こんな責任感のない人間なわけないもんねー?」


男「ま、まったくだな。責任感という言葉は、俺のためにあると言っても過言ではないからな!」フンゾリ


委員長「ぷっ……はははっ! なにそれ……ふふっ!」


男「ははっ、あははははっ!」


男「――……あー、なんかありがとな委員長」


委員長「えっ? ……別に、私は何もしてないと思うけど……」


男「ううん。……なんか、やっと日常に戻れた感じがしたよ……」


男「実際のところは、何にも解決なんかしてないんだけどさ。……でも、ちょっと頭がスッキリした」


委員長「……なんだかよくわからないけど、お役に立てたみたいでうれしいな」


委員長「そっか……。……うん、男君」


男「ん、なに?」


委員長「男君、今日のボランティアの事、気にしなくていいからね?」


男「えっ?」


委員長「返信がなかったから、少し心配してたけど……。どうやら、すごく大変みたいだし……」


委員長「――……それに、男君が理由もなく約束を破るような人じゃないっていうのは、私もわかってるつもりだから」ニコッ


男「……委員長」


委員長「それじゃ! また明日学校でね、男君」クルッ


男「あっ……。――ちょ、ちょっと待ってくれ委員長!」


委員長「えっ? どうしたの、男君」






471: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/13(日) 16:48:22.72 ID:pp1jPG1l0



――AM10:15――


委員長「――でも、本当によかったの? 無理しなくても……」


男「いや、いいんだ。あまり委員長に迷惑もかけたくないしね」


男(それに、ゴミ拾いの場所に居たほうが安全かもしれないし……)


委員長「まぁ、そこまでいうなら……」


男「えっと……場所はこの辺だったっけ?」


委員長「うん。今日の場所は、もうちょっと歩いたところにあるけどね」


男「……今日の場所って……。あれ、次もあるの……?」


委員長「……それはまぁ……ねぇ。……まさか、男君は一回で終わりだと思ってたの??」


男「…………う、うん……」


委員長「はぁ……。――副班長? こういうのはね、継続してこそ意味があるんです」


男「…………まったく、その通りでございます……」


委員長「よろしい。……その辺の話もしたつもりだったんだけどなぁ」


男「うっ……」


委員長「男君が、どれだけ私の話を聞いていなかったかというのがわかるね」ニコッ


男「き、聞いていなかったというか……、あの……聞き漏らしていたというか……。あ、あれかな、委員長と話すのが楽しくて忘れちゃったのかなー……」


委員長「また調子のいいこと言って……。――まぁ、今回はお世辞のうまい男君に免じて、特別に許しちゃいましょう」


男「さっすが委員長っ!」イヨッ‼


委員長「ふっふーん!」エッヘン


委員長「――それに、こうして男君も来てくれたしね」ニコッ


男「ま、まぁ……副班長だしね」テレッ


委員長「ふふっ、そうだね」


委員長「…………でも、本当に助かったよ……」


男「気にしなくていいって! ……しかし、ほかの人はどこに……――?」





委員長「男君が、私の思い通りに動いてくれて」



男「――えっ?」


ガンッ‼




472: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/14(月) 22:37:06.72 ID:8cOKvA1u0



男「――――っ!!」グラッ


ドサッ


男(頭を……殴られた? 誰に? ……委員長に? なんで……。――というか、いま俺は地面に倒れてるのか? ……頭が……混乱して……)


委員長「あ……ごめんね、男君」


男「……い……いん……ちょう……?」


委員長「うーん、ぶつけるところが少しずれちゃったかなぁ。やっぱり、ぶっつけ本番は難しいね。とはいえ、練習するわけにもいかないし……」ブツブツ


委員長「心配しないで? あとでちゃーんと、私が診てあげるから」ニコッ


男「な……んで……」


委員長「あ、大丈夫だよ? 男君を探している人たちがいっぱいいるのは、私もわかってるから」


男「…………っ」


委員長「ふふっ、私ね、男君がなにを考えてるか、だいたいわかるつもりではいるんだ」


委員長「このボランティアのことだって……。男君は、クラスのみんなに聞けばすぐにわかったのに……」


委員長「参加する人なんて、誰もいないってことがね」


委員長「まぁ、もちろん。その時はその時で、考えはあったけれど」


委員長「さっき会ったのだって……。私が男君を見つけたのは、偶然だと思った?」


男「……え……?」


委員長「あの時、私が男君の前に出るのがベストだと思ったんだ」


委員長「どう? 前に居たのが私で安心したんじゃないかな?」


委員長「だって、ただでさえいろんな人につかまって……。大変だったもんね?」


委員長「でも、私はあえて男君と別れようとした」


委員長「『また明日、学校でね』なんて」


委員長「男君はたぶんその時、心の中では私の事疑ってたんじゃないかな?」


委員長「でも、私がそう言ったから、男君は疑うのをやめた」


委員長「だからここに、ノコノコと一緒に来たんでしょ? なんにも警戒しないで」ニコッ


委員長「――まぁどちらにしろ、男君の性格から考えれば、来てくれるんじゃないかな、とは思ったけどね」


委員長「もしかしたら、この場所に来た方が安全だ、なんて思ってたかもしれないけど……」



委員長「――どうかな? あってる?」ニコッ






474: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/17(木) 00:22:12.67 ID:9MjvRKIV0

男(……委員長まで…………俺のことを……)


男(もう、誰を信じればいいんだ)


男(家にも帰れない。学校にも行けない……。悪い夢だと思いたいけど……――)


委員長「――さて、と。それじゃ、男君? 私は準備してくるから、少し待っててね?」


男「……やだ」プイッ


委員長「……ふふっ。男君が、痛みに耐えながらそのロープを解けるのなら、ぜひ逃げてみてね」ニコッ


委員長「でも……ね、男君。よーく考えてみて。もし逃げ出せたとしても、男君はこれからどうするの?」


男「………………」


委員長「男君は、私と一緒に居たほうが安全だよ。それは私が保証してあげる」


男「……ははっ、俺はすっごく頭痛いんだけど……?」


委員長「……それはごめんなさい。――でも、他の人はそんなものじゃ……済まないかもしれないよ?」


男「………………」


委員長「それじゃ、すぐ戻ってくるから」クルッ


男「…………はぁ……」


男(だいぶ、痛みは治まってきたな……)


男(……しかし、委員長の言う通りなのかもしれないな……。ヘタに動くより、いっそ委員長に……)



「まったく……。いつかはこうなるんじゃないかと、思ってたけどね」



男「――えっ? ……お、お前……っ!??」


友「驚いてる暇はないよ。ほら、あっち向いて。ロープ切るから……」


男「あっ……あぁ……で、でもどうして……」クルッ


友「まぁ、偶然だよ。……昨日、男が何か大変なことがあったのはわかってたからね。……それで、今日委員長と歩いてるのを見つけてさ」


友「もちろん、悪いとは思ったし、なにもなければ見なかったことにしようとはしてたんだけど……」


男「……いや、でも助かった。ありがとう……」


友「……とりあえず、ここから逃げなきゃ。……立てるかい?」


男「おう……なんとかな」


友「よし、それじゃすぐに――」



「逃がすわけないじゃない」


ブンッ‼




475: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/17(木) 20:57:41.95 ID:9MjvRKIV0

男「と、友――っ!!」ガシッ


友「――ッ!!?」ヒュッ


委員長「……っ。――さすが、友さんだね」ニコッ


友「それは褒めてくれてるのかな?」


委員長「もちろん。まさか避けられるとは思わなかったな」


友「まぁ、男がとっさに引っ張って助けてくれたのが大きかったよ」


友「――……男、ここはボクに任せて、逃げて」ボソッ


男「で、でも、友は……!?」


友「ボクは大丈夫さ。これでも、剣道けっこう強いからね」ニコッ


男「……ごめん」


友「気にすることはないよ。……それじゃ、後で連絡するから!」


男「……わかった。――……って、俺いま携帯無いんだよ!」


友「えっ? あー……、それじゃ『おすすめの場所』でまた会おう」


男「えっ……。――あぁ、わかった!」ダッ


友「ふふっ……。――それじゃ、お待たせしたね委員長」


委員長「大丈夫。……それにしても、友さんには一本取られたなぁ……」


友「まぁ……運が悪かったってことで、ね」


委員長「――しょうがない、とりあえず私は降参しようかな?」


友「……へぇ」


委員長「正直、さっきの不意打ちが失敗しちゃってから、もう半分あきらめてたんだ」


委員長「私が剣道部のエースである友さんに敵うわけないしね」ニコッ


友「…………えらい素直だね……」


委員長「………………」ニコッ


友「……なにか、隠してるのかな?」


委員長「さぁ、どうだろうね?」ニコニコ


友「…………一応言っておくけど、男にはもう近づかないでほしいな」


委員長「………………いやだ、って言ったら?」


友「……別に、なにもしないけどさ。――でも次、男に危害を加えたら……ボクは手加減しないからね」ギロッ


委員長「ふふっ……、気を付けるよ」ニコッ




476: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2015/12/19(土) 00:34:18.58 ID:ZYGtLfQD0


――AM10:50――


男「――はぁ……はぁ……。ここまで来れば、大丈夫かな……」


男「……イッ! ……友には、助けられたなぁ」イテテ…


男「『おすすめの場所』っていうのは、昨日行ったカフェの事だよな。向かわないと……」


男「……遠いな。でも、そこに行くしか……もうどうしようもないし――」スタスタ


「――ったく、なんで私たちがこんなことしなくちゃいけねーんだろうな」


男「――っ!」ビクッ


「おいっ! ヤンキーさんが聞いてたらどうするんだよっ!!」


男(……とっさに隠れちゃったけど……。ヤンキーの仲間の人たちか……?)


「こんなとこに居るわけねーだろ。……しかし、この男ってやつなにしたんだ? 私たち総出で探させるなんて……」


「知らないよ。でも、珍しく切羽詰まってる感じだったよなー……」


男(ヤンキーさんが、俺を探してる……? ……俺のことを心配してくれてるのかな……)


男(……いま、ここで見つかってヤンキーさんのとこに行った方が安全か……? ヤンキーさんなら、話も通じそうだし――)




「それにしても、ヤンキーさんと一緒に居たあのガキはなんなんだ? 妹か?」




男「――っ!!」


「妹が居るなんて聞いたことないけどなぁ……。なんか、変なガキだよな……。子供なのに、子供じゃないっていうか……」


「はぁ、まぁいいや。とりあえず、行こうぜ」


「そうだなー……――」



男(――妹……。ヤンキーに妹が居るなんて聞いたことないし……。たぶん……、いや、幼女ちゃんに間違いない……よな……)コソコソ


男「……あの二人って知り合いだったのかな……? ……違うか、動物園で会ったのが初めてみたいだったし……」


男「……協力してるっていうか……。たぶん、幼女ちゃんに利用されてるのかな……」


男「何はともあれ、これでヤンキーさんに見つかるわけにもいかない、か……」


男「……行こう。見つからないように……」


男「はぁ……違う意味で頭が痛くなってきたぜ……」




「やっと見つけた、男……」


男「……お……幼馴染……?」





479: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/08(金) 16:47:35.90 ID:lfr0wMlW0


男「……よ、よう」


幼馴染「探したんだから。昨日から、ずっと」


男「…………ごめん」


幼馴染「男の家にも行った。携帯にだっていっぱい連絡した」


男「うっ……。そ、それには訳があってだな……」


幼馴染「言い訳なんて聞きたくない」


男「……まあ、そうだよな」


幼馴染「……男」


男「……?」



幼馴染「私と一緒に来て」



男「……どこに?」


幼馴染「どこでもいいでしょ。来て……くれるよね?」


男「ど、どこでもいいってことはないだろ……」オドオド


幼馴染「来てくれない……の?」


男「…………どちらにしろ、今は無理だよ。……本当、自分勝手で悪いんだけ――」



幼馴染「なんで…………。なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでナンデなんでなんでなんでなんでナンデナンデナンデッ!!?」



男「――……幼馴染……?」


幼馴染「なんで来てくれないの!? 私の事が嫌いになったっ? 私、何かしたかな? 男に嫌われちゃうようなことしちゃったのかなっ?」


男「お、幼馴染っ? す、少し落ち着いてくれ――」


幼馴染「なんで……ッ!? いや……いやだよ……! いや、いやだ……。イヤだイヤだ嫌だいやだいやだイヤだ嫌だ嫌だイヤダイヤダイヤダっ!!!」


男「…………っ!?」


幼馴染「――……そうだよね……。男は、優しいから……。私は、私は悪くない……。……悪いのは、あいつらだよね……」スラッ


男「……お、おい、幼馴染……? なんで、包丁なんか……」


幼馴染「もう、イヤなの」



幼馴染「男が、私以外の雌と一緒に居るのを見るのは、もうイヤなのッ!! ……だから――」




480: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/08(金) 17:33:59.80 ID:lfr0wMlW0




――――でも、他の人はそんなものじゃ……済まないかもしれないよ?



男「……冗談じゃない」ボソッ


幼馴染「――男を殺して。私も死ぬから!」


男「本気……なのか?」


幼馴染「大丈夫、心配しないで。男と私は、それでずっと一緒に居られるの……」


幼馴染「もう、誰にも渡さない。もう、誰にも触れさせないんだから……ッ!!」ダッ


男「――くそっ!」ダッ


男(……幼馴染の足は速くない。逃げるのは、何ら難しいことではないと思うけど……)


幼馴染「待って……待ってよッ!! やっぱり、私の事キライになったんだッ!!」


男「違うッ!! 嫌いになんてなってない!」


幼馴染「――チガウ。もう、私はキラワレちゃってるんダ……」ブツブツ


幼馴染「……コレ以上、キラワレチャウ前に……やらなきゃ」ボソッ


男「……ダメか。逃げるしか……っ!」







「せーんぱーい……、見ーつけたッ!!」







男「――なッ!!?」


後輩「……今度は、逃がしませんから……!」ダッ


男「ちょっ……お前もかっ!! ちくしょうっ!」ダッシュ‼


後輩「せんぱーい? 私を置いていくなんてヒドイじゃないですかぁ……」ニコッ


後輩「先輩を見逃すなんて、久しぶりでした……」


男「はぁ!? なに言ってんだっ!」


後輩「……いつもみたいに、私が――!」


ヒュッ‼


後輩「――ッ!」ズサァ‼



幼馴染「――後輩ちゃん……? さすがに、もう見逃してあげられないなぁ……」スタスタ




481: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/08(金) 19:17:12.10 ID:lfr0wMlW0


男「幼馴染……っ? でも……チ、チャンス……か!」ダッシュ‼



後輩「――チッ……。いつもいつも……」


幼馴染「何か、言った?」


後輩「――いえ、何も? ……でも、いいんですかぁ〜? 先輩、逃げちゃいますよ?」


幼馴染「そうだね。――でも私より先に、雌豚が男に触ってほしくないから…………さッ!!」ブンッ‼


後輩「――おっと! ……はぁ……いつもいつも邪魔なんですよね……。……ただ先輩の隣の家ってだけで、仲良くしていた幼馴染先輩がっ!」


幼馴染「ふふっ、悔しいんだ? そう、誰も私と男の間になんて入れないの。生まれたときから、そう決まってるんだから……」


後輩「……じゃあ、幼馴染先輩がいなくなれば、万事解決ですね?」


幼馴染「………………渡さない――ッ!!」






――AM11:40――


男「――はぁ……はぁ……っ!! ……よかった、とりあえず二人は追ってきてないみたいだ……」


男「……って、あまりよくはない、か……。幼馴染は包丁持ってるわけだし……、下手したら……」ゾクッ


男「……でも、どうすれば……。――って、あれは……交番か!!」


男「さっきの二人のことを言おう! つかまっちゃうかもしれないけど……、最悪の事態には……よしっ!」



ガララッ‼



男「――あ、あのっ! すいません!!」


「んー? どちらさ――ッ!!?」ビクッ


男「……? ……あ、あのお巡りさん? どうか、したんですか……?」


「い、いやぁ、なんでもないよ……。ゴホン……それで、どうかしたのかな?」


男「そ、そうなんですっ! あ、あの、今さっきのことなんですけど――」





「――ふむ、わかった。すぐ、別のものを向かわせよう」


男「はぁ……ありがとうございます!」


「と、ところで……、君の名前は?」


男「あ、俺は男って言います! ……それじゃ、ちょっと急いでるもので――!」



「ちょっ! ちょっと待ちなさい!」




482: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/08(金) 19:43:00.01 ID:lfr0wMlW0


男「……はい? まだ、なにかありましたか?」


「ま、まぁ、君も色々あって大変だったみたいだし……。コーヒーでも淹れるから、一杯飲んで、一度落ち着きなさい」


男「あ……あぁ、お気持ちはうれしいんですけど! どうしても、急用が……!」


「それは、待ち合わせとかかな?」


男「えっ……まぁ、一応……」


「ははっ、ならコーヒー一杯ぐらい飲んだって、大したことではないさ。交番でお巡りさんと話してたとでもいえば、相手も納得するだろう」


男「は、はぁ……」


「焦ってもなにもいいことはない。あえて少し余裕を持った方が、物事はうまく進むものだよ」


男「…………でしたら、一杯だけ……」


「そうかっ! ほら、座って座って……!」


男「は、はい……」


「じゃ、少し待っててね……!」


男「あ、わかりました……」


ガチャ

バタン


男(……確かに、いったん落ち着いて状況を見直した方がいいかもしれない……。さすが、お巡りさんは言うことが違うなぁ……)


男(――しかし、交番っていうのは案外入るの初めてだったり……。ちょっとドキドキするなぁ……)


男(――……あれ? コーヒーとポッド、こっちの部屋にあるじゃないか……。……じゃあ、お巡りさんは……なんで、隣の部屋に……?)


ボソボソッ


男(……電話? なんで、このタイミングで……。何を話してるんだろう……――?)コソッ





「――はいっ! 間違いありません! 送られてきた画像とまったく同じ少年です! 名前も、男と名乗っていました」ボソボソッ


男「――――ッ!!」




「いま、とりあえずここに留まらせています。あ、あの、これで本当に100万円も……。――あ、ありがとうございます! で、では……っ!」




「――いやぁ、ごめんね男くん……。急な電話が……。――い、いないっ、そんな――っ!!?」






男「――くそっ! まさか警察も……っ!?? こんな事できるのって……」





483: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/15(金) 23:18:44.87 ID:nuenmeq+0


ザッザッザ…


男「――っ!」ササッ




「――おいっ。連絡があったのはこっちのほうだったよな……?」


「はい、確かにそのはず……ですが…………ん? …………いや、どうやら逃げられたみたいです……」


「なんだとっ? ――ふんっ、まぁいい。この近くに居ることは間違いないんだろう」


「おそらく……。…………しかし……、なんで我々がこんな……――」ビクッ







「――こんな……? 『こんな』……なんでしょう?」




「――ッ!!? お、おおお嬢様っ!!? ど、どうしてこのようなところに……!」


お嬢様「……あら、私の質問が聞こえなかったのでしょうか?」ニコッ


「す、すいませんお嬢様っ!! こいつはまだ――!」



お嬢様「言い訳は聞きません。……連れていきなさい」


「「はいっ」」


お嬢様「……しかし、さっきの話は本当ですか?」


「はい。どうやら、交番の警官が電話をしているうちに逃げたそうです」


お嬢様「はぁ……まったく。……まぁ、それは仕方ありません。とりあえず、この近くには居るはずでしょう? 絶対に見つけ出してください」


「全力を尽くします」


お嬢様「お願いしますよ……? 私は、男さん以外の方と婚約するぐらいなら、死にますから」ニコッ


「――っ。わ、わかっております……」


お嬢様「なら、いいのです」



ザッザッザ…



男(……や、やっぱりお嬢様か……。なんか、俺の想像以上に大変なことになってるんじゃ……)


男(どうする……。今すぐ動くか、機会をうかがうか……)


男(……いや、何人いるかわからないし、今はおとなしくしてるか……)







484: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/15(金) 23:36:05.74 ID:nuenmeq+0


――PM01:10――


男(――うー……。あれからどのくらい時間が経ったんだろう?)


男(少しずつ、場所を変えたりしているけど、いまだ俺を探してる黒服の人はいる……)


男(……これじゃ、動けない。こうなったらイチかバチかで行くしか……)


ザッザッザ…


男「――っ」


「――おい! ここは探したのか?」


「いや……。でも誰か見てるんじゃないか?」


男(ま、マズい……! 来ないでくれ……!!)


「たしかにな……。これだけ探しても居ないってことは、もう別のところに行ってるのかもしれん」


「そうだよな……」




「まぁ、一応見ておけよ。それでいいだろ」


男「――っ!」


「あぁ……わかった」ガサガサ


男(ダメだ……。もう、行くしかないっ!!)グッ



プルルル…



「ん……? ――おいっ! 隣町のほうで目撃情報があったらしいぞっ!」


男(えっ……?)


「本当か!? よし、行こう!」ダッダッ



男「……助かった……のか……?」


男「目撃情報って……。いや、でもよかった。まだいるかもしれないけど、気を付けて進もう……」








485: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/01/17(日) 00:49:42.96 ID:BxVZ62Vb0


――

――――

――――――


男「――あぁ、もう……。なんだか、すごい遠い場所に向かって歩いてる気分だ……」


男「……おっと。この道を行ったら、自宅の近くを通ることになっちゃうな……。違う道……」


男「いや、待てよ」


男「逆に家の周りには誰も居ないかも……しれないっ! そうだよな、灯台下暗しっていうし……」


男「それに、もしできたらお金も……。さすがに二千円じゃなにするにも微妙な金額だし」


男「よし、そうと決まれば……――」






男「………………」コソコソ


男「だ、大丈夫かな……。やっぱり予想通り、誰も……――」




「おかえりなさい。兄さん」




男「――居ない、なんてことなかったかぁ…………」ビクビク


妹「どこ行ってたんですか兄さん……。心配したんですよ」


男「……ま、まぁなんだ。話せばわかると思うんだ……。その、いろいろ悪いことが重なってしまってだな……――」


妹「――しかし、おかしいですね。いつもの兄さんなら、私を見かけるなり襲ってきてもいいはずなんですけど」ハァ…


男「あ、あれっ!? そんなことしたことないよなっ!?」


妹「……でもまぁ、兄さんなら必ず戻ってくると、私は思ってました」


男「ははっ……、さすがは俺の妹だな」


妹「………………」


妹「ところで、兄さん」


男「どうした?」





妹「姉さんと、ヤったんですか?」



男「」








490: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/13(土) 18:02:50.46 ID:/i/ULcy50


妹「その反応……っ!! やっぱり、そうなんですね……」グッ…


男「い、いやいやいやいやっ、違う違うっ! ちょ、ちょっとびっくりしただけだよ……」


妹「……それじゃ、まだ……?」


男「あ、当たり前だろ! まだ……っていうか、これからもそんな気は……――」


妹「よかった……」




妹「兄さんは、まだ穢されてないんですね」ニコッ




男「……っ」ゾクッ


男「――……ま、まぁ、そういうことになるのかもしれないが……。え、っと……、い、妹?」


妹「……はい…………?」スタスタ


男「ちょ、ちょっとストップっ! あ、あの……どうした?」


妹「どうした?? 別に、どうもしてないですが」ニッコリ


男「そ、そうかなぁ……。なんか、いつもの妹と違う気がしてならないんだけど……」ビクビク


妹「あはは、何を言ってるんですか兄さん。いつもと変わらない妹ですよ。兄さんが愛してやまない、可愛い妹です」ニコニコ


男「え、えぇっと……。――と、とりあえず、俺は少し金を取りに来ただけだからさ! とったら、また出かけようと……思ってるんだけど……」




妹「ダメです」




男「えっと……理由は?」


妹「当たり前じゃないですか。兄さんとその妹である私は、常に一緒に居るべきなんです。それ以外の理由なんていりません」


男「そう言ってくれるのは、兄としてはうれしいが……。ま、まぁ、あれだ、姉さんだっているんだし――」


妹「知りません。そんな人は」


男「…………は? い、いやいや、何を言ってるんだよ……。いつもあんな仲良くしてるじゃないか……」


妹「……そう思ってるのは、兄さんだけですよ」ボソッ


妹「とりあえず、兄さんには私と一緒に居てもらいます」


男「だ、だから……そういうわけにはいかな――」





妹「力ずくでも」




491: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/13(土) 21:14:07.91 ID:/i/ULcy50


男「……えっ?」


妹「兄さんは自覚がなさすぎます。もう、皆さんの糸は切れちゃったんですよ」


男「な、なにを……」


妹「今までずーっと、絶妙なバランスで張っていた糸が切れたんです。もう、戻れないんです」


妹「……兄さんが悪いんですよ?」


男「い、妹……?」


妹「――でも、安心してください。この世でただ一人の妹である私が、ずーっと兄さんの味方です」


ガチャン‼


男「……ちょ、ちょっと待てって……。お、お前も……」


妹「最初から決まってたんですよ。兄さんと私の間に入れる人なんて、誰も居るはずないんですから」ガギッ…


男「お、俺たち、兄妹なんだぞ……? 冗談……だよな……?」


妹「…………冗談? いやですね、私は冗談なんて、ただの一言も言ってないですよ」


男「だ、だから――っ!」


妹「ごめんなさい、兄さん。頭の悪い私には、わかりません」ニコッ


男「――っ!!」



ガッシャーンッ‼
ガンガン‼



男「………………あ、あれ……?」チラッ


妹「……はぁ、本当……。邪魔しかできないんですか……姉さん?」


姉「見ぃーつけたぁ。やーっぱりここに居たんだねぇ……男くん」フラフラ


男「姉さん……」


姉「男くんの匂いならすぐわかるよー? ふふふ、ちょっと遠回りしちゃったけどねぇ……」


妹「……あなたと同じ血が流れているって思うだけで、私は自殺したくなります」


姉「……あぁ、妹ちゃん……居たんだ?」


妹「…………ちょうどいいですね。この世で一番、あなたが邪魔なんですよ」


姉「あははっ――!」




姉「私もだよ」





494: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/14(日) 16:31:27.35 ID:4OltjdPr0


妹「………………」


姉「………………」


男「ちょ……ちょっと二人ともっ!!? な、なにを……」


姉「私と男くんのほうが、長い時間一緒に居るもんね……。それに、妹ちゃんが私に勝てるところなんてあったかな?」


妹「少し早く生まれたぐらいで、調子に乗らないでください。むしろ、姉さんに負ける要素がありません」


姉「ふふっ、いっつも泣いてばかりだったのにねぇ」ニッコリ


妹「…………だから、邪魔なんですよ、あなたは」


男「ふ、二人ともっ! 喧嘩は、やめよう、よ……」ビクビク


姉「男くん……。それはもう遅いんだよ」


妹「そういうことです。そもそも、姉さんと仲良くなったことなんてありませんから」


男「そんな…………」


男(このままじゃ、二人は一触即発の雰囲気だ……。俺が、何とかしないと……!)


男「や、やっぱりこんなの変だよっ!!」


妹「兄さん……」


男「だってさ、俺たちはこの地球上で唯一の兄妹だろ!」


姉「…………」


男「たしかに、少し仲が悪くなるなんてこともあるかもしれない。……けどさ!」


男「辛い時には助け合える……。そうじゃないか?」


妹「…………」


姉「…………」


男「ほら、喧嘩するほど仲がいいともいうし!」



男「俺たち『血のつながった兄妹』なんだからさ!」バンッ‼



姉「…………」イラッ


妹「…………」グッ


姉「…………わかった」


妹「…………そう、ですね」


男「……ほ、本当――っ?」







495: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/14(日) 16:43:36.95 ID:4OltjdPr0







姉「……ごめんね、妹ちゃん。私も男くんをとられる感じがして怖かったのかもしれない」



妹「……私も、実のところ姉さんに嫉妬してたんだと思います」



姉「…………仲直りしよう? 私たち、姉妹なんだし」



妹「…………はい」





男「――あ、あははっ! 俺もうれしいよ!」





姉「それじゃ――」


妹「そしたら――」













姉・妹「 次は、男くん(兄さん)と仲良くしないと 」












男「………………あれ?」







498: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/15(月) 19:18:25.65 ID:+2YfiNIN0

男「ちょ、ちょっと……、あれ、なんか変じゃない……?」オロオロ


姉「変? なにがかなー?」ニコニコ


妹「まったくですね。何がおかしいというのでしょう?」ニコニコ


男「い、いやぁ……なんだろう……ね……」


姉「だって、当たり前でしょ? 弟と仲良くなるのは」


妹「やはり、兄妹みんなで仲良くなったほうがいいですよね。兄さん?」


男「お、俺はさ……も、もう仲がいいから……いいんじゃないかなぁ……」


姉「そんなことないよー。もーっと、もーーっと仲良くならないと、ねぇ妹ちゃん?」


妹「そうですよね、姉さん」


男「………………………………」ダラダラ


男(…………逃げなきゃ――)





姉「 逃がさないから 」




男「――っ!!?」


妹「……兄さんの考えてることなんて、手に取るようにわかります」


姉「どうして、逃げようとするのかなぁ……?」


妹「きっと恥ずかしがってるんですよ、姉さん」


姉「ふふっ、そうだねぇ。かわいい男くん」


男「あ、あはは…………」


男「……姉さん、妹。……俺、実は言わなきゃいけないことがあるんだ……」


姉「え…………?」


妹「…………?」


男「二人とも……――」




男「 大好きだよ 」ニコッ




姉「…………ふぇっ?」カァアア


妹「…………っ!!」






500: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/16(火) 19:47:05.88 ID:Wk+KdvTu0


男「――ってことで、それじゃっ!!」ダッシュ


妹「……っ! しまっ――!」


姉「――……あっ!」



ガチャバンッ‼
ダダダダ…



妹「…………油断しました……」


姉「あぅ……。でも、あれは反則だよ……」


妹「――まぁ、仕方ありません。……それに、兄さんが行きそうなところなんて、だいたいわかります」


姉「……たしかに、それもそうだね……」




ウフフ…
ウフフフフ……

アハハッ‼
アハハハハハッ…







――PM02:45――


男「――……はぁ……はぁ……。む、無我夢中で走ったけど……、追ってこない……?」


男「しかし、もう何がどうなってるんだか……。……あっ、結局お金もとれなかったし……」


男「……いいや。早く、友との待ち合わせ場所に……――」



カツ…カツ…



男「――っ!」ビクッ


ササッ


男(……って、足音がしたからとっさに隠れちゃったけど……。こんなことにいちいちビビってたら、先に進めないよな……)


男「……そんな都合悪く、誰かに会わないだろ――」




先生「………………」カツカツ




男「……いっ!」ソッ…

ササッ


男(…………やばい)ダラダラ





501: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/17(水) 23:27:33.98 ID:nHT+A7fC0


先生「……えっ……? いま、男君の声がしたような……」


男「………………」ダラダラ


先生「…………これは、僥倖かもしれないなぁ……」スタスタ


先生「男くーん……? どこにいるのかなぁ……」


先生「怒らないから、でてきなさーい……」


男「………………」


男(感付かれてしまった……。いっそのこと走って逃げるか? でも、リスクが……なぁ……)


先生「聞こえてるかな、男君」


先生「昨日はごめんね。いきなりでびっくりしちゃったよね……」


先生「でもね、先生のことを信じてほしいんだ」


先生「なにも心配いらないから。男君の為にいっぱい貯金してきたし、ただ一緒に居てくれればいいの」


先生「男君は勉強嫌いでしょ? 私と一緒に来てくれれば、もう学校にも行かなくていいから。ずーっと好きなことしてていいんだよ」


先生「だから……でてきてくれないかなぁ」


先生「…………じゃあ、こうしよう!」


先生「もし、いま出てきてくれたら、私の家の中では自由にさせてあげる」


先生「……でも、このまま先生に見つかったら……――」


先生「――首輪でも、着けてもらおうかなぁ……」ニッコリ


男(…………あれ、結局先生の家に拘束されることに変わりなくないか……?)


男(で、でもどうする……? ここに居たっていずれ見つかるだろうし……。いっそ先生と一緒に行って、隙を見つけるとか……)


男(――い、いやっ、先生が約束通りにするとも限らないよな……。や、やっぱり……、イチかバチかで……)








502: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/18(木) 23:12:20.31 ID:o9fl4iWb0


「あれーっ、こんなところで何してるんですか先生っ?」


先生「――えっ? ……と、友さん……?」


友「奇遇ですね。今日は休みなんですか?」


先生「え、えぇ……そんなところだけど……。友さんは?」


友「あぁー……いや、なんといいますか……」


友「ちょ、ちょっと……隣町のほうに用がありまして……」チラッ


男「…………っ」


男(そ、そうか……。その情報は友が……)


友「――ま、まぁ、そうゆうことでっ! それじゃ、また学校でー!」ダッシュ


先生「あ……あぁ、また……明日……」


先生「………………隣町……?」


先生「……そういえば、さっきまで居た黒服の人たちも、隣町のほうに行ってたわよね……」


先生「……ってことは……男君も……?」


先生「…………さっきのは気のせいね。……早く向かわないと」


タッタッタ…



男「……い、行った……?」


男「……そうか。あの情報を流してくれてたのは友だったのか……。ははっ、流石だな……」


男「よし、これなら行けるぞ……!」


男「ははっ、よぉーしっ!」


男「運は俺についてる……っ!」


男「さぁ、急がないと……」


女「そうだね。急ごう?」


男「しかし、ここからだとどの道がいいかなぁ……」


女「あれ、そもそもどこに行く予定だったんだっけ?」


男「ははっ、忘れちゃダメだよ……。ほら、あの…………――」アハハ…


女「あの………………?」ニコニコ


男「………………………………」ダラダラ



女「男くんは、どこを目指してるのかなぁ?」ニッコリ




503: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/19(金) 20:22:16.70 ID:WwyPgr5j0

男「…………まぁ、その話は置いといて」


女「えー、教えてほしいなぁ……。いいでしょ、男くん?」


男「お、女さん……いつの間に……?」


女「私はいつでも、男くんの傍にいるよ」


男「…………へぇー……」


女「昨日はひどいなぁ……?」ギュッ


男「ま、まぁ、あの……私にもいろいろと訳がありまして……」


女「今日は、一緒に居られるのかな?」ニコニコ


男「いや……。その……用事がありまして……」


女「居れるよね?」


男「…………あ、あの……」


女「ねぇ?」


ギュウウウ


男(……これは、逃げられそうにない……)


女「うふふっ、楽しいねぇ?」


男「ソウダネ」


女「……私だけの男くん……」


女「ほら、運命の赤い糸……。私と男くんでつながってるの、見えるでしょ?」


男「う、ウン……」


女「ぜーったい、切れないんだぁ……」


男「で、でも、アレだと思うなー。きっと、女さんにはもっと素敵な人が――」


女「そんなのない」


男「――居ると、思ったんですけどそうですか……」


女「もちろん、男くんにも私しかいないよ?」


女「ほかの赤い糸があったって、ぜーんぶ切っちゃうから……」ニコニコ


男「そっかぁ……」


男「………………」


女「………………」ニコニコ


男「……そっかぁ……」




504: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/22(月) 21:27:53.59 ID:MAubiBypO

女さん怖い ガグブル




505: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/26(金) 23:01:30.62 ID:Hef6nJCX0


女「さぁ、それじゃ行こうか、男くん?」


男「…………いやぁ、どうしようかなぁ……なーんて……」


女「……そんな男くんも嫌いじゃないけど……。あんまりわがまま言ってると……――」スッ


男「行きましょう」


女「ふふっ……いい子だね。……でも、一回お仕置きしないといけないかな?」


男「い、いやぁ! 大丈夫です……」


女「怖がらなくていいんだよ? さぁ、男くん?」ニコニコ


男「………………うん……」ダラダラ


男(……いよいよ、終わったかなぁ……)


女「楽しみだなぁ……。男くんもそうだよね?」


男「ウン……――」


ブロロロロロ…‼


男(……あれは……バイクか? いいなぁ、俺も盗んだバイクで走りだしたいなぁ……)


男「――……って、アレ……こっちに来てるんじゃ……っ!?」


女「……まさか…………」



キキィッ‼



男「…………止まった……!?」


女「…………あぁ、もう……」イラッ


ヤンキー「――っ! おとこっ、やっと見つけたっ!」


男「や、ヤンキー!?」


ヤンキー「おとこぉ……。全然連絡も取れなくて、すごく心配したよぅ……」


男「ご、ごめんな。い、いろいろと――」


女「あら、奇遇だねヤンキーさん。……とりあえず、さっさと居なくなってくれないかなぁ?」


ヤンキー「……なんでおめぇが男と一緒に居るんだよ……?」


女「わざわざ言わないとわからないのかな? ねぇ、ワンちゃん?」


ヤンキー「…………良い機会だな。動物園での決着つけようじゃねぇか」







508: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/28(日) 19:04:14.27 ID:Ic0adcIf0

男「ちょっ、二人とも……――」


男(……って、待てよ。ヤンキーさんが居るってことは……もしかして……)




幼女「 見ーつけた 」




男「――っ!」ジリッ


幼女「いやー助かったよ……。動物園で会ったお姉ちゃんが、扱いやすくて」


男「……やっぱり。ヤンキーになに言ったんだ?」


幼女「そんな大げさなことは言ってないよ。……ただ『早く見つけないと、男が危ない』って言っただけ」


男「……そっか」


幼女「――……それじゃ、おとなしく捕まってくれるの?」


男「……いいや、悪いけど……。俺は行かなきゃいけないところがあるんだ」


幼女「はぁ……そうだよね……」


男「…………あ、あれ、いいの?」キョトン


幼女「まぁ、しょうがないからね。本当はヤンキーのお姉さんに捕まえてもらう予定だったんだけど……――」



ヤンキー「………………」

バチバチッ‼

女「………………」



幼女「――あんな感じだし。……よかったね、女って人と一緒に居て」ニコッ


男「……不幸中の幸いってやつだな」


幼女「――でも、わかったでしょ?」


男「…………え?」


幼女「私は、男を見つけられる。……今回は運が良かったけど、つかまるのも時間の問題だと思うよ」


男「…………ははっ、幼女ちゃんは怖いなぁ……」


幼女「でも、男も大変だね……? いろんな人に探されてるみたいだし……」


幼女「――あっ、そうだ。……たしか、友って人いたよね?」


男「えっ? あぁ……居るけど……――」



幼女「アレは信用しちゃダメだよ? ……忠告しといてあげる」



男「…………頭に、入れとくよ」




509: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/02/28(日) 19:37:10.79 ID:Ic0adcIf0



――PM03:30――


男「――はぁ……はぁ……。もうこんな時間か……」


男「早くいかなきゃ……友が……」



――アレは信用しちゃダメだよ?



男「――……ははっ、何を言っているんだか。……そうだよ、あれも幼女ちゃんの作戦なのかもしれないし、惑わされちゃダメだ」


男「……とにかく、これ以上時間かけるのはマズいだろ。早くしないと……」


男「……早く……しないと……」


スタスタ


男(……あれ、あの人影って……)


男「………………マジっすか……」




先輩「…………」ニコッ




男「……け、今朝ぶりですね……先輩……」


先輩「…………そう……」


男「せ、先輩はこんなところで何してるんですか?」


先輩「……男に……会いに来た……」


男「……そう、ですか……」



スタスタ

カチカチカチ…



男「――ちょ、ちょっと待ってくださいよ先輩!」


先輩「…………?」


男「お、俺、これから行かなきゃいけないとこがあって……」


先輩「……そう。……だから……ずっと同じ方角に……逃げてる……」


男「そ、そうなんですよっ! だ、だから……――」




男「………………えっ……?」








513: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/04(金) 16:42:15.90 ID:+echMHmt0


男「……せ、先輩……? なんで……知ってるんですか……?」


先輩「………………」ニコッ


男「先輩っ! 応えてくださいっ!!」



先輩「……さぁ……?」



男「…………っ!」


男(まさか、ずっとつけてた…………いや、それはないよな。先輩は『前』から出てきた。……俺の行くところがわかってる……?)


男(いや、それもないはずだよな。だってそれは、友と俺しか知らないはず……)



――……また、後で……。



男(……そうだ。あのとき先輩は確かにそう言った……。どうしてだ? 会う予定なんて…………)


スタスタ…


先輩「…………逃げられない……よ……」カチカチ…


男「……考えてる余裕は無い……か……」


ダッ‼


男(……もう、寄り道はできない! 時間をかければかけるだけ、友も危なくなる……!)


男(今はとりあえず、少しでも早く友に会って、状況を説明しないとっ!!)



先輩「………………」ジー



男(…………あれ、何もしてこない……? なんで……――)



先輩「………………」ニコッ



男「――っ!」ゾクッ


男(なんだ……。もしかして、これも先輩の作戦とか……!?)


男(――いやっ! 余計な事考えちゃダメだ。とにかく、走ろう……!)



――――――

――――

――







623: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/05(土) 21:41:40.92 ID:6w5HO4130


――PM03:50――


――

――――

――――――



男「――はぁ……はぁ……。案外遠いもんだな……」


男「……って、そうだ。ここからなら、あの近道が使えるじゃないか」


男「たしか……昨日も学校から友のところ行くときにも使ったよな……。まさか二日連続で使うことになるとは……」


男「……よしっ!」


ガサガサッ‼

グキッ


男「――イッ……。あぁ、足ひねった……」


男「……いや、とりあえず急ごう……――」








――――――


友「………………」ソワソワ


男「――っ! おーいっ、友っ!!」


友「あっ……男っ! 無事だったんだねっ」


男「はぁ……はぁ……おかげさまでな」


友「ははっ……。いや、まさかこんな大事になってるだなんて、ボクも思ってなかったよ……」


男「本当……笑えねぇ……――って、そうだっ! それどころじゃないんだった!」


友「えっ……――?」





友「――……なるほど。この場所が見つかるのも時間の問題ってことだね……」


男「……そうなんだよな。…………友も、俺と居ると危ないかも……」


友「……ははっ、それもそうかもしれないけど……」


友「水臭いじゃないか……。ボクは……男となら…………」ボソッ


男「……友?」


友「いぃいいいやいや、なんでもないよっ!」アセアセ





624: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/05(土) 22:50:28.77 ID:6w5HO4130


友「――オホンっ! えぇっと……とにかくこれからのことだね……」


男「……そうだな。俺は、ここに来るのが精いっぱいだったな……」


友「うーん……。男の居場所が知られてる……か……」


友「……でも、相手だって人間のはずだし、何かあるはず……」


男「うーん……」


友「まぁ、でも時間の問題ではあるだろうね」


男「えっ? どういうことだ?」


友「確証はない……けど、相手がそれをわかるのは、今日か明日までぐらいだと思う」


男「本当か?」


友「たぶんね。……だから、今日を入れて二日……いや三日逃げ切れば、もう大丈夫だと思うんだ」


男「三日…………」


友「ちなみに、だけど。携帯は持ってないんだよね?」


男「あぁ、なんでか姉さんに捨てられたんだよな……」


友「なるほど……。ほかに持ち物は?」


男「いや……、なけなしの二千円なら持ってるけど……」


友「あはは……。――まぁ、とにかく場所を移動しようか」


男「あぁ、そうだな――っつ……」ズキッ


友「えっ? 足、怪我してるの??」


男「あぁいや、大したことはないんだけど……」


友「もしかして、またあの道通ってきたのかい?」


男「まぁ、急いでたからな……」


友「それじゃ……少し歩くけど、ボクの家に行こう」


友「なにもなければいいけど……。覚悟を決めるしかないかもしれないね」


男「あぁ、その時は俺も、もう逃げないよ。……色々…………ありがとうな、友」


友「……今度、ご飯でも奢ってよ? それでいいよ」ニコッ


男「ははっ……奢るよ。何でも奢る」


友「――よしっ、決まりだね。それじゃ、行こうっ」バッ



 




625: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/05(土) 23:02:08.49 ID:6w5HO4130





 そう言って友は、まるで太陽のような笑顔で手を差し伸べてきた。


 
 俺はその手を――――



















 ――――とらなかった。



















626: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/06(日) 21:43:56.95 ID:QNFGsptZ0


友「…………男?」


男「…………友……さ」


男「さっき……言ってたよな」


友「……男? 話があるなら、歩きながらでも――」


男「――言ったよな。…………『またあの道を通ってきたのか』って……」


友「…………うん」


男「なんで、そう言ったんだ?」


友「なんで……って、昨日の事じゃないか。まさか忘れたのかい?」


男「そう。俺は昨日、学校からここに来るときに、あの近道を通った」


男「今日も、昨日と同じあの道を通ったんだ」


友「……? なら、別にいいじゃないか?」


男「……でもさ。それじゃおかしいんだよ」


友「……おかしい?」


男「昨日の会話……。覚えてないか?」


友「………………」


男「俺は覚えてる。……いや、思いだした」


友「………………」


男「たしか、友は俺にこう言ったよな――」


男「『ここに来るとき、どこを通ってきたのか。服にいろいろついてるけど』……ってさ」


友「………………あぁ、そうだったね」


男「…………俺、応えたはずなんだ」











男「 木登りしてたって 」















627: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/06(日) 23:37:27.08 ID:QNFGsptZ0


友「………………」


男「別に、意味があるわけじゃない。ただ、誤魔化そうと思ってでた言葉だったんだけどさ……」


男「……あの道を使ったことを知られたくなくて、そんなことを言ったんだ」


男「…………なんか、怒られる気がしてさ……」


友「………………」


男「だから……、友は知ってたらおかしいんだよ――」




男「昨日、俺があの道を使ったってことを……」




友「………………」


男「………………」


男「…………なあ、友。……なんか言い返してくれよ」


男「なんか、理由があるんじゃないのか。……なんで知ってたのか」


友「…………ないね」


友「ははっ……。今すぐ、男を納得させられるような理由が思いつけばよかったんだけど……残念」


男「…………嘘だろ……」


友「そっか……。そういえばそうだったよね……。今日一日でも、いろいろと忙しかったからすっかり忘れてたよ」


男「…………ウソ……だろ……」


友「いやー…………――」





友「――あと、もう一歩だったのになぁ」ニコッ





男「――――っ」



男「――うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」



アハハッ
アハハハハッ‼

アハハハハハハハハハハハッ‼


――――――

――――

――





630: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/14(月) 20:51:27.10 ID:V2vZHHp70



――PM04:20――




――


――――


――――――




男(――走った)


男(……もう、どうなってもいいと思った)


男(車に轢かれても、誰かに見つかっても……。もう、そこであきらめようと思った)


男(……だけど、気付けば俺は駅に来ていた)


男「…………もう、疲れたなぁ……」


男「…………ん、二千円……」


男「……これだけあれば、どこまでいけんのかな……」


男「…………いいや、よくわかんないけど……一番高いの買ってやろう」


男「きっと、そこには……俺のこと知ってるやつなんて一人もいやしないし……。すこしは、落ち着けるかもしれない……」


ガヤガヤ…


男「……なんか、人混みの中に居ると安心するなぁ……」


男「――とりあえず……座って……電車でも待つか……」ウトウト


男「はぁ……なんだ……急に……眠気が……」


男「疲れてんのかな……」


男「ベンチで横になったら迷惑かな……。まぁ、いいよな……」フラッ…


男「……もう…………………………」


男「………………………………」




――――――


――――


――






633: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/14(月) 22:42:05.70 ID:V2vZHHp70


「…………ます。こちらは……――」

 不意にそんな声が聞こえた気がした。
 それをきっかけに、徐々に意識が覚醒してくるのがわかった。

「……あぁ、寝ちゃったのか……」

 起こされたのは、どうやらアナウンスの声だったようだ。
 男は、ゆっくりと体を起こして、周りを見渡す。
 暗い。
 どれだけ眠っていたのだろうか。
 目の前には、誰も乗っていないが、扉を開けて電車が止まっていた。

「……なんか、寒いな……」

 冷えた体を擦りながら、駅のホームの時計に目をやった。
 時計の短針は11時を指している。
 どうやら、6時間近く寝てしまったようだ。
 男は、小さくため息をつく。
 駅に着いた時の喧騒とは打って変わって、今は誰一人居ない。とても静かだ。

「…………って、こんなことしてる場合じゃ――!」

 そこで、昼間の出来事を思い出す。
 再び、慌てて周りを見渡す。今度は、人影……もしくは何か変わったことはないかと注意しながら。
 しかし、男の心配は杞憂に終わる。
 ……もう、誰も追ってきていないのだろうか?
 先輩は? 自分の居場所が分かるわけではなかったのか?
 それとも、誰も男がここに居ることを予想できなかったということなのか。
 なにはともあれ、何もないことに安堵して、胸をなで下ろす。

「……でも、夢じゃないんだよな……」

 すこし寒いが、夜風で少し頭が冷やせたようだ。
 今日一日は、常に頭を使い、常に動き回っていたようなものだったから、こんなに冷静に考える時間がなかった。
 思えば今日は、先輩の家で監禁されていたことから始まった。
 次は、姉に助けられたかと思えば、再び監禁されかける。
 なんとか逃げ出した後は……そうだ、委員長に会ったんだった。
 最初に委員長を見たときは、とても安心したのを覚えている。委員長なら安全だと。
 だけど、そんな期待も裏切られて…………友に……助けられた。

「……そこから、もう友の思惑だったのかな……」

 逃げて。
 幼馴染からも逃げて。
 後輩からも逃げて……。
 お嬢様とその使用人みたいな人たちからも逃げて。
 妹に……会って。
 そのあと、姉も来たんだったかな……。
 それでも、何とか抜け出して。
 先生と鉢合わせて……。

「……それも、友が助けてくれたんだよな……」

 そのあと女さんに会った時は、さすがにもう無理かと思ったけど……。
 ヤンキーが来てくれて……。
 そうだ、ヤンキーは大丈夫だろうか……? まだ、幼女が近くに……。
 
「きっと、大丈夫だよな……」

 自分に言い聞かせるように、ぼそりと呟く。今の男には、そう願うしかなかった。
 ヤンキーたちと会ったその場から移動する最中、先輩に会って……。
 ――笑った。
 ……なんで、あの時先輩は……。――いや、いくら考えても、きっとその理由はわからないだろう。

 ……そして、友のところにたどり着き……――。
 
 ……そして、裏切られた。

 唯一、友だけは信用できると思っていたのに。
 ふと、男の頬に涙が流れた。

「もう……、俺は何を信じればいいんだ……」

 兄妹も、クラスメイトも、教師も、幼馴染も、親友も……――。


「……まもなくドアが閉まります。お乗りのお客様は――」


 そんなアナウンスが流れた。

 
 




634: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/14(月) 23:28:13.54 ID:V2vZHHp70


 そこで、男もハッと我に返る。
 そして大きく深呼吸すると、ゆっくりと立ち上がった。
 どこか寂し気に光る電光掲示板を見れば、この電車が終電だということがわかる。
 気付かずに寝過ごしてしまっていたら……。
 ふと、そんなことが頭をよぎる。
 しかし、いま男は起きているのだからと頭を振って、その考えを振り払った。
 一歩電車の中に足を踏み入れると、外よりは少し暖かい。
 最初から、電車の中で考えればよかったと思い、自嘲の笑いを浮かべる。
 何故だかイスに座る気分にはなれなくて、吊革をつかみながら外を眺めた。
 暗い、窓の外の景色。
 そして、そんな窓に反射してうつる自分の姿を、ただぼんやりと見ていた。
 あまり自分の姿というものを鏡で見ることも無いが、ただそこに居た自分は、なんだか少し小さく見えた。
 再び自嘲気味に笑うと、今度は景色に目をやる。


「………………えっ……?」


 そして、見てしまった。
 暗い景色の中、ポツンとたたずむ人影を。


「………………っ!」

 ドクンと、大きく心臓が動く。
 気付けば呼吸も早くなっていた。
 いや、まだあの人影が誰かとは限らない。
 何度もそう思い込もうと試みるが、うまくいかない。
 暗くてよくわからないが、こちらのほうをジッと見ている。
 まだかっ! まだドアは閉まらないのかっ!
 男にできるのは、ただひたすらに祈ることだけ。
 尋常じゃないほどの冷や汗を右手で拭う。
 再び外に視線を向けると、人影はいなくなっていた。
 先ほどより激しく心臓が動く。
 もし、いまこの電車に駆け込んで来たら……。 
 いやしかし、あの場所からここまでくるのには数分はかかるはず……。
 それまでには……――。

 プシュー。
 そんな空気の抜けるような音とともにドアが閉まる。
 同時に男は、膝から崩れ落ちた。
 助かった……。さっきまであの人影があった場所から、この電車まで来るのにそんなに早く来れるはずがない。
 それに、あの人影は自分とは何の関係のない人かもしれないじゃないか。
 先ほどは、肯定できなかった考えも、扉が閉まったいまはすんなりとそう思えた。
 ゆっくりと電車が走り出す。
 男も、座席につかまりながら立ち上がり、そのまま椅子に腰を下ろした。
 背中を丸め、深いため息をつく。
 さっきまで寝ていたというのに、助かったという安心感からか、また眠気が襲ってきた。
 
「……寝るか……」

 どうせ起きていたって、やることなんてない。
 そう思いながら、男はゆっくりと目を瞑った。






635: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/15(火) 00:04:48.30 ID:opLYsvfs0



 ゆっくりと、落ちていく。

 電車の走る音。

 電車の揺れる感覚。

 車内の暖かさ。

 そのすべてが、男を眠りへと誘っているようだった。

 男の中では、やはり安堵の気持ちが大きかった。

 何一つ物事が好転したわけではないのはわかっているが、それでもゆっくりと考える時間ができるというのは、やはり安心する。

 大丈夫。なんとかなる。

 そう、自分に語りかける。

 いつか、みんなとも仲良くなれる時が…………。

 そう、自分に言い聞かせる。

 いや……、後は起きたときに考えよう。

 今はもう、眠ろう。

 男の脳が、もう休みたがっているように重くなる。

 とても、心地のいい。

 電車の揺れも、音も。

 椅子の柔らかさも、体に残る疲れも。

 



 そして、目に当てられる冷たい……手も……。





 ぞわっと、全身に鳥肌が立った。

 そして、再び激しく動き始める心臓。

 いつの間にか、固く握った両の手も震えている。

 そんな……どうしてっ!?

 いくら考えても、答えはわからない。

 嘘だ……。こんなの……こんなの…………っ!!

 気のせいだと思いたい。

 否定したい。

 しかし、目の前の現実はそれを許さない。


 そしてソレは、微かに笑ったかと思うとこう言った。








    「 だーれだ? 」








 お わ り





636: ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz 2016/03/15(火) 00:15:57.42 ID:opLYsvfs0


大変長らくお待たせいたしました。
これにて、完結とさせていただきます。

これだけグダグダとしてしまったのにもかかわらず、最後まで見てくださった方々、本当にありがとうございます。
皆さんの応援があったから完結までやってこれたと思います。

>>53で終わらせとけばよかったなぁ、と後悔しながらも、何とか自分の思い描いていた終わりまでやることができました。


またSSを書く時がありましたら、その時も暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。

それでは。




637: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/15(火) 00:24:36.51 ID:aXHxhn8t0


ヤンデレ怖い




638: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/15(火) 00:26:03.52 ID:lkpJeLCyo






639: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/15(火) 00:43:03.55 ID:QKO3IV/so

おつおつ
完結してよかった
ホラー路線はいいね




640: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/15(火) 00:52:16.52 ID:ZHPVhlskO

おつおつ




・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
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シトロン「出来ました! ○○で女性トレーナーを調教するマシーンです!」
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