転載元:ベヘリット「心が叫びたがってるんだ。」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 22:36:37.84 ID:43O0cufL0

元ネタの人気に便乗したって言って卵ぶつけないで

〔内容〕『心が叫びたがってるんだ。』と『ベルセルク』のクロスオーバー





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 22:37:53.51 ID:43O0cufL0

通学路

順 「ハァ、ハァ、ハァ」

順 (本当は寄り道はいけないけど、今日はお城を見に行こう)

順 (お城の中ではどんな舞踏会が開かれているのかな?)

順 (いつか、私も行きたいな)



その女の子は小さな山の頂きにあるお城に憧れていました
クリーム色の城壁
尖がり帽子を被せた様な青い屋根を持つ塔
沢山の窓が着いた素敵なお城です





1




彡(°)(°)「お!近所のJCやんけ声かけたろ!」
男の娘「残念実はおと――」男「嘘だ!」
子供「らんら〜ん♪」熊「あっ」子供「あっ」熊「あっ」もぐもぐ
シンジ「毛虫なんてどうかな?」 ゲンドウ「・・・・・・」
悟空「ブルマ先っちょだけ挿れさせてくんねぇか」 ブルマ「はぁ!?」
【※画像あり】このHカップJKの体操服姿どうみても不自然すぎやろwwwwwwwwwwwww
巨乳よりも何倍も敏感に反応する膨らみかけのちっぱい!!
【衝撃画像】壇蜜・フルヌード(乳首丸出し)でフ●ラ○オ!⇒2ch「完全にAVだろ、これ…」
【※神スレ※】パ●ティに手突っ込んで手マンしてる画像クレメンス → 「シコった」「女だけどシ...
【wおかえりw】一度足を洗うも結局戻ってきてしまった悲しいA●女優がこちらwwwwwww...

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 22:51:06.24 ID:43O0cufL0

山頂 ラブホテル 『HOTEL SHEEP』入り口

順 「ハァ、ハァ」

順 (着いた……お城だ)

順 「ハァー……すてき……おとぎ話に出てくるお城と同じ……」

順 (あれは……? 車が出て来る、ちょっと隠れよう)

ブロロロロロ

順 (!)

順 (今、車に乗ってたのって……)

順 (パパ!)




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:01:04.60 ID:43O0cufL0

成瀬宅 リビング

順 「ママー!」

泉 「お帰……」

順 「ただいまっ! ママ、あのね、あのね!」

順 「さっきね! 順ね! すごい秘密を知っちゃ……」

泉 「卵焼きで――お口っぽいっ!」

順 「!」

順 モゴモゴ

順 「ほいひい! あまい!」

泉 「順は本当、口から生まれてきたのね。ちょっと待ってね。今、パパのお夜食作っちゃうから」

順 「そうっ、パパがね!」





順 「お城から出てきたの!」





泉 ピクッ

泉 「お城……?」

順 「うん、お山の! パパって王子様だったの! お姫様、ママじゃなかったけど……」

順 「ママ、ごはん作ってたから舞踏会行けなかったの? あっ、もしかしてママ、魔女だったりするの?」

順 「でもママだからきっといい魔女よね?」

泉 「……ダメ」

順 「?」

泉 「その話……誰にもしちゃ……ダメ……」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:11:31.80 ID:43O0cufL0

――こうしてお腹の出た王子様はいい魔女に家を追い出され、お姫様のところへ――

成瀬宅 玄関

順 「あ、あのねっ! ママとケンカしたならねっ! 順が仲直りさせてあげるっ!」

順の父 「……」

順 「だからね、パパは今まで通り――」

順の父 「順……」

順 「?」

順の父 「本当にお喋りだな」

順 「え……」

順の父 「……全部、お前のせいじゃないか」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:22:25.72 ID:43O0cufL0

路地裏

順 「ヒック、グスッ……」

順 (順のせいなの? 順のせいでパパとママはケンカしたの? パパはお家出て行っちゃったの?)

占い師 「お嬢ちゃん?」

順 「?」

占い師 「お嬢ちゃん、どうしたんだい?」

順 「これから……お城に行くの」

占い師 「お城? 山の上のお城かい?」

順 「うん!」

占い師 「止めた方がいい。あそこは子供が行くところじゃない」

順 「えっ……?」

順 「お婆ちゃんもいけないって言うの? ねえ、どうして?」

占い師 「あのお城は呪われたお城なんだよ」

順 「呪われた?」

占い師 「そう……」

順 「そんな……。私、いつか素敵な王子様と……お城の舞踏会へ行きたいと思ってたのに……」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:35:26.83 ID:43O0cufL0

占い師 「……どうしても行くというのならこれを持ってお行き」

順 「これは?」

占い師 「卵だよ。お嬢ちゃん地元の子だね?」

順 「うん」

占い師 「なら、近所のお寺にこれと似た感じで色を塗った卵がお供えされているのを見たことがあるだろう?」

順 「うん」

占い師 「これもその一つだよ。特にこの紅いのは『覇王の卵』と言ってね。自分の血と肉を引き換えに世界を手に入れることが出来る」

順 「でも、私お金持ってない……」

占い師 「特別にこれはタダであげる」

順 「いいの?」

占い師 「ああ、だからもう泣くのはお止し」

順 「ありがとう、お婆ちゃん」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:46:20.91 ID:43O0cufL0

山腹の遊歩道

順 (お城を見れば少しは気分が良くなると思ったけど……あまり行きたくなくなってきた……)

順 (さっきお婆ちゃんから貰った赤い卵……)

順 (福笑いみたいに鼻とか口が変な感じについてる……)

真紅のベヘリット ギロッ

順 「ヒィッ!」

順 (目!?)

真紅のベヘリット 「ヴオオオオオオオオオオオオオッ!」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 23:57:07.59 ID:43O0cufL0

順 (ここはどこ!)

順 (夕方だったのに急に暗くなってる!)

順 (何なの、ここ!)

順 「ママーッ! パパーッ!」 

順 (怖い、怖いよ……)

ユービック 「フォフォフォフォフォ」

順 (セミのお化け!?)

順 (助けて……誰か……)

コンラッド 「ボオオオオオオオッ!」

順 (ダルマのお化け!?)

ボイド 「時は来た、我ら……」

順 (ガイコツ!?)

――




11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 00:09:02.47 ID:v93PsfdJ0

順 (あれ……ひざ枕)

順 (順、ひざ枕してもらってる……ママかな……)

スラン 「あら、お目覚め? 可愛い副王さん」

順 (ママじゃなかった……)

スラン 「貴方達怖がらせ過ぎよ」

ボイド 「これでも出来る限り笑顔で接しているつもりだが」

スラン 「貴方も冗談を言うことがあるのね、ボイド」

ユービック 「しかしこの娘が真紅のベヘリットの持ち主とは因果律も気まぐれ……」

順 「ダメッ!」

ムギュッ

スラン 「きゃっ!?」

順 「オバさんおっぱい丸見えだよ。隠さなきゃ!」

スラン 「オ、オバ……」

ユービック 「オ・バ・さ・ん」

コンラッド 「ホッホッホッ」

スラン ギロリ

ユービック 「おお怖」

コンラッド 「これは失礼」




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 00:25:43.72 ID:v93PsfdJ0

スラン 「気にすることはないわ。ここには私達以外誰も居ないから」

順 「でもガイコツ達がいるよ」

スラン 「いいのよ、彼らは」

順 「どうして?」

スラン 「貴方がお着替えする時にペットに見られて恥ずかしいと思う」

順 「思わない」

スラン 「それと同じ」

ボイド 「ペット……」

ユービック (非道い……)

コンラッド (そういうこと言うんだ……)

スラン 「それに貴方の小さなお手手じゃ隠しきれてないわ」

順 「……」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 00:36:57.07 ID:v93PsfdJ0

スラン 「それより、新たなる魔王の誕生を祝いましょう」

順 「まおう?」

ユービック 「その真紅のベヘリットを手にした時からお前は魔王の資格を得ていたのさ、イヒヒヒヒ」

順 「ベヘリット?」

ボイド 「お前が手にしている紅き卵のことだ」

真紅のベヘリット 「……」

順 (赤い卵が涙を流してる……)

順 (泣きたいのは順の方だよ……)

順 「ウ、ウ、グス、ウワアアアアン!」

ゴッドハンド一同 「!」




15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 00:49:24.29 ID:v93PsfdJ0

ユービック 「お嬢ちゃん、落ち着いて!?」

順 「怖いよ! もう嫌だよ! お家に帰して!」

ボイド 「皆、こっちへ。作戦会議だ」

ユービック 「やれやれ、泣く子と地頭には勝てぬか」

コンラッド 「そっちへいく」

スラン 「私も」

順 「イヤッ!」

スラン 「えっ!?」

順 「オバさんはここに居て、怖いもん」

スラン 「オ、オバ……」

ボイド 「スラン、頼む。その娘を」

スラン 「ハァ……。ゴッドハンドの私に子守をさせるつもり?」

ユービック 「わしらでは余計怖がらせるだけだ」

スラン 「仕方ないわね……」

スラン 「安心して、貴方はこのお姉さんが守ってあげる」

順 「ありがとう、オバさん!」

スラン 「……」




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 01:05:12.51 ID:v93PsfdJ0

ユービック 「そもそもどうしてあんな幼子の時点で覇王の卵が呼応したのだ?」

コンラッド 「今それを言っても仕方あるまい」

ボイド 「未来の副王とはいえ所詮は子供。これからは出来るだけ平易な言葉を使うように」

ユービック 「そんなに小難しい言葉を使っていたつもりはないのだが」

コンラッド 「あと……」

ボイド 「ん?」

ユービック 「何か考えが?」

コンラッド 「話し方を工夫出来ないか?」




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 01:16:25.37 ID:v93PsfdJ0

順 「怖いよう……」

スラン (参ったわね……)



ボイド 「たま〜ご〜に捧げよ〜♪」

ユービック 「ビュ〜ティフルワ〜ルド♪」

コンラッド 「生贄〜あり〜がとう♪」



順 「……」

スラン 「……」



ボイド 「我等は〜卵の〜妖精さ〜♪」

ユービック 「あなたの〜願いを〜叶えたくて〜♪」

コンラッド 「現れた〜王子〜様さ〜♪」




22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 19:45:25.50 ID:ehy4+WG50

ボイド (超常の存在である我ら守護天使が)

ユービック (真名を冠する眷属の我らがよりによって)

コンラッド (子供の機嫌を損ねぬよう歌を歌うとは……)

スラン 「ウーッフッハハハハハッ!」

ボイド 「笑い過ぎだ」

スラン 「ハハハハハッ……ハヒッハヒッ、お腹が捩れる!」

ユービック 「少しでも状況を打開すべくやっておるというのに」

スラン 「ごめんなさい……。でも……ア、ダメ我慢出来ない。ハッハッハッハッ!」

順 「イヤ」

コンラッド 「何が気に入らんのだ?」

順 「私の王子様はそんな太ってて気持ち悪い顔してない!」

ユービック 「……」




24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 19:58:27.20 ID:ehy4+WG50

スラン 「もういいわ。私からこの子に説明する」

スラン 「貴方が持ってる卵はね、願い事が叶う魔法の卵なの」

順 「魔法の卵……」

スラン 「そう、特に貴方が持っているその紅い卵はどんな願い事も叶えてくれるの」

順 「本当!?」

スラン 「ええ、本当よ」

順 「あのね、あのね、順ねっ……」

順 「パパとママを仲直りさせたいの!」

ボイド 「パパと……」

ユービック 「ママを……」

コンラッド (仲直り……)

スラン 「ジュンはパパとママが大好きなのね」

順 「うん! 順はパパもママも大好き!」

スラン 「ならその願いは叶えられないわ」




25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 20:07:12.59 ID:ehy4+WG50

順 「どうして!?」

スラン 「願い事はタダでは叶わないのよ。願いを叶える為には生贄として自分の最も大切にしているものを捧げないといけないの」

スラン 「ジュンはパパとママのどちらを生贄に捧げるの?」

順 「……」

スラン 「出来ないでしょ。パパとママのどちらかが居なくなったら貴方の願い事は叶わなくなる」

順 「……ウソツキ」

スラン 「?」

順 「さっきどんな願い事も叶うっていったのに! オバさんのウソツキ!」




26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 20:17:54.54 ID:ehy4+WG50

スラン 「他の願い事はないの? 欲しいモノとか」

順 「イヤだ! 順はパパとママと一緒に暮らすの!」

スラン 「ハァ……これでは降魔の儀どころじゃないわね」

ユービック 「もう少し分別のつく年頃になってから改めて――」

ボイド 「降魔の儀を延期するというのか?」

コンラッド 「我ら守護天使の役目、今のこの娘には荷が重過ぎるのでは?」

スラン 「仮にこの子を私達の仲間に加えたとして、誰がこの子の面倒を見るの?」

ボイド 「……そうだな。我らにとって十年二十年はそれ程長い年月ではない。時が来るのを待とう」

ボイド 「降魔の儀は延期とする!」




27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 20:45:23.93 ID:ehy4+WG50

スラン 「ジュン」

順 「?」

スラン 「残念だけどここでお別れだわ」

順 「お家に帰れるの?」

スラン 「ええ、但し……」

スラン 「貴方は知らないといけない」

スラン 「この世で最も重い罪は、言葉で人を傷つけることだと」

ボイド (やはり気にしていたか)

ユービック (オバさんよばわりされたことを)

コンラッド (太ってて気持ち悪いと言われた我よりはマシだろうに)




28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 20:56:57.89 ID:ehy4+WG50

ボイド 「無邪気な子供の言葉だ。気にすることはない」

スラン 「無邪気だからこそよ。要するに本気でそう思われたってことでしょう?」

ユービック 「このような幼子には二十歳過ぎた者は皆オジさんオバさんに見えるものだ」

スラン 「私が傷ついたことに変わりないわ。人間は辞めても女を辞めた覚えは無いの」

スラン 「安心して、取って食ったりはしないから」

スラン 「ねえ、ジュン」

順 「何?」

スラン 「貴方がもっとマシな願い事を決めたらその時は貴方の願いを叶えてあげる。但しそれまでは……」

スラン 「その悪いお口を封印させて貰うわ」

順 (口が!?)

スラン 「ジイィィィィィー……」

順 (喋れない!?)

スラン 「いつかまた会える日を楽しみにしているわ、可愛い副王さん」




29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 21:20:41.19 ID:ehy4+WG50

―月日は流れ―

揚羽高校校舎 廊下

明日香 「菜月はモテるのにどうして彼氏作らないの? 他に何が望み? 勉強も出来て顔もカワイイのに贅沢者め!」

菜月 「そんなこと無いよ……」

菜月 (何かしら? 廊下に赤い物が落ちてる……)

菜月 ヒョイ

菜月 (卵? その先には後ろ姿の成瀬さん……)

明日香 「菜月、何拾ったの?」

菜月 「ちょっと待って」

明日香 「もう……」

菜月 「成瀬さーん。これ貴方が落としたの?」

順 「!」

タッタッタッタッタッ バッ!

明日香 (凄い勢いで戻ってきて奪った!)

順 「あ……」

菜月 「?」

順 「あり……ありが……ッッ!」

順 ズキッ!

タッタッタッタッタッタッ

明日香 「行っちゃった……。なんなのあの子? て言うか誰?」

菜月 「もう、同じクラスの成瀬さんでしょ」

陽子 「無理も無いよ菜月。あの子が喋ってるところ誰も見たことないもん」

明日香 「何か凄く焦ってたけど、何落としたの、あの子? 菜月が拾ったのって何?」

菜月 「卵の形したストラップ」

明日香 「ストラップねえ……」




30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 21:27:25.20 ID:ehy4+WG50

揚羽高校校舎 屋上

順 「ハァ、ハァ、ハァ」

順 (紐が切れてる。結び直さなきゃ……)

順 (私にかけられた呪い。異形の化け物にかけられた呪い。それは言葉を話そうとするとお腹が痛くなる呪い)

順 (そして彼らが真紅のベヘリットと呼んだ赤い卵を私は今も持っている)




37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/21(水) 02:49:00.43 ID:oK9Kym4y0

そういやフェムトいないってことはグリフィスは戦場の露と消えたってことでいいのかな




38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:07:45.34 ID:CvBoQwyK0

1です

>>37
グリフィスについてはこの時代存在してないということだけ設定として考えてたので
(1)そもそもゴッドハンドで無かった
(2)>>37氏の指摘通り戦死
(3)幽閉中の拷問で獄死
(4)フェムトに転生したがその後死亡(ガッツに討たれる)
のどれか好きな設定を脳内補完して下さい

これより今日の分を投下




39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:13:21.65 ID:CvBoQwyK0

揚羽高校校舎 廊下

順 (音楽準備室集合か……『ふれあい交流会』の委員なんてやりたくないのに)

順 (何だろう? 歌とアコーディオンの音が聞こえる……)




40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:23:50.35 ID:CvBoQwyK0

揚羽高校校舎 音楽準備室

拓実 「卵にー捧げよう♪ beautiful words 言葉をー捧ーげよー♪」

順 (今の歌? 昔バケモノが歌ってたのと同じメロディ!?)

城嶋 「何だ、成瀬。入らないのか?」

順 (後ろに先生!? 気付かなかった!)

拓実 「先生!? 成瀬!?」

拓実 (聴かれた、俺の弾き語り!?)




41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:32:58.74 ID:CvBoQwyK0

城嶋 「あ! そういや、さっきの良かったよ。さっき弾いてた曲」

拓実 「あ! あれは別に!」

城嶋 「古い映画なのによく知ってたな『Around the world』だろ?」

拓実 「……まあ、ミュージカルとか好きなのが近くにいたんで……」

城嶋 「へぇー……お!」

城嶋 「それいいかもな、ミュージカル。丁度いいじゃん、ふれあい交流会」

拓実 「……何でそうなるんスか」

城嶋 「俺、一応音楽教師だし」




42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:43:21.95 ID:CvBoQwyK0

成瀬宅 台所

順 「たまーごにー♪ 捧ーげよー♪」

順 (声が……出せる!)

順 「たまーごにー♪ 捧ーげよー♪」




43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 22:53:33.39 ID:CvBoQwyK0

近所の寺の階段

拓実 「呪い?」

順 カチカチ

順(携帯のメッセージ) 「はい、呪いです」

拓実 (話せないからこうやって携帯に文章を打ち込んで相手に見せてるのか)

順(携帯のメッセージ) 「10年前、小学生の時に占い師のおばあさんから紅い卵を貰いました」

順(携帯のメッセージ) 「その卵から召還されたゴッドハンドを名乗る化け物に呪いをかけられました」

順(携帯のメッセージ) 「話そうとするとお腹が痛くなる呪いです」

拓実 「呪いかあ……。その……ゴッドハンドってどんな奴ら?」

順(携帯のメッセージ) 「4人います」

順(携帯のメッセージ) 「骸骨頭と裸の美人とセミみたいに飛び回ってるのと太った丸っこいのです」

拓実 「へえ……」

順(携帯のメッセージ) 「信じてませんね」

拓実 「いや……信じてないっていうか……」

順(携帯のメッセージ) 「その卵がこれです」

拓実 (成瀬が首からかけていた紐を外した……服の下に隠していたのか)

拓実 「これが……」

拓実 (成瀬から受け取った紅い卵……グロテスク……。もしこいつがお寺にお供えされてたら怖いな……)

真紅のベヘリット ギロリ

拓実 「うわっ!?」

拓実 (しまった! 吃驚して仰け反ったせいでバランスが!)




44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 23:05:36.63 ID:CvBoQwyK0

順 (坂上君!?)

ガシッ!

拓実 「ハァッ……ハァッ……」

拓実 (成瀬が支えてくれなかったら階段から落ちるとこだった……)

拓実 「ありがと、成―!?」

順と拓実 (顔近っ!)

バッ!

順 (とっさに離れたけど、今凄く顔近かった……)

拓実 (気まずい……何か話さないと……)

順(携帯のメッセージ) 「ごめんなさい」
 
順(携帯のメッセージ) 「驚かすつもりは無かったんです」

拓実 「いや、いいって。俺のほうこそさっき助けてくれてありがとう」

順(携帯のメッセージ) 「でも、これで信じてくれましたか?」

拓実 「ああ、信じるよ。それから……」

拓実 「成瀬もさ、伝えたいことあるんなら、歌ってみるのもありなんじゃね?」

拓実 「歌なら、呪い関係ないかもしれねえし」

順 (思えばこれまで誰にも話さなかった真紅のベヘリットのことをなぜ坂上君に話せたのか。きっと私は理解者が欲しかったんだ)

順 (偶然とはいえ「歌」にすれば声を出せることを教えてくれた彼が、呪いから私を救ってくれる存在に思えた)




45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 23:17:48.78 ID:CvBoQwyK0

揚羽高校校舎 2年2組 教室

田崎 「バッカじゃねーの。実行委員に喋んねえ女いて、そんで歌とかミュージカルとか謎すぎんだろ」

田崎 (こっちは肘壊して野球出来なくなってそれどころじゃねえッーの)

田崎 「なあ、しまっちょ、そんな使えねえ奴外してもっかい委員選び直した方がいいんじゃね?」

城嶋 「おい、田崎――」

拓実 「使えねえのはどっちだよ? 後輩君達も可哀相に」

菜月 「坂上君!」

田崎 「ハァ、何言ってんだ?」

拓実 「後輩君達愚痴ってたよ。使えねえポンコツのくせに、毎日偉そうに出張って来てすっげー邪魔だってよ!」

田崎 「な……!」

三嶋 「おい坂上! テメェ何テキトーなこと言ってんだァ!」

順 (このままじゃ喧嘩になる!? 止めて!)

真紅のベヘリット 「ヴオオオオオオオオオオオオオッ!」




46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 23:30:00.93 ID:CvBoQwyK0

拓実 「な、何だ!? これ!?」

菜月 「ここどこ? 教室じゃない!?」

城嶋 (オイオイオイ、これヤバクない?)

順 (ダメッ! 治まって!)



真紅のベヘリット 「ヴオォォ……」



田崎 (……景色が……戻っていく)

三嶋 (今の、何だったんだ……)



城嶋 「みんな、席に着けー」

城嶋 (何だったんだ今の? 集団催眠か?)

拓実 「……あ……さっきは言い過ぎた」




47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 23:43:16.74 ID:CvBoQwyK0

ファミレス

菜月 「このお話、成瀬さんが書いたの……凄い! やりましょう、ミュージカル!」

拓実 「どうした、田崎?」

田崎 (あれは野球部の後輩ども! まだ練習中の筈だろーが!?)

後輩1 「やっぱ田崎さんいねーとサボんの楽な」

後輩2 「いや、マジでさあ、このままずっと来んなっての」

田崎 「おい……何やってんだ……お前ら?」

後輩1 (田崎さん!)

後輩2 (何でココに?)

後輩1 「スイマセンでしたッ!」

後輩2 「スイマセンでしたッ!」

後輩1 「山路、お前も頭下げろよ!」

山路 「先輩こそ何やってんスか? 新チーム始まってまだ体制固まってねえこの時期に、女連れてファミレスですか?」

山路 「ホンット余裕っすね」

菜月 「私達は『ふれ交』の打ち合わせで!」

田崎 「山路―」

山路 「何が『今のエースはお前だ』だよ……。いっつもいっつも偉そうなことばっか言いやがって!」

田崎 「!」

山路 「目障りなんだよっ! どうせなら俺の前からスッキリ消えてくれりゃあいいのによっ!」

順 「いい加減に……いい加減にしろッ!」

一同 「!?」

順 「消えろとか、そんな簡単に言うなッ!」

順 「言葉は傷つけるんだからッ! ……絶対に……もう取り戻せないんだからッ!」

順 「後悔したって、もう絶対に、取り戻せないんだからッ!」

真紅のベヘリット 「ヴオオオオオオオオオオオオオッ!」




48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/25(日) 23:54:07.05 ID:CvBoQwyK0

後輩1 「ヒィッ!? 足元、どうなってんだ!?」

後輩2 「何で暗くなってんだよ!?」

山路 (一体……何が起きてんだ……)

菜月 (これって昨日教室で起きたのと同じ!?)

田崎 (またかよ!?)

拓実 「……成瀬、いいのか?」

順 「何がッ!」

拓実 「お前、お腹痛くならないのか?」

順 「!」

順 「グウウゥゥッ!」

真紅のベヘリット 「ヴオォォォ……」

順 バタリ

菜月 「成瀬さん!?」

拓実 「成瀬!」

田崎 「……」




49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/26(月) 00:08:22.49 ID:31Mvw0gI0

揚羽高校校舎 音楽準備室

城嶋 「いやー俺は嬉しいよ! お前達がそこまでミュージカルやりたいってんなら俺全力でバックアップするから!」

菜月 「成瀬さん、お腹大丈夫?」

順 コクリ

拓実 「昨日あの後、病院に担ぎ込まれたんだし今日は早めに帰った方が……」

城嶋 「病み上がりか……。なら成瀬だけ先にあがれ」

順 カチカチ

順(携帯のメッセージ) 「ありがとうございます。でも大丈夫です」

城嶋 「ならいいけど。これで田崎が来れば全員集合なんだがな」

ガラッ

田崎 「失礼します!」

菜月 「ちょっと、何?」

田崎 「成瀬……この前はヒデえこと言って悪かった!」

拓実 (90度のお辞儀! 思いっきり頭下げてる)

田崎 「そんで、よければ、お前らのやろうとしてるやつ、俺にも手伝わせてくれ!」

順 「……」

田崎 「駄目か……?」

順 カチカチ

順(携帯のメッセージ) 「もちろんです! ありがとうございます!」

田崎 「お、おうこっちこそ……よろしく……」

田崎 (教室で起きたことといい、ファミレスで起きたことといい、あのクソ不気味な風景から元に戻ったからいいけどよ……)

田崎 (こいつ本気で怒らせたら何起きるか分かんねえ……)



順 (『ふれ交』こと学校行事の『ふれあい交流会』の委員に選ばれた私達は自然と会話の機会が増えた)

順 (『ふれ交』の出し物はミュージカルに決まった。私が脚本を書き、それに坂上君が音楽を当てる)

順 (全てがうまくいっていた。そう……あの日までは……)




53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 23:37:15.37 ID:V2SWLtii0

揚羽高校 校舎 ゴミ捨て場までの通路

拓実 「に……仁藤?」

菜月 「来ないで!」

拓実 「で、でも……お前……泣いて……?」

菜月 「いいから!……もういいから、あとは私やっとくし、早く成瀬さんとこ行ってあげて!」

拓実 「え……?」

拓実 「何でそこで成瀬の名前が出てくんの?」

菜月 「だって好きなんでしょ? 成瀬さんのこと!」

拓実 「ちょ、ちょっと待てなんだそりゃ! 俺は特に成瀬のこと、好きとかそんなんじゃない!」

菜月 「え……だって! 成瀬さんのこと気にかけているじゃない、すっごく!」

拓実 「ああ、かけてるよ! でもそれは何て言うか、成瀬すげー頑張ってっから応援したいって……」

菜月 「それが好きってことじゃないの!?」

拓実 「だから違うって! なに人の気持ち勝手に決めつけてんだよ……」

菜月 「そんなの分かんないよ……」

拓実 「仁藤、俺が好きなのは――」

ドサドサッ!

菜月 「誰っ!?」

拓実 (……誰も……いない。荷物だけ置いてある……)




54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 23:46:00.21 ID:V2SWLtii0

路上(順の通学路)

順 (聞いてしまった……)

順 (坂上君は持ち前の優しさで私に接してくれただけだ)

順 (私は同情されていただけだ……)

順 (彼と過ごした日々も、これまでの呪縛から自らを解き放つ決意も……全て……)




55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/02(月) 23:55:36.27 ID:V2SWLtii0

成瀬宅 台所

順 「今までありがとう。ベッチー」

真紅のベヘリット 「ウオォ……」

順 「私、ゴッドハンドの呪いを恐れていた」

順 「でも歌にすれば声が出せることに気付いたの」

順 「私は声が出せなくて自分に自信が無くて、そのせいで願い事が叶うアイテムと言われた貴方を手放せなかった」

順 「でももう決めたの。これからは坂上君と一緒に前向きに生きていくから」

順 「今日、燃えるゴミの日だから……ごめんなさい」

真紅のベヘリット 「ウオ!……」

真紅のベヘリット 「ウオォォォォォ……」

順 (泣いてる……。流石に可哀想だけど、誰かにあげる訳にも行かないし、これまでの自分と決別しなきゃ)




56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 00:52:55.99 ID:8V5PeOY50

近所の寺のお堂

真紅のベヘリット 「……」

鳴子 「何かこのお供えの卵キモくない?」

仁太 「そうだけど……これはこれで造形的に凄くないか?」

鳴子 「じんたん趣味悪すぎ。Tシャツも変なのばっか着るし」

仁太 「別にいいだろ、好きで着てんだから」

鳴子 「私がコーディネートしてあげるから新しいの買お」

仁太 「人間、好みってのはそう簡単に変わんないんだよ」

鳴子 「じんたん……」

仁太 「何だよ。急に?」

鳴子 「直ぐに変わんなくてもいいから。その……まだめんまのこと好きなままでいいから」

仁太 「何でそこでめんまが出てくるんだよ?」

鳴子 「ごめん……」

仁太 「めんまはみんなで見送っただろ?」

鳴子 「うん……」

仁太 「まあ……確かに自分で選んでると同じような服ばっか着るようになるっていうからな。一緒に選んでくれるか?」

鳴子 「うん! 任せて」





順 (流石にゴミに出すのは我ながら非道いと思った。きっとあのお寺できちんと供養してもらえるだろう)




58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 23:08:35.61 ID:5snA6n+o0

路上(順の通学路)

順 (そういえば坂上君が所属するDTM研究会の部室にも行ったっけ……)




59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 23:25:50.13 ID:5snA6n+o0

揚羽高校 プレハブ DTM研究会部室

拓実 「またお前ら部室でゲームやってんのか」

岩木 「これから始めるところって、……成瀬さん!」

成瀬 カチカチ

順(携帯のメッセージ) 「おじゃまします」

岩木 「いらっしゃい! ようこそDTM研究会へ!」

相沢 「おっ、そうだ。成瀬さんもゲームする?」

順(携帯のメッセージ) 「ゲーム?」

相沢 「そう、ネトゲ。俺らが色々教えるから」




60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 23:36:43.80 ID:5snA6n+o0

相沢 「それで名前を登録して。ハンドルネーム」

成瀬 「……」カチカチ



『真紅のベヘリット』さんで登録されました



岩木 「真紅のベヘリット……何かカッコいい名前だなあ」

相沢 「この名前絶対由来あるっしょ? ゲーム終わった後で聞いてもいい?」

成瀬 コクリ




61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 23:48:21.80 ID:5snA6n+o0

岩木 「上手い! 成瀬さんスジいいよ」

拓実 (傍から見てると楽しそうだけど、俺は見てるだけでいいや)

相沢 「マズッ!」

岩木 「どうした?」

相沢 「ゾッドだ!」

岩木 「ゾッドって、マジかよ?! つーか何でこんな初心者向けのマップに出て来んだ?」

拓実 「ゾッドって何だ?」

相沢 「このゲームの凄腕! そいつが負けるとこ誰も見たことないから『不死のゾッド』って呼ばれてる」

岩木 「成瀬さん、逃げるよ!」




62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/03(火) 23:59:17.36 ID:5snA6n+o0

相沢 「簡単には逃がしてくれないか……」

岩木 「同時攻撃、俺が右、お前が左だ。行くぞッ!」

相沢 「当たった! 今のうちに一気に駆け抜けるぞ……ウワッ!」

岩木 「相沢ッ!……ヤベッ! 食らった!」

相沢 「岩木、逃げろ!」

岩木 「駄目だ、もう一撃食らったら死ぬ……」

ピピッ! HIT!

岩木 「今の攻撃! ……成瀬さん!?」

相沢 「逃げてなかったの!? ていうかゾッドにヒットさせただけでも凄って……止まった!?」

岩木 「ゾッドの動きが止まった……」




64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:08:57.08 ID:yakuT1cq0

ゲーム チャット画面

Zodd  そのHNは何だ?
Zodd  真紅のベヘリットよ。そのHNは何だと聞いている! お前は真紅のベヘリットを知っているのか?
真紅のベヘリット  知っているというか私持ち主です。
Zodd  何……フフフフフ、ハハハハハ! 一つ忠告、いや予言してやろう。その男の野望が潰えし時、お前達に死が訪れるであろう。
Zodd  決して、逃れられない死が!!
真紅のベヘリット  あの、私女なんですけど

Zodd  さんがオフラインになりました

相沢 (助かった……?)

岩木 (見逃してくれたのか……?)




66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:18:55.46 ID:yakuT1cq0

岩木 「捨てた!?」

相沢 「さっきのハンドルネームの由来になったアイテム?」

成瀬 コクリ

岩木 「勿体無いなあ。名前聞いただけでゾッドが撤退したアイテムなのに」

拓実 「お前らそろそろ『ふれ交』の準備やろーぜ」

相沢 「OK、お開きにしますか」

岩木 「またゲームやろうね、成瀬さん」

成瀬 コクリ

成瀬 (真紅のベヘリットを知ってるって……あのゾッドって人、何者なんだろう?)




67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:25:09.96 ID:yakuT1cq0

路上(順の通学路)

順 (走馬灯のように思い出せるあの日々は何だったの?)

順 (ミュージカルでは主演を張るくせに自分のことになったら独り芝居!)

順 (やっぱり気持ちは言葉にしちゃ駄目なんだ!)

ズテッ

順 (痛ッ!)

順 (走ってて転倒した。……痛い……膝すりむいてる)

順 「ハハハハハ……」

順 (もう、乾いたような笑い声しか出ない……。ん? これは……)

順 ヒョイ

順 (真紅のベヘリット!?)

順 (どうして!? お寺にお供えしたのにどうしてこれがここに転がってるの? カラスか何かが盗んでここまで運んできて落としたの?)

順 (経緯なんて些細なこと……今これを手に入れてしまったら……)

ブロロロロ、パアァァァー

順 (車のヘッドライト!?)

キキーッ、ドン!




68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:35:12.79 ID:yakuT1cq0

揚羽高校校舎 2年2組 教室

明日香 「主演が遅刻ってどういうこと?」

陽子 「校内あちこち探したけど見つからないよ?」

相沢 「まだ来ないねー」

拓実 「駄目だ、携帯にも出ない」

田崎 「そうだ、お前ら昨日、教室行った時に成瀬に会わなかったか?」

菜月 「え? 昨日って?」

田崎 「教室に荷物持ってったろ?」

拓実 「あの時って……」

菜月 「じゃあ……あの物音って……」 




69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:44:16.19 ID:yakuT1cq0

田崎 「お前ら何やってんだよ! それで成瀬の奴ショック受けて……クッ……」

明日香 「何それ? 痴情のもつれって奴? それって酷くない?」

陽子 「いくら菜月達の会話聞いて落ち込んだからってボイコットは無いよ……」

拓実 「みんなごめん!」

拓実 「俺達が言い出して、みんなに協力して貰ってここまでやってきたのに……成瀬はそれを全部ぶち壊そうとしてる」

拓実 「それは本当に酷い裏切りだと思う」

拓実 「でも俺、それでもあんなに必死に、喋ると腹痛くなるのに無理してでも頑張ってたあいつを見てたから」

拓実 「だから……やっぱりどうしてもあいつに舞台に立って欲しいんだ!」




70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/04(水) 00:53:04.49 ID:yakuT1cq0

成瀬の通学路

拓実 (主演は仁藤、王子役は岩木に託したけど、早く探さないとミュージカルが終わっちまう)

拓実 (ここにこいつが落ちていたってことは、成瀬がここを通ったってことだ)

拓実 (いったいどこに……携帯!? 岩木から?)

拓実 「もしもし?」

岩木(携帯の声) 「俺だ、岩木だ。成瀬の居場所が分った! 先生に電話変わる!」

拓実 「先生?」

城嶋(携帯の声) 「先生だ。坂上、落ち着いてよく聞け」

拓実 「はい……」

城嶋(携帯の声) 「成瀬のお家の方から連絡があった。成瀬が交通事故に遭ったそうだ」

拓実 「!」

城嶋(携帯の声) 「命に別状は無いが絶対安静で入院している。今日のミュージカルは無理だそうだ」

拓実 「どこの病院ですか!?」

城嶋(携帯の声) 「坂上、一旦教室に戻って来い」

拓実 「でも! 先生!」

城嶋 「なあ、坂上。成瀬の心配してるのがお前だけと思うか?」

城嶋 「先生もクラスのみんなも成瀬が心配なんだ。お前にだけ勝手な行動を許すことは出来ん」

城嶋 「教室に戻って来い。みんな待ってる」

拓実 「はい……」




73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 20:59:16.51 ID:xgDHQjL90

揚羽高校校舎 2年2組 教室

拓実 「ハァ、ハァ、ハァ」

城嶋 「坂上、戻って来たか」

拓実 「……先生、成瀬の具合は?」

城嶋 「さっき電話で話した通りだ。それ以上のことは先生も聞かされていない」

拓実 「先生、成瀬の所に行かせて下さい!」

城嶋 「見舞いに行くのは『ふれ交』が終わってからにしろ」

菜月 「坂上君、落ち着いて」

拓実 「俺らのせいで成瀬は入院したのかも知れないんだぞ!」

菜月 「何……それ……」

相沢 「考え過ぎだって!」

拓実 「落ち込んでて車に気付かなかったのかもしれない……いや、ひょっとしたら……」

田崎 「いい加減にしろよ」




74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:07:46.20 ID:xgDHQjL90

田崎 「今日のミュージカル、誰が話を考えた? 誰が一番頑張ってきた!?」

拓実 「俺だって分ってるよ!」

田崎 「だったらもし出たくても出られなくなったらあいつがどう思うかも分かるだろ」

拓実 「……」

田崎 「俺には分かんだよ! 自分が怪我したせいで一緒にやって来た仲間に迷惑かけるのがどんなに惨めか!」

田崎 「すまねえって気持ちになるか……」

拓実 「田崎……」

菜月 「坂上君、後で成瀬さんに『ミュージカル成功した』って報告出来るように頑張ろう」

城嶋 「放課後、先生は成瀬の見舞いに行く。その時一緒に連れてってやるから今は舞台に集中しろ」

拓実 「分かりました……皆、勝手なこと言った。ごめん」




75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:16:27.87 ID:xgDHQjL90

病院

看護婦 「はい、言いたいことがあったらこの紙に書いて頂戴」

順 (ここまで看護婦さんから話を聞いて自分が車に撥ねられたことと入院したことは分かった……)

順 (そして今日のミュージカルにはもう出られないことも……)

順 (何でだろう……ミュージカルにもう出られないのに……何も感じない……)

順 (寧ろ私が気になるのは……)

カキカキ

順(メモ用紙への書き込み) 「私の持ち物に卵の形をした紅いペンダントはなかったですか」

看護婦 「ちょっと探してくるわね」




76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:33:52.17 ID:xgDHQjL90

看護婦 「ごめんね。それらしい物は見当たらなかったわ」

カキカキ

順(メモ用紙への書き込み) 「ありがとうございます」

順 (むしろ無くなってよかった)

順 (もしあれを今持っていたら……私は……)

順 ズキズキッ!

順 (喋ってないのに、お腹がッ!)

? (お腹ではない。痛いのは、胸だ)

順 (何、誰ッ!? イタイ、イタイ、イタイッ!))

看護婦 「成瀬さん!?」




77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:44:17.92 ID:xgDHQjL90

揚羽高校 講堂

ナレーション 「以上、『演劇集団 鷹の団』こと2年2組によるミュージカル『青春の向こう脛』をお送りしました」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

坂上 (幕が降りた……大盛況だ! 成瀬に見せたかった……)

菜月 (うまくいってホッとしたわ……成瀬さんの代役だったけど……)

田崎 (劇団名を付けるって成瀬のアイデアだったよな。でもあいつライオンズファンじゃ……)

城嶋 「みんなお疲れ様、本当によく頑張った」

城嶋 「最後は後片付けだ。折角ミュージカルが成功したんだから最後までしっかりやろうな」

城嶋 「『ふれ交』の委員は片付け免除の代わりに仕事があるからこっちに来い。他の者は各自片付け開始! 終わったら教室に集合な。一旦解散!」 




78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:55:26.72 ID:xgDHQjL90

城嶋 「三人、いや、ここにはいないが成瀬も含めて四人、本当にお疲れ様。お前らに頼んでよかったわ」

田崎 「先生、仕事って何スか?」

城嶋 「お前達に『ふれ交委員』としての最後の仕事を与える。田崎はこれ」

田崎 (色紙とペン、これって……)

城嶋 「お前が責任を持ってクラス全員から成瀬宛の寄せ書きを集めてくるように。それから仁藤にはこいつを渡すから……」

菜月 (お金……)

城嶋 「このお金で近くの花屋に行って成瀬へのお見舞いの花を買ってきてくれ。領収書を貰ってくるんだぞ。宛名は『お品代』でいいから」

城嶋 「それから坂上は、クラスの皆への後片付けの指示を頼む。こういう時、知ってる人間がいないと皆困るだろうからな」




79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 22:07:11.20 ID:xgDHQjL90

病院 ロビー

城嶋 「2年2組担任の城嶋です。この度は順さんが怪我で――」

泉 「わざわざありがとうございます。後ろの皆さんは?」

城嶋 「うちのクラスの生徒がどうしても見舞いに来たいっていうものですから……大勢で押しかけてすみません」

城嶋 (『先生は放課後、病院へ成瀬の見舞いに行く。一緒に行きたい者は10分後正門前に集合』ていったら)

城嶋 (まさかクラス全員集まっちまうとはな)




80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 22:22:21.68 ID:xgDHQjL90

菜月 「私達、順さんに『ふれ交』のミュージカルが成功したって直接伝えたくてこうして来たんです」

泉 「ミュージカルね……面白いこと考えるのね。でも素敵じゃない。仲良しのクラス皆で」

田崎 「そうなんス。あの……成瀬が主演やりたいって言ってて」

泉 「そう、順が……」

拓実 「みんなで頑張れば成瀬が……成瀬さんが喜ぶかなと思って」

泉 「本ッ当、貴方達とっても仲が良いのね」

田崎 「いや、仲良いって程でも……」

泉 「順、羨ましかったでしょうね……仲間外れにされちゃったわね」

田崎 「いや、俺達は――」

泉 「順はもう居ないってのに! ……どうして順だけが、順独りだけが……」

城嶋 (それって……まさか!)




81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 22:35:27.98 ID:xgDHQjL90

拓実 (成瀬が死んだ!?)

泉 「さっき容態が急変したのよ……今はもう……何も……考えられない……」

菜月 「嘘……そんな……」

城嶋 「……お悔やみ申し上げます。……みんな、一旦、お暇しよう」

田崎 「!」

三嶋 (大ちゃんが成瀬のおばさんの方に向かってる!)

城嶋 「田崎、待て!」

泉 「!?」

バッ!

田崎 「お願いします!」

泉 (この子、床に両手をついて……)

田崎 「成瀬に、娘さんに別れの挨拶をさせて下さい!」

菜月 「田崎君!?」

田崎 「おこがましいですけど、俺、おばさんの気持ち分かる気がします」

田崎 「俺、娘さんが、順さんのことが好きでした!」

泉 「!」

田崎 「俺、順さんの為に何かしたいんです」

田崎 「俺、過去に生きた者だったから……それを、頑張っている娘さんを見たおかげで前を向いて生きていけるようになったから……俺……」




84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 21:17:56.62 ID:/9AnexEM0

病院 順の病室前の廊下

泉 「皆さん、今日は順の為に来てくれて本当にありがとう」

泉 「皆さんもご存知のように順はうまく言葉が話せません。でも学校でこんなに沢山のお友達が出来たことが母親としてとても嬉しいです……グスッ……」

拓実 (成瀬……)




85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 21:28:16.14 ID:/9AnexEM0

病院 順の病室

泉 「順、お友達が来てくれたわよ」

城嶋 (霊安室に遺体を移してないということは本当についさっきの出来事だったらしい)

泉 「ええと、お名前は?」

田崎 「たッ、田崎大樹です!」

泉 「田崎君ね。今日は来てくれてありがとう」

田崎 「いえッ、そんな……自分は……」

泉 「順に会ってあげて」

田崎 「ハイ」

田崎 (成瀬……俺、『ふれ交』が終わったらお前に告白しようと思ってたんだぞ。何で死んじまったんだよ……)

泉 (順、貴方のことが好きだって言ってくれる男の子が居たのね。本当だったらこれから恋愛もしていく年頃でしょうに……)




86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 21:37:35.35 ID:/9AnexEM0

拓実 (成瀬のおばさんが涙ぐんでる仁藤に声をかけてる)

拓実 (あ、目が合った!?)

拓実 ペコリ

泉 「……」

拓実 (目を逸らされた。何か気まずいな……。そういえばまだ『ふれ交』が始まる前に、成瀬のおばさんがうちに保険の勧誘に来たことがあった)

拓実 (爺ちゃんも婆ちゃんもおばさんのこと気に入って保険入るって言ってたっけ)

城嶋 「次、坂上お前が行け」

拓実 「はい……」

城嶋 (古今東西ミュージカルってのは大抵奇跡が起きるもんだ。もし神様が居るっていうなら言ってやりたい)

城嶋 (『今こそ奇跡を起こす時でしょーが!』って……)




87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 21:46:31.77 ID:/9AnexEM0

意識の深淵

順 (ここは……)

? (よく来た。人の子よ)

順 (貴方は……誰?)

? (私は源形(イデア)。全ての人間の心の底に潜む、魔の源形。それが神(我))

? (人は全て心の底に個を超えた共有する意識領域を持っている。人の種としての全体意識。その暗黒目から我は生まれた)

? (この世界の自我として……)

順 (ここはどこ?)

? (念の海。凶暴で孤独な形容しきれない様々な負の念でここは満々ている。まさに人を人たらしめる意志だ)

順 (私、神と対話してる?)




88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 21:55:14.91 ID:/9AnexEM0

順 (私はどうなったの?)

? (魂が肉体を離れた。故にここに辿り着いた)

順 (私は死んだの?)

? (そういうことになる)

順 (そんな……)

順 (私の生まれた意味って何? たった17年しか生きられなくて、その半分はロクに口も聞けなくて、失恋した次の日に交通事故で死亡!?)

順 (ふざけるな! お前は神だろ!? 神の癖に人間に不幸ばっかり与えやがって! お前は何の為に生まれたんだ!?)

? (人が理由を求めたからだ)

順 (理由!?)

? (苦しみの理由、悲しみの理由、生の理由、死の理由、なぜ人は苦痛に満ちた生を送るのか? 何故人は不条理な死を迎えるのか?)

? (人智を超え流転する運命に人は理由を求めた。そして我はそれを為す。運命を司る)

順 (それが……貴方……)

? (我はお前の心の底に潜むもの、お前の一部。お前は種の意志である我の一部。お前の望みは我が望みでもある)

順 (ならば私は望む……私は生き返りたい! 生きて自分が生まれた意味を見つけたい!)




89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:04:55.58 ID:/9AnexEM0

病院 順の病室

拓実 (成瀬の枕元に田崎が持ってきた2年2組の寄せ書きと仁藤が買ってきた花が添えられてる……)

拓実 (俺が成瀬に渡せるのは……)

拓実 「成瀬……俺……」

順 ピクリ

拓実 「成瀬?」

順 「……坂上……君……」

菜月 (成瀬さんが目を開けた!?)

泉 「順!」

田崎 「成瀬!?」

泉 「順!? 分かる、お母さんよ!」

順 「お母さん……」




90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:13:29.92 ID:/9AnexEM0

泉 「順! 順! ウウウウウッ……」

順 「お母さん……」

菜月 「グスッ……良かった、本当に良かった」

田崎 (ヤベッ、泣きそうだ俺)

陽子 「みんな! 成瀬さんが生き返ったって!」

明日香 「……嬉しいよ、私」

相沢 「すげえ、こんなことってあるんだ!」

岩木 「よっしゃあああ!」

三嶋 (大ちゃん良かったね。これで告白出来るじゃん)

城嶋 (奇跡が起きた……。ありがとうございます、神様!)

看護婦 「皆さん、お気持ちは分かりますがお静かに! ここは病院ですよ!」




91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:22:44.50 ID:/9AnexEM0

順 「みんな、どうしてここに……」

拓実 「みんなで成瀬のお見舞いに来たんだ」

順 「これは……」

田崎 「その色紙と花は俺ら2年2組からのお見舞いだ」

順 「……ありがとう」

拓実 「成瀬……」

順 「……」

拓実 「色紙は田崎が、花は仁藤が持ってきたんだけど俺からはこれを……手を出して」

順 コクリ

拓実 「俺、今朝成瀬が学校に来なかったから自転車で成瀬のこと探し回ったんだ。その時は事故のこと知らなくて」

拓実 「そしたらこいつが道路に落ちてて……。俺きっとこいつに呼び止められたんだ。『成瀬のこと助けてくれ』って」

拓実 「これお前に返すから、もう無くすなよ」

順 「!」

順 (どうしてこれを持って来たの? 坂上君に触れられたままこれを渡されたら、私は……)

真紅のベヘリット 「ヴオオオオオオオオオオオオオッ!」




92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:33:36.38 ID:/9AnexEM0

蝕の世界

泉 「何、何が起きているの!?」

田崎 (この光景って……前に教室やファミレスで見たのと同じじゃねえか!?)

拓実 (あれは!?)

スラン ゴゴゴゴゴ

菜月 「あれ……何……?」

スラン (憐れな神の子羊達が怯えてるわ)

明日香 「あれは……痴女よ!」

美沙 「痴女よ! 痴女だわ!」

慎二郎 「ウソッ!? マジでマッパじゃん!」

相沢 「これ写メ撮るしか無いっしょ!」

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

章子 「わー、男子キモーイ!」

聖名子 「サイテー!」

相沢 「あれ、二次元至上主義の岩木も写メ撮るの?」

岩木 「俺は……2.5次元派なんだ!」

陽子 「コラッ! 何あんた動画で撮ってんのよ!」

三嶋 「ス、スマン!」

陽子 「彼女の目の前でそういうのやめてくれる?」

三嶋 「わ、悪ィ……」

田崎 「え、お前ら付き合ってたのか?」

スラン 「……」




94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:42:11.78 ID:/9AnexEM0

ユービック 「フォフォフォフォフォ」

コンラッド 「ボオオオオオオオッ!」

ボイド 「時は来た、我ら……」

順 「あの時と……同じ……」

拓実 (これが以前成瀬が教えてくれたバケモノ……)




95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 22:51:35.23 ID:/9AnexEM0

順 「……」

ボイド 「因果律に選ばれし御子、鷹よ。お前は選ばれ者。この時、この地にあるように大いなる神の御手によって定められし者」

ボイド 「我らが眷族渇望の副王なり」

菜月 「仲間……成瀬さんが……」

三嶋 「こいつらと……同じ?」

田崎 「ザケンナ……ふざけんじゃねぇぞ!」

菜月 「田崎君……」

田崎 「御子だと? 眷族だと? バカ言ってんじゃねぇぞ!」

田崎 「こちとらこいつの裸拝んだことねえが、こいつに尻尾の一本も生えてる訳ねぇだろ!」

順 (何言ってるの田崎君?)

田崎 「……」

拓実 (照れてる)

菜月 (照れてる)

順 「田崎君、私の裸想像したでしょ?」

田崎 「そ、そんな訳あるかよ……」

拓実 (思いっきり動揺してるし……)




96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/15(日) 23:01:58.99 ID:/9AnexEM0

スラン 「ウーッハハハハハッ! 美しい友情だこと。それとも愛かしら? 貴方さぞかし良い生贄になるでしょうね」

田崎 「い……生贄?」

スラン 「そう、彼女が魔王になる為の尊い生贄」

真紅のベヘリット 「……」

スラン 「それが、私達ゴッドハンドに転生出来る覇王の卵なの」

田崎 「……」

スラン 「そして貴方達は天使降臨の為の大切な生贄」

使徒達 「ハッハッハッハッハッ」

城嶋 (夢だ、これは夢だ。これが奇跡なら勘弁してくれ……)

田崎 「てめえらバケモノに成瀬を変えちまえうだと? 俺達の命と引き換えに?」

スラン 「少し違うわね。それをするのは彼女の意思。彼女が貴方達を生贄に捧げる」

田崎 「そんな訳ねえだろ……そんなことある筈が!」

ボイド 「全ては因果の流れの中に。これより蝕と降魔の儀、『蝕れ降』を執り行う」

使徒達 「ウオオーッ!」

陽子 「なっ、あんたまた録画してる!」

三嶋 「おい? 待て!? 俺のスマホ返せってば!」

陽子 「動画消したら返す。後、また撮ってたらソッコー別れるから!」




101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 20:58:16.60 ID:S44ygYrp0

ボイド 「積み上げるがよい。お前に残された全てを。そして一言、声に出して唱えよ」

ボイド 「『心が捧げたがってるんだ』と」

ボイド 「さすれば頂きより天に昇る漆黒の翼を授からん」

スラン 「貴方にかけた呪いは既に解いたわ。思う存分叫びなさい」

順 「私、叫ばない」

ユービック 「何と!?」

順 「クラスのみんながお見舞いに来てくれた。現世に戻ってきた時、みんなが喜んでくれた」

順 「お母さんも涙を流して私が帰ってきたことを喜んでくれた」

順 「私は愛されているって分かったから……それ以上望まない」

スラン 「愛しのタクミ坊やを他の女に取られても?」

順 「私は坂上君の選択を受け入れます」

ユービック 「ホホゥ……」

ユービック 「されば未来に至る前に今一度知るがいい。お前自身を」




102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:09:22.11 ID:S44ygYrp0

教室

田崎 「お前ら何やってんだよ! それで成瀬の奴ショック受けて……クッ……」

明日香 「何それ? 痴情のもつれって奴? それって酷くない?」

陽子 「いくら菜月達の会話聞いて落ち込んだからってボイコットは無いよ……」

拓実 「みんなごめん!」

拓実 「俺達が言い出して、みんなに協力して貰ってここまでやってきたのに……成瀬はそれを全部ぶち壊そうとしてる」

拓実 「それは本当に酷い裏切りだと思う」




103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:15:29.70 ID:S44ygYrp0

蝕の世界

順 「これって……」

ユービック 「今朝のお前の仲間達の姿だ。皆がお前を裏切り者と罵っている」

田崎 「何言ってんだオッサン!」

ユービック 「事実誰一人、この未来の魔王を庇う者が居なかったではないか?」

田崎 「……」

ユービック 「『不可抗力でこの場に来られないのではないか? 何か事情があったのではないか? 彼女を信じよう』そう唱える者が
      誰一人居なかった」

拓実 「それは……俺も含め皆冷静さを欠いてて、俺てっきり仁藤との会話を聞かれたと思ったから――」

ユービック 「お前自身がはっきり『酷い裏切り』と口にしている。彼女を信じていれば出ない言葉だ」

拓実 「クッ……」

ユービック 「そしてここからはお前自身の罪の話だ」

順 (私の……罪?)




104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:27:03.46 ID:S44ygYrp0

城(ラブホテル)への山道

順(子供時代) (お城までの坂道を登るのは大変だけど、ハァ、ハァ)

順(子供時代) (あの素敵なお城を見たいから、ハァ、ハァ)

順(子供時代) (私は坂道を登るんだ! ハァ、ハァ)

順(子供時代) 「キャッ!?」

ズテン

順(子供時代) (痛ッ! ……何かに躓いた……えっ?)

水子 「……」

順(子供時代) (死体!?)

順(子供時代) 「イヤアアァッ!」

占い師 「やれやれ、本当にうるさい子だねえ。何を騒いでるんだい?」

順(子供時代) 「だってお婆ちゃん、人が死んでるんだよ!?」

占い師 「あんたがしたことじゃないか?」

順(子供時代) (何を言っているの? 順、何もしてないよ)

占い師 「その水子はあんたの妹だよ」

順(子供時代) 「妹!? 順には妹なんていない!」

占い師 「あんたの父親が浮気相手と再婚して生まれた子さ。生まれつき病弱で、病気で苦しんだ挙げ句、小学校に上がる前に死んだ」

順(子供時代) 「そんな…可哀想……」

占い師 「可哀想? よくそんなことが言えるね!」

占い師 「全部あんたがあの城に行くなんて言い出さなきゃ、お前の父親は浮気相手と家庭を持たず、その子も生まれずに済んだんだよ!」

順(子供時代) 「順のせいなの!? 順がお城を見に行ったせい……? 舞踏会に行きたがったせい……?」

占い師 「バカだねぇこの子は……。後悔する位なら最初から望まなければ良かったのに」

占い師 「路地裏からお城を見上げるだけでどうして満足出来なかったんだい!?」

占い師 「そして、お母さん?」

泉 「!?」

占い師 「貴方、現役だよ」

泉 「!?」

占い師 「更年期障害なんかじゃない。寧ろ目出度い話さ」

泉 「何を言っているのですか!?」

占い師 「お嬢ちゃん、これからはお前の家族の罪の話だよ」 

順(子供時代) 「かぞく……」




105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:38:03.84 ID:S44ygYrp0

坂上宅 応接間          

拓実 (この光景ウチじゃん。爺ちゃん?)

八十八 「うーん……。 この年齢から保険に入るとやはり月々の掛け金がかなりの負担になるんですなあ」

八十八 「いや、それでもそれだけのメリットがあれば入らせて頂きますよ」

八十八 「何をおっしゃいます! 実を言うとね、貴方が拓実の同級生の親御さんと知ってびっくりしたんです」

八十八 「とてもウチの孫と同い年のお子さんがいらっしゃるとは思えない。そして……」

八十八 「貴方はご自身の美しさをもっと仕事に活かしてもいいと思うんですよ」

八十八 「貴方だって生娘ではないのですからこういう時どうすればいいか分かるでしょう?」

泉 「ええ……分かってます……」

泉 「キャッ!? 待って下さい! ?自分で脱ぎますから」

八十八 「私はこういう時脱がせるのが好きなもんでね」




106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:48:05.03 ID:S44ygYrp0

順 「今のは……幻」

ユービック 「幻などではない。全ては真実!」

拓実 (何やってたんだよ、爺ちゃん……)

ユービック 「未来の魔王に弟か妹が出来ていたという真実!」

泉 「子供の前で言うことないじゃない!? それに堕ろすに決まってるでしょ!」

順 (……)

拓実 (ヤバッ! 成瀬がすげえ怒った顔してる!)

拓実 「成瀬! 爺ちゃんのことは謝る!」

泉 「順、話を聞いて!」

順 「ここささ」

拓実 「!」

順 「ここささ! ここささここささここささッ!」

ボイド 「略すのはナシ……」




107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 21:58:37.16 ID:S44ygYrp0

田崎 「待ってくれ!! 成瀬、考え直せ!」

順 「……」

田崎 「俺はお前が好きだ! お前にバケモノになんかになって欲しくないんだよ!」

順 「!」

城嶋 「こっちだ、坂上」

坂上 「先生!?」

城嶋 「静かに。ここからは内緒話だ。成瀬が田崎に気を取られている間に話す」

城嶋 「もし田崎がフラれたらお前が成瀬に告白しろ」

坂上 「えっ!?」

城嶋 「残念だが田崎は望み薄だ。お前に託すしかない。お前だって成瀬が嫌いな訳じゃないだろう」

坂上 「あの、俺の気持ちは?」

城嶋 「もしここでお前が成瀬の説得に失敗したら成瀬はバケモノになってここに居る全員が生贄にされる。それだけは避けねばならん」

坂上 「先生はただ助かりたいだけでしょ?」

城嶋 「それこそが最も信頼出来る動機だろ? それに……さっき成瀬が死んだ時……教え子とああいう別れ方って先生堪えたんだ」

城嶋 「先生だってそんな想いをしながら死ぬのは厭だ。お前だって皆そろってあの世行きはゴメンだろ。そして……お前にしか出来ないんだよ」

坂上 「分かりました。分かりましたって……」




109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 22:08:11.64 ID:S44ygYrp0

田崎 「成瀬、冷静に考えろ。お前バケモノになったら……」

田崎 「そこに居る女みたいになっちまうぞ」

スラン 「……」

田崎 「素っ裸だぞ! 丸見えだぞ。お前いいのか?」

順 「うん」

田崎 「『うん』って……」

順 「田崎君、私はね……。昼間からラブホテルに浮気相手を連れ込む父親と契約欲しさに男と寝る母親の間に生まれたんだよ」

泉 「どうしてそういうこと言うの!?」

順 「でも事実じゃない!」

泉 「酷い……親に向かって……」

順 「だから裸のバケモノって私にお似合いだよ」

田崎 「あいつをよく見ろ! そこにいる女がサマになってんのは……」

田崎 「抜群にエロい身体してるからだろーが!」




110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 22:24:34.73 ID:S44ygYrp0

順 「どういう意味? ちんちくりんの私にはあの格好は似合わないって言いたいの?」

田崎 「いや、そんなつもりは……」

順 「あの女の人がしてるコルセットも私がしたらただの腹巻に見えるとでも言いたい?」

田崎 「そんなこと言ってねーだろ」

順 「どうせ田崎君もああいうスタイルのいい女の人の方が好きなんでしょ?」

田崎 「俺はお前の方が好きだ」

スラン 「あら残念」

順 「嘘」

田崎 「本当だ!」

順 「そう言い切れる理由は?」

田崎 (どうする……?)

田崎 (迷う必要なんてねーよ。惚れた女の為なら、俺は俺の本来の主義を曲げる)

田崎 (例えカッコ悪くてもこいつの為なら……)

田崎 「俺は……貧乳派だ!」

菜月 「田崎君!」

三嶋 (大ちゃんそれフォローになってないから!)




111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/23(月) 22:34:31.94 ID:S44ygYrp0

順 「貧乳……」

田崎 「今のは……言葉の綾って言うか、その……」

章子 「田崎ってデリカシー無さ過ぎ」

明日香 「女の子に普通そういうこと言う?」

聖名子 「そんなんだから彼女出来ないんだよ」

順 「田崎君、もう黙って」

田崎 「俺は――」

三嶋 「大ちゃんもういい! 何も言うな!」

田崎 「スマン、成瀬! またヒデえこと言っちまった!」

順 「頭下げられると余計惨めになるから。消えろとまでは言わないから下がってくれる?」

城嶋 「戻って来い、田崎」

田崎 トボトボ

城嶋 「さぁ、坂上、言って来い」

拓実 「はい……」

城嶋 (頼んだぞ、坂上……)




114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:05:43.55 ID:xG/7mwBa0

拓実 「成瀬……」

順 「ちんちくりんの貧乳に何か用?」

城嶋 (すっかりヘソ曲げてるし)

拓実 「俺、お前に――」

順 「もういい」

拓実 「聞いてくれ! 俺きちんと謝りたいんだ。そしてお前を助けたいんだ!」

ユービック 「助けるというのはお門違い。これは彼女の意思!」

順 「もういいの。贖罪の言葉はもう要らない。仲間が差し伸べる手ももう要らない」

順 「私にはもう耐えられない……。自分の心を思い通りに出来たらどんなに楽だろうなあ……」

順 「私がミュージカルをやってきたのは、それがありえない希望だとしてもそれに縋らないと自分が消えてしまいそうだったから」

順 「たとえ女として寄り添えなくても脚本家としてなら音楽を担当する坂上君の隣に居られる。そう思っていたかった」

順 「でも昨日の会話を聞いて分った。坂上君の隣にはとうの昔に隙間は無かったんだって」

順 「私の夢は……もう終わっていたんだ。でももういい」

順 「女にもなれない。大切な物にもなれない。私にはもう……疲れちゃった」

順 (だったら世界を手に入れればいい。自らの血と肉を引き換えに)

順 「私は卵。そう、今の私はバケモノの卵」

拓実 「卵なんて居ない」

順 「居るもん、ここに居る」

拓実 「居ないッ!」

順 「居る! ここに居るんだッ! 今それを証明する!」

順 「心が!」

泉 「順!」

菜月 「成瀬さん!」

田崎 「成瀬ッ!」

順 「捧げたがってるん……ン……ンン!?」




115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:18:41.21 ID:xG/7mwBa0

順 「ン、ムムツッ! ……プハァ! いきなり何するの!」

拓実 「……このままだと成瀬、呪いの言葉を喋り切ってしまうと思ったから……」

順 「だからって……いきなりキスするな!」

拓実 「いきなりじゃなったらよかったのか?」

順 「そんなこと言ってるんじゃ……」

拓実 「でも今ので分ったろ、俺の気持ち?」

順 「嘘……坂上君が好きなのは……」

拓実 「そのことでケジメだけはきっちりつけたいんだ。それでも俺を受け入れられないなら俺を生贄にすればいい。今少し時間くれないか?」

順 「……分った」




116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:30:14.94 ID:xG/7mwBa0

菜月 (坂上君が私の前に……)

拓実 「仁藤……ごめん!」

菜月 (坂上君が私に頭下げてる……)

拓実 「こんなことしたってどうにもならないこと分ってる。それでもこうしなきゃ何も始まらないんだ!」

菜月 「坂上君……」

拓実 「昨日、仁藤が言った通りだった!」

拓実 「成瀬が死んで、その時ぽっかりと心に穴が空いたみたいになって、その時気付いたんだ」

拓実 「俺が本当に好きなのは成瀬なんだって……」

順 「!?」

拓実 「だけど、このまま仁藤との間をうやむやにするのは仁藤にも成瀬にも失礼だと思う……だから……」

拓実 「仁藤、俺と別れてくれ」

拓実 「俺だけ謝って楽になろうなんて虫が良すぎるのは分ってる……」




117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:38:10.79 ID:xG/7mwBa0

菜月 「だから言ったでしょ? 成瀬さんのこと好きなんでしょって」

拓実 「うん……。仁藤の方が俺の気持ち……俺自身より分ってた」

菜月 「そうよ。ようやく彼女らしいこと出来たわ」

菜月 (そう、中学の時、実質1ヶ月だけど坂上君と付き合ってた。私から告白して……)

菜月 「私ね、あの後、私達の関係うやむやになって……でもそれでも良かったって思ってた」

菜月 「聞いたら、口に出しちゃったら本当に終わっちゃうって……ずっと……」

菜月 「でもその時が来ちゃったね」

菜月 「私の答えは昨日と同じ。もういいから……早く成瀬さんとこ行ってあげて」

拓実 「うん、ごめん。今までありがとう。」




118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:47:20.46 ID:xG/7mwBa0

順 (坂上君が私の前に……)

拓実 「成瀬順!」

順 「!」

拓実 「俺の気持ち……本当に喋りたいことッ! これから……言うから」

順 「うん。ありのままの気持ちを聞かせて」

拓実 「俺と付き合って欲しい。先のことは分からない。ただ、この先何百回も何千回もお前を抱きたい。今はそう思っている」

順 「……馬鹿……」

相沢 (何か二人してハグしてるし)

岩木 (告白成功か……)

ユービック 「これは……予想外だ……」

コンラッド (降魔の儀は失敗……)

ボイド (216年に一度の夜祭の結末が……)

スラン 「美しい……けどいまいち胸にグッと来ない。もっと苦痛とか死とか色々欲しかったわね」

スラン 「ねぇ、貴方達もそう思わない?」

菜月 ドヨーン

田崎 ドヨーン




119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 10:57:25.61 ID:xG/7mwBa0

蝕の世界の外側

成瀬の入院している病院が竜巻のような黒雲に覆われている。

そのすぐ外で2人の人外なる者が死闘を繰り広げていた。

ガキン!

ザシュッ!

ゾッド 「グゥッ!」

ギン!

ドゴォッ!

GAME SET!

髑髏の騎士 「ス○ブラでは我に一日の長があったようだな」

ゾッド 「ぐぬぬ……」

髑髏の騎士 「では約束通りここを通らせて貰うぞ」

ゾッド 「行くがいい。古き強敵(とも)よ」

シュウウウウウウウ

髑髏の騎士 「!」

髑髏の騎士 (蝕が終わる!)

ゾッド (景色が元に戻っていく……)




121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 11:09:28.95 ID:xG/7mwBa0

髑髏の騎士 「間に合わなかったか……。どうした不死者よ。お前は門番としての役目を果たした。素直に喜ぶがいい」

ゾッド 「乱痴気騒ぎに興味は無い。分かっている筈だ。古き強敵(とも)よ」

ゾッド 「人よりも遥かに長く生きてきたが故に、この世界に産まれた新たなる戦いの場に身を投じるのも早かった」

ゾッド 「ゲームウォッ○の時代より慣れ親しんできた。ド○キーコング、ク○パ、豪○、タイラ○ト、皆よき強敵(とも)よ」

ゾッド 「どうだ、もう一戦交えぬか?」

髑髏の騎士 「不死者よ。この勝負預ける気はないか?」

ゾッド 「?」

髑髏の騎士 「今宵はモンハ○の最新作が狩猟解禁になる。それに備えたい」

ゾッド 「!」

ゾッド 「フフフフフ、ハハハハハ!」

ソッド 「そうであったな。いいだろう、この勝負預けるとしよう」




123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 11:18:53.13 ID:5rhHc1Rb0

>モンハ○の最新作が狩猟解禁

あんたら既にリアルモンスターハンターやないですかww

乙です。




125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 22:01:19.26 ID:DYYDoatT0

数日後

揚羽高校 プレハブ DTM研究会部室

岩木 「あの時はどうなることかって思った。俺ら生贄にされちゃうかと……すまん」

拓実 「いいんだ。あれは成瀬だっていけなかった。何の罪も無いクラスの皆を巻き添えにするなんてやっちゃいけない」

相沢 「そのことについては成瀬さんも皆に謝ったんだしいいんじゃない?」

岩木 「そうだよな。それより遂に我がDTM研究会からも彼女持ちが出たんだ」

岩木 「俺らも後にに続くべく頑張ろうぜ。な、相沢!」

岩木 (坂上と成瀬さん見てたら俺も恋愛したくなった。自分ではもう少し二次元寄りの人間だと思ってたんだけどなあ……)

相沢 「俺、彼女いるよ。学校違うけど」

岩木 「えっ!?」

拓実 「えっ!?」

相沢 「えっ!?」




126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 22:11:08.79 ID:DYYDoatT0

揚羽高校 中庭

順 「その……言い辛いことだけど、お母さんが言ってた。赤ちゃんを堕ろすお金、坂上君のお爺さんが出してくれたって」

拓実 「爺ちゃんのことは本当にごめん! 爺ちゃん、成瀬のおばさんとはもう会わないって言ってたから! 保険のことも今後は婆ちゃんに任せるって」

順 「ということは坂上君のお爺さんとお婆さんは別れずに済んだんだね。……良かった」

拓実 「実はこのこと婆ちゃんは知らないんだ」

順 「えっ!?」

拓実 「爺ちゃんに墓まで持っていきたいって頼まれて……。うち、親が離婚してるからそのまた更に親が離婚するのは孫に申し訳無いって」

拓実 「だから婆ちゃんには知らぬが仏で通そうってことにしたんだ。本当のこと知ったら凄く悲しむだろうから」

順 「……やっぱりあれは私のせいなんだ」

拓実 「成瀬は何も悪くないだろ!?」

順 「坂上君の家のことじゃなくて、うちのことを思ったの。もし私がお喋りじゃなかったらうちの両親も――」

拓実 「それは違う!」

順 「!?」

拓実 「成瀬は悪くない! その時成瀬は小学生だったんだ! 見なかったことにした方がいいなんて判断を子供に強いるのはおかしいって!」

拓実 「原因はおじさんの浮気で……。うちも偉そうなこと言えないけど。お爺ちゃんがあんなだから」

順 「そのことだけどお母さんもきっと寂しかったんだと思う。お父さんと別れてずっと女手独りで私を育ててくれて……」

拓実 「爺ちゃん、成瀬のおばさんに会った時に、もっと契約取らなきゃいけないって困ってたから力になりたかったって言ってた」

順 「困ってる人を放っておけないって坂上君に似てる。いや坂上君がお爺さんに似たんです」

拓実 「似たのかな……。そうだ、話は変わるけどさっき部室で話してたら相沢って――」

順 (紅い卵を失って私は普通の女の子になった。でもその普通の女の子は王子様に巡り会えた。そう、私の王子様は、目の前にいる貴方……)




127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 22:18:14.35 ID:DYYDoatT0

揚羽高校付近 路地裏

占い師 「いらっしゃい」 

菜月 「そこにある卵、売って欲しいんです」

占い師 「いきなり売って欲しいってことは、この卵が何なのかご存知みたいねぇ」

菜月 「はい、恋愛成就に効くのが欲しいんです。私にとっての王子様に巡り会いたいんです」

菜月 「でないと私、何かもう復讐の旅に出たい気分で」




128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 22:27:01.24 ID:DYYDoatT0

揚羽高校 校庭

山路 「田崎さん病院行ったそうッスね。センパイ、あの人の練習何で止めなかったんすか?」

三嶋 「俺だって病み上がりだから無理すんなって言った。でも大ちゃん、久しぶりの練習だって気合入ってて……」

山路 「今回はただの捻挫で今はオフシーズンだから、春のセンバツの予選には間に合うでしょうけど。だからってこんな……」

三嶋 「あいつが言ったんだ。『俺の恋は玉砕で終わった。今の俺には野球(こいつ)しか残されてない』って」

山路 「そんなの甲子園に行ってナントカ王子にでもなりゃ女なんて選り取り見取りっしょ」

三嶋 「大ちゃんもそれを狙ってたのかもな。『時代は二刀流』とか言ってたし」

山路 「そりゃ高校野球ならエースで4番とかありますけど」

山路 「だからってこんな特注の金属バットで素振りっておかしいッスよ!」

山路 「俺の背丈よりデカいじゃないスか!」

それは
バットと言うには
あまりにも大きすぎた

大きく ぶ厚く
重く そして
大雑把すぎた

それは 正に
鉄塊だった






129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/04(金) 22:30:51.75 ID:DYYDoatT0

これにて完結。もっとうまく書けるようになりたい。
拙作にお付き合い頂き有難うございました。
特にコメント下さった方々有難うございました。




・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
 【SS速報VIP】ベヘリット「心が叫びたがってるんだ。」

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