転載元:少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」


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後日譚
【第1〜2話】【第3〜4話】【番外編+最終話】


1




彡(°)(°)「お!近所のJCやんけ声かけたろ!」
男の娘「残念実はおと――」男「嘘だ!」
子供「らんら〜ん♪」熊「あっ」子供「あっ」熊「あっ」もぐもぐ
シンジ「毛虫なんてどうかな?」 ゲンドウ「・・・・・・」
悟空「ブルマ先っちょだけ挿れさせてくんねぇか」 ブルマ「はぁ!?」
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682: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:09:46.04 ID:ZXb0FFYZo

 
番外編<君を護る剣>



傭兵「……」カリカリ

勇者「…ねー、何書いてるの。お手紙?」

傭兵「今回の旅の報告書だ」

勇者「報告書かぁ、どうしてソルが書くの?」

傭兵「じゃあお前かくか」

勇者「あ、いい」

傭兵「…。一応俺はグレイスの任を受けてお前の旅に同行しているからな」

傭兵「めんどくさくてもきっちり仕事はこなさなきゃいけねぇんだよ」

勇者「大変だね」

傭兵「……わかったらあっちいけ」

勇者「けどめんどくさいっていうわりに、結構楽しそうに書いてたよね」

傭兵「あん?」

勇者「横顔がニヤニヤしてたっていうか。うきうき? 楽しそうだったよ」

傭兵「そ、そうか?」

勇者「ねぇソルと陛下ってさ」

僧侶「とっても仲良しなんですよ!」ヒョコ

傭兵「うぉあ! なんだ…みんなして」

僧侶「ね! ソル様はグレイス陛下と大の仲良しなんです」




683: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:14:37.71 ID:ZXb0FFYZo


傭兵「……仲良くないって」

僧侶「そんなこと無いですよ。私、いろいろ見ちゃったんですから」

勇者「色々って何…。ソルは騎士なんだよね?」

傭兵「あぁ…王とその騎士、しかも過去の話だ。それ以上でもそれ以下でもねぇよ」

僧侶「うふふふ」

傭兵「……」

勇者「ねー、昔なにがあったの? どうやってあの王様と仲良くなったの?」

勇者「ボクさ、あんまりこういうこと言うのもダメだけど、ちょっと苦手なんだ…」

勇者「怖いっていうか厳しいっていうか…ね?」

僧侶「グレイス様に廊下ですれ違うと背筋がピーンと伸びちゃいますよね」

勇者「うんうん。わかる」




684: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:17:44.29 ID:ZXb0FFYZo


傭兵「…しばらくあっちいってろ。邪魔だ」

勇者「うわーん。後で遊んでね。行こヒーラ」

僧侶「はい! がんばってくださいねソル様」

傭兵「……おう」カリカリ

傭兵(なんでもねぇって。ほんとに)

傭兵(あいつ、元気してっかな…)

傭兵(以外と寂しがってたりして…なんてな、無い無い)

傭兵(クソ、あいつのしたり顔を思い出してイライラしてきた…)



<7年前>

【太陽の国・城下町】


傭兵(ユッカ…元気でな)

傭兵(これで…俺はあの子の側には居られない)

傭兵(わかってはいる。だが、これほどまでに心が苦しいことがあるだろうか)

傭兵(ユイさん…こんなことになってしまってすまない…)


まだ年端もいかないユッカに、俺の全てを託してきた。
それが俺に残された最後の使命だと直感したからだ。
ユッカは惨劇の記憶を封印され、今後は王宮内で勇者としての素質を磨く訓練を受けるのだろう。
俺にできることは、もう何もない。

 




685: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:20:16.18 ID:ZXb0FFYZo


いまや俺の命の灯火は消えかけ、体がいうことをまるできかない。
魔力を失い、裸で極寒の雪山をさまよっているような心地だ。
手足が凍えるように震えている…まっすぐ歩くことすらままならない。


 ドンッ

不良A「てぇな!」

不良B「ふらふらしてんじゃねぇぞ」

傭兵「……ぁ、あ」

不良A「おい聞いてんのか兄ちゃん。こっちは怪我してんだよ。肩の骨おれちゃった〜」

傭兵「…す、ま…な」


視界がかすむ。
今俺はなにをしているのだろうか。それすらもわからない。


不良A「なぁおい!」

不良B「ひゃは、ビビっちまって顔真っ青か!? ちょっとツラかせや」




686: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:23:17.93 ID:ZXb0FFYZo



【路地裏】


――ミ゙シッ


不良A「いっちょあがり!」

傭兵「がは…ッ」


俺は薄暗い路地裏で、男たちに殴られていた。
容赦なく壁に叩きつけられて、崩れ落ちる。


不良A「んだよ。ちっとは抵抗してくれねぇとおもんねぇぞ」

不良B「お前本気だしすぎ。ボッコボコじゃねぇか」

傭兵「……」

不良A「あれ…死んだか? おーい」ゲシッ

不良B「おい…殺しはさすがにやばくねぇか…衛兵に見つかる前にさっさとトンズラしようぜ!」

不良A「ぺっ、これに懲りたら二度とふらふら歩くんじゃねぇぞ」


傭兵「……――」

傭兵(そうか…俺は死ぬのか)

傭兵(せっかく、ユッカとユイさんに拾ってもらった命なのにな)

傭兵(なんて、愚かな……)




687: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:26:39.78 ID:ZXb0FFYZo


傭兵(だめか…。せめて…ユッカ、お前だけは…元気に生きのび――)


 『――お願いだよ。ソル君』


傭兵(あぁ…ユイさん……俺は約束を――)


 『不死なる聖炎よ。愛する我が子に宿りて、永久の祝福を与え給え』


傭兵(この声……誰だ…懐かしい気分だ…)

トクン…

傭兵「!」

傭兵「……ぁ、あ」

暗闇へと落ちかけた瞬間、死の淵でいくつかの記憶が脳裏を駆け巡った。
しかし、果たしてそれは本当に俺のもつ記憶だったのだろうか。
聞いたこともない声と知らない母のようなぬくもり。

途端に心臓が熱く燃え上がり、沸騰するような程に熱い血が全身を駆け巡って体温が戻ってゆく。


傭兵「なんだ…これ」

傭兵「魔力は…うしなった…はずなのに」

傭兵「ぅぉ…ぁぁ!」

傭兵「はぁ…はぁ…生き…てる?」




688: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:29:16.90 ID:ZXb0FFYZo


なぜだかわからないが、俺はまたしても生き延びることが出来た。
依然として魔力はちっとも感じ取れない。

だが、俺は間違いなく生きている。
天が俺を生かしたがっているのだろうか。

ならばこれ以上、俺の生きる意味とはなんだろう。

傭兵「…決まっている」

傭兵「ユッカ…」

たった1つの心残り。
俺はユッカの成長を見届けるまで死ねない。
ユイさんのためにも、簡単に死ぬことは許されない。



  ・   ・   ・



<数日後>


【王宮前広場】


騎士長「よくぞ集まってくれた国を愛する若人たち」

騎士長「すでに聞き及んだ上でこの場に立っているのだろうが、先日、太陽の国は邪悪な魔物の大軍による襲撃を受けた」

騎士長「辺境の村々は無残にも焼かれ、罪のない多くの民の血が流れた」




689: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:32:02.16 ID:ZXb0FFYZo


騎士長「あまつさえ、彼奴らは我らが希望である、幼き勇者様をも手に掛けようとした」

騎士長「幸い今は王宮で保護されているが、その幼き御心に永遠に消えぬ深い傷を負わせてしまった…」

騎士長「人類は危うく、唯一の希望の火を失うところであったのだ」

傭兵(ユッカ……)

騎士長「我々は二度とそのような悲劇を繰り返してはならない」

騎士長「国防は王宮からの勅命であり、我々王国軍守備隊の最優先事項である」

騎士長「領内への魔物の侵入を二度と許すな!」

騎士長「我らの勇者様、そして太陽の国を命にかえて護るのだ!」

騎士長「そのためには、諸君らのような若く燃えたぎる血潮が数多く必要だ!」

騎士長「ではこれより!合同選抜実技試験を開始する!」

若者たち「ウオオオオ!」

傭兵(二度と悲劇は繰り返さない)

傭兵(ユッカ…少しでもお前が平和に暮らせる国を俺たちは作る)

傭兵(だから、またいつか会える日まで…俺は誰よりも戦い抜いてみせる!)




690: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:35:10.20 ID:ZXb0FFYZo


傭兵「99番。国境防衛部隊、前線配置希望のソルです」

傭兵「よろしくおねがいします」

兵士「うむ。貴様で1次募集の参加者は最後のようだな」

兵士「参加者の諸君。選抜試験の概要は理解したか」

兵士「試験のチェック項目は4つ。戦闘力・体力・精神力・魔力。それらを総合的に審査し」

兵士「基準に満たない者をふるい落とす」

兵士「審査に受かった者は晴れて国防軍見習い兵だ」

傭兵(…魔力。まずいな)

兵士「では受け取った紙にかかれた会場へ各々移動せよ」


傭兵(俺は魔力からか、幸先が悪そうだな)

傭兵(総合的に判断といっていたからすぐその場で落とされることはないだろうが……)

傭兵(なるようになるか)




691: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:38:17.96 ID:ZXb0FFYZo



【魔法適正審査会場】


兵士「よく来たなグループDの諸君。ここでは貴様らが今までの人生で培った魔力を見させてもらう」

兵士「では先生お願い致します」

魔導師「ふぉふぉ」

兵士「貴様ら聞け! この方は王宮つきの大魔導師様だ!」

兵士「貴様らのような新兵以下のひよこ共の選抜の為にわざわざご足労頂いたことに深く感謝せよ!」

傭兵(…! 魔道士のじいさん…審査員だったのか)


魔導師「では、審査をはじめる」

魔導師「審査方法は、魔力の資質」

魔導師「わしのこの杖の先についた球がみるかのぅ」

魔導師「これは魔宝石と言って、魔力を伝導しやすい純度の高い輝石なのじゃ」

魔導師「ここに諸君らのもつ魔力を込めてもらう」

魔導師「そして熱い志しを感じ取らせてもらおう」

魔導師(もちろん邪な者が紛れ込んでいないかどうか、判別するためのテストでもあるのじゃがな…)




692: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:41:43.89 ID:ZXb0FFYZo


参加者A「くっそー、どうやって魔力を意識的に外にだすんだ」

参加者B「ううう、おおお」


参加者は順番に並んでひとりずつ魔力をこめて行った。
またひとりと終えるたびに、魔導師のじいさんは何かをさらさらと書き記す。
おそらくあれが調査書なのだろう。


参加者C「おうどうした赤毛、てめぇの番だぜ」

傭兵「ああ…」

傭兵「99番。太陽の村から来たソルだ」

俺はじいさんに歩み寄る。
じいさんはやはり来たかとでも言いたげに、一瞬口元だけで薄く笑って、同じように杖を差し出した。

だがどうやっても魔力を込めることは出来ない。
俺には魔力は微塵も残っていない。
素質はすでに0だ。


傭兵「…」

兵士「む、貴様! 早く魔力を込めんか!」

兵士「大魔導師様の手をわずらわせるな!」




693: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:46:18.96 ID:ZXb0FFYZo


傭兵「……」

魔道師「まぁええじゃろう」サラサラ

魔道師「これで最後だったかのぅ?」

兵士「いえ、実は…追加で1人」ヒソヒソ

魔道師「ほぅ、それでどこにおる」

???「私だ」


ローブを被ったそいつは突如現れ、俺を退けて魔法石に魔力を込めた。

魔道師「ぬぬ…」

???「これで良いのだな」

魔道師「うむ。ご苦労」サラサラ

兵士「貴様! 無礼ではないか、参加者の分際で!」

兵士「そのローブをとれ! 受験者はこちらの指定した兵装に着替えてもらおう」

???「そうか、それが決まりならしかたあるまい」




694: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:51:42.45 ID:ZXb0FFYZo


いやみったらしいその声と口調にどこか聞き覚えがあった。
そいつはあっさりとローブを脱ぎ捨てる。

中から現れたのは気品あふれる端正な顔立ちと、白い肌。
赤みがかったブロンドの髪が煌めいた。


傭兵(王子…!)

王子「ふ…」

傭兵「お前がなぜ…」

兵士「お、お、王子…!」

参加者A「おい、王子だってよ。まじか」

参加者B「ほんもの?」

参加者C「嘘だろ…なんで王子が俺らなんかと一緒のテストを」

兵士「こ、これは一体どういうおつもりでしょうか」

王子「受験番号100、グレイスだ。さっさと次の試験にうつるぞ」

兵士「はっ!」




695: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 22:57:29.38 ID:ZXb0FFYZo


傭兵「おい、どういうつもりだ」

王子「ソルか。悪いが、お前に事情を話すつもりはない」

王子「それより、なんだその体たらくぶりは」

王子「魔力を一切感じ取れん…お前は本当に、私と引き分けた男か?」

傭兵「……」

王子「お前も、話すつもりはないのだな。ならばちょうどいい」

王子「お互い無事受かることを祈っている。ではな」

傭兵「グレイス…」


戦技長「ぐ、グレイス王子に試験などとんでもありません」

戦技長「どうか、ここはお引取りを…お手をわずらわすことは出来ません」

王子「それでは周りに示しがつかんだろう」

王子「私は、市井に下り、太陽の国の民のひとりとしてこの国を護る兵に志願したのだ」

王子「平等に扱うといい。父上に許可はとっている」

戦技長「そんなっ!」




696: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 23:03:12.54 ID:ZXb0FFYZo



その後参加者の中でグレイスは圧倒的な成績をおさめ、すべての審査は終了した。
俺はというと、やはり魔力を欠いた状態では思う存分のパフォーマンスを発揮できず、
自信のあったはずの体力や戦闘力でもさんざんな結果となった。


騎士長「それでは、みなご苦労であった」

騎士長「本日の結果は広場掲示板に張り出してあるので、確認するように」

騎士長「合格者は明日入隊式を行う、遅れぬよう今日はゆっくりやすめ」


【広場】


傭兵「…」

王子「当然ながら一位通過だ。戦闘力・体力・精神力・魔力のランクはすべてA。」

王子「しっているか? 通過順位によって兵団内でも扱いは違うようだ」

王子「当然受かったのだろうな?」

傭兵「…く」

王子「おい、お前…よもや落ちたなどとは言わんな」

傭兵「滑り込みで合格だ…ドベだな」




697: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 23:09:21.06 ID:ZXb0FFYZo


王子「ドベだと、ふ、ふははは」

傭兵「精神力B・体力E・精神力A・魔力E」

傭兵「今の俺なら打倒か…」

王子「どうやら、私と引き分けたのはまぐれだったようだな」

王子「貴様がこれでは、義姉上もむくわれんな」

傭兵「何…!」

王子「もう会うことはないだろう。同期であっても格の違いというものがある」

王子「訓練や作戦中に私に会ってもくれぐれも気安く話しかけるなよ」

王子「ではな。ソル」


<翌日・入隊後>

【兵舎の一室】


王子「……」

傭兵(俺は話かけないようにするぜ)

王子「ま、まさか、順位に応じて部屋の振り分けをするとはな」

王子「トップ合格の私がドベの貴様をこき使う権利を得た…というわけか」




698: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/16(月) 23:19:04.66 ID:ZXb0FFYZo


王子「いや…しかし…なぜ他人と同室なのだ」ブツブツ

傭兵(兵舎なんてそんなものだとおもうが)

王子「ありえん…私は王子だぞ。私が…相部屋など…」

王子「それも、なぜ貴様のような奴と…」

傭兵「……」

王子「何か答えろ! ずっと押し黙っていると気味が悪くてしかたないだろう」

傭兵「……グレイス」

王子「!」

傭兵「これからよろしくな」

王子「…!! う、うむ…しかたあるまい」

王子「ルームメイトである以上、無下にはできん…特別に話かける権利をやる」

傭兵「そうか」


こうして俺とグレイスは再び出会った。

この時から、俺たちはしのぎを削り、戦い続けの日々を共に過ごしていく。
何も事情を語らずとも、お互いに、心に根ざした想いは同じだと直感していた。


傭兵(ユッカ…元気でな)



番外編<君を護る剣>つづく
  
 




709: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:05:17.55 ID:NWk7bVwdo

番外編<君を護る剣>つづき




新米兵としての訓練がはじまり、しばらく経ったある夜のこと。


王子「だから、そのゴミは分別しろといっているだろう!」キーン

王子「あとこんな時間に武器の手入れをするな! 隣室に迷惑になるだろう」

傭兵「…お前の声のほうがうるさい」

王子「…まったく。何度言ったらわかるんだ」

王子「それと…ごほん、脱いだ服も散らかすな」

傭兵「あとでまとめて洗濯に出すんだ。いちいち畳まなくてもいいだろ」

王子「バカを言え。お前の汚い服が無造作に転がっているだけで不愉快極まりない」

傭兵「お前は細かすぎる。だからあんなへなちょこな攻撃しかできないんだ」ボソッ

王子「なに!」

王子「私の華麗なレイピアさばきをへなちょこだと?」




710: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:10:14.41 ID:NWk7bVwdo


王子「お前は繊細さのかけらもない、無策な猪突猛進しか出来ないだろう!」

王子「その脳みそにまで筋肉が詰まったお前が私に駄目出しだと? どの口がいう!」

王子「私は前回の実践演習でも部隊トップの成績をおさめているんだぞ…!」

傭兵「俺の一撃特化の戦闘術のほうが、理にかなっている」

王子「それはお前が耐久力とは無縁の魔力0のカスだからだろ」

傭兵「カスだと! 王族の使う言葉とはおもえねーな」

王子「事実ではないか! 毎度毎度魔法演習で醜態を晒して恥ずかしくないのか」

王子「何回連続でE判定をとっているんだ!」

王子「あの時の燃え盛るような魔力はどこへいった。出してみろ!」

傭兵「あぁうるさい…」

王子「なんだその態度は! 私に逆らう気か」

傭兵「うるせぇなもう。だったらグラウンドにこい!」

王子「臨むところだ!」バタンッ


隣室の同期(またかよ…)




711: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:15:08.48 ID:NWk7bVwdo


【修練場】


兵士「グレイス様…またですか」

兵士「もうここは閉める時間なのですが…」ビクビク

王子「開けろ。10分で片を付ける」

王子「寝る前にこの赤毛を地べたに這いつくばらせなければ気が済まん」

傭兵「やってみろ」

兵士「おいソル。またグレイス様になにかしたのか」

傭兵「何も。こいつがキィキィうるさすぎて俺もイライラしてんだ。借りるぜ」バタン

兵士「……はぁ。それが上官に対する態度かなぁ」

戦技長「どうした。なにかあったか」

兵士「戦技長…止めてくださいよぉ」

戦技長「無理だ。王子をとめることの出来る人間は隊にはいない」

戦技長「そもそもこんな場所におられること自体がおかしいのだ…一体なにを考えていらっしゃるのやら」

兵士「ですよねぇ…困ったなぁ」




712: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:19:12.88 ID:NWk7bVwdo


戦技長「またソル相手か…あいつも難儀だな」

兵士「俺が王子と同室なら3日で兵団やめてますよ…っとと、いまのは聞かなかったことにしてください」

戦技長「……安易に成績上位順下位順でバディを組ませたのがまずかったか」

戦技長「…まさかここまでウマが合わないとはな」

兵士「その成績順って確か入隊試験時の話でしょう…」

兵士「ソルのやつ、ぐんぐん伸びていまやグレイス王子に負けず劣らずの実力者ですよ」

兵士「魔法は論外ですがね」

戦技長「ううむ…まさかこんなことになるとは思わなんだ」


 ガキン ガキン!


兵士「やってますね…ふたりとも体力あるなぁ」

戦技長「それにしても王子、ここに来た頃とくらべて随分とお変わりになったような気がしないか」

兵士「えぇ。少しとっつきやすくなっというか、表情が柔和になったような」

兵士「いまもほら。怒ってるようで、どこか楽しそうに見えます」

兵士「これも我々が責任もって一人前に扱き上げた結果でしょうか?」

戦技長「…さぁな」



   ・    ・    ・



 




713: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:23:42.00 ID:NWk7bVwdo



カチャン…


傭兵「ハァ…ハァ…」

兵士「そろそろ時間ですよ王子」

王子「うぐ……くそ、また時間切れか。早く膝をつけ」

傭兵「どうしたグレイス…俺はまだやれるぜ」

兵士「いや時間だって言ってるでしょ!」

傭兵「それともそのへなちょこ剣じゃもう俺を捉えるのは無理か?」

王子「…! また明日だ。覚えていろ」

兵士(明日もくるのか…)ゲッソリ

王子「私は風呂に入って寝る。空いているな?」

兵士「はい……空けますよ。王子のためならなんなりと…」

傭兵「おう。俺はもう今日は入ったし、濡れタオルでいいや」

傭兵「じゃあな」

王子「フンッ」


戦技長「この2人が大成するのが楽しみだ」

兵士「…ですね。もう前線に送っても大丈夫じゃないですかね……」




714: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:28:55.72 ID:NWk7bVwdo


戦技長「……前線か」

戦技長「お前、西の国境の噂をしっているか?」

兵士「ええ、今朝伝え聞きました。何者かの襲撃で関が1つ落とされたとか」

兵士「隣国の偵察部隊か、それ以外の賊ですかねぇ」

兵士「魔物じゃなければいいんですがね……」

戦技長「報告では、その敵は人のなりをして巨大な刀剣を扱うそうだ」

戦技長「たった1人の仕業らしい」

兵士「1人!」

戦技長「だが仮面で顔まではわからず、その後は姿をくらませているらしい」

兵士「恐ろしいやつもいたもんだ。俺たちも前線でそいつと戦うことになるんでしょうか」

戦技長「指令が下ればいずれな…」





【兵舎・大浴場】


王子「…」キョロキョロ

王子「よし、だれもいないな…こんな時間だから当然か」




715: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:31:49.10 ID:NWk7bVwdo


王子「……ふぅ、まったく」チャプ

王子「…ううむ」

王子(ソルめ…だんだんと反応速度があがってきている)

王子(入隊当初はひどく失望したものだが、剣士としての勘を取り戻したのだろうか)

王子(それとも、まだあいつは成長期か…)

王子(私の細腕で…この先わたりあえるのだろうか)

王子「負けてられんな…」グッ

王子「おっと、長湯はできんな」



ガラガラ

傭兵「やっぱ入ることにした」

王子「!? うわっ」

傭兵「あ、そういやお前と風呂入ったことないよな。邪魔するぜ」

王子「…っ! 入ってくるな!」




716: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:36:01.03 ID:NWk7bVwdo


傭兵「なんでだ。汗を流すくらい許せ。お前の部屋じゃあるまいし」

王子「……っ! なら、さっさと体を洗って出て行け」

傭兵「…? あぁ、言われなくてもそうするが」

王子「……」キッ

傭兵「グレイス…お前さ、やっぱり庶民のことは嫌いか?」

王子「なに? 未来の王たる私が、愛する国民を嫌いなわけなかろう」

傭兵「だってよぉ。お前全然同期の奴らと入ろうとしないし」

傭兵「お前だけ王族特権だかなんだかしらねーが、風呂の時間ずらして1人でゆったり入ってんだろ」

傭兵「上官には新兵として平等にあつかえとか言ってたくせに、それってずるくないか」

王子「ち、違うっ、それは…だな…」

傭兵「違わないだろ。やっぱ王族の出自ともなると、一般庶民と一緒は嫌なんだな」ワシャワシャ

傭兵「つーわけで悪かった。出て行く」

王子「……」

王子「……う」

王子「ま、待て……あっ…行ってしまったか」

王子「はぁ…違うのだよ…誤解だ…。私はただ…」チャプ




717: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:42:33.39 ID:NWk7bVwdo



<深夜>


王子「もどった。すまない、もう寝ていたか?」

傭兵「いや。寝ようとしてたとこだ」

王子「今日も引き分けだったな」

傭兵「あぁ…毎晩もやもやして眠れねぇよ」

王子「ふっ、私もだ」

王子「そうだソル。次の訓練休みに許可をとって町にでも出ないか」

王子「たまには気晴らしも必要だ。ここでの生活は何かと息が詰まる」

傭兵「すまん、休みには用事がある」

王子「お前はいつもそうだな…」

傭兵「…やることがあるんだよ」

王子「それは、ユイの…義姉上の墓参りか?」

傭兵「……」




718: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:46:23.95 ID:NWk7bVwdo


王子「先週、私も訪れたんだ。行き違いだったか」

王子「墓標が綺麗に掃除されていた。花も枯れずに取り換えられている」

王子「律儀な男だ……が、花を選ぶセンスはないな。なんでも良いわけではないのだぞ」

傭兵「好きだった花だ…森にたくさん自生してる」

傭兵「よくユッカが花かんむりをつくっていたよ。まぁ…それがなんとも下手くそでな」

王子「そうか……なら、義姉上はとても喜んでいることだろう」

傭兵「死者に感情なんてない」

王子「そうだろうか」

王子「遠いどこかの国では、死者の御魂を降ろして交流する術があるらしいぞ」

王子「義姉上はお前のことをどこかで見て微笑んでいるかもしれないぞ」

傭兵「そんなことできるものか。死んだ人間は戻らない」

傭兵「俺は、ユイさんのためじゃなくて俺がしたいようにしてるだけだ」

王子「そうか…」




719: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:52:57.47 ID:NWk7bVwdo


王子「やはり…ユッカのためか?」

傭兵「何がだ」

王子「お前は元は流浪の傭兵だと聞いている。なぜこの地に根を張る」

傭兵「……寝ていいか」

王子「まてこれだけは答えろ。ユッカは私の姪っ子だ。私にも関係がある」

傭兵「…わかった。そうだ。ユッカを護るためだ」

傭兵「直接は無理でも、なにか出来ることがある。俺にはこれしか思いつかなかった」

傭兵「…これでいいか」

王子「…よかった」

傭兵「?」

王子「ユイの復讐や仇討ちのためにお前がここにいるのではないかと、わずかに考えていた」

王子「お前は普段から言葉少ないからな。わからなかった」

傭兵「お前が口数多いだけだ」

王子「そうかユッカのためか……」

傭兵「グレイス?」

王子「いや、ありがとうソル。その言葉でお前のことは信用できる」

傭兵「なんだよそれ」




720: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 22:58:20.70 ID:NWk7bVwdo


王子「寝ようか。明かりを消すぞ」

傭兵「…おう」


傭兵「グレイス。俺からも聞いていいか」

王子「なんだ。私に答えられることならかまわん」

傭兵「お前こそなぜこんな場所にいる。俺は生活の糧を得る傍らでもあるから不自然ではないにせよ」

傭兵「お前はどう考えてもおかしい」

傭兵「王宮でユッカの側についているべきなんじゃないのか」

王子「…」

傭兵「グレイス。寝たのか?」

王子「……お前はしらんであろうが、我が父、陛下の御身そう長くない」

王子「数年もすればお隠れになり、私は次期国王として戴冠するだろう」

傭兵「…そりゃ随分と急なことだな」

王子「その前に、世見をこの目で見ておきたかったのだ」

王子「そして、王の器として恥ずかしくない力をつけたかった」

王子「王宮の過保護なエリート教育では学べないこともある」

王子「出会えぬ者もいる」




721: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 23:04:57.98 ID:NWk7bVwdo


王子「亡き兄にかわって、弟である私が王となるのだ。私がしっかりせねば…」

傭兵「…」

王子「それだけだ」

傭兵「お前は十分強い。俺でも敵わないほどだ。精神的にもだ。器量は十分だ」

傭兵「いまさらこんなチンケな山奥で己を鍛える必要なんてあったのか」

王子「…誰しも、足りぬものはあるのだよ」

王子「こう見えて私はコンプレックスの塊だからな」

傭兵「…それと、他に何か隠してることがあるな」

王子「何?」

傭兵「お前の態度をみてればわかる。嘘をつくのが下手な一族だな」

王子「…どういうことだ」

俺は真っ暗の部屋の中でそっと立ち上がり、気配を殺してグレイスに忍び寄った。

王子「ど、どうしたソル」

傭兵「クク、王族を拷問してはかせるわけにはいかないからな」

傭兵「ユッカがなにか隠し事してるときはいつもこうしてたんだ」

そして暗闇のなかを手探りでグレイスの体に触れ、わきばらをさするようにくすぐった。




722: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 23:09:28.86 ID:NWk7bVwdo


王子「!!」

傭兵「ほらユッカ…じゃないグレイス。何か隠してるだろ」

 こちょこちょ こちょこちょ

王子「〜〜っ! なっ、お前」

王子「くぁうっ〜〜〜、ひゃ、やめろっ無礼な」

傭兵「ケチケチするな。俺は他言しない。嘘をついてたことを怒りもしない」

傭兵「話せば楽になるかもしれないぞ」


 こちょこちょ こちょこちょ

俺はグレイスの華奢な体を容赦なくくすぐる。

傭兵(この体のどこにパワーがつまってんだろうな)

 こちょこちょ こちょこちょ

グレイスは口元で手で覆っているのか、くぐもった声をあげながらなんとか俺の責めに耐えていた。

王子「あひゅっ、くぅ…バカもん、まずはこれをやめろ」

傭兵「しぶといな…。ならこっちはどうだ」

  ふにゅっ


王子「ふぁぅ!」

傭兵「…?」




723: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/17(火) 23:16:48.72 ID:NWk7bVwdo


手のひらに伝わる弾力のあるやわらかい感触。

傭兵「なんだ?」

 ふにゅっ ふにゅっ

王子「あ…あ…あっ」

傭兵「グレイス…胸元が腫れているんじゃないか。いつからだ。痛いか?」

王子「うう…」

傭兵「とにかく、放置しているのはよくない。治療だ」

王子「ま、まてっ」


俺は手元のランプに明かりを灯し、グレイスの患部を診察するために服を一気にめくりあげた。


傭兵「……」

王子「……」

腫れらしきものは見当たらない。擦り傷ひとつなく、とても美しい肌だった。
男とは思えぬ白くきめ細かい肌が灯りで照らしだされ、胸元にはわずかではあるがふっくらとした双丘。



傭兵「……コレは一体」

 ふにゅっ

王子「〜〜〜っ!! 貴様ッ」

傭兵「この手触り…お…お前…まさか」

王子「いやっ、ま、まて声を出すなっ! シー!」

傭兵「女だった――むぐっ」


どうやら俺は王家の知ってはいけない秘密に触れてしまったようだ。



番外編<君を護る剣>つづき




740: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:19:00.54 ID:u1kZFSH4o

番外編<君を護る剣>つづき



王子「ただしい発音はグレースだ…」

傭兵「本当に女なのか」

王子「……あぁ」

王子「お前は義姉上からユッカや王家の事情を少しは聞いているな?」

傭兵「…聞きかじる程度は」

王子「義姉上も深いところまではしりはしない」

王子「義姉上の夫…つまり私の兄上は幼い頃から病弱だった」

王子「天性の魔覚をもって勇者としてうまれても、戦いに身を置ける状態ではなく」

王子「8年前、ユッカが生まれるよりも前に亡くなった」

王子「ゆえに父上は私をはじめから跡継ぎとして、男として育てられたのだ」

傭兵「お前の兄貴が長くないとしっていたのか」

王子「それくらい、誰がみても状態がよくなかった」

王子「部屋からほとんど出たことがない」

王子「思えば当時メイドをしていた義姉上と内密に抜けだしたくらいか…ふっ」

王子「おぼろげにしか覚えていないが、あの時は宮殿中が大騒ぎになった」




741: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:25:42.80 ID:u1kZFSH4o


傭兵「跡継ぎって大変なんだな」

王子「そうだな。私にもう一人兄上がいればよかったのだが…」

王子「もしくは私が男として生まれていれば問題はなかった」

王子「父上はさぞがっかりしただろう」

傭兵「けど、それでもお前に女の名前はくれたんだろう」

王子「ん…む、そうではあるが」

王子「まぁ、気にしてはいない。私は幼い頃からこうなのだ」

王子「男の生活には常々慣れきっている」

王子「私のことを女としるものもほとんどいない」

王子「ユイですら知っていたかどうか」

傭兵「まぁ見た目もほとんど男みたいなもんだし……いだっ」

傭兵「なにをする。いま気にしてないって言っただろ」

王子「事情を知ったお前に改めて言われるのは腹がたつのだ」

傭兵「なんだよ。面倒だな、聞かなきゃ良かった」




742: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:30:49.70 ID:u1kZFSH4o


王子「私もだ。こんなこと、部外者であるお前に話すことではない」

王子「気が動転して、どうかしていた」

王子「すべて綺麗さっぱり忘れろ」

傭兵「そうさせてもらうぜ。手のひらに変な感触がのこっちまった」

王子「……っ! ぐぐ、ぐぐぐぅ」

傭兵「冗談。グレイス、深夜だから」

王子「お、お前は! 少しはデリカシーというものを学んだ方がいい」

王子「戦場暮らしが長かったのだろうが、あまりに人間として欠陥だ」

傭兵「うるせぇな」

王子「少しは気遣える人間になれ」

傭兵「気遣いか…」

傭兵「じゃあ…休みに、どっかいくか」

王子「…!」

傭兵「気晴らししたいんだろ。付き合うぜ」

傭兵「もちろん俺の用事もやらせてもらうけどな」




743: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:35:50.94 ID:u1kZFSH4o


王子「そ、そうきたか」

傭兵「嫌なのか? 誘ってきたのはお前だが」

王子「無論嫌ではない…が」

傭兵「なんだよ。まだなんかあるのか」

王子「いい、いやっ、なんでもない…どこに行こうか考えていただけだ」

傭兵「まず墓参りだぞ」

王子「わかっている!」

傭兵「男ふたりで連れ立ってどこかいくのははじめてだな」

傭兵「いや、女か…まぁ男でいいか。な?」

王子「…そうしてもらえるとありがたい」

傭兵「誰にも言わない。なんの得もないし、お前に消されても困るからな」

王子「…」

王子「…」

傭兵「グレイス?」

王子「どこにいくべきか…むむ、むぅ…お前は品性の欠片もないからな」




744: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:42:43.84 ID:u1kZFSH4o


傭兵「狩りとか」

王子「断る。なぜ私が獣と戯れねばならん」

傭兵「魚でも取りに行くか?」

王子「動物じゃあるまいし、そんなもの漁夫に任せていろ」

傭兵「…じゃあどこだよ。俺はそれくらいしかおもいつかないぞ」

王子「そんなことばかりしていたのか」

傭兵「ユッカやユイさんがそれで喜ぶからな。お前もそれでいいかとおもった」

王子「…私を田舎暮らしの娘と一緒にしないでもらおう」

傭兵「じゃあ任せる」

傭兵「俺は寝るからな」

傭兵「ちゃんと服きて、腹冷やさないようにして寝ろよ」

王子「……? う、うわぁバカッ! 記憶を抹消しろ!」バサッ

王子「くそ…なんという恥辱だ」

王子「いつか責任はとってもらうぞ…」

傭兵「zzz」




745: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:49:15.24 ID:u1kZFSH4o



<数日後>



【城下町】


王子「こっちだ」

傭兵「おいおい、王子がこんなとこぶらぶらしてていいのかよ」

王子「いまは王子ではない。グレースと呼べ」

傭兵「あんまかわんねぇよ」

王子「この変装が不十分だとでも?」

傭兵「……」


はっきりとした違和感。
普段戦友としてしのぎを削ってきたグレイスが、
肩や足を露出した実に乙女な服装で俺の隣を歩いている。
確かに似合ってないとは決して言い切れないが、俺は心中おだやかではない。

王子「私のことを王子だと感づくものはいまい…フフ」

傭兵(ユイさんでもそんな格好しなかったぞ…)

王子「変装はだいたんであるほどバレないのだ」

傭兵「お前…ちょくちょくこんなことしてたんだな」




746: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:52:52.14 ID:u1kZFSH4o



傭兵「どこへ連れて行く気だよ」

王子「楽しくて時間が潰せる場所だ」

傭兵「あぁん?」


連れてこられたのは、街中の小さな劇場だった。
昼から歌劇団による公演があるらしい。


傭兵「俺…こういうのよくわからない」

王子「今日は座って静かに見ているだけでいい」

王子「内容は何度もみていくうちに理解できるようになる」

傭兵「……え」

傭兵(これから何度か来る気なのか…)


グレイスは普段みないような、どこか浮かれた様子だった。
ジュースと菓子をかかえたまま指定の席にすわり、場内は薄暗くなり劇ははじまる。




747: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 22:59:00.93 ID:u1kZFSH4o



結論からいうと劇の内容はさっぱりだった。
きらびやかなステージで繰り広げられるミュージカルは、
血なまぐさい戦場を生きてきた俺の人生とは対極的であり無縁だ。


王子「どうだった。心震える物語だったろう」

傭兵「お、おう」

王子「特に私は第二章が気に入っていてな――」ペラペラ

傭兵(お前が楽しんでるなら…それでいいか)

傭兵(こうしてみると、普通の女だ)

傭兵(男であろうと心に決めても、生まれ持った性別を捨てきることは難しいのかもしれないな)

王子「さて、そろそろ夕暮れか…戻ろうか」

傭兵「その前に…」

王子「なんだ。義姉上の墓参り以外にも用事があったのか」




748: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 23:03:33.70 ID:u1kZFSH4o


【王宮付近】


傭兵「……」コソコソ

王子「なぜ、こんなとこにくる」

王子「私はお忍びだぞっ。この姿が…城のものに見られてはまずい」

傭兵「じゃあお前はあっちで待ってろ。すぐ終わるから」

王子「一体隠れてこそこそとなにを……あっ」


視線の先には、1人の小さな女の子。
いましがた剣の稽古が終わったようで、ぐったりとした様子で芝に寝転がっていた。


傭兵「……」

王子「いつも見に来ていたのか?」

傭兵「……」

傭兵「俺はこれ以上先には入れない」

傭兵「この距離でいい。あいつが元気にしていることさえわかれば、それでいいんだ」

王子「ソル…」




749: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 23:08:54.26 ID:u1kZFSH4o



勇者「…!」ピク

勇者「あれ?」トコトコ


王子(ま、まずい見つかったぞ)

勇者「あー王子ー。どうしてこんなところにいるの!」

王子「えっ、あ…なにっ、グレイス王子様がこんなところに!?」キョロキョロ

勇者「なにいってるの…王子でしょ?」

王子「ぐ……お前の魔覚は誤魔化せんか」

勇者「どうしてへんなかっこしてるの?」

王子「しー。ユッカ、いい子だからこれは内緒にしてくれないか」

王子「国の未来にかかわることなのだ」

勇者「…? うん! よくわかんないけどボクだれにもいわないよ!」

王子「いい子だな」

勇者「ねー、さっき王子のとなりにだれかいなかった」

王子「え……あ、いない」

勇者「気のせいかな? まりょくの感じはしなかったから、気のせいかも」

王子「…」ナデナデ

王子(ソル……)

勇者「えへへ、王子いつかえってくるのー」

王子「お前がもうすこし大きくなるころには必ず帰るさ」




750: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 23:16:33.45 ID:u1kZFSH4o



【兵舎】


王子「先に帰っていたとは薄情だな」

傭兵「…」

王子「なぜ会ってやらん」

傭兵「…お前には関係ない」

王子「関係なくはない! ユッカは私のかわいい姪だ」

傭兵「……」

王子「ソル…なぜお前は魔力を失った。なぜ…ユッカはお前のことを覚えていない」

王子「教えてくれないか…私達は志し同じくした、仲間だろう」

傭兵「いつか、話したくなったときに話す」

王子「約束だぞ」

傭兵「あぁ」

王子「……お前はユッカに会いたいか?」

傭兵「会いたいさ。でもまだその時じゃない」




751: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/18(水) 23:21:24.08 ID:u1kZFSH4o


傭兵「いつか、堂々と面と向かって会える日が来る」

傭兵「俺はそう信じて、戦いつづけるだけだ」

王子「その時まで…私もお前とともに戦おう」ギュ

王子「ソル…」

グレイスは俺の背にもたれかかるように抱きついてきた。
いまは変装を解き、とても女とは思えない格好だが、
やはりその体温や体の柔らかさは女特有のものだった。


傭兵「グレイス…?」

王子「今日は楽しかった。また今度一緒に行こう…」

傭兵「……おう」


背中に感じるのはまるでユッカを抱きしめた時のような暖かさだった。
太陽の国の勇者の血筋とは、みなこうなのだろうか。


傭兵「……」

傭兵(けどやっぱお前にそんなことされるのはきもちわりぃ…)ゾゾッ



番外編<君を護る剣>つづく


 




761: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:03:39.38 ID:5eyU6CVYo

番外編<君を護る剣>つづき



月日は流れて。
新兵を卒業した俺の元についに内地から国境周辺の守備部隊へと配置換えの指令が届いた。



【宿舎】


傭兵「今日でこのオンボロ部屋ともおさらばだな」

王子「……」

傭兵「行ってくる」

王子「ソル…すまない。私は…」

傭兵「気にするな」


軍上層部が下した決定は、グレイスの内地残留に加えて司令部への配属であった。
王族であるグレイスがむざむざと危険な戦地へと赴く必要はないということだ。

傭兵「当然のことだ。お前がやられたら国がガタガタになる」

傭兵「誰でもそう判断するさ」

王子「…」




762: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:07:01.86 ID:5eyU6CVYo


傭兵「王になるんだろ」

王子「ソル。お前が…心配だ」

傭兵「お前の口からそんな言葉がでるなんてな」

王子「だってお前は…あまり自活能力がないイイ加減な奴だし、自分を大切にしないし…欠点だらけだ」

王子「そんなお前が何もない辺境の戦場でいきていけるのかと思ってな」

傭兵「…心配すんな。傭兵稼業でサバイバルには慣れてる」

傭兵「むしろ戦うしか脳のない俺にはうってつけの場所さ」

傭兵「お前は俺を待っていればいい」

王子「……!」

傭兵「必ず生きてお前とユッカの元に戻る」

傭兵「ユッカが大きくなるまでに必ず国境周辺の脅威を取り除いて、戦果をあげる」

王子「…不安ではないのか」

傭兵「腕試しにはいい機会だ。お先にレベルアップさせてもらうぜ」

傭兵「そうしなきゃいずれユッカのお荷物になっちまうからな」

王子「お荷物? 何を言っている」




763: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:08:44.01 ID:5eyU6CVYo


傭兵「俺はユッカの旅についていくと決めた。あいつが成人して、勇者としての役割を担う旅に出る時」

傭兵「もう一度ガードとして…ユイさんとの約束を最後まで果たしたい」

王子「ソル…ユッカにひと目会うことは叶っても、残念だがそれは出来ない」

傭兵「……」

王子「わかってはいると思うが勇者に随伴出来る者は、由緒正しい家柄の貴人のみ」

王子「まだ何年も先の話だが、すでに次世代のガードの選出が評議会で進んでいる」

王子「名乗りをあげる貴族も多い。彼らはみな賢く腕が立つ」

王子「お前のような一介の兵士ではその役目を務めることはできない……」

傭兵「なら勝ち取るまでさ」

王子「何…?」

傭兵「グレイス。お前はいつかこの国の王になる。そうなれば側近の騎士が必要となるはずだ」

傭兵「お前に付き従う、お前の騎士だ」

傭兵「そうだよな?」




764: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:10:23.27 ID:5eyU6CVYo


王子「私にお前を叙任しろというのか」

王子「…ッだがそれは険しい道だ。縁故で任命は出来ないし…採りたてようにも武勲の1つや2つでは到底事足りない」

王子「我が国で騎士号は、もはや数百年にも及ぶ世襲制となっている」

王子「個人が財力もなく武勇のみで新たに成り上がることは……不可能に近いのだよ」

傭兵「だから俺は強くなる。何度死ぬ思いをしてでも力を手に入れる」

傭兵「誰にも文句を言わせない、誇り高いこの国最強の戦士となって」

傭兵「いつか…お前たちの元に戻ってくる」

王子「ソル……」

傭兵「騎士の枠、空けとけよ!」

王子「…!」


ガチャ

戦技長「話はすんだか。おっとこれは王子、こちらにいましたか」

戦技長「このような劣悪な環境で長い月日をよく耐え忍びましたな」

王子「この程度…これから先ソルが向かう場所にくらべればぬるま湯のようなものだろう」

戦技長「…王宮より使者が参られております。部屋を引き払い、どうかご同行を」

王子「……うむ」




765: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:12:16.39 ID:5eyU6CVYo


戦技長「ソル、外に荷馬車の手配は終わっている」

戦技長「早くお前も乗り込め」

傭兵「いま行く」

戦技長「生きて帰ってこいよ。すでに実力は遥かに俺の上をいっちまったが、お前は俺の教え子でもあるんだからな」

傭兵「ああ。二度と内地を戦場にしてたまるものか」

傭兵「魔物の一匹たりとも通さねぇよ」

戦技長「お前のような男が命をかけて国をまもってくれるとは心強いな」

戦技長「……あと3分だけ待ってもらうように伝えてくる」

傭兵「悪いな」

バタンッ


傭兵「グレイス。もう決まったことだ。これ以上迷惑をかけられないだろう」

王子「……」

王子「ソル…ッ!」ギュ

傭兵「グレイス…?」




766: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:16:44.11 ID:5eyU6CVYo


王子「これだけは覚えておけ…」

王子「命は…誰かのために使うものではない。お前自身の物だ。辛くて苦しくて、逃げたくなったら逃げていい」

王子「お前は…まだ若いから…生きてさえいたら……」

傭兵「……」

王子「死んでしまえばすべてが終わる。もう二度と会うことはできない。お前は…死ぬことが怖くないのかッ」

王子「魔物の脅威は…身にしみて知っているはずだ…」

傭兵「…」フルフル

傭兵「俺の命は、とうに捧げたよ」

傭兵「この命はユイさんとユッカ…そして2人の愛するこの国のためにある」

傭兵「そしてこの国を背負うお前の物だ。グレイス…いや、王子、俺は戦います」

傭兵「君を護る剣となって、あらゆる脅威からこの国を護ってみせる」

王子「……」

王子(私は…私の覚悟は…この男ほどではない)

王子(なぜお前はそこまで…)

傭兵「……」

王子(そうか…義姉上を…愛していたんだな)

王子「……行って来い。己のちからを用いて最大限の戦果をあげよ、そして必ず生還せよ。これは司令部よりの命令だ」

傭兵「…了解」

傭兵「じゃあな。グレース」

王子「また会おう友よ」ガシッ




767: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:21:50.35 ID:5eyU6CVYo



  ・   ・   ・


その後俺達守備隊は西へ東へと戦地を駆け周り、太陽の国周辺の脅威を1つずつ取り除いていった。
魔物だけではなく他国との紛争にも参戦した。
たくさんの戦友を失い何度も傷つき倒れながらも、俺たちの活躍により少しずつ、人々は過去の凄惨な事件を忘れて暮らしていけるようになった。

そしてその長く終わりの見えない戦いの中で、俺はある仮面の男と出会った。


【辺境の山岳地帯】 


傭兵「よぉ、そこのあぶねー気配ビンビンの野郎」

傭兵「てめぇ…なにもんだ」

仮面の男「……」

傭兵「わりぃがここから先は太陽の国。俺たちは国境守備隊だ」

仮面の男「……そうか」

傭兵「かかってきやがれ!!」

仮面の男「…参る!!」ジャキ

そいつとの戦いは熾烈を極め、俺たちの因縁はその後何年にも渡り続いた。




768: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:24:48.10 ID:5eyU6CVYo




さらに時は経ち……



【太陽の国・謁見の間】


大神官「…いま、なんと言った?」

傭兵「だからよぉ。俺もついていくって言ったんだ」

大神官「はぁ…。君が勇者様の旅に…だと?」

傭兵「評議会に口添えしてくれるよな? あと俺のことが気に入らなくて口うるさい貴族どもにもだ」

大神官「……陛下、これはどういうことなのです。私はうかがっておりませんが…」

王「う…」

傭兵「言ってなかったのか」

大神官「第一、君は陛下の側近中の側近の騎士だろう。国をあけて旅にでるなど…論外だ」

傭兵「じゃあ、あんたの娘とユッカが2人きりで旅に出ると? まだ15そこらの女の子だぜ」

大神官「貴族からすでに何人か腕のたつものが名乗りをあげている」

大神官「君とくらべたら実力は天と地の差だが…ううむ」

大神官「いやしかし…あいつらも若い男だったな…」ブツブツ

大神官「ううむ…もし旅の中でヒーラの身になにかあったら…」ブツブツ

傭兵「おーい」




769: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:27:49.69 ID:5eyU6CVYo


大神官「いや、君がヒーラについていくと言うのはしかし…」

傭兵「ヒーラちゃんじゃなくてユッカな。一応勇者のガードってことでよろしく」

大神官「…っ。2人についていってくれるというなら戦力としては問題はなかろう」

大神官「君の実力は高く買っている」

大神官「だが…」ジトー

傭兵「何か言いたげだな」

大神官「ヒーラをたぶらかす男を同行させるなど私は反対だ」

傭兵「……って言ってんだけど」

僧侶「私は一緒に来てほしいです!」ヒョコ

大神官「なっ…ヒーラいたのかい…」

僧侶「騎士様がご一緒くだされば、ユッカ様の御身も安全でしょうし…なにより心強いです」

僧侶「お父様、お口添えくださいませんか…」




770: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:33:06.72 ID:5eyU6CVYo



王「それに私からもソルを一任しようとおもっていた」

大神官「陛下まで…! よろしいのですか?」

王「ホーリィ。知っての通り、ソルの長きに渡る働きのおかげで太陽の国は随分平和を取り戻した」

王「いまや外敵と呼べる脅威は少ない」

王「私は彼にいつか休暇と褒美をとらせたいとおもっていたところだ」

王「彼の後生の願いを一つ聞いてやるのもやぶさかではない」

王「無論、淋しくはなるがな」

大神官「……」チラ

僧侶「お父様…ソル様は偉大な方です。とても強くて頼りになって、いつも私たちを護ってくれます」

傭兵「俺を信じろ。ユッカたちを任せてくれないか」

大神官「……」

大神官「……わかった。頭の固い評議会に話をつけてみよう」

傭兵「頼んだぜ」

大神官「陛下は本当によろしいのですね?」

王「私は我が友に一切の疑念を抱くことはない」

王「友であり…私の騎士だからな」

大神官「ですがソルの騎士号は剥奪は免れません」

傭兵「かまわねぇよ。元からこのためだけに手に入れた爵位だ」

大神官「なんと! そうか……君ならやりかねんな」

王「……ホーリィ、あとは頼む。まだ時間はあるからな」

大神官「かしこまりました」

傭兵「グレイス?」

王「私は少し部屋に戻る」




771: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:37:31.88 ID:5eyU6CVYo



【王の寝室】


傭兵「どうした。らしくねぇ顔してるな」

王「いつか、この日がくることはわかっていた」

王「お前の戦果が耳に届いた時、お前が戦地から帰ってきた時、お前を騎士に迎え入れた時、心が踊った」

王「だがそれももう終わり。ついに私の元を離れていくのだな」

王「楽しかった…」

傭兵「我が魂は太陽の国にあり。そしてその君主であるグレイス王に捧ぐ」

傭兵「今生の別れにするつもりはありません」

傭兵「…なんてな」バシッ

王「!」

傭兵「次は旅から帰ってくる俺達を笑顔で出迎えてくれよ」

傭兵「この仏頂面じゃなくてよ」ムギュッ グニグニ

王「うあがっ…無礼な…プライベートだからって…やめろ」

王「…ソル。ユッカをよろしく頼む」

傭兵「あぁ!」




772: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:39:30.23 ID:5eyU6CVYo


王「……ごほん、あと、義姉上に似てきたからって変な気を起こさないように」

傭兵「変な気ってなんだよ! 俺がガキんちょ相手にんなことするかよっ!」

王「ふ…どうかな」

王「ああ見えて母性あふれる子だ。お前など案外コロリと…とならぬようにな!!本当に!」

傭兵「ないない」

王「あとヒーラも要注意だな。気をつけろよ…あの子は魔性を秘めている…気がするのだ」

傭兵「ヒーラちゃん? あっはっは、お前は心配性だなぁ」

傭兵「考えてもみろ。2人とも俺より10近く歳下だぜ?」

王「う、うむ…確かに。では安心だな!?」

傭兵「当たり前だ。失礼しちゃうぜ…」

傭兵「それよりも俺はお前の方が心配でならねぇ」

王「? 国防は問題ないが」

傭兵「そうじゃなくて…いい加減、跡取り問題考えとけよ」

王「う……しかし表向きは男だし…」ゴニョゴニョ

傭兵「同情するぜ。もらえても嫁さんだもんな」

王「うう…お前が帰ってくるまでに考えて…おく…よ」




773: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:43:47.83 ID:5eyU6CVYo





  ・   ・   ・




傭兵「ただいまをもって、陛下より賜わった騎士号を返上致します」

王「……確かに。これでお前はもう騎士ではない」

傭兵「ふぅ、肩の荷が降りた。あ、この剣も返しておく」

王「それは餞別だ。剣は必要だろう」

傭兵「いいのか?」

王「あぁ。持っていけ」

傭兵「んじゃせっかく手に馴染んでるしありがたくもらっておくか」

王「本当はユッカに聖剣をもたせたかったのだが…なにぶん私の父上の世代のいざこざで」

王「国宝と呼ばれるものはすべて紛失していてな…」

傭兵「あぁ…なんか聞いたことあるな。お前の身内にもとんでもねー野郎がいたもんだ」

王「はは……お前のような破天荒な男だったと聞く」

王「よりにもよって私の名はその男…つまり叔父上から数文字とっているそうなのだ…」

傭兵「俺って破天荒…か? 常に実直に任務をこなしてきた気がするがな…」

王「やることなすことすべてが私の予想を越えためちゃくちゃだ…」

王「だがそんなお前だから、未来をたくせる」

傭兵「…未来か…」

王「勇者の足取りを掴まれぬよう、盛大な門出とは行かんが頼んだぞ」

傭兵「おう。これくらいのほうが気楽な旅になりそうで良い」

傭兵「とりあえずユッカ拾ってくるわ」

王「うむ」




774: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:45:50.55 ID:5eyU6CVYo


僧侶「ソル様。準備はよろしいですか」

傭兵「行こうか」

僧侶「はい…」

傭兵「えらく緊張してるな」

僧侶「そりゃもう…ガチガチです。私が世界のために…ユッカ様のお役に…」ブルルッ

王「ヒーラ、がんばっておいで」

僧侶「陛下のご期待に応えてみせます」

傭兵「ちょっくらいってくるわ!」

王「健闘を祈る」




【城下町】


傭兵「さてヒーラちゃん」

僧侶「はい」

傭兵「もうすぐここで合流の手はずだが」

僧侶「そうなんですか?」

傭兵「顔合わせの前にあいつを少し試させてもらう。そのために君にも一働きしてもらうぜ」

僧侶「えっ」

大男「へへ…兄貴、まかせてください」

僧侶「誰ですこの人」

傭兵「守備隊にいた時の後輩」




775: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:48:02.03 ID:5eyU6CVYo


傭兵「俺がターゲットを路地裏にさそいこむから、そこでヒーラちゃんはこいつに絡まれておいてくれ」

僧侶「ええっ! 絡まれるって私がですか!?」

大男「これ台本っす」

傭兵「わかったな? 無力な女の子を演じるように。あとばれないようにこのローブで魔力かくしておいて。あいつ敏感だから」

僧侶「は、はいっ」

大男「行きましょうアネさん」

僧侶「アネさん!?」




【町の入り口】


傭兵「さぁて…どれだけ成長したか楽しみだ」

傭兵「ユッカは…っと。寝坊してねーだろうな」


勇者「何度きても城下町は賑やかで広いところだなぁ」キョロキョロ

勇者「ええと、王宮へはどの道を通ればいいんだっけなぁ」


傭兵(――――いた!)

傭兵(ユッカ……ついに会えた…)

傭兵「…ゴホン」




776: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:53:05.21 ID:5eyU6CVYo


傭兵「おーいそこのお嬢さん」

勇者「…」

傭兵「おーい、君だよ」

勇者「え? あ、ボク!?」

傭兵(ユッカ……)

傭兵「道に迷ってるのか?―――――





   ・   ・   ・


  


傭兵「ふぁ……」

勇者「あ、起きた♪」

傭兵「ん…いま何時だ。あれ…俺なにしてたっけ」

勇者「ソルってば、王様へお手紙かいてる途中にうつらうつらしてたんだよ」

傭兵「そっか…で、いまは…お前なにしてんの」ジトー

勇者「 ひ ざ ま く ら ♪ どう?」ナデナデ

傭兵「……」ガシ

勇者「きゃうっ、なぁに? あまえんぼだね。嫌な夢でもみた…?」

傭兵「いや…なんでもない。懐かしい夢だ」

勇者「そっか!」




777: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/20(金) 22:58:29.60 ID:5eyU6CVYo


勇者「くふふ」

傭兵「…なんだ気持ち悪い笑い方しやがって」

勇者「お手紙読んじゃった」

傭兵「なにっ!」

勇者「意外と真面目に書くんだね」

傭兵「あたりめーだろ…報告書だぞ報告書。ふざけてどうする」

勇者「お疲れさま」ナデナデ

傭兵「それやめろ…俺はガキか」

勇者「ソルの寝顔かわいかったんだ。ぎゅー」

傭兵「……」

傭兵(む、胸が…)

勇者「あれ、嫌がらないね。えへへ」

傭兵「なぁユッカ…」

勇者「んぅ? えへへどうしたの」ニコニコ

傭兵「…いや……な、なんでもない」

勇者「変なソル。でもボクはもっと甘えてくれるとうれしいなー。ついでに耳かきしちゃおー♪」ガリガリ

傭兵「あがががっ、鼓膜がちぎれるぅーっ!」



番外編<君を護る剣>おわり


  




780: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/20(金) 23:08:24.67 ID:zKiL4b960

乙です。
グレイス、大変そうだなぁ。




781: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/20(金) 23:44:47.53 ID:q39bA+DJO



さすがにグレースは抱かなかったか…




784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/21(土) 01:42:47.16 ID:PkJtKmC7o

信じて送り出した愛娘は見事・・・ヒーラパパどんまい♪




799: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:06:33.92 ID:03CBJ3A9o




後日譚最終話<丘の家>



獣の商人「忘れもんあらへんか?」

勇者「うん、全部積み込んだよ」

僧侶「また遊びにきても良いですか」

獣の商人「そんなんいつでも大歓迎や! またおいで」

魔女「師匠お元気で」

獣の商人「マナはんも風邪ひいたりせんようにな」

勇者「はーい気をつけまーす」

獣の商人「ユッカはんは風邪ひかへんやろ」

勇者「え…?」

傭兵「バカはなんとやらだ」

勇者「ひっどいなー。ボクだって風邪くらいひくよ!」

傭兵「それじゃマオ。世話になった」

獣の商人「あ、そうそうソルはんご所望のお薬はこれでええか?」

傭兵「は?」




800: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:10:20.64 ID:03CBJ3A9o


獣の商人「はー?やあらへん。なにとぼけとるんや」

獣の商人「いるんやろ? 滋養強壮に効くお薬」

傭兵「あ。そういや頼んでたな…」

僧侶「そ、ソル様…?」

魔女「……がんばる気? むふ、いいけど」

勇者「…? …?? うわ、えっちなお薬ってこと?? さいてー」

傭兵「あ、いや…マオ、そういうのはもっとこっそりだな…」

獣の商人「まけといたるわ」

ズシッ

傭兵「うお…前にもらった量より多いぞ」

獣の商人「朝昼晩がんばってや。 お と う さ ん」

獣の商人「次来たときみんなお腹おっきなってたらどうしよー」

僧侶「あはは……ねぇ?」

勇者「うう…うん」

傭兵「ちょっ、来いッ!」ガシッ

獣の商人「にゃっ」




801: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:15:31.67 ID:03CBJ3A9o


獣の商人「ああーん犯されるー」ズルズル

傭兵「それだけは安心しろ」

獣の商人「なんやねん」

傭兵「実は…いや、お前に相談することじゃないかもしれないが」

獣の商人「んー? 言うてみ。なんでも相談のるで」

傭兵「……耳かせ」

獣の商人「ほい」

傭兵(でっけー耳だな……毛がくすぐってぇな)

傭兵「―――…というわけで」

獣の商人「はぁ、はぁ…なるほどなぁ」

獣の商人「魔力があらへんせいで子ども出来へんのか! 傑作やな!」

傭兵「なに笑ってんだ…笑いごとじゃねぇぞ…」

獣の商人「そうやなぁ…オスとしては難儀なことやな」

獣の商人「ただの機能不全なら、ビンビンに効くお薬ならなんぼでもあるのになぁ」




802: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:20:50.41 ID:03CBJ3A9o


傭兵「理屈もいまいちわからん…」

獣の商人「そんなん簡単やん」

獣の商人「メスの卵は魔力の膜に守られてるんや。といっても人によってその量はさまざまで」

獣の商人「一般人ならうすーい魔力の膜やから、簡単に精子は突破できるんやけど」

傭兵「けど?」

獣の商人「あの子らやと…そりゃもう一筋縄では行かんやろな」

獣の商人「それに加えてあんたに魔力がないってことは」

獣の商人「槍も剣ももたずに城の防壁を突破しようとするようなもんや」

傭兵「……」

獣の商人「なんぼ出兵しても無駄死にやな」

傭兵「うぉぉ…く、くそぉぉ…」

獣の商人「仮にユッカはんに魔力をもろても、あの子らを孕ますに足る量かどうか…」

獣の商人「試練やな」

傭兵「あぁ…」




803: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:27:50.75 ID:03CBJ3A9o


傭兵「魔力を得る薬なんて都合のいいものはないんだよな…」

獣の商人「10を20に高める薬ならあっても、0を10にする薬はあらへん」

獣の商人「ウチだって長年生きてきて…長年ちゃうけど生きてきてあんたみたいなんはじめてや」

獣の商人「珍しいこっちゃで。こんなに元気やのにな!」バシバシッ

傭兵「……でも、数撃ちゃあたるかもしれないよな」

獣の商人「へ?」

傭兵「魔力がその精子にとっての剣や槍だとして、素手じゃ防壁を突破できない道理はない」

獣の商人「なにいうとるんや…脳みそまで筋肉に支配されてるんか?」

傭兵「マオ、サンキュー。すこし前向きになれたぜ」

傭兵「防壁も…殴り続ければいつかは壊れる。この世に不滅のものなんてない」

傭兵「きっと俺の精子たちもいつかはたどりつけるはずだ…!」

獣の商人(月経あるから無駄やで…)

獣の商人(しかしこの男なら…一日で突破もありえるかもしれへんな…)

獣の商人(ユッカはんたちの体がもてば…)


勇者「ねーまだー?」

傭兵「お、おう今行く!」




804: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:32:17.56 ID:03CBJ3A9o


獣の商人「ほんならまたね」

獣の商人「こんど来る時は、そっちの珍しいもん持ってきてや!」

勇者「うん。バイバイマオにゃん」

獣の商人「さいなら〜」フリフリ


魔女「エアブラスターの準備できた。いつでも飛べる」

勇者「スレイプニル、行くよ」

勇者「紅蓮鳥合身だ!」

▼勇者は燃え盛る炎の鳥を呼び出した。

獣の商人「おお、なんやそれ! かっこええな!」

馬「ヒヒン……」

勇者「なにイヤそうな顔してるの!」

馬「ヒヒン…ヒヒン…」

勇者「?」

獣の商人「ふむふむ。あー、その子高所恐怖症らしいわ」

勇者「え…! もうっ、そういうことは先に言ってよ!」

馬「ヒヒン…」

傭兵「すまん」




805: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:36:40.24 ID:03CBJ3A9o


勇者「じゃああとはゆっくり走ってかえろうか」

魔女「うん。あとすこし」

僧侶「ごめんなさいスレイプニルちゃん」ナデナデ

馬「ヒヒン!」

獣の商人「怖かったけど主人の役にたてて嬉しい言うてるわ」

勇者「いい子だね」ナデナデ

魔女「いい子」ナデナデ

傭兵「…」

獣の商人「嫉妬してんの? うちがなでなでしたるやん」

傭兵「してない。いくぞ。乗れよー」

勇者「ばいばーい!」

獣の商人「元気でなー」


バザを出発した俺達は残り少ない陸路を行く。
数日馬を走らせて、マナと出会った深い霧のたちこめる森へとたどりついた。




806: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:40:42.85 ID:03CBJ3A9o



勇者「懐かしい?」

魔女「うん…おじいちゃん元気かな」

勇者「先生にちゃんと挨拶しなきゃね」

勇者「ほら…前にあったとき、ボク全然おぼえてなかったから…」

勇者「先生あんなにお世話になったのにさ」

僧侶「大魔導師様、いまもあのお家にいらっしゃるのでしょうか?」

魔女「森を出た近くの町に住むって言ってた気がする」

魔女「もう歳だから、生活が便利な場所のほうが私もいいと思う」

勇者「じゃあ森はささっと抜けちゃおー!」

僧侶「そうですね…何度きても雰囲気が怖いですし」

勇者「あはは。最初はマナのことわからなかったから、森の魔女に魂とられちゃうって怯えてたんだよ」

僧侶「もうっ、ユッカ様ぁ」

魔女「すこし御者台のほういってくる」

勇者「うん」




807: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:45:50.18 ID:03CBJ3A9o


カチャ ガラリ

魔女「…」

傭兵「どうした。中でおしゃべりしてていいぞ」

魔女「この辺り狼が出るから、魔除けしておかなきゃ」

魔女「…火の玉」ボウッ

傭兵「…! それは……」


その火の玉ははじめてこの森に訪れた時に俺が戦ったものと同じ色。
しかし、あの時のようにふわふわと自律して揺れたり動きまわったりすることはない。
もう、中には何も入っていないのだ。
マナは持っていたすべての魂を解き放って、天に還したのだから。

魔女「…」フルフル

魔女「いないよ」

傭兵「…あぁ。気にすんな!」クシャクシャ

魔女「ん…んぅ、髪の毛乱れる。これからおじいちゃんに会うから、整えたのに」

傭兵「お前のじいさん元気してるかなー」




808: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:51:08.45 ID:03CBJ3A9o



道をマナがよく覚えていたおかげであっという間に深い森を抜け、
日がおちる前に俺たちは近くの小さな町にたどりついた。


傭兵「よっし、さっそく聞き込みだな。んじゃちょっと待ってろ」

魔女「…! 私がいく」

傭兵「お?」

魔女「おじいちゃんは私が探したい。聞いてくる」タッタッ

傭兵「おお…こけるなよ」

勇者「マナが自分から知らない人に話しかけにいくなんて珍しいね」

傭兵「そうだな」

僧侶「ドレインが無くなったおかげでしょうか。人に近づくのをあまり怖がらなくなりましたね」

傭兵「それだけじゃないさ。マナはこの旅でずいぶんと明るくなった」

勇者「うん! さ、ボクらも行こう」

僧侶「はい」




809: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:55:33.77 ID:03CBJ3A9o



酒場の店主「あぁ、森から来たじいさんか。その人ならうちによく飲みに来る」

魔女「お酒ダメっていったのに…」

酒場の店主「いまは町の診療所にいるよ」

魔女「! なにかあったの?」

酒場の店主「あぁいや、健康を損ねているわけじゃなくてな」

酒場の店主「魔法が使えるしかなりの博識だから、町医者の手伝いをしてくれてるんだよ」

魔女「そう……」

傭兵「見つかってよかったな。早速会いに行こうぜ」

酒場の店主「あんたたち知り合いか? ひょっとして…」

魔女「私のおじいちゃん」

酒場の店主「あぁやっぱり君がお孫さんか。いつもうれしそうに君の話をしてくれたよ」

酒場の店主「会いに行っておやり」

魔女「うん。ありがとう」




810: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 22:59:26.57 ID:03CBJ3A9o



【診療所】


魔女「……どきどきする」

傭兵「早く入れよ」

魔女「待って…心の準備ができてない。髪の毛へんじゃない?」

傭兵「なんでだよ。お前のじいさんだろ。普通にしとけ」

勇者「じゃあボクがおさきに……ってうそうそ、睨まないでよ」

僧侶「うふふ、マナちゃん照れくさいのですよね」

魔女「うん…緊張…。すごく緊張する」

傭兵「わかんねぇなぁ」

僧侶「私も先のこと考えると緊張してきました」

傭兵「…?」


マナは手を擦りあわせてなにやらぶつぶつと小さな声で繰り返し唱えたあと、
俺の手をひいて診療所の扉をくぐった。




811: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 23:04:17.44 ID:03CBJ3A9o


カチャ…


魔導師「入って来なさい」

魔女「…」ソー

魔導師「やはりマナ達か…くるころだとおもっておったぞ」

魔女「…! おじいちゃん…」

魔導師「お帰り、よくがんばったのぅ」

魔女「おじいちゃんっ」ギュ

魔導師「うむ…言わずともわかる…ずいぶんと穏やかな色の魔力を放つようになった」

魔導師「おやおや、お前を苦しめていたアレも、どこへ行ったのか」

魔女「…おじいちゃん」スリスリ

魔導師「はて、こんなに甘えん坊だったかのぅ」

勇者「えへへ。先生、しばらくそうさせておいてあげてよ」

魔導師「…ユッカか。その様子じゃとどうやら、すべての戒めから解き放たれたようじゃな」

魔導師「すまなかった…おぬしの記憶が戻ったとき、わしは合わす顔がないとおもっておった」

魔導師「じゃが、愛しい孫がもうひとりもどってきたようで…嬉しいもんじゃな」




812: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 23:10:04.46 ID:03CBJ3A9o


勇者「先生のことなかなか思い出せなくてごめんなさい」

勇者「それと…ボクとマナのことを護ってくれてありがとう…先生」

勇者「ずっとそう言いたかったんだ」

魔導師「いいんじゃよ。すべてはわしら大人たちが悪いのじゃ」

魔導師「ユッカには苦労をかけたな」

勇者「…ううん」ギュ

魔導師「ホーリィの娘も無事じゃったか」

僧侶「ご無沙汰しております。この通り、みんな無事に目的を果たしました」

魔導師「まことに信じがたく、喜ばしいことじゃ」

魔導師「誰一人欠けること無く…ようやった」

僧侶「ソル様がみんなを一つまとめて、旅をひっぱってくれたおかげです」

僧侶「私達だけだとどうなってたか…あはは」

魔導師「入ってこんのか」

勇者「ソル早くおいでよ。さっきまで意気揚々としてたくせにさー、照れちゃってるのはキミのほうじゃん」

傭兵「う…じいさん。元気そうだな」




813: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 23:15:59.30 ID:03CBJ3A9o


魔導師「おぬしたちが帰ってくるまで死に切れんて」

魔導師「ソルも元気そうでなによりじゃ」

傭兵「あぁ。何度も死にかけたけどな…」

勇者「ほんとほんと! 大変な旅だったんだからぁ」

魔導師「うむ。夕飯でもとりながらみんなの冒険譚ををゆっくり聞かせてもらおうか」

魔女「…」スリスリ

魔女「…! その前に、おじいちゃんに大事な報告がある。これ1番最初にする」

魔導師「なんじゃ?」

魔女「…ソル。ここ隣座って」クイッ

傭兵「ん?」

魔女「……」ドキドキ

魔女「おじいちゃん。ソルは私の恋人。私、この人と結婚します」

魔導師「!?!?」

傭兵「…!? なに!」

魔女「あなたが驚くのはおかしい」ベシベシ

傭兵「そ、そうだが…まさかの不意打ちでな」




814: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/23(月) 23:23:15.60 ID:03CBJ3A9o


魔女「私この人が好き」

魔女「もうお付き合いはずっと前からしてる。だから結婚したい」

魔導師「……け、け…」

魔女「…お願いします。元気なあかちゃんいっぱい産む」

魔導師「……あかちゃ…!?」

傭兵「…っ! ちょ、ちょっと待てマナ。そういうのはな」

魔女「…何」

傭兵「男の方がするもんだ。お前は隣に座って黙って頷いてろ」

傭兵「ふー………じいさん。折り入って頼みがある」

傭兵「マナを…この子を俺にくれ。必ず幸せにする」

傭兵「俺はマナが…好きなんだ」

魔導師「……」ブクブク

魔女「おじいちゃん…? 聞いてる?」

魔導師「…」グラリ ドサ…

魔女「!!」

勇者「あ゙ーー先生〜〜〜っ!」

僧侶「きゃーーっお医者様よばなくっちゃ!」

魔女「ヒーラが診て!!」

僧侶「大魔導師様しっかりしてください〜〜」

傭兵「そらそうなるわ…」



後日譚最終話<丘の家>つづく


  
 




825: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 21:43:56.52 ID:S5XOpFkco

後日譚最終話<丘の家>つづき


魔導師「…」ムクリ

魔導師「恐ろしい夢をみた……」

勇者「なぁに?」

魔導師「マナが帰ってきたとおもったら、男連れで結婚したいと言い出した」

魔導師「なんとその相手の男が、ワシの顔見知りの生意気な小僧でな…」

魔導師「あぁぁ…夢で良かった……?」

勇者「何言ってるの?」

魔女「夢じゃない」

傭兵「寝ぼけてんじゃねーぞじいさん」

魔導師「!!?」

勇者「あぁ危ないよ。また倒れちゃう」

僧侶「横になって。ゆっくり頭をおろしてくださいね」

魔導師「な…な…」

魔女「おじいちゃん、ちゃんと聞いて。私は真剣」

魔導師「…」ブルブル

僧侶「とりあえず今夜は安静にしてください。私たちは退室しましょう」

勇者「そうだね。おやすみなさい先生。明日またお話しにくるね」

魔導師「あ、あぁ…」




826: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 21:49:29.92 ID:S5XOpFkco


傭兵「先行ってろ」

勇者「えー?」

僧侶「近くの宿屋にお部屋をとっておきますね」

傭兵「おう。ほらマナも行け」

魔女「…うん。おじいちゃんと話する気?」

傭兵「そんなとこだ」

魔女「…がんばって!」

傭兵(気が早い気がするが本題に加えて結婚の話もすすめておかなきゃいけないな……)


魔導師「なんじゃ。顔もみたくない」

傭兵「そういうな。いい歳召してガキじゃあるまいし」

魔導師「マナはまだ幼子じゃ」

傭兵「…あんたに言ったんだよ。それにマナだってもう15だ」

傭兵「そりゃ…大人と言い切れる歳じゃないが、マナは十分大人になったよ」

魔導師「大人にしたのか!?!?」

傭兵「ち、ちが…そういう意味じゃなくて! 旅を通して心が成長したってこった!」




827: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 21:54:29.51 ID:S5XOpFkco


魔導師「……確かに、ずいぶん雰囲気がかわった」

魔導師「マナを連れだしてくれたおぬしやユッカ達のおかげか」

傭兵「いろいろあったがマナが一緒にいて楽しい旅だった」

魔導師「そうか、あの子が役に立てたか」

傭兵「…具体的になにがあったかは、明日ユッカやマナから聞くといい」

傭兵「正直、あのふたりの絆からしたら俺なんて蚊帳の外だ」

魔導師「では、おぬしは一体何用で残ったのじゃ」

魔導師「言っておくが結婚の話は…ごほっごほっ」

傭兵「大丈夫か?」

魔導師「うむ…近頃、体がいうことを聞かぬ」

魔導師「魔導を極めようとも、歳には勝てんな」

魔導師「所詮ワシも1人の人間ということじゃ」

傭兵「…あんたはこれからどうする」




828: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:02:22.90 ID:S5XOpFkco


魔導師「この町でひっそりと朽ちて行くつもりだ」

傭兵「マナと一緒に国へは戻らないのか」

魔導師「帰る場所などありゃせんよ」

魔導師「ワシは軟禁されていたマナを秘密裏に連れだした重罪人」

魔導師「時が経ち、いまとなっては追手らは放たれてはおらんが、今更国へおめおめと戻ることはできん」

傭兵「だが、マナは間違いなく世界の平和に貢献した」

傭兵「あの時虐げた奴らを、見返すことだって出来るはずだ」

傭兵「それにこれ以上あの子に対して不当な扱いは、グレイスなら絶対にしやしない」

魔導師「グレイス…そうか、あの小娘がいまは治めているのだったな」

魔導師「時が移り変わるのは早いことだ」

傭兵「しっていたのか…」

魔導師「あの国においてワシがしらんことなどない」

傭兵「だからこそだ! これから人の住む世界は変わって行く」

傭兵「魔族領との境界線はいまやなくなり、共存の道を歩める兆しが微かながらに見えた」

傭兵「激動の時代にどうかあんたの知恵と経験を貸して欲しい」




829: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:09:30.30 ID:S5XOpFkco


魔導師「おぬしが頭をさげるとはな」

傭兵「俺の戦いはまだ終わっていない」

傭兵「もう二度とユッカたちが剣をとらなくていい日が来るまで、俺は戦い続ける」

傭兵「誰も失わない平和な世界を作りたい」

魔導師「……変わらんな」

魔導師「そんな剣のように真っ直ぐなおぬしじゃから、ワシはマナを託したのじゃよ」

魔導師「なのに貴様とくれば…! ごほっ、ごほっ」

傭兵「マナに対しての俺の気持ちは真剣だ。遊びでやってんじゃない」

魔導師「じゃがせめてワシが逝くまで…まだマナには早過ぎる。ワシの目が黒い内は誰にも…」

傭兵「ダメだ!」

魔導師「なに! なぜに小僧がワシにダメだという権利がある」

傭兵「あんたはマナの親だろう」

傭兵「だったらマナの晴れ姿を見る前に逝っちゃだめだ」

魔導師「晴れ姿…?」




830: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:15:32.18 ID:S5XOpFkco


傭兵「逝くならせめてマナの幸せを見届けてから逝け」

傭兵「それがマナを引き取ったあんたの最期の務めだ」

魔導師「ソルよ…おぬしは…」

傭兵「マナはきっと、大好きおじいちゃんに見守られながら式を挙げたいと思っている」

傭兵「あんたのいない式なんてあいつが悲しむ」

傭兵「普段あんな仏頂面だが、頭のなかは案外乙女でかわいいんだ」

魔導師「よく見ているのだな…」

魔導師「あの子が心を開いた理由がわかった気がした…」

傭兵「俺に任せろ。マナは幸せにする」

魔導師「おぉ……なんという力強い言葉…」

傭兵「ユッカとヒーラちゃんもだ…必ずみんな幸せにしてみせる」

魔導師「…は?」

傭兵「あ…」

魔導師「貴様いまなんと申した?」

傭兵「…また明日な! ちゃんと毛布かぶって寝ろよな!」 ダッ

魔導師「またんか!」




831: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:20:15.65 ID:S5XOpFkco



【宿屋】


傭兵「ふー、つい口を滑らしちまった」

傭兵「…クソ、結局話したいこと半分も話せなかったな。まぁいいか」

傭兵「じいさんが国に帰るのを嫌がろうと、マナに説得させりゃ一発だろう」

傭兵「もう寝てるかな?」


カチャ…


魔女「……」もぞもぞ

傭兵(いた)

魔女「ん…んぅ……、んっ」

 ちゅく ちゅく ちゅく
  ちゅく ちゅく ちゅく…

魔女「ぁ…ぁ…♥ んぅ…ッ」


傭兵「……」

傭兵(またやってるよ…このエロ娘…)

傭兵(気づいてないようだし少し脅かしてやるか)
 




832: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:25:46.14 ID:S5XOpFkco


魔女「ん…、もうちょっと…んっ、んぅ」

魔女「はぁ…ん…」

 ちゅくちゅく ちゅくちゅく


魔女「んっ、んっ、んっ♥ イクっ、うう…」

傭兵「どこに行くんだ」

魔女「っ!!」ビクッ

傭兵「おやぁ、マナちゃん下すっぽんぽんでなにしてんだ」

魔女「あ、こ、これは…っ…見てた?」

傭兵「どこへ行ってもオナニーばっかりして、じいさんが聞いたらまた卒倒するぜ」

魔女「だ、だめ話しちゃダメ」

傭兵「俺は口が軽いからなぁ、ついポロッと言っちゃうかもなぁ」

魔女「ダメ、内緒! 絶対ダメ」

傭兵「クク、焦っちゃって。乙女の秘め事を他人に言うわけないだろぉ」

魔女「うう……あなたの冗談は時々を度を越すから嫌い」

傭兵「例えば?」

魔女「……おしっこ飲む」




833: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:31:02.15 ID:S5XOpFkco


傭兵「冗談でやってるわけじゃない」

傭兵「マナのはほんとにおいしいんだ」

魔女「嘘」

傭兵「ほんとだぜ?」

魔女「きょ、今日はすませたから…無理」

傭兵「ちょっとくらい残ってるんじゃないか?」


俺はずけずけとベッドに潜り込み、マナに覆いかぶさるようにして細い両足首を持って左右に大きく開いた。

魔女「…!」

魔女「こ、この体勢はダメ」

傭兵「マナのここよく見える。一人遊びしてたからだいぶ濡れてるな」


湿っぽい秘所に顔を寄せ、ぴっちりと閉じられた恥裂に舌を這わせる。
マナの愛液はほぼ無味無臭だ。


魔女「…! なめるのだめ」

傭兵「マナのここほぐれてておいしいよ。舌挿れるぞ」

魔女「…っ、んんぅっ♥」




834: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:35:55.67 ID:S5XOpFkco


 ちゅぷ ちゅぷ
   ちゅぷ  ちゅぷ

ゆっくりと舌を小さな穴に差し込み、中から溢れてくる粘液を舐めとって飲み干した。
縦にならんだ綺麗な3つの穴がひくついて、なんだか物欲しそうにしているように見える。

色白なマナは恥部やお尻の穴まで色素が薄い。
魔族の娘はみなこうなのだろうか。


傭兵「雪みたいだな」

魔女「そこでしゃべらないで」

傭兵「マナ。そろそろこっち挿れていい?」

魔女「…まって、その前に…」ブルルッ

傭兵「どうした。まさか…クク」

魔女「あなたに…刺激されたせいで…したくなっちゃった…」

傭兵「何を」

魔女「…お、おしっこ…行く」

俺は再び舌を差し出して、マナの恥部にかぶりつく。
割れ目を舌先で器用にこじあけて、マナの濃厚な体液が排泄される穴を探り当てた。

魔女「んんんぅっ♥」

魔女「そこなめるとこじゃない」




835: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:40:24.50 ID:S5XOpFkco



傭兵「ほら出していいぞ…すっきりしような」

魔女「あっ、あっ♥ ん…」

魔女「ごめ、なさ…我慢、できなっ…んんぅ」

 ぴゅるるっ ぴゅるるる


コップ一杯に満たない量のマナの黄金水が俺の口内を潤す。
いまや親しみ深いといえるその甘美な味わいに俺は舌鼓をうった。


傭兵「んぐ、んぐ」

魔女「……っ」ポカポカ

傭兵「ぷは…ばかやろー。頭叩いたらこぼれるだろ」

魔女「…うう。人の気も知らないで」

傭兵「さて、続きしようか」

魔女「……」

傭兵「しないのか? こんなに濡らしてて、さっきも中途半端で終わって悶々としてるだろ?」

魔女「…す、する」




836: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:44:31.99 ID:S5XOpFkco


マナは羞恥に顔を赤く染めながら、俺にセックスを懇願した。
自ら秘裂を左右にゆっくりと開き、俺の剛直を迎え入れる。

 ぬち…ぬち…


魔女「ん…んぐ」

傭兵「痛い?」

魔女「平気…一気に奥までいい」


俺はマナのおしりやふとももを優しく手のひらでなでて、十分にリラックスさせてから
ペニスを狭い性器一気に突き入れた。

魔女「…♥」

魔女「あぁ、ふ…ぁぁ…奥ぅ…奥まで来た♥」

傭兵「今日は結構楽に入ったな」

魔女「…う、うん。だって、ずっとほぐしてたから」

傭兵「…? あぁ。お前、俺とこれするために念入りに準備してたのか」

魔女「う……うん。悪い…?」

傭兵「可愛いやつだな。なんだーそっかそっか、俺とスムーズにセックスするためか」




837: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:49:42.01 ID:S5XOpFkco


魔女「一緒のベッドになりそうな日は……一応してる」

魔女「あなたにあんまり苦労かけたくないし…がっかりされたくないから」

傭兵「ま、マナ…」

魔女「んん!? な、なんかまたおっきくなった…♥」

傭兵「お前そんなヤラしーこと言うなよ」

魔女「やらしい…? でも、旦那の夜の相手は妻の責務」

魔女「きもちよくなって…ね」ニコ

傭兵(あぁ…マナ、お前にこんな健気な一面があったなんて)

傭兵(いままでただの思春期の自慰狂いだとおもっていてすまん)

魔女「はやく」


マナにねだれて、ゆっくりと腰を動かしはじめた。

この小さな膣内は男根を気持ちよくするための器官としては未発達で、感触はつるんとしている。
それでも以前にくらべると、わずかながらにざらつきはじめたような気がしていた。
胸もこころなしかふっくらとしはじめて、ふれると柔らかい。

傭兵(成長期だな)




838: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:56:13.83 ID:S5XOpFkco


マナの両親の姿はしらないが、腹違いらしき兄であるレヴァンは上背があるし、
案外マナはスラっとしたスタイルの美女になるのかもしれない。

傭兵(となれば、このあどけないマナを抱けるのはいまのうちか…)


魔女「…? もっと激しくしていいけど」

傭兵「まだもう少しの間スローペースにしておこう」

魔女「…」コク

魔女「こうして、密着してると…幸せ」

魔女「あなたのおちんちんの熱さと硬さ…よくわかる」

傭兵「…マナ」

魔女「今また、中でびくってなった。フフ」

傭兵「なんだかマナがマナじゃないみたいだ」

魔女「どうして?」

傭兵「ぶっきらぼうじゃない」

魔女「だって…楽しくエッチしたい」

魔女「いいたい事とか、感情を押し殺しても…損する」

魔女「私もこれから、あなたみたいに感情的に生きてみたい」




839: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 22:59:55.87 ID:S5XOpFkco


傭兵「じゃあいっぱいかわいい声でおねだりしてくれるか?」

魔女「…うん。する」

傭兵「エッチな声だしてくれる?」

魔女「…だす♥」

傭兵「エロい顔は?」

魔女「…あなたの望むことなら全部」

魔女「…旦那様♥」ニコリ


マナの笑顔で理性の糸がぷつんときれて、俺の腰使いはにわかに激しくなった。
亀頭で狭い肉の筒をこじあけて、奥まで差し込んで、そして一気に引き抜く。
大きなカリがゴリゴリと幼い膣内を引っ掻き回して、マナは快感に酔いしれていた。


  じゅぷん じゅぷん じゅぷん
   じゅぷん じゅぷん じゅぷん

魔女「…あんっ、あっ、んんぁ♥」

魔女「好きっ、好き…ッ♥」

魔女「もっとエッチしてほしい…もっとエッチにして、音いっぱいたてて」

魔女「あなたのおちんちん、ずっと感じていたいっ」




840: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 23:05:09.96 ID:S5XOpFkco


  じゅぷん じゅぷん じゅぷん
   じゅぷん じゅぷん じゅぷん


魔女「んんぅ〜〜っ♥」

魔女「ソルっ…もっと来て。奥いっぱい突いて」

魔女「ああぁ、はっ、はぁ…っ、あ゙ああ♥」


だんだんとマナの声に余裕がなくなってくる。
激しい息遣いでコレの責めに応えながら、ぎゅんぎゅんと幼い膣をしめつけた。


傭兵「…マナ、1回出していいか」

魔女「うんっ♥ ほしい…あなたの精子…♥」

魔女「一滴もこぼしちゃだめ…全部ほしい♥」

傭兵「…っ、う、あぁぁ」

  ずちゅんッ―――

魔女「…っ! ふぁぁぁぁあ♥♥♥」


頭が真っ白になり、マナの中でペニスが大きくびくんと跳ねる。
大量の精液があふれだし、中を満たしていく。
マナはおなじくして絶頂し、ビクンと背筋をそらしたあと、嬉しそうに俺の精液を小さな子宮でうけとめていた。




841: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 23:10:58.47 ID:S5XOpFkco



傭兵「はぁ…ハァ…」

魔女「…今日もいっぱい♥」

傭兵「入りきらなかったな」


案の定、マナの子どもサイズの子宮にはおさまりきらず、お互いの結合部からぶちゅぶちゅと泡立って白い液体が溢れてくる。
もう見慣れた光景ではあるが、今日はそれが一段と淫靡に思えた。

傭兵「……やっちまった」

魔女「…2回戦♥」

傭兵「やるのか? 明日朝からじいさんと会うのに」

魔女「勃ってる。あなただってまたこんなに大きくしているのに、したくないわけがない」

傭兵「わかった。けど寝坊するなよ?」

魔女「…♥ 朝までエッチしてへとへとになるくらいラブラブなら、おじいちゃんも認めてくれる」

魔女「…でしょ?」

傭兵「…フ、かもな」


その晩、俺は魔導師のじいさんに告げた誓いの言葉を思い返しながら、
マナが疲れ果てるまで細く幼い体を抱き続けた。




後日譚最終話<丘の家>つづく

 




842: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/24(火) 23:11:59.36 ID:S5XOpFkco

更新終わり
次回明日か明後日

おまけ 淵罐奪設定絵)
http://i.imgur.com/KIvHB9G.jpg




843: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/24(火) 23:18:09.58 ID:/mzU2M7jO

ひゃああああああああああ(オシッコジョー
真面目に絵を頑張ろうと思わされるわ




844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/24(火) 23:31:54.85 ID:zcih1HHV0

乙ですー
マナの飲尿プレイはすっかりお約束だなぁ。
ユッカの胸、小ぶりだけど意外とあるのね。




845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/25(水) 00:04:01.09 ID:YE4wsZNwO

乙です
マナのおしっこはある種の条件反射やな
ユッカは腰から下はかなり軽装ですね
籠手はあるけど盾は無しか




848: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/25(水) 01:28:21.64 ID:XIyKwSsYO

>>842
こんな娘とセックスしまくりとか妬むわ
笑顔がめちゃかわです
頭の葉っぱみたいな奴何だろう




849: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/25(水) 01:57:51.44 ID:cgq5QMeXo

>>848
太陽の兜でしょ
>>2の装備品に書いてある
話の中でもちょっとだけ触れられてるよ




850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/25(水) 11:42:47.85 ID:g1+SP725O

ああなるほど!




855: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:06:37.26 ID:47vY9tEFo


後日譚最終話<丘の家>つづき



<翌日>


傭兵「で、例の話は考えてくれたのか?」

魔導師「う、ううむ…」

魔女「おじいちゃん」

魔導師「……わかった。小僧の言うとおりにしよう」

傭兵「本当か! よぉし」

魔女「結婚していい? ありがとうおじいちゃん」

魔導師「ち、ちがうわいっ! その件はまだ保留じゃ!」

魔導師「ワシにも心の準備をさせてくれ。それにおぬしらの旅はまだおわってなかろう」

魔導師「大事な話はすべてが終わってから…ということにしてくれんかのぅ…」

勇者「じゃあなんの話…?」

魔導師「こやつの要請を受けて、太陽の国へと戻ることにした」

魔女「本当? またおじいちゃんと一緒に暮らせる?」

魔導師「うむ。いますぐではないがの」




856: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:12:35.08 ID:47vY9tEFo


勇者「わぁー良かったねマナ!」

僧侶「マナちゃんずっとおじい様の事気にかけてましたもんね」

魔女「うん。私の大事な家族…」

傭兵「だってよ。なんで一緒に来ないんだ。1人くらいならギリギリ乗れるぜ」

傭兵「なんならもう一台荷馬車を借りてもいい」

魔導師「すまんが、まだこの町で診なきゃならん患者たちがおっての」

魔導師「仕事を放り出して行くわけにはいかん。わしとてこの町で世話になった身じゃからな」

傭兵「そうか。わかった。なら俺たち先は一足先に帰国させてもらう」

魔導師「うむ」

傭兵「心配しなくてもグレイスに話は通しておいてやる」

傭兵「といっても、ただの傭兵となったいまの俺にはなんの権限もないから話を聞き入れてもらえるかはわからねーけどな」

魔導師「…いろいろと迷惑をかけてすまんな」

魔導師「特におぬしには感謝している」

傭兵「気にすんな! 俺とあんたはあの日から一蓮托生って奴だ」

魔導師「共犯者ともいうがのぅ」




857: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:18:11.69 ID:47vY9tEFo


傭兵「それじゃ仕度するか」

魔導師「おっとそうじゃマナ」

魔女「何」

魔導師「……なんじゃ、ええと……ゴホン、小僧と仲良くするんじゃぞ」

魔女「してる」

魔導師「う、うむ…ならばよいが」

魔女「昨晩も――むぐ、んんっ」

傭兵(しー! しー!)

魔女「…いっぱい愛し――合っ、むぐう、離して」

傭兵「…ハハ、なんでもない。この通り仲良しだから心配すんな」

魔女「…」コクコク

魔導師(本当にまかせて大丈夫かのう…)

魔導師(それにこっちの2人とも結婚するなどと…本気なのか)

魔導師(まぁ…あとは若いもの同士にまかせればよい)

魔導師(ワシはマナの幸せそうな姿が見れただけで幸せじゃよ)




858: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:24:41.85 ID:47vY9tEFo




【王都へ続く街道】


勇者「ねーソル」

傭兵「なんだ」

勇者「ボクも村についたら早速おじいちゃんにソルのこと紹介するからね」

傭兵「う…」

勇者「ねー、挨拶ちゃんとしてよ? ふざけちゃヤだからね?」

勇者「オレはユッカのこと愛してます! って言うんだよ? えへへへへ、困っちゃうなぁソルったらもう」

傭兵(想像を絶する気まずい空間になりそうだ…)

傭兵(ユッカのじいさんはマナの爺さんとは比べ物にならないくらい頑固で偏屈だからな…)

僧侶「私もっ、お父様にご報告しなければなりません」

傭兵「ゔぅっ…」

傭兵(ハードルが高すぎる…)

僧侶「ですよね!? ソル様!」

傭兵(…謎の吐き気が……馬車酔いであってほしい…)




859: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:30:01.08 ID:47vY9tEFo


勇者「結婚式どこでするの」

傭兵「考えてない。相手の出方次第だ」

僧侶「ハネムーンはどこへ行きましょうか」

傭兵「考えてない。金ない」

魔女「指輪かって」

傭兵「金ない!」

勇者「もうっ! 真剣に考えてるの?」

傭兵「普通は一生に一度きりの重責が同時に3つだぞ…」

僧侶「うふふふ」ニコニコ

傭兵「俺にどうしろというんだ…」

勇者「なんだか心配だなぁ。あんまり先延ばしにしないでよね?」

傭兵「善処する。が、しばらくはみんな結婚も忘れるくらい忙しい日々になるんじゃないか」

傭兵「特にユッカやヒーラちゃんはお役目がたくさん残ってるだろう」

勇者「そっかぁ…はぁーあ、旅が終わってもやることあるんだよね」




860: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:36:42.62 ID:47vY9tEFo


僧侶「そう考えると帰るのが少し億劫になってきますね…」

勇者「ほんとほんと、気ままな旅って最高だったんだねぇ」

傭兵「もうなかなかこんな機会には恵まれないだろうな」

勇者「ソルのお父さんは一生旅に生きているのかな?」

傭兵「いま生きてるかどうかもわからねぇな」

傭兵「けど、奔放な人間なんだろう」

傭兵「ニクスから話を聞いた時はあまりの身勝手さに憤りもしたが」

傭兵「俺があいつの立場なら、自由という名の誘惑を断ち切れるかどうか正直わからないな」

勇者「ボクも! ずっとみんなで旅していたいよね」

僧侶「不便な暮らしでしたけど、楽しかったですね」

魔女「うん。楽しい……こんなこと初めて」

傭兵「そりゃ良かった」




861: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:43:12.01 ID:47vY9tEFo



それから数日馬車をはしらせ、俺たち一行はいよいよ太陽の国へと差し掛かった。



傭兵「見えてきたな。麓のほうを見てみろ」

勇者「わっ、あれ城下町!?」

傭兵「そうか、こっちから見るのはお前は初めてか?」

勇者「行きは絶対に振り向かないって決めてたから!」

勇者「こうして見ると結構おっきい町なんだね」

傭兵「それでもバザやグリモワのほうがずっと大きい」

勇者「うんうん。あーどうしよ、腰のあたりがぞわぞわするよぉ」

僧侶「いよいよですね。いよいよですね! ドキドキしてきました」

魔女「太陽の国…すごく久しぶり」

傭兵「さて、まずはグレイスのもとへ一直線だな」

傭兵「多分俺たちの話は国中に伝わってるだろうし、街中でつかまったら長引くぞ…」

勇者「うん! 最初に陛下に報告しなきゃね!」




862: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:49:19.28 ID:47vY9tEFo



【太陽の国・城下町】


僧侶「なんだか街中の雰囲気がいつもと違いますね」

勇者「お祭りしてる…のかな?」

僧侶「こんな時期にお祭りなんてなかったんですけどねぇ」

魔女「…賑やか。楽しそう」

傭兵「…入るぞ」


番兵A「旅のものか。ようこそ。ここはグレイス王の治める太陽の国だ」

番兵B「身分を確認する。入国手続はこちらで」

傭兵「…ん、よぉ。元気してたか」

番兵A「…! あ、あなたはソル隊長…! ようこそお戻りくださいました!!」

番兵B「誰だ?」

番兵A「馬鹿野郎しらねぇのか! ほら、勇者様御一行と我らが守備隊の英雄、伝説の騎士ソル殿だ」

傭兵「で、伝説…?」




863: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 22:54:24.29 ID:47vY9tEFo


番兵A「どうぞお通りください。我ら一同、勇者様方のお帰りを首を長くして待っておりました」

番兵B「ご無礼を働いてしまい大変申しわけございません!」

番兵B「うおおおお!」

傭兵「き、気にすんな…それよりここであまり目立ちたくない」

勇者「ねぇ早くはいろ」ヒョコ

番兵B「うおおおお! 本当に勇者様方の凱旋だあああああ!」

傭兵「あぁ…」

町人A「え、勇者様?」

町人B「あれが? 噂はほんとだったのか」

 ざわざわ…

   ざわざわ…

老人「おお勇者様…ひとめだけでも…」

傭兵「まずいな…人が集まってきた…」




864: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 23:00:43.08 ID:47vY9tEFo


衛兵「何事だ!」

番兵A「我らが勇者様が帰還なされました!」

衛兵「なに! これは急いで陛下にご報告をせねば! 伝令ー!」

傭兵「騒ぎをでかくするなっ! どいつもこいつも…」

勇者「あはは…いつのまにか有名人になっちゃったね」

僧侶「どうしましょう…」


次第に周囲には見物人のひとだかりができてしまい、
俺たちの荷馬車は取り囲まれて身動き一つとれなくなってしまった。


衛兵「ええい下がれ! 勇者様の荷馬車であるぞ」

老人「勇者様…ありがたやありがたや…」

町人「勇者様ー!」

町人「キャー騎士様ー!」

衛兵「下がれ!」

魔女「…どうするの。動けない」

傭兵「このままじゃらちがあかねぇな」




865: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 23:06:28.37 ID:47vY9tEFo


勇者「そうだ! みんな、荷台の屋根の上に出て」

傭兵「なにする気だ。余計目立つぞこのまま中にいろ」

勇者「ううん。ボクにまかせて」


ユッカに言われるがままに俺たち4人は屋根に登った。
すでに王宮へ向かう道は人でうめつくされている、これでは通行はままならない。
鼓膜がさけそうになるほどの大歓声が周囲から飛び交った。

傭兵(そんなたいしたことしてないんだけどな…)

俺とヒーラちゃんが顔を見合わせ途方に暮れているところを、
ユッカは得意気にこほんと咳払いをして、何かを唱え始めた。


勇者「紅蓮鳥! 召喚!」

傭兵「うおわっ!」

 ざわざわ…

突然現れた真っ赤な炎の塊に周囲はどよめく。

勇者「これにのってひとっ飛びだよ」




866: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 23:11:14.66 ID:47vY9tEFo


町人「すげぇ…炎が鳥の形に……」

町人「うおおお勇者様ー!」

町人「ヒーラちゃん俺に微笑みかけてくれー」

町人「騎士様ーっ!」

勇者「みんなー、またあとで会いに来るよ! それまでお祭り楽しんでてね!」

勇者「行くよ!」

傭兵「ほんとに大丈夫なんだろうな…! このサイズで4人乗っても落ちないか!?」

勇者「ちょっとくらいなら平気だよ。がんばる!」

僧侶「緊急事態ですししかたないですよね」

勇者「衛兵さん、スレイプニルをよろしくおねがいします」

傭兵「その馬のことだ。十分に労ってやってくれ」

衛兵「はっ!」




867: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 23:16:15.31 ID:47vY9tEFo



【王宮・中庭】


王「なにやら外が騒がしいな」

王「みな羽目を外しすぎているようだな…やはり祭りはソル達が帰ってきてからの開催にすべきだったか…」

王「無事の頼りに浮かれていたのは私だったというわけか」

王「…一体いつ帰ってくることやら」


 バサッ バサッ


王「…? 鳥?」


傭兵「落ちてる! 落ちてるぞアホ! そこに着陸しろ!」

勇者「あ゙ああああごめんなさーい!」

僧侶「きゃーーーっ。マナちゃんなんとかしてくださいー」

魔女「エアブラスターは馬車に取り付けたまま。絶望」

傭兵「ふざけ…っ、ああああっ!」

 ベシャッ




868: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/26(木) 23:21:39.14 ID:47vY9tEFo


勇者「いたたた…」

僧侶「うう…」

魔女「セーフ。いい緩衝材があった」

傭兵「…重いから全員降りろ」

勇者「ソルー…ごめんごめん。ぺしゃんこになってない?」

傭兵「ったく…下が芝生で助かった。中庭に降りたのはナイス判断だったな」

僧侶「うふふ。こんな姿誰かに見られてたらかっこわるいですよね」


王「……お前たち」


傭兵「…! ぐ、グレ――」

勇者「王様!」

僧侶「ひゃう!?」

王「……ふ、まさか空から戻ってくるとは思わなかったよ」

傭兵「よ、よぉ…帰ってきたぜ」

王「そうやって、お前はいつも私を驚かせるのだな」

王「…お帰り。心より諸君らの帰還を待っていたよ」

勇者「はい! 勇者ユッカ、ただいまもどりました!」



後日譚最終話<丘の家>つづく

 




877: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/27(金) 22:22:01.89 ID:3Q8/iLZ5o

遅れたので本編明日更新。今日はおまけのみでスマソ
おまけ◆淵辧璽蘋瀋螻─
no title





878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 22:23:47.45 ID:r8Mxg4nrO


ヒーラ可愛すぎる!




879: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 22:30:50.09 ID:3k6Pf3awO

さすがヒーラちゃんは大正義で大天使・・・
保存しました乙乙




880: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 22:39:40.82 ID:HNjWd/RP0

乙!
ボタンが外れそうなぐらいにボリューミな胸だ…
髪の編み込みがかわいらしくて惚れる。




881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 23:56:48.61 ID:kNPty06k0

>>877
本当にありがとう
…ありがとう
嬉し過ぎてちびっちゃう




883: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:05:59.97 ID:7yTUYL3ho

後日譚最終話<丘の家>つづき




中庭から謁見の間へと移り、やや物々しい周囲の空気の中で俺たちは旅の報告を始めた。
ユッカの要領を得ない脱線だらけの話にグレイスは真剣に耳を傾け、時々マナのことを物憂げに見つめていた。



傭兵「…報告は以上だ」

勇者「以上です」

王「では、魔王の脅威は完全に取り除かれたのだな」

傭兵「あぁ」

傭兵「魔族領は事実上崩壊、彼の地には新しい国がたった」

王「新しい国? 魔族のか?」

傭兵「話すと長くなるが…」

王「…まぁ旅の報告は今日のところはここまでで良い。お前たちはさぞや疲れているだろう」

王「長旅ご苦労であった。ゆっくり旅の疲れを癒やせ」

王「勇者達を丁重にもてなせ。宴の準備をはじめろ」

大臣「はは」




884: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:13:12.44 ID:7yTUYL3ho


勇者「宴だって! おいしいもの食べられるかな!?」

王「あぁ。ユッカの好きなものを好きなだけ食べるといい」

勇者「わぁいありがとうございます陛下! 魔力使っておなかペコペコなんだ」

大臣「ささ勇者様ヒーラ様、こちらへ」

勇者「マナもいい?」

大臣「しかしその娘は…」チラ

貴族「魔族の娘という話では…」

 ざわざわ

勇者「……」

王「もちろんだ。彼女の活躍により世界の危機は救われたと、私は今の話で十分に理解した」

王「出自など一切問わない。なにより、我が姪の大切な友であるからな」

王「祝いの席で無粋な真似はならん。よいな皆の者」

傭兵(グレイス…)

大臣「なんという寛大さ。かしこまりました。ささ、どうぞご一緒ください」

魔女「……」コク

勇者「えへへ。行こ」




885: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:18:25.81 ID:7yTUYL3ho




   ・     ・     ・



傭兵「あーもう食えん」

僧侶「お腹一杯です」

魔女「おいしかった」

給仕係「おやおやまだまだありますよ。若いものが情けない」

勇者「うぷ…いくら大好物でも食べ過ぎるときらいになっちゃうよ」

傭兵「しかしやっぱこの味だよなぁ。懐かしい気分だ」

王「旅での食事はどうだった。いろんな場所を訪れただろう」

勇者「どこもおいしかったよね。馬車で走ってるあいだもヒーラが毎日つくってくれたし」

勇者「ボクはたくさんおいしいもの食べれて幸せだったよ」

僧侶「うふふありがとうございます」

王「ヒーラを付き添わせて正解だったな」

僧侶「そんな、元はといえば私から無理を承知でお願いしたことです」


バタン!


王「! 何事だ騒々しい…」

大神官「これは失礼…はぁ、ハァ…今しがた職務を終えて、娘の帰還の報を聞き…走ってきたもので…」

僧侶「お父様…!」




886: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:22:46.79 ID:7yTUYL3ho


大神官「ヒーラ! よく無事で戻ってきた…私の胸に飛び込んでおいで」

僧侶「あ、はい…ただいま戻りました。汗だくなので結構です…」

勇者「ヒーラパパお久しぶりです。げぷ」

大神官「はぁ…ハァ…ゼェ、ゼェ…」

傭兵「水飲む?」

大神官「ごほ…勇者様、ヒーラが大変お世話になりました」

勇者「そんなことないよ。むしろボクがヒーラのお世話になっちゃったくらいだよ」

傭兵「そうそう終始ヒーラちゃんに甘えっぱなし」

勇者「ソルもじゃん」

傭兵「うるせぇ」

大神官「さぁヒーラ、ウチへ帰ろう。ママもお前の帰りを心待ちにしているぞ」

僧侶「えっ、えっ…ちょっとお父様…いま陛下と会食中です…」チラ

傭兵「今夜はうちに戻りな。一人娘を旅立たせて、家族は心配でたまらなかっただろう」

王「そうだな。特にホーリィは心配症で、日に日にやつれていく姿が見ていられなかった」

大神官「では娘をつれかえってよろしいですか陛下!」

王「かまわん。家族の団らんより大切なモノはない」




887: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:30:19.35 ID:7yTUYL3ho


大神官「ということだヒーラ。今夜は我が家で過ごそう」

僧侶「…えへへ、ではそうします」

僧侶「みなさまおやすみなさい」

勇者「バイバイヒーラ。またあしたね」

魔女「おやすみ」


勇者「あー。ボクも早くおじいちゃんに会いたくなってきたなぁ」

傭兵「明日報告の続きが終わったら会いにいこう」

王「すでに辺境の村には早馬を送って通達してある」

王「司祭もユッカの帰りをたのしみにしているだろう」

王「今夜は3人には客室を用意する。このまま王宮に泊まっていくといい」

傭兵「おう。悪いな。俺はいまんとこ行くアテがないんで宿代が浮いて助かるぜ」

王「行く宛か……近々お前の処遇を考えねばならんな」

大臣「でしたら、守備隊へ復帰させてはいかがですか」

大臣「無論2度と爵位を与えることはできませぬが…彼の戦力は部隊に必要不可欠」

貴族「行く宛がないなら私の番兵でもやらんかね? 報酬は軍の倍出す」

王「まぁ待て。この場で勧誘はするな。本人の意思も追々確認させてもらう」




888: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:36:11.35 ID:7yTUYL3ho


王「今日はこれにて散会とする」

貴族「それでは我らは失礼いたします。ソル、話は考えておいてくれ」

大臣「隊に復帰すれば指揮もあがるだろう。頼んだぞ」

傭兵「…」

魔女「ふぁぁ…食べ過ぎて眠い」

王「風呂に入ったらすぐに眠るといい」

勇者「ねぇねぇ陛下。ボクが昔使ってた部屋まだある?」

王「ユッカの部屋かい? あぁ、そのまま残してある。ベッドのシーツは取り替えねばならんな」

勇者「じゃあボクそこがいい! マナも一緒に!」

王「わかった。そうしよう」

傭兵「お前よくグレイスに対してわがままな事言えるな。王様だぞ王様」

勇者「わがままだったかな……」

王「気にするな。かわいい姪の頼みごとくらいなんでも聞いてやる」

勇者「うんうん身内だし!」

傭兵「お前ほんとユッカには甘いよな」

魔女「あなたもだけど」




889: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:40:43.69 ID:7yTUYL3ho


勇者「っていうかソルだっておかしいじゃん!」

傭兵「何が」

魔女「一国の王に対して友達口調はおかしい…と思う」

大臣「ごもっともですな」

大臣「そもそもこやつは礼儀を知らん。陛下の元騎士とはいえ、いまやただの傭兵。弁えるがよい」

傭兵「おっさん堅いこと言うなよ。俺とグレイスの仲知ってんだろ?」バシバシ

大臣「……」

王「……もう治りそうもないので私はとうに諦めているよ」

   
   ・   ・   ・


魔女「あなたは一緒に寝ないの?」

傭兵「さすがにベッドが小さすぎる」

傭兵「それに…ここじゃあんまそういうこと出来ないだろ。バレたらつまみ出されそうだ」

魔女「わかった。残念だけど…今度また抱いてほしい♥」

勇者「おやすみソル。村に戻ったら…いっぱいエッチしてね♥」

傭兵「……2人して誘うのやめろ」

勇者「あはは、押し倒されちゃう前に寝ちゃおーっと」

パタン

傭兵「…ったく。旅が終わってもあいつは何もかわんねぇな」

傭兵「…そうか、終わったんだよな」




890: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:45:30.47 ID:7yTUYL3ho




【王の部屋】


兵士「これは隊長。こんな夜更けに陛下に御用ですか」

傭兵「…元、隊長だ。この部屋今はお前らが警護してるのか」

兵士「はい。誰も通すなと厳命されておりますが、ソル元隊長殿だけは通して良いとも承っております」

傭兵「そうか。じゃあ入るけど…ほんとにいいのか?」

兵士「そのおつもりでいらしたのでは…」

傭兵「なら遠慮なく」


ガチャ バタン


王「!」

傭兵「よ。まだ起きてたか」

王「あ、あぁ…お前からの報告書に目を通していた」

傭兵「こんな夜更けまで熱心だな。肌荒れるぞ」

王「お前の言っていた、新しく生まれた国とやらも気になってな」

傭兵「うまくまとめられているといいが…文章作成は苦手でな」




891: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:50:13.44 ID:7yTUYL3ho


傭兵「忙しいなら帰るか」

王「…まて! せっかく来た客人をもてなさないわけにはいかない」

傭兵「客人か…なんだか妙な気分だな。そういや騎士時代にあまりここに入ることもなかった気がする」

王「これから一杯どうだ。そこの戸棚のを開けよう」

傭兵「これすっげぇ高いんじゃねぇのか。もっとふさわしい場があるだろうに」

王「お前が帰ってきたら開けようと思っていた年代物だ」

傭兵「なんだ気がきくな。じゃあお言葉に甘えて、いただかせてもらう」


王「親友との再会に乾杯」

傭兵「乾杯! ……んく、んく、っぷはぁー!」

王「エール酒じゃあるまいし…もう少し慎ましく飲めないのか」

傭兵「うまいなこれ! もう一杯もらえるか?」

王「あ、あぁ! 今夜は好きなだけ飲め…ふふ」




892: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 22:56:08.05 ID:7yTUYL3ho


傭兵「こうしてふたりきりになるのも久しぶりだな」

王「あぁ、共に過ごした時代を思い出す」

王「ソル。今回お前にとって実りの多い旅だったか?」

傭兵「…まぁな。いまから俺の言うことに驚いて変な声だすなよ?」

王「いまさら何を驚くことがある。お前には昔から驚かされてばっかりだ」

傭兵(俺もお前には死ぬほど驚かされたことあるけどな…)

傭兵「実はな、この旅をとおして俺のルーツがわかった…」

王「ルーツ? つまり出自ということか?」

王「良かったではないか。自分が何者なのか知ることができたのだろう」

傭兵「それがよ…俺とお前…従兄妹かもしれない」

王「……何だと? 私と、お前が?」

王「ではソルは叔父上の子…ということか?」

傭兵「父親の名前はグレン。母親はニクスという」

王「グレン…!」

傭兵「魔族領に近い辺鄙な山奥でどうやら俺は生まれたようだ」

王「……」

傭兵「しかも母親は鳥だ」

王「…?! げほっ、げほっ…なんだと!? すまん…私とあろうことが」ゴシゴシ




893: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 23:01:25.69 ID:7yTUYL3ho


傭兵「参ったぜ。俺もいまだに信じられねぇ」

傭兵「けどこの与えられた力は本物だ。これのおかげで俺は九死に一生を得た」

傭兵「俺は…俺の力は、生まれながらに血統に恵まれていただけだ」

王「……」

傭兵「それでも、真の勇者となったユッカの前では霞むほどのちっぽけな力だ」

王「ソル、お前は確かに自分のちからで戦ってきたよ。私はこの目で幾度と無くお前の姿を見てきた」

傭兵「すべてを失っても諦めず、わずかな希望を頼りに己を磨き続けた」

王「このたくさんの傷を誇ってよい」

隣にこしかけていたグレイスは俺にやんわりともたれかかり、腕の傷をなでた。
風呂あがりの石鹸のいい匂いが長い髪の毛からふわりと漂ってくる。


傭兵「お、おいグレイス…」

王「いまは…グレースだ…お前と2人きりの時だけだ」ピタ

傭兵(ち、近い…こんなことする奴だったか?)

王「ん…すまないな」

王「どうやら少し度数が強かったみたいだ…」




894: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/28(土) 23:11:06.78 ID:7yTUYL3ho


傭兵「ちょっと離れようか。水飲め」

王「…んく。ソル、次は私の話を聞いてくれないか」

傭兵「なんだ?」

王「私も20も半ばだ、近頃大臣達から早く后をとって跡取りを作れとつっつかれていてな」

傭兵「…無理じゃん」

グレースは言わずもがな女だ。
しかし王家の都合で男として育てられ、男装したまま生きてきた。
いまさら女性だったとカミングアウトすれば国が揺らぐことになるだろう。


王「昔はそんなことずっと先の話だとおもっていたが…時が経つのはあっという間だな」

傭兵「ど、どうするんだ?」

王「后に名乗りをあげる娘は数多いる。私はこれでも人気があるからな」

傭兵(そりゃこのルックスの王様がいたらな…女はキャーキャー言うだろうよ…)

王「跡取りはユッカに任せるとして、私は…ひとまず男として女と結婚すべきだろうか?」

傭兵「ゔ…」

王「頼むー、一緒に考えてくれ〜〜」ギュ

傭兵「あぁぁー、俺がしるかー! 酔っ払い過ぎだぞお前!」




後日譚最終話<丘の家>つづく

 




899: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 23:47:55.60 ID:QAzrvL9rO

まさかグレイスに萌える日が来るとは思わなかったよ




914: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:09:55.80 ID:5jX0cM6Qo

後日譚最終話<丘の家>つづき



<翌日・昼>

【謁見の間】


王「またこうして集まってもらってすまないな」

傭兵「ふぅ…昨晩はひどい目にあった」

王「…それは私もだ」

傭兵「お前は勝手に酒に飲まれただけだろうが」

大臣「口を慎めぇ。陛下の御前であるぞ」

勇者「…」ツンツン

傭兵「なんだ」

勇者「グレイス陛下のお部屋行って飲んでたんだ?」

傭兵「まぁな。酒は誘われただけだぞ」

勇者「…」ジー

傭兵(なんだその目は。あらぬ疑いをかけるんじゃない)

傭兵(そもそもこいつはグレイスが女だってことをしってるのか?)

傭兵(ユッカなら気づいていてもおかしくないか…)

勇者「ま、いいけどね…」

傭兵「…」ブルッ




915: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:12:45.35 ID:5jX0cM6Qo


王「では、昨日の報告の続きといこうか」

傭兵「おう。何の話からだったかな」

僧侶「魔族領のお話からですよ。ほら、あの国ができたことです」

傭兵「ならまずレヴァンの話からしなきゃいけないか」

魔女「それは私がする」

傭兵「できるか?」

魔女「…」コク

大臣「申してみよ」

魔女「…」

勇者「マナがんばれ!」

傭兵「無理すんなよ? 簡潔に俺の方から話してもいい」

魔女「…グレイス陛下…私の兄は―――」


バタン

兵士「陛下。大切なお話の途中で誠に申し訳ありません!」

王「何事だ」




916: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:18:18.87 ID:5jX0cM6Qo


兵士「いましがた、ソラの国の親善大使と名乗る御方が王宮へといらっしゃいました」

王「親善大使?」

傭兵「ソ、ソラの国だと…?」

王「聞いたことがないな」

傭兵「俺たちがいまから話そうとしてた国の名前さ」

王「…!」

兵士「どうなさいますか。実に怪しい装いなのですが…」

兵士「なにぶん勇者様方、とりわけソル殿と深い仲であるとおっしゃっていまして…追い返す事もできず」

勇者「…知り合い? ボク達の?」

傭兵(誰だ…? まさかな…)

魔女「……」

兵士「…あぁっ! こんなところまで困ります。勝手に入ってこられては…っ」

王「そこに来ているのか。よい。通せ」


謁見の間の重々しい扉が大きく開かれ、中に1人の女が入ってきた。
ふくよかな体のラインをきらびやかなローブで頭まですっぽりと覆い隠している。
その女は優雅な気品あふれる足取りでグレイスの元へと歩み寄り、膝をついた。




917: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:22:01.02 ID:5jX0cM6Qo


??「グレイス王。万国にその名を轟かす、武略に長けた若き名君」

??「お初にお目にかかり、恐悦至極にございます」

??「此度、使者による申し合わせもなく参じた無礼をお許し下さいませ」

王「うむ。丁度横に立つ者どもより、貴女の国の話を伺うところであった」

大臣「して、名をなんと申す。陛下に名乗られよ」

??「私はソラ。ソラの国の者でございます」

??「この地より遥か彼方、旧魔族領より参りました」

傭兵「なんだと!」

王「どうした」

傭兵「い、いや…」

傭兵(なんでその名前を…ッ!)ゴゴゴ

僧侶「……」

王「其の国が貴女の名を冠しているということは、貴女は君主にあたるのでしょうか」

??「いいえ。私はただの親善大使。国の名は、この果てなく続く晴空より頂いたそうです」

??「そして国の元首の名はレヴァン。そちらに立つマナの兄です」

大臣「なんと…マナ殿はソラの国とやらの妹君でございましたか」




918: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:26:48.36 ID:5jX0cM6Qo


王「貴女がここにいるユッカやソル達の知り合いというのは本当ですか」

傭兵「そ、そうだ! 俺にはあんたみたいな知り合いいないぞ」

勇者「ボクもだよ!」

王「…? 知り合いではないのか」

??「…くす。皆様も意地の悪いこと。あれほど深い仲になったではありませんか」

傭兵(なんなんだ…どうなってやがる)

勇者「ねぇ…誰? ソルの知ってる人?」ヒソヒソ

傭兵「知るかよ…おおかたレヴァンの部下か誰かだろ。マナ知ってるか」

魔女「しらない」

傭兵「じゃあ誰だ」

僧侶「でもきっとソル様のお知り合いですよね?」

僧侶「だってソラって…あの時の仮名でしょう?」

傭兵「すくなくとも俺にとってはあんなの思いつきでしかなくてな」

傭兵「あんなうやうやしい態度の知り合いはいねぇよ…」




919: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:29:23.60 ID:5jX0cM6Qo


王「…なにか行き違いがあるようだが」

王「とにかく、遠路はるばるよくぞおいでいただいた」

王「早速ご用件をお聞きしましょう」

??「2つの国の友好を」

王「友好…」

??「そして、ソラの国を新たなる国家として連合会議により認めていただきたいのです」

王「国家の承認ですか」

??「はい。我が祖国は戦後まもなく、決して盤石ではありません」

??「戦乱の後始末、各地で新たに勃発した権力闘争…魔族と人間の種族間での諍い」

??「現状では非常に不安定な地域としか言いようもありません」

??「しかしそれらに我らが元首は迅速に対応にあたり、みなが一日でも早く安心して住める国家となれるよう日々邁進しております」

傭兵(予想はついたが、あっちがそんなことになっていたなんてな)

魔女(お兄様…がんばってる)




920: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:36:47.13 ID:5jX0cM6Qo


王「つまり我が太陽の国と同盟関係を結び、国の基盤を固めたいということですか」

??「左様にございます」

王「…」

グレイスがちらりと視線だけで俺に尋ねた。
それはつまり、その国が信用に足るのかどうかということだろう。
まだ何も話をしていないため、グレイスには即時判断出来るものではない。

傭兵(レヴァン…本当にお前の意思なんだろうな)

奴の理念はわかる。
あれでも長い付き合いもとい因縁だ。
何があっても信念の揺らぐようなやつではないことは俺が1番よく知っている。

だが目の前のこの女はなにかと得体が知れない。

傭兵「…」

隣に立つマナが不安そうに俺の手を握ってきた。

傭兵(そうか…ここでつっぱねたら、俺たちの世界は何も進展しない)

俺は触れあった手を握りかえし、グレイスの目をみつめたまま力強く頷いた。




921: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:42:25.77 ID:5jX0cM6Qo



王「…そのお話、了承いたしました」

王「我が国とて、世界でみれば片田舎にすぎず、連合会議で巨大な発言力をもっているわけではありません」

王「しかし、貴国の期待に応えられるよう尽力しましょう」

??「ありがとうございます」

大臣「陛下。そのような2つ返事でよろしいのですか?」

王「こうして遥々足を運んでくれたものを先送りにしては、私の沽券に関わる」

王「それに加え物資の支援が必要とあれば速やかにだ」

大臣「懐の深いことですな」

王「元を正せば、私の送りだした勇者たちとの間に起きた戦争だ」

王「話を聞いた以上いまさら見てみぬふりはできん。我らには明確な責任がある」

王「そうだろう。ソル」

傭兵「あぁ」

??「ありがたきお言葉。しかし破滅の魔王を生み出してしまった我々にこそ落ち度がございます」

??「どうか陛下と勇者様一同は気に病まぬよう…」




923: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:44:59.33 ID:5jX0cM6Qo


傭兵「ところであんたは誰だ?」

王「そうだな。ぜひお顔を拝見したく思います。それと、楽にしてくれて構いませんよ」

貴族「そこの魔族の娘に等しく、魔国出身の者はさぞや美しいのでしょうなぁ」


緊迫した空気が溶けてにわかに周囲がざわつきはじめる。
みなの視線は一様にローブを羽織った謎の女に集まっていた。

??「…くす」

??「…」ジー

傭兵「…なんだ?」

ぞわりと背筋が凍る感覚。フード越しにじっと女に見つめられたような気がした。
そしてゆったりと女はローブを脱ぎ始める。


王「…!」

大臣「なんと!」

そこから現れたのは、筋骨たくましく、目つきの鋭いまるで野盗のような赤髪の女だった。
周囲の貴族達からは驚きと落胆の入り混じった声が漏れている。




924: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:49:21.51 ID:5jX0cM6Qo


勇者「な…ソル…?」

僧侶「ソル様…?」

魔女「…」ジトー

王「これは…どういうことだ」

傭兵「は? なんでみんな俺のほうを…って!」

傭兵「俺!? なんで俺が…」

??「くす。もうお忘れになったのですか。お兄様」

傭兵「お兄様だと!」

??「そちらの赤髪の男性は私の双子の兄のソル。私は妹のソラ」

王「ソル、そうなのか? 聞いていないぞ」

傭兵(俺だってそんなのしらねぇよ)ブンブン

それはどうみてもかつて俺がグリモワで女装したときの姿であった。
自分では似合っているとおもっていたものの、こうして第三者の視線でみるとなんともおぞましい。
精神が汚染されそうな程のゲテモノといって差し支えがなかった。

それが目の前で華麗な動きを見せ、あまつさえ俺の妹だと名乗っている。

傭兵(双子だとぉ!? イヤイヤ知らねぇ…ニクスにそんな話聞いてねぇ)

傭兵(親父…ホントに仕込んでいたか!? まてまて落ち着けありえない)




925: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 22:55:26.52 ID:5jX0cM6Qo


??「お兄様♪」ニコ

傭兵(かるく吐き気が…)

勇者「おえー」

魔女「きもい」

僧侶(ほんとにソル様の妹なら…この人が私の義理の妹に…?)


大臣「なんとも…いやはや面妖な…」

貴族達「……」

王「うむ…貴女がソルの肉親とはな。少々驚きました…」

??「友好の件、どうかお願い致します」

王「ええ。ソラさん、この後はどうしますか」

??「しばらく大使としてこの地に留まってもよろしいでしょうか」

??「この地での人々の暮らしを国づくりの参考にさせていただきたいのです」

王「そういうことなら…こちらとしてもソラの国に伺いたいことがたくさんありますので」

王「どうか以降もよろしくおねがいします」

??「はい。陛下のためになんなりといたしましょう」

傭兵(とどまるだと…この俺みたいな奴が!? 冗談だろ)




926: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 23:01:12.38 ID:5jX0cM6Qo


??「…くす」

傭兵「ぐ、グレイス。今日はこの辺でいいだろう!」

傭兵「俺…ちょっと用事が…」

王「あぁ。せっかく会えた妹とゆっくり話をしてくるといい」

傭兵「だからちげーっての!」

傭兵「お前…ちょっとこい!」

??「はい。お兄様♪」ニコッ

傭兵「うっぷ…とりあえずここ出るぞ」

??「かしこまりました」

勇者「ちょっ、待ってよぉソル。ヒーラとマナも行くよ!」

魔女「……」

僧侶「まってくださーい」


王「……」

大臣「冷や汗がとまりませんな…あれほどあやつと瓜二つとは…」

王「素敵じゃないか…少なくとも私の目にはそう映ったがな」

大臣「へ、陛下…? お気を確かに!」




927: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 23:04:54.58 ID:5jX0cM6Qo



【空き部屋】



傭兵「お前…レヴァンの差金か?」

??「もちろん。私はレヴァン様の命により参りましたよ?」

傭兵「見ればみるほど俺そっくりだ…」

勇者「ねーほんとに誰なの?」ジロジロ

魔女「……」

僧侶「ソラさんとおっしゃいましたか。申し訳ありませんが、私たちはあなたのことを存じません」

僧侶「ソル様の妹というお話は本当でしょうか?」

??「…ぷっ」

僧侶「?」

勇者「なんで笑うの」

??「ぷくくく、あははは! ほーんとあまぬけさんばっかりでやんなっちゃうわ」

勇者「えっ、えっ…」

パチンッ

女と呼びたくないそいつは高らかに指を弾いて鳴らした。
途端に眩しい閃光が発生し、俺たちは一瞬目がくらむ。




928: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 23:09:49.30 ID:5jX0cM6Qo


目を見開くと、ユッカたちが腹部を抑えながらくぐもった声を出してうずくまっていた。
奴の姿はなくなっている


傭兵「! なにをしやがった! てめぇどこいった」

傭兵「……ッ、ユッカ、ヒーラちゃんマナ! 無事か! 刺客をおくりこんでくるなんて」

勇者「そ、ソル…っ違う…違うのぉ」

ユッカが起き上がり俺にもたれかかる。
ハァハァと熱い吐息をもらして、顔を赤らめていた。

傭兵「お、おい?」

立て続けにヒーラちゃんとマナも俺にしがみついた。
みんなトロンとした目をしていて、明らかに見覚えのあるあの症状が出ている。

傭兵「……ま、まさか」

頭の中ですべての合点がいき、俺は何者かの気配のする後方へと振り返った。


サキュバス「はぁい♪ お久しぶり元気そうでなによりね」

傭兵「淫魔! お前…っ、だったのか」

サキュバス「なんで気づかないかなー」

傭兵「ふざけたことしやがって」




929: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 23:16:22.76 ID:5jX0cM6Qo


サキュバス「いいアイデアだとおもったんだけどなー」

傭兵「何がだよ! くるならお前の姿のまま来りゃよかっただろ」

サキュバス「だってこの姿だとこっちの人はびっくりしちゃうでしょ?」

サキュバス「ま、気にしない気にしない」

勇者「気にするよばかぁ♥」

僧侶「これ…なんとかしてくださいよぉ♥」

魔女「…♥」ペロペロ

傭兵「なんとかしてやってくれるか」

サキュバス「あんたがしてあげたら♪ いつもみたいにね♪」

傭兵「お前…なんで俺に変化できたんだよ…」

サキュバス「だってダーリンが夜な夜な…あ、内緒内緒♪ 忘れて!」

サキュバス「ソル。あんたにソラの国の王レヴァンからの指令よ」

傭兵「指令だぁ!? 何を偉そうに俺に命令してやがる」




930: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/11/30(月) 23:21:02.55 ID:5jX0cM6Qo


サキュバス「あんたの生まれはここじゃなくて、辺鄙な山ん中でしょ?」

傭兵「は?」

サキュバス「あの辺一体はいまはレヴァンの統治下なのよねー」

サキュバス「つ・ま・り。あんたはあたしら側の国の人間ってわけ」

傭兵「…?」

サキュバス「ってことで、あたしこのあともう一度王様と話したら帰るから」

サキュバス「親善大使のお務めよろしくね〜。ソラちゃん♪」

傭兵「!?」

傭兵「なにぃ〜〜!? 俺が!?」

サキュバス「そうよ? 細かい資料はここ置いとくから。あ、それとおチビも話つけとくから」

サキュバス「同じ親善大使ってことで、ちゃーんとこいつを支えてあげるのよ」

魔女「…っ♥」コクコク

サキュバス「っていまは考えてるどころじゃないか。ぷくくく」

勇者「ハァハァ…ソルぅ♥ うずうずするよぉ」

傭兵(助けてグレイス…)

傭兵(レヴァンてめぇマジで覚えてやがれ…)




後日譚最終話<丘の家>つづく

 




941: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:06:31.75 ID:Lo3kAqm2o

後日譚最終話<丘の家>つづき


<2時間後>



傭兵「くっそぉ…絶対許さん」

勇者「ソルったら。ボクたちとのエッチの時くらい、レヴァンのこと忘れようよぉ」ブツブツ

僧侶「そうですよソル様。なんだか浮気された気分です」

魔女「お兄様とも結婚する?」

傭兵「しねぇっての!」

傭兵「はぁ…しかし参った。俺に親善大使だと…? どうしろというんだ。務まるわけねぇ」

魔女「実務は私にまかせてくれたらいい」

傭兵「お前できるのか?」

魔女「楽勝。この資料よく出来てる。さすがお兄様」ペラッ ペラリ

傭兵「確かにマナがいてくれたら…問題はないか」

勇者「でもさぁ…ぷくくく」

傭兵「なにがおかしい」グリグリ

勇者「いだだだっ、だってぇ、ソルが大使のお仕事の度にあの格好するっておもったら」

勇者「あはははッ! おえー。笑いすぎて吐きそうだよ」

傭兵「失礼なやつだな」




942: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:15:53.91 ID:Lo3kAqm2o


僧侶「サキュさんにまんまとしてやられましたね」

傭兵「あれ絶対レヴァンの意思とずれてるぞ…」

魔女「ありうる」

僧侶「いまや王妃であるサキュさんが直接交渉したほうがよかったのでは…?」

傭兵「まぁ…あいつの懸念することもわからんではないけどな」

僧侶「とおっしゃいますと、やっぱり姿形の事でしょうか」

傭兵「この国は魔族との遺恨が残っている」

傭兵「時が解決してくれるまであまり目立った行動は避けたほうがいい」

勇者「ボクらはサキュのこと見慣れてるけど、普通はびっくりするよね」

傭兵「……にしても勝手に俺の姿を真似る必要はないだろうがあああ」ゴゴゴ

僧侶「結局目立っちゃってますね…」




943: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:20:40.92 ID:Lo3kAqm2o


サキュバス「このほうがおもしろいでしょ? 主にあたしが♪」

傭兵「うわっ、戻ってきたのか」

サキュバス「セックスおわった? こっちは大方話を済ませてきたわ」

サキュバス「くんくん。うわぁお、換気したほうがいいわよこの部屋…」

傭兵「う、うるせぇな。あっちいけ」

僧侶「匂いかがないでください!」

サキュバス「なによ。いまさらじゃない」

サキュバス「久しぶりに会ったのに相変わらず冷たいんだから」

傭兵「おい。お前のそういう自由奔放なところが気に入らねぇ」

勇者「それよりどうしてソルが親善大使なの? サキュがやればいいじゃん」

傭兵「そうだぜ。手持ち無沙汰な俺に職務を与えようなんて、余計なお世話だ」

サキュバス「あたしお妃様よ? 頻繁に行き来するなんて無理よ」

サキュバス「もうすぐ帰るもん」

傭兵「そうなのか」

サキュバス「それに言っとくけど、あんたの為にやったわけじゃないわよー」

勇者「じゃあ…?」




944: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:23:20.71 ID:Lo3kAqm2o


サキュバス「おチビのため」ツンツン

魔女「私?」

サキュバス「ダーリンって心配性なのよね」

サキュバス「マナはどうしてるだろうか…迫害されていないだろうかって暇あればつぶやいてて怖いくらいよ」

勇者「そんなことしないし、二度とさせないよ!」

サキュバス「だから、あたしのナイス独断でおチビを親善大使補佐につけてあげたのよ」

サキュバス「どう?」

魔女「……」

傭兵「どう…じゃねぇ! 今の話でなんで俺が女装して架空の双子の妹になりすます必要が出てくる!」

勇者「そーだそーだ!」

サキュバス「だって、ソルとしてあんたに依頼しても絶対つっぱねるでしょ」

傭兵「…当たり前だ。そもそも奴が俺に依頼や命令をするとも思えないがな。どうなってやがる」

傭兵「なんであいつは俺があっち生まれだって知ってんだよ。そこからおかしいだろうが」

サキュバス「…え? 内緒だった?」




945: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:24:32.09 ID:Lo3kAqm2o


傭兵「……。話をややこしくしてるのはお前か…」

サキュバス「ダーリンね、あんたを獲得してすっごい喜んでたわよ」

傭兵「…俺は景品か何かか」

勇者(喜ぶ姿思い浮かばないなー)

僧侶(サキュさんの前ではいろんな表情を見せるのでしょうか…)

傭兵「俺は…お前らの国の人間になる気はねぇ」

サキュバス「…ふぅん。じゃあこっちに籍をおくつもりなのね」

傭兵「ああ。またどこかの兵団に所属したら取得できるはずだ…」

傭兵「いまんとこはただの根無し草だけどな…」

サキュバス「ならそんな行き先不安のあんたに、ひとつだけいいことおしえてあげるー」

傭兵「いいこと?」

サキュバス「ソラの国は、多重婚でもなんでもOKよ」

傭兵「!」




946: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:29:54.10 ID:Lo3kAqm2o


僧侶「えっ、そうなんですか!?」

サキュバス「もともと魔界ってそうだったのよねー。むしろこの国が厳しいくらいよ?」

勇者「そうなんだー」

サキュバス「いろんな種族が入り乱れてるから、愛の形は人間界以上にさまざまって事」

サキュバス「どう? 目下あんたたちの悩みを解決できちゃうんじゃないかしら」チラ

僧侶「!」

傭兵「……」

サキュバス「何よその鈍い反応。つまりー。そこの3人をまとめて」

傭兵「あ゙ーあーあー! 言わなくても意味くらいわかるっ!!」

サキュバス「何照れてんの? くすくす」

サキュバス「ね。あんたたち全員にとっても悪い話じゃないでしょ?」

魔女「…私とソルはソラの国の住人」グイグイ

勇者「そっかー。えへへへ、ソルはあっちの生まれだもんね」

勇者「太陽の国の人になってくれらもちろん嬉しいけど…愛のためならしかたないよね!」

僧侶「親善大使なら2人ともこっちに住めますね!」ムギュ

サキュバス「うんうん。産めや増やせで貢献するのよ」




947: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:32:52.43 ID:Lo3kAqm2o


傭兵「ま、まて…勝手に決めるな」

サキュバス「決めるなもなにも。人の生まれはそれこそ神によるさだめよ」

サキュバス「本人の意思でどうこうなるものではないわ」

サキュバス「変な鳥から生まれたことはもう自分の中で消化できたんでしょ?」

傭兵「……お前も知ってるのか…」

勇者「ソルママさんのこと変な鳥っていわないでよ!」

傭兵「どこから漏れるんだ…ほんとお前不気味だ…」

サキュバス「王様よ」

傭兵「グレイスが!?」

サキュバス「さっき一対一で正体を明かしていろいろ話をさせてもらったのよ」

傭兵「何……いろいろってなんだ」

サキュバス「それはもういろいろよ♪ …物分りの良い子で助かったわ。くすくす」

傭兵「丸め込んだのか!? グレイスになにかしてたらただじゃおかねぇぞ」

サキュバス「あはは。もったいないけどなにもしてないわよ」

サキュバス「むしろ交渉してきたのはあっちのほうだったりして」

傭兵(なにがあったんだ…)




948: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:38:20.79 ID:Lo3kAqm2o


サキュバス「さ、あんたはあきらめて素直にあたしたちに従いなさい」

サキュバス「そのほうが懸命よ。ふふん。大丈夫、悪いようにはしないから」

サキュバス「それに外交官ってわけじゃないのよ。あくまで国の象徴としての大使だから」

サキュバス「国名の由来となったソラちゃんと、国王の妹君のマナなら資格も信用も十分でしょ?」

傭兵「そりゃ…俺自身の名前を使うよりはいいが…」

勇者「よかったね。ソルでも出来そうなお仕事だよ!」

傭兵「…でもってなんだ」グリグリ

勇者「いだだだだっ、なんでぐりぐりするの。今日機嫌わるすぎだよ〜」

サキュバス「難しいことはないわ。戦う事しかしらないあんたでもきっと大丈夫…」

傭兵「……何もかもお見通しみたいな目しやがって…」

サキュバス「伊達にあんたたちの旅を見てきてないから」




950: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:42:31.06 ID:Lo3kAqm2o


勇者「サキュってなんでもわかるんだね。どうして?」

サキュバス「うふふーどうしてでしょう」

僧侶「サキュさんには未来を見通す力がありますから…。ですよね?」

サキュバス「乳は1回占ってあげたことあったわね」

僧侶「はい。その節はありがとうございました」

僧侶「きっとサキュさんの占いがなかったら、私あの時すぐさま決断することができませんでした」

サキュバス「そ。良かった。占った甲斐があった」

勇者「え、何の話?」

僧侶「内緒ですよー」ナデナデ

勇者「むぅ。ボクも占ってもらお! いいよね?」

サキュバス「いいわよ」

勇者「じゃあまずボクの最初の子どもは女の子か男の子か占って…えへへ」

サキュバス「うーんとね」

傭兵「あとにしろ!!」




951: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:49:25.44 ID:Lo3kAqm2o


傭兵「サキュ。少し考えさせてくれ…あまりに唐突すぎてな」

傭兵「国家の未来に関わることだから、安請け合いはしたくない」

サキュバス「はぁ。言うと思った」

サキュバス「そっちの王様はもうその気になってるから。あんまり失望させちゃだめよ」

傭兵「マジか…あのグレイスを懐柔する方法なんてあるのか」

サキュバス「それとダーリンのことも失望させないでね!」

サキュバス「ダーリンってばどうしてあんなに自信満々に指名したのかしら」

サキュバス「『フッ、奴なら断りはせんさ……必ず私の期待に応えてくれる。いままでもそうだったからな』」キッ

魔女「似てない」

傭兵(…俺ってあいつの中でどんな位置づけなんだ)

サキュバス「あいつかっこつけちゃってもー! 話持って行って丸めこむのはあたしだっつうの!」

僧侶「だから無理やり外堀から固めてるんですね? ソル様が逃げられないように…」

サキュバス「……えへ。気付いた?」

勇者「サキュも苦労してるんだね」

サキュバス「そうよ。でもどんなことがあってもあいつについていくって決めたから…」

サキュバス「だって妻だもの」

サキュバス「だからお願い? ソル、あんたに頼らせて。これが務まるのはあんたしかいない」

傭兵「……」

傭兵「…とりあえずグレイスと話をしてくる」




952: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:56:23.84 ID:Lo3kAqm2o



【王の部屋】



王「…ごほん。先ほどサキュ妃殿下より聞いたぞ」

傭兵「……あの姿のサキュに会ったんだな」

王「そしてお前の今後について2人で話し合った」

傭兵「驚かなかったか。羽とか尻尾とか。軽すぎる態度とか……悪いな」

王「気にするな。むしろ話しやすかった」

王「これから魔族との親交が深まるにつれ、接する機会は増えるだろう」

王「彼らの姿に臆している場合ではない。それにサキュ妃殿下は不思議な力のある女性だ」

王「…ひと目で私の性別を悟られてしまってな」

傭兵「淫魔を騙すのは無理だな…」

王「だがゆえに、これからお互い良き友となることを誓えた」

傭兵「そうか…こうして国のトップ同士が結びついてるなら安心だな…」

王「これから少しずつ親交を深めてゆくさ。お互いの国の傷が癒えるその日までな」

傭兵「ま、人々にいきなり魔族と仲良くしろなんてのは土台無理な話だよな。そのための親善大使か…」

王「ソル、お前はこれからどうしたい」

王「ソラとなって大使を務めるか、それともソルとしてのみ生きるか」

王「お前の選ぶことだ。後者の場合、マナを任命するとのことだ」

傭兵「……」

傭兵「…」ゴソゴソ スルスル

傭兵「これでいい…のでしょう。まず言葉遣いからおぼえなきゃな…」

王「あぁ。素敵だよ。よく似合っている」




953: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 22:59:06.27 ID:Lo3kAqm2o


傭兵「あんまり表に出ないようにしよう…ボロが出そうだ」

王「それがいいかもしれないな」

傭兵「それよりグレイス。この話よく認める気になったな」

王「というのは?」

傭兵「だってよ、お前は親友である俺がこんな格好させられてなんともおもわないのか?」

王「…え、あぁ…それはな」

傭兵「なんだよ」

王「お前が女性として生きてくれれば…その…私にも…」

王「いいい、いやっ、なんでもない!!」

傭兵「あ?」


コンコン 

王「入れ」

大臣「失礼します陛下」

大臣「おやソラ殿もご一緒でしたか」

王「何用だ」

大臣「恐れながら陛下、次のご予定が入っておりますゆえ」

王「そうだったな…。すまないソル……ソラさん」

王「また後日。歓談の機会を設けさせて頂きます」




954: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 23:03:40.98 ID:Lo3kAqm2o


傭兵「ふーー…ハラハラしたぜ」

サキュバス「気楽に変装できるでしょ?」ヌッ

傭兵「あのなぁ」

サキュバス「他の人にバレないように言葉遣いは気をつけなさいよ」

傭兵「…そこが問題だよな! お前謁見の間でよくあんな話し方できたな」

サキュバス「あら、わたくしはこれでも高貴な生まれですわよ? くすくす」

傭兵「そうなのか」

サキュバス「うん…すごく昔のことだけどね」

傭兵(そういや…淫魔の国は滅びたって聞いたな…)

傭兵「…サキュ」

サキュバス「ん?」

傭兵「お前が未来と繁栄を望み続ける気持ち……たしかに受け取った」

サキュバス「………。うん」

サキュバス「でもさ、あはは。その格好で言うのはないわー」

傭兵「てめぇが用意したんだろうが!!」バサッ

サキュバス「元を正せばあんたが勝手にはじめたことでしょうが!」




955: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 23:05:34.99 ID:Lo3kAqm2o


大臣「陛下。ずいぶんとごきげんなご様子ですが」

王「そうか? ふっ、なんでもない」

大臣「…ま、まさかとは思われますが…」

王「?」

大臣「いやこれ以上は詮索しますまい…」

大臣(ようやく陛下に春が…? しかしあんなゲテモノ…お美しい陛下にはふさわしくありませんぞ)

大臣(あれぞまさに魔物!)

大臣「そ、そういえば陛下。来月隣国の姫が陛下をパーティに是非お呼びしたいと」

大臣「気立てがよく、品があって美しい女性です」

大臣「ご出席なされてはいかがですか。良き出会いもあることでしょう」

王「大臣……近頃お前はお節介がすぎるな♪」

大臣(あああああああああああああああっ)


 




956: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/02(水) 23:10:25.98 ID:Lo3kAqm2o


   
   ・     ・     ・



勇者「よかったね。ひとまずお仕事みつかったじゃん」

傭兵「…ん、まぁ…そうなるのか」

傭兵「給料出るみたいだし、ひもじい思いはしなくて済みそうだな」

僧侶「一安心です」

傭兵「しかし表向きの俺はどうするかなぁ。公務がない内はしばらくのんびりするか」

勇者「うんうん。暇ならボクと牧場しようねー」

魔女「私も手伝う!」

傭兵「…はは、それもいいな」

勇者「さてと、この後どこへ行こっか」

僧侶「……」ドキ

勇者「おじいちゃんの村行く?」

僧侶「そ、その前にユッカ様っ、私に少しだけお時間くださいませんか」

僧侶「あとソル様を貸してください!」

勇者「え? いいよ〜」

魔女「…がんばれ」

僧侶「はいっ! がんばります! ソル様参りましょう!」グイグイ

傭兵「ななっ、どこへ…どこへ!!」



【大神殿】


大神官「……」ジロジロ

傭兵「……」

僧侶「お、お父様…こちらソル様…は知ってますよね当然…」ニコニコ

大神官「……」ジロジロ

傭兵(俺、死んだな)



後日譚最終話<丘の家>つづく



 




963: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:12:41.52 ID:tJVcTk7yo

後日譚最終話<丘の家>つづき




大神官「で、私に話というのは?」

大神官「なぜ君がひとりでうちにきて、ヒーラの隣に腰かけるのです」

大神官「勇者様達は?」

僧侶「あの…それは」

大神官「まぁいいでしょう。ソル、旅の疲れはとれましたか」

傭兵「まぁまぁな。旅してた頃より気疲れは多いが…体は休めてるよ」

大神官「今日君は旅の報告に来たのですか?」

傭兵「…それもある」

大神官「昨晩娘から旅の話は大方聞いています。ずいぶん過酷な旅となったようですね」

傭兵「あ、あぁ…それは追々話すとして」

傭兵「今日は…もっと個人的な話で来たんだ」

大神官「…個人的! 一体…何の…話でしょうか」

傭兵「…」ゴク

大神官「…」ゴクリ

僧侶(なんでしょうこの一触即発の雰囲気…)




964: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:16:42.72 ID:tJVcTk7yo



大神官「……」

僧侶母「あら、ソルさんいらっしゃい」

傭兵「ご無沙汰しています」

僧侶母「お茶どうぞ。これさっき焼いたケーキ、食べてくださいね」

傭兵「ありがとうございます」

大神官「…ズズ」ゴクリ

僧侶母「……あ、もしかして大切なお話中? 私も一緒してよろしいですか」


ヒーラちゃんの母親が大神官の隣にゆったりと腰かける。
柔らかい笑みを浮かべこっちをじっと見つめている。

傭兵(やっぱ似てるな…)

そして娘を越える豊満な胸が呼吸に合わせて揺れていた。

傭兵(でかい…)

僧侶「ちょっとソル様…お話切り出してください」ツンツン

傭兵「あ、あぁ…」




965: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:21:04.95 ID:tJVcTk7yo


僧侶母「あら。この構図、もしかして…」

僧侶母「うふふ。結婚のご挨拶かしら」

大神官「!」

僧侶「…ッ」コクコク

傭兵「…ああ。今日は…その件で挨拶にきた」

僧侶母「やっぱり♪」

大神官「……恐れていた日が来たか…」

僧侶「お父様、お話だけでもきいてくださいませんか」

大神官「あぁ…聞くだけなら聞いてあげよう」

僧侶「うう…」

傭兵「単刀直入に言う。ヒーラちゃんを俺にくれ!」

僧侶(ばっさりしすぎですよ。ソル様らしいですけど…)

大神官「……」ピクピク

僧侶母「先制で会心の一撃ね♪」




966: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:26:10.67 ID:tJVcTk7yo


大神官「ごほ、ごほ…」

大神官「なんとも聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしたが」

僧侶母「ヒーラちゃんが欲しいんですって。どうしましょう、うふふ」

大神官「うぐぐぐぐ…」

大神官「ダメです」

僧侶「そんなー…どうしてですか」

僧侶「私…将来はソル様と結婚したいです」

傭兵「俺もヒーラちゃんと結婚したい」

大神官「…なりません」

大神官「ヒーラはいずれこの大神殿と共に私の後を継ぎます」

大神官「大神官とは祭事の中心であり、国家にとって必要不可欠な責任ある重役」

大神官「公私に渡ってこの子を支えてくれる者こそがふさわしい」

大神官「由緒正しく格式ある家柄のものとお付き合いすべきなのです」

大神官「ソル。君が陛下の騎士であり続ければ、あるいは私はやぶさかではなかったのかもしれません…」

僧侶母「あなた…」




967: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:32:45.94 ID:tJVcTk7yo


傭兵「……そりゃ、そうだよな」

傭兵「親として娘の将来を案じる気持ちはわかる…俺みたいな不逞の輩…」

大神官「…」

僧侶「そんな…でもソル様は」

大神官「…と! 以前までは頑なにそう思っていたのですがね!」

傭兵「何」

僧侶「え…」

僧侶母「…うふふ」ニコニコ

大神官「ヒーラ。勇者様に付き従い、旅に出たあの日から、これはお前の人生だ」

大神官「好きにしなさい」

僧侶「お父様…?」

大神官「…私は、お前を失う覚悟で旅に出るのを見送った」

大神官「思えば16年間共に過ごしたお前のはじめてのわがままだったかもしれない」

大神官「勇者様を守りたいと懇願したお前の目には、見たこともないほど強い意思が灯っていた」

大神官「時には送り出したことを後悔もした。眠れない夜が続いた」

大神官「しかしある日そんな娘が仲間とともに無事笑顔で帰ってきた。私達にとってこれ以上喜ばしいことはない」

大神官「私はね、もう多くを望むことはないんだよ」

大神官「ただヒーラが幸せにくらしてくれるならそれでいい」

大神官「それでいいのです…」

僧侶「お父様…!」




968: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:38:31.56 ID:tJVcTk7yo


大神官「ソル。君にこの子を幸せにする覚悟はありますか」

傭兵「もちろんだ」

傭兵「世界中探しても、ヒーラちゃんを幸せできるのは俺しかいない」

僧侶「♥」

傭兵「俺にこの子をください」

大神官「…そうですか」

大神官「君はヒーラや当家に擦り寄る貴人達とは違い、口先だけの男ではないことを私は十分知っています」

大神官「どうか、末永くよろしくおねがいします」

僧侶母「ソルさん、この子に幸せを与えてあげてください」

大神官「そしてありがとう……ヒーラを護ってくれてありがとうございました」

僧侶母「昨夜たくさんこの子から話を聞きました…」

大神官「半分は君の話でした」

僧侶「そ、そうでしたっけ…」

大神官「本当にありがとうございました」

傭兵「護っていくのはまだこれからさ。まかせろ」


ホーリィ大神官は突如崩れるように机に伏せた。
ヒーラちゃんは慌てて父親の側に座りこみ、母と共に震える肩に寄り添って優しく背中を撫でていた。




969: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:44:00.36 ID:tJVcTk7yo


大神官「ありがとう…ありがとう…ソル…」

傭兵(役職柄、人前でずっと気丈に振舞っていたんだな…)

傭兵「俺こそありがとうホーリィ。俺のいない間に国も護ってくれて、感謝している」


俺と大神官との付き合いはヒーラちゃん以上に長い。
騎士に就任したころから王宮で何度も顔を合わせ、俺の締まらない立ち振る舞いに小言を浴びせてきた。
そんな少しおっかない男が、愛しい娘に抱かれてさめざめと泣いている。


傭兵(俺にも娘ができたらいつかこんな日がくるんだろうか)

傭兵(…さて、ここにいていいものかどうか)

ヒーラちゃんにやんわりと視線を飛ばすと、彼女は照れくさそうに笑いながら頷いた。


大神官「…そうだ」ムクリ

僧侶「お父様。ちーんしてください」

大神官「ずずっ。いやすまない。みっともない姿を見せてしまったな」

大神官「ヒーラにこれだけは言っておきたいことがある」

大神官「くれぐれも彼とは清いお付き合いをするんだよ」

僧侶「は、はい! もちろんです」




970: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:49:01.93 ID:tJVcTk7yo


大神官「大神官の娘たるもの、浮ついた行為…特に婚前交渉は禁止だよ」

僧侶母「そうね。大人の年齢とは言え、ヒーラちゃんにはまだ早いかも…うふふ」

大神官「あぁ」

傭兵「…!」

僧侶「……はい」

傭兵(なんとも手遅れな話を…)

大神官「ん? まさか…」

僧侶「そ、そんなことしてないですっ!」

僧侶「ソル様とは…その…あの…」

僧侶「き、キスだけですっ!」

僧侶母「まぁ!」

傭兵(おいおいおい。いいのかそんな嘘ついて)

大神官「キスだけ…キス…ヒーラが…男とキス…」フラッ

大神官「うっ…いざ想像してみるといささか気分が…頭が痛い…心も!」シクシク

僧侶母「あらあら大丈夫ですか」ナデナデ

僧侶「う、うそですっ、キスもしてません。ひざまくらだけです!」

大神官「ふぅ…なんだよかった…そんな嘘ついたらびっくりするじゃないか…」

傭兵(あっさり信じるのかよ)




971: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:55:34.45 ID:tJVcTk7yo


傭兵「おい、親バカの度が過ぎてるぞ。こんだけ付き合ってひざまくらだけなわけないだろ」

大神官「何ィ!!」

僧侶母「あらー」

僧侶「ちょっ、何をおっしゃってるんですか」

傭兵「みみかきもしてもらったぜ!」

大神官「ぐぅぅぅあああああ!!」

大神官「やはり許せません! 君のような男がヒーラの愛を一身にうけるなどおおお!!」ガタッ

傭兵「お! 久しぶりにやっか」ガタッ

大神官「うらやましいので大神官の名において天罰を下します!」

傭兵「うらやましけりゃあんたもしてもらったらいいだろ! 実の娘なんだからよ!」

大神官「それは恥ずかしいでしょうが!」

僧侶母「私でよろしければ今晩久しぶりにしてあげましょうか?」

僧侶「お、お父様…ソルさま…。お母様ぁ止めて下さい」

僧侶母「今やあなたのほうが力があるでしょう? うふふふ」


大神官は杖を振り回しながら広い神殿内を逃げまわる俺を追いかける。
こんなことばかりしていた王宮時代を思い出し、懐かしい気分になった。

 




972: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 22:59:03.76 ID:tJVcTk7yo


大神官「ソル! ヒーラを頼みます!」

傭兵「あぁ! ってその相手を殺しにきてんじゃねぇ!」



   ・    ・    ・



勇者「あ、おかえりーヒーラー。お話おわった?」

僧侶「はい、無事許しがでました!」

魔女「おめでとう」

勇者「ほんと!? すごいや。あとはボクだけだね」

僧侶「えへへ…結婚…」ニコニコニコニコニコニコニコニコ

魔女「不気味」

勇者「いいなぁ〜」

傭兵「…はぁ、死ぬかとおもった」

勇者「ソルー、髪の毛後ろのとこ焦げてるよ。何してたの」

傭兵「男の通過儀礼ってやつだ…」

傭兵「…これから司祭に会いにいくってのに」わしゃわしゃ

僧侶「とかしてあげます」

傭兵「サンキュ」




973: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 23:04:37.50 ID:tJVcTk7yo



勇者「おじいちゃん元気にしてるかなぁ」

サキュバス「はぁいボーイズアンドガールズ」

傭兵「俺ってボーイか?」

サキュバス「さぁ〜? あたしからしたらボーイかも?」

傭兵「お前なにしてんだ」

サキュバス「これから荷馬車で村にいくんでしょ? あたしもついでに乗せて行ってよ」

勇者「いいよ。何のよう?」

サキュバス「ん? 帰りの便を待たせてるから」

勇者「???」

傭兵「もう帰るのか」

サキュバス「そ。あっちも忙しくってね、だからあんたにあとはまかせた!」

傭兵「あぁ。やっとく」

サキュバス「聞き分けがよろしい。ささっ、行こ行こ♪」


馬「ヒヒン」

勇者「スレイプニル〜こんなトコにいた」ギュ

勇者「ん……なんか太った? いっぱい食べさせてもらったの?」

馬「ヒヒン」




974: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/03(木) 23:11:19.84 ID:tJVcTk7yo


勇者「えーこんなに太ってたら飛べないじゃん」

傭兵「どうせなら景色でも見ながらゆっくり行こうぜ」

勇者「そうだね。そうしよっか」

僧侶「スレイプニルちゃん、すっかり名馬の風格漂ってますね」

傭兵「こいつほんとにただの馬なんだけどな。出世したもんだ」

勇者「さすがボクたちの仲間だよ」スリスリ

サキュバス「仲間か…」

僧侶「もちろんサキュさんもですよ」

魔女「うん。あなたも私たちの仲間」

サキュバス「ほんと?」

僧侶「ですので、解いてくれますよねぇ…?この呪い…。私達って仲間ですしねぇ…」ズズ

勇者「ほんとちょーーどいいとこに来たよねサキュ♪」ポキポキ

魔女「うかつな…フフ」

サキュバス「あら……もしかして皆様お冠って奴かしら?」

勇者「荷馬車におしこめー!」

僧侶「了解しました! 結界貼ります!」

サキュバス「いやっ、ちょっとあんたたち!」

魔女「パッチンはさせない。術式:マジックロープ」 シュルシュル

サキュバス「なによこれー!」

傭兵「……村つくまでせいぜいいじられてろ」


 
後日譚最終話<丘の家>つづく
 
   




ここから次スレ
転載元:少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」

2: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/04(金) 22:49:01.74 ID:kJfg5Isyo



-主な登場人物
※現行未読の方にはネタバレ含
※本編終了後の説明文です。


 勇者<ユッカ>
15歳。天真爛漫で正義感溢れる少女。
栗色の髪に元気な跳ねっ毛と明るい笑顔が特徴。
魔王の復活を阻止すべく仲間と共に旅に出る。
淫魔の呪いを受け、性的行為をしなければ経験値があがらない体質。
また朔の夜には淫魔の力が強まり、理性が崩壊し発情してしまう。
主な装備:【太陽の兜】【聖剣】

 僧侶<ヒーラ>
16歳。大聖堂に務める大神官の一人娘。
輝くような金髪と豊満な身体をもつ、育ちのよい少女。
ユッカの幼馴染で彼女のことを心から愛している。
高貴な身分でありながらも親しみやすい性格。
聖魔法、防御魔法が得意。パーティの家事担当。
主な装備:【蒼珠の腕輪】【海鳴りの杖】

 魔女<マナ>
15歳。ユッカの昔馴染み。魔族。
透き通るような銀髪と色白の肌をした美しい少女。喜怒哀楽がやや希薄。
黒魔術と薬術が得意。
災厄と呼ばれる制御不可能な古の魔術を生まれながら身に宿し、近くにいる相手の魔力を吸い取ってしまう。
そのため周りの人間に忌避された過去があり人付き合いが苦手であるが、ユッカたちには心をひらいている。
魔力を持たないソルとの出会いに運命を感じ、仲を深めようと熱を上げる毎日。
闇の石によって魔王の魂を憑依させられ、破滅の王へと変貌してしまう。
魔王の魂の消滅により、呪われた力は失われ、完全な自由と平穏を手に入れた。
主な装備:【魔導の杖】


 傭兵<ソル>
25歳。勇者のガードを務める青年。元・王国騎士。
体には歴戦の勲章が多く残っている。
剣術体術といった武芸に秀でているが、ある事件をきっかけにユッカに全ての魔力を譲り、今は自身で魔力を一切操る事ができない。
想い人の忘れ形見であるユッカの事を人一倍気にかけている。
長く戦いに身をおいてきたため、女性の扱いを心得ておらず、デリカシーを欠く事が多い。
時には少女たちに翻弄されながらも、今の暮らしを気に入っている。
太陽の国の王族グレンと不死鳥ニクスとの間に生まれた子供であり、両親の力を受け継いでいる。
主な装備:なし
 
 馬<スレイプニル>
勇者一行の車を引く大柄な馬。
大仰な名前を与えられているが普通の馬。




3: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/04(金) 22:50:08.29 ID:kJfg5Isyo


-敵


 淫魔<サキュバス>
ユッカに呪いを与えた張本人。呪いを通して心を交信させることが出来る。
呪術・占星術・黒魔術の扱いに長けている。
子を宿しづらい自らの肉体を憂い、一族の再興のために勇者の体を手に入れた。
朔の夜に淫魔としての力を増す。

 闇の魔剣士<レヴァン>
三魔人の1人として魔王復活の野望を果たすべく暗躍する魔剣士。ソルの好敵手。
仮面には大きな十字傷が刻まれており、普段外すことはない。
銀色の長髪に整った顔つきの色男。しかし本人の女の趣味は悪い。
魔女マナの腹違いの兄であり、魔族と人間の混血。
現在は魔族と人間の世界を隔てていた地に新たな国を興すため、淫魔サキュと共に活動している。

 闇の呪術師<クロノ(弟)>
三魔人の1人として魔王復活の野望を果たすべく暗躍する魔法使い。
古の賢者の一族クロノ家の血を引く人間であったが、闇魔術にのめり込み邪道に堕ち人間を憎む。
現代では禁忌とされる時魔術を扱う。
戦いの中でユッカの炎に魂を浄化され、最期は姉に見送られて静かに天へと昇っていった。

 闇武将<オーグ>
三魔人の1人。
表向きは魔王復活に協力しているが、裏では自身が魔界の頂点に立つために暗躍している。
現在の実質的な魔界の支配者。
レヴァンの実力を認めているがゆえに邪魔な存在だと忌み嫌っている。
復活した魔王の思わぬ行動に逆上し挑みかかったが返り討ちにされ、全てを奪われた。
 
 幼竜<マントルドラゴン>
本来は火山帯に生息し灼熱を操る翼竜種。
街の中で孵化し人々を恐怖に陥れるも、ユッカたちの手によって撃退された。
その際にユッカから分け与えられた魔力の味をいまでもはっきりと覚えている。

 核竜<コアドラゴン>
マントルドラゴンが大人になった姿。
分厚い鋼殻を持ち、灼熱を操る巨大な翼竜種。
本来は人の手に負えない程気性の荒い破壊の徒。
ユッカによく懐き"ぎゅるちゃん"と勝手に名付けられている。




4: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/04(金) 22:51:18.51 ID:kJfg5Isyo

 
-敵


 狼魔人
ソルの因縁の相手である魔獣。
7年前に起きた聖地侵攻事件の際、太陽の村に現れてユッカの母親の命を奪った。
戦闘で右腕を失ってからは呪術師により竜の腕を移植されている。
時が経ち力を手に入れたソルと再戦し敗れ去った。

 館の少女<アリス>
薄暗い森で古びた宿屋を営むブロンドヘアーの美しい少女。
その正体は100年以上生きる魔法使いの老婆で、訪れた旅人の魔力を吸い殺し、魂を人形へと閉じ込めていた。
ユッカ達一行を襲撃するも、マナ1人に返り討ちにあい全ての力を奪われた。

 大蛸<クラーケン>
オクトピア近海に現れた大蛸の魔物。
闇の呪術師の邪悪な魔力を受けて、心を闇に染めて暴走してしまう。
超大な体躯で船を襲い、人々に甚大な被害を与えていた。
最後はヒーラの聖なる魔法陣で浄化され、心おだやかに棲家へと戻っていった。

 蟲魔人
オーグの忠実な部下の魔物。単独での飛行能力、転移術を有しているエリート。
魔界蟲を召喚し相手を攻撃する。
麻痺効果のある毒粉でヒーラを苦しめた。
勇者達の魔族領侵入を阻止するため迎撃に出たが、覚醒したユッカによってあっけなく撃墜された。

 魔王
魔族領を統べる王。
古の戦いで当時の勇者に敗れ去り、長年闇の石に魂を封じられていたが、新たな器であるマナに乗り移ることでこの世に再臨した。
数多の魔術と災厄を操り、世界の破壊を目論む。
神獣変化の術によって街1つを飲み込むほどの巨大な邪龍へと姿を変えた。
ユッカ達が囚われのマナを奪い返したことによって邪龍は崩壊し、魔王の魂は雲散霧消した。

 




5: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/04(金) 22:56:53.87 ID:kJfg5Isyo


-その他の人物


 獣の商人<マオ>
商業の街バザで薬店を営む獣人の少女(猫)
業突く張りであるが、ゆえにいつも明るく楽しく生きている。
馬車の故障で立ち往生しているところをユッカたちに助けられる。
一行に宿泊する部屋を貸し与え、マナに薬術を伝授し笑顔で新しい旅立ちを見送った。

 隊長
商業の街バザの守備隊の隊長を務める真面目な軍人。
ドラゴン事変の際に傭兵ソルの部下となり、彼の実力に心酔している。
20代半ばにして未だ独り身であることを気に病んでいる。

 盗賊
バザのドラゴン襲撃事件の首謀者である盗賊団の末端構成員。
犯罪者として投獄されたが、執行猶予となり、現在は守備隊の任に従事している。

 妖狐<キュウ>
遥か遠い島国より湯治の旅に出た獣人の少女(狐)
子供のような容姿でありながらも、老獪で古めかしい喋り方。
その正体は魔力を得た狐であり、古の災厄の一つを身に宿すと自称する。
秘術の暴走により巨大な神獣へと変化したが、マナのドレイン能力によりその力を失った。
別れ際にユッカたち一人ひとりに虹の珠と呼ばれる希少な魔宝石を与え、旅の無事を祈った。
 
 宿屋の少女<ローレ>
港町オクトピアにて潰れかけの宿屋『ローレライ』を営む少女。
おっちょこちょいではあるが何事も一生懸命。
その正体は邪気の蔓延る魔物の世界から逃げ延びてきた美しい人魚。
魔物仲間のサキュバスとは古くからの知り合いで、一方的に友達だと思っている。
ユッカたちに宿を貸し与え、ヒーラのクラーケン対峙の際にも尽力した。

 蛸娘<スキュラ>
オクトピアで語り草となっていた下半身が蛸足の女型の魔物。
知能が低くあまり人間の言うことを理解していない様子。
繁殖相手にヒーラを選び、巣である入江の洞窟へとさらっていった。
ヒーラの活躍により、暴れていた友達の大蛸クラーケンが正気にもどり、
最後はヒーラとの友情を確かめ海のなかに姿を消した。

 時の魔術師<クロノ(姉)>
歯車の街ピニオンの大時計台の管理人を務める女性。
古の賢者の一族クロノ家の血を引く。闇の呪術師の姉。
瞑想によって高めた膨大な魔力を用いて、毎年行われる魂流しの儀式において天への道を架ける役目を果たしている。
ユッカの手によって、邪道に堕ちた弟の魂が浄化されたことを深く感謝した。

 女剣士<サマンサ>
魔法大国グリモワで剣士として賞金を稼いで暮らしている女性。
祖父が太陽の国出身の人物と接点があり、協力者としてユッカたちを匿う。
長年伴侶に恵まれず、異性にモテないのは鍛え上げた筋肉のせいだと思って悩んでいる。
武闘大会でベスト16に入る程の実力者。

 魔法国王
魔法大国グリモワを統める若き王。
古の大魔導師の血を引き、秘術である魔法障壁を用いて国を護っている。
魔術に関して天才的な才能をもち、鋭い魔覚で瞬時にマナの本性を見抜き拘束した。
普段は底意地が悪く昼行灯であるが、その圧倒的な能力ゆえ有事の際に国民は王のことを信用している。
古より続く知の継承者であり、魔術の管理者を自称し、この世の秘術を収集するのが趣味。




6: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/04(金) 22:59:41.83 ID:kJfg5Isyo

 
-その他の人物


 母親<ユイ>
勇者ユッカの母親。故人。
優しくも気丈で芯の通った性格。
体格にはあまり恵まれていない上に幼い顔つきで、年齢より若くみられる。
太陽の村で普通の女としてうまれ育ち、成人してから王宮でメイドとして働いているところを第一王子と出会い、のちにユッカを授かる。
王子とは身分不相応ゆえ王宮を追放されたが、その後も女手ひとつで娘を育ててきた。
ある雪の日、森のなかで倒れている傭兵ソルを見つけ家に連れ帰り、幼いユッカのガードとして働くよう新しい人生を与えた。
その翌年起きた聖地侵攻事件で魔物の手にかかり死亡。
最期は恋仲であったソルにユッカの未来を託した。
魂だけの状態でマナに拾われ、以来ずっとマナの中に宿っていたが、
魔王にとりこまれつつあるマナを救うべく最後の輝きを放って魔王を食い止め、共に天に消えた。

 司祭
勇者ユッカの祖父。
太陽の村で司祭兼村長を務めている。
聖地侵攻事件で最愛の娘を失い深く悲しんだが、その後はユッカの親代わりとなり旅立ちを見届けている。

 魔導師
魔女マナの後見人で元・王宮付きの大魔導師。
マナの呪われた体質を不憫に思い、王宮を離れ人里離れた深い森へと共に身を隠した。
幼少期のユッカの魔法の師であり、忌まわしい過去の記憶を封印した張本人。

 大神官<ホーリィ>
僧侶ヒーラの父親。
誰にでも心優しく、聖職者の規範となる良き神官。
娘のこととなると立場を忘れて取り乱すことがある。
聖地侵攻事件の際、重症を負ったソルを手厚く看護した。

 王子<グレイス>
太陽の国の王子。
古の勇者の直系であるが、次代の勇者としての資質である魔覚には恵まれず、幼い頃より兄に対して劣等感を抱いていた。
スマートな痩身から繰り出される剣撃はすさまじく、武芸者として国内でも突出した力を持っている。
嫌味な性格からソルと激突するが引き分けに終わり、以降は彼の実力を認めている。
後に王位を継承し、ソルを直属の騎士として王宮に迎え入れている。

 炎鳥<ニクス>
傭兵ソルの産みの親。
火山の中で破滅と再生を繰り返し長い時を生き続ける不死鳥。
邪悪のみを焼く尽くす浄化の炎に全身を覆われている。
旦那であるグレンの魔術により人型に変化することが可能となった。
 
 男<グレン>
傭兵ソルの父親。
太陽の国の王族であったが、王位継承権をめぐる争いに敗れ、国宝を手に単身飛び出した。
以来旅を続けているらしい。
女好きでだらしのない性格。

 傭兵<ソラ>
ソルが素性を隠すために女装した姿。
ピチピチの服と露出した筋肉が街行く人々に気味悪がられているが、本人は様になっていると自画自賛気味。
そのたくましさから魔剣士レヴァンに見初められた。

    




16: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:05:26.67 ID:wcUR5E0Do

前回のあらすじ
ヒーラと婚約を終え、一行はユッカの生まれ故郷である太陽の村へと出発する。
そこに現れたサキュをユッカ達は拘束した。


後日譚最終話<丘の家>つづき


【荷馬車】


勇者「さぁサキュここに寝ようね」ポンポン

サキュバス「なによ…離しなさい! 4人も居たらせまいじゃないの」

魔女「逃げられないし、離さない」

僧侶「いままでさんざん手をやいたサキュさんも、こうして捕まえてしまえばたいしたことないですね」

サキュバス「あんたたち…小娘のくせに生意気なぁ」

勇者「抵抗しても無駄だよ。以前のボクたちなら束になってもサキュには敵わなかったけど」

僧侶「いまの成長した私達なら…うふふ」

勇者「サキュのおかげだね!」

魔女「自業自得」

サキュバス「ひっ」

魔女「もう脱がせていい?」

サキュバス「脱がす気!?」




17: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:07:58.61 ID:wcUR5E0Do


勇者「くふふふ、だってサキュにはいろいろされちゃったから」

僧侶「すこしくらい仕返ししてもいいですよね?」

サキュバス「よ、よくないわよ!」

魔女「淫魔なのに、エッチな事されるの怖いの? 怖いんだ〜」

サキュバス「…こ、怖くないけど…ふんだ。あんたたちのテクなんかでピクリともしないから!」

サキュバス「どーぞどーぞ! いいですよーだ! 好き勝手しなさい! ふふん」

サキュバス「格の違いというものをみせてあげるわ!」

勇者「そんなこと言っちゃってさ…」

僧侶「では私達の過酷な旅で培った技の数々。その集大成を見せてさしあげましょう」

サキュバス「何の旅だったのよ」

魔女「するり」

サキュバス「きゃ…早いわよ」

勇者「あーサキュのおっぱい♪ ぷるぷるでおっきいね。ヒーラとどっちが大きいかな」

サキュバス「人間の小娘相手に負けるわけないじゃない」




18: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:10:01.70 ID:wcUR5E0Do


勇者「そこまで言うならくらべてみよう! さぁヒーラも脱いで!」

僧侶「え、私もですか? 恥ずかしいです」

サキュバス「ハァ!?」

勇者「マナはもう脱いでるよ」

魔女「…汁で服よごれるかもしれないから…一応」

僧侶「はやっ」

勇者「ボクも脱ぐー!」シュルルッ


  ・   ・   ・


勇者「サキュ〜あったかー」ギュ

サキュバス「もうっ、なんなのよ」

勇者「はむ」

サキュバス「ちょっとぉ」

勇者「サキュの乳首綺麗だね。はむ、あむ…ちゅぅ…えへへ固くなってる」

魔女「ヒーラと味ちがう?」

勇者「マナもこっちのおっぱい吸ってみようよ」

魔女「うん」チュ




19: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:12:44.50 ID:wcUR5E0Do


サキュバス「こ、こいつら〜〜」

サキュバス「日中からなんでこんなにテンション高いのよ」

勇者「えへへへ、はむ、はむ」

サキュバス「んっ、くぅぅ…どこ吸ってるの。この淫乱勇者」

僧侶「元をたどれば、ユッカ様をこうしちゃったのはサキュさんのせいですよ?」

サキュバス「原因は私かもしれないけど、調教したのはあの男でしょ!!」

僧侶「どうでしょう? 私はサキュさんのせいだとおもいますけどね!」

サキュバス「乳め…」

僧侶「あらあらユッカ様そんなにおいしそうに吸い付いちゃって。もっと優しく吸ってあげてくださいね」

勇者「あむ…かぷ。うん! れろ…はぁむ」

魔女「ちゅーーー」

サキュバス「く、くすぐったいわよ…なんなのその舌使い」

勇者「れろ…ちゅぅぅう。時々ヒーラにしてるから。ね?」

僧侶「え、えぇ…まぁ…」




20: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:15:16.35 ID:wcUR5E0Do


サキュバス「で、どっちが大きいって」

勇者「んーー、どっちだろ」キョロキョロ

僧侶「あんまりまじまじと見ないで下さい…」

勇者「ふたりともおっきい…」ズーン

魔女「甲乙つけがたいから引き分け。柔らかさはあなたの勝ち」ふにゅっ

サキュバス「うっそぉ! あたしのほうがおっきかったのにいつのまに…成長期って怖ぁ…」

僧侶「うう…ホントに成長期のせいですかねぇ…」

サキュバス「それもどーせあいつのせいでしょ! 赤ん坊じゃあるまいし毎日チューチューチューチュー」

サキュバス「ぜーんぶあいつのせい!」

僧侶「あなたが私の胸にかけた呪いのせいです!! 往生際が悪い…」

勇者(ボクもどうせならそっちにかけてもらいたかったな…)

勇者「ヒーラはおっきいだけじゃなくてすっごく敏感だからね。サキュはどうかなー」クリクリ

僧侶「やっちゃってくださいユッカ様!」

サキュバス「ちょちょっ、待ちなさい…」

勇者「淫魔だから何されても余裕なんでしょ?」

サキュバス「……え、ええそうよ! ……んっ、あ…」

僧侶「うふふふ。サキュさんが困った顔してるなんてレアですね」




21: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:19:21.20 ID:wcUR5E0Do


サキュバス「まって…2人同時になんて…」

勇者「クリクリ♪ どう? ギブアップ?」

魔女「諦めていままでの謝罪を」

サキュバス「…するわけないでしょ! きぃーー」

勇者「じゃあ…そろそろこっちもさわっちゃおっか」

サキュバス「え」

勇者「え、じゃないよね。サキュの お ま ん こ だよ♪」

 ぬち…

サキュバス「ぁぁぁ…そこは」

僧侶「無抵抗なサキュさんのあそこを眺めるのはいい気分ですね」

サキュバス「…!」

僧侶「ユッカ様、そこはこの私におまかせください」

サキュバス「乳が…? 待ちなさい、あんたがあたしに触ったら…」

ばちちっ

サキュバス「〜〜〜っ!!♥」

僧侶「うふふ。パチパチしちゃいますね。ここをすりすり〜ってすると…」

サキュバス「ふぁぁぁあ♥ や、やめ…あああっ」




22: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:21:54.68 ID:wcUR5E0Do


僧侶「サキュさん変な声だしちゃってどうしちゃったんですか? 私の指がきもちいいですか?」

サキュバス「し、刺激が…強っ、すぎて♥」

僧侶「なんだか相性が悪いですねぇ。私の指もバチバチって言ってますよ」

 すりすり すりすり
 
サキュバス「あああっ♥」

勇者「サーキュー。おまんこだけに意識いってない? ほらおっぱいも」

魔女「かぷ…はむ…すごく固い。ヒーラの指に犯されて興奮してる?」

僧侶「犯すだなんてもうっ♪ 撫でてるだけですよ」

サキュバス「やめなさい…いまなら許してあげるからぁ」

勇者「はみはみ♪」

僧侶「ほーらサキュさん…おまんこだけじゃなくって、おしりと足もなでちゃいますね〜」

僧侶「こうやって優しくなでると…うふふ。ぞわぞわぞわ〜」

サキュバス「ひぎゃうううう! ああああああっ♥」

勇者「あはは。サキュがまいっちゃってるよ」

サキュバス「乳、それほんとやめなさいっ、やめなさいっ♥」

魔女「ヒーラ続行。私が許す」

僧侶「はぁい♪」




23: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:24:57.22 ID:wcUR5E0Do


 ばちちっ ばちちっ

サキュバス「イクッ、イグッ! あ゙ああっ♥」

サキュバス「だめっ、だめよそこ…あああっ♥」

僧侶「……うふふ」

サキュバス「はぁ…ハァ…♥」

勇者「サキュって打たれ弱いんだね」

魔女「ここまで雑魚だとは…がっかりさせないで、淫魔としてのプライドを見せて」

サキュバス「くそぅ…寄ってたかって…」

僧侶「私たちのテクニックでこーんなに蕩けちゃってるなんて♥ ご夫婦生活でも弱いんですか?」

サキュバス「う、うるさいわね…」

魔女「お兄様と仲良くしてる?」

サキュバス「してるわよ…でもあいつは結構淡白だから…」

僧侶「そうなんですかー。だからこうされると体が悦んじゃうんですねー」ナデナデ

サキュバス「ふぁぁぁああ♥」

勇者「あははは。サキュがすっごいエッチな声だしてるー」




24: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:26:39.74 ID:wcUR5E0Do


サキュバス「くぅぅぅっ、ゆ、許さない…私にこんなことしてただですむと思うんじゃないわよ」

勇者「どうするの?」

サキュバス「こうなったら」

勇者「指パッチンするの? いいよ?」ニヤニヤ

サキュバス「え…」

魔女「私達3人がいまここで発情したら…あなたはどうなるかわからない」

勇者「勢いあまって、どろっどろのぐっちゃぐちゃにしちゃうかもー…えへへ!」

サキュバス「ひっ…た、助けなさい! ソル! あんたそこで聞いてるんでしょ! 馬とめて!」


傭兵(この辺りの風景は実にのどかだなぁ)

傭兵(もう少しゆっくり行くか)

馬「ヒヒン!」


サキュバス「く……あたしの声が届いてないの!?」

勇者「おかしいなぁソルはすっごく地獄耳なんだけどね」

僧侶「これはソル様公認ってことですね!」

魔女「むしろ私達の旦那さまによる命令とも言える。ユッカ、つもりつもった恨みを晴らす時」




25: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:29:07.71 ID:wcUR5E0Do


勇者「じゃあマナあれ出して!」

魔女「…」コク ゴソゴソ

サキュバス「……まさか」


勇者「じゃじゃ〜ん。5号!」

魔女「改」

サキュバス「改って……何」

僧侶「とっても素敵な機能がついてるんですよー」ニコニコ

サキュバス「待ちなさいよぉ。ほらっ、あたしいまは人妻だから!!」

魔女「うるさい」

サキュバス「あんたにとって兄嫁よ! 敬いなさい!」

魔女「サキュはサキュ」

勇者「力ぬいてね〜」

サキュバス「あ…あ…ああっ、んっ♥」

ずちゅっ

サキュバス「くぅっ…あああっ、来た…っ♥ 来た!」

サキュバス「あああっ♥ でっかいおちんぽ…っ♥ くぅぅ♥」




26: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:33:46.43 ID:wcUR5E0Do


勇者「あは、すごいやサキュ…あっというまに飲み込んじゃったね」

勇者「エッチなお汁でてるよーー♥」

僧侶「サキュさんのここ、やわらかくってとろとろですねぇ」


サキュバス「……ああっ、おっき…いい♥」

魔女「気持ちいい?」

サキュバス「うん…これ、もともとあたしのオナニー用につくったから…っ♥」

サキュバス「あんっ…なんか懐かしくって♥」

魔女「使用済み品だった……」

勇者「相性ばっちりってことだね! じゃあ遠慮なくー」

 ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ
   ぱちゅぱちゅ ぱちゅぱちゅ

サキュバス「ひぃあう!! ユッカ、手加減しなさいっ」

勇者「降参?」

サキュバス「するもんか…っあああああっ♥ だめぇぇえ♥」

勇者「ボクたちが満足したらゆるしてあげるー」


傭兵(……)ブルブル

傭兵(淫魔とは言え同情するぜ…だが、お前にもユッカたちの恐ろしさを知ってもらわないとな…)

傭兵(3人をエロエロにしやがった罰をうけるんだな…)




27: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:37:35.74 ID:wcUR5E0Do


勇者「…こんなにおいしそうにくわえるなんて、エッチな大人のおまんこだね」

勇者「やらしいなぁ…♥」

勇者「ぐちゅーー…ぐぽーっ、ほぉらお汁がいっぱい♥」

サキュバス「んんっ、あああっ♥ ユッカ…やめなさい」

勇者「え〜〜? サキュだってボクにいろいろしたんだから」

勇者「こうしておいた方が後腐れが無いでしょ? くふふふおあいこだよ」

僧侶「これでいままでの分をチャラにしようっていうんですから、安いものでしょ?」

魔女「破格!」

サキュバス「ゔうっ」


僧侶「サキュさん降参したほうがいいですよ。ユッカ様はこうみえてすっごく激しいです♥」

サキュバス「みたまんまだし! 知ってるわよ!」

僧侶「あ、そうでしたね…私達の情事もたくさん見てきたんですよね」

サキュバス「…」

魔女「ソルとの激しいエッチいっぱいみた?」

サキュバス「……うん」

僧侶「では、私達のことはよくご存知ですよね?」

サキュバス「……! こ、こうさん……するもんかああ!!」

僧侶「ユッカ様ー」

勇者「はぁい♪」


 ずっちゅ ずっちゅ ずっちゅ!


サキュバス「うぁぁあああああ♥♥♥」




28: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:42:51.68 ID:wcUR5E0Do



<1時間後>


傭兵(きゃいきゃい言ってたのに急に静かになったな…)

傭兵「…おーいそろそろ着くぞ」

傭兵「…返事がない。ったく何してんだ」


カチャ

傭兵「おおい……お」

勇者「…スピー…zzz」

魔女「…zzz」

僧侶「…すぅ、すぅ…zzz」

サキュバス「……はぁい」

傭兵「3人は昼寝してんのか…ってなんだこの空間! わかっちゃいたが女くさっ」

傭兵「むんむん匂ってくる…小窓あけろ」

サキュバス「あんたも大変ね…これから毎晩これなのよね…」

傭兵「日頃の俺の苦労が身にしみてわかったかこのやろう」

サキュバス「これじゃどっちが淫魔かわからないわ。なんとか耐え切ったけど、あ゙ー疲れた…」

サキュバス「でもあたしの見立ては間違っちゃなかったってことよねー」

傭兵「い、いいから話す前に服着ろ」

サキュバス「あちゃ♪ エッチ!」

傭兵「うるせぇ…見てないからな」




29: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:47:41.89 ID:wcUR5E0Do


サキュバス「この子たちもしばらく見納めかぁ」

傭兵「いつでも来いよ」

サキュバス「王妃だしぃ。そんなぶらぶら出来ないわよ」

傭兵「ならこっちからいずれ会いに行く」

サキュバス「ほんと?」

傭兵「あぁ。そっちの様子も気になるし…ハネムーンもするって決めたからな」

サキュバス「ほんとに結婚するんだ〜。うふふふ」

傭兵「…っ。そりゃ責任くらいとる」

サキュバス「さっすが! あたしとダーリンが認めた男だけあるわね!」

傭兵「お前が?」

サキュバス「ユッカを通して、あんたの精力にはほーんとお世話になったからね」

サキュバス「おいしかったわよ♪」

傭兵「お、おまえ…っ!」

サキュバス「やっぱり…迷惑かけちゃったわねいろいろと」

傭兵「…いや。そうでもないさ。おかげで楽しい旅になった」

傭兵「それになサキュ。俺はある意味お前に感謝してる」

サキュバス「なにが?」




30: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/05(土) 22:57:29.72 ID:wcUR5E0Do


傭兵「ユッカたちとこういった関係になれたのは…呪いのおかげかもしれない」

傭兵「きっと呪いがなければ、俺は必要以上にユッカと触れ合うことはなかった」

傭兵「女はそんなに得意ではなかったし、正直いうと3人との距離感もあまりわからなかった」

傭兵「だからきっかけをくれてありがとう」

サキュバス「……ぞわっとしたわ。素直にかわいい女の子とエッチできて嬉しいって言っときゃいいのに!」

サキュバス「それにね、あんたに礼を言われる筋合いはないわよ」

サキュバス「あたしはあたしの野望のために動いただけ」

傭兵「野望…淫魔の国か?」

サキュバス「そう。あたしによるあたしのための世界をつくること。それが長年の夢であたしの仲間たちの願い」

サキュバス「あんたたちと出会って、レヴァンと一緒になって、元の形は少し違ったけどなんとか叶いそうよ…」

サキュバス「くす。だからあたしのほうこそ、ありがとうね」


勇者「んんぅ…サキュ…zzz」

サキュバス「…かわいいわね」

傭兵「あぁ…俺の自慢の妻たちだ」

サキュバス「お幸せにー!」ツンツン

傭兵「つ、つっつくな!!」




後日譚最終話<丘の家>つづく

 




33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/05(土) 23:04:53.64 ID:bSsK12vm0

乙!
股間に響くレズプレイだった…
ソルがしれっと時間稼ぎしていてワロタ。




44: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:04:22.34 ID:oVaub9jdo

後日譚最終話<丘の家>つづき




サキュバス「そんじゃ、あたしこっちの道だからここらで降ろして」

傭兵「おう」

勇者「ふぁ……んぅ、寝ちゃってた…。サキュ、もう行っちゃうの?」

サキュバス「うん。またね」

魔女「お兄様によろしく」

サキュバス「お兄様"を"よろしく、でしょ?」ナデナデ

魔女「…お兄様をよろしく」

サキュバス「あんたこそ、この頼りない男をしっかり支えてあげるのよ」

サキュバス「なんせ戦い以外はポンコツなんだから! その辺がダーリンとは違うのよねぇ」

魔女「わかった」

傭兵「……最後に一発叩き込んでいいか」イライラ

勇者「ドードー」ギュ

サキュバス「それじゃ」

僧侶「サキュさん!」

サキュバス「どしたの。乳、よだれの跡ついてる」

僧侶「…えっ嘘!!」

勇者「あはは。拭いてあげる」

僧侶「どうもありがとうございます……じゃなくて! 呪い、解いてくれないんですか!」

サキュバス「……。さっきみんなであたしにイロイロしたからチャラなんでしょ」ニッコリ

僧侶「えっ!」
 




45: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:05:43.62 ID:oVaub9jdo


勇者「え〜〜違うよ〜! それは旅してた頃の分でしょ!」

サキュバス「しらな〜い♪ ばいば〜い♪ まったね〜♪」

傭兵「お、おい!」

サキュバス「大丈夫よ! 毎晩しっかり相手あげれば、そのうち自然と解けるから〜♪」パタパタ

傭兵「まちやが……あ゙ぁ…」

勇者「はぁ……しかたないよ。だってサキュはああいう人だもん」

傭兵「…しかたなくない」

僧侶「ですね…別にいまはこの呪いのせいで困ることにはなりませんし…大目にみましょう」

傭兵「なるんだが」

魔女「がんばって」ポン

傭兵「…がんばるのは俺だけじゃないんだぞ」

傭兵「…とりあえず村いくか」

勇者「うん!」

魔女「ユッカの生まれ故郷楽しみ」

勇者「開放的でいいとこだよー」




46: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:07:20.05 ID:oVaub9jdo



【太陽の村】



傭兵「久しぶりだ…」

傭兵(帰ってきた…)

傭兵「変わってないな」

勇者「ただいまーー!!」

村男「お、おおお!?」

勇者「あーっ、こんにちは!」

村男「ユッカちゃん!? おーいみんなー! ユッカちゃんが帰ってきたぞ!!」

村女「なんだって!? あんたたち、仕事なんてあとにしてこっちおいで!」

 ざわざわ

僧侶「こ、このパターンは…また押し潰されるのでは」

傭兵「そんなにたくさん人住んでないから大丈夫」

村男「早く早く! こっち来いよ!」

村中に響くような一声で、村人みなが作業の手をとめ、家の中の者は戸口を開いて俺たちの元へと集まってきた。
見覚えのある顔が俺たちをとりかこむように並ぶ。少し老けただろうか。
その足元には見知らぬ子どもの姿もいくつかあった。
あれから7年以上だ。時の流れを実感する。


村女「よく無事でかえってきたねぇ」ギュー

勇者「おばさんひさしぶり、えへへ」ギュー

子ども「ユッカおねえちゃんだー」

勇者「えへへー。おねえちゃんだよー。みんな元気そうだね」

勇者「勇者ユッカ。ただいま戻りました!」




47: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:10:22.16 ID:oVaub9jdo


ユッカのあいさつを皮切りに、村人達は聞き取れないほどに口々にまくしたて始めた。
旅はどうだった。怪我はしてないか。魔王はいたのかなどと好き放題。
ユッカはその勢いにすこし困惑しながらも、本当に嬉しそうに笑っていた。


傭兵「みんな久しぶりだな」

村女「あんた…ソル? ソルなんだよね」

村男「お前…ほんとにユッカちゃんと一緒に旅してたんだな」

傭兵「あぁ。わけあってずっと会いに来られなくてすまなかった」

村男「いいってことよ。結局こうして村に帰ってきてくれたんだ」

傭兵「帰ってきた…か」

傭兵「俺はこの村を離れたのに…」

村男「何言ってんだ。お前はとうにうちの村の男さね」

村女「そうだよソル。しっかし男前になったんじゃないかい。見違えて誰かと思ったよ」

村男「そうか? そこまで変わってねぇよ。こいつは昔からこんな仏頂面さ」

僧侶「そうだったんですか?」

勇者「ソルはね、昔は冗談のひとつも言わない生真面目人間だったんだよ」

傭兵「いまも真面目だろうが」

魔女「どこが。ただの変態」

勇者「あははっ」

勇者「ねぇおじいちゃんは?」

村女「司祭様なら。あ、丁度帰ってきた」




48: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:12:13.37 ID:oVaub9jdo


司祭「なにやら村が騒がしいとおもいきや」

勇者「…! おじいちゃん! ただいま〜〜〜!」ガバッ

司祭「元気そうでなによりだ。おかえりユッカ」

司祭「ソル。よく無事で戻ってきた」

傭兵「…ただいま」ポリポリ

魔女「なに照れてるの?」

傭兵「ち、ちがう…っ。そういうわけじゃない」

司祭「仲間のみなさん、ユッカをありがとうございました」

僧侶「いえ、ユッカ様をお守りできて光栄です」

僧侶「それに、本当のことを言えば護ってもらったのは私達のほうです…よね?」

魔女「…」コク

魔女「ふたりのおかげで世界が救われた。感謝してもしきれない」

勇者「そんなことないよ、みんなでがんばったからだよー」ギュウウ

僧侶「ユッカ様ぁ」スリスリ

司祭「聞いていた通り、本当に仲が良いのだな」

勇者「そうだおじいちゃん! ボク報告があります!」

司祭「旅の報告なら我が家でゆっくり茶でも飲みながらでええだろう」

勇者「ううん、ここでみんなに聞いてもらわなきゃダメ!」




49: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:14:54.64 ID:oVaub9jdo


勇者「あのね、ボクっ!」

傭兵(ま、まさか…)

村人達「なんだなんだ?」

 ざわざわ


勇者「すぅ――――ボク、ソルと結婚します!」

傭兵「ぉ、おまえ…ッ!」

僧侶(勇気ありますね…さすがユッカ様)

魔女「大胆♥」

村人「…………」

司祭「…………」

勇者「あはぁ、言っちゃったよぉ♥ どうしよぉ♥ もう引き返せないね」

傭兵「み、みんな…これはな、いますぐってわけじゃなくて色々段階を踏んで…」

村男「だっはっは、なんだどんな報告がくるとおもいきや!」

村女「知ってたよ。めでたいことじゃないか」

村男「そうだそうだ」

勇者「わぁい、ありがとー」

傭兵「な……え、え!? なんだそのゆるい反応…」

司祭「ごほん……ユッカからもらった手紙…これ読んでみろ」スッ

傭兵「え……」




50: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:18:26.31 ID:oVaub9jdo



嫌な予感がし、司祭からうけとった手紙の束に恐る恐る目を通す。
その大半は旅の経過報告であったが、手紙の終わりには毎回、なんと俺との関係の進展が書かれていた。

それはもう、読んだだけで顔が真っ赤になり、頭をかかえてしまいそうなほど詳細に。


勇者「わーっ! わーっ! それおじいちゃんしか読んじゃだめだよぉ!」

傭兵「……あ゙ぁぁっぁ、なんでだ、なんでぇぇえ゙」

僧侶「変な声出てますよ」

魔女「事実だからしかたない。しっかり検閲しなかったあなたの責任」

傭兵「ユッカああああああああ゙!!」

勇者「ごごご、ごめんなさい! でもホントのことだから嘘書く必要ないじゃん!」

傭兵「お前は少しは隠すことを覚えろ!」

村女「へぇ本当のことなんだねぇ。あらあら、若いねぇ」

傭兵「ば、ばかやろう!!」

傭兵「司祭…これは…あの」

司祭「…」

司祭は腕を組み、じっと険しい顔で俺を睨んでいた。
怒り心頭も当然だろう。
目に入れても痛くない程かわいい孫が、10も歳上の男とすでに関係をもっていて、あまつさえ結婚すると言い出したのだ。
さらに俺は過去にユッカの母親であるユイさんと婚約している。

傭兵(……殺されても文句は言えないな)

気づけば滝のような汗が額から溢れ落ちていた。




51: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:21:38.93 ID:oVaub9jdo


司祭「…うぇっほん。ソル、お前に言いたいことがある」

傭兵「は、はい!」

傭兵(村人総出で吊るし上げか? 火炙りか!? それとも…もっと残虐な方法を…)

傭兵(せめて最期は畑の肥料でもいいから自然に還りたい…)

司祭「ユッカと幸せにな」

傭兵「……は?」

命を諦めて審判を待つ俺に投げかけられたのは、耳を疑うような一言だった。
伏せた顔をあげると、口元の緩んだ司祭がまるで孫を見るような穏やかな顔つきでそこにいた。


司祭「お前はよくやった。これでもお前のいままでの事は全部知っているつもりだ」

司祭「だからな、そろそろ腰を落ち着けて、幸せになれ」

傭兵「どうして…。怒らないのか。相手はユッカだぞ」

勇者「むぅ」

司祭「今更何をだ。ユッカとの愛は偽りではなかろう」

勇者「!」コクコク

司祭「お前はとっくにこの村の者で、私にとって息子も同然。そんな男の幸せを願って何が悪い」

司祭「ユッカを幸せにできるのはお前しかおらんし、逆もまた然り」

司祭「この子なら……優しいユッカならお前を生涯幸せにできると確信している」

司祭「だから任せた。ユイとユッカの愛するお前を、私は誰よりも認めよう」

傭兵「司祭…」




52: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:24:12.89 ID:oVaub9jdo


勇者「おじいちゃん…ありがとう」

司祭「2人とも幸せになるんじゃぞ」

勇者「うん!」

勇者「ねぇソル――――」

呼ばれた声に振り向くと、ユッカがいきなり首元に飛びついてきて、皆の前で堂々と唇を奪われた。
俺はためらいもせずぶらさがったユッカを強く抱きしめる。
周りのはやしたてる声はもはや聞こえなかった。
ユッカとの愛を胸中に誓って、皆に見せつけるようにしばらく唇を重ねつづけた。


勇者「んぅ……ん♥」

傭兵(みんな…帰ってきたよ。ユッカ達と一緒に俺は帰ってきた)

傭兵(こんな俺を再び受け入れてくれてありがとう…)

傭兵(この子が、俺のお嫁さんです)



  ・   ・   ・



子ども「ユッカおねえちゃんずっとキスしてるー」

僧侶「あらら…ちょっとだけ妬けちゃいますね」

魔女「これでユッカもお嫁さん。みんなで仲良く結婚」

司祭「も? みんなで結婚…?」




53: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:28:31.16 ID:oVaub9jdo


魔女「ユッカのおじいちゃんは聞いてないの?」

司祭「どういうことじゃ。お前たちにも男が出来たのか、そりゃあめでたいことだな」

魔女「そう。私とヒーラもこの人と結婚する」

司祭「……な…に?」

僧侶「…実はそうなんです」モニョモニョ


 ざわざわ…

傭兵(あ…)

勇者「ぷはっ♥ そうそう、ちゃんとそれ言わなきゃ! その前にもっかいだけチューー♥」

傭兵「こらっ」

勇者「…えへへ。あのね、ヒーラとマナも一緒に結婚するんだよ」

勇者「だから幸せは何倍にもふくれあがるんだ! いいでしょ!」

司祭「………?」

傭兵「…」ソロー

司祭「どこへ…行く気じゃ」

傭兵「いや聞いてくれ。世界は広いんだ。俺たちは旅を通して見識を深めてだな…」

魔女「愛も深めた」

司祭「ソルよ。少し男同士で話しあおうか」

村男「そうだそうだ! ユッカちゃんだけでなく、大神殿の跡取り娘さんもだと!?」

村女「こっちの小さなべっぴんちゃんももらっちゃうのかい? あらまぁ花嫁衣装がたりないわねぇどうしましょ」

勇者「…えへへ」




54: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:31:25.73 ID:oVaub9jdo


魔女「私もドレス着られる?」

村女「任せなさいって。その代わり村の過疎化阻止に貢献してもらわなくっちゃ!」

魔女「任せて! その点はぬかりなく!」

僧侶「……そ、そうですよね……結婚したら子どもいっぱい作っちゃうんですよね…」モジモジ

僧侶「……がんばろ♪」グッ


司祭「またんかソル! 話はまだ終わってないぞ! ええいどこへ行く!」

村男「野郎ども! このけしからん男をとっ捕まえて逆さ吊りだ!」

村人「うおおおお!!」

傭兵「うぁぁぁあやっぱそうなるんじゃねぇか!! 逃げるぞみんな!」

勇者「えーどこへ?」

傭兵「とにかく来い! 走れ!」

勇者「はぁい。じゃあまたあとでくるねー。ちょっとだけスレイプニルのお世話よろしくー」

僧侶「ソル様ったら追いかけっこばっかりして、忙しないですねぇ」

魔女「きっと動き続けないと死ぬ人。だから一緒にいて楽しい。疲れるけど」




55: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:35:48.89 ID:oVaub9jdo


司祭「やれやれ、戻ったらみっちり問いただしてやる」

村男「ま、ユッカちゃんたちの決めたことなら俺たちがとやかく言わなくてもいいんじゃねぇか」

村女「そうよぉ、心配しなくてもあの男なら平気だって」

司祭「……あぁ。あんなんでも、ユイの愛した男だからな、くく」

司祭「ずいぶんと、笑うようになったな」

司祭「のぅ、ユイ…。相変わらずソルもユッカも元気でやっておるよ」


司祭「……にしてもこの手紙…」シクシク

司祭「毎晩ラブラブしてもらってるって……ラブラブって、ズボズボって……お゙おお」

司祭「ああっぁぁぁやっぱり孫をわたしたくないいいいい!!」

村女「あんたユイちゃんのときもしばらくそんなこと言ってたね」

村男「ソルたち走ってどこ行ったんだろうなぁ」

村女「そりゃ決まってるさ。あの子たちが帰る家なんてあそこしかないだろうに」




56: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/08(火) 22:38:18.35 ID:oVaub9jdo



【森の中】


僧侶「どちらへ向かってるんですか?」

傭兵「もうすぐ見えてくるはずだ」


小さな森を抜けると、目の前いっぱいにひろがる丘陵。
鮮やかな芝生がどこまでもつづいていて、丘の頂上には大きな木が生えている。
そしてその傍らには懐かしい小さな木の家。


勇者「あ…」


ユッカは目にも留まらぬ速さで一目散に飛び出し、あっという間に丘を駆け上っていった。
丘のてっぺんからこちらに向かって急かすように手を振りまわしている。


僧侶「あれはもしかして…」

魔女「ユッカの家?」

傭兵「あぁ」

その丘の家は、俺が愛する人とかつて暮らした家。
いまでも色褪せることなく、思い出として強く心に刻まれている。
ユッカもきっと思い出しているはずだ。
何もいわず飛び出したのは感極まってのことだろう。


勇者「みんなー!! はやくおいでよー!!」

勇者「ソルーーー! ボク達の家だよー!!」





後日譚最終話<丘の家>つづく


 




67: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:14:27.60 ID:LG4n+ljAo

後日譚最終話<丘の家>つづき


勇者「みんな遅いよ!」

傭兵「お前が早過ぎるんだよ」

勇者「ソル! 見て、庭に!」

傭兵「お?」

僧侶「ここすごく窪んでますね。何でしょうか」

魔女「動物の足あとっぽい」

勇者「これ…ぎゅるちゃんの足あとじゃないかなぁ」

僧侶「言われてみれば」

傭兵「…たしかにこのサイズはそうかもしれないな。ってことは」

傭兵「あいつ…ドラゴンでひとっ飛びしてきたのか」

勇者「あはは…確かにここにでも停めないと、みんなびっくりしちゃうもんね」

勇者「さぁ、入ろ!」


ユッカに手を引かれて、軋む扉をくぐった。

傭兵「……」

勇者「うわぁ…昔のまんまだ。って当然だよね誰も住んでないんだから」

傭兵「…とりあえず暖炉に灯りをつけよう」


 




68: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:16:26.96 ID:LG4n+ljAo


勇者「あれ…こんなに狭かったっけ」

傭兵「お前小さかったからな。狭くなったように感じるんじゃないか」

近くの窓を開け放ち、外の風を取り込んだ。

数年ぶりなので随分ほこりっぽいかとおもいきや、室内の掃除だけはされているようだ。
おそらく司祭の仕業だろう。
ユッカが戻るとの報をうけて、張り切って掃除したに違いない。
しかし家具の配置や、当時のユッカが散らかしっぱなしにした玩具は何もかもそのままだった。


勇者「風きもちいいー」

丘陵に涼しい風が吹く。
窓辺から外の景色を眺めるユッカの髪の毛が、夕日と風を浴びて美しくきらめき揺れていた。
そんな姿を見ていると、懐かしい思い出が蘇り、俺の口元は知らぬ内に緩んでいた。


僧侶「ユッカ様のおうち…」

勇者「ねぇみんな、しばらくここで暮らさない? マナとソルは今のところ住むとこ決まってないでしょ」

勇者「王都に部屋借りたら高いしさ。大使のお仕事は通いでってことで! ね?」

傭兵「…あぁ、それもいいな。王都暮らしはなにかと息が詰まる」

魔女「この家気に入った。おじいちゃんと暮らした家みたいな居心地の良さ」

勇者「ヒーラもだよ!」

僧侶「いいんですか?」

傭兵「ヒーラちゃん実家に戻らなくて大丈夫なのか」

僧侶「修行が再開すれば時々は戻りますけど、自由に使える時間は多いです」

勇者「じゃあ決定!」




69: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:18:49.93 ID:LG4n+ljAo


ユッカの強引な決定に俺たちは一様に頷く。
思えばこのパーティはいつもそうだった。
ユッカの決して曲がらない強い意思がみんなを引っ張ってきたからこそ、いまの俺たちのつながりがある。


勇者「家族だね!」

傭兵「家族…」

僧侶「わぁ、ここがキッチンですね」

勇者「うん。ヒーラが好きに使ってね!」

傭兵「おーいお前も料理おぼえろ」

勇者「これからたくさんヒーラに習うもーん、えへへ」

魔女「ユッカ、机の上になにかある。これは何」

勇者「ん?」

勇者「なんだろこの箱。ソル知ってる?」

傭兵「さぁ? こんなもの家になかったはずだが、お前のじいさんが置いてったのかもな」

ダイニングの机の上に、鋼のような素材で造られた小さな手のひらサイズの箱があった。
ユッカは早速それを手に取り、蓋を開こうとする。

勇者「開けてみよ…んぎぎ、あれ?」

勇者「どうやって開けるんだろ。うぎぎぎぎっ、蓋がっ、固いよッ!」

傭兵「そんな馬鹿な。お前の馬鹿力で開かない箱なんてあるわけない。どれ貸してみろ」

傭兵「…ふんっ…うぐぐぐがが、なんだこれ…」

魔女「…この箱、高度な術式で封じてある」

勇者「え…でもおじいちゃんそんなことできないよ。じゃあ…」

魔女「……」




70: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:21:46.57 ID:LG4n+ljAo


僧侶「よく見れば箱の周囲に何か書いてませんか」

魔女「魔界文字…」

傭兵「魔界…?」

勇者「じゃあ…うーんと、サキュが置いていった物かな?」

僧侶「心当たりといえばそうなりますね」

傭兵「マナその文字読めるか」

魔女「…3つの呪われた力を差し出しなさい。あなた達の旅の終わりに祝福を」

勇者「プレゼント箱だ!! わぁい。なんだろなんだろ」ゴンゴン

傭兵「壊してあけようとするな。で、呪われた力ってのは」

僧侶「おそらくサキュさんに呪われた私たち3人のことでしょうね…」

勇者「ねぇ…魔力込めてみる? グリモワでも一度こういう箱あったよね」

傭兵「……変なもん入ってねーだろうな。いきなり爆発はごめんだぞ」

僧侶「どうしますか?」

勇者「だってこのままじゃ気になるよ。むぅ」ツンツン

勇者「やっぱりプレゼントだよね! ヒーラもそうおもうでしょ!」

僧侶「サキュさんがいまさら何か悪いことをするとは考えられませんが…」

傭兵「お前たちがいいなら開けてみたらいい」

傭兵「さすがにこの小さな箱に化物が入ってるわけないしな」




71: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:23:35.20 ID:LG4n+ljAo


意を決して3人は机におかれた箱を囲んだ。
俺はユッカの背後に立ち、念のため腰の剣に手を当て、その時を見守る。

傭兵「鬼が出るか蛇が出るか」

勇者「いくよ。せーの! …あれ?」

魔女「同時に魔力を解放すればいい…はず」

僧侶「してますけど…何も起きませんよ」

魔女「…?」

どうやらユッカ達は魔力を込めているようだが、箱からは何の反応も帰ってこない。

傭兵(やり方が間違っているのか?)

勇者「あーあ。なんだぁ、嘘なのか。サキュらしいや。期待させちゃってさ」

僧侶「すっかりだまされちゃいましたね」

勇者「戸棚にでもしまっておこうかな」

傭兵(いやもしかすると…呪われた力って)

傭兵「なぁみんな。そのままの姿勢で聞いてくれ」

勇者「なに?」

傭兵「今晩みんなでエッチしようか。ベッド狭いけどな!」

勇者「えっ。な、なに言ってるの……?」

魔女「びっくりした」

勇者「まさかソルに化けたサキュじゃないよね…」ジー




72: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:25:56.80 ID:LG4n+ljAo


傭兵「セックスしたい。頼む!」

勇者「……もう、しかたないなぁソルは。さっきのキスでムラムラしちゃってるの? ぷくく」

僧侶「そ、ソル様…誘ってくださるのは嬉しいですけど、唐突すぎますよ」

魔女「エッチな人…いつもそんなこと考えてる? だから変態な事ばっかりする」

傭兵(なんとでも言え)

勇者「エロソル。そんなこと言うからボクもアソコうずうずしてきちゃったじゃん♥」

僧侶「はい…これ夜まで我慢なんですね…♥」モジモジ

魔女「でも…我慢したらした分、セックスの悦びも倍増♥」

傭兵(…これでうまくいけば)

目論見どおり、3人に淫魔の呪いが発動し、うっすら頬が紅潮し身体が発情しはじめたようだ。
その途端、手をかざして魔力を流していた箱がまばゆい光を放ち始める。

傭兵「…! よし!」

勇者「あっ! どうして急に!」

僧侶「な、なるほど、エッチな気分にならないと開かないんですね」

魔女「いやな箱…」

勇者「うぎゃっ、まぶし――――」


 




73: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:28:12.63 ID:LG4n+ljAo


勇者「――……うぅ、なんの光だったの」

勇者「……? あれ、ねぇ蓋がないよ。開いたー!!」

僧侶「でも中身もないですよ」

勇者「へ…?」

魔女「……!」

勇者「あれぇ!? ほんとに何も入ってないじゃん! 結局だまされたー」

傭兵「…なんだ。そんなこったろうと思ったぜ」

傭兵「あいつからのプレゼントなんざ、仮にもらえてもろくなもんじゃねぇよ」

勇者「ちぇー。いまので目が痛いよぉ」

僧侶「サキュさんのいたずら?」

魔女「ち、ちがう…見えてないだけ」

魔女「いでよ火の玉!」


マナが慌てた素振りで青白い炎の玉を宙に浮かべる。
すると不思議な事に、その炎の玉はまるで意志をもったように激しく燃え上がりはじめた。
動き出しクルクルと俺たち頭上を旋回し、その後少女たちにじゃれつくように飛び回った。

 




74: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:32:35.89 ID:LG4n+ljAo


勇者「えっ、えっ! 何!?」

僧侶「これは…もしかして魂!?」

魔女「…」コク

魔女「…うんっ。うん……」

勇者「えっ…この感覚…!」


そして火の玉はスゥっと音もなく、ユッカの頭の中に消えていった。

目の前の鮮やかな栗色の後頭部が、少しずつ黒く染まり、元の主の姿を映しだしていく。

俺は、その後姿をよく知っていた。
俺がこの家で何度も見てきた後ろ姿だった。


傭兵「え…」

少女はゆっくりと振り返る。そして俺を見上げ、優しく微笑んだ。

傭兵「……どうして」

ユッカと瓜二つな姿をしたその人は、左右に小さく首を振った。

勇者「ねぇ。家に帰ってきたら、まず最初に言うことあるでしょ?」

傭兵「…! あ、あ…」

そして彼女は満面の笑みを浮かべ、両腕を大きくひらいて俺を抱きしめた。

勇者「…おかえりなさい」

傭兵「…ただいま。ただいま戻りました」

勇者「うん。おかえり…」

傭兵「ユイさんも、おかえりなさい」

勇者「ただいま」

勇者「ソル君…ここが、君の家だよ」

 




75: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:37:27.35 ID:LG4n+ljAo


その後俺たちはしばらく抱き合い、お互いの体温を感じあった。
側で見ていたマナが声もなく泣きはじめて、俺たちにぎゅうっと抱きついてくる。

勇者「マナちゃん…」ナデナデ

魔女「ユイ…私ね…あなたにたくさん伝えたいこと…あって、ぐす…」

勇者「うん。最後までがんばったね。偉いぞ」

傭兵「ヒーラちゃんもおいで」

僧侶「は、はいっ! えへへ…ユッカ様のお母様…」

勇者「みんなありがとう…ユッカと一緒にいてくれてありがとう」

傭兵「ユイさん…」

勇者「ほんとうに…おかえりなさい! がんばったね…」

ユイさんの目には大粒の涙が浮かんでいた。
彼女はそれを堪えて拭い、笑顔をつくって、泣いているマナを娘のようにあやしていた。


魔女「ユイ、ありがとう…」

勇者「うん。またあえてよかった。それじゃそろそろユッカに代わるね!」

勇者「マナちゃん。またしばらくお世話になっていいかな。ユッカの中にいたら、居心地よすぎて魂が定着しちゃう」

魔女「…」コク

傭兵「え、もう…?」

勇者「この子の体だもの。いつまでも借りていられないよ」

勇者「ひとまずはソル君を抱っこできて満足かな」

勇者「……私との約束、まもってくれてありがとう! ちゅっ…んぅ、む♥」

傭兵「……ん」




76: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:41:22.05 ID:LG4n+ljAo


長い口づけの後、ユッカの体のちからがぬけた。
ユイさんの魂は、再びマナの中へと戻っていった。
マナは愛おしそうに胸をおさえ、何度もユイさんの名を呼んでいた。

気を失ったように眠っているユッカをソファに横たわらせて、ふっくらとした頬をなでる。


勇者「―――…………ふぁ、んぅ?」

勇者「体がポカポカする…」

傭兵「ユッカ、あのな…今」

勇者「うん…わかるよ。ママが…ボクの中にいたんだね」

傭兵「そうか…わかるんだな」

勇者「おかえりママ…えへへ」

勇者「ねぇソル…ボク…幸せだよ。こんなに幸せでいいのかな」

勇者「ママ、ボクを産んでくれてありがとう…愛してるよ」

傭兵「俺もだ…!」

ユイさんの魂が離れていることをわかっていながらも、思わずユッカを激しくだきしめた。

勇者「いだい痛い! ソル、強く抱きすぎだよぉ」




77: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:44:23.72 ID:LG4n+ljAo


傭兵「わるい…つい」

勇者「…えへへ。ねぇねぇ」ギュ

傭兵「なんだ?」

勇者「約束どおり、この後みんなでエッチしようね」

傭兵「え…あの…いやいやいや。この雰囲気で!?」

勇者「しないの? ソルが誘ったのに、ボクたちのこの高ぶった気持ちどうしてくれるの」

傭兵「……する」

勇者「くふふふ。ママもきっとマナの中でドキドキしてる♥」

魔女「してる」

傭兵「やめぃ!」

僧侶「あらあら、いつも以上に大変になりそうですね」

魔女「がんばれ旦那様」

傭兵「く…ぅぅ、こうなったらいくらでもかかってこい!」

勇者「ベッドこっち! さーやるぞー!!」

勇者「みんなでソルをやっつけよう」

僧侶「はい!」

魔女「たおす」

傭兵「え…手加減はしてくれよな」




78: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:47:50.52 ID:LG4n+ljAo

 



   ・   ・   ・




それからずっと平穏な暮らしが続いた。

俺はサキュとレヴァンの要請を飲んで大使として勤めながら、丘の高原に開いた牧場を営み、忙しい日々を過ごしている。

ユッカは牧場の主として動物の世話に励み、戯れ、毎日笑顔で楽しそうだ。

マナは俺と同じく国の架け橋として大使を務め、様々な人々と交流し、徐々に大人としての経験を積んでいく。

ヒーラちゃんは未来の大神官を目指して修行の毎日。忙しいにもかかわらず、相変わらず楽しそうにユッカたちの世話を焼いている。



そして夜は……。


【寝室】


勇者「どーん」

傭兵「こら。どーんじゃない。いきなり飛びかかってくるな」

勇者「ん〜〜、今日も疲れたぁ」スリスリ

傭兵「あのなぁ、俺も疲れてるんだよ。向こうで泊まらず戻ってきたんだぞ!」

勇者「だからボクたちがいまから癒やしてあげるね〜」

僧侶「おまかせください」

勇者「第15回聖剣争奪杯だよ!」

魔女「16回目」

勇者「そうだっけ? よく数えてるね。マナのエッチ〜」

魔女「……むむ」

傭兵「癒やす気ないだろ!!」

 




79: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:53:08.37 ID:LG4n+ljAo

 
僧侶「さぁ、脱がしちゃいますよ〜♥」

魔女「んしょ…裸でくっつくのきもちいい」

勇者「あ、もうおちんぽ勃ってるー♥ ぴこぴこ」

傭兵「こら。遊ぶな」

僧侶「ソル様! たっぷり可愛がってくださいね」

魔女「いっぱい愛して。今日こそ子種もらう♥」

勇者「大好きだよ。ソル愛してるー♥ ボクの旦那様〜〜♥」

勇者「ずっと…ずっと一緒だよ…くふふ♥」

今日も3人の可愛い妻に翻弄されながら、子孫を残すためのまぐわいが始まる。

それは俺にとって何より心の休まる、至福の時間であった。
髪や肌をなでると、みんな嬉しそうに何度も俺の名を呼んでくれた。
こんな傷だらけの体を、愛おしそうに求めてくれた。


傭兵「ユッカ。ヒーラちゃん。マナ」

勇者「なぁに?」

僧侶「はい!」

魔女「ちゅーー」

傭兵「俺も、愛しているよ」

勇者「…うん! よぉーし! 今夜もいっぱいエッチなことするぞー!」


世界は急速に変わりつつあり、楽しくも忙しい日々が流れていく。
俺は持てる力すべてを注ぎ、この世界を守っていこうと誓った。

その後、彼女たち3人が武器を手にとり戦う日は、二度と訪れなかった。



後日譚最終話<丘の家>おわり


  




80: ◆PPpHYmcfWQaa 2015/12/09(水) 22:53:53.25 ID:LG4n+ljAo

おわりました
長いお付き合いありがとうございました




81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 22:59:24.90 ID:yaJHY0YHO

本当にお疲れ様です




82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 23:00:35.76 ID:fY/DDB6hO






83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 23:04:31.81 ID:Qw6TAcK70

乙!お疲れ様でした!名残惜しいぜ…
ユイさんの再来に涙。みんな、お幸せに。




85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 23:05:52.77 ID:I1VFsoC/0

乙 楽しませてくれて本当にありがとう




87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 23:22:56.38 ID:nnEyy15dO

完結乙
こんな大長編よく完結させたな
毎日楽しかったわありがとう
番外編2とアペンドはよ!




88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 23:23:36.10 ID:KGS+YC1so

毎日の楽しみがなくなるのは残念だがこれ以外の終わり方がないってくらいのハッピーエンドでした

乙です




・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
 【SS速報VIP】少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」

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