転載元:少年「恋をしました」

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 14:29:34 ID:1Sov2HCY

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 14:51:51 ID:1Sov2HCY




    夜 酒場



剣士「んぐっ、んぐっ、……」ゴクッ ゴクッ

剣士「ぷはああぁっ!!」ドンッ


剣士(貴方とは結婚できない……って、何だよそりゃ!? フザケんなよあの女!!!)ギリッ

剣士(こっちはなぁ、お前にプロポーズしようと思って、命懸けでピラミッドの奥から秘宝を持ち帰って来たんだぞ!?)



剣士「……」チラッ

剣士(古代人が何千年も前に造ったとされるピラミッド。その最奥に眠る、決して持ち出し不可能とされた秘宝……『黄金の爪』!!)


剣士(こんな、センスの欠片も無い不気味な物が秘宝か?)ジィーッ

剣士「ははっ、くだらねぇ……」





 


【閲覧注意】俺の携帯のメールBOXから出てきた小説晒す
ジン「弁当男子を目指すだと?」 ウォッカ「へい、兄貴」
【マジキチ注意】やすな「ソーニャちゃんが外でウンチしてる!?」
【R-18】少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」【27〜30話】
ゲンドウ「エヴァに乗れ」シンジ「やだ!やだ!ねぇ小生やだ!」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 14:59:42 ID:1Sov2HCY




剣士(こんなもんでプロポーズしても、フラれたかも知れない……)

剣士(けどなっ!! なんで戻って来たら、他の男と結婚してんだよ!!)


剣士(せめて、俺にプロポーズぐらいさせろよ!! しかも何だあの男!! もやしみたいな体しやがって!?)

剣士(顔か? えぇおい!? 顔なのかっ!!?)



剣士「んぐっ、んぐっ……」ゴクッ ゴクッ

剣士「ぷはああぁっ!!」ドンッ


剣士「……」

剣士「はぁっ、死にてぇ……」




5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:10:52 ID:1Sov2HCY



剣士「俺達、幼馴染みだったろ……」ボソッ

剣士「大きくなったら結婚しようって、言ってくれたじゃないか?」


剣士(俺は、お前を守る為に強くなったんだぞ? そして、この黄金の爪だって……)ガシッ

剣士(まぁ、持ってりゃ、冒険者達からは尊敬される存在になれるかもな)




少年「わぁ、すごーい」タタッ

剣士「あん?」チラッ


少年「それって、ピラミッドの秘宝ですよねっ?」

剣士「ああ、そうだが……」




6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:19:38 ID:1Sov2HCY



少年「近くで、見せて貰ってもいいですか?」

剣士「ああ、好きにしろ」コクリ


少年「えへへぇ、ピカピカだぁ♪」ムギュッ

剣士「おっ、おい。そんなにくっ付かなくても見えるだろっ!?」アセアセ



少年「……」ギュッ

少年「欲しいなぁ、コレ……」ボソッ


剣士「あのな? 子供には分からないかも知れないが、これはメチャクチャ高価なんだ。諦めなさい」

少年「ほしいな……」




7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:25:04 ID:1Sov2HCY



剣士「……」

剣士(確か、鑑定して貰ったら100万Gはすると言われたな)


剣士「そうだな……なら、君が100万Gで買ってくれるかい?」

少年「ボク、30万Gしか持ってないです」



剣士(こんな子供が、30万Gも持ってるのかよっ!?)ビクッ

少年「……」


少年「ボクに、売ってください」

少年「10万Gで……」ニコリ




8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:31:03 ID:1Sov2HCY



剣士(しかも、値切るのか……)

剣士「それじゃあ無理だ。もう一度言うが、諦めなさい」


少年「……」

少年「お兄さん、戦う人なんですよね?」



剣士「ああ、今は私服だが、普段はカッコいい鎧を着てるぞ?」ニヤリ

少年「だと思いました。だってお兄さん、腕とか太いし……」ペタペタ


剣士「ははっ、君は細いな? 女の子みたいじゃないか」

少年「胸板も、厚いですね? 男らしいなぁ……」ナデナデ




9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:42:42 ID:1Sov2HCY



剣士「……」

少年「ふふっ。腹筋もっ、硬い……」ナデナデ


剣士「君は、もしかして」

少年「……」ジジィーッ



剣士(ズ、ズボンのファスナーが下げられた!? 何を考えてるんだこの子供は!!)ビクッ

少年「えっと、どこかなー。あ……みーつけたっ」ゴソゴソ


少年「えいっ」グイッ

剣士「っっ!!?」ボロンッ




10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 15:48:56 ID:1Sov2HCY



剣士「店の中だぞっ!? 放しなさいっ!!」キッ

少年「しーーーっ。大声なんか出したら、周りにバレちゃいますよ?」ニコリ


剣士「くっ……」

少年「ボク、これが欲しいんです」ニギッ



少年「ねっ? いいでしょ?」スリスリ コスコス

剣士「おいっ、ヤメっ……」ビクッ


少年「これ、ボクにちょうだい?」シコシコシコシコ

剣士「だ、ダメだっ、これは、俺が命懸けでっ……」ピクッ ピクッ




11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 16:01:38 ID:1Sov2HCY



少年「命懸けで?」ニコリ

剣士「いのちがけでっ、俺はっ……」ブルッ


少年「ほらっ、こんなにピクピクしてっ。イキそう? もう、我慢しなくていいんだよ?」シコシコシコシコ

剣士「うぐっ、がああっ!?」ビュクビュクッ



少年「……」

剣士「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


少年「ここの二階って、宿屋になってるんです……」ボソッ

少年「ボクの部屋に、行きましょうか? 一晩で、足りない90万Gを払いますんで」クスッ




12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 16:07:11 ID:1Sov2HCY





 ── 砂漠の国 ──



 文字通り砂漠に囲まれた国。

 女王イシスにより治安良く統治され、争いとは無関係の平和な国で有る。

 様々な場所へ行く中継地点でもあり、砂漠の中のオアシスとして旅人の疲れを癒している。




13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 16:08:26 ID:1Sov2HCY



第三話

少年「恋をしました」




14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 17:46:30 ID:1Sov2HCY




 後日 砂漠の国 女王イシス謁見の間



少年「黄金の爪なら、見付けてピラミッドの中へ戻しましたけど?」

イシス「そうか……」


イシス「それが原因だとばかり思っていたのじゃが」

イシス「グール、ゾンビ、ミイラ。不死の魔物がピラミッドから出て来たのは、秘宝を取り返そうとしてでは無さそうじゃのぉ……」



イシス「どう言う訳か、遠い信仰の街まで向かう魔物もおるそうじゃ」

少年「はぁ」


イシス「勇者どのは、どう思うかえ?」

少年「さぁ、分からないです……」




15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 18:07:15 ID:1Sov2HCY



イシス「……」

イシス「すまぬな、手間を取らせて」ペコリ


少年「いえ、ジパングへ向かう船を手配して貰いましたから」

イシス「すぐに、旅立つのか?」



少年「はい。ここ暑くて、汗臭い人が多いんで」

イシス「カカッ、ここは砂漠の国。汗とは縁切れぬ関係よ」クスッ


少年「……」

少年「では……」ペコリ




16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 18:17:49 ID:1Sov2HCY



イシス「っ……」

イシス「待つのじゃ!!」


少年「……」

少年「なんですか?」チラッ



イシス「そう、急ぐ事も有るまい? 城の客室を与えるゆえ、ゆっくりして行くがよい」

少年「……」


少年「いえ、汗臭いんで結構です」

イシス「っ!? だっ、だから待てとゆうに!!」ビクッ




18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 18:41:46 ID:1Sov2HCY



少年「……」

イシス「もう一つ、頼み事が有る……」


少年「聞くだけ聞きます」

イシス「この国での? 子供が消える……神隠しが起きているのじゃ」



イシス「13歳になる子供だけが、次々と消えて行っておる」

少年「そうですか」


イシス「お願いじゃ!! 勇者どのに、その神隠しを解決して貰いたい!!」

イシス「そして……妾(わらわ)の娘を、どうか守って欲しい」




21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/11(日) 19:19:15 ID:l48nlqGs

剣士に事情を話して返してもらうわけにはいかなかったのかな?




24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/12(月) 08:05:08 ID:DtdVwob.

>>21
後で説明入れますが、

剣士は、命懸けで手に入れた宝を、不確かな情報で取り上げられたり、女王の命令で無理やり取り上げられたりしたのでは無く。

剣士は、命懸けで手に入れた宝を、金を貰い、空っぽになるまでヌいて貰い、幼馴染みとの事を泣きながら勇者に愚痴って、その代金として納得して支払っています。

それと今日は、急な接待入ったので、書けるかわからないですm(__)m




26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/12(月) 11:38:17 ID:CdLCxUO2

相変わらずエロいぜ
乙乙




28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/12(月) 17:24:11 ID:UBVuOND.

乙!
面白いしエロいしで最近の楽しみの1つだわ




29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 10:06:54 ID:J0xuu67Q




  夕方 砂漠の国 姫の部屋



 トントンッ

少年「入ります……」ガチャッ

姫「ふぇっ?」ビクッ


姫「……」

姫「あ、あっ……」プルプル



姫「きゃあああああああああ!!」サッ

少年「何ですか?」


姫「き、着替え中ですっ!! 早く出て行ってください!!」

少年「ボク、気にしないんで」




30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 10:12:23 ID:J0xuu67Q



姫「私が気にするんですっ!!」キッ

少年「……」


少年「はぁ」

少年「分かりました。後ろ向いときます」クルッ



姫「何でそうなるんですかっ!?」

少年「……」


姫「もう、いいです……」

姫「貴方の事、クビにして貰いますからねっ」




31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 10:17:50 ID:J0xuu67Q



少年「は?」

姫「は? って、ここで働く兵士ですよね?」


少年「違います」

少年「イシスさんに、娘へ挨拶してくれと言われたので」



姫「お母さ……じゃなかった、女王様に!?」ビクッ

姫「貴方は一体、誰なのでしょうか?」


少年「……」

少年「取り敢えず、着替え終わらせてください」




32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 10:58:10 ID:J0xuu67Q




   数分後 同所



姫「……」

姫「どうぞ、振り返って頂いて平気です……」


少年「はい」

姫「それで、貴方は?」



少年「一応、勇者をやってますけど」

姫「ゆ、勇者様ですかっ!?」


姫「ああっ、さっきは無礼な態度を!!」ペコリ

少年「大丈夫ですから。気にしないでくれますか?」




33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 11:12:16 ID:J0xuu67Q



姫「……」

姫「っ……」


姫「あのっ、勇者様お願いが」

少年「なんですか?」



姫「この国の、外の話を……」

姫「旅のお話しを、私に聞かせてください」


少年「いいですけど……そんなに話せる程、長い旅はしてないですよ?」

姫「それでも構いません。是非、お聞かせくださいませ」ペコリ




34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 11:26:25 ID:J0xuu67Q



少年「では……」

姫「あ、そうだっ!!」パチンッ


姫「勇者様は、この城の裏側へは行ってみましたか?」

少年「城の裏側ですか? 行ってないです」



姫「なら、案内を致しますので、そこへ参りましょう。陽も暮れて来てちょうどいいですし」チラッ

姫「この国の、ちょっとした自慢できる場所が在るんです♪」


少年「そうですか……では、案内をお願いします」

姫「はいっ。そこへ着くまで、お話しを聞かせてくださいねっ?」ニコリ




35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 11:40:24 ID:J0xuu67Q




  城の裏側 巨大な桜の下




 ── ねぇ剣士、大きくなったら、ぜったいに結婚しようねっ♪ ──


 ── うん、ぜったい結婚しようなっ!! ──




剣士「……」

剣士(この、巨大な桜……千年夜桜の下で将来を誓えば、その二人は必ず結ばれる)


剣士「くっだらねぇ。迷信もいいとこだったな……」ボソッ

剣士(いや、くだらないのは俺か? 昔の思い出へすがりに、未だここへやって来るんだから)




36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 15:56:47 ID:J0xuu67Q



剣士(子供の胸に泣きながら抱き付いて、朝まで愚痴ってよ……プライドなんてねぇな)クスリ

剣士(そんなに好きなら、幼馴染みさんを奪いましょうとか言われて、一緒に幼馴染みの家を隠れて見に行っちまったし……)


剣士(だけど結局、諦めた。悲しそうな顔をしてたら奪うつもりだったが、幼馴染みは幸せそうに笑ってた)

剣士(それが本当の笑顔か嘘の笑顔かわからねぇ……でも、俺には、幸せそうに……見えたんだ!!)グッ



剣士「この国を出て、世界中を旅するなんて、良いかも知れないな。金が尽きても傭兵で稼げる」

剣士「なんて、な……ああ、独り言でさえ本音を吐き出せないとかよ、末期じゃねぇか?」


剣士(無理だ。俺は死ぬまでこの国から、この場所から離れられない)

剣士(俺は死ぬまで……昔の幼馴染みの、思い出だけを胸に生きて行く。そう、決めたから)




37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 16:06:41 ID:J0xuu67Q



姫「あの……」クイックイッ

剣士「……」


姫「先ほどからボーッとなされてますが、大丈夫でしょうか?」クイックイッ

剣士「えっ?」チラッ



剣士「……」

剣士「あんたは……」ジィーッ


剣士「ひっ、姫様か!?」ビクッ

姫「はいっ。姫様ですっ♪」ニコリ




38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 16:11:22 ID:J0xuu67Q



少年「どうも……」ペコリ

剣士「げっ!? よ、よう、また会ったな?」


姫「あらっ、お知り合いだったんですか?」

少年「はい、この間……」



剣士「ああああああああああああああああああ!!!」アセアセ

少年「うるさいんですけど?」チラッ


剣士「酒場!! 酒場で会って、ちょっと話をしたんだよな!? なっ!?」

姫「まぁ!! そうだったのですね? どうぞ、よしなに」ニコリ




39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 16:28:30 ID:J0xuu67Q



少年「……」

少年「まだ、引きずってるんですか? 女々しいですね?」


剣士「うぐっ!?」ビクッ

剣士「チッ、良いだろ……別に」




少年「あ」

少年「言い忘れてました」


少年「ボク勇者なんですけど、一緒に、来てくれませんか?」

剣士「は?」




40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 16:31:34 ID:J0xuu67Q



剣士「勇者?」

少年「はい」


剣士「誰が?」

少年「ボクが」



剣士「マジで?」

少年「マジです」コクリ




42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 17:47:25 ID:J0xuu67Q



剣士「……」

少年「……」


剣士「俺を仲間に選んでくれて嬉しいんだが、すまねぇ」ペコリ

少年「そうですか」



剣士「あんたに出会ったお陰だ……俺の死に場所はここだと、ハッキリ理解できた。俺は、この国から離れる訳にはいかない」

少年「やっぱり、女々しいですね」


剣士「ああ。こんな女々しい奴は、勇者の仲間には相応しくねぇよ」ニヤリ

少年「ボクも、そう思います」




43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/13(火) 18:30:23 ID:J0xuu67Q



姫「にひひっ。フラれちゃいましたね勇者様?」クスッ

少年「まだまだ、一人旅みたいです」


姫「……」

姫「もし……もし、良ければ」



少年「……」

姫「私を仲間に……」


少年「しませんよ?」

姫「で、ですよねー」




55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 09:44:47 ID:J32k91CQ



少年「……」

少年「それで、自慢できる場所って、ここですか?」チラッ


姫「は、はいっ」コクリ

姫「砂漠に咲く大木……千年夜桜。なんと、一年中ずっと花が満開なんです!!」



姫「そして、夜。月の光を浴び、輝く夜桜の下で将来を違い合った二人は、必ず結ばれる言い伝えが有ります」

姫「これを目当てに、この国へ来る方々も多いのですよ?」


少年「でも、迷信ですよね? でしょ? 剣士さん?」

剣士「えっ!? あ、ははっ。どうかな……」




56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 09:55:37 ID:J32k91CQ



姫「もうっ、勇者様は夢が無いですね!!」

剣士「……」


剣士(月の光を浴びて輝く、夜桜の下?)

剣士(俺達が違い合ったのは、夜だったか? ちげーよ、ガキが夜に出歩かねぇ!!)ギリッ



剣士「……」

剣士「フッ」


剣士「あはははははははははははははは!!!」

剣士「はぁーあ……はははっ。ああっ、くっだらねぇぜ」




57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 10:02:19 ID:J32k91CQ



姫「へっ? あ、あのっ」アセアセ

少年「……」


剣士(思い出すら、くだらねぇよ)

剣士(本当に、くだらねぇ人生だった……)





 カーン カーン カーン!!




少年「鐘が、鳴ってますけど……なんですコレ?」

剣士「……」




58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 10:10:14 ID:J32k91CQ



剣士「魔物だ……」

少年「そうですか」


剣士「ゾンビ、グール。時折ここへやって来る化け物どもよ!!」

剣士「陽も落ちる……奴らの活動時間って事だろ?」ニヤリ



剣士「姫様は、城へ戻っててくれ」チラッ

姫「剣術の心得ならば有ります!! 私もお手伝いを!!」


少年「貴女を気にしてたら戦えません。戻ってください」

姫「っ!? くっ……わかり、ました。私の分まで、この国を、頼みますっ」タタッ




59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 10:28:55 ID:J32k91CQ



剣士「……」

少年「……」


剣士「この国には冒険者が集まる。だから、ソイツらが協力してくれれば、すぐに殲滅できるから、それほど危険じゃないんだ」

少年「はい……」



剣士「ゾンビもグールも外見はグロいが、動きはすっとろいから攻撃は喰らわねぇ」

剣士「ただ、注意すべき点は、グールのマヒ爪と、ゾンビの噛み付きだ」


剣士「特にゾンビに噛み付かれたら、すぐに患部を聖水で浄めねぇと、噛まれた方までゾンビになっちまう」

少年「そうですか。問題ないです……」




60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 10:48:32 ID:J32k91CQ



剣士「……」

剣士「なぁ?」


少年「なんですか?」チラッ

剣士「やっぱりさ、俺を……あんたの仲間にしてくれねぇかな?」



剣士「ここに骨を埋めるより、勇者の仲間として魔王を倒してよ?」

剣士「そんで有名になって……アイツに、俺と結婚すりゃ良かったって、後悔させてやるぜ!!」ニヤリ


少年「女々しいですね……」

少年「でも、嫌いじゃないです。よろしくっ、剣士」ニコリ




61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 14:05:18 ID:J32k91CQ




  砂漠の国 姫の部屋



姫「我が国に代々伝わる、宝剣マスカレイド……」ジャキッ

姫「私も、私も行かなくちゃ。私も、私もっ、私もっ!!」


姫「っ……」ブルブル

姫(やっぱり駄目っ、怖くて、体が動かない……)



姫「うぅっ……私だって、戦えるのにっ、足が震えて」ポロポロッ

姫(そうだ、確か強い痛みが有れば、体は震えなくなるって)


姫(この剣先を、私の足に刺せば……)ゴクリ

姫「私が、助けるんだ。私の、生きた証を残すんだっ」グッ




62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 14:10:15 ID:J32k91CQ



姫「……」

姫「せーー、のっ!!」スッ




少年「なにしてるんですか?」トンッ

姫「ひっ!?」ビクンッ


少年「あ、後ろから驚かせてすみません」

姫「は、あっ……」ヘナヘナ



姫「ぐすっ」ペタン

姫「うわあああああああああん!!」チョロチョロ チョロッ




63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 14:18:17 ID:J32k91CQ




  少し後 王族専用の浴室



 カポーーン

少年「体、洗いますんで、早く入って来てください」

姫「うぅっ……」ガラッ


少年「……」

少年「タオルを巻いてたら、洗えないですよ?」



姫「ですからっ、私が自分で洗うと申しているではありませんかっ!!」

少年「……」


少年「もしかして、恥ずかしいんですか? 同じ性別なのに?」

姫「っ!?」ビクッ




64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 14:23:24 ID:J32k91CQ



姫「……」

姫「分かって、いらしたのですね?」


少年「人を見る目は自信が有るんで……迷いましたが、そうかなと」

姫「そうですか。で、あれば……この様なタオルなど不要!!」バサッ



姫「……」

少年「……」


姫「醜い、体でしょう?」クスッ

少年「いえ、綺麗だと思いますよ?」




65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 14:26:02 ID:J32k91CQ


※注意
姫×少年あるよ!

休憩




69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 16:17:11 ID:J32k91CQ



姫「……」

姫「10歳の頃、声が高くなりました」


姫「11歳の頃、骨格が丸くなりました」

姫「12歳の時、胸が膨らんで来ました」



姫「残されたのは、『ここ』だけ……」

姫「それすらも14歳の誕生日に消え、完全な女性へと変わります」


少年「……」

少年「手術の痕とかは、無いですね?」




70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 16:25:26 ID:J32k91CQ



姫「ふふっ。手術で変わるのでは有りません」クスッ

姫「私は……我らイシスの家系は、そう言う特殊な体質なのです」


少年「体質ですか?」

姫「はい。産まれて来る時は仮の性別で産まれ、14の誕生日に本当の性別へ変わる」



姫「お母様が、女で産まれて女のままだった様に、変わらない場合も有るのですが」

姫「私の場合は、見ての通り男から女へと変わってしまいます……」


少年「……」

少年「いつから、姫に?」




71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 16:33:35 ID:J32k91CQ



姫「いつから、だったでしょうか?」

姫「これでも幼い頃から、剣術の訓練なんかもしてたんですよ?」


姫「ですが……徐々に筋力が弱くなり、訓練用の、それも子供用の防具すら重く感じるようになってしまい」

姫「お母様に告げたら、次の日から着る物はドレスになりました……」



少年「……」

少年「背中、洗います。ボクの前に座ってください」


姫「あっ」

姫「はい。お願いします、勇者様……」ペタン




72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 16:41:27 ID:J32k91CQ



少年「スポンジ使いますけど、痛かったら言ってください」

少年「では……」ゴシゴシ


姫「んっ」ピクッ

姫「お上手、ですわ」ニコリ



少年「……」ゴシゴシ

姫「……」


姫「私、誕生日の翌日に結婚するんです」

少年「誕生日って、14歳の誕生日ですか?」




73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 16:58:27 ID:J32k91CQ



姫「はい。ロリコン野郎ですよ」クスッ

少年「腕、洗います……」ゴシゴシ


姫「……」

少年「……」ゴシゴシ



姫「お母様には、イヤなら断っても良いと言われましたが」

姫「私が結婚しなければ……きっとあの男は、この国を攻めて来ます」


姫「……」

姫「っ、だからっ……」ポロポロッ




74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 17:53:13 ID:J32k91CQ



姫「一つだけで良かったんです!!」

姫「なんでもいい!! 何か一つだけ尊敬できる所が有れば、そこを愛せた!!」


姫「軍の指示が上手いとか、剣術に優れてるとか、頭が切れるとか、料理が上手いとか、裁縫が上手いとか、綺麗な花を育ててるとか、優しいとかっ!!」

姫「アイツに、何か一つでも愛せる所が有ればっ、望まない結婚でも私は納得できたっ!!!」



少年「……」

少年「お金持ちじゃ、ないんですか?」


姫「それは父親……アイツはただ、脛をかじってるだけ」

姫「道端で遊んでる子供にツバを吐き、手で払い退ける人を、愛せると思いますか?」




75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 17:58:54 ID:J32k91CQ



少年「思えませんね」

姫「でしょ?」


姫「結婚はします。お母様の為に。この国の為に」

姫「アイツと結婚して、アイツの子供を産んで……」ブルッ



姫「っ……勇者様?」チラッ

少年「なんですか?」


姫「しばらく……勇者様の胸で、泣かせてください」ピトッ

少年「はい」ギュウッ




77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 20:49:50 ID:J32k91CQ



姫「……」ギュッ

姫「誕生日、明日なんです」


姫「明日の夜、私は女になり……女の私に、未来は有りません」

少年「……」



姫「うっ、ぐっ、うぅっ……」ブルブル

姫「オレ、男として産まれたんだぜ!? まだ男なんだぜ!!?」


姫「それなのに、男のオレは誰にも必要とされてない!! 女としてしか見てくれない!!」

姫「明日には、ぐすっ。消える、のにぃ……オレって、生きてるの?」ポロポロッ




78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 20:55:37 ID:J32k91CQ



姫「ヤだよぉっ……ひっく、えくっ、うぅ」ギュウッ

姫「結婚なんてっ、したくないよぉっ!!」ポロポロポロポロッ


少年「……」

少年「顔、上げてください」



姫「っ……」

姫「なに?」


少年「んっ……」チュッ

姫「んむっ!?」ビクッ




79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 21:03:14 ID:J32k91CQ



少年「……」

姫「……」ギュッ


少年「っ、はぁっ……」

姫「あっ」



少年「憶えています。貴方が男として産まれた事は……13年間、男として生きた事は、ボクが、憶えています」

姫「勇者、さま……」ウルウル


少年「貴方が男だと言う証を、生きた証明を、ボクの体に刻み付けてください」ニコリ

姫「ふぇっ!? えっ、あ、あのっ……」




80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 21:09:02 ID:J32k91CQ



少年「……」

少年「簡単に言います」


少年「ボクを」

少年「抱いてください……」ニコリ




姫「そ、そんなっ。私には」

少年「大きく、なってますよ?」クスッ


姫「へっ? ウソっ……私の、おっきく」ピンッ

少年「これなら、できますね?」




81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/14(水) 21:52:23 ID:J32k91CQ



姫「んっ……」ドキドキドキドキ

少年「経験は有ります?」


姫「はっ、初めて、ですっ」フルフル

少年「そうですか。では……」スクッ



少年「こうやって、壁に両手を着いて後ろ向きになるんで」ペタッ

少年「どうぞ」


姫「あっ」ゴクリ

少年「後はどうするか……言わなくても、分かりますよね?」クスッ




86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/15(木) 10:26:42 ID:ZfRcQag6



姫「はい。はいっ!!」コクコク

少年「なら、そのまま大丈夫だから。しっかり、ボクの腰を掴んで」


姫「こう、ですよね?」ガシッ

姫「ではっ、い、いっ、行きますっ!!」クチュッ



少年「いいよ」

少年「来てっ……」ニコリ


姫「はぁっ、はぁっ、はぁっ」ドキドキドキドキ

姫「ふんん!!」ニュププッ




87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/15(木) 12:01:28 ID:ZfRcQag6



少年「んっ……」ピクッ

姫「ふあっ、あ、あっ……すごく、あったかい」


姫「それにっ、きゅっきゅって、締め付けてっ」プルプル

少年「こんなふうに?」キュッ



姫「ひんっ!? だめぇっ、これ以上、気持ちよくされたら……おちんちっ、とけちゃう」ビクンッ

少年「がんばって。ゆっくりでいいから、腰を動かしてみましょ?」




 ぱちゅん!! ぱちゅん!! ぱちゅん!!




姫「んっ、んんっ!! んっんっん!!」ズチュ ズチュ

姫(こんなのっ、こんなのダメぇっ……ホントに、とけちゃうよぉ)ピクピクッ




88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:10:13 ID:QIDA5/cY



姫「あうっ、あうっ!! こう? こうですかゆーしゃさまぁ!?」パチュパチュ

少年「はい、お上手ですよ」クスッ


姫「やった♪ んっ、んっ……もっと、感じてくださいねっ」

少年「……」



少年(ボクを気持ち良くさせようとしてるんだ?)

少年(本人も無意識かどうか知らないけど、イカないように遠慮して動いてるし……)


少年「すみません、一度、抜いてくれませんか?」チラッ

姫「へっ? あ、はいっ。んんっ……」ズポッ




89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:18:50 ID:QIDA5/cY



少年「では、仰向けに寝てください」

少年(あまり時間を掛けても、誰かに見付かるかも知れないし)


姫「わっ、分かりましたっ」ゴロンッ

姫「それで、後はどうすれば?」



少年「そのままでいいです。ボクが上になるんで」スッ

姫「勇者、さま?」ドキドキドキドキッ



少年「ただ、気持ち良くなる事だけ考えて」クチュッ

少年「あなたが、男として産まれた一生分を、ボクが……搾り取ってあげるから」クスッ




90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:28:03 ID:QIDA5/cY



姫「んくっ」ゴクリ

少年「行きますよ?」


姫「あ、あっ、あっ……」

少年「ふんん!!」ズニュッ




 ぢゅぶぶぶぶぶっ!!!



姫「ふあああああああああっ!!?」ビュクビュクッ

少年「っ!? はぁぁっ……射精、できましたね?」ニコリ


姫「はっ、ぁっ、あ、はうっ、あぅっ……」

姫(なにっ、今の? 体が震えてっ、止まら、ない)ビクンビクンッ




91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:40:34 ID:QIDA5/cY



少年「このまま、二回目もどうぞ」

姫「ふぇっ?」


少年「んっ、んんっ……これが、最後なんですから」ズチュッ ズチュッ

姫「ひぐっ!? っ、勇者さまっ、いちどっ、ヤメてください!! ゆーしゃさまぁっ!!!」ビクンッ



姫「ホントにっ、溶けて無くなってしまいますっ!!」フルフル

少年「一日だけ早く、女の子になっちゃいますね?」クスッ


姫「っ、あんっ、あんっ!! いっ、ぎっ……あ゙あ゙あああああああああ!!!」ビュルビュルビュルッ

少年「くぅっ、んっ……こっちも、早い。ふふっ。まだまだ、頑張りましょう?」




92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:53:38 ID:QIDA5/cY




  翌日 砂漠の国 姫の部屋



姫「……」

姫「んっ」パチッ


姫「ここは」ボーッ

姫(私の部屋の天井。私の部屋? ベッドに寝てるね? 私は、昨日……)



少年「目が、覚めたみたいですね」

姫「ゆ、勇者様!?」ビクッ


姫「勇者様が、私を運んでくれたのでしょうか?」

少年「はい」




93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 19:57:26 ID:QIDA5/cY



姫「……」

少年「……」


姫「ありがとう、ございました」ニコリ

少年「はい」ニコリ



姫「それで、なんですが……もう一つ、お願いしてもよろしいでしょうか?」

少年「なんですか?」


姫「私は今夜、『転生の儀』を行い、女になります」

少年「……」




94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:05:11 ID:QIDA5/cY



姫「そして明日の夜には、アイツに犯され……子供を身籠ってしまうでしょう」

姫「ぐっ、ですからっ……」ギリッ


姫「勇者様!! 儀式が終わった今夜、私を抱いてください!!」

姫「私は、勇者様の子供を産みたいです!! どうせ身籠った日にちが一日ズレるだけ。気付かれません!!」



姫「っ……」ブルブル

姫「アイツと結婚しても、アイツにどれだけ犯されてもっ、産まれ育てる子供が貴方との子供ならっ、それだけで生きて行けます!!」


姫「それだけを、希望にしたいのです!! だから、どうか勇者様っ……」

姫「今夜、私を抱いてください」ペコリ




95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:13:56 ID:QIDA5/cY



少年「……」

姫「……」


少年「分かりました」

姫「あっ、ありがとうございます!!」



少年「では、ボクからプレゼントを。受け取ってください」スッ

姫「プレゼント?」




  チリンッ──。



姫「これは、鈴、でしょうか?」

少年「魔除けの鈴……イシスさんに頼まれて、またピラミッドへ調査に行くんで。もしその間に魔物が来ても、グールやゾンビ程度なら鈴が守ってくれます」




96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:26:35 ID:QIDA5/cY



姫「ここを、お離れになるのですね?」

少年「代わりに兵士さん達が護衛に着くらしいですが、不安なら残りますか?」


姫「いえっ。邪魔をする訳には参りません、行ってください」フルフル

姫「本当に、大丈夫ですから」ニコリ



少年「そうですか。分かりました」

姫「……」


姫「勇者様?」

姫「今夜、この部屋で……勇者様を、お待ちしております」




97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:32:42 ID:QIDA5/cY




 夕方 古代ピラミッド内部



剣士「今さらここを調べてよ、何か有るのか?」タッ

少年「さぁ。有るかも知れないし、無いかも知れない」


剣士「なんだそりゃ?」

少年「……」



少年「考えたんですけど」

剣士「あ?」チラッ


少年「なぜ魔物は、砂漠の国だけじゃ無くて、遠い街まで行くんですかね?」

剣士「あー、何か勘違いしてねぇか?」




98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:41:00 ID:QIDA5/cY



剣士「遠くの街、じゃなくて、行くのは『信仰の街』だけだ。そこと砂漠の国意外へは向かわねぇよ」

少年「砂漠の国に一番近い街が、信仰の街だからじゃないですか?」


剣士「と、思うじゃん? けどな、カジノの街には出ないんだよ」

剣士「奴ら、わざわざグルっと迂回して、西側の信仰の街へ行くのさ」



少年「……」

少年「僧侶達が大勢居る街に、アンデットのモンスターが行くんですか?」


剣士「俺も、殺されに行くようなもんだと思うが……」

剣士「でも案外、それが目的だったりしてな?」




99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:45:53 ID:QIDA5/cY



少年「……」

剣士「あそこには、アポロンとかって有名な神様が居るんだろ?」


剣士「救いを求めて、行くんじゃねぇか?」

少年「もう死んでるのに、殺されに行く……」



剣士「それだって分からんないぜ? 本人らにしてみたら、まだ生きてるつもりかも知れないし」

少年「……」


少年「リレミトッ!!」

剣士「おいっ、あせんなって。このピラミッド内じゃ、魔法は使えないぞ?」




100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:53:39 ID:QIDA5/cY



少年「ぐっ……」

少年「急いで戻ろっ、イヤな予感がする!!」ダッ


剣士「待てって!!」ダッ

少年「このピラミッド、もうすぐ夜だって言うのに、全くモンスターと出会わない!!」



剣士「まさかっ!?」

剣士「砂漠の国が襲われてるっつーのか!!」


少年「わかんないよっ!! けどっ……」タッタッタ

少年(何かっ、何か……見落としてない!?)




101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/16(金) 20:56:25 ID:QIDA5/cY





 ── この国での? 子供が消える……神隠しが起きているのじゃ──



 ── 13歳になる子供だけが、次々と消えて行っておる ──



,




106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/17(土) 15:35:29 ID:NlT74A0.




 砂漠の国 女王イシス謁見の間



イシス「まわしげり!! ばくれつけんッ!!」ドゴォッ

兵士「グオオォッ……」ドサァッ


イシス「ええい、次から次へと!! 目を覚まさぬかバカ者どもがっ!!!」

イシス(混乱魔法……メダパニ、じゃろうなぁ。おのれぇっ)ギリッ





 カーン カーン カーン!!



イシス「鐘!? ゾンビが今日も来たのか!?」ビクッ

イシス「くっ、兵達よ!! 妾は姫の無事を確認せねばならぬ、そこを退くのじゃ!!」ダッ




107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/17(土) 17:09:03 ID:NlT74A0.




  砂漠の国 姫の部屋



 トントンッ

医師「姫様、医師です」

姫「あら、医師さんですか? どうぞお入りになってください」


医師「失礼します」ガチャッ

医師「イシス様より、転生の儀を控え、最後の健康診断をせよと承りまして」



医師「脈拍を、確認しても良いでしょうか?」

姫「あ、はいっ。構いません。よろしくお願いしますねっ」ニコリ




医師「……」

医師「間に合った。ラリホー!!」ニヤリ




108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/17(土) 17:20:18 ID:NlT74A0.




 数十分後 砂漠の国の中央広場



イシス「はぁっ、はぁっ、勇者ぁっ!!」ダッ

少年「っ、イシスさん……」チラッ


剣士「女王様!! どうしたんですか、こんな所まで出て来て!?」

イシス「妾の娘が……浚われた!! いや、かも知れぬ。しかし、あやつは一人で逃げ出すような正確では無いのじゃ!!」



少年「兵士は、何をしていたんですか?」

イシス「まとめて混乱魔法を掛けられたようでの、城で暴れ腐りおったから、みんな『のして』来たわ!!」


剣士「もしかして、姫さんはゾンビどもに浚われた?」

少年「違いますね。ゾンビなら、魔除けの鈴を持っている彼女には近付けません」




109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/17(土) 17:26:40 ID:NlT74A0.




少年「……」

少年「イシスさん。彼女はまだ、13歳なんですよね?」


イシス「ああ。もう時間の問題じゃがの……」

イシス「まさかっ!?」ビクッ



剣士「どうしたんだよ?」

少年「神隠し……」ボソッ


少年「神隠しの被害者が、どうして見つかり難いか、分かりますか?」

剣士「さぁ、全く……」




110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/17(土) 20:27:15 ID:NlT74A0.



少年「探し方が下手か、もしくは……」

剣士「何だよ?」


少年「ピオリムッ!!」

少年「すぐに殺されて、どこかへ隠されるからですよ!!」ギリッ



少年「この世に神隠しなんて有りません!! 有るのは、悪意の有る誘拐だけです!!」

少年「ボクは彼女を探すんで。剣士さんは街へ来る魔物達を、他の冒険者と協力して殲滅してください!!」


剣士「了解!! これが初のパーティー戦だな? ゾンビどもは得意分野だ、任せなっ!!」ニヤリ

少年「イシスさんは城に戻って。兵士が気を取り戻したら指示をっ」




111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 01:47:49 ID:81tEOvrg



イシス「うむ!! みなを起こしたら、必ず応援を送ろう」コクリ

剣士「姫さんの事は頼んだぜ?」


少年「……」

少年「はいっ!! また後でっ」ダッ



少年(人を持ち歩くなんて、幾ら夜だって目立つよ)

少年(街中を移動して、外へ逃げたとか、そうじゃない)タッタッ


少年(きっとまだ、この街のどこかに居る……くっ、お願いだから無事で居て欲しい!!)

少年(心の底から助けたいって、初めて思えたんだ!! 初めてボクが、恋をした相手だからっ)




112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 02:05:25 ID:81tEOvrg





 ── ザオリク と ザオラル ──



 ザオリクとは、死者を生き返らせる奇跡の魔法で有る。
 かつて勇者の仲間だった女神が、その魔法で何度も勇者の窮地を救い、魔王に殺された民達を全て復活させた。

 ザオラルとは、神の奇跡を人の手で起こそうと、ザオリクを模倣して人が創った魔法で有る。
 方法に付いては後述。様々な犠牲を以て、このザオラルと言う魔法を完成とする。

 しかしそれでも、奇跡とは程遠い。
 ザオリクが100%生き返るのに対し、ザオラルで生き返るのは、50%なのだから……


 ── 秘術古文書より ──




115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 13:08:51 ID:81tEOvrg




  砂漠の国 病院地下



姫「ん……」パチッ

姫「んむっ!?」キョロキョロ


医師「おはよう、お姫様。やっと起きたようだな?」

姫「あっ、あがっ!?」ピクピクッ



医師「麻酔が効いてるんだ。ベッドの上から、動く事も喋る事も出来んよ?」ニコリ

姫「……」


医師「まぁ分からんだろうが、隣のベッドには、俺の息子が居るんだ」

医師「産まれつき障害を持つ子でね? 満足に走る事も出来なければ、何気ない話に笑ってコミュニケーションを取る事も出来なかった」




116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 13:17:42 ID:81tEOvrg



医師「俺が仕事で家を開けてる間、嫁からも虐待を受けていたっ」

医師「あんな馬鹿女とは、気付いた後にすぐ離婚したが……」


医師「もう、駄目だったんだなぁ。息子は、包丁で自分の胸を刺して、自殺したよ」

姫「……」



医師「何故だッ!!?」ギリッ

医師「何故、息子だけがこんなにも不幸な目に合うんだっ!!!」


医師「可哀想だよな?」

医師「可哀想だと思うだろ!?」




117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 13:22:27 ID:81tEOvrg



姫「う、あ……」ピクッ

姫「それ、もっ……うん、めい」


医師「っ、フザケルなっ!!!」キッ

医師「こんな運命は認めない。こんな不公平は認めちゃイケないんだ!!」



姫「……」

医師「……」


医師「そう。息子の人生はこれから……これから始まるんだよ!! お前の、命と引き換えにな?」ニヤリ

姫「っ!?」ビクッ




118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 13:34:59 ID:81tEOvrg



医師「俺の息子が死んだのは、13歳の時」

医師「秘術古文書の通りに防腐処理を施し」


医師「復活させる対象と同じ年齢の人間を、一年以内に対象の隣で12人……それぞれ違う方法で殺し」

医師「死体はピラミッドの近くに埋めた」



医師「アソコなら、すぐ骨になるからな。万が一に見付かっても、ピラミッドの近くに死体……」

医師「ゾンビどもが殺したと、誰も不思議がらんよ」


医師「そして、お前が最後の13人目……これで、息子が生き返る」

姫「んむーーーっ!!?」フルフル




119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 13:50:38 ID:81tEOvrg



医師「生き返る確率は50%みたいな事が記されていたが……」

医師「俺の息子を思うこの愛が有れば!! 必ずや復活魔法ザオラルは成功する!!」グッ


医師「……」

医師「長々と話をして、君が14歳になられても困るか……ここ出身の他の同年代は、全て殺してしまったからな」



姫「た、すっ、け、て……」ガクガクッ

医師「お姫様、安心しなさい。君は毒殺だ」ニコリ


医師「苦しむ間も無く、楽に死ねるぞ?」

姫(イヤッ、死にたくない……やっと、夢も希望も見付かったのに、死にたくない!! 助けてっ!! 勇者様!! 勇者様っ!! 勇者様っ!!!)ポロポロポロポロッ




120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:04:17 ID:81tEOvrg




 夜 砂漠の国 路地裏



剣士「くっ」ダッ

剣士「こっちから、子供の声が消えて来たと思ったが」キョロキョロ


剣士(しかし、まさか道具屋が襲われるとはな……聖水のビンは、全部割れてアウト)

剣士(所持している分で終わりだ。噛まれんよう、いつも以上に気を張らねぇと!!)



剣士「……」

剣士「んっ? 子供が倒れてる。あの子か!?」ダッ


子供「うぅっ……」プルプル

剣士「おい、しっかりしろ!! もう安心だっ!!」ニコリ




121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:15:07 ID:81tEOvrg



剣士「立てないか?」スッ

剣士「よし。お兄さんが、近くの民家まで抱っこしてあげよう」ダキッ


子供「っ……」ギュッ

剣士「……」



剣士(なんだ? この子供……首筋に、傷?)

剣士「しまっ!!?」ビクッ


子供「グアアアッ!!」ガブッ

剣士「ぐあっ!? コイツ、ゾンビにやられていたのか!!?」




122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:19:32 ID:81tEOvrg



剣士「チッ……」ジャキッ

剣士「すまんっ!!」ザシュッ


子供「ウ、アッ……」ボトッ

子供「……」



剣士「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

剣士「子供を斬るなんて、胸くそ悪いっ」


剣士「……」

剣士「ええい、感傷に浸るな!! 腕を噛まれたんだ。早く聖水で浄めないと」ゴソゴソ




123: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:23:31 ID:81tEOvrg



妹「うわああああああああん!! おねえちゃあああああああん!!」

剣士「……」


剣士(近くから、子供の声……)

剣士(そうか、聞こえていたのは、あっちの声だったか)



剣士(聖水の浄めは……まだ、もってくれよ!!)グッ

剣士「今行くぞっ!!!」


妹「うわああああああああん!!!」

剣士「こっちか!?」ダッ




124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:30:16 ID:81tEOvrg



妹「おねえちゃん、おねえちゃん!!」ユサユサ

姉「うぅっ……」


剣士「見付けたっ!!」ダッ

剣士「お嬢ちゃん、この子が噛まれたのはいつだ!?」



妹「ふぇっ!? さ、さっき、そこに寝てたゾンビに」

剣士(アイツか……しかし)チラッ


剣士(噛まれた痕は、腹に両手両足。持ってる聖水だけで足りるか?)

剣士(それに時間も掛かる。俺自身を浄めてからでは、到底……)




125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/18(日) 14:36:02 ID:81tEOvrg



剣士「……」

妹「おじちゃん!! おねえちゃんをたすけてっ!!」ポロポロッ


剣士「……」

剣士「俺は、おじちゃんじゃねぇ。まだ、お兄さんだ」



剣士「すぐに助けてやる、安心しろっ!!」ニコリ

妹「ホントっ!?」


姉「うぅっ……」ピクピクッ

剣士(悪いな勇者……俺は、勇者の仲間として、恥じない行動をしたい!!)




130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 15:36:17 ID:R3L6gX3U





  チリンッ──。




少年「聞こえるっ……」

少年「鈴の音が、聞こえるっ!!」ダッ




  チリンッ──。




少年「間違いない。この部屋、この扉の向こうだ……」

少年「今、助けるからっ!! イオラッ!!!」バッ




131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 15:44:04 ID:R3L6gX3U




  砂漠の国 病院地下



医師「……」

少年「……」ザッ


医師「ここは病院だ、もう少し静かに入って来たらどうかね? 壁は吹き飛ばすものじゃないぞ?」チラッ

少年「……」



医師「それに、よくここが分かったな?」

少年「ボク、耳がいいんで……」


医師「耳がいいって、ここは地下だぞ?」

少年「彼女はどこですか?」




132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 15:54:08 ID:R3L6gX3U



医師「奥の、カーテンで仕切られた中に居るよ……」

医師「死んでるがね?」ニヤリ


少年「……」

医師「しかし、そうかそうか。意識が消える瞬間まで鈴を転がしていたのは、君を呼ぶ為だったか」



少年「なんで、殺したの?」

医師「このベッドで横たわっている、息子を甦らせる為だよ……復活魔法、ザオラルを成功させる為だ!!」


医師「息子の人生は不幸で始まり、不幸なまま終わった!!」

医師「そんな事が許されるのか? 否、許される筈がない!!」ギリッ




133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:04:13 ID:R3L6gX3U



医師「王族に産まれてチヤホヤされ、何不自由無く生きて来た姫なんぞに、息子の苦しみが分かってたまるか!!」

医師「息子こそ生きるべきなんだ!! これから蘇り、俺と第二の人生を歩んで幸せになるんだ!!!」


少年「……」

少年「救えない……」ボソッ




少年「彼女に……その子の苦しみなんて、分からなかったと思います」

医師「だろう?」




少年「でも……貴方には、彼女の苦しみが分かったんですか?」

医師「は?」ピクッ




134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:11:59 ID:R3L6gX3U



少年「そもそもその子は、生き返る事を望んでいるんですか?」

少年「父親で有る貴方が、一番その子を……理解してないんじゃないのかッ!!?」


医師「ぐっ!?」ビクッ

医師「煩いッ、もう準備は終わっているんだ!! 必ず成功させて見せる!!」




医師「神よっ、この魔力、全て持って行け!!」

医師「復活魔法、ザオラルッ!!!」バッ


少年「……」

医師「ふははははははは……」




135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:17:37 ID:R3L6gX3U



少年「……」

医師「おおっ、確かに感じたぞ!? 確かに今、俺の魔力は減った。即ち……魔法は成功し、発動したのだ!!」


少年「……」

医師「さぁ息子よ、目を開けておくれ……お父さんと、一緒に暮らそう」ニコリ




息子「……」

息子「っ……」


息子「うっ、ああっ……」ピクッ

医師「や、やった!! 生き返った!! 生き返ったああああああああああ!!!」




136: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:23:35 ID:R3L6gX3U



息子「おと、う、さん……」チラッ

医師「なんだ? 何でも言いなさい!! お父さんが何でも叶えてやるぞ!!」


息子「ぼく、を……」

医師「お前を、どうしたら良いんだ?」




息子「ぼく、を……ころ、して」

医師「……」ピタッ


息子「ころ、してっ……」ポロポロッ

医師「えっ、なっ、いや……どうして、そんな事を!?」




137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:30:43 ID:R3L6gX3U



少年「……」

少年「勘違いしていたようなので教えますが……」


少年「ザオラルは、生き返る確率が50%じゃないです」

医師「じゃあ、何だと言うんだぁっ!!?」ギロッ



少年「ザオラルは……」

少年「50%を生き返す」


医師「うっ……」ビクッ

少年「右手は死んだままだけど、左手は生き返るとか。血管は死んだままだけど、心臓は生き返るとか。そんな感じです」




138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:48:22 ID:R3L6gX3U



少年「まぁ、何が言いたいかって……」

少年「お医者さんなら、ボクより詳しいんじゃない?」


少年「体で動いてる部分が50%。これって、後何分間……生きていられるんですかね?」

医師「俺は、ただ息子と、一緒に居たかっただけ……」ブルブル



息子「ぼく、を、ころ、して」ポロポロッ

少年「この子は、また苦しんで、死にます……」


医師「グアアアッ!! 許してくれっ、父さんを許してくれぇぇっ!!!」ガクンッ

少年「きちんと調べれば、こんな魔法は失敗作だって分かったのに……それとも、失敗作だって分かりたくないから、きちんと調べなかったのかな?」




139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 16:54:30 ID:R3L6gX3U



息子「ころ、し……」

医師「俺には、お前を殺すなんて出来ない!!」


息子「ころ、し、て」

医師「許してくれ、許してくれ、許してくれ、許してくれ、許してくれ……」ガクガクッ



少年「……」タッ

少年「子供よ、この声が聞こえますか?」


息子「だ、れ?」

少年「静かに、目を閉じなさい……」スッ




140: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:04:43 ID:R3L6gX3U




息子「うんっ……」

少年「そうしたら、ほらっ……遠くに、光が見えて来る」


息子「……」

息子「うん、目をつむってるのに、白い光が見える」



少年「なら、振り返らず、その光を辿って進みなさい」ニコリ

息子「でも……」


少年「手を握ってるから大丈夫。怖がらずに進んで」ギュッ

息子「あ……なんだか、あったかいや」ニコリ




141: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:09:19 ID:R3L6gX3U



少年「次に産まれて来る時は、幸せになれるといいね?」

息子「……」


息子「ぜんぜん、苦しくなかったよ……」

息子「ありがとうっ」ニコリ



少年「……」

息子「……」ガクッ


少年「……」

少年「死にました」




142: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:15:03 ID:R3L6gX3U



医師「っ……」

医師「……」


医師「む、息子をっ、天国へ送ったのか!?」

少年「さぁ? どうですかね」チラッ



医師「ぐっ」

医師「頼むっ、今のを俺にもやってくれ!!」


少年「……」

医師「死んでも良い!! 息子と天国で、今度こそ一緒になりたいんだ!!!」




143: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:20:43 ID:R3L6gX3U



少年「……」

医師「……」


少年「分かりました」コクリ

医師「本当か!? じゃあ、ちょっと待ってくれ。この病院の後継者を決める遺書を今から急いで」




少年「……」

少年「ザキ」


医師「へっ?」

医師「っ……」ドサァッ




144: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:29:01 ID:R3L6gX3U



少年「すみません」

医師「あ、がぁ、アッ……」ビクッビクッ


少年「貴方のことを殺したくて、殺したくて」

少年「待てませんでした」クスッ



医師「う、うぅっ……」

少年「生きたいと願う人を何人も殺しといて、よく死んでも良いとか簡単に言えますね?」


医師「たの、むっ。俺を、息子と、一緒にっ……」ブルブル

少年「……」




145: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 17:36:53 ID:R3L6gX3U



医師「俺はっ、息子を、幸せに、したいんだっ……」

少年「……」


少年「この子の幸せを願うなら、子離れしたらどうですか?」

少年「それにまず、大前提として……」



少年「罪もない人々を何人も殺した奴が、天国に行けると思うなっ!!!」キッ

医師「っ、あっ、ああ……」


少年「見届けてあげますよ。そのまま、最後まで苦しんで……」




少年「死ね」




149: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:05:01 ID:R3L6gX3U





  城の裏側 巨大な桜の下



剣士「……」

剣士「いつ見ても、地面に寝転がって見上げる、この桜は綺麗だ」ニコリ


剣士「やっぱりさ、女々しいままなんだよな俺……」

剣士「ずっと、昔のままだ」



剣士「……」

剣士「……」チラッ


剣士(噛まれた方の腕は切り落としたが、ははっ。ぜーんぜん痛くねぇや。血も流れねぇでやんの)

剣士(さて、いつまで人間で居られるか……化け物になっちまう前に、自分で命を絶たねぇと)ギリッ




150: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:11:15 ID:R3L6gX3U



剣士(せめてもの救いは、あの姉妹を助けられた事か?)

剣士(そして、この場所で死ねる事……)クスッ



少年「……」ザッ

少年「こんばんは」



剣士「んっ?」チラッ

剣士「おお、勇者じゃねぇか。姫さんは見付かったかい?」


少年「……」

少年「はい。見付かりました」




151: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:19:40 ID:R3L6gX3U



剣士「そっか。そりゃ良かった」

剣士「で、ついでによ? 後一人……助けちゃくれねぇか?」


少年「誰をですか?」

剣士「もうじき、ここで化け物が産まれる」



剣士「ソイツはな? 告白も出来てねぇ、しかも他人の妻になった女を、今でも愛してるんだ」

剣士「そんでよ? 万が一にも、化け物になった姿を女には見せたくないんだと」


少年「知りませんよ」

剣士「そう言うなって。自分じゃ、死に切れるか不安なんだ」




152: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:24:34 ID:R3L6gX3U



少年「知りません」

少年「ボクは戻るんで、勝手にどうぞ」タッ


剣士「え? 嘘だろ!?」ビクッ

剣士「おい、待てっ……」



剣士「……」

剣士「うっわ。本当にどっか行きやがった」


剣士「……」

剣士(すまんな勇者。色々と助けて貰ったのに……)




153: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:30:15 ID:R3L6gX3U



剣士「ふぅぅっ」

剣士(願わくば、最後に一目、幼馴染みに会いたかったが……)




 ガサッ

幼馴染み「剣士ぃぃっ!!」タタッ

幼馴染み「はぁっ、はぁっ。やっと見付けたっ!!」ニコリ


剣士「……」

剣士「なんだよ。死ぬ前の夢かこりゃ? どうして、お前がここに?」




154: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:35:49 ID:R3L6gX3U



幼馴染み「私、ようやく気付いたの!!」

幼馴染み「私が本当に好きなのは、貴方だったって……」ギュッ


剣士「……」

剣士(抱き締められてるのか? ああ、ヤバい……泣くわこれ)



剣士「う、ぐっ……くそっ、おせぇんだよもう!!」

幼馴染み「ううん。遅くないよ。今からでも、遅くない」フルフル


幼馴染み「私、剣士の想い、聞きたいよ?」

幼馴染み「ねっ、剣士? 貴方の言葉で、聞かせて?」




155: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:44:14 ID:R3L6gX3U



剣士「っ、あ、ゔうっ……」ポロポロッ

幼馴染み「ゆっくりでいいよ。がんばって」ナデナデ



剣士「俺は、子供の頃から」

幼馴染み「うん……」



剣士「幼馴染み、お前の事がっ!!」

幼馴染み「うん……」



剣士「ずっと好きだっ!! これからも、お前だけが好きだ!! お前だけを好きでいたい!! お前だけを見てっ、幸せを感じたい!!」

幼馴染み「うん。うんっ……」ニコリ




156: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 20:49:43 ID:R3L6gX3U



剣士「お前と一緒に歳を取って、それでっ……」

幼馴染み「嬉しいな。そんなに私のこと、想ってくれてたんだ?」


剣士「俺は、俺はっ、俺はっ……幼馴染みっ!!」

幼馴染み「はい。なぁに剣士?」



剣士「俺とっ、結婚してください!!」

幼馴染み「うんっ♪ 結婚しよっ」ニコリ


剣士「はっ……」

剣士「……」




157: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 21:07:14 ID:R3L6gX3U



剣士「想いは告げれた」

剣士「これでもう、何も悔いはねぇ……成仏できそうだぜ」ニヤリ


幼馴染み「剣士?」

剣士「悪いな、気を使わせちまってよ? 勇者だろアンタ?」



幼馴染み「えっ、なに言ってるの剣士? 私はっ……」

剣士「分かるさ。姿や声まで完璧に化けても、匂いはそのままだ」


剣士「一晩中よ、抱いた相手の匂いを、忘れると思うか?」ニヤリ

幼馴染み「……」




158: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 21:36:11 ID:R3L6gX3U



幼馴染み「そうですか」

幼馴染み「モシャス」シュン


少年「……」

剣士「やっぱりな……」




剣士「だがっ、へへっ、ちょうど、いいぜ」

剣士「ウウ、ッ……どうやら、限界らしい」


少年「……」

剣士「たの、むぜ? ガア、アッ、俺の首を、切り落とすか、火炎魔法で、燃やして、クレ」ブルブル




159: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 21:43:46 ID:R3L6gX3U



剣士「ア゙イ、ヅに、こんな姿をっ、ミセだぐっ、ないん゙だ!!」メキメキッ

剣士「ユ゙ヴゥゥゥジャアアアアアアア!!!」


少年「……」

少年「短い間でしたが、仲間になれて嬉しかったです」



少年「さよなら剣士さん。いつかまた、会いましょう」ニコリ

少年「いつか……」ピトッ






少年「メラ」

少年「ゾォォマァァァァァァァァッッ!!!」バッ




160: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 21:56:20 ID:R3L6gX3U




 二十日後 砂漠の国 女王イシス謁見の間



イシス「姫の婚約者だった男が、先日、雷に打たれて死んだそうじゃ……何か知っておるか?」

少年「さぁ。彼女の葬式にも来ないあんなブタ。見た事も無いです」


イシス「……」

イシス「そうか……」



イシス「ピラミッドの魔物も、あれから来なくなったのう」

少年「満足したんじゃないですか?」


イシス「満足?」

少年「医師さんをピラミッドの近くに放り投げたら、凄い数のゾンビが群がってましたし」




162: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:09:10 ID:R3L6gX3U



イシス「……」

イシス「あやつ、殺した者の死体を、ピラミッドの近くに埋めてたらしいのぉ?」


イシス「その者達の怨念が、魔物どもを動かし、この国を襲撃させて居たのか……」

イシス「なるほど、元々は人間の想い。中には救いを求めて信仰の街へ行くモノもおるかも知れんの」



少年「……」

イシス「妾を、娘が殺されたのに泣きもせぬ、非情な奴と思うか?」


少年「いいえ。涙が渇れるまで泣いてたの、知ってますから」

イシス「だとて、二十日じゃ。二十日でもう泣けん……」




163: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:26:34 ID:R3L6gX3U



少年「ボクなんて泣けませんでした。初めて、自分から守りたいって思った人だったのに……」

少年「ボクの涙は、いつ渇れてたんでしょうか?」


イシス「……」

イシス「勇者よ、このまま旅を続けるのか? お主さえ良ければ」



少年「いえ」フルフル

少年「この国に留まるのは、少し……ツラいんで」


イシス「そうか。であれば、船は既に到着しとる頃だじゃて。好きに使うがよい」

少年「ありがとうございます」ペコリ




164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:34:49 ID:R3L6gX3U



イシス「何を言うっ、礼をするのはこっちの方じゃ!!」

イシス「こんなおばさんを……慰めでも、抱いてくれてありがとうっ」ニコリ


少年「まだ、若いと思いますけどね」

少年「それに……家族が居ないのは、寂しいですから」



イシス「……」

少年「……」


イシス「死ぬなよ、勇者?」

少年「はい、そのつもりは有りません」




165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:44:15 ID:R3L6gX3U





 ── 砂漠の国 ──



 文字通り砂漠に囲まれた国。

 女王イシスにより治安良く統治され、争いとは無関係の平和な国で有る。

 様々な場所へ行く中継地点でもあり、砂漠の中のオアシスとして旅人の疲れを癒している。

 近年に王族の長男が亡くなったが、その翌年には入れ替わるようにして次男が産まれ、その次男は、この国を更なる繁栄国家として導いたそうな。




166: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:45:38 ID:RKeocddQ

悲しい結末だったか……




167: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 22:47:22 ID:lq/tD7oY

悲しいけど良い終わりかただったよ
乙乙




169: ◆uC4PiS7dQ6 2015/10/19(月) 22:51:14 ID:R3L6gX3U



少年「んふっ♪」

少年「ああ、近い。すごく近い……」ピクッ


少年「次か、その次……」

少年「そこの街に、母親か父親、もしくは両方が居る」



少年「ああ、そうだ、こうしよう」

少年「二人が一緒に暮らしてて、子供が居なくても……必ず喧嘩させる。殴り合って、罵り合って、不幸にして別れさせるんだ。腕の一本、千切れたっていい」


少年「ふふっ。あーあ」

少年「とっても、楽しみだよ……」クスッ




170: ◆uC4PiS7dQ6 2015/10/19(月) 22:57:18 ID:R3L6gX3U




おわり

姫に関しては、勇者が凍結魔法で腐らないように氷付けにして、棺桶に入れて旅中を引っ張り回しながら、
復活魔法ザオリクを使える人物を探す……とかにもしようと思ったけど、話が無駄に長引きそうなので断念。




171: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/19(月) 23:43:24 ID:9Gy2VmkY

おつ




172: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/20(火) 00:14:38 ID:LPGaXwIA

乙!!




173: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/20(火) 00:45:52 ID:tLz01urg

おつ!




少年「ボクは、君を守りたいんです」へつづく

・SS深夜VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
 少年「恋をしました」
管理人 のオススメSS(2015/07/04追加)
【画像あり】椿姫えり 美形ニューハーフがAVデビュー
【画像】こんな可愛い子なのにAKBオーディションに4回も落とされるのかよw
TPP締結でアメリカ式著作権法に→新曲を出したら、「曲のフィーリングが似ている」で9億円の倍賞
木村つな ロリマンも無修正のカリビアン画像集 210枚
36歳でこの体つきなら余裕でヤれるわwwwwwwwwwwwww(動画あり)
【妹 ロリ動画】大好きなお兄ちゃんのことを考えながらオナ●ーするJCの個人撮影動画がネットに流出!!
【閲覧注意】「av女優って大変だなあ」と思う場面集めてみたらwwwマジキチすぎwwww(※画像)
【ボッキ注意】 今月のToLOVEるでマングリ返しwwwwwww (画像あり)
【H注意】このJSの表情がくっそヌけるwwwwwwwwww(画像あり)
【閲覧注意】とんでもねえavが発売されてたwwwww
【画像】 オッサン共に食われまくってるニコ生サークルの姫(JK)をご覧くださいwwwwwwwwwwww
【ボッキ注意】中1の体つきじゃねぇだろwwwwwwwwwwwwwww
【R-18】美少女「ほら、今日の分のザ○メンさっさとシコシコして出しなさいよ」
鬱息子の母「ブラックジャック先生!息子の鬱を治してください!」 BJ「鬱だって?」
彼女「あぁっあん…ンッ…あっあっあっ…」 LINE着信(トゥルル…) 僕「出ていいよ」ヌプヌプ

 

最新記事50件