転載元:お手伝いさん「坊ちゃんと別れるのが辛い……」

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 05:14:55.669 ID:3MAuXn3H0.net

 母は仕事で無駄に広い屋敷をほぼ一年中空けている。 父は俺が物心つく前に離婚したのでいない。
 兄は進学を機に出て行った。
 そんなわけで現在家にいるのは祖父祖母と高校生の俺。そして前のお手伝いさんが辞めて、その入れ替わりで家に来た新しいお手伝いさん。
 気付いたら俺は高校三年生で大学へ進学、上京することを考えていた。
 でも…… そうなれば俺はお手伝いさんと別れることになる。
 彼女はそれをどう思っているのだろうか。



 みたいな妄想設定をしていました。





 


【閲覧注意】俺の携帯のメールBOXから出てきた小説晒す
ジン「弁当男子を目指すだと?」 ウォッカ「へい、兄貴」
【マジキチ注意】やすな「ソーニャちゃんが外でウンチしてる!?」
【R-18】少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」【27〜30話】
ゲンドウ「エヴァに乗れ」シンジ「やだ!やだ!ねぇ小生やだ!」

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 05:28:41.093 ID:3MAuXn3H0.net

男(お手伝いさんは前の人と入れ替わりで、俺の高校入学と同時にやって来た)

男(なんでも、凄い人ということを最初母が電話越しで言っていたけれど)

男(確かに彼女はなんでもこなせるパーフェクトな人だった)

男(容姿も凄く綺麗で…… そしてまだ20数歳だというのに立派な人だ)

男(彼女は謎に包まれているけれど……)

男(俺はいつしか彼女のことが好きになっていた)

男(俺がこの家を出れば―― その前に彼女へこの想いを伝えたい)




7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 05:43:11.216 ID:3MAuXn3H0.net

 お手伝いさん、以下『手』

手(『母』様が路頭に迷っていた私を雇って下さってから早数年――)

手(お屋敷のお部屋も貸してくださって…… 私は住み込みでお世話になっている)

手(年中忙しい母様に変わって家事やその他様々な雑務を執り行うこと…… それが私の仕事)

手(広いお屋敷にはおじいさま、おばあさま、そして坊ちゃんと私……)

手(こんな気持ちを抱いてはいけない―― けれど、私の中で坊ちゃんへの想いが大きくなっている)

手(坊ちゃんは私をどう思われているのでしょうか)




9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 05:59:28.670 ID:kw47iZOyH.net


no title


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これだな




10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 05:59:51.944 ID:Cofmbosn0.net

手(あれは私が体調を崩してしまった時)

手(母様に代わってお屋敷を任された身として、体調を崩すなど言語道断…… 手伝い失格)

手(しかし皆さんはそんな私を責めもせずに『ゆっくり休んでくれ』と)

手(そして坊ちゃんが…… 私を看てくださって)

手(このようなことを言ってはいけないけれど…… 一般的な同年代の方々と比べ坊ちゃんは寂しい想いをしてこられたのだろう)

手(幼くして父と別れ、兄様も進学を機に家を出て行かれた……)

手(しかし坊ちゃんは決して弱音を吐かず気丈に振舞っておられる)

手(そんな彼を支えてあげたいと思うのは、私の驕りだろうか)




12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 06:10:01.631 ID:Cofmbosn0.net

 [ある朝]

男(どうにかして『好き』と伝えたい……)

男(俺が体調を崩したお手伝いさんを看ていたとき)

男(そのときチラリと見せた、どこか悲しそうな顔……)

男(彼女は自身のことをあまり話してくれない)

男(ともかく―― 俺は彼女がこれ以上あんな悲しい表情を浮かべないように)

男(守ってあげたい…… と思っている)

手「――坊ちゃん、おはようございます」




14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 06:25:45.732 ID:Cofmbosn0.net

男「うわっ――」

手「どうされました?」

男「いや、なんでもないよ―― おはようございます」

男(びっくりした…… 心の声、漏れてないよな?)

手「朝御飯ができました」

男「あ、ありがとう……」

手「今日はテスト最終日ですね」

男「そうだね、ようやく解放される……」

手「お勉強は普段の積み重ねが大事ですよ。試験が終わっても気を抜いてはいけません、ましてや受験生なのですから――」

男「あー、はいはい! 頑張るよ、うん」

男「それじゃ朝御飯いただきまーす」

手「あ、坊ちゃん――」

手(余計なことを言ってしまっただろうか…… 私は)

男(やっぱり、彼女は俺のことを『坊ちゃん』としか思ってないよな……)




15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 06:34:27.376 ID:Cofmbosn0.net

[放課後]


男「あー、やっと終わった――」

友「おー男、お疲れさん」

男「おう、お疲れ」

友「テストも終わったことだしよ、帰りにどっか寄っていかねぇか?」

男「おう、いいね―― 行こう」


 [ファミレス]


友「――で、お前進路調査票は提出したか?」




17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 06:41:17.802 ID:Cofmbosn0.net

男「あー、あったねそんなやつ」

友「あったねーじゃねぇよ…… まったく」

友「お前前回も渋ってたじゃねぇかよ」

友「また説教されんぞー、知らねぇぞ俺は」

男「……」

友「ったく―― 何か悩みでもあんのか?」

男「いや…… 一応進路は決めてるんだ」

男「○○大学を狙ってるんだけど」

友「それじゃあ、何でそんな悩んでるんだ?」

男「それは――」




18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 06:56:59.746 ID:Cofmbosn0.net

友「ほうほう、遂にお前もそういう時期かぁ」

男「ぜ、絶対誰にも言うなよ!!」

友「言わねぇよ……」

友「それにしても『お手伝いさんが好き』なんて」

友「随分思い切ったというか―― お前エロいな」

男「何でもかんでもそういう方向へ繋げるな」

友「それで…… どうするんだ?」

男「もちろん、これはいけないことだとは思ってる……」

男「お手伝いさんはあくまでもお手伝いさんとして家に来てくれた」

男「もしそういう関係になれても…… きっと反対されると思うし」

男「それに彼女は俺のことを一人の男としては見ていない…… と思うし」

友「それじゃ諦めるのか?」

男「それは……」




19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 07:07:49.266 ID:Cofmbosn0.net

 男「家を出る前に、想いを伝えたいと思っているんだ」

 男「でも、もし俺の一方通行で…… それで失敗したら」

 男「家の雰囲気を壊してしまうし、それがきっかけで彼女を傷つけ辞めさせてしまうかもしれない」

 男「今の状況を壊したくない…… でも、彼女が好きなんだ」

 男「ドン引きだよな…… キモいことは十分自覚してるけど」

 友「でも―― 好きなんだろ?」

 男「あ、ああ……」

 友「確かに難しいな」

 友「失敗したら家の雰囲気を壊しかねない」

 男「成功したとしても…… その先付き合っていけるのか分からないし」

 友「分かった」

 男「分かった……?」

 友「お前―― お手伝いさんをデートに誘え」




21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 07:16:28.394 ID:Cofmbosn0.net

男「お、お前なに言って――! 自分が彼女持ちなのをいいことに」

男「人の恋路をまるでゲームみたいに……!!」

友「ちげぇよ―― 現時点では諦めきれないんだろ!?」

友「付き合いたいんだろ?」

男「そ、それは…… そうだけど」

友「だったらよく考えて行動しねぇと」

友「この先どうすればお前が納得いく未来を迎えられるのか」

友「なによりも―― お前のことなんだから、お前がどうしたいのか」

友「もっと自分の気持ちに正直になれよ」

男「お、おう……」

友「お前はどうしたいんだ?」

男「俺は―― お手伝いさんと、付き合いたい」




23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 07:26:49.363 ID:Cofmbosn0.net

 [数分後]

女「なになになにー? 遂に男くんにも春が来たって?」

男「お前、彼女まで連れてきて……」

男「絶対楽しんでるだろ? 許さねぇかんな、覚えてろよ」

友「ちげぇよ、一応こいつも女だから…… 参考として役に立つと思って呼んだんだよ」

女「彼女に向かって『一応こいつも女』って酷くない……!?」

友「それじゃ作戦会議を始めるか」

女「無視って酷くない!?」




24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 07:37:44.047 ID:Cofmbosn0.net

 [帰宅後、家の自室]

男(くそ…… いきなりデートなんて)

男(さりげなくどこかへ誘って、そしてお手伝いさんの気持ちを探れ……?)

男(そんなこと俺にできるのか!?)

男(いや、やるしかないのか)

男(いきなり気持ちを伝えても困惑されるだけだ)

男(徐々に親睦を深め、そして彼女の気持ちを探る)

男(最終的に彼女が俺をどう思っているのか、それが分かれば)

男(そのために…… やるしかない!!)

手「坊ちゃん、おかえりなさいませ――」




25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 07:47:28.531 ID:Cofmbosn0.net

男「うわっ――!!」

手「すみません…… ノックはしたのですが応答がなかったもので」

手「お帰りになられていたのですね」

男「あ、ごめん…… テストが終わって気が抜けてたよ、ハハッ」

手「試験はどうでしたか?」

男「ま、まあまあかな……」

男(さりげなく、さりげなくだ!)

男(行け、誘うんだ!!)

手「そうですか…… お疲れ様です」

手「夕飯の準備ができましたので、それでは」

男「あ、あのさ――!!」




26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:03:48.410 ID:Cofmbosn0.net

手「どうかなされましたか?」

男「きょ、今日の夕飯は何かな?」

男(何やってんだ俺……!!)

手「今日は、その…… ハンバーグです」

男「ほ、ほんとに……!?」

手「坊ちゃんも試験が終わられたということで…… 坊ちゃんが好きなものをと思いまして」

手「その、おじいさまとおばあさまがお待ちです」

手「それでは――」

男「あっ……」

男(クソ…… 何やってんだよ俺は)




27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:20:23.777 ID:Cofmbosn0.net

 [夕飯後]

男(今度こそ、今度こそだ……!!)

男(お手伝いさんは居間にいるはず)

男(いた…… 行くぞ!)

手「……」

男(休憩中だったか?)

男「ちょ、ちょっといいかな!?」

手「……!!」

手「ぼ、坊ちゃん…… どうかなされましたか?」

男「それは!?」

手「あ、あの…… 恥ずかしながら、写真を眺めておりました」

男(俺が写った写真―― どうしたんだろう)

男「あのさ…… ちょっと話したいことがあるんだけど」

手「はい、私は大丈夫です」




28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:30:31.140 ID:Cofmbosn0.net

男(よし、ここまできたんだ。後には引けない)

男「あの、付き合って欲しいんだけど…… いいかな?」

手「――ッ」

手「つ、付き合う!?」

手「い、いけません坊ちゃん!!」

男(えええ!? ふ、振られた!?)

男「あ、あの…… 変な意味じゃなくてさ!」

男(そうだ…… いきなりストレートすぎたな)

男(でも、なぜ動揺を!?)

男「近い内に友達と、それから他の学校の人と遊ぶことになって」

男「それで…… そういえばろくにファッションとかそういうの気にしてこなかったから」

男「急で申し訳ないんだけど、もし良かったら服とか選んで欲しいなって」




29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:39:38.200 ID:Cofmbosn0.net

男「お手伝いさんが選んでくれれば間違いないかなって思ってさ」

手「そ、そういうことでしたか―― はい、私は大丈夫でございます」

男「ほ、ほんとに!?」

手「はい、私でよければ」

手「その、私からも一つよろしいですか?」

男「うん、いいよ」

手「その『他の学校の人』というのは…… いわゆる『合コン』と呼ばれるものでしょうか?」

男「あ、そんな感じかなー…… うん」

手「……」

男「どうかした?」

手「あ、いえ……!!」

男(また悲しそうな顔…… したよな? やべぇやっちまった)

手「それではいつにいたしましょう?」

男「明日―― 明日休みだし、明日にしよう!!」




30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:49:09.629 ID:Cofmbosn0.net

手「はい…… 明日はいつもの日課が終われば特に仕事はありませんから」

手「しかし、あまり遅くまではいられませんが」

男「だ、大丈夫! そんなにかからないと思うし!」

手「分かりました。日課が終わり次第で、出発しましょう」

男「俺も手伝うよ!」

手「いけません、それは私の仕事ですから」

男「いいから、いつもお世話になってるし!」

手「坊ちゃん…… しかし」

男「そ、それじゃよろしくお願いします! お休み!」

手「あっ――」

手「坊ちゃん……」




31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 08:58:09.864 ID:Cofmbosn0.net

手(私はどうすれば…… 坊ちゃんから誘われてしまった)

手(坊ちゃんと二人きり…… これはもしかするとデートと呼ばれるものでは)

手(いけない、これは違う…… 坊ちゃんは『合コン』のための身だしなみを)

手(合コン…… そうだ、坊ちゃんもそういうお年頃だ)

手(受験生とは言え、たまには息抜きもされたいでしょう)

手(成績も今のところは問題ないようですし)

手(私は私の仕事をするだけ)

手(来年には坊ちゃんは…… 出て行かれてしまう)

手(私は…… どうすれば)




32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 09:09:34.902 ID:Cofmbosn0.net

[翌日]

男「――よし! こんな感じで大丈夫かな?」

手「はい、すみません…… 掃除から何から手伝って頂いて」

男「いや、いいんだ。いつもお世話になってるし、たまには俺も何かしないと」

手「本当にありがとうございます」

男「あ、あの…… それでさ」

手「はい?」

男「お昼は外でとらない?」

手「外で…… ですか?」

男「うん。じいちゃんもばあちゃんも二人して出かけたみたいだし、お昼は用意しなくても大丈夫って言ってたからさ」

男「その、俺たちもたまには外で食べようかなって思って……」

手「そうですね、それではそうしましょう」

男「それじゃー、準備ができたら居間に集合ってことで!」




33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 09:19:09.914 ID:Cofmbosn0.net

手「これ…… 大丈夫かな」

手「変じゃないよね…… うん、大丈夫」

手「無難な格好のはず」

手「私は私の役目を全うするだけ」

手「これはデートではない…… 仕事の一つだ」

手「そう…… 坊ちゃんの服を選ぶという仕事」

手「行こう――」




34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 09:24:49.752 ID:Cofmbosn0.net

男「これ、変じゃないよな?」

男「大丈夫だ…… ワイシャツ、ジャケット、ジーパン」

男「おかしくはない、いつも通り」

男(ここからが勝負だ)

男(友や女のアドバイスを活かして)

男(さりげなく思い出話とか、そういう感じでいいムードにしつつ)

男(俺のことをどう思っているか…… その気持ちを探るんだ)

男(正直言って、今日じゃ全てのことはクリアできない)

男(だけど、欠片でもいいから何か掴めれば)

男「行こう――」




35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 09:35:12.205 ID:Cofmbosn0.net

男「ごめん…… 待った?」

手「いいえ、私もちょうど支度を終えたところです」

男(私服姿も…… 相変わらず綺麗だ)

男(髪も下ろしたんだ)

男「き、今日は髪下ろしたんだね!」

手「は、はい!」

手「あの…… 変、ですか?」

男「い、いや! 凄い似合ってるよ!」

手「そうですか…… あ、ありがとうございます」

男「それじゃ、出ようか!」

手「はい―― 私、車出してきますね?」

男「いや、今日は歩きで行かない?」

手「徒歩ですか?」

男「どこへ行くかは決めてあるんだ! 隣町まで電車で行って、駅前のショッピングモールへ行こうかなって」




36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 09:44:42.665 ID:Cofmbosn0.net

手「そうでしたか…… 分かりました」

男「それじゃ、行こうか」

手「はい、よろしくお願いします」

男「こ、こちらこそよろしくお願いします!」

男(緊張する…… ヤバイ)

男(でも、これは二度とないチャンスだ!)

男(やるぞ……!!)

 




37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 10:00:35.585 ID:Cofmbosn0.net

 [服屋]

男(周りからは俺とお手伝いさんはどう見えているのだろう)

男(ランチの時は特にこれといって会話を広げられなかった……)

男(これからだ! 切り替えろ!)

手「坊ちゃん? どうされました?」

男「いいや、なんでもない! それじゃよろしくお願いします……」

手「はい、それでは―― 坊ちゃんは具体的に何か希望はございますか?」

男「そうだな…… ごめん、特に思いつかない」

手「今の格好もお似合いですが……」

男(なんか照れるな)

手「このジャケットと、それからシャツは多少ピッチリしたものの方がよく映えるでしょう」

男(すげー…… 次々と服を選んでいく)

手「それでは、試着していただけますか?」




38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 10:11:02.020 ID:Cofmbosn0.net

男「これ、どうかな……?」

手「――かっこいい」

男「ほ、ほんとに!?」

手(あっ―― 私はなんてことを!)

手「似合ってます! 問題ありません!」

男「さすが、お手伝いさんに選んでもらうと心強いよ」

手「ど、どうなされますか!?」

男「これでいいかな、うん」

男「会計してくる――!」

男(かっこいいって…… 言ってくれた!!)

男(ヤバイ、お手伝いさんかわいい……)

男「だけど……」

男(まだまだ時間に余裕がある…… これで終わりにするわけには)




40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 10:33:47.698 ID:Cofmbosn0.net

 [別の服屋]

手「あ、あの…… 坊ちゃん?」

男「お手伝いさんも何か見たいでしょ? 普段忙しくて自分のことができないだろうし」

手「しかし…… 坊ちゃんを待たせてしまいます」

男「いいからいいから。さっきここを通ったとき、横目でこの店を見てたでしょ?」

手「そんなことは……」

男「いいって、こういう時しか息抜きできないだろうし…… 俺のせいで」

手「――そんなことはございません!」

男「あ、ごめん……」

手「わ、私こそお見苦しいところを申し訳ございません……! なんでもございません!」

手「あの―― 坊ちゃん!」

男「な、何でしょう!?」

手「わ、私も……」

手「それでは私の服も…… 見繕ってはいただけないでしょうか?」




41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 10:46:18.219 ID:Cofmbosn0.net

男「お、俺…… 女性のファッションの知識とか全然ないんだけど」

男「それでもいいかな?」

手「はい、坊ちゃんに選んでいただければ…… 私も幸せです」

男(幸せって……)

男「分かった、それじゃーどんな感じがいいかな……」

手「これはどうでしょう?」

男「ああ、お手伝いさんってモデルみたいにシュッとしてるし、こういうフィットする感じの似合うと思うよ」

手(モデル…… そんな、坊ちゃん)

男(でも…… そういえばお手伝いさんってスカートとか履いている姿はあまり見たことないような)

男「あー、でもこういうスカートも似合うと思うよ?」

手「こ、これは!!」

手「いけません坊ちゃん…… こんな短いスカートなんて」




42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 10:57:22.683 ID:Cofmbosn0.net

男「に、似合うと思うけどな…… それかこういうロングスカートとか、フレアスカートとか!」

手「そうですか……?」

男「う、うん!」

男「良かったら着てるところ見てみたいなー…… なんて」

手「それでは…… 試着してきます!」

 [数分後]

手「本当にありがとうございます、坊ちゃん」

男「いや、いいんだ。その、凄く似合ってたよ」

手「あ、ありがとうございます……」




43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:05:12.710 ID:Cofmbosn0.net

男(お手伝いさんも楽しそうだし、俺が選んだ服を買ってくれた…… 良かった)

男(なんやかんやあったけど…… だけど、もっとお手伝いさんに近付きたい)

男(本音を聞き出したい)

手「坊ちゃん?」

男「ああ、ごめん! これからどうしようか?」

手「何か他に用事はございますか?」

男(このまま帰りたくない…… どうすれば)

男(考えろ―― まだ15時前だ)

男(いや、帰る時間もあるし……)

男(考えろ、考えろ……!)

手「坊ちゃん?」

男「そうだ―― 映画、見ませんか?」




44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:15:47.337 ID:Cofmbosn0.net

手「映画…… ですか?」

男「は、はい! ほら、ちょうど15時から放映の映画があるみたい!」

手「こちらには映画館もあったのですね」

男「そうみたいだね!」

男「どうかな?」

男(せめてもう少し二人きりでいたい!)

手「しかし…… あまり遅くなるわけには」

男「いやぁ、だいたい二時間くらいでしょ? 17時過ぎに終わるだろうから、それから帰れば遅くても19時くらいには着くだろうし」

男「ダメ…… かな?」

手(坊ちゃんにそんなお顔をされると)

手(あなたはずるい人です…… 私の気持ちも知らずに)

手「はい…… それなら大丈夫だと思います」




45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:25:02.016 ID:Cofmbosn0.net

男「ほんとっ!? やった、それじゃチケット買いに行こう!」

手「ぼ、坊ちゃん――!!」

手(私の手を掴んで……)

手(そんな…… 心臓が破裂しそう)

手(私…… 坊ちゃんのことが)

手(いや、駄目……! 私は手伝いなんだから!)

男「この映画面白そうだよね!」

手「あの、坊ちゃん……」

男「今話題の恋愛映画みたいだよ!」

手「坊ちゃん……」

男「聞いたところによると、実話を基にした映画なんだって!」

手「坊ちゃん」

男「どうしたの?」

手「手…… その手を離して下さい」




46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:26:30.340 ID:bWpe1+/Fd.net

イイ
すごいイイ




47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:39:36.418 ID:Cofmbosn0.net

 [映画上映中]

男(やっちまった―― 俺)

男(それに友と女め…… これ悲しい恋の話じゃねぇか!)

男(あいつら許さねぇ……)

男(それにしても)

手「……」

男(嫌われちゃったかな…… 俺)

男(強引にしすぎたよな、キモイよな)

男(一人で舞い上がって…… 死にてぇ)




48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 11:51:04.162 ID:Cofmbosn0.net

手(やってしまった)

手(私は坊ちゃんになんてことを…… 消えてしまいたい)

手(しかし私は使用人に過ぎない、ただの使用人なの)

手(そして坊ちゃんはまだ高校生)

手(決して許されるものではない…… 恋心を抱くなんて)

手(母様に隠れて内緒に…… そんなことは許されない)

手(それなら、一層のこと母様にこのことを――)

手(いや…… それは絶対にいけない)

手(常識的に考えて、自分が雇った使用人がその息子と関係を持つなんて…… 許されるはずがないのに)

手(これは気の迷い…… 一時の幻よ)

手(今日、これが終わって帰れば―― またいつもの関係)




49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:00:00.095 ID:E9g/PEF00.net

俳優「一緒に逃げよう」

女優「でも……!」

俳優「このまま誰も知らないところへ逃げるんだ」

女優「私はあなたを愛してる…… でも、そんなの無理よ!」

俳優「大丈夫さ…… この船に乗って、誰も知らない場所でまたゼロから始めよう」

女優「私は、あなたを信じてもいいの……?」

俳優「ああ―― 愛してるよ」


男(なんだこれ……)

男(何がオススメの映画だ…… あいつら許さん)




51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:08:02.039 ID:E9g/PEF00.net

友(いいか? もしやることが済んじまって間がもたなくなりそうだったら)

女(映画、映画とか誘っちゃえば?)

友(そうだな、あれ…… あの、なんか流行ってる恋愛映画あんだろ!)

女(そうそう! 一緒に観ればバッチリだね!)


男(何がバッチリだ)

男(でも…… 一緒に逃げよう、か)

男(このままお手伝いさんの手を引いて、どこか知らない場所へ――)

男(いや、そんな非現実的なこと無理だ)

男(自立しているならまだしも、一介の学生にそんなことできる力は……)

男(はぁ…… エンドロールが流れ出した)

男(文字通りおしまいってことか)




52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:17:46.121 ID:E9g/PEF00.net

手(映画…… 終わってしまった)

手(二人はどうなったのだろう)

手(逃避行の先、二人は幸せになれるのだろうか)

手(私も…… 坊ちゃんとどこかへ逃げてしまいたい)

手(でも、母様や皆様を裏切ることはできない)

手(それに、坊ちゃんにも多大なる迷惑をかけてしまう)

手(坊ちゃんは…… こんな私のことをどう思われているのだろうか)

手(もしかしたら、私のことを――)

手(駄目、それはいけない…… そんなことは断じてない)

手(そう、これで終わりなの。この映画のように、この幻も今ここで終わった)

手(私はただのお手伝い)




56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:27:02.910 ID:E9g/PEF00.net

 [帰り道]

男(結局、映画が終わり帰ることとなった)

男(お手伝いさんの気持ちを探ることはおろか…… 機嫌まで損ねてしまった)

男(俺、嫌われたよな)

手「あの、坊ちゃん」

男「ど、どうしたの?」

手「携帯、鳴っていますよ」

男「あ、ごめん…… ありがとう」

男「なんだろう―― じいちゃんからの電話だ」

男「もしもし…… どうしたの?」

男「え、ええ……!?」

手「どうかされましたか?」

男「じいちゃんとばあちゃん、今夜は家へ帰らないってさ……」




58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:43:22.675 ID:E9g/PEF00.net

男「あ、そうなんだ…… 分かった」

男「それじゃごゆっくり」

手「おじいさまとおばあさま…… お出掛けになられたようですが」

男「うん、温泉旅館に一泊するらしい…… 今夜はそこに泊まるってさ」

男「本当に突然だけど…… 日曜、つまり明日の夕方に戻ってくるみたい」

男「急だよね…… まったく」

男「まあ、昔からじいちゃんとばあちゃんはあんな感じだからなあ」

男(待てよ…… じいちゃんとばあちゃんがいない)

男(ということは―― 俺とお手伝いさん、二人きり)

男(これって…… やばいんじゃ)

男(ヤバイ、気まずい)

 




60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 12:55:34.899 ID:E9g/PEF00.net

 [帰宅]

手「それでは、私は夕飯の準備をいたしますので」

男「うん…… 俺は部屋にいるから」

男(ああ、せめて外で夕飯を済ませてくれば良かったかな)

男(でも、あんな雰囲気じゃ無理だったよな)

男(お手伝いさん、怒ってるかな)

男(俺と手を繋ぐなんて、そりゃー嫌だよな)

男(はぁ…… 夕飯ができるまで少し休もうか)

男(今日は疲れた…… 友や女にはなんと報告したものか)


 zzz……




62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:06:40.612 ID:E9g/PEF00.net

手「坊ちゃん…… 坊ちゃん?」

手「入りますよ?」

手「坊ちゃん――」

男「zzz」

手「……」

手「風邪をひいてしまいますよ?」

手「ちゃんとベッドの中でお眠りになってください……」

手「坊ちゃん、お夕飯の準備ができました」

手「……」


 (今夜は家へ帰らないってさ)


手「いけない……」

手「お夕飯、ラップに包んでおきますから…… 温めてお召し上がり下さい」

手「それでは……」




63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:14:22.195 ID:E9g/PEF00.net

 [数時間後]

男「はっ――」

男「いけね…… つい眠ってしまった」

男(22時前か)

男「夕飯…… そうだ!」

男(やべぇ、お手伝いさんにまた迷惑を)

男「行かなくちゃ!」


 [居間]


男(お手伝いさん…… お風呂に入ってるのかな?)

男(いや…… いた)

男(食卓に突っ伏して―― 眠ってる?)




64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:20:48.753 ID:E9g/PEF00.net

男(ラップに包まれた夕飯…… 申し訳ないことをしちゃったな)

男「お手伝いさん…… すみません」

手「……」

男「お手伝いさん……?」

男(眠っているのか?)

男(今日は迷惑をかけてしまったからな)

男(疲れさせてしまった)

男「お手伝いさん……? こんなところで眠ったら風邪をひいてしまいますよ?」

手「……」

男(反応しない!?)

男「ん? この瓶は……」

男(これは確か…… いつもじいちゃんがお手伝いさんもどうですかって勧めている)

男「焼酎…… だよな」

男「まさか――」




65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:27:40.353 ID:E9g/PEF00.net

手「坊ちゃん…… ですか?」

男(起きた!?)

手「もう…… せっかくお夕飯を準備しましたのに」

男「ご、ごめん」

男(な、なんか口調がおかしいぞ!?)

手「私が作った料理は…… お口に合いませんか?」

男「そ、そんなことないよ! 毎日美味しくいただいております、はい!」

手「そうですか……」

男(なんか…… お手伝いさん、酒臭い!?)

手「坊ちゃん……」

男「は、はい!?」

手「坊ちゃん……」

男「あの、何か……!?」

手「ぼっちゃんの、ばか」




66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:36:24.320 ID:E9g/PEF00.net

 男(ななな、何だこれは!?)

 男(か、かわいい……)

 男(凄まじい破壊力)

 手「ぼっちゃんのばか!」

 男「もしかして、酔ってるんですか!?」

 手「ぼっちゃんものんでください」

 男「だ、駄目だよ! 俺は未成年だから!」

 手「ぼっちゃんの……」

 手「ばか」

 男(く、崩れた……)

 男「もう…… こんなに飲んで」

 男「お手伝いさん、いつもはお酒なんて滅多に飲まないはずなのに」

 男「今日に限って―― どうしよう」




67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:41:03.015 ID:E9g/PEF00.net

男「このままここに寝かせておくわけにはいかないよな……」

男「ごめん、ちょっと失礼するよ」

男「よいしょっ!」

男(お手伝いさんの部屋まで…… こうしてっと)

男(お姫様だっこ…… 初めてだ)

手「もっと…… おさけ」

男「はいはい、今日はもうお開きですよ」

男「着きました、お疲れ様です」

手「いや……! もっと!」

男「駄目です。それではお休み――」

手「いかないで!!」

男(ちょ……! そんな引っ張られたらバランスが!)

男「あっ――」




69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:48:11.016 ID:E9g/PEF00.net

男「……」

手「んっ――」

男(お手伝いさんの唇が…… すぐそこに)

男(密着する体、蜜の匂い)

男(駄目だ、俺はもう――)

男「って、できるわけないだろ……」

手「いや…… いっちゃいや」

男「俺は行きますよ」

手「だめ」

男「酔いすぎです」

男(そうだ、お手伝いさんは酔っているだけ)

男(こうなっているのもお酒のせいだ)

手「ねえ…… はなしちゃいや」

男(どうしろっていうんだよ)




70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 13:58:17.534 ID:E9g/PEF00.net

男「あなたは卑怯です……」

手「あなたも…… ぼっちゃんも、ひきょうです」

男「それってどういう意味ですか?」

手「おしえない」

男「本当に…… 飲みすぎです。今夜はもうお休みになってください」

手「ねえ…… こんやだけでいいの」

手「ここにいて」

男「まったく―― これじゃどちらがお手伝いでしょうね?」




71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:09:52.325 ID:E9g/PEF00.net

男(そう、これはただ酔っているだけ)

男(明日になったらまた元のお手伝いさんに戻っているはずだ)

男(これはいつものお手伝いさんとは違う人だ)

男(そう思わないと―― 今にも本能が理性を食い殺して出てきそうで)

男(一時の快楽に身を委ねてはいけない)

男(それをしてしまえば…… もう一生元には戻れなくなる)

男「だからせめて……」

手「zzz」

男「これで許してください」

男(俺はそっとお手伝いさんを抱き締めて…… いつの間にか眠りへ落ちていた)

男(本来ならばとても嬉しいはずの状況なのに、何故かそうなれなかった)




72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:14:51.838 ID:E9g/PEF00.net

 [深夜]

手(あれ…… 私は確か)

手(それにこの感触は…… 匂いは)

手(温もりは……)

男「zzz」

手「あっ――」

手(ぼ、坊ちゃん!?)




73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:22:36.018 ID:E9g/PEF00.net

手「そうか…… 私は」

手(酒に溺れて…… 最低だ)

手(酒の力で、ぼっちゃんにこんな……)

手「坊ちゃん」

手「こんな私を許して下さい」

手「私はあなたに最低なことを…… 決して許されることではありません」

男「zzz……」

手「私は手伝いという身分でありながら」

手「あなたや、あなたのお母様に救っていただいた恩がありながら」

手「それを全て裏切ろうとした女です」

手「これで全てを諦め、終わりにします」

手「だから今だけ…… 少し話してもいいですか?」

男「zzz」




74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:34:45.356 ID:E9g/PEF00.net

手「私が物心ついたとき、両親はいませんでした」

手「ある時は施設に引き取られ、またある時は親戚と名乗る人間に引き取られ」

手「引き取られた先…… 言葉にはできないほどの仕打ちを受けたこともありました」

手「生きる意味などない…… 死んでしまおう」

手「そう思っていました」

手「そんな時、坊ちゃん…… 会社を営んでおられるあなたの母親と私は出会ったのです」

手「慈善事業の一環として、母様は私がいた施設に来て下さいました」

手「生気を失った私を、母様は『家へ来るか?』と救って下さったのです」




75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:43:43.968 ID:E9g/PEF00.net

手「それから私は…… 母様が紹介して下さった仕事、この仕事に就いて」

手「数年間経験を積み、母様の依頼でこのお屋敷へ参りました」

手「他人を信じられなくなっていた私を、皆様は温かく迎えてくださいました」

手「そして―― 坊ちゃん」

手「坊ちゃんも、こんな私のために…… 本当に、本当にありがとうございます」

手「私は、私は……」

手「坊ちゃんのことが―― 坊ちゃんをお慕いしております」




76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:53:17.722 ID:E9g/PEF00.net

男「……」

手「寝込んだ私を看てくださったときも」

手「いつもお声を掛けて下さるときも」

手「それに…… 今日素晴らしいデートに誘ってくださったことも」

手「全部、全部…… 嬉しくて」

手「だけど―― この感情は許されるものではありません」

手「だからこれで終わり…… です」

手「今夜、今だけ」

手「これで……」

手「さようなら―― 坊ちゃん」




77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:03:17.372 ID:E9g/PEF00.net

 [翌朝]

男「あれ…… ここは?」

男「ここ…… 俺の部屋じゃない?」

男(ここはお手伝いさんの部屋…… だよな)

男「そうだ――」

男(昨夜、俺は確か)

手「坊ちゃん、おはようございます」




78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:15:33.196 ID:E9g/PEF00.net

男「うわっ……!」

手「坊ちゃん、昨夜は数々のご無礼を…… お許しください」

男「そ、そんな…… 頭を上げて!」

手「いえ…… 私は大変な過ちを!」

男「いやいや、もういいから! 俺は大丈夫!」

男「昨夜は…… そう、何もなかったからさ!」

男「俺も疲れて眠ってしまって…… 夕飯せっかく作ってくれたのに」

男「ごめんね」

手「坊ちゃん……」

男「――朝御飯にしようか?」

 [朝食後、自室]

男「あれは夢じゃなった」

男(俺は確かに聞いた)

男(お手伝いさんが、俺のことを)

男「お慕いしているって」




79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:24:46.771 ID:E9g/PEF00.net

男「俺だって好きだよ…… 好きだ」

男(今しかない、今しか伝えられない!)

男「告白しに行こう……!」

男(想いを伝えるんだ!)

 [居間]

男「お手伝いさん……!」

手「坊ちゃん、どうされました?」

男「お手伝いさん、俺――!!」

手「……」

手「坊ちゃん、それ以上はいけません」

男「だって…… 昨夜あなたは!」

手「……!!」

手「いけません」

男「俺だってお手伝いさんのことが好――」

手「やめて……!!」




80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:33:06.453 ID:E9g/PEF00.net

手「それ以上は駄目……」

手「あなたも、私もここにいられなくなってしまう」

男「それは…… それは分かってる!」

男「だけど、俺はあなたのことが」

手「駄目……」

手「坊ちゃん―― 私は日課のお仕事がありますので」

男「待ってくれ!」

手「消耗品を買い足さなくてはなりません」

手「お庭のお手入れもございます」

手「それでは――」




81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:38:24.702 ID:E9g/PEF00.net

男「あ…… 待ってくれ!」

手「坊ちゃん」

男「お手伝いさん……」

手「私は手伝い、使用人です」

手「そしてあなたは勤務先にいらっしゃる人、それだけです」

手「それでは――」

男「……」

男(ここにいられなくなってしまう)

男(それが怖くて)

男(だけど俺は彼女が好きで)

男(何でこんな……)

男(どうすればいいんだ、俺は――)




82: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 15:58:10.932 ID:E9g/PEF00.net

 [翌日、学校]

友「はっ――!? 駆け落ちするだって!?」

男「しー! 声がでけぇよ!」

女「どういうことなの!? 男くん」

男「それは――」

友「なるほど…… ここ数日で色んなことありすぎだろ」

女「でも、駆け落ちって」

男「こうするしかないだろ…… 相思相愛だった、だけどその関係は許されない、そうなってはいけないって言われたらよ」

友「だけど…… そんなことできるわけないだろ」

女「そうだよ、それに見てよこれ――」

友「おう、見ろ男…… 『未成年で一方または双方に保護者がいる場合の駆け落ちは刑法上誘拐罪が適用される』だってよ」

女「うん、気持ちは分かるけど…… ただの学生がそんなことできるわけないよ」




83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:07:03.721 ID:E9g/PEF00.net

男「そうだけど……」

男「じゃあどうすれば―― このままなかったことにして生きていけっていうのかよ」

男「気持ちを押し殺して…… 仮面みたいな笑顔を貼り付けて今までどおり接しろってか?」

男「お前たちはいいよな…… 人事で」

男「幸せでよ!」

友「お前……」

女「男くん……」

男「……」

男「すまん―― 最低だ、俺」

友「上っ面の言葉になっちまうけど」

友「気持ちは分かるんだ」

友「だけどその方法は現実的じゃない…… お前は馬鹿じゃない、聡明なお前なら十分理解してるはずだ」

女「うん…… 落ち着こう? 男くん」

女「ほら、これ飲んでさ」

男「ごめん……」




84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:15:16.171 ID:E9g/PEF00.net

友「落ち着いたか……?」

男「ああ、どうかしてたよ。ほんとにごめん」

女「大丈夫…… こんなことでしか力になれなくてごめんね」

男「いや、いいんだ。確かに駆け落ちとかぶっ飛びすぎてた、冷静さを失ってた」

友「そうだな―― それで、改めてお前はどうしたいんだ?」

男「俺は…… もし叶うならば付き合いたいのは変わらないけど」

男「それが許されないのなら…… 諦めるしかない」

男「もちろん諦めたくないけど……」

友「なるほどな……」

女「そうだ!」

友「どうした? 女」

女「なんで、そもそも付き合うことは許されないの?」




86: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:28:11.736 ID:E9g/PEF00.net

友「お前……」

女「まだ『許されない』と決まったわけではないと思うけど」

男「確かに、このことを母さんに伝えてはいないけどさ」

友「だけどその人は成人してるんだろ? そして男はまだ高校生だ」

友「更に男のお母さんがその人の雇い主って話なんだろ?」

男「ああ」

友「男のお母さんの立場からすれば、自分が雇った従業員が息子とできたら…… まずいだろ」

女「何で?」

友「何でって…… 色々と」

友「よくわかんねぇけど大人の事情っつーか、世間体っつーか」

女「だったらさ―― まずはお母さんに聞いてみればいいんじゃない?」




87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:36:22.543 ID:E9g/PEF00.net

友「お前、簡単に言うけどな……」

男「なるほど」

友「お、おい…… 大丈夫なのか?」

女「簡単にはいかないと思う…… だけどお母さんに正直に告白してみるしかないと思うよ」

友「確かに、現時点で残された方法はそれくらいだけどよ」

男「そうだな…… 母さんに相談してみる。正直に打ち明けるしかないと思う」

男「お手伝いさんの雇い主である母さんからの許可が下りれば、俺たちは付き合える」

男「今は無理でも…… 俺が大学生になれば」

男「俺が成人すれば」

男「いけるかもしれない……!」




89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:46:25.407 ID:E9g/PEF00.net

友「そうだな…… でも、男」

友「お前、予定通りに事が運べば…… お前の志望大学は東京にあるんだよな?」

男「ああ…… 分かってるさ」

女「もし付き合えても、遠距離になるんだよね……」

男「確かにそうなる…… けどまずは承諾を得ないと」

男「遠距離とかそういうことはそれからだ」

男「そしてお手伝いさんの気持ちも改めて聞いてみないと」

友「お前―― 何かあったら今みたいに相談しろよ?」

女「私たちにできることは少ないかもしれないけど、一人で溜め込むのは苦しいと思うから」

男「ああ、ありがとう…… また二人に相談するかもしれないけど、その時はよろしくお願いします」

男「今日、帰ったらお手伝いさんとちゃんと話す…… そして母さんに打ち明けるよ」




90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:56:12.054 ID:E9g/PEF00.net

 [同時刻、家]

手「坊ちゃん……」

手(私は坊ちゃんのことが好き)

手(そして坊ちゃんも)

手(けれど…… この関係は許されるものではない)

手(そう、だから今までどおり坊ちゃんは坊ちゃんで)

手(帰ってきたらいつも通り、お帰りなさいませと言おう)

手「お帰りなさいませ…… って」

手「お帰りなさい……」

手「おかえ…… ヒグッ」

手「何で…… 涙が」




91: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:10:05.638 ID:E9g/PEF00.net

手「もう涙なんて枯れたはずなのに」

手「坊ちゃん……」

手「好き」

手「好き、好き、好き……!!」

手「……」

手「好きだよ…… 好き!」

手「嫌、このまま坊ちゃんがいなくなってしまったら」


 (俺、東京にある○○大学に行こうと思ってさ)
 (それは素晴らしいことです。それでは無事に合格するよう今からしっかりお勉強しなければなりませんね)


手(以前、坊ちゃんはそのようにおっしゃっていた)

手「いずれ坊ちゃんはこの家から出て行かれる……」




92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:19:17.866 ID:E9g/PEF00.net

手(坊ちゃんは私に正面から伝えてくださった…… 好きですと)

手(私はそんな言葉を遮り、自分の気持ちに嘘をついた)

手(私は卑怯だ)

手(もう自分の気持ちに嘘をつくのは嫌……)

手(坊ちゃんがお帰りになられたら、改めて言おう)

手(好きです、と――)


 プルルルル……


手「電話……?」

手「これは―― 母様からだ」




94: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:29:23.088 ID:E9g/PEF00.net

手「もしもし…… はい、ご無沙汰しております」

手「はい、はい……」

手「はい、御家族の皆様、お変わりありません」

手「坊ちゃんの方もテストが終わり一段落着いたところであります」

手「それで…… 坊ちゃんが私の日課を手伝ってくださって」

手「はい…… それに私の洋服を見繕って下さったんです!」

手「本当に嬉しくて…… えっ? あ、申し訳ございません取り乱してしまいました」

手「はい、はい―― えっ!?」

手「はい……」

手「分かり…… 分かりました」




95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:36:24.535 ID:E9g/PEF00.net

男「よし、決めるぞ」

男「大丈夫だ…… もう一度伝えるんだ」

男「よし―― ただいま!」

男「……」

男「あれ?」

男「みんないないのか?」

男「まあ、いいか……」

男(なんだか出鼻を挫かれたな)

祖父「おお! 男おかえり!」




97: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:45:39.469 ID:E9g/PEF00.net

男「じいちゃん、ただいま」

男(なんかテンション高いな、じいちゃん)

男(また突発的なことでも企んでいるのか?)

男「じいちゃん、お手伝いさんは?」

祖父「おお、おるぞおるぞ!」

男「どうしたんだよ、じいちゃん。さっきから嬉しそうだけど」

祖父「それがのぉ――」

祖母「あら男ちゃんおかえりなさい」

男「ただいまばあちゃん。ばあちゃんも…… 何かあったの?」

祖母「それがねぇ―― 今日は赤飯よ!」

男「赤飯って…… 今日は別に祝日でもなんでもないけど」

祖母「祝日よ―― お手伝いさんの縁談が決まったのよ! お見合いよ!」




98: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 17:57:51.192 ID:l5q4IyWk0.net

男「はっ――!? えんだん?」

祖父「そうじゃ、ついさっき母の奴から突然連絡があったみたいでな」

祖母「母の会社と親交のある大企業の社長、その息子さんだって! 御曹司よ御曹司!」

祖父「いやぁ…… やっぱり苦労して、頑張って生きている人をお天道様は見ているってことじゃな! ガッハッハ!」

男「そ、そんな…… きゅ、急過ぎるだろ!」

祖父「まあ、母のやつだからいつのものことだ」

男「そ、そんな急にいいのかよ!」

祖父「なんじゃ、男は反対なのか?」

男「そ、それは……」

祖母「まあ、お見合いというか…… そこまで形式ばったお堅いものでもないらしいわ」

祖母「是非会ってお話してみたい…… ってことらしいの」

祖母「母がお手伝いさんのことを話したら、向こう様も是非お会いしたいとかで」

祖父「ということで、ばあさん今日は赤飯だ!」

祖母「任せなさい! さあ、男ちゃんも早く上がって! お手伝いさんが待ってるわよ!」




99: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:09:59.674 ID:l5q4IyWk0.net

男(いやいや…… 嘘だよな!?)

男(冗談もほどほどに――)

男「お手伝いさん……!!」

手「あ…… 坊ちゃん」

手「お帰り…… なさいませ」

男(なんでそんな…… 嘘だろ?)

男「お手伝いさん、さっきお見合いって……」

手「はい―― 母様から連絡がありまして」

男「そんな」

男(嘘…… だろ?)

男(改めて告白して、返事をもらって)

男(お手伝いさんの気持ちも聞いて)

男(そして母さんに直談判しようと思ったのに)

男(嘘…… だろ?)




100: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:20:44.524 ID:l5q4IyWk0.net

男「お手伝いさん…… お手伝いさんは」

手「坊ちゃん……」

手「すみません、突然で…… 週末に東京で行われるとのことですので」

手「私…… 行って参ります」

手「当日は帰ってこられませんので…… よろしくお願いします」

男「そんな……」

男(なんで、そんな苦しそうに笑うんだよ……)

男「お手伝いさん……」

手「坊ちゃん……」

男「お、おめでとう」

男(それは―― どうしようもなく馬鹿馬鹿しい強がりだった)

手「ありがとうございます」

男(それは…… とても切ない笑顔だった)




102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:32:05.671 ID:l5q4IyWk0.net

 [それから]

男「おい友、カラオケ行こうぜ!」

友「おい、お前……」

男「何だ? 俺一人で行っちゃうよ?」

男「フリータイム割引券あるのに! もったいねぇー」

友「おい……」

男「女はどう? ちょうど三枚あるんだぜ?」

女「そりゃー、以前三人で行ったときに貰ったものだからね。そりゃー三枚あるはずだよ」

男「なんなの? 俺貰っちゃうぜー、優雅にヒトカラ行っちゃうぜー」

女「男くん……」

男「お前らノリ悪いぞー! もう俺一人で行くもんねー!」

友「男が――」

女「壊れた」




104: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:39:33.291 ID:l5q4IyWk0.net

男「あなた追ってオホーツクゥ、悲しみぃーのー太平洋、愛を見失い――」

男「続きましてぇ〜 ラブエボリューション215!」

友「おい――」

男「恋をしてぇ〜 バイトしてぇ〜 時代刻んだ地球!」

友「おい……」

男「続きましてぇ〜」

友「おい!!」

男「……」

友「お前、ここ数日おかしいぞ」

女「うん…… 絶対何かあったでしょ?」

男「……」

男「もう、もういいんだ」




105: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:49:17.545 ID:l5q4IyWk0.net

友「なんだと―― お見合いだって!?」

男「しー! 静かに!」

女「男くん、ここカラオケだから大丈夫だよ?」

友「お手伝いさんが、お見合い?」

男「ああ…… 今週末、もう明後日だ」

友「ということは、土曜にお見合いがあるんだな?」

男「ああ……」

女「どこであるの?」

男「東京の…… 六本木とかいう所の、夜景が見渡せる高級イタリアンレストランらしい」

友「これはまた……」

女「お相手は?」

男「母さんの会社と親交のある大企業の社長…… その息子だって」

女「うは……」

友「お前……」




106: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 18:57:55.810 ID:l5q4IyWk0.net

女「それでお手伝いさんは了承したの……?」

男「ああ…… 『行って参ります』だってよ」

男「あははははははははははは」

男「全然気にしないもんねー」

男「おめでとうございます! おめでとうございます!」

友「落ち着け男!」

女「男くんが壊れた!?」

男「お前ら、今までありがとな――」

友「死亡フラグやめろ」

男「フラグどころじゃねぇよ」

女「尚更止めて!!」




107: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:05:23.250 ID:l5q4IyWk0.net

女「で、でもお見合いでしょ?」

女「結果によっては分からないよ! うん、まだ大丈夫!」

男「分からないって、何が?」

女「いや、結婚するかどうかって――」

男「結婚!? うわああああああああああああああああああああ」

友「ちょ、女の馬鹿野郎! 追い討ちしてどうすんだ!」

女「テヘランッ☆」テヘペロ

友「お前までボケんじゃねー」

友「そうだ、まだわからねぇぞ!」

男「なにがだよ…… もう分かりきってるだろ、バッドエンドだ」

友「お前の母ちゃんが持ってきた話なんだろ?」

男「ああ」

友「だったら…… 立場上お手伝いさんは無碍にできないよな?」

友「だからお手伝いさんも、乗り気ではなくても母ちゃんのメンツを気にして参加せざるを得ないってわけだ!」




108: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:13:38.967 ID:l5q4IyWk0.net

男「だけど…… 相手は御曹司様だぜ?」

友「まあ、お前も女社長の次男坊だけどな」

男「俺が敵う相手じゃねぇ…… それに母さんも説得しなくちゃいけないのに」

女「それは……」

友「とりあえず決まっちまったもんはしょうがねぇ」

友「お手伝いさんを信じろ」

男「信じる……?」

友「ああ、お前のことを好きって言ってたんだろ?」

男「ああ…… 確かに俺はこの耳でそう聞いた!」

友「だったらお手伝いさんを信じるしかねぇだろうが」




109: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:22:15.902 ID:l5q4IyWk0.net

友「それともお前の想いは、パッと出てきた奴に負けちまうほどのもんだったのかよ!?」

男「それは…… 違う!!」

友「だろ?」

友「だったらもう当日はしょうがねぇ……」

女「むしろチャンスかもしれないよ?」

男「チャンス?」

女「うん、そのお見合いってやっぱり両家の親が来るようなガチガチしたものなのかな?」

男「あ…… いや、それは違うらしい」

男「お見合いとは大袈裟に言ってきたけど…… 実際はデートみたいな感じだと聞いた」

男「母さんと向こうの親父さんが最初の会食にちょっとだけ顔を出すらしいけど」

男「後は二人の自由行動だって……」




112: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:28:04.098 ID:l5q4IyWk0.net

女「だったらチャンスじゃん!」

友「おい、それはどういう……」

女「普段男くんってお母さんに会えないんでしょ?」

男「あ、ああ…… どこを飛び回っているのか、場所も知らねぇ」

女「だったら直談判しに行くチャンスだよ!」

男「……!!」

友「そうか!」

女「当日はお手伝いさんの邪魔をしないように…… お母さんがそのレストランから出てくるのを待つんだよ!」

女「そして出てきたところで直談判…… 直訴しに行くの!」

女「それか―― こうなったら略奪だよ略奪!!」




113: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:38:12.381 ID:l5q4IyWk0.net

友「ちょ、お前何言ってんだ!!」

女「当日、お手伝いさんと御曹司さんのお見合い現場に乱入して、そしてお手伝いさんを略奪するの!」

友「おい! それじゃ向こうにも多大な迷惑がかかるし、こいつの母ちゃんの面目は丸つぶれだ!」

友「そうなったらタダではすまねぇんだぞ! 社会的に殺される!」

女「でも…… 男くんの本気度が示せるよ!」

男「……」

友「馬鹿野郎、リスクがでか過ぎる! むしろリスクしかねぇから!」

女「行動は雄弁であるとかなんとかってよく言うじゃん!」

友「いわねぇよ!」

女「行動で示すことが、時にどんな言葉よりも雄弁であるって!」

友「お前…… 確かに本気度は示せるが、それをやったら全てが崩壊する!」

男「……」
 




114: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:45:57.582 ID:l5q4IyWk0.net

男「俺…… それやってみるわ」

友「――はっ!?」

友「お前大丈夫か!? まだ壊れてるのか!?」

男「大丈夫だ、壊れてない」

男「もちろん、略奪はしない方向で」

友「良かった……」

男「まず母さんに今からでも打ち明ける」

男「電話して、全てを話す」

男「恐らく反対されると思う」

男「でも、それでも俺は押し通す」

男「今まで一人にさせやがって、家を空けやがって」

男「こいつは俺の反抗期だ」

男「最後の反抗期」

男「きっと確実に反対される」

男「だから俺は…… 当日母さんに直訴する」




116: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 19:54:04.942 ID:l5q4IyWk0.net

友「それでも押し返されたら…… どうするんだ?」

男「その時は最終手段…… お手伝いさんを連れ出してどこにでも逃げてやる」

男「金ならある。なんせ女社長の次男坊だからな」

友「お前…… そういうこと言わない方がいいぞ?」

男「息子を放置してたツケが己の首を絞めることになるなんて…… 爽快だ」

男「最後の反抗期、やってやるさ」

女「よっ―― 男の中の男の中の男!」

友「おい…… 本当にいいのかそれで?」

男「ああ…… 決めた」




117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:01:26.230 ID:l5q4IyWk0.net

男「俺はお手伝いさんが好きだ」

男「俺以外の人と結ばれるなんて嫌だ」

男「ガキのワガママなんて百も承知だ」

男「だけど最後まで貫き通せば、ワガママも立派な矛になる」

男「どんな盾をも貫く矛に」

友「それで後悔はないんだな?」

男「ああ」

友「ったく―― 骨は拾ってやるよ」




119: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:03:36.082 ID:l5q4IyWk0.net

女「男くん、これ……」

男「これは……?」

女「必勝のお守りね!!」

友「お前それ…… 小学生の時からずっと付けてるやつだろ」

友「もうご利益なくなってるだろそれ……」

女「まぁまぁ―― 骨は拾ってやる!!」

男「おうよ……!!」

男「明後日の土曜…… 決戦は土曜だ!!」

男「行ってくるぜ!!」




120: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:09:06.189 ID:l5q4IyWk0.net

 [そして、決戦当日]

手「坊ちゃん……」

手「坊ちゃん、入りますよ?」

男「zzz」

手「坊ちゃん…… 申し訳ございません」

手「もうあなたに顔を向けることはできませんね……」

手「行ってきます」

手「そして―― さようなら」

手「好きです…… 大好きです」

男「zzz」

男「……」

男「好きです、か―― 良かった」

男「過去形じゃねぇ……!!」




121: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:17:39.429 ID:l5q4IyWk0.net

男(予想通り、母さんには反対された)


 [回想]


男「母さん、話があるんだ」

母「おう男、どうしたー? 合コンするんだってなー、聞いたぞー」

男「俺、お手伝いさんのことが好きだから」

男「マジで!! 本気と書いてマジで!!」

母「――はっ!?」

男「だからお手伝いさんをそこら辺のボンボン野郎になんて渡さないから」

母「はっ……!?」

男「土曜日、そっち行くから。覚悟しといて」

母「おい、やっていいことと悪いことがあるぞ男」

母「だいたいな――」




122: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:23:50.724 ID:l5q4IyWk0.net

男(後は予想通り、『相手に、そしてお手伝いさんにも多大な迷惑がかかる』とか『それは誰も救えない選択肢だ』とか)

男(分かっているさ)

男(これは俺のワガママなのだから)

男(告白というよりこれじゃ宣戦布告だな)

男(そうして電話を切って、あの翌日の金曜日のこと――)




123: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:29:35.092 ID:l5q4IyWk0.net

 [回想、昨日金曜日]


友「場所、時間は間違いないんだな……?」

男「ああ、お手伝いさんにこと細かく聞いてきたから」

女「よく聞けたね……」

男「ああ、まさか当日乗り込んでくるなんて思わないだろ」

友「その熱意があるならさっさと告白なりなんなりしていれば……」

男「……」

女「あああ!! もう友は!!」

女「それで、当日はどんな作戦なの?」

男「まず……」

男「ごめん…… 六本木までの電車、路線がわからねぇ」

友「お前のスマホはただの飾りか!!」




124: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:40:53.450 ID:l5q4IyWk0.net

 [回想終わり]


男(そうして友や女からあれこれと教えてもらって、準備万端だ)

男(まずレストランで母さんが出てくるのを待つ、出待ちだ)

男(そして説得―― だけど恐らくこれも突っぱねられるだろう)

男(そうなったらもう…… お手伝いさんを連れ出すしかない)

男(やってやるさ)

男(さて…… 俺も服装を整えて)

男(ドレスコードがあるらしいからな)

男(なんというタイミングか)

男(お手伝いさんがあの日選んでくれたこのジャケットと、ワイシャツと、チノパン)

男(今日はネクタイも付けよう)

男「さて―― 行きますか」




125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:51:35.449 ID:l5q4IyWk0.net

 [そして、お見合い会場]


社長「本日はお集まりいただき誠に――」

母「あー、そういうのいいって」

母「私とアンタの仲でしょ?」

社長「まぁ、そうだな。アッハッハッ」

母「それで、この娘が件の――」

手「本日はよろしくお願いいたします」

社長「おお、ため息が出るほどお綺麗ですなぁ!!」

社長「なぁ!?」

御曹司「はい…… 誠に麗しい」

御曹司「白百合のように可憐なお方でございます…… 本日はありがとうございます、よろしくお願いします」

母「それじゃー、ぼちぼち始めようかー」




126: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:58:37.864 ID:l5q4IyWk0.net

 [同時刻、レストラン入り口]


男「ここが、決戦の場所……」

男「遂に来た……」

男「あれ、お手伝いさんじゃね?」

男「すげー、ドレスアップしてお姫様みてぇだ」

男「綺麗だ」

ボーイ「あの、お客様どうなされましたか?」

男(あ、ヤベ!)

男「すみません、お手洗いはどちらに……?」

ボーイ「お手洗いはあちらになります」

男「ありがとうございます!」

男(なるほど、入り口脇にお手洗いがある感じか)

男(なら、ここが出待ちの場所には最適だ)

男(よし、気になるけどここで待機するしかあるまい)




127: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:05:56.682 ID:l5q4IyWk0.net

御曹司「お手伝いさんは、様々な経験をされてきたとお聞きしました」

御「辛いことも乗り越えてこられたと……」

手「いえ、私はそんな……」

手(なんだろう……)

手(彼は悪くない、母様も)

手(母様の御厚意を無碍にするわけにはいかない)

手(でも…… 私)

手(坊ちゃん)

手(坊ちゃんのことを考えてしまう)

手(サヨナラしたのに)

手(本当に私は嫌な女だ)

手(中途半端で、臆病で)

手(こうして私のために集まって下さった皆様の想いを踏みにじるようなことを)

手(私のために……)




128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:11:23.963 ID:l5q4IyWk0.net

手(どうして後悔するの?)

手(これは私が決めたことでしょう? 納得のいく方法なのでしょう?)

手(だったら何故後ろを振り向くの……?)

手(結局私は…… 坊ちゃんを諦められなかった)

手(今度は私からも、正面から好きと伝えようと思った)

手(だけど母様から連絡を受けて―― 私は悟ってしまったんだ)

手(これが坊ちゃんを諦められるキッカケになるって)

手(悟った…… いえ、私は逃げた)

手(私は逃げたの、自分の想いから)

手(大好きな…… 大好きな坊ちゃんから!)




129: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:17:22.708 ID:l5q4IyWk0.net

手(これ以上…… 嘘はつきたくない)

手(自分の想いから逃げたくはない)

手(私は…… 坊ちゃんが好き!)

手(駄目、諦めろなんて…… そんなの無理!)

手(世界が私の想いを否定するなら―― 私はそんな世界を否定する)

手(どこまででも逃げてやる)

手(どこまでも壊してやる)

手(私は……!!)

御「あの…… お手伝いさん?」

手「――母様」




130: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:22:11.642 ID:l5q4IyWk0.net

母「ん? どうした?」

手「母様は私を救って下さって」

手「実の娘のように可愛がってくれました」

母「どうした? 急に」

手「そしてこのような素晴らしい場所も設けていただいて……」

手「母様には頭が上がりません」

母「あの…… 落ち着け? まずは座ろうか」

手「けれど―― 申し訳ございません」

手「私、これだけは譲れません」

手「私…… 坊ちゃんをお慕いしています!!」




131: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:28:11.223 ID:l5q4IyWk0.net

御「坊ちゃん……!?」

社長「それは、うちの息子のことかね? アッハッハ!」

社長「可憐で清楚、そしてパッションもあるお方だとは素晴らしい!!」

手「いえ、申し訳ございません」

手「坊ちゃんは坊ちゃんです」

手「男さんです!!」

母「はっ――」

母「お前…… お前もなのか」




132: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:38:17.182 ID:l5q4IyWk0.net

手「はい! 坊ちゃんのことが好きです、大好きです!」

手「マジで―― 本気と書いてマジです!!」

御「あ、あのー……」

社長「こちらとお見合いをしている席で…… 他の男性が好きなどと、堂々と宣言なされるとは」

社長「素晴らしいパッションです……」

母「お前ら二人して……」

母「この機会を設けてくださった、集まって下さったお二人の御厚意を踏みにじる気か……!」

手「はい…… 申し訳ございません」

手「私が初めに断っていれば…… このようなご迷惑をかけることはありませんでした」

母「断っていれば…… だと!?」

手「遅れてしまい申し訳ございません」

手「ですが―― その代わり今ここで、申し上げます」

手「私は坊ちゃんが好きです、大好きです!!」




133: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:44:56.127 ID:l5q4IyWk0.net

手「誰に否定されようと、世界に否定されようと」

手「私は坊ちゃんが大好きです!」

手「母様、今まで育てて下さってありがとうございました!!」

手「裏切りという形になってしまい…… 誠に申し訳ございません!!」

手「ありがとうございました…… 大好きです、お母さん!!」

母「お、おい……! どこへ行く気だ!?」

手「私は坊ちゃん共に世界の果てまで逃げまああああああああす!!!!」 


 [レストラン入り口]

男「お、おい――」

男「これ、何が起こったの!?」




134: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:51:24.091 ID:l5q4IyWk0.net

男「お、おい……!!」

男「お手伝いさん!?」

手「坊ちゃん……!? どうしてこちらへ!?」

母「お前ら待てコラアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

男「――ヤベ!!」

男「お手伝いさん、こっちだ!!」

手「はい!!」

母「待てコラアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

男「危なかった……」

男「エレベーター、間一髪」




135: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:57:03.650 ID:l5q4IyWk0.net

男「あの、お手伝いさん……」

手「坊ちゃん!!」ギュッ

男「お手伝いさん!?」

手「坊ちゃん…… 私は坊ちゃんのことをお慕いしております!」

男「そ、それって……」

手「好きです、好きです、大好きです!」

男「お手伝いさん……」

手「今まで待たせてしまい申し訳ございません!」

手「あなたの想いを遮ってしまい、申し訳ございません!」

手「けれどもう逃げません」

手「私は私の想いから…… もう逃げません」

手「ですから、ワガママを承知でお願いがあります」

男「な、なにかな?」ドキドキドキ

手「もう一度『好き』と言ってくださいませんか?」




137: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:02:14.431 ID:l5q4IyWk0.net

男「俺は、お手伝いさんのことが――」チーン

 エレベーター、一階へ到着。

男「――ッ」

黒服たち「いたぞおおおおおおおおおおおお!!!!!! 追えええええええええ」

男「誰だよあれ!!」

男「お手伝いさん! 行こう!」

手「はい、行きましょう!!」ギュッ

手「どこまでも!!」

男「タクシイイイイイイイイイイ!!!!!!」

男「すみませええええん、あの黒服から逃げてくださいどこでもいいんで!!」




140: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:14:40.201 ID:l5q4IyWk0.net

 [そして、とある港へ]

ドライバー「あの、ここら辺でいいですかね? 誰もいないみたいです」

ドライバー「まいたみたいです」

男「ありがとうございました――」

手「ふふふ…… ふふっ」

男「あの、どうしたの?」

手「なんだかおかしいですよね……」

手「笑っていられる状況ではないはずなのに」

手「とてもおかしくて……!!」

男(こんなお手伝いさんの笑顔を見るのは、初めてだ……)

男(凄い…… かわいい)

男(もっともっと、こんな笑顔をみたい!!)

男「あそこに豪華客船が停泊してる」

男「あれに乗船して、どこまでも行ってしまおうか?」

手「はい……!! 私は坊ちゃんとならばどこまでもお供いたします!!」




142: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:19:43.393 ID:l5q4IyWk0.net

黒服「いたぞおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

男「げっ……!! 一体どこから来たんだ!?」

男「行こう!!」

手「ふふふ…… はいっ!!」

手「連れて行って下さい!!」

男「もちろんだ!!」ギュッ

男「どこまでも行こう!!」

手「はいっ!!」




144: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:28:25.507 ID:l5q4IyWk0.net

黒服「待てええええええええええええええええ!!!!!!」

男「ははは……!! 丁度船が出港したぞ!!」

男「ざまあみろおおおおおおおおおおおおおおお」

手「そうですね…… ふふっ、船乗りさんに怒られてしまいますね」

男「確かに、無賃乗車だな。いや、乗船か」

手「ふふふ……!!」

男「ははっ、ハハハハハ!!!!」

手「ふふ、ふふ……!!」

男「お手伝いさん」

手「はい、坊ちゃん」

手「いえ―― 男さん、男様」

男「さっきの続き、しないとね」

手「はい、改めて聞かせていただきますか?」




145: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:34:03.935 ID:l5q4IyWk0.net

男「俺は、お手伝いさんが好きです」

男「お手伝いさんから見たらまだ学生のガキだけど」

男「もしよろしければ、こんな俺についてきてくれますか?」

手「……」

男「ちょ、なんで泣いてるのさ!?」

手「これは嬉し涙です……!!」

手「こんな涙…… 流したの初めて」

手「今まで、悲しい涙しか流したことはありませんでした」

手「不思議ですね」

手「嬉しい時に流す涙って、こんなにも温かいなんて」

手「私、幸せです」

手「私も大好きです、男様」

手「これからも、どこまでもお供いたします」

男「ありがとう……」




146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:38:50.239 ID:l5q4IyWk0.net

男「お手伝いさん……」

手「男様……」

男「……」

手「……ん」

男「……」



男「いつも肝心なところで―― まったく」

男「キスはお預けですか……」

黒服「もう逃げられんぞ、ここは洋上だ」




148: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:45:27.560 ID:l5q4IyWk0.net

男「ごめん、お手伝いさん…… ここまでで旅は終わりみたいだ」

手「いいのです…… とても楽しかったです」

手「一生分、幸せでした」

男「俺も、一生分幸せだった」

男「さて―― さぁ、分かった。もう降参です」

男「煮るなり焼くなり勘当なり、好きにして下さい!!」

黒服「そうか…… 潔いな」

黒服「別に君を沈めに来たというわけでもない」

男「だったら…… どうするつもりですか?」

黒服「それは、こうするのさ――」スッ

黒服「お……」

男「お?」

黒服「お……」



母「おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」




150: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:51:15.564 ID:l5q4IyWk0.net

パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!


男「――はっ!?」

手「皆さん…… クラッカーを鳴らしていますね」

男「そして…… いつの間に母さんがっ!?」

母「ハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」

母「お前らおめでとおおおおおおおおおおおおお」

母「母さんは嬉しいよっ!!」

男「お、おい…… これはどういうことだよ!?」

御曹司「それはですね――」

手「あ、あなたは……!!」

社長「ぜえええええええええええええええええええええええええんぶ」

母「仕組まれていたのさっ!!」ドン

 




151: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:57:39.890 ID:l5q4IyWk0.net

男「はっ……!?」

手「えっ!?」

母「まったく―― お前らくっつくの遅すぎなんだよ」

男「ど、どういうことだよ……」

御「つまり、私どもは母様から依頼を受けまして……」

社長「ちょっとドッキリの仕掛け人になってくんない? ってことだったから」

母「彼らに演じてもらったわけさ」

男「ドッキリって…… 俺たちを騙したのか!?」

母「しょうがないじゃん…… お前たちがくっつくのが遅すぎるんだもん」

男「だ、だもんじゃねぇキモいぞっ!」

手「あの、つまり今までのお見合いは全部ドッキリということですか……?」

母「そう、君たち二人をくっつけるためのドッキリさ」




152: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:07:24.243 ID:l5q4IyWk0.net

男「俺たちをくっつける……?」

母「そうだ」

母「一人はウジウジムッツリ、いつまでも行動に移せない我が息子ながら情けない男」

母「そしてもう一人は、私にその息子のことを『コイツ無意識か』ってくらい自慢げに話してくる女」

母「勝手に悩んで、勝手に身を引いて」

母「そんな君たちにイライラしたから、母からお節介という名のプレゼントを贈ってあげたのさ」

男「か、母さん……!!」

手「は、恥ずかしいです……」

母「ハハ、私に感謝したまえ」




153: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:16:07.950 ID:l5q4IyWk0.net

 男「と、ということは……」

 生「私たちがお付き合いすることを」

 男「許してくれるのか?」

 母「当たり前だろう」

 母「私は神様じゃない…… それを禁止できるほどの権限は持ち合わせていないさ」

 母「実の姉弟じゃあるまいし、禁じられているわけではないだろう?」

 男「そ、そうだけどさ……」

 母「なら好きにすればいい」

 母「従業員だからとか、そんなことはどうだっていい」

 母「ただし!」

 手「ただし……?」

 母「娘よ、あのガキンチョはまだ高校生だから」

 母「堂々とイチャイチャするのは大学生になってからにしてくれ」

 母「なんか社会的にまずそうだし、バレると」

 




154: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:23:39.667 ID:l5q4IyWk0.net

男「ここで言う分には大丈夫なんですかね……? だいぶ人いるんですが」

手「はい……!! 母様!!」

母「お母さんと言ってくれたこと、嬉しかったぞ娘よ」

手「はい…… 本当にありがとうございました」

母「さて―― 大団円を無事に迎えられた」

母「男、後は頑張って家へ帰れよー」

男「お、おい……!!」

母「あ、それと――」

母「私の娘を泣かせたら…… 実の息子だろうと○す!!」

母「じゃあなー!」

 バラバラバラバラバラ!!

男「お、おい……!!」

男「一人だけヘリで帰りやがった……」




155: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:30:55.036 ID:l5q4IyWk0.net

男「なんか―― 何だこの茶番っ!?」

手「ふふっ…… いいではないですか」

手「こうして、また一緒にいられるのです」

手「しかも…… 恋人として」ギュ

男「そう…… だね」

男「これからもよろしく、お手伝いさん」

手「はい、これからも『ずっと』よろしくお願いします。男様」

手「いえ…… 坊ちゃん!!」

男「やっぱりそれが一番しっくりくるね」

手「はい、坊ちゃん…… 大好きです!!」




156: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:37:30.630 ID:l5q4IyWk0.net

 [それから]

友「おい―― 俺たちの時間返せ」

女「まぁまぁ、カップルが成立したんだから! 終わりよければ全てよしだよ!」

友「なんか腑に落ちねぇ」

男「いやー、ほんと二人には感謝ですよ。ハハッ」

女「それじゃ、後でダブルデートしようよ!」

男「以前の俺だったら聞いた瞬間噴火していた地雷ワードが、今はこんなにもいい響きに感じるなんて」

友「お前…… 後で絶対なんか奢れよな」

女「そうそう!」

男「しょうがねぇなー、それじゃいつにするー?」




157: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:44:07.813 ID:l5q4IyWk0.net

男「お手伝いさんの膝枕、凄く柔らかくて気持ちいいです」

手「そうですか…… ふふっ、恥ずかしいですね」

祖父「ヒューヒュー、今日も新婚夫婦みたいにお暑いですのう」

祖母「ヒューヒュー」

男「まさかじいちゃんばあちゃんもドッキリに加担していたなんて」

手「そうですね……」

男「どうしたの?」

手「坊ちゃん、ちょっと坊ちゃんのお部屋へ行きませんか?」

男「え―― え!?」ドキドキドキ

男「う、うん…… いいけど」

男「汚かったらごめん……」




158: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:48:48.825 ID:l5q4IyWk0.net

手「いえ…… あの!」

男「どうしたの?」

手「坊ちゃん―― してください」

男「え……!?」ドキドキ

手「あの時、結局できませんでしたから……」

男「あ、ああ……!」

男「そ、それじゃ…… いくよ?」

手「は、はい……」ドキドキ

男「お手伝いさん」

手「坊ちゃん」

男「……」

手「……」

手「……ん」チュッ




161: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:57:58.360 ID:e3ri9iMY0.net

 [そして、時は流れ]


男「キャンパスライフが始まった!」

男「新生活も慣れた!」

男「なぜなら――」

手「おはようございます、坊ちゃん」

手「今日も元気に、いってらっしゃいませ!」

男「ああ、行ってきます!」

男(俺専属のお手伝いさんがついてきてくれたからだ)




おわりfhjわ」gjwjg」jrq」gh」じゅg




162: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:05:29.025 ID:veo9pPaH0.net

おつあkdっじゅあうあんbdしゅあ




163: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:07:43.630 ID:qmjUi1+m0.net

乙!




・ニュース速報(VIP)@2ちゃんねるに投稿されたスレッドの紹介でした
 お手伝いさん「坊ちゃんと別れるのが辛い……」
管理人 のオススメSS(2015/07/04追加)
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