1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:04:10 ID:r/oOFIvI


日暮れをとっくに過ぎた夜半の事だった。

野鳥も昆虫も草木も寝静まった深い夜に
弟を眠りから目覚めさせたものがあった。

「なにごと」

眠気で重い身体を起こした。部屋は暗い。
目を細めて闇の中を探った。

鈍った五感に意識を集中させる。
感覚が研ぎ澄まされて鋭敏になった。

元スレ
弟「ヘタレな兄が夜這ってきたけどヘタレだった」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1413363850/


 
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:04:47 ID:r/oOFIvI


水深一万メートルの深海に潜った気分だった。
遥か遠くに水面のざわめきを感じた。

弟は永久の無音で息をひそめ続けた。
魚が背びれ、尾ビレで掻きわけて生んだ水の流れ。

穏やかな水流に乗った海藻が僅かに息づく気配。
いかなる生物もその場に留まるだけで空間に影響を与える。

なるほど。なるほど、と弟は理解した。
視野を極端に狭める暗黒に隠れる生き物を見つけた。

弟は口の端を歪めて静かに笑顔を浮かべた。

その微笑は音のない世界に向けてではなく、
闇に擬態し損ねた憐れな動物に見せてだった。




3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:05:19 ID:r/oOFIvI


「兄よ。この時間だぞ」

水の流れが大きく動いた。

勢いに押された海草がたじろぐ。

三分も待てば闇夜に塗りつぶされた室内から
ようやくまともな呼吸音が聞こえてきた。

酸素を欲しがる苦しげな息遣いだった。

「すまない。気の迷いだ」

後に続く許してくれという言葉は小さかった。
戦意を削がれた兄が明確に体の向きを変える気配がした。

しかし弟は逃さなかった。獲物の尾っぽを捕まえていた。




4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:05:48 ID:11u66cHk


優位にあるのは、体格が小さく非力な弟の方だった。

罪の意識に委縮する兄を、さらにみっつの言葉で脅した。

「このまま帰ってしまえば後悔する」
「兄も僕も今晩のすれ違いを必ず悔やむ」
「なにも言わずに出ていってしまえば、怖れる明日が来る」

光から隔絶された洞穴は、
再び水深一万メートルの圧倒的な深海の闇に戻った。

魚はヒレを動かして滞留を選んだ。
体を傾けていた海藻が頭をもたげて正しく揺れ始めた。




5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:06:29 ID:11u66cHk


「よくないことをしようとした。とてもよくないことを」

「そのよくないこととはなんだ」

「聞かないでくれ。今ならあやまちを犯さずにすむ」

ふたりの間を流れる水が圧縮されて固く重たくなった。

自らの足で領海におもむき、弟の安息に踏み込んだ兄が、
自らの意思で間違いがあったことを認めて退去を選んでいる。

よくないこととはなんだ、と尋ねるのは愚問だった。

野鳥も昆虫も草木も寝静まった夜半に
一匹の雄が一匹の雄の寝床に近寄る。




6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:07:05 ID:11u66cHk


半分だけ眠たくなった思考の鈍る頭でも、
それが意味するものを精確に理解するのは容易かった。

「怖いか、兄よ」

広大な闇に向かって弟は問うた。

確信を突くはずだった声は、無様にも空振りをした。
けれどもその空振りは、水流の軌道をはっきりと捻じ曲げた。

「危険だと知っていながら、どうして足を止めさせる」

「危惧すべきものはない。しかし夜が明ければ怖くなる」

「この晩の出会いをなかったことには」

「兄の息遣いを聞いた。その脈動を忘れることなんてできない」




7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:07:50 ID:11u66cHk


「生涯かけての願いだ。償いもする。今夜のことは忘れてくれ」

つばを飲み込む音が闇の中から聞こえてきた。
聞き漏らしてしまいそうになるほどの微小な音だった。

大きくうねった水の流れが正常に戻ることはない。
それを弟は知っていた。そしてそれを怖れていた。

無防備に朝を迎えれば、さらに不吉な流れが深海を通ることになる。

水底はとても敏感だった。

何ごとにも左右されやすい性質を持っていた。

「このまま帰らせてくれ。さもなければ俺は」

「僕は兄とすれ違いになることだけが恐ろしい。死ぬほど恐ろしい」




8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:08:41 ID:11u66cHk


膝をついた気配がした。
闇に蠢くその影が、非力で無力で他力な存在になった。

「あらゆる言葉を持ち出しても肯定できない過ちになる」

「正当化など必要ない。秘匿に徹すればいい」

「けれど、もし知られたら」

「他者にも理解する知能くらいある。頭ごなしに否定はしない」

弟は前のめりになって腕を伸ばした。

小さく暖かな手が、うねって渦巻く不穏な
とぐろの水流を遮って兄の頬に触れた。




9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:09:26 ID:11u66cHk


「許される間違いもある。この道もそのひとつ」

頬からあごにかけて手を動かす。

「禁忌と言われようとも、いつか世界は受け入れる」

指先が唇に触れると、それから名残惜しそうに、
さも誘うかのようにゆっくりと手を引いた。

「ひとりふたりではない。地球世界が僕らの渇望を受容する」

兄は咄嗟に顔から離れた手を握った。
汗ばんだ手のひらが緊張状態にあることを報せた。




10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:10:38 ID:11u66cHk


「種への叛逆であってもか。世の理に反旗を翻してもか」

「必ず」

弟は短く答えた。兄の手が酷く震えていた。

「布団に入るといい。入らなければこの話が無駄になってしまう」

非力で無力で他力な兄は、掴んだ手に引かれて布団へと導かれた。
温柔な感触だった。人肌由来の温もりに包まれた兄は一息ついた。

「情けないと思うか」

弟は首を振って否定した。
兄の顔が鼻先の触れある距離にまで近付く。




11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:11:38 ID:11u66cHk


「思わない。思ったとしても、軽蔑ではなく愛おしさに違いない」

兄ははっとして息をのんだ。

「僕の我慢にも限界がある。それが今日になりそうだ」

弟の両手が兄の顔を挟むように頬に添えられた。

一秒を百分割するほどの遅く緩やかな時間の流れを
兄に感じさせながら、柔らかい感覚が口をふさいだ。

目を瞠って隣に横たわる弟の顔を見つめた。
細く開かれた目から、暗闇に慣れて
膨らんだ瞳が兄を見返していた。

弟の行動は慰めや同情といった憐みではなかった。




12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:12:19 ID:11u66cHk


ふた回り歳が離れた弟は、禁忌に触れたいと
暴れる欲求を抑圧する苦しみを兄と同じだけ抱えていた。

長い時間をかけて重なりあった唇を離すと、
兄は最後の確認となる言葉を弟に投げた。

「俺が望むものが等しい世への間違いであるように」
「お前が求めていたものも等しく間違っている」
「それでも退かないと約束できるか」

物陰で丸くなる猫を引きずり出して太刀を突きつけるように、
冷たく鋭利な視線に暴力的な気迫を込めて兄は尋ねた。




13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:13:04 ID:11u66cHk


しかし弟は返事を迷わなかった。
猫は太刀にすり寄って、親しげににゃあと一声鳴いた。

「退くものか。たとえ世界への謀反と罵られようとも」

弟は真っ直ぐ睨む視線を避けることなく答えた。

兄は返す言葉を失って目を閉じた。
思い付く限りの脅しは全て試したつもりだった。

どれに対しても弟は正面から見据えて偽りなく本心を口にした。
ドロリと粘る欲望に逆らうなと非力で無力で他力な兄を諭すのだ。

布団の下で弟が優しく手を握ってきた。
兄はもうどうしようもなくなった。




14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:13:46 ID:11u66cHk


もう考えて抵抗するだけ無駄なのだろうと思い始めた。
残った少ない理性で弟への欲望を押しのけても、
近いうちにまた寝床へと戻ってきてしまう気がした。

ならば、今が絶好の好機だと考えた。
その思考に至るまでの発言は端から端まで全てが茶番で、
理性の留め金を外すための理由作りとしか思えなかった。

「僕はもう辛抱ならない。兄が欲しい」

兄の首筋に粘液を滴らせた舌が這った。
前人未到の深海に潤沢な唾液がぬらりと光った。

兄は弟を抱き寄せて、同じように首に口をつけた。
扇情的な細い喘ぎ声が耳の傍から発せられると、
頭のどこかにある理性の留め金が外れる音も聞こえてきた。




15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:14:32 ID:11u66cHk


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


平坦な胸を武骨な手がさすった。
若草が茂る平野を速足の馬が駆けるような
軽快なリズムでありながら荒々しさを感じさせた。

「ああ、兄よ。そんなに激しくしなくても」

「お前の体は幾度も見てきた。なのに、こんなっ」

「んあっ、……く、ふぅっ」

兄は言葉を区切って、背後から首筋に強く噛みついた。
痺れた痛みが太い血管を伝って脳に上った。

「こんなにもお前の体を官能的だと思ったことはない」




16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:15:02 ID:11u66cHk


縄張りの印としてつけた歯型を愛おしそうに舐めた。
弟はびくりと体を震わせてゆっくりと息を吐く。

達するには十分すぎる甘美な刺激に細かく息づく。

太い指が平野に盛り上がる低い丘に触れた。
頂上を囲む色の濃い縁をゆっくりと指でなぞる。

弟はもどかしそうに切なげな息を吐いた。

「どうして意地が悪い」

「思うままに愛したいからだ」

兄は答えると、不意打ちにつま先でピンと乳頭をはじいた。
弟は突然の刺激に体を丸めて片目をつむった。




17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:15:42 ID:11u66cHk


ずるいなと思った。

指の動きひとつで神経を掌握された気がして、
血のつながった兄を産まれて初めて恨んだ。

その感情は嫉妬だったかもしれない。

兄と同じだけ懊悩していたのに、その時が
来れば一方的にいじめられてしまっているのだ。

それなのに満足してしまっている自分がいる。
自分だって長年想ってきた兄にもっと触れたい。

そのはずなのに非力で無力で他力だった兄は、
水を得た魚のごとく、手練手管の限りを尽くして
弟の体を篭絡しにかかっている。




18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:16:58 ID:11u66cHk


「悪くないかもしれないと思い始めている」

考えていた言葉がぽろりと口からこぼれた。
兄は山彦の真似をして言葉を繰り返すと、
途端に乱暴になった弟の上着を剥ぎ取った。

「こらえるものがないのだからそうだろう」

弟の背後から体の正面に回る。
そして起伏の少ない華奢な体に口づけした。

無防備になった弟が胸を反らしたのは本能だった。
柔らかくしぼんでいた乳首を吸い上げられた。




19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:18:09 ID:11u66cHk


意思とは関係無しにはしたなく悶える声があがった。
兄は容赦なくぬるりとした唾液を塗り広げた。

身をよじらせて大きく息を吐く。

兄の舌が躊躇なく体を這うごとに、
快感神経が敏感になっていくのを自覚した。

兄の名を呼びながら孤独に耽る快楽とは質が格段に違った。

乳首を指先で激しく責められて上ずりの声が出そうになる。
目を閉じて喘ぎかけたとき、またもや情熱的に唇を奪われた。

弟の後頭部をごつごつとした手で抑えて抱き寄せる。
兄の舌が口を強引に押し開き、唾液と吐息を運び入れた。




20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:19:04 ID:11u66cHk


「あむ、ちう……ちゅ、ぷはっ。そ、そんな乱暴に、んむっ?!」

口による息継ぎは許されなかった。
口腔内に二人分の熱情が溜まった。

始めから終わりまでの主導権を兄に渡してしまった。

兄の唇が自身のそれから離れてもしばらくは、頭の中も
視界も湯けむりが充満したようにぼんやりとしていた。

朝靄のような冷えた温度ではなく、
のぼせたときに似た熱を抱えた眩暈だった。

肩で呼吸をしながらぼんやりと天井を見上げる。
そこで上半身を弄んでいた兄の姿が無いことに気付いた。




21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:20:09 ID:11u66cHk


部屋を出ていったわけでもない。
姿を探そうとして上半身を起こそうとすると、
それよりも早くに下半身が持ち上がった。

「うわっ」

「脱がすぞ」

「ま、待って!」

心の準備はまだ整っていない。

それなのに、兄は承諾を得ることなく
寝間着を下着ごと引きずり下ろした。




22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:21:24 ID:11u66cHk


肉頭からトランクスの股間部にかけて、
透明な先走り液が淫靡な橋を作った。

「もうこんなに膨らませていたのか」

あまりにも恥ずかしい。
弟は顔を手で覆い隠した。

思わず硬直した陰茎に力が入る。
陰茎が根元からひくひくと小刻みに揺れた。

「僕の、まだ小さいから……その……」

「謙遜するには立派なイチモツだ。誇ったらどうだ」




23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:22:15 ID:11u66cHk


「うあっ!」

弟が答える暇はなかった。
兄は肉茎の猛々しさを称えてすぐに、
実弟の隆々と天を向いた肉頭を頬張った。

頂点から傘の裏にかけて丹念にしゃぶった。
鈴口を舌先で掘れば弟の腰が跳ね上がる。

口から溢れた唾液を塗り込むように
陰茎を上下に強く激しくしごく。

カリの裏側に舌を潜らせてぐるりと周回すると、
弟の股関節から足のつま先までが痙攣を起こした。




24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:22:52 ID:11u66cHk


「こんなの、すぐに……ぐっ、い……ああっ!」

裏手で敷布団を必死になって握り締めて腰を震わせる。

腰から下がふたつ目の意思を有したかと思うほど、
途絶えることなくビクビクと小刻みに震え続けた。

もっと辱めろと言わんばかりに腰が浮かびあがる。

兄は肉頭に唾液を絡めてねぶり、
肉幹のしごきに緩急をつけて、
陰嚢をじっくりと揉みしだいた。




25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:23:41 ID:11u66cHk


「もう、イっ、兄っ! 兄ぃっ!」

「いつでもいいぞ。好きな時に吐き出せ」

弟の背中が高く持ち上がった。
太鼓橋のように大きく弓なりに弧を描く。

持ち上がった腰が崩れ落ちてしまわぬように、
背中を左手で下からしっかりと押さえた。

兄は雄の本質をすぐにでも吹きだそうと
いきり立つ肉頭から幹の方へと口を移した。

居場所を失った右手が陰嚢を撫でてさらにくだる。




26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:24:14 ID:11u66cHk


そして臀部を何回か揉んで愛でると、
中指を突き立てて菊門に差し込んだ。

排出口から異物を挿入された不快感に
弟は目を瞠って小さな悲鳴を上げた。

陰茎への警戒が薄れたところで剛直を甘噛むと
驚きに硬度が増して、歯の間でビクンと脈を打った。

固く締める肛門をぐりぐりとほじくる。

無理矢理に指をねじ込んで深部を犯すほど
弟は息遣いと声を荒げて喘ぎながら拒んだ。




27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:24:59 ID:11u66cHk


「いっ、ぎ……ぐぅっ! あっ、あ、あぁっ!」

肉銛を食むために兄が膝立にならなければ
いけない程に、弟は大きく身をのけ反らせた。

それからの絶叫は言葉にならなかった。

言語として成り立たない声を出しながら

絶頂に達した弟は、弓なりに背を反ったまま
二回三回と体全体を強く身体を震わせた。

優しく噛まれていた陰茎の胴回りが一瞬だけ膨らみ、
ふぐりに溜め込んでいた白濁の熱を盛大に放出した。

排出は一度だけでは収まりきらなかった。




28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:25:37 ID:11u66cHk


陰部を咥えていた兄の顔を白色に汚してもなお、
満足できずに性器は脈打ちながら雄の匂いを吐き出し続けた。

短く見てもたっぷりと十秒は続いた射精を終えて
精根が尽きた弟は、弧の形になっていた身体を
ゆっくりと落として柔らかな布団に沈めた。

感じたことのない充足感が身を包んだ。

体全体に等しく重力を感じながらも
無重力の中に身を置いているような気分だった。

「はあはあ……へ、へへ……すごかった、よ」

まるで現実内の出来事ではないように思えた。




29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:26:09 ID:11u66cHk


精力を搾りだされた弟には、ほどよい徒労感があった。

これ以上の満足は後にも先にもない気がした。
おそらくは生涯で最上級の幸せを使ってしまった。

本当にそうだとしても弟に後悔はなかった。
後悔はない。けれども気がかりはあった。

「兄よ。僕はもう満ち足りた」

行為を終えたばかりだというのに、
身体を這う兄の手に不穏な気配を感じた。

悪い予感ほどよく当たる。
脇腹から胸部、そしてあごから耳へ。




30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:26:48 ID:11u66cHk


弟の輪郭を慈しむような動きで手が登ってきた。
細い両腕を上から布団に押し付けて兄は言った。

「俺のがまだ終わっていない」

緊張が抜けた弟の陰茎に熱を帯びて硬くなった何かが触れた。
それは兄の腕を彷彿とさせるたくましさを感じ取らせた。

「分かった。僕も舐めよう。同じように口で楽しませれば」

「その必要はない」

言葉を途中で遮り、弟の体をくるりと引っくり返した。
暖かい抱擁を受けていた背中が空気に触れて肌寒さを感じさせた。




31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:27:27 ID:11u66cHk


尻肉に熱棒をあてがわれて、ぞくりと寒気がした。
弟の腰を掴みあげて腰を突き上げさせる。

両手で左右の肉を掴んで開く。

中指でほぐしていた穴は空気を吸い込んで、
餌を欲しがって水面に顔を出す金魚のように
ぱくぱくと口の開け閉めを繰り返した。

「これではまだ狭いな」

「ん、ぐぅっ?!」

再び中指が狭い尻穴に浸入した。




32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:28:15 ID:11u66cHk


弟が絶頂を迎えてもなおいじくり回されていた
排泄孔は、兄の太い中指を根本まで容易く飲み込んだ。

早々と二本目の人差し指も挿入される。

背中に得体のしれない生き物が潜り込んで
暴れのた打ち回っているような錯覚を覚えた。

「兄よっ。ダメ……だ。これ、頭が、ヘンに……なる」

弟は息も絶え絶えになって抗議の声をあげた。
この距離で聞こえていないはずがない。

それなのに兄は口を閉ざしたまま答えようとしなかった。




33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:28:52 ID:11u66cHk


それどころかだった指に薬指を加えた三本の
指で弟の体内を縦横無尽に動き回りかき乱した。

挙動も段々と苛烈なものになり、弟の思考を蝕んでいく。
括約筋が緩んでいく猛烈な違和感に布団を噛み締めた。

背筋に並々ならぬ不快感が宿り付いた。

背中の中心から四方八方にもぞもぞと
根を生やしたかと思えば、ぐるりととぐろを巻く。

言葉では言い表せない不快さが我が物顔で
背の上に鎮座し、耐えがたい苦しみを味わわせた。




34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:29:26 ID:11u66cHk


兄の太くごつごつとした指による責め苦は、
十五分もの時間をかけてようやく終わった。

「この眺めを待っていた。逆さ富士にも勝る絶景だ」

兄は満足げな表情で弟の臀部をぺしりと叩いた。

「あ、あーっ、あぁーっ」

すっかりと緩んでしまった肛門がわずかに狭まる。

弟はだらしなく開いた口端から唾液がこぼして
枕に色の濃い水玉を作っていた。




35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:29:58 ID:11u66cHk


目は開いているが焦点は定まっていない。
起きながらにして夢を見ているような
恍惚とした表情を浮かべていた。

兄は意識を失いかけている弟の腰を掴んで高さを合わせた。

膝立をしたときに隆々と勃起した熱棒が
弟の腰の位置になるくらいに微調整を施す。

そうこうして挿入しやすい場所を見つけると、
兄は今一度弟の腰を掴み直した。

ひくひくと物欲しそうに震える
菊門に熱棒をあてがってやる。




36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:30:39 ID:11u66cHk


それだけで弟の体はひとりでに快感を
察知してぶるりと身震いを起こした。

どちらの準備も整った。
兄はいきり立っている肉茎を上から抑えて角度を変えた。

そして弟の開いたふたつ目の口に近付けて、

「おほっ?! おっ! おおぉーっ!!」

いきなり奥の深い部分まで一息に貫いた。

あまりの衝撃に獣じみた嬌声が弟の口から漏れた。
肉棒と摩擦した挿入部と腸壁が、一同に熱を迸らせた。




37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:31:38 ID:11u66cHk


その刺激は肛門から脊髄に飛び移って
上へと駆けのぼり脳を強く叩いた。

快楽主義者が欲する強烈な脳内麻薬が瞬間的に
大量に放出され、弟の視界がぱつぱつと明滅した。

一度突いただけで弛んでいた肛門がきゅっと締まり
兄の肉銛をぎりぎりときつく締め上げた。

「こんなに……強く、たまらない!」

痛みの中に快感を見出した兄は、噛みきらんとする
凶暴な狭まりから陰茎を強引に引き抜いて再び叩き込む。

肉と肉がぶつかる淫乱な響きが闇の中でこだました。




38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:33:21 ID:11u66cHk


「あっ! は、ぐぅっ! あ、あっ、ああっ!」

腸粘膜が擦られるごとに体内も挿入口も敏感になっていく。
制御しきれない快感に足ががくがくと震えだし、
型崩れした甘い声が勝手に咽喉奥から溢れ出た。

「どこだ! どこがいい!」

「も、もっと、もっと深くの……あ、そこ、がっ!」

腰と尻肉がぶつかり合うたびに弟の体がびくんと跳ねる。
弟はうつ伏せになって布団に顔を埋めた。

どこかに力を込めていないとすぐにでも
バラバラに壊れてしまいそうな気がした。




39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:34:50 ID:11u66cHk


しかし兄は、弟の脇の下に腕を通して上半身を抱き起こした。

「ひ、いっ?! あっ! ん、ぐっ! ううっ!」

すがりついていたものから引き剥がされた弟は、
背後から身体を支える兄の腕を力強く握り締めた。

激しい交わりに、弟は歯を食いしばった。

何度も息を吸い込もうとも、突き上げとともに
肺に溜まっていた酸素が押し出された。

射精の瞬間に脳内を巡り回る悦楽とは
比べ物にならない快感に、全身から汗が噴き出る。




40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:35:20 ID:11u66cHk


「兄っ! 兄ぃっ! もう! また、僕っ!」

名前を呼ばれた兄が弟の下腹部に手を回すと、
さっき果てたはずの肉棒に活力が戻っていた。

今度こそ兄弟で一緒に達したい。
兄弟がいる人間ならば起こりえる当然の欲求だった。

兄は腰と尻を撃ち鳴らしながら、弟の雄のみなぎりをしごき始めた。

前と後ろを同時に責め立てられてしまった弟は、
ふるふると首を振って快楽地獄からの救済を兄に懇願した。

「兄っ、これ、やだっ! お願いっ! 壊れる! 壊れちゃうっ!」




41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:36:47 ID:11u66cHk


性に実直で冷酷な兄は腰の動きをいっそうに早めた。
選択肢をもぎ取られた弟は、泣き喚く以外に道はなかった。

性行為によって生み出される無限の悦びが
脳内回路をショートさせて思考する能力を奪い去る。

肛門をほじくられ、陰茎を擦られる快悦は
弟を快楽への頂点へと一気に引き上げさせた。

視界も脳も白色で塗りつぶされてしまった。
受容力の限界値を越えた快感に伏して従うしかない。

全身で感じている快楽に抗えられなくなった弟は、
口から舌を出して、眉尻を垂らし、大きく目を見開いた。




42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:37:19 ID:11u66cHk


まさしく快感の隷属と呼ぶにふさわしい淫らな表情で
最後を迎えるための咆哮をあげた。

「イくっ!! 兄っ、僕また、イくっ! イくよっ!!」

「イけ! 俺も、お前とっ! ぐ、うあっ! ああっ!!」

「イきゅっ! イっ! あっ! ああっ!! あああああっ!!」

堤体が決壊したときのような放精が二本の肉棒から行われた。
兄の精液を取り込んだ弟が布団に精を撒き散らす。

全身から汗を垂れ流して布団に倒れ込んだふたりには、
聖域の噴水で水浴みをした精霊を思わせる神秘さがあった。




43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:37:55 ID:11u66cHk


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


全身が溶けていたような心地よい眠りから
兄を目覚めさせたのは、窓から入ってきた陽光だった。

ふたつの窓を覆っていたカーテンは開けられ、
輝かしい朝日を室内に招き入れていた。

「ようやく起きたかい」

重いまぶたをなんとか持ち上げる。
弟は椅子に座って足を組んで小説を開いていた。

弟はとても静かな表情で文字を読んでいた。
まるで昨晩の熱い営みが夢であったかのような穏やかさだった。




44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:38:34 ID:11u66cHk


兄は口を開いて、しかし何も言うことができずに閉ざした。
なんて声をかければいいのか分からなかった。

ありがとうは違う。気持ちよかったでもない。
どんな言葉を選んでも正解に届かない気がした。

正解を引けなかったにしても、弟は欲望を受け入れてくれた。

ならば言葉足らずでも、ここで何かしら
感謝や感想を口にすべきではなかろうか。

けれども間違えた言葉を選んでしまった場合は
相手の機嫌を損ねさせてしまう恐れもある。




45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:39:55 ID:11u66cHk


寝て覚めたことで無力で非力で他力に戻った兄に、
弟は呆れて深くため息をついた。

読みかけのページに目印のスピンを挟んで席から立つ。

ベッドの上で頭を抱えて動かなくなった兄の
横に腰をおろすと、腕をどかして唇を合わせた。

無理して言葉の中から答えを探す必要なかった。
その考えに到らなかった兄は、自身の浅慮を悔やむとともに、
唇を重ねてきた弟を感謝の気持で優しく抱きしめた。




46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 18:40:41 ID:11u66cHk

おわり




47: ◆Memo/g4n8M 2014/10/15(水) 18:42:14 ID:11u66cHk

Q、なんか途中から文体が違うんだけど
A、頑張れなかった 力尽きた ごめん




48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/15(水) 19:42:29 ID:aHfjMz7M

すごく抜きたくなった、訴訟




50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/16(木) 13:27:37 ID:MvH/J9cM

なぜそこを兄と妹にしないのだ
憤慨




51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/16(木) 17:20:14 ID:e.4j09vA

だがそれがいい





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