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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:07:55.71 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜〜ん)


男「だねぇ」

セン「そろそろお別れですね」

男「だねぇ」

セン「寂しいですか?」

男「いや別に」

セン「そうですか」
元スレ
扇風機「そろそろ秋ですねぇ」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1219817275/


 
 
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:13:28.45 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜〜ん)


セン「ご主人様」

男「ん?」

セン「私がこの家にきて」

男「うん」

セン「どれくらいになるのでしょうか」

男「7年くらいかな」

セン「そうですか」

男「早いものですね」

セン「ですね」




9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:19:31.45 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜ん)


セン「今日はわりと涼しいですよね」

男「うん」

セン「私、休んだほうがいいですか」

男「いや」

セン「?」

男「もう少しだけ、お願い」

セン「・・・」

セン「わかりました」




12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:25:32.35 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜〜ん)


セン「ご主人様」

男「ん?」

セン「最近、肩というか首というか」

男「うん」

セン「少し違和感があるのです」

男「それは困りましたね」
セン「はい困りました」

男「週末に電気屋さんで見てもらいましょう」

セン「ありがとうございます」




15: >>11 りません 2008/08/27(水) 15:33:04.44 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜ん)


男「そういえばさ」

セン「はい」

男「性別ってどっちなの」

セン「男性か、女性かということですか」

男「うん」

セン「・・・う〜ん、すみません」

男「わかんない?」

セン「すみません・・」

男「そうですか」




16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:38:44.16 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜〜ん)


男「それならさ」

セン「?」

男「自分の好きなほうに決めなよ」

セン「好きなほうですか・・・」

男「うん」

セン「う〜〜ん、悩みます」

男「気楽に気楽に」





18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:50:56.59 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「今晩はやけに蒸し暑いですね」

セン「そうですね」

男「申し訳ないんだけど」

セン「はい」

男「『強』にしてくれる?」

セン「いえ、今は『強』ですよ」

男「そうですか」

セン「そうですよ」

男「ではおやすみさい」



セン「・・・・おやすみなさい」




21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 15:58:32.50 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


セン「ご主人様」

男「ん?」

セン「ご主人様は昔と違って、」

男「うん」

セン「働いてお金を稼いでますし、」

男「うん」

セン「クーラーなどを買われた方が、」

男「うん」

セン「涼しくてよいと・・思うのですが・・・」


男「・・・」





22: >>19 ワロタww 2008/08/27(水) 16:06:44.67 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「確かにね」

セン「・・・!」

男「クーラーだって買えるし、」

セン「・・・はい」

男「そっちの方が涼しいな」

セン「そ、そうですよ。家電製品の私が保証します」





23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 16:14:14.48 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「・・でも、」

セン「?」

男「人間には『好み』っていうのがある」

セン「・・・?」

男「『俺はこっちのほうが好き』」

セン「・・・」

男「・・それじゃだめかな?」

セン「い、いえ・・・」




25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 16:20:25.28 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「じゃ、会社行ってくるよ」

セン「はい、行ってらっしゃいませ」

男「うん」

(がちゃ)

(ばたん・・・)







セン「ご主人様・・・」 

セン「ありがとうございます・・・」


セン「でも、もうすぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もうすぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




30: >>27 すみません・・・あまり長くはしませんので・・・・・・orz 2008/08/27(水) 16:35:48.46 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


(がちゃ)

男「ただいま」

セン「お帰りなさいませ」

男「・・・」

セン「どうされました?」
男「ごめん」

セン「?」

男「もう一回いってもいい?」

セン「もちろんですとも」

男「うん、ただいま」


セン「・・・」


セン「お帰りなさいませ」




33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 16:44:04.93 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「あ゙〜〜〜〜〜」

セン「・・・」

男「あ゙〜〜〜〜〜」

セン「くすくす」

男「ん?」

セン「いえ、懐かしいなぁと思いまして」

男「懐かしい?」

セン「はい、覚えてませんか?」

男「うん」

セン「昔はよくそれをされたものです」

男「そうだっけ」

セン「そうですよ」




37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 16:50:33.45 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


(ふきふき)

(ふきふき)

男「よし、きれいになった」

セン「すみません」

男「いえいえ」

セン「ご主人様に掃除をしていだけるなんて、」

男「ん?」

セン「明日はきっと雪ですね」

男「降らないでほしいなぁ」

セン「どうしてですか?」

男「それは内緒」

セン「そうですか」




38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 16:55:20.80 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


セン「今晩は涼しいですね」

男「ですね」

セン「止まりましょうか?」

男「・・・」

セン「お腹が冷えてしまいます」

男「・・・」

男「もう少し・・」

セン「?」

男「もう少しだけ・・・」

セン「・・・・はい」




40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 17:06:11.93 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


セン「ご主人様」

男「・・・」

セン「親愛なるご主人様」

男「・・・」

セン「眠られましたか・・・」



セン「たぶんきっと・・」

セン「ご主人様も気付いてるんだろうなぁ・・」


セン「もう少しだけ・・」

セン「もう少しだけ長く・・」


セン「ご主人様のお役にたちたいな・・・・」


セン「・・・・・・」




42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 17:11:19.54 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


セン「・・・・・」

セン「夜が長いです・・・」

セン「本当に・・・・・・」




男「お前がさ・・」

セン「!」

男「むにゃむにゃ・・」 
セン「寝言でしたか・・・驚きました」

男「むにゃむにゃ・・」





43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 17:20:51.59 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「・・・お前が初めて家に来た日のこと」

セン「・・・?」

男「・・・今でも覚えてるよ」

セン「・・・」

男「・・・親にさ、『クーラーじゃなきゃ嫌だ』ってだたこねて泣いたっけ」

セン「・・・」

セン「・・・ご主人様。その『寝言』は長くなりそうですか?」

男「ぎくっ・・・」

セン「くすくす」

セン「続けてくださいませ。私はご主人様の『寝言』が大好きですから」

男「む、むにゃむにゃ・・」

男「・・・ありがとう」

セン「いえいえ」




45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 17:28:05.29 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「む、むにゃむにゃ・・やっぱり・・」

セン「・・・」

男「『寝言』で言うのも失礼だから・・・」

セン「・・・」

男「今度話すよ・・・むにゃむにゃ・・」

セン「・・・」

セン「はい、お待ちしております」

男「・・おやすみ、『セン』・・・」

セン「!!」



セン「お、おやすみなさいませ・・・」




53: お待たせしました 2008/08/27(水) 17:59:06.15 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「おはよう」

セン「おはようございます」

男「今日は会社が休みです」

セン「それでしたら・・」

男「うん、この前話してた電気屋さんに行きましょう」

セン「はい」

男「では出発」





57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:11:30.82 ID:6VHHwoWNO

〜電気屋〜

(ぶ〜〜ん)


店員「見さして頂いた扇風機の方なんですが」

男「はい」

店員「動力部分に少し不備がありますね」
男「そうですか」
セン「・・・」

店員「問題の部品を取り換えれば、今までのようにご使用できますよ」

男「そうですか」

店員「ただ、」

男「?」


店員「その部品はもう造られてないんですよ」

男「・・・・・そうですか」

セン「・・・・・・」





59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:18:07.97 ID:6VHHwoWNO



(ぶ〜〜ん)


セン「私は旧型ですから」

男「・・・」

セン「仕方ないことですよね」

男「『仕方ない』なんて言い方・・」

セン「・・・?」

男「しないでよ・・・」

セン「・・・・・」

セン「・・・・すみません」

男「・・・・・・」




60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:22:58.45 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


セン「少し前のことなのですが・・」

男「?」

セン「性別なんてあるはずもない私に、」

男「・・・」

セン「男性と女性、好きなほうを選べっていったこと・・覚えてますか?」

男「・・・うん」

セン「私、決めました」

男「・・・」





62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:27:33.66 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜〜ん)


男「どちらに決めたんですか?」

セン「それは・・」

男「それは?」


セン「それは内緒です」

男「ここに来てまさかの内緒ですか」

セン「まさかの内緒です」

男「それは残念」

セン「元気を出してください」

男「頑張ります」




65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:39:04.32 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん)


セン「雨ですね」

男「雨ですね」

セン「大雨ですね」

男「大雨ですね」

セン「寒くはないですか?」

男「大丈夫です」

セン「毛布を被りながら言われても説得力がないですよ?」

男「大丈夫ったら大丈夫なのです」

セン「・・・・」

セン「では、頑張ります」




66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:44:42.95 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん)


男「おやすみ」

セン「おやすみなさいませ」



男「・・・・」

セン「・・・・・」

セン「・・・ご主人様」

男「・・・ん?」

セン「少しだけ・・『寝言』を話してもよろしいでしょうか・・・?」

男「・・ああ、何時でも聞くさ」

セン「ありがとうございます」





69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 18:50:58.59 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん)


セン「これは『もしも』の話です・・・」

男「・・・」

セン「もし私が壊れて動かなくなってしまったら・・・」

男「・・・」

セン「無理をせすに私を捨ててほしいのです・・」 
セン「私は・・・」

男「セン・・・」

セン「はい」

男「やっぱり今日は寝かせてくれ・・・」


セン「・・・・・」

セン「・・・・はい、おやすみなさいませ」




74: 今更ですが支援してくださってるかたありがとう 2008/08/27(水) 19:06:02.62 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん・・・)


セン「最近寒い日が続きますね」

男「そうですね」

セン「そろそろ夜は冷えますので・・、
暖房の用意をしなくてはいけませんね」

男「・・・そうですね」

セン「ご主人様。少し顔色がすぐれないようなのですが・・」

男「そうですか?」

セン「はい、今日は会社を休まれたほうがよさそうです」

男「・・・・・」








(ばたん・・・)





76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:13:07.59 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


男「ごほごほっ・・」

セン「私のせいです・・・私の・・・・」

男「・・・風邪とお前は関係ないよ」

セン「・・・・」

男「ごほごほっ・・」

セン「・・・すみません・・すみません・・・・・・・・・・」

男「・・それ以上謝ったら怒りますよ」

セン「・・・・はい」




80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:26:37.33 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


男「・・今から話すのは『もしも』話。」

セン「・・・」

男「もしもこの風邪がお前が・・センが原因だったとしよう」

セン「・・・はい」

男「それでも俺はまったくかまわない」

セン「・・・?」

男「そのおかげで今日、センと一緒にいられる」(にこっ)

セン「・・・!はい、すみませんでし・・・」

男「じ〜〜っ」

セン「い、いえ、ありがとう・・ございます」

男「うんうん」




82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:31:15.31 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


セン「風邪・・長引きますね」

男「だね」

セン「病院に行かれたほうがよろしいのでは・・」

男「だね。もう3日も熱下がらないし、昼になったら行こうかな」

セン「はい・・・」





83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:37:44.66 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


男「ただいま」

セン「おかえりなさいませ。夕飯とお風呂の方、
ご用意してありますよ」

男「うんありがとう」

セン「冗談ですよ?」

男「わかってます」


セン「・・ですよね」




84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:42:29.33 ID:TDUyjgpW0

もう夏も終わりか・・・




85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:43:15.56 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


セン「お医者様からはなんて言われたのですか?」

男「ただな風邪だそうです」

セン「それはよかったですね」

男「よかったです」

男「あ、ちょっとお風呂入ってくるね」

セン「はい、ごゆっくり」
男「うん」










男「『手術』・・か・・・」




89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 19:53:59.11 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


男「ただいま」

セン「おかえりなさいませ」

男「うん。今日はセンにプレゼントを買ってきましたよ」

セン「私にですか?」

男「私にです」

セン「気になります」

男「では開けてみましょう」




91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:01:10.80 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


セン「きれいな・・風鈴ですね」

(チリンチリーン…)

セン「それに、すごくいい音・・・」

男「お気に召されましたか?」

セン「もちろんです」

男「それはよかった。
でも少し時期はずれになってしまいましたね」

セン「かまいませんよ、そんなことは」

男「ありがとうございます」

セン「いえいえ、こちらこそ」





92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:07:24.00 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


男「ごくごく」

セン「何を飲まれているのですか?」

男「サプリメントというものです」

セン「ご主人様が健康を気にされている姿を初めて見ました」

男「若いうちからのお肌のケアが重要なのです」

セン「勉強になります」

男「・・・いえいえ」




94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:14:00.21 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…)


(チリンチリーン……)

セン「ご主人様」

男「ん?」

セン「こういったモノはやはり・・・」

男「自然の風じゃないと風情がないと?」

セン「はい」

男「型にはまった風情より、こちらのほうが好きです」

セン「ご主人様のおおせの通りに」

男「うむ、くるしゅうない」

(チリンチリーン………)




95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:20:21.51 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん……)


男「ごくごく」

セン「また、サプリメントですか?」

男「そうです」

セン「・・・」

セン「ご主人様」

男「なんでしょうか」



セン「私が気付かないと思いますか・・?」

男「・・・なんのことでしょうか」




99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:28:55.44 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん……)


(チリンチリーン……)

セン「・・・・」

男「・・・・」

セン「ご主人様」

男「・・・・」

セン「風鈴の音、寝づらくないですか・・」

男「大丈夫」

セン「・・・」

男「・・・・」

男「今日言えなかったこと・・・」

セン「・・・」

男「いつか・・話すから・・・」

セン「・・・・はい、お待ちしております」




103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 20:40:39.77 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん………)


男「おはよう」

セン「おはようございます」

男「今日は久しぶりに暑いですね」

セン「ですね」

男「頼りにしていますよ」

セン「おまかせ下さい」






セン「・・・と、言いたいところなのですが・・・」

男「・・えっ・・・・・?」




129: 旦⊂(・ω;`) どうもです 2008/08/27(水) 23:00:59.25 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…………)


セン「もう首が動かないのです・・」

男「・・・」

セン「羽も・・いつ止まるかわかりません・・」

男「・・・」

セン「・・・」

セン「ご主人様の病気のこと・・・」


セン「聞かせていただけませんか・・・?」

男「・・・・・」





133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 23:10:14.47 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…………)


男「・・・今度話します」

セン「『今度』とはいつですか」

男「・・・今度話します」

セン「・・・・」

セン「『今度』まで私が持つ保証など・・・」

セン「無いの・・ですよ・・・・?」


男「・・・お願いします」

セン「・・・・」

セン「・・・・わかりました・・」




135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 23:23:24.78 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…………)


男「最近、同じ夢をみるのです」

セン「そうですか」

男「とても楽しい夢なのです」

セン「それはよいことです」

男「いえ、『それ』がとても辛いのです」

セン「楽しい夢なのに辛いのですか?」

男「はい」




男「それがもう・・叶わぬ夢だからです」

セン「・・・・・」




136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 23:29:01.58 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…………)


男「おはよう」

セン「おはようございます。今日は早起きですね」

男「ええ、ちょっとお出かけをしてきます」

セン「遠い所ですか?」

男「いえ・・まだ行ったことが無い場所ですのでわかりません」

セン「そうですか」

男「そうです。では行ってきます」

セン「いってらっしゃいませ」




143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 23:40:34.95 ID:6VHHwoWNO

(ぶ〜ん…………)




セン「私の体が悪くなるにつれて・・・」

セン「ご主人様の体調も悪くなってる気がする・・・・」

セン「・・・・・・」

セン「もし私が・・」

セン「ここで止まってしまったら・・・・・」

セン「・・・・・・」



セン「頑張ろう・・・もっと・・・・もっと・・・・・」




156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(水) 23:54:23.65 ID:6VHHwoWNO

〜ゴミ集積所〜


職員「どちら様ですか?」

男「初めてまして、男と申します」

職員「できれば事前にご連絡を入れて欲しかったですね」

男「すみません、急に押し掛けてしまい」

職員「いえ、それでご用件の方は」

男「はい、それが・・・」




159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:02:56.16 ID:SW+67L61O





職員「・・それで、こちらの写真と同じ扇風機を探しておられると」

男「はい」

職員「初めてですよ、そんな用事でこられた方は」

男「すみません」

職員「いえ、皮肉などではないですよ。」

男「はい」

職員「見たところかなり古い型のようですが、」

職員「どうしてまたこんな物を?」

男「・・・・・」





160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:10:30.63 ID:SW+67L61O



男「家にこの型と同じ一台の扇風機があります」

職員「ほうほう」

男「ただ、最近とても調子が悪いのです」

男「それで、代わりの部品を探しているのです」

職員「ほうほう。そういうわけでしたか」

男「そういうわけです」





163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:18:45.52 ID:SW+67L61O



職員「ただ残念ながら、今ウチにはないですね」

男「そうですか・・・」

職員「大切にされてる・・扇風機なんですね」

男「長い・・付き合いですから・・・」

職員「・・わかりました。では電話番号を聞かせてもらえますか」

男「えっ・・・?」

職員「今日はなくとも明日は有るかもしれません、」

職員「もし見かけたら・・すぐに連絡を入れますよ」

男「ありがとう・・ございます・・・」

職員「いえいえ」




164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:23:53.66 ID:SW+67L61O



男「今日は本当にお世話になりました」

職員「いいですいいです」

男「では、失礼します」

職員「ええ・・・・、」

職員「あっ、ちょっと待ってください」

男「?」

職員「最後にお話したいことがあります」

男「・・・・?」





166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:33:06.62 ID:SW+67L61O



職員「『今在るもの』には、必ず終わりがくるのです」

男「・・・・」

職員「あなたにも私にも」

男「・・・・」

職員「あなたの扇風機にも・・・」

男「・・・・」

職員「その『終わり』を笑顔でむかえられるのは、」

職員「とても・・・とても幸せなことだと思うのです」

職員「これからも大切に扱ってあげて下さい・・・」

男「・・・もちろんです」





168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:43:23.72 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん……………)


男「ただいま」

セン「おかえりなさいませ」

男「うむ」



(どん・・・)


(どん・・・)



セン「・・・?」

男「・・・・・・」






169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:45:12.91 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん……………)


セン「今晩は花火のようですね」

男「・・・うん」

セン「きれい・・ですね・・・」

男「・・・・・うん」

セン「どうして・・・泣いておられるのですか?」

男「泣いてなどいません・・気のせいです・・・」

セン「・・・確かに、気のせいでした」

男「ありがとう・・・ございます・・・・」

セン「・・・・」

セン「・・・・いえいえ」





172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 00:58:09.70 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん……………)


男「おやすみ」

セン「おやすみなさいませ」

男「うっ・・・・!!」

セン「どうされました?」

男「い、いえ。トイレに行くのを忘れていました」

セン「そうですか」









男「・・・・・・」

男「こんなに血が・・・・」

男「病気のこと・・・センに話そう・・・・」





174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:04:24.45 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「おはよう」

セン「おはようございます。では朝食を作ります」

男「・・・・」

セン「ご主人様?」

男「セン・・・・」

セン「はい」

男「大事な・・話があるんだ・・・」

セン「・・・・・はい」





178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:11:01.98 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


セン「お身体のことですか?」

男「そう、病気のことです」

セン「治らない・・病気なのですか?」

男「・・・・いや、」

男「治す方法が無いわけではないんだ・・・」

セン「・・・・・」

男「・・・・でもな・・セン・・・」





181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:17:27.94 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「治すためには手術が必要で・・・」

セン「はい・・・」

男「でもそれが成功する確率は・・・とても低いんだ」

セン「どれくらい・・なのですか?」

男「良くて・・・、」

男「『1割』だそうだ・・・・・」

セン「・・・・・・」





183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:22:46.40 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「今飲んでいる薬をもう少し重くすれば」

セン「・・・・」

男「あと半年は・・生きれるらしい・・・・」

セン「・・・・・」

男「・・・・・」

セン「ご主人様は・・」

男「ん?」

セン「どうされるおつもりなのですか・・・?」

男「・・・・・そうだなあ・・」




185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:36:57.85 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「俺は・・・このまま薬を飲んで、」

セン「・・・・・」

男「半年だけ、生きようと思う」

セン「でも・・治る可能性があるなら・・・」

男「『手術を受けたほうがいい』?」

セン「はい・・・」

男「でも・・・・」

セン「確率は低いのですよね・・・」



男「・・・・・セン」

セン「はい」

男「センは・・お前はどうしてほしい・・・?」





188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:43:58.29 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


セン「1割の手術に賭けるか・・・」

セン「半年だけの『生』をとるか・・・・」

セン「・・・・・」

男「・・・・・」

男「決められない・・・?」

セン「・・・すみません・・・・・・・・」

男「・・・いえいえ」

男「『仕方ない事』なのです・・・・」





191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:51:00.62 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「・・・・・」

セン「・・・・・」

(プルルプルル)

セン「お電話ですよ」

男「・・・・・」

セン「お電話ですよご主人様」

男「おっと、今取ります」

セン「そうしてください」

(カチャ・・・)

男「はいもしもし男です」





193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 01:57:31.98 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


??「もしもし男さん。お久しぶりです」

男「えっと・・・」

職員「ああすみません、職員です。ゴミ集積所でお会いした」

男「いえ、こちらこそ気付かずにすみませ・・・」

男「・・・・!」

男「もしかして、見つかったのですか」

職員「・・・・・・」





195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:04:55.50 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


職員「いえ、残念ながらまだ・・・」

男「そう・・ですか・・・・」

職員「期待を持たせるようなことをしてしまい、
すみませんでした・・・」

男「いえいえ」

職員「今回お電話をした理由は、
男さんについてきてもらいたい場所があるからです」

男「遠い場所ですか?」

職員「少しだけ・・・」





197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:12:59.12 ID:SW+67L61O

(ぶ〜ん………………)


男「今から出掛けることになりました」

セン「そうですか」

男「帰りは少し遅くなりそうです」

セン「そうですか」

男「寂しいですか?」

セン「寂しいです」

男「素直でよろしい」

セン「ありがとうございます」





扇風機「そろそろ秋ですねぇ」【後編】へつづく


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