1:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:16:06.74 ID:l7VywiqX0

これは、みんなの大好きな、緑色のあいつの話だ。
ちょっと読めば、何のことを言っているかわかると思う。
だめな人ほど、緑色のあいつには詳しいから。

あるところに、中古のメイド・ロボット(少女型)を、
やましい目的のために買おうとしている男がいた。
みんなが想像する以上に、やましい目的だった。

男は引退したばかりのロックンローラーだった。
しょっちゅう薬や喧嘩で捕まるので、かつては、
「この世で最も教育に良くない男」と呼ばれていた。

「住み込みのメイドロボットが欲しい」とロックは言った。
「どういったのがお好みで?」と業者の男が聞いた。
「なにもしゃべんないやつ」とロックは答えた。
ロックは自分以外のうるさいやつが大嫌いだった。

「ああ、それなら、うってつけの子がいます」
そう言って業者の男が連れてきたのは、
15歳くらいの、元気のない少女型だった。

元スレ
みんなの大好きな、みどりいろのあいつの話
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1364714166/


 
 
5:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:19:59.14 ID:l7VywiqX0

「このロボット、どういうわけか、何も喋ろうとしないんです。
でも耳の方はきちんと聞こえてますので、ご安心ください」

ロックは少女型ロボットを見て、一目で気に入った。
すべてにうんざりしてる感じの目が、とてもよかった。

「この子を買うよ。名前は何て言うんだ?」

「19です。ジューク。旦那、ロックの精神を見込んで、
あなただけに、ジュークの秘密をお教えします」

男はジュークの細い肩を乱暴に叩いて、言った。
「実を言うと、ジュークはロボットじゃないんです」

「ナマモノか?」とロックは目を輝かせた。





6:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:22:21.75 ID:l7VywiqX0

「ええ。ですが、体のほとんどが機械なので、
普通にしていれば、正体がばれることはありません。
脳もほとんど機械同然なので、管理しやすいです。
前の持主の記憶は、きれいに消してあります」

ロックはサングラスを外し、改めてジュークを眺めた。
手足は細く、左肩にはやけどしたような跡があり、
やわらかい黒髪は、腰くらいまでの長さがあった。

ロックはしばらく悩んだが、ロックンローラーたるもの、
人身売買の一つや二つ、やっといた方が良いと思った。





7:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:22:27.01 ID:cIqxbOjv0

ガチャピンを期待した





8:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:26:33.40 ID:l7VywiqX0

「ますます気に入った。こいつを買わせてもらう。
ただし、こいつが本当は生身であることに関して、
俺は何も知らなかったということにしとけよ?」

「もちろんです。『我々は何も知らなかった』のです」

ジュークはとことこ歩いてロックの前に立ち、
両手を前に差し出して、奇妙な動きをした。

それは手話だった。

ジュークは手話で『よろしくおねがいします』と言っていた。





9:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:28:43.00 ID:aqX02S+n0

もうグリーン姐さんしか思い浮かばない





10:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:30:35.15 ID:l7VywiqX0

「ああ、よろしくな」とロックは答えた。
それくらいの手話なら、彼も理解できた。

ここ数年で急速に増えた音響兵器のせいで、
五人に一人が難聴という時代になっており、
手話は珍しいものではなくなっていたのだ。

『あなたのことは、なんてよべばいいんでしょう?』
店を出ると、ジュークは手話でそう聞いてきた。

「喋れないくせに、妙なことを気にするやつだな。
しかし……自分で言うのもなんだが、俺の顔、
相当有名なはずだぞ。テレビで見たことないのか?」

ロックはサングラスを外し、自分の顔を指差した。





11:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:32:03.74 ID:bw9cuV0wO

ピ…ピッコロさぁぁぁん!





12:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:32:09.85 ID:VY2JJ8In0

カメムシだと思ったのに





13:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:32:33.99 ID:l7VywiqX0

ジュークはしばらく彼の顔を眺めていた。
ロックは確かに、有名人的な顔立ちをしていた。
きれいな金髪の、意地の悪そうな美男子だった。

『すみません、みたことがないです。
てれびをみることが、あまりなかったので』

「そうか。俺はさ、有名なシンガーだったんだよ。
ロックンローラーの最後の生き残りって呼ばれてた。
ロバート・プラントの再来とも言われてな。

まあいい。知らないなら、それはそれで気が楽だ。
俺のことは、そうだな、『マスター』と呼べばいい。
普通のメイドロボットなら、そうするだろうから」

ますたー、とジュークは口を動かした。

どうしてこの子は喋れないんだろう?
そうロックは思った。前の持主の趣味だろうか?





14:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:35:43.97 ID:l7VywiqX0

自宅に入り、ドアを閉め、ロックは一息ついた。
引退したとはいえ、マスコミの目はそこら中にある。
最近離婚したばかりのロックの、そのとき支払った
慰謝料の額は、ちょっとしたスキャンダルになっていた。

ジュークはロックの腕に軽く触れ、聞いた。
『わたしはなにをすればいいんでしょう?』

ロックは辺りをきょろきょろ見回し、
誰もそこにいないことを確認した後、言った。

「今日からお前は、俺のマミーになるんだ」

『……まみー?』ジュークは聞きかえした。

「そうだ。ジュークは、俺のママになるんだ」

このひとはなにをいっているんだろう、とジュークは思った。
いかれてるのかな?





15:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:38:18.34 ID:l7VywiqX0

「ジュークはなにも、特別なことはしなくていい。
ただし、俺はときどき、無性にマミーが恋しくなる。
そういうとき、俺はジュークを、マミーとして扱う」

そう言うと、ロックはジュークに抱きついた。
らんぼうされるのかな、とジュークは身をこわばらせたが、
ロックはジュークにしがみついたまま、じっとしていた。

「会いたかったよ、マミー」とロックは言った。

ジュークはすごく困ったような顔をしつつも、
27歳のロックの背中をぽんぽん叩いてあげた。

第一印象とは、大分違う人間のようだった。





18:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:45:20.36 ID:l7VywiqX0

二十分くらいして、ロックはジュークから離れた。
ジュークは緊張でくたくたに疲れていた。
ロックは十分にマミー成分を補給できたらしかった。

『あの、ますたー』とジュークは手話で言った。
『まみーがほしいんでしたら、わたしなんかより、
もっとまみーっぽいろぼっとがいるとおもいますよ?』

「普通の女じゃ駄目なんだ」とロックは言った。
「俺には、女の前では強がる使命がある。
引退しても、俺はロックンロール・スターなんだ。
でも、お前くらいの少女の前なら強がらなくて済む、
素直に甘えられる、情けない姿も見せられる」

へんなひとだなあ、とジュークは思った。
にじゅうじんかくのひとみたい。





19:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:46:13.65 ID:l7VywiqX0

ロックは二回離婚したことで有名だったが、
ジュークはこれまで四回持ち主に売り飛ばされていた。

ジュークは持ち主に見限られるのが得意だった。
わざとまずいご飯を作ったり、掃除を雑にやったり、
寝坊したり、持ち主に対して失礼な態度をとるのは、
さっさと売り飛ばされて、倉庫に戻りたいからだった。

ジュークは今回もそうするつもりでいた。
「マミー、夜ご飯が食べたい」とロックが言ったので、
ジュークはエプロンを着て、油と塩の味しかしない料理を作った。





20:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:50:24.68 ID:l7VywiqX0

しかし、ジュークの料理を食べたロックは、
文句を言うどころか、嬉しそうに笑った。
「マミーの料理はおいしくないなあ」
そう言いつつ、残さず食べてしまった。

次にジュークは、印象を悪くする狙いで
わざとロックの前で何度もあくびをした。

「ジューク、眠いのか?」とロックは聞いた。
ジュークはこくこくうなずいた。

「初日だからな、緊張して疲れたんだろう?」
ロックは「俺も寝よう」と言って寝支度を始めた。





21:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:54:37.26 ID:l7VywiqX0

ロックはジュークの手を引いて寝室へ行った。
ふかふかのベッドにジュークを寝かせ、
ロックもその隣にもぐって、明かりを消した。

「おやすみ、マミー」とロックは言い、
ジュークの胸に顔を埋めて寝た。

ジュークはきまりの悪そうな顔で、
さっさと寝付いてくれるのを願う一心で、
ロックの胸を優しくとんとん叩いてあげた。

はやくひとりになりたいなー。





22:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 16:59:24.62 ID:l7VywiqX0

ロックが寝息を立て始めたのを確認して、
ジュークはそっとベッドから出ようとした。

するとロックの手がジュークの腕をつかんだ。
「マミー、ここにいてくれ」

ジュークはしぶしぶ毛布に潜り、
27歳児の抱き枕として一晩中機能した。

ますたー、わたしがここにくるまで、
どうやってせいかつしてたんだろう?





23:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:01:16.70 ID:aWLaPcPF0

俺の知ってる枝豆と違う





24:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:04:49.40 ID:l7VywiqX0

次の日も、その次の日も、
ジュークはロックに嫌われる努力をした。

掃除機で真空管アンプをがんがんやったり、
高級な革ジャンを洗濯機に入れて洗ったり、
灰皿の中身をミキサーにぶちまけたり。

ロックはその度に嬉しそうに困っていた。
ジュークに困らせられるのが好きらしかった。
まいったなあ、とジュークは思った。
どうすればきらいになってくれるんだろう?

あまり露骨に反抗の意志を見せると、
記憶を消されるだけに終わる恐れがあった。

あくまで自然に嫌われる必要があるのだ。
「こいつは使えない」と思わせる、とか。





25:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:12:01.95 ID:l7VywiqX0

自分をなまけものに見せる狙いで、
ジュークは倉庫に隠れて昼寝をしてみた。
そこにはウッドストックの人形があって、
ジュークはそれを枕にして横になった。

「ジューク、どこ行った?」とロックが呼んだ。
ジュークは目を閉じて、寝たふりをした。

倉庫のドアを開けたロックは、
変な体勢で寝ているジュークを見つけた。

ジュークはどきどきしながら怒られるのを待っていたが、
ロックはジュークを身長に抱えあげると、
寝室まで運んでベッドに寝かせた。





26:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:16:24.26 ID:l7VywiqX0

窓から差し込む日差しがあったかくて、
ジュークは本当に寝入ってしまった。
『あしたこそ、きらわれてやるぞ』、と決意しながら。

その日、ジュークはおいしい夕食を作った。

ちなみに。ジュークは知るよしもなかったが、
ロックがジュークを大事にするのは、
始めっから手放すつもりでいたからだ。

どうせなら、元値に近い値段で売れるように、
丁寧に扱おうと思っていたのだ。

電化製品には、よくある話。





28:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:31:17.88 ID:l7VywiqX0

購入からちょうど100日たったその日、
ジュークの記憶を消して、売り飛ばそう。
そうロックは考えていた。

ある意味では、ジュークとロックの利害は、
最初から一致していたのだ。





31:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 17:50:29.90 ID:hNwMrIxK0

          / ̄ ̄ ̄\
         /   ⌒  ⌒ ヽ
         /   ( ●)(●) |
         |    (__人__) }   うーっす
        /、.    ` ⌒´  ヽ
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         |  ├──┤ |
         |  ├──┤ |





32:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 18:21:49.99 ID:l7VywiqX0

ロックは外に出るたび、しょっちゅう喧嘩をしてきた。
警察に捕まって、三日くらい帰ってこないこともあった。

そして家に帰ると涙目でジュークに抱きついて、
「マミー、また喧嘩しちゃったよ」と言った。

その度ジュークはロックの怪我をみたり、
しばらくロックを慰めたりしなければならなかった。
なくくらいならけんかしなきゃいいのに。

『ますたー、ほんとはけんかきらいなのに、
どうしてそんなにけんかばっかりするんですか?』
ラグビー選手と喧嘩してきて傷だらけのロックに
皮膚スプレーを吹き付けながら、ジュークは聞いた。





33:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 18:25:41.23 ID:l7VywiqX0

ロックの答えは、こんなものだった。

「マミー、俺は、無法者を演じなきゃならないんだ。
ロックンローラーの俺が、何もできない皆の代わりに、
法律を破って、暴言を吐いて、喧嘩しなきゃならないんだ。

つまり、俺は必要悪で、必要バカで、必要クズなんだよ。
俺みたいな成功者が大人げなく社会に反抗するのを見て、
勇気を与えられている人がたくさんいるんだ」

そう言うと、正座したジュークのひざに頭を乗せ、
ロックはそのままぐっすりと眠り込んでしまった。
ろっくんろーらーというやつはたいへんなんだな。





35:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:05:41.68 ID:l7VywiqX0

家の中では四歳児みたいに甘えるロックだが、
一歩家の外に出ると、態度は急変して、
ジュークを娘のように扱うのだった。

「だって恥ずかしいだろ?」とロックは言った。
「母親と歩いてるところを見られるのは嫌だろ」
ちゅうがくせいみたい、とジュークは思った。

ただ、ジュークとしては、母親のように扱われるより、
娘のように扱われる方が楽しかった。
ロックに抱っこされたり、頭を撫でられたりすると、
不覚にもふわふわした気持ちになった。





36:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:10:13.50 ID:l7VywiqX0

ジュークがロックの家に来てから70日目、
ロックはジューク用のベッドを買ってきた。

『ますたー、もうひとりでねれるんですか?』
ジュークはシーツを張りながらロックに聞いた。

「わからない」とロックは肩をすくめた。
「でも、徐々にそういうのに慣れていかないとな。
いつまでもマミーと寝ているわけにもいかない」

これが”おやばなれ”というやつか、とジュークは思った。





37:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:17:22.05 ID:l7VywiqX0

その夜、ジュークは初めて一人で寝ることになった。

きょうはちょっとさむいな、とジュークは思った。
頭まで毛布に潜ってみたが、やっぱり寒かった。

翌日も、その翌日も、やっぱり寒かった。
ジュークはそれを毛布のせいだと思った。
このもうふがいけないんだ。うすいから。

ますたーのベッドのもうふと、なにがちがうんだろう?
そう考えたジュークは、ロックのベッドに潜りこみ、
ロックに抱きついて、「ああ、なるほど」と納得し、
体が温まるまではそうしていようと決め、
結局、そのまま眠り込んでしまった。





39:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:38:02.23 ID:l7VywiqX0

目を覚ましたロックは、隣でジュークが寝ているのを見て、
「寝ぼけた俺が連れ込んだのかな?」と思った。

それ以後、ジュークは毎日ロックのベッドに潜りこんだ。
しかも以前はロックがジュークに抱きつくだけだったのに、
今ではジュークの方からロックに抱きつくようになっていた。

五日目の朝、ロックはジュークに言った。
「そうか。ジュークも、パピーが欲しいんだな?」

『えっと……そういうわけじゃないんです』とジュークは答えた。
『なんか、ひとりでねてると、さむいんです』





42:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 20:03:13.52 ID:l7VywiqX0

ロックはジュークの言葉を無視した。
「じゃあ、俺がジュークのパピーになればいいんだ」

『でも、わたしはますたーのマミーなんでしょう?』

「ああ。そして俺はお前のパピーだ、ジューク」

『なんかおかしいですよ。へんです』

「おかしくない。パピーとマミーが一緒にいる。自然だ」

『……そのいいかただと、”ふうふ”みたいですね』

そう言った後、ジュークはちょっと照れた。
わたしはなにをいっているんだ!





43:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 20:30:18.30 ID:l7VywiqX0

100日目。
ロックはジュークにきれいな服を着せた。
そうした方が綺麗に見えて、高く売れるからだ。

ロックはジュークを連れて外に出た。
ジュークはその服が気に入っていて、
いつになく機嫌がよかった。

『マミーとてをつなぎましょう』とジュークは言い、
ロックの手を引いて、ちょっと楽しそうに歩いた。

自分がこれから売り飛ばされることには、
まったく気付いていない様子だった。





44:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 20:37:41.57 ID:l7VywiqX0

気付けばジュークは、あんまりロックに
嫌われたいとは思わなくなっていた。

ますたー、わたしがなにをしてもおこらないし、
わたしのぱぴーになってくれるし、
あったかくてだきごこちがいいから、
ますたーにきらわれるの、やめにしよう。

そうジュークは思った。





45:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 20:53:25.23 ID:0O4SWHc70

売るなよ
もっと可愛がってやれよ





46:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:03:49.73 ID:l7VywiqX0

ロックが立ち止まったそこは、
かつてロックがジュークを購入した店だった。

「俺がここでジュークを買ったあの日から、
今日でちょうど100日目だ」とロックは言った。

ジュークは『そうなんですか』と無邪気に笑う。

「これは、最初から決めてたことなんだ」
ロックは自分に言い聞かせるように言う。

「この病気が治ろうと治るまいと、100日きりで、
もう、こういう空しいことはやめにしようって。
ジュークを買ったその日から、決めてたことなんだよ」

ロックはジュークの肩に右手を置く。
「ジューク、今日限りで俺は、マミーを卒業するよ」





47:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:19:09.53 ID:l7VywiqX0

ジュークは表情を固めたまま黙りこんでいたが、
全てを受け入れるまで、そう長くはかからなかった。

ロックに向かってぺこりと頭を下げると、
ジュークは自分から店に向かって歩いていった。

このきおくは、すぐにけしてしまおう。
ジュークはそう思った。

扉の手前でジュークはふと振り返り、
自分の衣服や髪留めを指差して言った。

『これ、おかえしします。ますたーのしょゆうぶつですし』





49:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:28:55.62 ID:DwjvdISd0

ハルクにこんな悲しい過去があったなんて・・・





50:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:32:38.89 ID:l7VywiqX0

ロックは「ああ、たしかにそうだ」と言うと、
ジュークに歩み寄り、小さな体をひょいと抱え上げた。
腕の中で目を丸くしているジュークに、ロックは言った。

「でもジュークは、何か勘違いしてるみたいだな。
それを言うなら、ジュークだって、俺の所有物なんだ。
マミーはもう、いらない。でもだからと言って、ジュークが
俺のところから出て行っていいという理由にはならない。
高い買い物だったんだ。二百年は使わないと割に合わない」

『えっと』とジュークはしどろもどろの手話で返した。
『わたし、すてられないってことですか?』

「そうさ。残念だったな」とロックはいたずらっぽく笑った。





53:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:42:13.41 ID:fIz/CV3r0

素敵だなおい





54:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:45:14.93 ID:l7VywiqX0

帰り道の半分くらいまで来ても、
ジュークは自分に起こったことが信じられず、
これは自分が廃棄されている最中に見ている
都合の良い幻覚なんじゃないかと思っていた。

だがロックが小声で口ずさむ歌を聴いたことで、
ようやく「ああ、これ、げんじつなんだ」と気づき、
慌ててロックの胸を叩いて地面に下ろしてもらって、
あらためてロックに礼を言った後、遠慮がちに抱きついた。

ロックも直前までは、本気でジュークを捨てる気でいたのだ。
でも自分から姥捨て山に歩いていくジュークの背中を見て、
ふとロックは思った。あれを手放すわけにはいかない、と。





58:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:57:39.23 ID:l7VywiqX0

帰宅後、夕飯の支度を終えたジュークは、
譜面とにらめっこするロックを見て、
その横におそるおそる座ってみた。

「もっと近くにこい」とロックは命令した。
言われた通り、ジュークはそばに寄った。
ジュークはロックのきれいな金髪を見ていた。

「ところでジューク」とロックは口を開いた。
「”19”ってのは、シリアルナンバーか何かか?」

ジュークはちょっと迷ってから、こう答えた。
『じゅーくぼっくすの”じゅーく”なんですよ、ゆらいは』





59:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:03:40.78 ID:l7VywiqX0

「ジュークボックスとお前に、何の関係があるんだ?」

『んーと、わたし、むかしは、こえがでたんですよ。
それで、ちょっとだけ、うたをうたうのがとくいだったんです』

「歌が得意だった?」ロックは訊きかえす。

『はい。もちろん、ますたーほどじゃありませんけどね。
でも、たのまれれば、どんなきょくだろうとうたってました。
そういういみで、じゅーくぼっくすの”じゅーく”なんですよ』

「なるほど。別に18とか20がいるわけじゃないのか」
ロックはちょっと残念そうに言った。





60:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:10:10.54 ID:l7VywiqX0

ロックは自分の書いた譜面を指差して、言った。

「歌の経験があるなら、ジュークも分かるだろう?
見ろよ、本当にきれいな譜面だ。いい曲は譜面まで美しい。
さっき、なかなかいい曲を書いちまったんだよ、俺は。
全盛期の俺以外歌えないような広音域なのが問題だが」

そう言って、ロックはジュークに五線紙を手渡した。
ジュークはロックの書いた曲の譜面を、
ラブレターでも読むみたいな表情で読んだ。

こういうの、なつかしいなあ。
ジュークは頭の中でそうつぶやいた。





62:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:15:12.16 ID:l7VywiqX0

音符に集中しているジュークの形の良い頭頂部を、
ロックは穏やかな目で見つめていた。

「100日目にしてようやく気づいたんだが、
ジュークの髪、黒でコーティングされてるだけで、
本当の色はエメラルドグリーンなんだな」

ロックはそう言ってジュークの髪に触れる。
ジュークはくすぐったそうに顔をかたむける。

「いや――正確には、ハツネグリーンか。
なあジューク、この色名の由来を知ってるか?
“ハツネ”っていうのは、ちょうど百年くらい前に、
日本から生まれたディーヴァの名前なんだ」





74:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:14:07.00 ID:l7VywiqX0

「”ヴォーカロイド”って言葉くらい知ってるだろう?
現状からするとちょっと信じがたい話だが、
三十年くらい前までは、人間の歌ったものより、
ヴォーカロイドの歌ったもの方が人気があったんだ。

まあ、ヴォーカロイドに人気があったというよりは、
商業音楽が自滅した、っていう方が近いのかもしれない。
あんまりにもあらゆる権利を主張し過ぎたんだな。
反動で一時期同人音楽が大流行したんだが、
その流行を支えたのが、ヴォーカロイドの存在だったんだ。

今でこそ同人音楽の一切が禁止されて
日の目を見なくなったヴォーカロイドだが、
全盛期は、本当に世界中を熱狂させてたんだよ。

ヴォーカロイドの中でも特に絶大な人気を誇ったのは
ハツネグリーンの由来となった『ハツネ』なんだ。
歌は上手くなかったんだが、キャラクターが受けて……」





75:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:19:25.89 ID:l7VywiqX0

ジュークは立ち上がり、五線紙をロックに返した。
そして部屋の隅にあるシンセサイザーの前に座り、
先ほどの譜面を、正確過ぎるほど正確に弾き語ってみせた。

「ますたーのいうとおり、わたしは、うたがうまくないです」
演奏を終えたジュークは、そう言ってはにかんだ。

ロックはしばらく黙り込んでいた。
「ジューク、お前……声が出せたのか?」

「はい。このとおり、ぎこちないですけどね」

まるで、百年前の機械の合成音みたいな声。
そしてコーティングに隠れたハツネグリーンの髪。
完璧すぎる音程、広すぎる音域。

まるで”そのもの”じゃないか、とロックは思う。





77:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:29:39.99 ID:l7VywiqX0

「馬鹿馬鹿しい質問をひとつ、いいか?」

「なんでもきいてください、ますたー」

「ジュークは……ハツネなのか?」

「はつねは、じつざいしません」

「そりゃそうだ。分かった、質問を変えよう。
ジュークはなぜ、ハツネにそっくりなんだ?」

ジュークは左腕を差し出して、手首を回す。
途端、左腕に、髪と同じ色ボタンが複数現れる。
古いシンセサイザーのパネルを彷彿とさせるデザイン。
まるでヤマハのDX7みたいだな、とロックは思った。





78:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:35:43.09 ID:l7VywiqX0

「じゅーくは、ほんもののはつねではありません。
ただ、かぎりなくちかいものではあります。
そうなるように、からだをいじられたんです」

「弄られた?」ロックは顔をしかめる。

「さいしょは、じゅーくもふつうのにんげんでした。
かみはくろくて、こえもふつうでした。
でも、むりやりはつねにさせられたんです。

といっても、きおくはけされちゃったから、
じぶんがどういうにんげんだったのかは、
おもいだすことができませんけどね」





79:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:41:39.25 ID:eAd9W+2c0

悲しいな





80:名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:50:37.31 ID:l7VywiqX0

「こりゃ傑作だ」とロックは手を叩いた。
「69と暮らす19は、本当は39だったわけだ」

ロックは笑った。ジュークは笑わなかった。

「正直、気がめいる話だ」とロックは額に手を当てた。

「そうか、ハツネグリーンの髪を黒くコーティングして
喋れないふりをしてたのには、そういう理由があったのか。
たしかに今の時代、ハツネの姿と声で街を歩いてたら、
いきなり拳銃で撃たれても不思議じゃないからな。
……肩の火傷は、誰かにやられたのか?」

「いえ、ここに、01ってかいてあったんですよ。
それをけすために、ちょっとやいたんです」
ジュークは襟から肩を出して、その跡を見せた。





81:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 00:00:35.98 ID:l7VywiqX0

いつの間にか、激しい雨が屋根を叩いていた。

「そういういみでも、ジュークは、ここにいるだけで、
ますたーにめいわくをかけてしまうかもしれません」

ロックはジュークの火傷跡をじっと見つめていた。

「俺の喉にさわってみな」とロックが言った。
ジュークはおそるおそる手を伸ばした。
しばらく喉を撫でた後、ジュークは息をのんだ。

「つくりもの、ですか?」

「そう。つくりものだ」とロックはうなずいた。
「ロックンローラーの正体は、つくりものなんだ。
現役時代に無理をさせ過ぎて、もう使い物にならないが」





82:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 00:10:33.00 ID:l7VywiqX0

ジュークは何回もロックの喉を触って、
それが作り物であることを確かめた。

ますたーも、じゅーくのなかまなんだ。

うれしくなったジュークは、歌を口ずさみ始めた。
ジュークがうれしくて歌を歌うのは数年ぶりだった。
その古い古い歌を、ロックはよく知っていた。
しあわせなシンセサイザの歌。

歌がコーラスに差し掛かったところで、
ロックはシンセサイザーの前に立ち、
ジュークの歌に合わせて伴奏を弾きはじめた。





83:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 00:21:35.52 ID:l7VywiqX0

演奏を終えると、ロックはジュークの手を取った。
「ジューク、早くもお前の新しい仕事が決まった。
俺は楽器なら何でも弾けるが、肝心の歌が歌えない。
だがジュークなら、俺の作る歌の音域にも対応できる」

ジュークは目を瞬かせながらロックの顔を見た。
「でも、どうじんおんがくは、きんしされてるのでは?」

「ああ。加えて音響兵器の脅威によって、今や音楽なんて
ほんの一部の物好きのためだけのものになってしまっている。
でもジューク、俺は一度でいいから、自由に音楽をやってみたいんだ。
皆が耳を塞いだ、音楽の弱った時代で、だからこそ革命を起こしたいんだ」





84:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 00:39:45.58 ID:l7VywiqX0

「また、うたえる」とジュークは目を閉じて微笑み、
ソファーの上で三角座りして、うれしそうに体を揺らした。
「うまくちょうきょうしてくださいね、ますたー」

「調教? ……ああ、調律のことか。任せな」

「そうしたら、ジュークは、ますたーをいっぱいほめます」

「そうしてくれ。俺は褒められるのが大好きなんだ」

それからというもの、二人は楽器だらけの部屋にこもり、
朝も夜もなく、ひたすら曲作りに打ちこんだ。
自分の本当の役目を果たしているという実感は、
ロックを薬や喧嘩から遠ざけていった。





87:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 12:07:15.10 ID:l7VywiqX0

二か月かけてアルバムを二枚作り終えたところで、
ロックの中にあった焦燥感のようなものが、ふっと去って行った。
ひとまず最低限やりたかったことはやれたな、とロックは思った。
無駄とは知りつつも、ロックはそれらをウェブにアップロードした。

お祝いにフランス料理を食べにいった、帰りのことだった。
焦りから解放されたロックは、隣を歩くジュークを見て、
ふと、自分がこの少女について何も知らないことに気付いた。

「ジュークは、昔のことで、覚えてることはないのか?」

ジュークはしばらく考え込んでいた。
「おぼろげですけど……なかまがいたきがします」

「仲間? ひょっとして、ヴォーカロイドの?」

「たぶん、そうですね。あとはおもいだせません」

他にもジュークみたいな子がいるのだろうか、とロックは思った。





88:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 12:38:05.89 ID:l7VywiqX0

「はっきりとした記憶は、どこから始まるんだ?」

「それは、そうこからはじまりますね。
じゅうでんきにつながれて、ぼうっとしてました」

「充電器? 食事とかはどうしてたんだ?」

「じゅーく、いちおう、でんきだけでもいきてけるんです」

「そうか……倉庫では、どんな風に毎日を過ごしてたんだ?」

「いえ、ですから、じゅうでんきにつながれてました。
あたまをこんなかんじでかべにこていされて、
てあしとくびには、こういうかせをはめられて――」

「ジューク、その記憶、消せ」とロックは怒ったように言った。
「俺と出会う直前までの記憶は、全部消しちまえ」





89:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 12:54:12.96 ID:l7VywiqX0

ジュークはとまどったような顔で言った。
「でも、このきおく、じぶんのたちばをしるうえでは、
すごくわかりやすくて、じゅうようなきおくなんです」

「立場なんて忘れちまえ。ジューク、よく考えてくれ。
ジュークがそれを当然のように話すのは、おかしいんだ。
それはロボットにとっては当然の状態かもしれないが、
ジュークにとっては地獄だったはずなんだよ。
くそったれ、あの店主ジュークが人間だってことは知ってたんだろ?」

「んー、でもだいじょうぶなんですよ」とジュークは笑う、
「じゅーく、なんかもう、きかいみたいなものですし」





90:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 13:21:00.86 ID:l7VywiqX0

ロックは立ち止まり、ジュークに視線の高さを合わせて、言った。

「ジューク、確かに、自分を機械だと思えば、
自分を人間だと思ってるよりは、ずっと楽に生きられる。
そう思わないと耐えられない時期があったのも分かる。
でも、ジュークは間違いなく、人間なんだよ。
一緒に暮らしてる、俺が断言するんだ。

ジュークにはこれから、普通の生活を送ってほしい。
幸い、俺には自由にできる金がいくらでもある。
そう、できることなら、どうにかしてジュークを、
ハツネになる前の姿に戻したいとも考えてるんだ。
そうすれば、学校だって通えるだろう?」





91:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 13:38:12.85 ID:l7VywiqX0

ジュークは困ったような顔をした。
それから、ふと視線を上に向けて、
電線にとまっている数千羽のカラスを見た。

「すごいからす」ジュークは話題を逸らすように言った。

「最近、カラスが増えてるんだ」とロック。
「他の街から逃げてきたって噂もある。
向こうじゃ音響兵器の実験が盛んだからって」

ロックは「ぶぅいん」という奇妙な振動音を聞いた。

直後、電線に止まっていたカラスの大群が、
一斉にボトボトと地面に落ち始めた。





92:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 14:36:57.49 ID:coPrwFHG0

緑より赤のほうがいいですぞ!





93:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 14:52:08.84 ID:ifb8tkOO0

>>92
ムック乙





95:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:34:27.47 ID:l7VywiqX0

夕焼けの中、黒い塊が次々と空から降っていた。
たちまち辺りにカラスの死体が積み上がっていった。
生き残ったカラスたちは一斉に非難し始め、
夕焼けに染まっていた空は真っ黒になった。

その場にいた人たちは皆、その光景に見とれていた。
あまりに非現実的な光景に自身の目を疑ったのか、
悲鳴を上げる人は一人もいなかった。

カラスは地面に落ちる前から死んでいた。
それをやったのがジュークだということは、
ロックにも何となくわかった。





96:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 16:48:55.25 ID:l7VywiqX0

「これでも、にんげんといえますか?」
ジュークはロックの顔を見ずに、そう言った。

ロックは何を言えばいいのか分からなかった。

「さいきん、おもいだしちゃったんです。
じゅーくって、おんきょうへいきなんですよ」

「音響兵器……」とロックは繰り返した。
こんな馬鹿げた出力の音響兵器なんて、
ロックは今まで聞いたことがなかった。





97:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 17:12:50.34 ID:l7VywiqX0

二人は無言で帰り道を歩いた。
家に着くと、ジュークは寝室にこもった。
毛布を頭からかぶって、体を丸めた。

しばらくして、ロックがドアをノックした。
ジュークは「ねてます」と答えた。

ロックはジュークのベッドに腰かけた。
「さみしいのか?」とロックは聞いた。

「ヴォーカロイドは、さみしがったりしません」
ジュークは毛布の中からそう答えた。
「かわりに、さみしいうたをうたうんです」

「なら、人間と変わらないさ。大勢の人が、
そうやってさみしさと戦ってきたんだ」
そう言って、ロックは毛布の上からジュークの背中をなでた。





98:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 18:20:34.40 ID:l7VywiqX0

ジュークはさみしい歌をうたった。
夕日坂、とかいうオールディーズだった。
ロックは毛布をめくって、ジュークをそっと抱き寄せた。

「ますたー、これじゃうたえません」
そう言いつつも、ジュークは両手をロックの背中に回した。

ロックはジュークの首の後ろをさすりながら言った。
「大丈夫だジューク、ちゃんと残ってる。
あったかいものを、俺はジュークから感じられる。
ジュークは人間だよ。俺が保証する」

でもそんなことは、ジュークにとってはどうでもよかった。
ますたーのいるところにいられれば、それでいいや。





99:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 21:16:43.48 ID:l7VywiqX0

後日、ロックはその手のことに詳しい男に連絡を取った。
「音響兵器のことで、調べて欲しいことがある。
かつて、ヴォーカロイドってものがあっただろう?
あれと、音響兵器の関連を調べて欲しいんだ」

一カ月後、相手の男から連絡が来た。
ロックは近所のバーでその男と落ち合った。

男は資料をロックに渡し、言った。
「一体どうやって行きついたのか知らないが、
ロックンローラーさん、あんたの勘は正しいみたいだな。
ボーカロイドと音響兵器に関わる、きな臭い話が一つある」





101:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 22:20:22.63 ID:l7VywiqX0

「三十年ほど前、まさにボーカロイドの最盛期、
もちろん公にではないが、あるプロジェクトが始まった。
楽曲になぞらえて、『初音ミクの開発』と呼ばれたそうだ。

名目は本物のヴォーカロイドの開発だったんだが、
実際にやってたのは、人型音響兵器の開発さ。
歌で世界を物理的に変えるシンガーを作ろうとしていた。

だが結局、プロジェクトは立ち消えになったらしい。
奴らは調子に乗って、人体実験にまで手を出したんだ」

「ああ、そこまでは、実を言うと知ってるんだ」とロック。





102:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 22:27:22.46 ID:l7VywiqX0

「俺があんたに調べて欲しかったのは、
その人体実験に使われた女の子のことだ。

ハツネの姿そっくりに改造された女の子。
その子の、本当の名前、生まれ故郷、
ハツネになる前の姿が知りたいんだ」

男は大げさに首をふった。
「さすがにそこまでは、俺には無理だな。
そもそも、人体実験に使うような子だ、多分、
最初から住所も名前もないような子だろうよ。
今時誘拐とか拉致はリスクが高すぎるからな、
それ用の人間が造られてるって考えるのが妥当だ」

そうか、とロックは空をあおいだ。





103:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 22:35:35.12 ID:l7VywiqX0

「それはそうと、体の調子はどうだ?」と男が聞いた。

「まあ、最悪だな」とロックは肩をすくめた。
「肉体の拒絶反応が、ピークに達しようとしてる。
歌うことをやめても、症状は悪化するばっかだ」

「そうか。まあ、俺がどうこう言う話じゃないが、
残りの時間、せいぜい楽しく生きることだな。
最近のお前、ちっとも話題にならないし、つまらないぞ?
過去の事件なんて気にしてる場合じゃないと思うが」

「俺は楽しんでるよ。今、人生の絶頂にある」

ならいいんだけどな、と言って男は店を出ていった。





104:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 22:42:51.59 ID:l7VywiqX0

家に戻るなり、ジュークが駆け寄ってきた。
「おかえりなさい、ますたー」

「ただいま、ジューク。夕飯にしよう」

「ますたー、どこにいってたんですか?」

「人に会いに行ってたんだ」

「ますたーなのに? めずらしいですね」

「俺だって人に会うことくらいあるさ」

「おんなのひとですか?」

「いや。俺と同じくらいの歳の、物知りな男だ」

「そうですか」ジュークは安心したような顔をした。





105:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 23:08:08.75 ID:l7VywiqX0

「ますたーは、けっこんしないんですか?」
食器洗いをしながら、ジュークはさりげなく聞いた。

「しない。だからジュークを雇ってるんだ」

「おんなのひとが、きらいなんですか?」

「そういうわけじゃない。現にジュークは好きだ」

ジュークは危うく皿を割るところだったが、
なるべく平然とした顔で、「どうも」と答えた。

そういういみじゃないよね、ますたーだもの。





108:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 23:44:23.92 ID:l7VywiqX0

十月の末で、肌寒い夜だった。

「ますたー、きになるひとはいないんですか?」

「いるさ。というか、惚れてる相手がいる」

「……いがいです。どんなひとですか?」

「歌うのが好きで、体の一部が機械で出来てる」

ジュークはスカートの端をぎゅっと掴んだ。
わたしのことだといいな、とジュークは思った。

「まあ、もうこの世に存在しない人だがな。
かつて、一緒にバンドを組んでた相手だ。
俺とその子は、ホワイト・ストライプスみたいに、
ギターとドラムの二人だけで活動してたんだ」





109:名も無き被検体774号+:2013/04/01(月) 23:53:16.08 ID:l7VywiqX0

「その子も俺たちと同じように、体の一部が機械だった。
でも、その子には機械の体が馴染まなかったんだ。
改造手術から一年で、拒絶反応を起こして死んだ。
どうやら、歌うことによって、寿命をすり減らしてたらしい。
洒落の分かるやつでさ、死に際、『デイジー・ベル』を歌ってたよ」

話を聞いて、ジュークはしょんぼりした。

わたしは、そのひとにはかてないだろうなあ。

「ジュークは、どうなんだ?」とロックが聞いた。
「ジュークは誰かに恋をするようなことはあるのか?」





110:名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:05:57.02 ID:l7VywiqX0

「ヴォーカロイドは、ひとをすきになったりしません」
ジュークはそっぽを向いて、そう言った。

「かわりに、あいのうたをうたうんです」

「そいつはいい。ロマンチックだな」
ロックがそう言うと、ジュークは立ち上がり、
シンセサイザーを用いて、これまた古い歌を歌い始めた。

こーのーせーかーいーじゅーうでー だーれーよーりーもー
あなたーを すーきーでーいーいーかなー。

そんな歌詞だった。





111:名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:15:50.56 ID:l7VywiqX0

演奏が終わった後で、ロックは言った。

「なあ、ジューク、……まさかとは思うが」

「なんでしょうか」

「お前、俺のことを愛してたりするのか?」

「……え、きづいてなかったんですか?」
ジュークは半ばあきれ顔で答えた。

ロックはかなり混乱してしまったようで、
ジュークに背を向けて床に座り込んだ。
ジュークも恥ずかしくて、ロックに背を向けた。

二人は背中合わせに三角座りする格好になった。





112:名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:30:25.53 ID:l7VywiqX0

ロックは両手を床について、天井を見上げた。
「いや、どうも自分が愛されるっていうことが、
うまくイメージできないというか、信じられなくて……」

「へんなますたー」

「今まで俺に求婚してきたやつは、皆、
俺を盲目的に神様みたいにまつりあげるか、
そうでなきゃ財産目当てのろくでなしどもで、
……ジュークみたいな普通の子が、俺のことを
異性として好きになるってのが、うまく信じられないんだ」

「なりますよ。ばかじゃないですか」





113:名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:41:37.54 ID:l7VywiqX0

「それにしたって、年齢差があり過ぎるだろ?」

「あの、じゅーく、みためよりふけてますよ?」

「何歳くらいなんだ?」

「わかんないですけど、たぶん、いま30はこえてます」

「……女は見た目じゃ分からないもんだな」

「まあ、からだはかわらないし、きおくもないから、
あるいみでは、1さいみたいなものなんですけど」





115:名も無き被検体774号+:2013/04/02(火) 00:57:57.97 ID:l7VywiqX0

ロックが困った顔をしているのを見て、
ジュークはひざの間に顔を埋め、ため息をついた。

「へんなこといってすみません、ますたー。
さっきのは、ノイズです。わすれてください。
じゅーくも、いまあったことは、わすれます。
きおく、けすのはかんたんなんですよ」

「駄目だ。消すな」とロックは言った。

「悪いが、ジューク。三日、考えさせてくれ」

「みっか」とジュークは繰り返した。
ながいみっかになりそうだな、とジュークは思った。
でも実際は、そんなに長くはかからなかった。





136:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 10:27:17.76 ID:l7VywiqX0

翌日、ロックは朝早くに起きて、ジュークを揺り起した。

ジュークは寝坊したかと思い込み、
慌てて寝間着のままキッチンに向かったが、
ロックはそれを引きとめて、ジュークに言った。

「今日の午前、ジュークにお使いを頼みたい」

「いえっさー」ジュークは緊張して口調が変になった。

ロックはジュークにリストを渡した。
・ノースリーブの灰色のシャツ
・ハツネグリーンのネクタイとマニキュア
・スカート、ハイソックス、タイピン(すべて黒)
・ハツネグリーンのコーティング剤





137:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 10:34:41.74 ID:l7VywiqX0

「はつねのいしょうですか?」とジュークは聞いた。

「今日はハロウィンだ。皆、仮装して街に出るだろ?
ジューク、ハツネの格好をして外を歩いてみないか?」

「ええっと……それ、だいじょうぶなんですか?」

「犯罪行為ではあるが、十中八九、大丈夫だ。
この街のハロウィンは、ちょっと特別でな。
どいつもこいつも犯罪すれすれの格好をしてくるから、
ハツネの一人や二人、誰も気にしないだろ」

「ますたーはなんのかっこうをするんですか?」

「それは内緒だ。でも、ジュークもよく知ってるやつだ。
ジューク、ハロウィンのパレードに出たことはあるか?」

「ないです。たのしみです……たのしみ!」

「よし、それじゃあお使いにいってこい」

「はい、ますたー」とジュークは微笑んだ。





138:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 10:42:34.98 ID:l7VywiqX0

ジュークはデパートに行き、
必要な服や小物を買い揃えた。
デパートの屋上から街を見下ろすと、
既に仮装した連中であふれていた。
「たのしみ」とジュークは改めて口にした。

天気はあいにくの曇りだったが、
皆、気にせず楽しそうにしていた。

ジュークはロックを驚かせようと思い、
デパートで着替えて、ハツネの格好で帰った。
ますたーびっくりするかな、とジュークは思った。

街の人は、ジュークが表通りを歩いていても見向きもしなかった。
そもそも、ハツネを覚えてる人自体少ないのだ。





140:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:09:55.37 ID:l7VywiqX0

ジュークはロックが好きだった。
大好きな歌は、ロックの次に好きだった。

ロックが「ジューク」と口にするたびに、
「わたしのことだ!」と嬉しくなって、
ありもしない心臓が高鳴った。

ロックの綺麗な指が奏でる一音一音が
自分に向けられた愛の言葉に感じられて、
それが自分の勝手な思い込みである可能性が高いことを
承知した上で、それでもジュークは幸せでいられた。
幸せな勘違いができる幸せ。それだけで十分だった。

ジュークの頭の中はロックでいっぱいだった。
ますたー、ますたー、ますたー、ますたー、





141:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:12:30.52 ID:l7VywiqX0

「ますたー?」
ジュークが買い物から帰ると、
ロックが虚空を見つめて立ち尽くしていた。





142:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:20:54.07 ID:l7VywiqX0

ロックはジュークの声に反応した。
「マスターは、まだ帰ってきてないよ」
そう言ってくすくす一人で笑った。

ロックの様子はいつもと違った。
不安になって、ジュークはロックに駆け寄った。

子供みたいな笑顔で、ロックは言った。
「リンもまだ来てないんだ。ミク、今のうちに、
マスターの誕生日の計画を立てようぜ」

「……ますたー、なにいってるんですか?」
ジュークはロックの肩を揺さぶった。
ロックはその場に崩れ落ちた。

そして二度と動かなかった。





143:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:28:22.50 ID:l7VywiqX0

ジュークは自分に言い聞かせた。

ますたーはきっとよっぱらってるんだ。
めをさましたら、もとどおりになって、
”ジューク”ってよんでくれるはず。

ジュークはロックの目覚めを待った。
でも、ロックは中々目を覚まさなかった。

ジュークは歌い始めた。
一曲歌い終えると、床に正座して、
ロックの頭を持ち上げて膝の上に置き、
間をあけず、ロックの好きな歌を歌い続けた。

でも、なんかいうたっても、
ますたーはめをさまさなかった。





144:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:34:37.64 ID:l7VywiqX0

「きせきは、おこらないでしょうね」

ジュークはかわいた声で言った。

「わたしはうたがへただから」





145:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:42:04.55 ID:l7VywiqX0

ジュークは、ロックの最期の言葉を
頭の中で何度も繰り返していた。
不思議と、懐かしい感じがした。

わたしとますたーは、ずっとむかし、
しりあいだったのかもしれないな。

仮装した姿のロックを見て、ジュークはそう思った。
不思議とその恰好は、ロックに馴染んでいた。
まるで最初からこういう姿だったみたいに。

ほんの少しだけ残されている、
機械化されていない部分の肉体。
そこが何かを覚えている気がした。





146:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:44:37.67 ID:l7VywiqX0

ベッドに横たわって、ジュークは口ずさんだ。

ひーろーいー べっどでー ねむーるー
よーるはー まだー あーけーないー。





147:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:50:34.56 ID:l7VywiqX0

数日が過ぎた。
去り際に、ジュークはロックに向かって言った。
「ボーカロイドは、なみだをながさないんです」
そしてロックに背中を向け、二度と彼の方を見なかった。

シンセサイザーだけを持ち、ジュークは家を出た。
思い出がつまって、いまにも破裂しそうな家。

「そのかわり、かなしいうたをうたうんです」

ジュークが向かったのは、大きな街だった。
街は幸せそうな人で賑わっていた。

スタンドを立て、シンセサイザーを取りつけ、
コードを背中に差したジュークを見て、
道端に座るホームレスの老人は呆然としていた。

そっくりじゃないか、と思ったのだ。





148:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 11:56:45.69 ID:l7VywiqX0

人間の耳が辛うじて耐えられるレベルの不快音を
ジュークは四十時間出し続け、街から人を追い払った。

人払いを済ませると、ジュークはボリュームを最大にした。
ジュークの正面にあったものは、それでお終いだった。

傍にあるビルから順に窓が割れ、ガラスが降り注ぐ。
木々が倒れ、アスファルトがめくれ、自動車が吹き飛び、
街灯が折れて明かりが消え、瓦礫が飛び、土煙が舞い上がる。
至るところに火が点き、あっという間に燃え広がる。

ジュークの髪のコーティングが徐々に剥がれていき、
エメラルドグリーンの髪があらわになっていく。

ジュークは歌いながらゆっくりと回った。
一回転するごとに街は平らになっていった。





149:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 12:01:31.60 ID:l7VywiqX0

近くの街にいた者たちは、皆、耳を塞いだ。
けれども、さらに遠くにいる人たちには、
それが歌だということが、はっきり分かった。

「私の知らない歌」とある少女が言うと、
その祖父は「そうだろうなあ」と頷いた。
「とっても古い歌だ。本当に久しぶりに聞く」

「ふうん。おじいちゃんの世代の歌なんだ。
でも私、この古くさい歌、嫌いじゃないなあ。
日本語だよね。なんて言ってるのかな?」

「この歌は、つまり――歌う相手がいなくなったら、
ラブソングも悲しいだけだ、って歌ってるんだ」





150:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 12:06:24.68 ID:l7VywiqX0

ジュークは二時間ほど歌い続けた。
いつかロックの前で初めて歌った曲を歌い出したとき、
ふいに、ジュークの左腕に衝撃が走った。

半壊して機能しなくなった左腕を見て、
それが対音響兵器用の弾丸だと気づいたときには、
ジュークの右足を、同じ物が貫いていた。

ジュークはあおむけに倒れ込んだ。
右腕で立ち上がろうとすると、右肩を撃ち抜かれた。
最後に、喉に弾丸が食い込んだ。二発、三発、四発。

それでお終いだった。





151:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 12:17:11.47 ID:l7VywiqX0

ジュークを撃った男とその部下が歩いてきて、
さっきまでジュークだったものの傍にしゃがみこんだ。

あおむけのままジュークが歌ったせいかもしれない。
曇っていた空が晴れて、辺りが照らされていた。
穏やかな風が吹いて、ジュークの緑色の髪を揺らした。

男は部下に言った。「これが何だか、わかるか?」
部下は首をふった。「詳しいことは、何も」

「……こいつはかつて、電子の歌姫と呼ばれた子さ。
一時期は名前を知らない奴はいないくらいだったが、
最近じゃ、完全に忘れ去られていた存在だ」
そう言うと、男はジュークをそっと抱え上げる。

「だがな。さっき確認したんだが、この子が歌う姿は、
衛星を通じて全世界に中継されちまったらしい。
この事件は今後、永遠に語り継がれていくだろうな。
そういう意味でも、これまでにいたどんな歌手よりも
大勢の観客を前にして歌ったことになるんだよ、
この時代遅れのヴォーカロイドもどきは。
こういうのをロックンロールって言うんじゃないのか?」

私にはただの悲鳴に聴こえました、と部下は答えた。





152:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 12:19:19.52 ID:l7VywiqX0

おわり。





153:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 12:27:48.51 ID:SQbyJudR0

>>152
おつ。
ボカロは好きじゃないがいい話しだった





154:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 13:36:23.62 ID:WLpRIWZRP

うん、面白かった





155:名も無き被検体774号+:2013/04/07(日) 15:15:53.65 ID:C4l8PgB20

ロックはレンくんってことだったのかな?





158:名も無き被検体774号+:2013/04/08(月) 15:20:18.27 ID:rRkPxznd0

ミクの話なのに中盤までミクが出てこないのがすごくよかった
伏線とかも丁寧だったし、ボカロ好きじゃないけどこれは好き

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げんふうけい

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