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女「まさか君に見つかるとは思わなかったよ」【前編】【後編】


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:03:32.13 ID:QfYfQpVmP

女「海に連れて行ってください」

男「……は?」

女「海に、連れて行って、ください」

区切らんでもわかる。

つか、区切ったところで変わらんだろう。

男「えーっと、海?」

女「うん、海」

男「一人で行け」

女「約束は守るものだよ?」

男「……はぁ。了解いたしました」

凄く普通で、安心した。

でも、めんどくせー。


薄暗い押入れの中でウブな○学生とかくれんぼ

ニーハイかくれんぼ



 

102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:09:04.51 ID:QfYfQpVmP

女「もちろん、水着は持ってくるように」

男「泳ぐのか!?」

女「もちろん」

男「誰が得する?」

女「すくなくとも、君は得するよ」

男「なんで?」

女「ボクの体に興味はないのか?」

……すまん。

まったくない。



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:13:03.00 ID:QfYfQpVmP

男「ない」

女「少なからずあるだろう?」

男「ない」

女「どうして?」

男「ないもんは仕方ないだろ」

女「ふむ……そうか」

男「まず、その口調をどうにかしろ」

女「口調? ボクの口調は、どこか変なのかい?」

ボクだよ言わせんな恥ずかしい。



106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:15:21.01 ID:QfYfQpVmP

女「ちょっと待ってくれ」

男「ん?」

女「ボクの体について話をしていたのに、なぜ口調が絡むんだ?」

男「……」

そういえばそうだな。

女「つまり、体については申し分ないということで、いいのかな?」

男「お前の体のどこを見ても、長所がないだろ」

女「たしかに、胸は小さいし、お尻もたいしたことはない。でも、ひとつあるよ」

男「なんだ?」

女「まだまだ初々しさが残っている」

いやいや、なんの初々しさだよ。



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:21:19.91 ID:QfYfQpVmP

女「どうだい?」

男「どうだと言われても」

初々しさについて詳しく教えていただきたい。

女「うむ……じゃあ、得するのはボクだけだ」

男「そうなるな」

そりゃあ、行きたいところに行けるんだから。

女「君の自転車の後ろに乗れるからね」

げ。

俺の自転車で行くのかよ。



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:27:52.94 ID:QfYfQpVmP

男「俺の自転車かよ……」

女「連れて行くのが、君の役目だからね」

男「じゃあ、連れて行ったら、帰っていいんだな?」

女「そのあと、ボクの相手をしてもらおう」

男「えー」

なんだよそれ。

女「言うこと、聞いてくれるんだろ?」

男「そうだけども……」

女「ふふ、楽しみにしてるよ」

楽しみにされちまった。



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:33:37.93 ID:QfYfQpVmP

女「もちろん、言うことを聞いてくれたら、少しくらいご褒美をあげるよ」

男「ほほう」

ちょっと気になる。

女「だから、いいかな?」

男「まあ、断れないしな」

女「うん」

男「じゃあ、帰るか」

女「そうだね」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:38:55.33 ID:QfYfQpVmP

いつになく、こいつ、テンション高いな。

なんか、気持ち悪いぞ。

女「水着、あるのかい?」

男「あるっちゃああるかな」

女「ボクは君の体には、少なからず興味があるからね」

男「……」

そういうことを平気で言うな。



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:46:08.60 ID:QfYfQpVmP

男「どんな水着でもいいだろうが」

女「そうかな?」

首をかしげる女。

女「考えてみてくれ。もしもボクが、パンツを穿いていなかったら……」

男「変態だな」

女「そう。昨日君が言った変態になってしまう」

男「そんなやつの隣にいたくないんだが」

女「まあ、聞け。ちゃんと穿いている。ここからが本番だ」

なんだよ本番って……



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:50:37.66 ID:QfYfQpVmP

女「ボクがもしも、男物のパンツを穿いていたら? しかもトランクス」

男「……」

いや、別に。

変なやつだと思うよ。

男「変態」

女「でもパンツはパンツだ!」

大声でパンツパンツ叫ぶな。



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:54:41.04 ID:QfYfQpVmP

女「と、いうわけで、もしもボクがボクのお兄ちゃんのトランクスを穿いていたらどうするんだ?」

男「お前、兄ちゃんいたっけ?」

女「いない」

いないのかよ。

男「だから、変態だっていってんだよ」

女「変態ではない。そういうのをブラコンというんだ」

兄のいる設定続いてたのかよ。



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:58:23.96 ID:QfYfQpVmP

男「重度のな」

女「それでは、ボクがシマシマのパンツを穿いていたらどうおもう?」

男「別に」

なにも思わん。

女「男物の」

男「趣味悪い!」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:02:56.15 ID:QfYfQpVmP

シマシマにだまされた!

男「お前は親父か!」

女「最近になって、そんな変なパンツを穿く父親はいないだろう」

いると思うけど。

男「とにかく、もうこの話は無しだ」

女「じゃあ、最後にひとつ」

男「……なんだ?」

女「今度の水着、何色がいい?」

男「……」

女「興味のない君には、答えるのは難しいかもしれないね」

おう、その通りだ。



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:06:38.27 ID:QfYfQpVmP

男「じゃあ……赤」

女「派手な色はちょっと……」

顔を赤らめるな、恥ずかしい。

女「そんな色の水着は持ってないし、着たくない」

男「じゃあ、どんな色がいいんだよ」

女「ボクが持っている水着は紺色だ」

男「じゃあ、それで」

女「了解した。楽しみにしといてくれ」

一応言っておくが、俺は赤の水着が見たかったから言ったわけじゃない。

多分、こいつは嫌がると思って言ったまでだからだ。



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:09:04.23 ID:QfYfQpVmP

女「それじゃあ、男」

おっと。

どうやらお別れの時間だ。

男「おう、じゃあな」

女「明日はよろしく頼むよ」

……明日行くのか。



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:11:25.10 ID:QfYfQpVmP

男「明日行くのか?」

女「明日はおやすみだよ」

そうだけども。

男「早くないか?」

女「ボクはワクワクして、すぐに行かないとこの気持ちが破裂してしまうよ」

男「わかったわかった」

女「ふふ、ありがとう」

男「じゃあな」

女「じゃあね」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:15:17.36 ID:QfYfQpVmP

さて。

俺は帰ってすぐに、水着を探した。

……まあ、トランクスっぽい水着。

もっこりとかしないやつ。

してたらあいつにはどう思われたんだろう。

まあ、どうでもいいか。

妹「どこいくのー?」

ぎく。

めんどくさいやつが、俺に話しかけてきた。

つか、俺の部屋に勝手に入ってきてやがる。



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:16:25.71 ID:b9P/18XU0

妹・・だと・・・



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:19:43.95 ID:QfYfQpVmP

男「どりゃっしゃあ!」

俺の光速を超える攻撃!

妹「あまいあまい。蜜より甘い」

男「くそ……」

俺のあまったるいパンチは防がれた。

どうやら、やつは光速を超越しているみたいだ。



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:23:14.21 ID:QfYfQpVmP

男「やるな、妹!」

妹「どうでもいいから、明日の予定を一言で言ってみなさい」

男「お泊り会」

妹「うそつけ」

男「嘘をつけ? お泊り会」

妹「嘘じゃない! 馬鹿!」

ぼこっ。

お前のパンチ……きいたぜ。



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:26:01.49 ID:QfYfQpVmP

妹「で、どこ行くの?」

男「海」

妹「ついていきますお兄様」

男「無理」

妹「なんで?」

男「いやだ」

妹「ああ、なるほどなるほど……」

なんだ、そのわかったみたいな顔。

妹「女さんとなんだね……うふふ」

男「潰す。おもに胸を」

妹「な、なんですとー!」



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:30:44.02 ID:QfYfQpVmP

男「お前がいると面倒くさいからいやなの」

妹「くさくないし!」

男「面倒なの」

妹「剣道じゃないし!」

男「邪魔なの」

妹「そんなに言う!?」

男「うん」

この流れですら、こいつは面倒だ。



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:38:39.70 ID:QfYfQpVmP

妹「わかりました!」

男「わかってくれたか」

妹「私がいると、邪魔なんでしょ?」

なにニヤついてやがる。

男「そうだ」

妹「うん、『邪魔』なんだよねー」

男「?」

こいつ、なんかむかつく。

なんでにやついてるのかわからんが、むかつく。



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:44:19.12 ID:QfYfQpVmP

そして。

来てしまった。

当日。

俺の携帯がぶるぶると震えている。

『女』の文字。

男「もしもし?」

女『ワクワクしすぎて、君の家の前まで来てしまった』

男「ほほう」

俺の部屋の窓から、見れるし、見てみるか。

男「!!」

あいつは、バカだった。



140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:48:56.27 ID:QfYfQpVmP

男「なんだその格好は!?」

女「? 水着だが」

スクール水着、というところで驚かされるが、それ以上に。

ここは海じゃない。

まじてや、プールでもない。

男「なんでお前、すでに着替えてるんだよ!?」

女「だから、ワクワクし過ぎてしまって」

男「いやいや! ワクワクの枠をこえてる!」

女「ワクワクの枠? ふふ、おもしろいね」

男「い、いいから着ろ!」

女「忘れてきてしまった」

バカとアホだった。マヌケだった。



142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:57:11.19 ID:QfYfQpVmP

男「……じゃあ、今お前の持ってるそのバッグには……」

女「タオルしか入ってない」

行くときに軽いとか感じろよ!

女「それじゃあ、行こうか」

男「本当にそれでいいのか? お前の家に寄ってもいいんだぞ?」

女「いや、いいさ。ワクワクしてしまっている気持ちは、君の自転車の後ろに乗ることで、緩和できる」

いや、意味わかんねえって。俺との会話ができてないって。



144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:05:27.75 ID:QfYfQpVmP

女「さあ、いざゆかん!」

男「は、はあ……」

女「あっ……」

変な声を出すな。

男「どうした?」

女「この後ろって、冷たいね」

そんな格好してるからだ。



145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:14:17.52 ID:QfYfQpVmP

男「! おい」

女「なんだい?」

男「なんでくっつく」

女「? 落ちてしまうじゃないか」

そうだけども。

スクール水着でやめてほしい。

女「ボクの体に興味がないんだから、大丈夫だろ?」

まあ、そうだけども。



146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:19:13.81 ID:QfYfQpVmP

男「待て、それじゃあ俺がなにか気にしてるみたいじゃないか」

女「それなら、いいじゃないか。ぎゅー」

むかつく。

でも、まあ、たしかに。

落ちちゃうし。

しかたないか。

よし、出発。



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:24:32.93 ID:QfYfQpVmP

女「いやぁ……気持ちいいね」

男「風がな」

女「うん」

男「……」

後ろにスクール水着の女の子を乗せて自転車をこいでいる俺を、人はどうみているのだろう。

犯罪のにおいは、していないはずだが。



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:36:02.47 ID:QfYfQpVmP

女「ふふふ」

笑うな。

男「なんだよ」

女「楽しみだよ」

男「そうかい」

女「君はどうなんだい?」

男「俺は……」

別に、楽しみじゃない。

なんて、言えないし。

男「楽しみだな」

女「嘘は、つかなくていいから」

……お見通しさ。



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:39:22.88 ID:QfYfQpVmP

お見通しさ。こいつには。

なんでだよ!?

俺は口に出してねーよ!?

男「……は?」

女「嘘はダメだよ。正直に言ってくれよ」

男「悪いけど、楽しみじゃない」

女「やっぱり、嘘ついてたんだね、君」

男「ああ」

まあ、正直に言ったほうが、いいのかもな。

女「……残念だ」

ボソッと、なにか言った気がした。まあ、独り言だろう。



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:51:18.36 ID:QfYfQpVmP

着きました。

男「着いたぞ」

女「そうだね」

男「? おい」

女「なんだい?」

男「はしゃいで来いよ」

女「君と一緒にはしゃぐから、まだいいよ」

なんだそりゃ。

まあ、いいか。



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 22:01:41.70 ID:QfYfQpVmP

男「着替えるの時間かかるぞ」

女「だったら、君も水着でくればよかったね」

男「なにをふざけたことを」

女「早く着替えてくれよ」

男「なんでだ」

女「期待してるから」

こいつ、変態だ。



155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 22:26:49.40 ID:QfYfQpVmP

男「わかったよ。ちゃっちゃと着替えてくる」

女「うむ」

やれやれ。

男「とりあえず、さっさと着替えよう……」

あとでいろいろ言われるのも癪だし。

それにしても、あいつは海にスクール水着のまったくのバッドマッチングをわかってないのだろうか。



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 22:33:19.76 ID:QfYfQpVmP

まあ、あいつが恥をかくだけさ。

俺には関係ない。

男「よし、着替えた」

これだったら着てくりゃよかった。

とりあえず荷物をバッグに入れて。

男「おーい」

女「!」

なぜ驚く。



158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 22:35:37.94 ID:QfYfQpVmP

女「ふむ……」

いきなり不機嫌そうな顔。

女「もっこりしてないね」

男「何を求めてんだ!」

女「もっこりを求めているんだ」

男「普通に言うな!」

女「トランクス型か……非常に残念だ」

畜生、変態め!



163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:12:19.39 ID:QfYfQpVmP

女「それじゃあ、行こうか」

男「おう」

女「なにして遊ぼうか?」

とりあえず入ろうぜ、ここまできたら。

男「とりあえず入ろ――」

女「砂遊びでもしようか」

なにを言ってるんだこいつは。



164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:16:40.03 ID:QfYfQpVmP

男「海に来たんだから、泳ごうぜ」

女「はっきり言っておこう」

男「?」

女「ボクは、あまり泳げないんだ」

早く言え。

男「どれくらい?」

女「うーんまあ、あまり泳げない」

男「じゃあ行こう」

女「ボクが言っていることを無視したね」



165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:24:48.92 ID:QfYfQpVmP

男「泳ぐ練習をすればいいじゃないか」

女「ふむ……」

チャンス! こいつのあっぷあっぷする顔が見れるぞ。

いや、見たいわけじゃなく。

ほんとだからな。

女「なにも海で練習なんて、危ないだろう」

正論を言うな。

女「それならボクは……これを使う」

浮き輪、か。



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:42:36.03 ID:QfYfQpVmP

男「って、ばかやろう」

ぺしん。

と、また頭を叩く。

女「なんだい」

ちょっと機嫌悪そうに振り向く。

男「見栄えが悪い」

女「見栄えを気にするのかい?」

男「さすがに高校生がスクール水着で浮き輪はマニアックだ」

女「しかし、ボクはあまり泳げないし、水着はこれしか持ってない!」

水着は買え! 泳げないなら練習しろ!



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:45:35.42 ID:QfYfQpVmP

……泳げないのは、意外と可愛いな。

なんて、思うと思ったか!

男「とりあえず、浮き輪没収!」

女「そ、そんな……」

そんなシュンとするな。俺がとてつもない悪みたいじゃないか。

男「とりあえず、ほれ」

ギュッと、手を掴む。

女「?」

男「入るぞ、海」

女「わ、わかった……溺れたら、助けてくれよ?」

誰が助けるか。



171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 23:57:20.05 ID:QfYfQpVmP

そのあとのことは、語りたくない。

あいつはむかつくほどに泳ぐのがうまかった。

俺以上に。

どこが泳げないんだ。

人並み以上じゃねえか。

女「やっぱり、ダメだね」

ふざけるな。



172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 00:10:30.53 ID:QfYfQpVmP

こいつのダメはそうとう上のランクだ。

女「どうしたんだい?」

きょとんとした顔で、俺に話しかける。

女「とても気持ちいいよ?」

ぱしゃぱしゃと、俺に海水をぶっかけてきやがる。

女「もう、どうしたんだい?」



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 00:37:47.66 ID:QfYfQpVmP

男「泳ぐのうまいな」

女「え?」

なんだその驚きは。

女「ボクが、かい?」

男「ああ、そうだ」

女「ははは、そんなことないよ」

謙遜すんな。



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 00:45:54.96 ID:QfYfQpVmP

男「……」

女「はぁ」

やれやれ、と聞こえんばかりの溜息を吐いた。

俺じゃなく、あいつが。

女「すこし、浜を歩こう」

スクール水着の女の子と歩きたくないんだが。



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:12:03.50 ID:QfYfQpVmP

女「さて」

男「ん?」

女「君の機嫌の悪さについて聞こう」

男「別に」

女「おや」

わかってるだろ。

嘘ついたのがわかるんだから。



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:29:50.77 ID:QfYfQpVmP

女「当ててあげよう」

わかってるんだろ。

女「ボクの体が、本当に魅力的じゃなかったことに、怒ってるんだろ?」

男「ちげえよ」

興味無いって。

女「む、そんなに怒ることはないじゃないか」



180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:39:26.25 ID:QfYfQpVmP

男「怒ってない」

女「怒ってないのか。なら、今ボクは怒っている」

男「なんで?」

女「君があまりにも鈍いからだ」

男「え?」

女「ふんっ」

こいつ、なんなんだ。



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:45:23.69 ID:QfYfQpVmP

男「どうしたよ」

女「言っていいのかい?」

なんだよそれ。

男「早く言え」

女「ボクは君が好きだ」

男「……」

なんだそりゃ。

今日は4月1日じゃないぞ。

男「ふーん」

女「流さないで聞いてくれ」

なんだよ。マジで。

なんだよ!?



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:51:28.45 ID:QfYfQpVmP

男「なんだよ、それ。冗談でもつまらん」

女「冗談じゃない。本当だ」

男「嘘をつくな」

女「だから、ボクは君が好きだ」

男「黙れ! 嘘をつくな!」

女「嘘じゃないと言っている!」

男「毎日毎日会ってるのに、俺の名前を呼ばないお前がか!?」

女「そうだ、ボクがだ」



184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:54:37.55 ID:QfYfQpVmP

男「なんだよそれ……」

ふざけんなよ。

意味、わかんねえ。

なんで涙流してんだよこいつ……。

女「言ってしまった」

じゃねえよ……



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 01:58:02.71 ID:QfYfQpVmP

女「でも、言えてよかった」

男「!」

女「ふふ」

涙流しながら笑ってやがる。

器用なやつ。

畜生。

畜生。



186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:09:55.49 ID:QfYfQpVmP

こいつ。

それを言えよ。

俺は……。

俺たちは。

図らずも、両思いだったのか。

女「返事を聞こう」

男「……」

女「……さあ!」

男らしいなこいつ。

女「……」

涙が溢れてボタボタ落ちてる。

……やれやれ。



187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:13:18.35 ID:QfYfQpVmP

そっと、抱きしめてみる。

女「!」

驚くのも、無理ないよな。

女「……?」

うえー。

海水でべたついてる。

男「俺も、好きだ」

早く離れたいぜ、ベタベタして気持ち悪い。



189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:20:59.25 ID:QfYfQpVmP

女「なるほどね」

男「あん?」

女「下半身が、べたべたする」

男「!?」

女「君のトランクス型の水着が、ベタついてるからだね」

俺もそれは感じていた。

俺は上半身もだぜ。きもちわりぃ。



190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:23:10.62 ID:QfYfQpVmP

女「そして、ボクと君は、ベタついてる」

男「……」

女「本当に、うまいね。君は」

男「こういう時まで、『君』かよ」

なんかすっきりしねー。

女「あはは、ボクは君に一度も名前を言われたこと、ないけどね」

……。

男「うそだぁ〜」

女「本当だよ、まったく」



191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:28:33.95 ID:QfYfQpVmP

怒ってるみたいだ。

女「嘘であって欲しいね、本当に」

男「悪かったね、女」

女「遅いよ、もう」

男「すまんすまん」

気づかなかった。

女「男」

男「あん?」

女「キスをしよう」

男「……」

いきなり積極的になるな、こいつ。



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:32:14.26 ID:QfYfQpVmP

男「やだ」

女「なんで?」

男「海水で、唇だって、ベタついてるだろ」

女「そうだな……」

うおっ。

こいつ、唇舐めまくりやがって。

女「これで、いいだろ?」

俺は……。

逃げる!

女「ちょ、ちょっと!?」



195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:37:40.22 ID:QfYfQpVmP

男「だーれがするか!」

女「なぜ!?」

恥ずかしいし。

こいつ可愛いし。

正直、スクール水着可愛いし。

無理!

顔を近づけるだけで、む――。

どしゃあ。

男「んのやろ!」

女「逃がさないぞ!」

足首掴みやがった!



197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:41:53.03 ID:QfYfQpVmP

女「さあ、しよう!」

ほぼ強制だ!

男「次は砂がついてるじゃねえか!」

女「拭けばいい!」

男「絶対にベタベタしてるから!」

女「してない! ボク達はベタベタだけど!」

古典的と言いたいのか!?



199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:43:40.68 ID:QfYfQpVmP

はぁ……。

男「とりあえず、落ち着け」

女「む、わかった」

男「ふぅ……」

女「……?」

男「動くなよ? あと、目をつぶれ」

女「わかった」

男「はい! 俺は動くなって言いましたー!」

女「ず、ずるい!」

男「うるせー!」



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 02:47:58.70 ID:QfYfQpVmP

女「なら、いい」

男「なに!?」

それは困る。

なんか、楽しくなってきたのに。

男「おい、ふざけるな」

女「楽しんでる君が、腹立たしい!」

男「なにを!」

ひどいこといいやがる!



203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:00:09.42 ID:QfYfQpVmP

男「じゃあ、どうしたら再開できるんだ!?」

楽しみを奪うな!

女「そうだな、ボクにキスをしたら……はむっ」

男「よし、これでいいんだな」

女「あ……え、えーっと……」

男「……あれ?」

女「えーっとその……」

こいつ、なんで顔真っ赤に!?

あれ? なんで俺も真っ赤に!?



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:02:26.87 ID:QfYfQpVmP

女「して、くれたね」

男「うおおおおおおおおおお!!!」

俺はなんということを!?

え!? マジで!?

女「男、大好きっ」

男「や、やめろ! 恥ずかしい!」

女「ボクの愛を受け入れてくれないのかい?」

男「まだ準備ができてないんだ!」

女「これからすこしずつでいい。大好きだよ、男」

どこまでも男前だなお前はぁぁぁぁ!!

俺のがよっぽど女々しいぜ……。

本当に。

まあ。

こんな感じが、俺たちには合ってるよな。

Fin



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:04:35.92 ID:QfYfQpVmP

終わりです。

今日から用事があって、かけないので、無理やりおしまいにしました。
短くまとまって、いい感じかな?

それでは。



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:05:47.70 ID:EUOOZOFh0

乙ー



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:08:38.50 ID:+4Bn02d1O

スレタイがまさお君に見えた



212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:11:55.08 ID:keBQ5xVpP

こういうキャラ好きだ
素直クールでいいのかな?



213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:18:41.17 ID:3uB8Y0OA0

大層乙であった



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/13(金) 03:20:52.71 ID:IyHON23x0

おっつー

VIPから書籍化!!2010年12月29日発売!!
まおゆう
まおゆう魔王勇者 1「我がものとなれ、勇者よ」「断る!」

転載元
女「まさか君に見つかるとは思わなかったよ」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1281535366/l50
 

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