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441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 00:50:06.25 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「ほら、アンタの母は一度しか起こさないよ」
男「……」
母「起きないならそれでも構わないけど、自分で連絡入れなさいよ」
男「……うん」
母「え、本当に休むの?」
男「……やっぱ行く」
母「そう。さっさと準備しなさいね」
男(腹は減らないからいいや……胃がムカムカする……トイレは学校の使おう……)
男「……いってきます」
姉「……え、アイツ、起きてから家出るの随分と早いわね」
母「アレかしらね、男の子の日っていう」
姉「それ、ベッドとかパンツの中ヤバいんじゃねーの?」
445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:00:53.79 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男友「おーっす……あれ?」
男「どうした」
男友「いや、昨日言った血色いいっての、ありゃ嘘だったな。すまん」
男「……お前が謝ってどうするよ」
[教室]
担任「えーそれじゃあ来週に控えた校外学習。という名のバーベキューだがな」
担任「それの班決めをしたいんだが……」
担任「どうやって分けようか?」
生徒「…………」
担任「そら、クラス替えしたばかりで主張はし辛いよな。ってことで」
担任「先生が少し考えてきた」
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:12:15.06 ID:jndReV2L0
担任「班は8つに分ける。班からは一人ずつリーダーを出してもらうことになってる」
担任「だったら逆に、リーダーが班を作ればいいよな」
担任「な、なんだってー!」
担任「っつーことで、今から俺が適当に選んだ八人の名前を呼ぶぞ。呼ばれたやつはあとで職員室に来るように」
[放課後]
[体育館]
男「よーし、練習始めるぞー」
男友「お前、大丈夫なのか? 朝ほどじゃないが顔色は決してよくないぞ?」
男「あくまで精神的なものが顔に出てるだけだ。肉体的なもんじゃあない。気にすんな」
男友「そうか……なら、今履いてるバッシュ。片方俺のだから返してくれ」
男「……」
456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:14:31.30 ID:9Ckya+oN0
担任一人でなにやってんだwww
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:23:14.19 ID:jndReV2L0
男友「あーもう、どうしても帰りたくないなら端っこにパイプ椅子出して座ってみてろ!」
男「……分かった」
男友「部長だから帰れない、なんて今日日流行んねーっての、全く……」
男(……)
男(自分でも意外だが、周りから思われるよりも頭の中ではずっと冷静だ)
男(だから、友の気遣いが余計に身に染みる)
男(そして、自分が嫌になる)
男(けど、それを変えようとは思わない)
男友「……あれ?」
後輩「どうしました?」
男友「男がいない……」
463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:32:46.86 ID:jndReV2L0
男(何の確証もないから、居たらいいなーぐらいで歩き回ってみた)
男(その辺を考えると、やっぱり自分で思ってるほど冷静ではないのかもしれない)
男(まぁどうせ椅子に座って練習見てるだけだったしな)
女友「あれ、男君」
男「あ、女友さん。部活は?」
女友「私馬鹿だから補習受けてたのよ。それより何か顔色悪くない?」
男「明日にでも急に体が縮んで小学生になったらお世話よろしく」
女友「ごめん、ウチ……探偵事務所じゃないから」
女友「女? どうだろ、最近まともに話もしてないから……」
男「そうなんだ」
女友「もう最近どころじゃないか。ずっとだね。あの日以来、挨拶ぐらいしかしてないよ」
男「……」
470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:39:15.09 ID:jndReV2L0
女友「この前、見たよ。女に話しかけられてなかった?」
男「……昨日はメールも着てたかな」
女友「そっか……大躍進だね」
男「逆だと、思う……」
女友「え?」
男「それじゃ俺行くよ。部活頑張ってね」
女友「あ、うん……」
……………………
…………
……
[教室]
「マジ、男ってやつ。勘弁して欲しいよな」
「ホントホント。あいつなんなの?」
471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:40:08.57 ID:wzuAF+Rf0
ざわ・・・ざわ・・・
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:41:45.73 ID:VYxhIstx0
うわ・・・
473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:42:30.03 ID:T01eqU/bO
どうなってんだ…?
474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:43:27.16 ID:PijpVXK+0
ざわ・・・
480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:48:13.96 ID:jndReV2L0
男(……)
男(自分のクラスだし、間違いないよな……あはは……)
男(何かしくじったかな……こんなところに出くわすなんてあるもんなんだな……)
男(この声は、クラスメイトAか。いや、他にも何人かいるな……)
男(友達、出来るかと思ったのに……涙出てくるって、こんなの)
「もう何もかもあいつが悪いように思えてきたわ」
「ちょwwwww」
「いやでも実際迷惑だよねー。何で部活入ってない俺らがこんな時間まで残されんのって」
「全部、男のせいだわ」
「いやいやwwwその前に諸悪の根源いるだろwwwww」
「あいつはキチガイだろ。もう別枠っていうか」
男(えっ……?)
484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:54:59.69 ID:jndReV2L0
「『男君と一緒がいい!』 だろwww」
「お前がクジ言うたんちゃうんかと。マジファック」
「やり直しってバカじゃないの? 死ぬの? 死ねよ」
「だったら最初から男は女にあげて、それ以外をクジで決めたら良かったんじゃね?」
「バーカ、それは俺が言ったよ。『そんなのズルじゃないw』ってマジ切れそうになったわ」
「やり直しはズルじゃない・・・・っ! 圧倒的思考・・・・っ!」
「もうアイツは手に追えないだろ。マジキチ。だから矛先は男であってるよ」
「女惚れさせた罪wwwwwカワイソスwwwwwwww」
「結局あいつはふらっとどこかに消えただろ? 俺たちは残されたんだぞ? ホントないわ」
「あれ、俺もちょっとイライラしてきた不思議!」
「だろ?……」
「……」
男「……」
男「……分かった」
488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:00:32.14 ID:wzuAF+Rf0
さりげなくカイジネタ入れてくれてありがとwww
493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:02:37.73 ID:jndReV2L0
「えっ……?」
「うわ、男……!? えっと、その俺たち……」
男「今度のバーベキューの班決めだよね」
「あぁ、うん、先生に呼ばれて職員室行ったけどやっぱりうるさいからって教室に戻されて……」
「スマン、お前のこと悪く言ってたわけじゃ……いや、言ってたんだけど……」
男「いいんだ、俺もみんなは悪くないと思うから……」
男「それと、きっと俺のせいで合ってる……」
男「だから俺が決着つけてやる」
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:06:35.78 ID:JQvu2io10
ばつわるいよな
505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:17:25.57 ID:jndReV2L0
男(僕から女にメールを送るのはこれが二度目だ)
『始めて会ったとき、俺は君が鬱陶しいと感じた』
『苦手なタイプだと思った』
男(友達になれるかも、なんて思った)
男(少しだけ、好きになった)
『けどやっぱり、無理だ』
『君のせいで俺が嫌われる』
男(稚拙でも、この一言を添えれば、綺麗にまとまる気がする)
死ね
506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:17:59.93 ID:A7zPMDP60
きゃあああああああああああああ
509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:40.44 ID:wzuAF+Rf0
差jflうぇいjgふぁffkjふじこ
510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:50.73 ID:WBBGCGiiO
うわああああ
512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:55.72 ID:RtFGeBVfO
えっと・・・
513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:19:02.55 ID:PijpVXK+0
やばいこれ下手な鬱アニメよりも鬱だわ
518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:21:01.56 ID:jndReV2L0
男(何でだろう、力が抜ける……立っていられない……)
男(けど、これだけは言っておかないと……)
男「今、女に、死ねって送っておいた」
「……?」
「……wwwwwww」
「ちょwwwwwww男かっけえwwwwwwwww」
「マジかよwwwww男君と一緒がいい!なのにwwwww」
「男やるなwwっをいwwwwwwwwwっうぇwwっうぇ」
「ホントさっきごめんなwwwwwwww」
男「……あはは」
521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:21:38.33 ID:5FD9/mNIO
きっとどんでん返しがある・・・よね?
525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:23:59.77 ID:suLpBjAGP
>>521
なかったら俺はうんこ漏らす
530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:26:14.66 ID:jndReV2L0
[体育館]
男友「お、おい、男お前どこいってたんだよ!」
男「ごめん、やっぱり体調が優れないから今日は先に帰るよ」
男友「それは構わないけど……お前、本当に大丈夫か?」
男「うん」
[昇降口]
男(……)
男(気は晴れないか……まぁ、当然だよな)
男(女はメールを見て、どう思うんだろう)
男(俺何してんだろうなあ)
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:26:39.58 ID:/UViHSqZO
メンタル弱すぎだろw
533 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:27:54.18 ID:Ejuq/h/tO
胸がズキズキするぞ
540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:34:58.42 ID:UnQklyL9O
男かなりミスってるだろ
このコミュ力だったら今後彼女できる可能性限りなく低いのに、自分で最初で最後の可能性潰しやがった
547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:40:09.30 ID:jndReV2L0
[家]
男(時間が経過すればするほどに自己嫌悪に苛まれてくるな……)
男(同時に女が俺に影響されると思ってる自惚れも怖い)
男(やべ、普通に手が震えてきた……)
男(俺何やってんだよ……)
男(何もかも、今更だろ……)
549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:40:53.30 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「起きなさいよーってもう起きてるのね」
男「あぁ、今日の俺の顔色はどうだ。バッチリだろ」
母「は?」
男「おはよう」
姉「おはよ。何あんた、顔がホロウ化してるわよ」
男「スマートだろ」
姉「は?」
ガチャ
男「行ってきます」
父「……」
567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:47:50.35 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男「ヤバい今日の俺はトリプルクラッチしても滞空時間余る気がする」
男友「いや、それ気のせいだ」
男「んなことねえって」
男友「……」
男「本当に」
[授業]
男「先生はもっと人生を楽しむべき」
担任「ヤッダバァァァァァァァァァァーーー!!!」
[放課後]
男「よっしゃ部活だぞ部活いくぞいくぞー!」
男友「あ、あぁ……」
582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:56:09.09 ID:jndReV2L0
……………………
…………
……
男「……」
男友「目覚めたか?」
男「……すまん」
男友「何が?」
男「……多分、部活中に寝落ちして、ここまで運んでもらったであろうことと」
男友「正解だ」
男「流石にトリプルクラッチは無理だ」
男友「分かってるよ」
663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:32:18.76 ID:jndReV2L0
[翌日]
[昇降口]
男(いつも始業の鐘が鳴る寸前に滑り込んでるけど……)
男(幾分か早く登校しただけで、生徒の数は数えるほどだな)
男(……顔なんて、合わせられないしな)
男(俺の席は窓際だから、先に学校に来て座って突っ伏してさえいれば乗り切れる……)
男(もしかすれば、女は学校を休むかもしれない)
男(俺はこの先、一年……そうやって過ごすのかな)
男(自転車のタイヤ、空気抜けてきたな。パンクする前に入れ直さないと……)
男(磨り減ってるし、交換でもいいかな)
男(……交換か)
男(こんな簡単に取り替えたりやり直したり出来たらいいのに)
665 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:35:23.34 ID:jndReV2L0
[教室]
女「……」
男(……!!!!!)
男(裏目だった……)
男(女が学校に来るのがこんなに早かったなんて)
男(ダメだ、今更教室を出ることも出来ない……)
男(とにかく、自分の席まで行って椅子に座って窓の外でも眺めていたらいいんだ……)
男(それでやり過ごせばいいんだ)
男(あと10分もすれば何人か来るだろ)
男(たかだか10分、2曲分くらいだ。アップテンポな曲でも聴いて……)
女「……っ」
男「……」
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:40:18.00 ID:jndReV2L0
女「おはよ」
男「……」
女「元気ないぞー?」
男「……ごめん」
女「……」
女「言いたいことは分かるんだ。これでも自覚はあるからさ」
女「こっちこそ、ごめんね」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……ごめんね」
669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:44:39.48 ID:jndReV2L0
[廊下]
男(こんな時でも、話しかけてくれるんだな……)
男(どうしてそんなことが出来るんだろ)
男(どんな気持ちで俺の席まで歩いてきたんだろ)
男(つーか何で俺が謝られてるんだろうな)
男(ちょっと思い返してみれば、そうだ)
男(俺がどうでもいいことにこだわって、勝手にストレス感じて……それだけだ)
男(何でこいつ、逃げた挙句に俺のとこ来るんだよって……)
男「あれ……俺」
男「大会の次の日、あんなことがあって」
男「彼女の逃げる場所になろうって」
男「思ってたはずなのに」
671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:51:53.31 ID:jndReV2L0
[放課後]
「よお男wwwwwwww」
男「……?」
「効果覿面だよwww女のやつ今日の班決めのとき何も言ってこなかったwwwwwww」
「昨日送ったメール? めっちゃ効いてんじゃねwwwwww」
男「……そう、かもね」
「男ひでーwwwww」
「ちょっとメール見せてくれよwwwwww」
男「別にいいけど」
「ちょwwwそんなの見たら身悶えるってのwwwwwwww」
「怖いもの見たさだろwwwww」
674 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:55:05.94 ID:jndReV2L0
男(送信メール一覧は……ここか)
男(送ったメールなんて見直さないから、初めて使う機能かも)
男(あれ……)
男(俺、もしかして)
「しかもまともにクジやり直したら、今更男と同じ班になってやんのwwwwww」
「こwれwはw針wのwむwしwろwwww」
「気まずすぎるwwwww男いつでもこっち遊びに来いよなwwwwww」
男(……まだ、だ)
「メール見つかったか?wwwww」
「早く見せてくれwwwwwwwwwwwwww」
男「悪いけど……」
男「やっぱ、お前たちって俺が嫌いな部類だったわ」
678 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:01:21.74 ID:jndReV2L0
「は?」
男「俺が腰抜けで本当によかった」
男「最後にたった二文字を添えることも出来ずに、意味の分からない文章を送りつけられるんだ」
男「直接会って話すことも出来る気がする」
「さっきからお前何言ってんの……?」
男「俺、女と同じ班になれたんだっけ?」
「あぁ、そうだけど……」
男「本当によかった」
男「俺は仲直りってのが大嫌いだから」
男「その時ぶつけた感情を後でなかったことにするなんて都合のいい話は気に入らないから」
男「俺は女に言いたいことだけ言ってくる」
696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:14:16.47 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男(女は……いないか……っ!?)
男(追いかける場所に目処が立つほど俺は女のことを知らない……)
男(いきなり手詰まりかよ!!)
男(……そうだ)
男「もしもし、女友さん!?」
女友「え、何、急にそんな大声だして。聞こえてるよ?」
男「女さん探してるんだけど、行きそうなところに覚えはない!?」
女友「えーっと、行きそうなところかぁ」
男「割と急いでるから、早めに頼む!」
女友「ちょっと待ってね。……ん? 男君。女のこと探してるんだってさ」
女友「どこにいるか知らないかって。うん。どこがいい?」
男(……どこがいい?)
704 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:18:25.17 ID:jndReV2L0
女友「えっとね、友達が教室で見かけたみたい。行ってみて」
男「教室って俺のクラスでいいの?」
女友「そう」
男(さっきまで俺もいたんだけどな……)
男「分かった、行ってくる! ありがとう!」
女友「いーの、いーの」
男(正直、あの流れで飛び出したからクラスメイトがまだいたら気まずいことこの上ないが)
男(今更そんなこと気にしてもいられないか)
女友「さーほら。行ってきなさい」
女「……うん」
715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:23:30.87 ID:jndReV2L0
男(誰もいない……)
男(いや、ちょっと待て。今のは流石に誰もいなくてよかったんじゃないか?)
男(中学時代の俺を思い出せ……カノッサ機関戦線で戦ってる俺はクールだった……)
男「もしもし、女友さん?」
女友「あ、もしもし。女とは会えた?」
男「いや、教室には誰もいないみたいなんだけど……」
女友「それなんだけど、次は図書館で見たっていう情報が入ってるよ」
男「図書館!? 分かった、すぐに行くよ! ありがとう!」
女友「どうしたの?」
女「……」
女友「行かないの?」
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:28:56.75 ID:jndReV2L0
男(流石に図書館で声は出せない……)
男(滅多にこないから新鮮だけど、女さんがここに来るようには見えないんだよな……)
男(一通り見て回ったけど、誰も居ないか)
男「あの、すいません」
図書係「はい?」
男「さっき、女の子来ませんでした? 俺の肩より少し上ぐらいの背なんですけど……」
図書係「来てないですねー」
男「そうですか……」
図書係「っていうか、普通に入ってきちゃってますけど」
男「え?」
図書係「今、本の整理で閉館中なんですけど……ドアに札貼ってありますよ?」
男「あ、すいません……」
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:32:21.41 ID:jndReV2L0
男「ごめん、こっちで訪ねておきながら失礼なんだけどさ」
女友「うんうん」
男「本当に図書館で見たって聞いた? 誰に聞いた?」
女友「おっと、情報提供者の身元バレは出来ないっすよー」
男「……」
女友「体育館、行ってみたら?」
男「……」
女友「私が言えるのは、これぐらいだけど」
男「……分かった」
女友「そろそろ嘘教えるのも可哀想になってきたって言うか、心苦しいんだけど」
女「……」
女友「まだ逃げるの?」
742 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:32:48.73 ID:BUYYDHkm0
そうそう、お前らもまだ逃げるのか
743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:33:14.91 ID:ishWgY1K0
戦いたくない!!現実と!!!
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:40:40.16 ID:jndReV2L0
男「みんな、女を見てないか!?」
男友「うお、急に出てきてそれかよ。ノロケとかきっついわー」
男「そんなんじゃない! とりあえず、体育館に来たかどうかだけ教えてくれ!」
男友「いや、来てないよ」
男「……だよなぁ」
女「……女友は、それでもいいって言ってくれたじゃん」
女友「私は別にそれでもいいよ。あんな状況になったら部活辞めるのも賛成してあげるし」
女友「部員と後腐れないように部長になって気も逸らしてあげるよ」
女友「けど、男君が私に頼んでくるんだよ?」
女友「多分心の中では、女が疎外されたのに部長になった私のこと嫌ってるはずなのにさ」
女「……ごめん」
764 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:48:37.38 ID:jndReV2L0
女友「もしもし、男君?」
男「……そっちから電話かかってくるとは思わなかったよ」
女友「えっと、化学室に向かってくれるかな」
男「化学室? ってどこだっけ……」
女友「生徒棟の4階の端っ……ちょ、やめ」
男「電話切れた……?」
男「まぁいいや、行く当てもないしとりあえず向かってみよう」
男「会ってまずなんて言えばいいんだろう」
男「『始めて会ったとき、俺は君が鬱陶しいと感じた』
『苦手なタイプだと思った』
『けどやっぱり、無理だ』
『君のせいで俺が嫌われる』」
男「うーん……なにこの乱文。それでも傷つけたことは間違いないよな……」
773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:55:04.54 ID:jndReV2L0
男「化学室ってここか。初めて来たな」
男「不慣れな場所でも図書館と違って入りやすい部屋じゃないから緊張するな……」
男「先生が実験準備とかしてたら怒られるんじゃないのか……?」
男「……ええい、いったれ」
男「失礼しまーす……」
男「…………」
男「……えっと」
男「……おっす」
女「……」
775 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:01:15.95 ID:jndReV2L0
男「えっと……その……」
男「言いたいことがあって、来たんだ」
男「言い訳はしたくないから、許してもらうつもりもなくて、だからもう謝ろうとも思わなくて……」
男「あれ、言うことがない……」
男「えっと……」
女「男君の言いたいことは分かるよ」
男「いや、そういうんじゃなくて……」
女「ううん、本当だよ」
女「去年の大会の日。私がどうしてみんなに責め立てられたか、知らないんだよね?」
男「え、いや……」
女「私が無断欠席したからだよ」
780 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:07:26.06 ID:jndReV2L0
男「……何となく、そんな気はしてた」
女「メール噛みあわなかったもんね」
男「……」
女「何か知らないけど、前日に先輩から『明日はスタメンで使っていくから』って言われて」
女「怖くなって部屋で終わるの待ってた」
女「私はみんなと違って、大会に出たいなんて少しも思ってなかったから」
女「嫌だなって」
男「でも、それだけのことで……」
女「行ってないから分からないけど、なんか退場が多かったみたいでさ」
女「私がいなかったせいで、怪我してた先輩をコートに戻すことになったって言われて」
女「気付いたらもうみんなこっちを見てたんだよね」
783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:13:18.83 ID:jndReV2L0
女「きっとみんなが正しいんだろうなって思ったけど」
女「謝るよりもその場から逃げようとして振り返ったら突き飛ばされちゃった」
男(俺が見たのは、きっとそこだ……)
女「さっきも言ったけど大会は出たくないし、そこまで思い入れもなかったから」
女「さっさと辞めちゃおうって思った」
女「そうしたら女友からメールが来たの」
女「男君たちがいつでもこっちに逃げていいって言ってるって」
男「……」
男「あれ、何で女友さんがそんなことを……?」
男「……友、あいつ漏らしたな」
784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:17:36.39 ID:3rT5165p0
女最低じゃん
785 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:22:20.50 ID:uSY91D7LO
友の方が最低だろ
良い年こいてお漏らしはないわ・・・
787 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:24:45.48 ID:jndReV2L0
女「今だから言うけど私、男君が嫌がってるの分かってて付き纏ってた」
男「……」
女「クラスでどこにも属してない人を探して」
女「その人とならこっちが振り回されないで話せるかなって思った」
女「だから、こっちに逃げてきていいって言ってくれてたことを聞いて、申し訳なくなった」
女「部活辞めた後は落ち着ける場所がなかったけど」
女「男君と男友くんのところには行けなかった」
男「……そっか」
女「学年変わって自分と折り合いもついて、ようやく男君のところまで逃げてみようかなって思って」
男「……!」
男「俺は……」
794 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:36:08.97 ID:jndReV2L0
女「勝手な話だとは思ったけど、他のどこにも属したいとは思えなかったから」
女「もう一度、仲間に入れてもらえないかなって」
女「……ちょっと、勝手が過ぎたみたいだねっ」
男「違う、ちょっと待って……」
女「逃避癖が染み付いちゃってるんだよね」
男「……そんなの、俺だってそうだ」
男「このままじゃクラスで弾かれると思ったら、すぐにあんなメールが送れるようなやつだ」
男「かと思えば、衝動に任せて何でも書く勇気もないんだ」
男「俺のほうがよっぽど逃げ足は速いよ」
女「男君……」
796 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:43:02.65 ID:jndReV2L0
男「苦手な人だと思った」
男「けど、友達になれるかも、なんて思った」
男「少し好きになった」
男「けど、結果はこれだ。それはどうしたって変えられない」
女「……」
男「その時ぶつけた感情を後でなかったことにするなんて都合のいい話は気に入らないから」
女「……」
男「だから」
女「……」
男「俺は、女さんと仲直りを申し込むことはしない」
女「……うん」
805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:49:59.44 ID:jndReV2L0
……………………
…………
……
男友「……ってことはなんだ。え?」
男「はい」
男友「勇ましく意地張って帰ってきたのか」
男「はい」
男友「ばっかでーwwwwwwwww」
男「我ながら言葉がないわ」
男友「つーかお前クラスのやつらどうすんだよwww」
男「もう考えたくないよねえ」
男友「ばっかでーwwwwwwwww」
806 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:50:35.11 ID:A7zPMDP60
ばっかでーwwwwwwwwwwww
808 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:43.53 ID:pos45ZaoO
男友wwwww
809 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:44.21 ID:wX70ALpFO
ばっかでーwww
810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:44.94 ID:Rrau4keGP
男友は友達いないからなw
811 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:49.20 ID:nYSij4Hk0
やっぱ男友いいキャラだわwww
815 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:54:17.93 ID:jndReV2L0
男「ぐっ……お前には女友さんを介した情報横流しについても問いたいところなんだが……」
男「何もいえねえ」
男友「いやーお友達多いと大変ですよね」
男「もう違うと思うけどな」
男友「いやーほんとぼっちでよかった」
男「……」
男友「……いやー」
男「……」
男友「……」
816 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:59:33.75 ID:jndReV2L0
男友「それで、明日の校外学習どうすんの?」
男「そっちの班に入れてください。お願いします」
男友「仕方ないやつよのうwww先生いないとき見計らってくるがよいwwwそっちの肉もってwwww」
男「野菜で勘弁して。席無くなっちゃう」
男友「なら、とうもころしだぞ」
男「病院のお母さんに届けそうだな」
[翌日]
母「今日は家にいられると困るからさっさと出て行きなさい」
男「休みたい日に限ってコレだ……」
母「今日はお友達みんな呼んで鑑賞会するのよ」
男「これだからイケメン集団は……」
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:04:09.91 ID:jndReV2L0
男「おはよう」
姉「おはよ。アンタ今日バーベキューだっけ? いいわねー」
男「それが全然そんなことないんだけどな」
姉「何言ってんの。授業以外で出席つくなんて、幸せなことなんだから」
男「いやー今日は学校に居たいと思うだろうな」
ガチャ
男「……」
父「すまん」
819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:04:39.23 ID:Rrau4keGP
父が・・話しただと・・
823 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:11:04.70 ID:jndReV2L0
[公園]
担任「えーそれでは。校外学習と称したバーベキュー大会を始める」
担任「それぞれ火の扱いには十分気をつけるように。先生はそれで昔痛い目に会ったからな」
担任「それじゃ好きに初めていいぞー」
男(経験豊富なんだな……)
男友「おーう、こっちだこっちー」
男「お邪魔しまーす」
生徒A「いらっしゃい。話は聞いてるよ」
生徒B「男友の友達なんだって? なんかややこしいな」
生徒A「遠慮しないでこっちにいるといいよ。僕たちは歓迎するよ」
男(話って、お前俺のことなんて説明したんだ?)
男友(彼女に二股かけられた上に捨てられて、その女と同じ班だから引き取ったことになってる)
男(おま、それはいいすぎだろ!)
827 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:23:06.99 ID:jndReV2L0
男友(それぐらい言わないと、女絡みで引き取ってくれるメンツじゃなかったんだよ)
男(……まぁ、ワガママは言えないけどな)
生徒A「そういえば食材まだ貰ってなかったな」
生徒B「あぁ、そうだった。行ってくるか。多めにくれって言ったほうがいいかな?」
男「……あ、俺か。大丈夫、自分のところから取り分は持ってきたから」
生徒B「分かった。それじゃ俺たちちょっといってくるよ」
男「おーう」
男友「……ん、俺もちょっと用事思い出した」
男「え、何?」
男友「あれだよ、えーっとちょっとマーキング行ってくるわ」
男「お、おい! 嘘でもそれはやめとけよ!」
828 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:28:58.49 ID:jndReV2L0
男友「振りまくぜ……カバのように!!」
男「あーあ、行っちまった」
男(えーっと。どうすっかな)
男(つーか……アイツいなくなったら俺ここにいるのおかしいだろ)
男(いやおかしいっていうか、それはもとからおかしいんだけど、バレちゃうだろ……)
男(前髪降ろして隠れていよう……」
「……」
男(……っ)
「前髪長くない? 切らないの?」
831 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:31:45.78 ID:jndReV2L0
「……え?」
「目に入らない? 下向いたら顔にかかって邪魔じゃない?」
「……まぁ、そう、だね」
「口の中にも入っちゃうんじゃない?」
「……そんなことも、あるね」
「何かこだわりでもあるの? 長髪が好きなの?」
「そう、だな……」
「……」
「今はちょっと……完全に直視ってのが、俺には辛いから……かな」
835 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:33:22.99 ID:jHGqbwV7O
えっ
838 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:28.72 ID:vhbFFYTEO
えっ
839 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:43.94 ID:wX70ALpFO
え…?
840 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:46.27 ID:m9RFaJuHO
えっ
843 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:35:11.72 ID:YBsLuDOLO
この終わり方、むしろGJ!
乙でした
847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:36:56.60 ID:ZgvHDyKwO
こういう終わらせ方は嫌いじゃない
852 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:38:28.07 ID:jndReV2L0
以上で、終わりになります。
紆余曲折と言えるのかは分かりませんが、最初考えていた通りに書けたと思います。
支援と保守がとても支えになりました。ありがとうございます。
「えっ」率高いのはどうしよう。
853 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:38:41.69 ID:fpWshyoL0
最後まで・・・終わり方までむず痒い・・・
でも読後感は悪くないな
おつかれさま。
863 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:41:35.56 ID:UkNbKMquO
この終わり方好きだよ
866 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:43:32.28 ID:BBA9QqLu0
乙
なんか独特な終わり方だ
871 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:49:34.59 ID:7q5lN1gZO
前髪のばしてくる!
873 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:50:53.72 ID:mDDK/yfGO
こういう終わり方好きだわ
1乙です
882 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:00:20.38 ID:Zu6tjIyhO
1乙
この終わり方は好きだな
俺はきれいにまとまったと思ったんだが
887 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:02:06.15 ID:kh2NDnnaO
最後の相手をいろいろ考えるのも楽しいな
乙でした
894 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:09:11.75 ID:5FD9/mNIO
普通にいい終わりかたじゃね
楽しかったよ>>1乙
今日から髪伸ばすわwww
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
女「前髪長くない? 切らないの?」おしまい
転載元
女「前髪長くない? 切らないの?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247231149/
女「前髪長くない? 切らないの?」【前編】【中編】【後編】
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 00:50:06.25 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「ほら、アンタの母は一度しか起こさないよ」
男「……」
母「起きないならそれでも構わないけど、自分で連絡入れなさいよ」
男「……うん」
母「え、本当に休むの?」
男「……やっぱ行く」
母「そう。さっさと準備しなさいね」
男(腹は減らないからいいや……胃がムカムカする……トイレは学校の使おう……)
男「……いってきます」
姉「……え、アイツ、起きてから家出るの随分と早いわね」
母「アレかしらね、男の子の日っていう」
姉「それ、ベッドとかパンツの中ヤバいんじゃねーの?」
445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:00:53.79 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男友「おーっす……あれ?」
男「どうした」
男友「いや、昨日言った血色いいっての、ありゃ嘘だったな。すまん」
男「……お前が謝ってどうするよ」
[教室]
担任「えーそれじゃあ来週に控えた校外学習。という名のバーベキューだがな」
担任「それの班決めをしたいんだが……」
担任「どうやって分けようか?」
生徒「…………」
担任「そら、クラス替えしたばかりで主張はし辛いよな。ってことで」
担任「先生が少し考えてきた」
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:12:15.06 ID:jndReV2L0
担任「班は8つに分ける。班からは一人ずつリーダーを出してもらうことになってる」
担任「だったら逆に、リーダーが班を作ればいいよな」
担任「な、なんだってー!」
担任「っつーことで、今から俺が適当に選んだ八人の名前を呼ぶぞ。呼ばれたやつはあとで職員室に来るように」
[放課後]
[体育館]
男「よーし、練習始めるぞー」
男友「お前、大丈夫なのか? 朝ほどじゃないが顔色は決してよくないぞ?」
男「あくまで精神的なものが顔に出てるだけだ。肉体的なもんじゃあない。気にすんな」
男友「そうか……なら、今履いてるバッシュ。片方俺のだから返してくれ」
男「……」
456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:14:31.30 ID:9Ckya+oN0
担任一人でなにやってんだwww
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:23:14.19 ID:jndReV2L0
男友「あーもう、どうしても帰りたくないなら端っこにパイプ椅子出して座ってみてろ!」
男「……分かった」
男友「部長だから帰れない、なんて今日日流行んねーっての、全く……」
男(……)
男(自分でも意外だが、周りから思われるよりも頭の中ではずっと冷静だ)
男(だから、友の気遣いが余計に身に染みる)
男(そして、自分が嫌になる)
男(けど、それを変えようとは思わない)
男友「……あれ?」
後輩「どうしました?」
男友「男がいない……」
463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:32:46.86 ID:jndReV2L0
男(何の確証もないから、居たらいいなーぐらいで歩き回ってみた)
男(その辺を考えると、やっぱり自分で思ってるほど冷静ではないのかもしれない)
男(まぁどうせ椅子に座って練習見てるだけだったしな)
女友「あれ、男君」
男「あ、女友さん。部活は?」
女友「私馬鹿だから補習受けてたのよ。それより何か顔色悪くない?」
男「明日にでも急に体が縮んで小学生になったらお世話よろしく」
女友「ごめん、ウチ……探偵事務所じゃないから」
女友「女? どうだろ、最近まともに話もしてないから……」
男「そうなんだ」
女友「もう最近どころじゃないか。ずっとだね。あの日以来、挨拶ぐらいしかしてないよ」
男「……」
470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:39:15.09 ID:jndReV2L0
女友「この前、見たよ。女に話しかけられてなかった?」
男「……昨日はメールも着てたかな」
女友「そっか……大躍進だね」
男「逆だと、思う……」
女友「え?」
男「それじゃ俺行くよ。部活頑張ってね」
女友「あ、うん……」
……………………
…………
……
[教室]
「マジ、男ってやつ。勘弁して欲しいよな」
「ホントホント。あいつなんなの?」
471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:40:08.57 ID:wzuAF+Rf0
ざわ・・・ざわ・・・
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:41:45.73 ID:VYxhIstx0
うわ・・・
473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:42:30.03 ID:T01eqU/bO
どうなってんだ…?
474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:43:27.16 ID:PijpVXK+0
ざわ・・・
480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:48:13.96 ID:jndReV2L0
男(……)
男(自分のクラスだし、間違いないよな……あはは……)
男(何かしくじったかな……こんなところに出くわすなんてあるもんなんだな……)
男(この声は、クラスメイトAか。いや、他にも何人かいるな……)
男(友達、出来るかと思ったのに……涙出てくるって、こんなの)
「もう何もかもあいつが悪いように思えてきたわ」
「ちょwwwww」
「いやでも実際迷惑だよねー。何で部活入ってない俺らがこんな時間まで残されんのって」
「全部、男のせいだわ」
「いやいやwwwその前に諸悪の根源いるだろwwwww」
「あいつはキチガイだろ。もう別枠っていうか」
男(えっ……?)
484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 01:54:59.69 ID:jndReV2L0
「『男君と一緒がいい!』 だろwww」
「お前がクジ言うたんちゃうんかと。マジファック」
「やり直しってバカじゃないの? 死ぬの? 死ねよ」
「だったら最初から男は女にあげて、それ以外をクジで決めたら良かったんじゃね?」
「バーカ、それは俺が言ったよ。『そんなのズルじゃないw』ってマジ切れそうになったわ」
「やり直しはズルじゃない・・・・っ! 圧倒的思考・・・・っ!」
「もうアイツは手に追えないだろ。マジキチ。だから矛先は男であってるよ」
「女惚れさせた罪wwwwwカワイソスwwwwwwww」
「結局あいつはふらっとどこかに消えただろ? 俺たちは残されたんだぞ? ホントないわ」
「あれ、俺もちょっとイライラしてきた不思議!」
「だろ?……」
「……」
男「……」
男「……分かった」
488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:00:32.14 ID:wzuAF+Rf0
さりげなくカイジネタ入れてくれてありがとwww
493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:02:37.73 ID:jndReV2L0
「えっ……?」
「うわ、男……!? えっと、その俺たち……」
男「今度のバーベキューの班決めだよね」
「あぁ、うん、先生に呼ばれて職員室行ったけどやっぱりうるさいからって教室に戻されて……」
「スマン、お前のこと悪く言ってたわけじゃ……いや、言ってたんだけど……」
男「いいんだ、俺もみんなは悪くないと思うから……」
男「それと、きっと俺のせいで合ってる……」
男「だから俺が決着つけてやる」
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:06:35.78 ID:JQvu2io10
ばつわるいよな
505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:17:25.57 ID:jndReV2L0
男(僕から女にメールを送るのはこれが二度目だ)
『始めて会ったとき、俺は君が鬱陶しいと感じた』
『苦手なタイプだと思った』
男(友達になれるかも、なんて思った)
男(少しだけ、好きになった)
『けどやっぱり、無理だ』
『君のせいで俺が嫌われる』
男(稚拙でも、この一言を添えれば、綺麗にまとまる気がする)
死ね
506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:17:59.93 ID:A7zPMDP60
きゃあああああああああああああ
509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:40.44 ID:wzuAF+Rf0
差jflうぇいjgふぁffkjふじこ
510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:50.73 ID:WBBGCGiiO
うわああああ
512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:18:55.72 ID:RtFGeBVfO
えっと・・・
513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:19:02.55 ID:PijpVXK+0
やばいこれ下手な鬱アニメよりも鬱だわ
518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:21:01.56 ID:jndReV2L0
男(何でだろう、力が抜ける……立っていられない……)
男(けど、これだけは言っておかないと……)
男「今、女に、死ねって送っておいた」
「……?」
「……wwwwwww」
「ちょwwwwwww男かっけえwwwwwwwww」
「マジかよwwwww男君と一緒がいい!なのにwwwww」
「男やるなwwっをいwwwwwwwwwっうぇwwっうぇ」
「ホントさっきごめんなwwwwwwww」
男「……あはは」
521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:21:38.33 ID:5FD9/mNIO
きっとどんでん返しがある・・・よね?
525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:23:59.77 ID:suLpBjAGP
>>521
なかったら俺はうんこ漏らす
530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:26:14.66 ID:jndReV2L0
[体育館]
男友「お、おい、男お前どこいってたんだよ!」
男「ごめん、やっぱり体調が優れないから今日は先に帰るよ」
男友「それは構わないけど……お前、本当に大丈夫か?」
男「うん」
[昇降口]
男(……)
男(気は晴れないか……まぁ、当然だよな)
男(女はメールを見て、どう思うんだろう)
男(俺何してんだろうなあ)
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:26:39.58 ID:/UViHSqZO
メンタル弱すぎだろw
533 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:27:54.18 ID:Ejuq/h/tO
胸がズキズキするぞ
540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:34:58.42 ID:UnQklyL9O
男かなりミスってるだろ
このコミュ力だったら今後彼女できる可能性限りなく低いのに、自分で最初で最後の可能性潰しやがった
547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:40:09.30 ID:jndReV2L0
[家]
男(時間が経過すればするほどに自己嫌悪に苛まれてくるな……)
男(同時に女が俺に影響されると思ってる自惚れも怖い)
男(やべ、普通に手が震えてきた……)
男(俺何やってんだよ……)
男(何もかも、今更だろ……)
549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:40:53.30 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「起きなさいよーってもう起きてるのね」
男「あぁ、今日の俺の顔色はどうだ。バッチリだろ」
母「は?」
男「おはよう」
姉「おはよ。何あんた、顔がホロウ化してるわよ」
男「スマートだろ」
姉「は?」
ガチャ
男「行ってきます」
父「……」
567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:47:50.35 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男「ヤバい今日の俺はトリプルクラッチしても滞空時間余る気がする」
男友「いや、それ気のせいだ」
男「んなことねえって」
男友「……」
男「本当に」
[授業]
男「先生はもっと人生を楽しむべき」
担任「ヤッダバァァァァァァァァァァーーー!!!」
[放課後]
男「よっしゃ部活だぞ部活いくぞいくぞー!」
男友「あ、あぁ……」
582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 02:56:09.09 ID:jndReV2L0
……………………
…………
……
男「……」
男友「目覚めたか?」
男「……すまん」
男友「何が?」
男「……多分、部活中に寝落ちして、ここまで運んでもらったであろうことと」
男友「正解だ」
男「流石にトリプルクラッチは無理だ」
男友「分かってるよ」
663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:32:18.76 ID:jndReV2L0
[翌日]
[昇降口]
男(いつも始業の鐘が鳴る寸前に滑り込んでるけど……)
男(幾分か早く登校しただけで、生徒の数は数えるほどだな)
男(……顔なんて、合わせられないしな)
男(俺の席は窓際だから、先に学校に来て座って突っ伏してさえいれば乗り切れる……)
男(もしかすれば、女は学校を休むかもしれない)
男(俺はこの先、一年……そうやって過ごすのかな)
男(自転車のタイヤ、空気抜けてきたな。パンクする前に入れ直さないと……)
男(磨り減ってるし、交換でもいいかな)
男(……交換か)
男(こんな簡単に取り替えたりやり直したり出来たらいいのに)
665 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:35:23.34 ID:jndReV2L0
[教室]
女「……」
男(……!!!!!)
男(裏目だった……)
男(女が学校に来るのがこんなに早かったなんて)
男(ダメだ、今更教室を出ることも出来ない……)
男(とにかく、自分の席まで行って椅子に座って窓の外でも眺めていたらいいんだ……)
男(それでやり過ごせばいいんだ)
男(あと10分もすれば何人か来るだろ)
男(たかだか10分、2曲分くらいだ。アップテンポな曲でも聴いて……)
女「……っ」
男「……」
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:40:18.00 ID:jndReV2L0
女「おはよ」
男「……」
女「元気ないぞー?」
男「……ごめん」
女「……」
女「言いたいことは分かるんだ。これでも自覚はあるからさ」
女「こっちこそ、ごめんね」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……ごめんね」
669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:44:39.48 ID:jndReV2L0
[廊下]
男(こんな時でも、話しかけてくれるんだな……)
男(どうしてそんなことが出来るんだろ)
男(どんな気持ちで俺の席まで歩いてきたんだろ)
男(つーか何で俺が謝られてるんだろうな)
男(ちょっと思い返してみれば、そうだ)
男(俺がどうでもいいことにこだわって、勝手にストレス感じて……それだけだ)
男(何でこいつ、逃げた挙句に俺のとこ来るんだよって……)
男「あれ……俺」
男「大会の次の日、あんなことがあって」
男「彼女の逃げる場所になろうって」
男「思ってたはずなのに」
671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:51:53.31 ID:jndReV2L0
[放課後]
「よお男wwwwwwww」
男「……?」
「効果覿面だよwww女のやつ今日の班決めのとき何も言ってこなかったwwwwwww」
「昨日送ったメール? めっちゃ効いてんじゃねwwwwww」
男「……そう、かもね」
「男ひでーwwwww」
「ちょっとメール見せてくれよwwwwww」
男「別にいいけど」
「ちょwwwそんなの見たら身悶えるってのwwwwwwww」
「怖いもの見たさだろwwwww」
674 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 09:55:05.94 ID:jndReV2L0
男(送信メール一覧は……ここか)
男(送ったメールなんて見直さないから、初めて使う機能かも)
男(あれ……)
男(俺、もしかして)
「しかもまともにクジやり直したら、今更男と同じ班になってやんのwwwwww」
「こwれwはw針wのwむwしwろwwww」
「気まずすぎるwwwww男いつでもこっち遊びに来いよなwwwwww」
男(……まだ、だ)
「メール見つかったか?wwwww」
「早く見せてくれwwwwwwwwwwwwww」
男「悪いけど……」
男「やっぱ、お前たちって俺が嫌いな部類だったわ」
678 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:01:21.74 ID:jndReV2L0
「は?」
男「俺が腰抜けで本当によかった」
男「最後にたった二文字を添えることも出来ずに、意味の分からない文章を送りつけられるんだ」
男「直接会って話すことも出来る気がする」
「さっきからお前何言ってんの……?」
男「俺、女と同じ班になれたんだっけ?」
「あぁ、そうだけど……」
男「本当によかった」
男「俺は仲直りってのが大嫌いだから」
男「その時ぶつけた感情を後でなかったことにするなんて都合のいい話は気に入らないから」
男「俺は女に言いたいことだけ言ってくる」
696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:14:16.47 ID:jndReV2L0
[昇降口]
男(女は……いないか……っ!?)
男(追いかける場所に目処が立つほど俺は女のことを知らない……)
男(いきなり手詰まりかよ!!)
男(……そうだ)
男「もしもし、女友さん!?」
女友「え、何、急にそんな大声だして。聞こえてるよ?」
男「女さん探してるんだけど、行きそうなところに覚えはない!?」
女友「えーっと、行きそうなところかぁ」
男「割と急いでるから、早めに頼む!」
女友「ちょっと待ってね。……ん? 男君。女のこと探してるんだってさ」
女友「どこにいるか知らないかって。うん。どこがいい?」
男(……どこがいい?)
704 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:18:25.17 ID:jndReV2L0
女友「えっとね、友達が教室で見かけたみたい。行ってみて」
男「教室って俺のクラスでいいの?」
女友「そう」
男(さっきまで俺もいたんだけどな……)
男「分かった、行ってくる! ありがとう!」
女友「いーの、いーの」
男(正直、あの流れで飛び出したからクラスメイトがまだいたら気まずいことこの上ないが)
男(今更そんなこと気にしてもいられないか)
女友「さーほら。行ってきなさい」
女「……うん」
715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:23:30.87 ID:jndReV2L0
男(誰もいない……)
男(いや、ちょっと待て。今のは流石に誰もいなくてよかったんじゃないか?)
男(中学時代の俺を思い出せ……カノッサ機関戦線で戦ってる俺はクールだった……)
男「もしもし、女友さん?」
女友「あ、もしもし。女とは会えた?」
男「いや、教室には誰もいないみたいなんだけど……」
女友「それなんだけど、次は図書館で見たっていう情報が入ってるよ」
男「図書館!? 分かった、すぐに行くよ! ありがとう!」
女友「どうしたの?」
女「……」
女友「行かないの?」
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:28:56.75 ID:jndReV2L0
男(流石に図書館で声は出せない……)
男(滅多にこないから新鮮だけど、女さんがここに来るようには見えないんだよな……)
男(一通り見て回ったけど、誰も居ないか)
男「あの、すいません」
図書係「はい?」
男「さっき、女の子来ませんでした? 俺の肩より少し上ぐらいの背なんですけど……」
図書係「来てないですねー」
男「そうですか……」
図書係「っていうか、普通に入ってきちゃってますけど」
男「え?」
図書係「今、本の整理で閉館中なんですけど……ドアに札貼ってありますよ?」
男「あ、すいません……」
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:32:21.41 ID:jndReV2L0
男「ごめん、こっちで訪ねておきながら失礼なんだけどさ」
女友「うんうん」
男「本当に図書館で見たって聞いた? 誰に聞いた?」
女友「おっと、情報提供者の身元バレは出来ないっすよー」
男「……」
女友「体育館、行ってみたら?」
男「……」
女友「私が言えるのは、これぐらいだけど」
男「……分かった」
女友「そろそろ嘘教えるのも可哀想になってきたって言うか、心苦しいんだけど」
女「……」
女友「まだ逃げるの?」
742 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:32:48.73 ID:BUYYDHkm0
そうそう、お前らもまだ逃げるのか
743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:33:14.91 ID:ishWgY1K0
戦いたくない!!現実と!!!
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:40:40.16 ID:jndReV2L0
男「みんな、女を見てないか!?」
男友「うお、急に出てきてそれかよ。ノロケとかきっついわー」
男「そんなんじゃない! とりあえず、体育館に来たかどうかだけ教えてくれ!」
男友「いや、来てないよ」
男「……だよなぁ」
女「……女友は、それでもいいって言ってくれたじゃん」
女友「私は別にそれでもいいよ。あんな状況になったら部活辞めるのも賛成してあげるし」
女友「部員と後腐れないように部長になって気も逸らしてあげるよ」
女友「けど、男君が私に頼んでくるんだよ?」
女友「多分心の中では、女が疎外されたのに部長になった私のこと嫌ってるはずなのにさ」
女「……ごめん」
764 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:48:37.38 ID:jndReV2L0
女友「もしもし、男君?」
男「……そっちから電話かかってくるとは思わなかったよ」
女友「えっと、化学室に向かってくれるかな」
男「化学室? ってどこだっけ……」
女友「生徒棟の4階の端っ……ちょ、やめ」
男「電話切れた……?」
男「まぁいいや、行く当てもないしとりあえず向かってみよう」
男「会ってまずなんて言えばいいんだろう」
男「『始めて会ったとき、俺は君が鬱陶しいと感じた』
『苦手なタイプだと思った』
『けどやっぱり、無理だ』
『君のせいで俺が嫌われる』」
男「うーん……なにこの乱文。それでも傷つけたことは間違いないよな……」
773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 10:55:04.54 ID:jndReV2L0
男「化学室ってここか。初めて来たな」
男「不慣れな場所でも図書館と違って入りやすい部屋じゃないから緊張するな……」
男「先生が実験準備とかしてたら怒られるんじゃないのか……?」
男「……ええい、いったれ」
男「失礼しまーす……」
男「…………」
男「……えっと」
男「……おっす」
女「……」
775 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:01:15.95 ID:jndReV2L0
男「えっと……その……」
男「言いたいことがあって、来たんだ」
男「言い訳はしたくないから、許してもらうつもりもなくて、だからもう謝ろうとも思わなくて……」
男「あれ、言うことがない……」
男「えっと……」
女「男君の言いたいことは分かるよ」
男「いや、そういうんじゃなくて……」
女「ううん、本当だよ」
女「去年の大会の日。私がどうしてみんなに責め立てられたか、知らないんだよね?」
男「え、いや……」
女「私が無断欠席したからだよ」
780 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:07:26.06 ID:jndReV2L0
男「……何となく、そんな気はしてた」
女「メール噛みあわなかったもんね」
男「……」
女「何か知らないけど、前日に先輩から『明日はスタメンで使っていくから』って言われて」
女「怖くなって部屋で終わるの待ってた」
女「私はみんなと違って、大会に出たいなんて少しも思ってなかったから」
女「嫌だなって」
男「でも、それだけのことで……」
女「行ってないから分からないけど、なんか退場が多かったみたいでさ」
女「私がいなかったせいで、怪我してた先輩をコートに戻すことになったって言われて」
女「気付いたらもうみんなこっちを見てたんだよね」
783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:13:18.83 ID:jndReV2L0
女「きっとみんなが正しいんだろうなって思ったけど」
女「謝るよりもその場から逃げようとして振り返ったら突き飛ばされちゃった」
男(俺が見たのは、きっとそこだ……)
女「さっきも言ったけど大会は出たくないし、そこまで思い入れもなかったから」
女「さっさと辞めちゃおうって思った」
女「そうしたら女友からメールが来たの」
女「男君たちがいつでもこっちに逃げていいって言ってるって」
男「……」
男「あれ、何で女友さんがそんなことを……?」
男「……友、あいつ漏らしたな」
784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:17:36.39 ID:3rT5165p0
女最低じゃん
785 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:22:20.50 ID:uSY91D7LO
友の方が最低だろ
良い年こいてお漏らしはないわ・・・
787 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:24:45.48 ID:jndReV2L0
女「今だから言うけど私、男君が嫌がってるの分かってて付き纏ってた」
男「……」
女「クラスでどこにも属してない人を探して」
女「その人とならこっちが振り回されないで話せるかなって思った」
女「だから、こっちに逃げてきていいって言ってくれてたことを聞いて、申し訳なくなった」
女「部活辞めた後は落ち着ける場所がなかったけど」
女「男君と男友くんのところには行けなかった」
男「……そっか」
女「学年変わって自分と折り合いもついて、ようやく男君のところまで逃げてみようかなって思って」
男「……!」
男「俺は……」
794 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:36:08.97 ID:jndReV2L0
女「勝手な話だとは思ったけど、他のどこにも属したいとは思えなかったから」
女「もう一度、仲間に入れてもらえないかなって」
女「……ちょっと、勝手が過ぎたみたいだねっ」
男「違う、ちょっと待って……」
女「逃避癖が染み付いちゃってるんだよね」
男「……そんなの、俺だってそうだ」
男「このままじゃクラスで弾かれると思ったら、すぐにあんなメールが送れるようなやつだ」
男「かと思えば、衝動に任せて何でも書く勇気もないんだ」
男「俺のほうがよっぽど逃げ足は速いよ」
女「男君……」
796 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:43:02.65 ID:jndReV2L0
男「苦手な人だと思った」
男「けど、友達になれるかも、なんて思った」
男「少し好きになった」
男「けど、結果はこれだ。それはどうしたって変えられない」
女「……」
男「その時ぶつけた感情を後でなかったことにするなんて都合のいい話は気に入らないから」
女「……」
男「だから」
女「……」
男「俺は、女さんと仲直りを申し込むことはしない」
女「……うん」
805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:49:59.44 ID:jndReV2L0
……………………
…………
……
男友「……ってことはなんだ。え?」
男「はい」
男友「勇ましく意地張って帰ってきたのか」
男「はい」
男友「ばっかでーwwwwwwwww」
男「我ながら言葉がないわ」
男友「つーかお前クラスのやつらどうすんだよwww」
男「もう考えたくないよねえ」
男友「ばっかでーwwwwwwwww」
806 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:50:35.11 ID:A7zPMDP60
ばっかでーwwwwwwwwwwww
808 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:43.53 ID:pos45ZaoO
男友wwwww
809 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:44.21 ID:wX70ALpFO
ばっかでーwww
810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:44.94 ID:Rrau4keGP
男友は友達いないからなw
811 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:51:49.20 ID:nYSij4Hk0
やっぱ男友いいキャラだわwww
815 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:54:17.93 ID:jndReV2L0
男「ぐっ……お前には女友さんを介した情報横流しについても問いたいところなんだが……」
男「何もいえねえ」
男友「いやーお友達多いと大変ですよね」
男「もう違うと思うけどな」
男友「いやーほんとぼっちでよかった」
男「……」
男友「……いやー」
男「……」
男友「……」
816 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 11:59:33.75 ID:jndReV2L0
男友「それで、明日の校外学習どうすんの?」
男「そっちの班に入れてください。お願いします」
男友「仕方ないやつよのうwww先生いないとき見計らってくるがよいwwwそっちの肉もってwwww」
男「野菜で勘弁して。席無くなっちゃう」
男友「なら、とうもころしだぞ」
男「病院のお母さんに届けそうだな」
[翌日]
母「今日は家にいられると困るからさっさと出て行きなさい」
男「休みたい日に限ってコレだ……」
母「今日はお友達みんな呼んで鑑賞会するのよ」
男「これだからイケメン集団は……」
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:04:09.91 ID:jndReV2L0
男「おはよう」
姉「おはよ。アンタ今日バーベキューだっけ? いいわねー」
男「それが全然そんなことないんだけどな」
姉「何言ってんの。授業以外で出席つくなんて、幸せなことなんだから」
男「いやー今日は学校に居たいと思うだろうな」
ガチャ
男「……」
父「すまん」
819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:04:39.23 ID:Rrau4keGP
父が・・話しただと・・
823 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:11:04.70 ID:jndReV2L0
[公園]
担任「えーそれでは。校外学習と称したバーベキュー大会を始める」
担任「それぞれ火の扱いには十分気をつけるように。先生はそれで昔痛い目に会ったからな」
担任「それじゃ好きに初めていいぞー」
男(経験豊富なんだな……)
男友「おーう、こっちだこっちー」
男「お邪魔しまーす」
生徒A「いらっしゃい。話は聞いてるよ」
生徒B「男友の友達なんだって? なんかややこしいな」
生徒A「遠慮しないでこっちにいるといいよ。僕たちは歓迎するよ」
男(話って、お前俺のことなんて説明したんだ?)
男友(彼女に二股かけられた上に捨てられて、その女と同じ班だから引き取ったことになってる)
男(おま、それはいいすぎだろ!)
827 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:23:06.99 ID:jndReV2L0
男友(それぐらい言わないと、女絡みで引き取ってくれるメンツじゃなかったんだよ)
男(……まぁ、ワガママは言えないけどな)
生徒A「そういえば食材まだ貰ってなかったな」
生徒B「あぁ、そうだった。行ってくるか。多めにくれって言ったほうがいいかな?」
男「……あ、俺か。大丈夫、自分のところから取り分は持ってきたから」
生徒B「分かった。それじゃ俺たちちょっといってくるよ」
男「おーう」
男友「……ん、俺もちょっと用事思い出した」
男「え、何?」
男友「あれだよ、えーっとちょっとマーキング行ってくるわ」
男「お、おい! 嘘でもそれはやめとけよ!」
828 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:28:58.49 ID:jndReV2L0
男友「振りまくぜ……カバのように!!」
男「あーあ、行っちまった」
男(えーっと。どうすっかな)
男(つーか……アイツいなくなったら俺ここにいるのおかしいだろ)
男(いやおかしいっていうか、それはもとからおかしいんだけど、バレちゃうだろ……)
男(前髪降ろして隠れていよう……」
「……」
男(……っ)
「前髪長くない? 切らないの?」
831 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:31:45.78 ID:jndReV2L0
「……え?」
「目に入らない? 下向いたら顔にかかって邪魔じゃない?」
「……まぁ、そう、だね」
「口の中にも入っちゃうんじゃない?」
「……そんなことも、あるね」
「何かこだわりでもあるの? 長髪が好きなの?」
「そう、だな……」
「……」
「今はちょっと……完全に直視ってのが、俺には辛いから……かな」
835 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:33:22.99 ID:jHGqbwV7O
えっ
838 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:28.72 ID:vhbFFYTEO
えっ
839 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:43.94 ID:wX70ALpFO
え…?
840 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:34:46.27 ID:m9RFaJuHO
えっ
843 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:35:11.72 ID:YBsLuDOLO
この終わり方、むしろGJ!
乙でした
847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:36:56.60 ID:ZgvHDyKwO
こういう終わらせ方は嫌いじゃない
852 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:38:28.07 ID:jndReV2L0
以上で、終わりになります。
紆余曲折と言えるのかは分かりませんが、最初考えていた通りに書けたと思います。
支援と保守がとても支えになりました。ありがとうございます。
「えっ」率高いのはどうしよう。
853 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:38:41.69 ID:fpWshyoL0
最後まで・・・終わり方までむず痒い・・・
でも読後感は悪くないな
おつかれさま。
863 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:41:35.56 ID:UkNbKMquO
この終わり方好きだよ
866 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:43:32.28 ID:BBA9QqLu0
乙
なんか独特な終わり方だ
871 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:49:34.59 ID:7q5lN1gZO
前髪のばしてくる!
873 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:50:53.72 ID:mDDK/yfGO
こういう終わり方好きだわ
1乙です
882 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:00:20.38 ID:Zu6tjIyhO
1乙
この終わり方は好きだな
俺はきれいにまとまったと思ったんだが
887 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:02:06.15 ID:kh2NDnnaO
最後の相手をいろいろ考えるのも楽しいな
乙でした
894 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:09:11.75 ID:5FD9/mNIO
普通にいい終わりかたじゃね
楽しかったよ>>1乙
今日から髪伸ばすわwww
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
女「前髪長くない? 切らないの?」おしまい
転載元
女「前髪長くない? 切らないの?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247231149/
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