1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:05:49.51 ID:jndReV2L0
男「え」
女「目に入らない? 下向いたら顔にかかって邪魔じゃない?」
男「まぁ、そうだね」
女「口の中にも入っちゃうんじゃない?」
男「そんなこともあるね」
女「何かこだわりでもあるの? 長髪が好きなの?」
男「そんなこともないけど。ただ切りに行くのが面倒臭いだけかな」
女「そうなんだー」
男「そうなんだよ」
女「なるほどねー」
男「……ごめん、誰?」
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:08:25.79 ID:jndReV2L0
女「え、誰って私? 私は女だけど」
男「どうも」
女「っていうか酷くない? 私たち同じクラスだよ?」
男「え、本当に? 席どこ?」
女「廊下側。確かに、このクラスは席替えしないから席が遠いと話す機会はないけどさ」
男「俺窓際だしね」
女「でももう七月だよ?」
男「まぁ、そんなこともあるよ。ほら、先生きたよ」
担任「お前ら席につけよー。ホームルーム始めるぞー。これ終わらないと帰れないんだからなー」
女「あ、ホントだ。じゃーねー!」
男「あ、うん」
男(なんだろう、さっきの。ちょっと鬱陶しいかな)
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:10:48.42 ID:jndReV2L0
[放課後]
男「先行くぞー」
友「ちょ、待ってくれよー!」
男「早くしろよな。遅れると部長怖いぞ」
友「だから待って欲しいんじゃねーか。怒られるときは一緒だぜ!」
男「すまん、先行くわ」
友「ひでえ」
男「しゃーっす」
部長「おう男か。さっさと着替えてアップするぞー」
男「うっす。あ、ボールとか準備させちゃってすみません」
部長「べ、別にアンタのためにしたわけじゃ……勘違いしないでよねっ!」
男「あ、はい」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:13:54.32 ID:jndReV2L0
男「あれ、今日って体育館使えるのバスケ部とバドミントン部じゃありませんでしたっけ?」
部長「あぁ、バドミントンは先週に大会が終わったから今週は活動停止だそうだ」
男「なるほど。それで男子と女子それぞれでオールコート使ってるんですね」
部長「あぁ。だからガッツリと練習出来るぞ」
男「俺たちが今週大会だから空けてくれたんですかね?」
部長「ありがたい話だな」
男「ウチ、部員少ないからオールコートにしたって5対5も出来ませんけどね」
部長「まぁな」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:18:38.37 ID:jndReV2L0
友「スイマセン! 遅れました!」
部長「おう、練習もうとっくに始まってるぞ。さっさと着替えてアップしてこい」
友「はい!」
友(……あれ? 怒られなかった?)
部長「そこで男がシュート打たないでどうすんだ!!!」
男「はい!!!」
部長「周りももっと動け! コートにいるときは一時も休むな!」
部員「うっす!!!」
友「部長! アップ終わりました!」
部長「まだ終わってないだろ。ちゃんと走ってこい」
友「あ、はい……」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:22:45.98 ID:jndReV2L0
部長「よーし、今日はこれで切り上げるぞー」
男「あー疲れた」
友「うん、ほんと、つかれたね」
男「お前、練習出ないで3時間もウォームアップとか何してんの?」
友「部長に『お前まだ体、温まってないだろ』って言われて……」
男「……」
女「疲れたねー」
女友「大会前だからって先輩たち張り切りすぎ……しんどーっ」
女「まぁまぁwww」
女友「また今日もこんな時間まで練習とか、家帰るの何時だよっての!」
女「仕方ないねw」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:27:20.46 ID:jndReV2L0
男「大体、ちょっと遅くなるだけかと思ったら……長針半周の大遅刻だろ?」
男友「ちょっとお花を摘みたくなったの」
男「何恥ずかしがって遠まわしに言ってんだ。トイレって言え」
男友「バカ、うんこだようんこ」
男「開き直るなよ」
女「全くだぜ」
男「これだから男友は困る」
女「男友君はもっとデリカシーってやつを持つべきだな!」
男「全くだぜ」
男「え?」
女「ん?」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:31:26.51 ID:jndReV2L0
男友「エンッ!」
男「……お前、明日から毒物君って呼ぶからな」
男友「なんてこったい」
男「いや、そんなことよりも……」
女「おーっす!」
男友「おっす!」
男「え、そこでノっちゃうんだ」
女「あれ、もしかして私のこと忘れちゃった? 教室で話した女だよ?」
男「いや、それは覚えてるけど……」
女「良かったー! 難しい顔でこっち見るから私が分からないのかと思っちゃったよ!」
男(いや、確かに分からないんだけど)
男友「まったく男はダメなやつだな!」
男(自然な流れで会話に入ってきたところに違和感を覚えてる俺が異端なのかな)
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:37:06.61 ID:jndReV2L0
男「こんな時間にここにいるってことはさ」
女「うん、私もバスケ部だよ」
男「そうなんだろうね」
女「あ。あんまり近づかないでね! 私ずっと走ってて汗かいてるから!」
男(……近づいてきたのはそっちなのに)
男友「あ、男はそういうのむしろ好きなタイプだぜ?」
女「マジで? やるなぁー男君」
男「いや、違うから。友も勝手に変な属性つけてくれるな」
男友「あれ、この前そんな感じのこと言ってなかったっけ」
男「言ってないよ」
男友「マジで?」
男「マジで。人違いじゃないか?」
男友「そうかも。なら友達の話なんだけど、中学の修学旅行のとk」
男「待て、それ俺だ。やめて。それやめて」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:42:51.63 ID:jndReV2L0
女「なにそれwめっちゃ気になるぞーw」
男「何でもないから。本当に、何でもないから」
男友「やっぱりお前じゃんwwwあれは本当に腹抱えて笑ったなwww」
男「お前あとで絶対ぶっ飛ばす」
女「友君、あとで教えてねw」
男「女さんも、聞くのやめて!」
部長「おーい! そろそろ体育館閉まるぞー!」
男「おっと」
男友「やべえ、下校時間に間に合わないと大会出られなくなる」
女「そりゃマズい。それじゃ、私お先に!」
男友「おう、じゃあなー!」
女「また明日ー!」
男「……」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:46:35.57 ID:jndReV2L0
男友「ところであの子は誰だ」
男「知らん」
男友「あれ、てっきりお前とは仲がいいものだとばかり……」
男「俺にはお前のほうが仲よさそうに見えたけどな」
男友「おっと、それはまさか妬いてるのか?」
男「それはないわ」
男友「けっこう可愛い娘だったけどな。俺たちみたいなムサい運動部には縁がないけど」
男「いや、女バスって言ってただろ」
男友「おっと。なるほど、縁があるじゃねえか」
男「良かったな」
男友「あれれ。全然興味なしか?」
男「苦手なタイプだよ」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:51:53.58 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「男、一度しか言わないわよ。起きなさい」
男「うぐぅ」
母「休むなら勝手にしなさいね」
男「……布団を剥ぎ取ってでも起こしてくれる母が羨ましい……」
男「おはよ」
姉「ん、おはよ」
男「……」
姉「……」
男(……トイレ行こう)
ガチャ
父「……」
男「スマン、入ってたか」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:55:30.78 ID:jndReV2L0
母「はい、弁当」
男「ん。どうも」
母「夕方には雨が降るらしいから傘持って行きなさいね」
男「そういや自転車で傘差し運転の取締りが厳しくなったらしいな」
母「捕まったら自分で払いなさいね」
男「はーい……」
姉「行ってきまーす」
男「行ってらっしゃい」
ガチャ
父「……」
男「またか」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:00:44.40 ID:jndReV2L0
[学校昇降口]
男「そんな感じで朝から二回もトイレで父に遭遇してしまった」
男友「あれか、父ルート突入だな」
男「誰も得しないな、それ」
男友「んじゃ、また放課後。……の前に昼休みな」
男「おーう」
男(なんだろうな、このクラス)
男(決して暗くはないが、活気もない)
男(派閥が多くて……俺はどこにも顔出すが、どこにも入りきれなかったな)
男(もしかしてこれが世に言うぼっちってやつなのか……?)
男(まぁいいか)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:06:11.59 ID:jndReV2L0
女「ところでさ!」
男「!?」 ビクッ
女「そんなにビックリしなくても……」
男(ビックリするだろ、振り向いた先に誰かがこっち見てたら……)
男「えっと、女さんだよね」
女「正解! おはよう!」
男「おはよう。……え、何?」
女「いや同じバスケ部ってことで話しかけただけだよ?」
男「あぁ、そう……」
男(ところでさっておかしくないか)
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:10:29.35 ID:jndReV2L0
男「女さんもバスケ部だったんだね。昨日初めて知ったよ」
女「っていうか名前もでしょーが!w」
男「ま、まぁ……」
女「男君はさ、バスケどれぐらいやってるの?」
男「一応、小学校の時のミニバスからだよ」
女「それじゃあ結構長いんだね」
男「中学でもやってたから何となく続いてるかな」
女「ふむふむ……」
男「え、何メモしてんの?」
女「ちょっとした事情聴取のつもりで、気にしない、気にしないw」
男「はぁ」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:15:34.78 ID:jndReV2L0
女「あ、それじゃ先生来たからまた後でねw」
男「あぁ、うん……」
担任「おーしお前ら席座れー。また長い一日が始まっちまったぞーっと」
男(何だろうな、話しかけられると向こうのペースに乗せられて気分が悪い)
[昼休み]
男友「……俺さ」
男「何だよ」
男友「購買での死に物狂いの獲物の取り合い、ってのが夢でさ」
男「あぁ、少し分かる気がする」
男友「こんなに綺麗な列で順番待ちだなんて……くそっ……」
男「比較的にウチの学校は治安がいいよな」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:21:12.74 ID:jndReV2L0
男友「あー弁当が羨ましいぜ」
男「そうか? 作るか作ってもらうかは出来ないのか?」
男友「案外頼むの恥ずかしいもんだ」
男「そういうもんかね」
女「だったら自分で作ればいいんじゃないっ?」
男友「俺は湯を沸かすぐらいしか出来ないんだよね」
女「学校のお弁当に麺類じゃちょっとねw」
男「デジャヴすぎる」
女「え?って言わないの?」
男「いや、言わないけど」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:26:53.07 ID:jndReV2L0
男友「女ちゃんおいーっす」
女「おいすー!」
男「こんな駐輪場の外れまで来てどうしたの? ここ何もないけど」
女「ちょっとした散歩っすよ! 食べた後は運動しないとね!」
男友「いい心がけだなぁ。男も見習っておけよ」
男「……」
男友「腹出てきてるんだから」
男「え、嘘ッ!?」
女「男君はお腹が出てる、っと」
男「ちょ、出てない、出てない! 復唱しないで!」
男友「さーてそろそろ鐘が鳴るかな」
男「午後の授業は眠たくなるよな」
女「だねー」
男(結局最後までいた……)
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:32:19.72 ID:jndReV2L0
[放課後]
担任「よーしこれでホームルーム終わりだ。今日の残りを堪能するようにな」
男(先生は仕事嫌いなんだろうな……)
友「まったく、男! 早くしろよな!」
男「これ見よがしに先に待ってやがって。まぁ昨日練習してないから元気だろうな」
友「……はい」
男「あ、表に出てないだけで昨日の結構キツかったんだな」
[体育館]
友「よし。ボール、ゴール、他もろもろ準備おkだ」
男「昨日の尻拭いだな」
友「もっと他にいい言い方あるだろwww」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:38:11.93 ID:jndReV2L0
部長「おっす。お前たち早いな」
男「あ、こんちわっす」
友「うっす!!!」
部長「ん、全部準備整ってるな」
友「うっす! 俺がやっておきました!」
部長「張り切ってるところ悪いが、今日はバレー部が入るからコート半分だぞ。片付けてこい」
友「……」
男(俺は気付いてたけどな)
男「昨日広かったから余計に狭く感じますね」
部長「まぁそれは仕方ないな」
友「体育館の半分っていっても男女で分けてさらに半分ですもんね」
部長「そこで俺は考えた」
男「?」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:42:39.10 ID:jndReV2L0
部長「女バスと試合をしようと思う」
男「は?」
部長「そうすれば、男子女子ともにオールコートで練習が出来るわけだ」
男「いやいや……」
部長「大会前に試合形式の練習をしたいが、ウチは人数が足りない」
部長「練習試合を組んでくれる学校もないだろう」
男「そらそうでしょう。怪我したくないし、させたくないでしょうし」
部長「女子相手ならどうだ?」
部長「こちらが接触を避ければ、非常に合理的だよ」
友「な、なるほど……っ!」
男「えー……」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:50:10.53 ID:jndReV2L0
部長「ちなみにもう申し込んである。そしておkだそうだ」
男「え、マジっすか?」
部長「条件として人数は5対3になる」
男(それもう実践用にもならないんじゃ)
部長「というか、今日他のやつ模試で休んでるから俺たちしかいないんだ」
友「やったー! 出られるー!」
男「お前はそこが大事なんだな」
部長「ってことで、急いで準備してこい」
友「うっす!!」
男「厄介なことになったなあ……」
友「なんだ、ヘッドバンドつけるのかっ? 俺が付けてやるぞっ? んっ?」
男「いいよ自分で付けるから。テンション高いなお前」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:56:01.24 ID:jndReV2L0
男部長「それじゃ、よろしく」
女部長「ええ。お互い、怪我には気をつけましょう」
女「あ、男君に友君だっ!」
男友「女ちゃんが相手か! これは負けられないぜ!」
女「よろしくおねがいしまーすっ!」
男友「おう! よろしく!」
男(やりづれー)
部長「それじゃ、ちょうどポジション分かれてるから俺F。男がG。友がCな」
男友「うっす!」
男「おっす」
……………………
…………
……
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:01:46.78 ID:jndReV2L0
男部長「お疲れさまでした」
女部長「お疲れ様でした」
男友「よっしゃー! 勝ったー!」
女「くっそーっ! 5対3だったのに負けちゃったよー!」
男友「男ー! 勝ったぞー!」
男「おう、そうだな」
男(……もうちょっと差がつくと思ったが、そうでもなかったな)
部長「よーし、それじゃこれで今日は終わりだ」
男「今日は少し早いっすね」
部長「本当はもっとやりたいけどな」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:07:00.13 ID:jndReV2L0
男(試合前だから俺たちのコンディションも考えてくれてるんだろうな)
男友「さっさと着替えて帰ろうぜ」
男「あぁ、分かってるよ」
男友「早くしろよな!」
男「お前、今日は本当にこれ見よがしだな」
[昇降口]
男「外がまだ少し明るいうちに帰れるなんて……」
男友「涙が出てくるな」
女「ホントだよねーっ」
男(もう突っ込まない……!)
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:11:09.48 ID:jndReV2L0
女友「ちょっと、女待ってよー」
女「ごめんごめん。……あ、そうだ。こちら女友。私と同じく女バスだからよろしくっ!」
女友「あ、どうも……」
男友「おっす。よろしくなー!」
男「よろしく」
女友「……えーっと」
女「ちょっとw なに照れてんのよwww」
女友「て、照れてない! 照れてないから!」
女「そんなキャラじゃないだろーっ!」
男(なんだ、このノリ)
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:21:34.11 ID:jndReV2L0
男友「女友ちゃんも今日試合出てたよな?」
女「女友は女子で一番大きいから重宝されるんだよっ!」
男(そういえば女子にしては背高いな)
女「羨ましいなーっ」
女友「……あのさぁ、いつも言ってるけど大きくてもいいことないからね?」
女「えーっ。ホントに羨ましいんだけどなー」
男友「女ちゃんはどっちかっていえば小さいもんな」
女「黒板上のほう届かねーっつの!」
女友「身長もらってほしいわー」
女「くれ。めっちゃくれ!」
男友「それなら俺にくれ!」
男(なんか盛り上がってんな)
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:26:09.75 ID:jndReV2L0
女「あ、そうだ。男君と男友くんさ。メールアドレス教えてよ」
男友「お、いいぞー」
女「よーし四人でメアド交換だーっ! 急げーっ!」
女友「え、これ急ぐの?」
男友「ほれ、ほれ。受信せい!」
女「よし来いっ!」
男友「いくぜぇ……30%……70%……よしきた100%だァァァァァ!!!」
女「よっしゃーーー!!!」
男「……」
女友「……男君、大丈夫?」
男「え、何が?」
女友「さっきから静かだなーって思って」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:33:18.05 ID:jndReV2L0
男「別にこれが普通だから気にしないで大丈夫だよ」
女友「そう? なら私もアドレス送るからケータイ出してw」
男「ん、はい、これ」
女友「よっと……はい、おk!」
男「ん、ありがとう」
女友「家に帰ってからでもアドレスに送っておいてね!」
男「うん分かった」
女「あ、じゃあ男君、次は私が送るから赤外線の準備だ!」
男「あ、はい。これ」
女「おk! 電話帳にぶち込んでやるぜ!」
男(女さんってこういうキャラなのか)
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:34:37.56 ID:34y2Yq0HO
どういうことだ!俺も前髪長いのに、こんな展開一度もなかったぞ!
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:35:40.35 ID:jndReV2L0
男友「……」
男「……」
男友「……あの、さ///」
男「何だよ」
男友「俺たちも、その……///」
男「……」
男友「メールアドレスの交換、する……?///」
男「悲しいことに電話帳1番の登録がお前だよ」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:41:47.84 ID:jndReV2L0
女「それじゃ私たち、こっちの道だから!」
女友「また明日ー!」
男友「おう! 2人とも気を付けて帰れよー!」
女友「え、何に?」
男友「……///」
女友「初々しいやつめっw」
男(女友さん、すでに打ち解けている……素晴らしい順応性だな)
女「男君も!」
男「……え?」
女「またねー! また明日ー!」
男「あ、うん」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:50:05.04 ID:jndReV2L0
男友「……ふう。俺としたことが、柄にもなくはしゃいでしまったぜ」
男「いや、冷静になったフリしてるけど柄通りそのままだからな」
男友「で、お前はお前でそっけないのなーwww」
男「そんな性格だから仕方ないよ」
男友「分かってんよ」
男「……」
男友「そういやお前、いつまでヘッドバンドしてんの? 気に入ってんの?」
男「ん? ……あぁ、外し忘れてた」
男友「そんなもんつけるぐらいなら髪切っちゃえばいいのにな」
男「まぁ確かにコレつけてると視界が開けて楽だな。今外して思ったけど」
男友「つけてる方が顔が見えて印象明るくなるからずっとつけとけば?」
男「四六時中か? それはちょっと恥ずかしいだろ……」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:55:34.11 ID:jndReV2L0
男友「まぁ最初のうちは恥ずかしいだろうがな」
男「どこの超速スピナーだよって」
男友「しかし女ちゃんのリストバンドみたいにいつも付けていれば、いつしかそれがお前のトレードマークみたいになってだな……」
男「そういえば女さん、いつも付けてるな」
男友「あれは運動少女の証だな」
男「つーかトレードマークって……流石に厨二病は卒業したつもりなんだ」
男友「出来てなくね?wwwww」
男「うっせ」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:59:10.56 ID:jndReV2L0
[家]
男「ただいまー」
姉「あ、おかえり」
男「うん」
母「あら、おかえり。ちょっと早かったわね」
男「ちょっとだけな。風呂入ってくるから飯はまだいいや」
母「はいはい」
男(トイレは……よし、電気点いてない)
ガチャ
父「……」
男「すまん、風呂に入ってたか」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:06.84 ID:XC7ePtT/0
父ルートwww
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:38.38 ID:vukTz4Vw0
親父wwwwwwwwwwwww
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:41.22 ID:6Gn7qZ4SO
親父ww
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:02:28.67 ID:jndReV2L0
[自室]
男(ふーっ。今日も一日疲れたな)
男(あ、そういやメール送らないといけないんだっけか)
男(えっと……女友、女友っと……)
『男です』
男(おk)
男(次は女さんだな……)
『男です』
男「おk」
姉「え、何が?」
男「うわ、部屋覗いてくんな!」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:09:56.69 ID:jndReV2L0
男(しかし、昨日の今日でこれだもんな)
男(馴れ馴れしいってレベルじゃないと思うんだけど、これぐらい普通なのかな。分からんけど)
男(友は2人とも結構仲良くなってたな。あいつは基本的に社交的だもんな)
男(まぁ俺に社交を説く資格はないけど)
男(女さん、か)
男(何だろうね。よく分かんね。とりあえず、あれだな)
男(苦手だ)
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:14:10.19 ID:jndReV2L0
[翌日]
男「……んん」
男(七時か。目覚ましはまだ鳴ってないのに何で目覚めたんだろ)
男(あーフラフラする……低血圧辛いな)
姉「おはよ」
男「ん、おはよう……」
姉「どした?」
男「いや、朝だから力入らなくてフラフラするだけだよ」
姉「あっそ。……そうだ。アンタ携帯の目覚ましなんてセットしてたの?」
男「携帯? 目覚まし時計ならちゃんとあるけど」
姉「朝から何度も鳴ってうっさいから父さん機嫌悪かったわよ。『今日は早めに出る』だってさ」
男「マジか。悪いことしたな」
男(寝惚けてセットする習慣はないハズなんだけどな……)
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:18:44.27 ID:jndReV2L0
母「あら、男も今日は早いのね」
男「なんか目が覚めたから」
母「母さんも今日は少し早く家を出るから、これ、お弁当ね。それじゃ行ってきます」
男「はいよ。行ってらっしゃい」
男(新着メールが5通……)
男(こんなに一度にメールが来たのなんて初めてな気がする)
男(女友さんと女さんの2人にメール送ってすぐに返事が来てたんだな。この時間はまだ起きてたけど気付かなかったな)
女友『女友です。これからよろしくー!』
女『うわっメールめっちゃ淡白w 女です!!w』
男(それと、6時50分と6時55分と7時ちょうどに女さんから)
男(姉ちゃんが言ってたのはこれだな)
男(七時……あぁ、そうか。このメールの音で俺は起きたのか)
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:21:11.85 ID:jndReV2L0
女『早速こんな時間にメールしてゴメン! 今日の時間割って何だっけ!?』
女『あーやっぱりまだ起きてないかな?』
女『あ、時間割表見つかったw お騒がせしましたw』
男「……何だこれ」
姉「何が?」
男「ちょ、独り言だから突っ込みにこなくていい! わざわざ部屋のドア開けてまでくんな!」
姉「はいはい。それじゃ私先行くわよ」
男「ん、行ってらっしゃい」
男(今までメールなんて滅多に来ないからそのままだったけど)
男(これからはマナーモードにしておこう……)
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:27:37.97 ID:jndReV2L0
[学校昇降口]
男友「おいーっす。今日は無性にお前を殴りたい気分だぜ」
男「やめてくれ。右腕でも疼くのか?」
男友「あぁ……力に共鳴しやがってよ……俺自身、抑えるので精一杯だぜ……ククッ」
男「あー懐かしいな。よくそんなことして遊んでたな」
男友「お前いつも汚いんだよ。散々盛り上がった末に『お前は死ぬ』っていう攻撃ばっかしてくるだろ」
男「お互いに黒歴史だなあ」
女「男の子ってホントにそんなことして遊ぶのっ?」
男友「いや、俺たちぐらいだと思うよ」
女「どうやってやるのっ?」
男友「そうだな、こう、まず声が聞こえる状況を作って声を聞かなきゃいけないな」
女「声?」
男友「――力が欲しいか?って……あ、ダメ、ちょっと恥ずかしくなってきた///」
男「ならやるなよ」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:35:04.87 ID:jndReV2L0
女「……あれ、男君が私のことを突っ込まない?」
男「ごめん、ちょっと慣れてきてた」
女「この私がこの星に降り立ってからこんなに早く人類に解け込むことが出来るだなんて……」
男「え、地球外生物か何かなの?」
男(あと、最初会ったときから自然だった気がする)
女友「みんなおはよー!」
女「あ、友おはよーっ」
女友「女、化学のプリントやってきた?」
女「あったり前じゃないっ! 昨日のうちに全部写させてもらったわっ!」
男友「何か男子の会話みたいだなあ」
女「そんなことないってw 女子だって出来ない子はこうなるよw」
男「……あ、そういえば今朝のメールだけど」
女「あー!w ごめんねw 私てんぱっちゃって」
男「それは全然構わないけど、見つかってよかったね」
女「うんっ」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:43:50.31 ID:jndReV2L0
担任「さぁ席つけー。週末までもう少しだぞー」
男(聖職なのにそんなに平日が嫌いなのか。好感持てるな)
[授業中]
男「……?」
男(ケータイのバイブが……メールか)
男(女さん?)
女『誰も突っ込まないけど、黒板の答え、一個ズレで全部間違ってない?w』
男(え、マジで? ……ホントだ)
男『案外、誰も気付いてないかも。この先生、生徒指さないから起きてるだけでいいし』
女『男君も?w』
男『例に漏れず、目開けたまま寝てたよ』
女『起こしちゃってごめんw』
男(クラスの女子に、一日に二度も起こされるとは……)
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:47:53.59 ID:jndReV2L0
[昼休み]
女「調子に乗って、また今日も来ちゃいました!」
男友「いえーい!」
女「連れてきちゃいましたっ!」
男友「いえーい!」
女友「お邪魔しまーす!」
男友「いえーい!」
男「……」
男友「……」
女「……」
女友「……」
男「……いえーい」
男友「いえーいwwwww」
女「いえーいwww」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:59:59.85 ID:jndReV2L0
[放課後]
男友「いやー高校生活始まってからというもの、笑っちゃうほどに女子と会話すらなくて困ってたが」
男(何だろう……少しずつ侵食されているような)
男「確かに女子と話す機会はないな」
男友「これで他の男子と差をつけてやったようなもんよ」
男「そうなのか?」
男友「そういうもんだ。2人とも可愛いしな。これで俺たち安泰だぜ?」
男「マヂで? 超やべぇじゃん」
男「こんちわーっす」
友「しゃーっす!」
部長「おう、2人とも来たか。それじゃ練習始めるかな」
男「うっす……ん?」
女
男(手振られてる……そりゃまぁ、いるよな。向こうも部活だしな)
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:06:23.24 ID:jndReV2L0
部長「よーし、それじゃ今日はここまでー!」
部員「お疲れ様でしたー!」
男友「いやー今日も疲れた疲れた」
男「あぁ、そうだな……」
男友「あ、男、清汗スプレーもってね?」
男「あるよ、ほれ」
男友「サンキュ。そういやさ、練習中にチラチラ女バスの方を見てたんだけどさ」
男「お前それあとで部長に報告しとくぞ」
男友「やめてやめてそれやめて」
男「それで、女バスが何?」
男友「ん、女ちゃんお前の方ずっとチラチラ見てたぞ」
男「そういや目が合ったときは手を振られた」
男友「女ちゃん、お前に気があるんじゃね? そうなんじゃね?」
男「それはないわ」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:12:28.28 ID:jndReV2L0
男友「そんなことない、って方がないと思うんだけどなあ」
男「それよりお前は練習中にそんなこと考えてたのか」
男友「うわわ、やめて、密告やめて」
男「いいや俺なら密告はせずに堂々と正面からだ」
男友「俺が怒られるところが見たいだけなんですね。分かります」
男「何にしたって今は大会に集中してないとマズいだろ」
男友「まぁな」
男「そら俺たちは来年もあるが、先輩たちはこれで終わりだ」
男友「え、そういうスポ根っぽいのはいいよ……俺たちそんなタイプじゃないだろ……」
男「……」
男友「……」
男「……そうだったな。俺は何を言ってるんだろう」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:18:26.98 ID:jndReV2L0
男友「さすがに大学入ってもバスケ続ける気はないしなぁ」
男「他に楽なサークルとかいくらでもあるだろうし、俺はそっちにドロップアウトだ」
男友「だよな」
[家]
男「ただいまー」
姉「おかえり。今日カレーだから自分で温めてよそって食べな」
男「母さんは?」
姉「あれ、聞いてなかった? 朝から有名な日本産のイケメン集団のライブツアー巡りに行ってるわよ」
男「初耳だな」
姉「だから暫く帰ってこないみたい」
男「マジで? 暫く? 飯は?」
姉「アンタと私でローテーション。今日は私。明日はアンタ。おk?」
男「汚い……ローテーションで先に楽なカレーを作るだなんて……」
姉「明日はカレーやだから。他にしてね」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:25:36.15 ID:jndReV2L0
男「ってちょっと待った。父さんは何でローテーションに入ってないんだ」
姉「いないわよ」
男「え?」
姉「今朝から出張だって。それも聞いてなかったの?」
男「むしろ四人家族なのにどうして俺の耳にだけ入ってこないのか不思議」
姉「ってことだから。昼は自分でどうにかしなさいね。私は学食だし」
男「こりゃ久し振りに購買で飯かな」
男(ふー。いい湯だったーっと)
男(……ん、携帯光ってる。メールか)
男(女さん? 何だろ)
女『大会近いねえ』
男「え、なに、これだけ?」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:31:45.25 ID:jndReV2L0
姉「アンタ、そのすぐ独り言漏れる癖、治した方がいいわよ?」
男「……大丈夫だよ。家だと気が緩むだけだから」
姉「普段どんだけ気ぃ張ってんのよーって」
男(これは返したほうが……いいんだろうな)
男『そうだねえ』
男(これでいいか)
男「……」
男「……うわ、返信はやっ」
女『男君は試合出られそう?』
男(見て分かるとおりだと思うんだけどな……)
男『男子は人数少ないから、出られると思うよ』
女『そっかー。私はちょっと分からないなー』
男『出られそうにないの?』
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:39:13.90 ID:jndReV2L0
女『人数は大して男子と違わないけど、先輩が多いからね』
男『あーなるほど。縦社会ってやつだね』
女『そんな大層なものじゃないよw でも何だかんだ言って先輩優先になるよねっ』
男『別に有名校でもないから勝つためなら新入生でも使う、とかそういうノリじゃないからね』
女『そうそうw って私が出ても勝てるわけじゃないんだけどさw』
男『何も出来ないのに出されるのも辛いんだなあ、これが』
女『5対3で勝っておいてそんなこと言わないでよw』
男(あははw……って、あれ)
男(……んん?)
男(俺、今メールしてて楽しかった……?)
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:45:00.58 ID:cRYFgTMvO
そういえばこんな時代もあったなぁ
今はゴミ屑だけど
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:55:38.06 ID:nVUq96EpO
>>139
過去は美化されるもんだぜ
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:47:29.15 ID:jndReV2L0
男『それじゃ俺、そろそろ寝るよ。おやすみ』
女『おっと。もうそんな時間だね。また明日ー!』
男(結局夜遅くまでずっとメールすることになるとは……)
男(友とだってこんなに長くやりとりが続いたことは……いや、友とメール続いてたらそれはそれで引くな)
男(まぁ、なんだっていいや。寝よう)
男(……)
[翌日]
男「しまった……寝過ごした」
姉「何で起こしてくれなかったのよー! 今日は一限から講義あったのに!」
男「俺がいつも起こしてたみたいに言うなよ。俺だって遅刻だよもう」
姉「単位ヤバないのに、落としたらアンタのせいだからね!」
男「理不尽すぎる」
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:53:20.63 ID:jndReV2L0
男(この暑い時期にチャリかっとばすのは嫌だな……学校着く頃には汗だくだ)
男(信号が後二つ……捕まらなければ何とか一時間目には間に合いそうだな)
男(……んん?)
男(今、反対側の歩道に女さんが見えたような)
男(見当たらないな……気のせいか)
[昇降口]
男「ふう、なんとか一時間目には出られそうだ」
男友「あぁ、ギリギリセーフだな」
男「何でお前ここにいんの。授業は?」
男友「寝過ごした。俺も今来たところだぜ」
男「どんな偶然だよ」
男友「俺だって嬉しくないやい」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:59:32.48 ID:jndReV2L0
[家庭科室]
男(一時間目が移動教室で良かった……教室じゃ浮いてるから視線が痛い)
男友「何で男は出席つけて、俺はダメなんすか!」
教師「申し訳無さそうに入って来ないからよ」
男友「チクショー!」
男(こいつと同じ教科専攻してて助かったなー)
[昼休み]
男「あーやっと飯だ」
男友「購買付き合ってくれ。待ち時間が寂しいんだ」
男「まぁいつもだしな。つーか今日は俺も購買でパン買わないといけないんだ」
男友「弁当は?」
男「母が自由人でして」
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:03:24.31 ID:jndReV2L0
男友「へぇ。ライブツアーね」
男「多分全箇所回っていくんじゃないかと思う」
男友「並みのおっかけじゃないな」
男「毎年この時期はそんなもんだよ」
女「やっほー。遊びにきたよーっ!」
女友「どもども」
男友「おーっす!」
男「うっす」
女「へぇ。アクティブだねえ。男君のお母さんって」
男「アクティブ……確かにそうかもしれない」
男友「俺も前に男の家に遊びに行ったときは、こいつとあまりのギャップに驚いたよ」
男「そいつぁすまんね」
男友「お姉さんも明るい人だよな」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:10:26.91 ID:jndReV2L0
女「お姉さんがいるんだっ」
男「うん。でも母さんよりも自由かもしれない。今日も朝一番に……」
女「何それwww……」
男友「ほう」
女友「どうしたの?」
男友「いやー。男が今日はよく喋るなーと思って」
女友「そうなの?」
男友「普段っていうか、今まではもう少しだけ静かだったような。多分」
女友「へー。男君とはいつから一緒なの?」
男友「中学から。同じバスケ部だったからよく一緒につるんでてさ」
女友「そうだったんだ」
男友「まぁいい傾向かなってことで」
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:19:00.22 ID:jndReV2L0
男友「おっと、鐘鳴ったな。午後の授業いくぞー」
男「おー」
女「おーっ!」
[教室]
担任「よし、それじゃ今日はここまでにしておこう。さっさと支度しろよー」
男(担任の受け持つ授業が6時間目だと帰りが早くていいな)
担任「それじゃ、気をつけ礼。さようなら」
男(はやっ)
男(さて、友のクラス覗いてみるか)
男(向こうのクラスはまだ終わりそうにないか。帰り際に話の長い担任は嫌だな)
男(いつも通り待っているべきか)
男(先に体育館行って準備しておくのもいいか)
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:25:05.31 ID:jndReV2L0
女「何してるのっ?」
男「え? あぁ、女さんか。友が来るのを待とうかなって思ったけど止めたよ」
女「待ってなくていいの?w」
男「この調子だとまだかかりそうだし、部活遅れて一緒にお咎めとか目も当てられないからね」
女「なるほどーっ……」
女「じゃあ一緒に行こうかっ!」
男「え?」
女「体育館だよ、体育館! っほら急げ急げ!」
男「ちょ、待って……」
男(いつもの俺ならここで走って追いかけないだろうし、別にそうしなくていいとは思うんだけど)
男(ここで放っておくには少し仲良くなりすぎたかもな……)
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:33:30.30 ID:jndReV2L0
部長「そろそろあれ、いっとくか」
男「まさか……」
男友「俺はそんなに実害ないからいいですけど」
男「嫌ですよ。そんなの今時流行らないですって……」
部長「いやーでもこういうのって伝統行事じゃん」
男友「まぁありがちっちゃありがちですよね」
男「そう、それ。ありがち過ぎて効果なんて薄れてますって。願掛けにもならないですよ」
部長「おっとこれは本気で嫌らしいな」
男友「こいつ、中学のときも結局1人だけやらなかったんですよ」
部長「筋金入りか」
男「必要がないと思ったから、しなかったんです」
男友「それでこいつ、引退直前は練習まであんまり出なかったですからねwww」
部長「いやーでもさ。大会前って言ったら」
部長「丸刈りだろ」
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:45:07.12 ID:jndReV2L0
男「いいぜ、てめえが何でも思い通りに出来るってなら、まずはその幻想をぶち殺す!」
部長「こらこら、先輩に向かって何言ってんだお前」
男友「こいつ中学のときも同じこといって、顧問に喧嘩売ってたんすよね」
部長「本当に筋金入りか」
男「右腕が疼きだす……ッ!」
部長「まぁ、俺だって優勝の見込みもない引退試合のために丸刈りなんて嫌だけどね」
男友「色々とぶっちゃけましたね。まぁ確かにウチじゃ二回戦が限界っすけど」
部長「前々から男は髪長いよなーと思ってて、切らせたらどうなるかなーって遊んでみた」
男「やめてくださいよ……」
部長「長髪気に入ってんの?」
男「いや、そんなこともないですけど」
男友「俺が前に聞いたときもそんなことないって言ってたよな」
男「本当だからな」
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:56:57.47 ID:jndReV2L0
男「別に見られたくない傷があるとか、髪長いのが好きってわけでもないんだけど」
男友「髪型とか身だしなみ気にしてたらあんな服着ないよな」
男「え、俺の格好ってそんなに酷いの?」
男友「……」
男「ちょ、おま、そこで黙るなよ。俺もう外歩けないじゃん」
部長「まぁ、そこはいいとして」
男「……」
男「……何ていうか」
部長「ん?」
男「目を合わせずに済むじゃないですか」
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:00:19.92 ID:jndReV2L0
部長「……」
男「そりゃ、完璧に隠れてたら前が見えないし……前が見える程度に掻き分けたら少しは目も合いますけど」
男「完全に直視ってのが、俺には辛いんです」
部長「……そうか」
男友「初耳だなー」
男「逆にお前だと、そんなことも気にしないでいられるからな」
男友「それは褒め言葉として受け取っておくぜ……!」
男「話半分でいいよ」
男友「それはそれで寂しいな」
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:05:31.74 ID:jndReV2L0
部長「まぁ、人それぞれだからな。髪はそのままでいいぞ」
男「どもっす」
部長「で、球技やるには不便だと思うんだが、そこはどうなんだ?」
男「それはまぁ、ヘッドバンドで何とか」
部長「試合の時はいいのか」
男「そうですね。試合中とか、練習でもそうですけど」
男友「難しいやつだな」
男「互いに了承した上で相手と向かうじゃないですか。それなら」
部長「ふむ……」
男(これなんて恥ずかしい自分語り? ……家に帰って冷静になったら悶えるだろうな)
女「……なるほどっ」
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:17:17.61 ID:jndReV2L0
男友「さぁーっ! 男ー! 帰るぞー!」
男「あぁ、うん……何でそんなにテンション高いの」
男友「別に何でもねーっての!」
男(機嫌いいな……)
女「待ってくれーいっ! 私たちも部活終わったよーっ!」
女友「ちょっ……女速い……何でそんなに元気なの……」
男友「おっとごめんな! 一緒に帰るぞーっ!」
女「おーっ!」
男(あぁ、この2人はいつもこんな感じだな……)
[家]
男「ただいまー」
姉「おかえり。アンタちょっとこっち来なさい」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:20:19.49 ID:jndReV2L0
男「え、何?」
姉「何じゃないでしょ。テーブルとキッチン。見てみなさい」
男「……」
姉「どうだった?」
男「何もなってないけど……」
姉「そう、何もないわよ」
男「んん?」
姉「……」
男「……あ」
姉「分かった?」
男「今日は出前とるか」
姉「アンタの小遣いでね」
男「お姉ちゃんごめん! 俺が悪かったよ! だから許して!」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:28:18.66 ID:jndReV2L0
男「……突然の痛い出費だよチクショー」
姉「まぁまぁ。忘れてたのがいけないってことで。明日は私が晩飯準備するから」
男「……同じメニューは続けないのが我が家の掟だぜ」
姉「昨日カレーで今日出前。一回空いてるからカレーおkね」
男「汚ぇ! それ姉ちゃんずっとカレーで回せるじゃねえか!」
姉「あ、昨日のまだ残ってるから明日はこれで済みそうね」
男「……」
[自室]
男(携帯また光ってるな……メールか)
男(女さんか)
女『ついに明後日は大会だねえ』
男『だねえ』
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:35:34.95 ID:jndReV2L0
女『お互い勝てるといいねー』
男『そうだね、多分3回戦も上がれないと思うけど』
女『めっちゃ弱気かよっw』
男『いやでも一桁の人数で勝ち上がりとか厳しいって。俺出場登録も出来ないと思ってたよ』
女『あははw……』
男(実際に話すより、メールの方がスムーズに会話ってのはやっぱ人としてマズいよなあ)
男(そう思って今日は少しだけ喋ることに専念してみたけど)
男(やっぱ柄じゃないかな)
女『それでも男君は試合で活躍出来るんだから頑張らなきゃ!』
男「……」
男『そうだね』
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:45:08.29 ID:jndReV2L0
[放課後]
担任「それじゃ、今日で今週の授業も終わりだ。よく頑張ったな。存分に休めよ」
男(先生もよく頑張ったな)
担任「先生もよく頑張ったので、週末はゆっくりと休むぞ。以上、気をつけ礼!」
男(何だかなあ)
[体育館]
部長「それじゃ明日は大会だ。みんな気を引き締めていこう」
部員「うっす!!」
部長「前日に無駄な怪我とかしたくないから、今日は軽めにいくぞー」
部員「よっしゃー!!」
男(やる気ねえな)
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:53:53.20 ID:bvcpRkvP0
剣道部だった俺には無い青春劇だなおい
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:56:23.11 ID:jndReV2L0
男「それじゃ男子と女子の会場は同じなんだ」
女「そうみたい。予選だから、大きな私立校の体育館で合同になるんだって」
男「市民体育館は準決勝以上か。例年通りだなあ」
女友「冷房効いてるならどこでもいいなー。暑いのだけは勘弁」
女「そうだねえ」
男友「無条件でベンチ入りだからとりあえず座れるのも助かるよな」
男「俺たち中学のとき二階のギャラリーから見てたもんな」
男友「そもそもユニフォーム着てなかったもんな」
男「選手交代の可能性もなかったからな」
男友「お前、ジャージの下に私服着てたもんな」
男「お前なんか私服だったろ」
男友「あれは流石に怒られたな」
女「2人ともすげーっ!」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:04:16.99 ID:jndReV2L0
男「明日は七時に駅だっけ?」
男友「そうそう。寝過ごさないようにな」
男「お前だってそうだろうが」
男友「女バスはいいよなー。保護者が動いてくれるなんて」
女友「車で快適に同じ時間に到着予定だから!w」
男友「俺1人だけでも混ぜてもらえねーかな……」
男「むしろお前1人ってのが逆に危ないわ危険分子。保護者がついてないと」
女「保護者って男君のこと?」
男「え、俺?」
男友「何だお前! 俺も一緒に乗りたいですって言えばいいのに俺を使ったな!」
女友「いや、乗せられないけどね」
男「いやいや、そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど……」
女「乗せられたらいいんだけどね」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:14:55.72 ID:jndReV2L0
女「それじゃ、ここで!」
男友「おーっ! お互い明日は頑張ろうなー!」
女友「また明日、会場でねーw」
女「まったねーっ!」
男「……また明日」
[家]
男「まさか本当に手を抜いてくるとは……」
姉「文句言うなら食べないの」
男「すいませんでした」
姉「あ、明日はアンタの当番だから。今度は忘れないでよね」
男「……」
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:58:10.91 ID:GqCP3qRBO
俺んちの姉貴もこんなんだわwwwwww
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
女「前髪長くない? 切らないの?」【中編】へつづく
転載元
女「前髪長くない? 切らないの?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247231149/
男「え」
女「目に入らない? 下向いたら顔にかかって邪魔じゃない?」
男「まぁ、そうだね」
女「口の中にも入っちゃうんじゃない?」
男「そんなこともあるね」
女「何かこだわりでもあるの? 長髪が好きなの?」
男「そんなこともないけど。ただ切りに行くのが面倒臭いだけかな」
女「そうなんだー」
男「そうなんだよ」
女「なるほどねー」
男「……ごめん、誰?」
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:08:25.79 ID:jndReV2L0
女「え、誰って私? 私は女だけど」
男「どうも」
女「っていうか酷くない? 私たち同じクラスだよ?」
男「え、本当に? 席どこ?」
女「廊下側。確かに、このクラスは席替えしないから席が遠いと話す機会はないけどさ」
男「俺窓際だしね」
女「でももう七月だよ?」
男「まぁ、そんなこともあるよ。ほら、先生きたよ」
担任「お前ら席につけよー。ホームルーム始めるぞー。これ終わらないと帰れないんだからなー」
女「あ、ホントだ。じゃーねー!」
男「あ、うん」
男(なんだろう、さっきの。ちょっと鬱陶しいかな)
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:10:48.42 ID:jndReV2L0
[放課後]
男「先行くぞー」
友「ちょ、待ってくれよー!」
男「早くしろよな。遅れると部長怖いぞ」
友「だから待って欲しいんじゃねーか。怒られるときは一緒だぜ!」
男「すまん、先行くわ」
友「ひでえ」
男「しゃーっす」
部長「おう男か。さっさと着替えてアップするぞー」
男「うっす。あ、ボールとか準備させちゃってすみません」
部長「べ、別にアンタのためにしたわけじゃ……勘違いしないでよねっ!」
男「あ、はい」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:13:54.32 ID:jndReV2L0
男「あれ、今日って体育館使えるのバスケ部とバドミントン部じゃありませんでしたっけ?」
部長「あぁ、バドミントンは先週に大会が終わったから今週は活動停止だそうだ」
男「なるほど。それで男子と女子それぞれでオールコート使ってるんですね」
部長「あぁ。だからガッツリと練習出来るぞ」
男「俺たちが今週大会だから空けてくれたんですかね?」
部長「ありがたい話だな」
男「ウチ、部員少ないからオールコートにしたって5対5も出来ませんけどね」
部長「まぁな」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:18:38.37 ID:jndReV2L0
友「スイマセン! 遅れました!」
部長「おう、練習もうとっくに始まってるぞ。さっさと着替えてアップしてこい」
友「はい!」
友(……あれ? 怒られなかった?)
部長「そこで男がシュート打たないでどうすんだ!!!」
男「はい!!!」
部長「周りももっと動け! コートにいるときは一時も休むな!」
部員「うっす!!!」
友「部長! アップ終わりました!」
部長「まだ終わってないだろ。ちゃんと走ってこい」
友「あ、はい……」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:22:45.98 ID:jndReV2L0
部長「よーし、今日はこれで切り上げるぞー」
男「あー疲れた」
友「うん、ほんと、つかれたね」
男「お前、練習出ないで3時間もウォームアップとか何してんの?」
友「部長に『お前まだ体、温まってないだろ』って言われて……」
男「……」
女「疲れたねー」
女友「大会前だからって先輩たち張り切りすぎ……しんどーっ」
女「まぁまぁwww」
女友「また今日もこんな時間まで練習とか、家帰るの何時だよっての!」
女「仕方ないねw」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:27:20.46 ID:jndReV2L0
男「大体、ちょっと遅くなるだけかと思ったら……長針半周の大遅刻だろ?」
男友「ちょっとお花を摘みたくなったの」
男「何恥ずかしがって遠まわしに言ってんだ。トイレって言え」
男友「バカ、うんこだようんこ」
男「開き直るなよ」
女「全くだぜ」
男「これだから男友は困る」
女「男友君はもっとデリカシーってやつを持つべきだな!」
男「全くだぜ」
男「え?」
女「ん?」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:31:26.51 ID:jndReV2L0
男友「エンッ!」
男「……お前、明日から毒物君って呼ぶからな」
男友「なんてこったい」
男「いや、そんなことよりも……」
女「おーっす!」
男友「おっす!」
男「え、そこでノっちゃうんだ」
女「あれ、もしかして私のこと忘れちゃった? 教室で話した女だよ?」
男「いや、それは覚えてるけど……」
女「良かったー! 難しい顔でこっち見るから私が分からないのかと思っちゃったよ!」
男(いや、確かに分からないんだけど)
男友「まったく男はダメなやつだな!」
男(自然な流れで会話に入ってきたところに違和感を覚えてる俺が異端なのかな)
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:37:06.61 ID:jndReV2L0
男「こんな時間にここにいるってことはさ」
女「うん、私もバスケ部だよ」
男「そうなんだろうね」
女「あ。あんまり近づかないでね! 私ずっと走ってて汗かいてるから!」
男(……近づいてきたのはそっちなのに)
男友「あ、男はそういうのむしろ好きなタイプだぜ?」
女「マジで? やるなぁー男君」
男「いや、違うから。友も勝手に変な属性つけてくれるな」
男友「あれ、この前そんな感じのこと言ってなかったっけ」
男「言ってないよ」
男友「マジで?」
男「マジで。人違いじゃないか?」
男友「そうかも。なら友達の話なんだけど、中学の修学旅行のとk」
男「待て、それ俺だ。やめて。それやめて」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:42:51.63 ID:jndReV2L0
女「なにそれwめっちゃ気になるぞーw」
男「何でもないから。本当に、何でもないから」
男友「やっぱりお前じゃんwwwあれは本当に腹抱えて笑ったなwww」
男「お前あとで絶対ぶっ飛ばす」
女「友君、あとで教えてねw」
男「女さんも、聞くのやめて!」
部長「おーい! そろそろ体育館閉まるぞー!」
男「おっと」
男友「やべえ、下校時間に間に合わないと大会出られなくなる」
女「そりゃマズい。それじゃ、私お先に!」
男友「おう、じゃあなー!」
女「また明日ー!」
男「……」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:46:35.57 ID:jndReV2L0
男友「ところであの子は誰だ」
男「知らん」
男友「あれ、てっきりお前とは仲がいいものだとばかり……」
男「俺にはお前のほうが仲よさそうに見えたけどな」
男友「おっと、それはまさか妬いてるのか?」
男「それはないわ」
男友「けっこう可愛い娘だったけどな。俺たちみたいなムサい運動部には縁がないけど」
男「いや、女バスって言ってただろ」
男友「おっと。なるほど、縁があるじゃねえか」
男「良かったな」
男友「あれれ。全然興味なしか?」
男「苦手なタイプだよ」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:51:53.58 ID:jndReV2L0
[翌日]
母「男、一度しか言わないわよ。起きなさい」
男「うぐぅ」
母「休むなら勝手にしなさいね」
男「……布団を剥ぎ取ってでも起こしてくれる母が羨ましい……」
男「おはよ」
姉「ん、おはよ」
男「……」
姉「……」
男(……トイレ行こう)
ガチャ
父「……」
男「スマン、入ってたか」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 22:55:30.78 ID:jndReV2L0
母「はい、弁当」
男「ん。どうも」
母「夕方には雨が降るらしいから傘持って行きなさいね」
男「そういや自転車で傘差し運転の取締りが厳しくなったらしいな」
母「捕まったら自分で払いなさいね」
男「はーい……」
姉「行ってきまーす」
男「行ってらっしゃい」
ガチャ
父「……」
男「またか」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:00:44.40 ID:jndReV2L0
[学校昇降口]
男「そんな感じで朝から二回もトイレで父に遭遇してしまった」
男友「あれか、父ルート突入だな」
男「誰も得しないな、それ」
男友「んじゃ、また放課後。……の前に昼休みな」
男「おーう」
男(なんだろうな、このクラス)
男(決して暗くはないが、活気もない)
男(派閥が多くて……俺はどこにも顔出すが、どこにも入りきれなかったな)
男(もしかしてこれが世に言うぼっちってやつなのか……?)
男(まぁいいか)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:06:11.59 ID:jndReV2L0
女「ところでさ!」
男「!?」 ビクッ
女「そんなにビックリしなくても……」
男(ビックリするだろ、振り向いた先に誰かがこっち見てたら……)
男「えっと、女さんだよね」
女「正解! おはよう!」
男「おはよう。……え、何?」
女「いや同じバスケ部ってことで話しかけただけだよ?」
男「あぁ、そう……」
男(ところでさっておかしくないか)
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:10:29.35 ID:jndReV2L0
男「女さんもバスケ部だったんだね。昨日初めて知ったよ」
女「っていうか名前もでしょーが!w」
男「ま、まぁ……」
女「男君はさ、バスケどれぐらいやってるの?」
男「一応、小学校の時のミニバスからだよ」
女「それじゃあ結構長いんだね」
男「中学でもやってたから何となく続いてるかな」
女「ふむふむ……」
男「え、何メモしてんの?」
女「ちょっとした事情聴取のつもりで、気にしない、気にしないw」
男「はぁ」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:15:34.78 ID:jndReV2L0
女「あ、それじゃ先生来たからまた後でねw」
男「あぁ、うん……」
担任「おーしお前ら席座れー。また長い一日が始まっちまったぞーっと」
男(何だろうな、話しかけられると向こうのペースに乗せられて気分が悪い)
[昼休み]
男友「……俺さ」
男「何だよ」
男友「購買での死に物狂いの獲物の取り合い、ってのが夢でさ」
男「あぁ、少し分かる気がする」
男友「こんなに綺麗な列で順番待ちだなんて……くそっ……」
男「比較的にウチの学校は治安がいいよな」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:21:12.74 ID:jndReV2L0
男友「あー弁当が羨ましいぜ」
男「そうか? 作るか作ってもらうかは出来ないのか?」
男友「案外頼むの恥ずかしいもんだ」
男「そういうもんかね」
女「だったら自分で作ればいいんじゃないっ?」
男友「俺は湯を沸かすぐらいしか出来ないんだよね」
女「学校のお弁当に麺類じゃちょっとねw」
男「デジャヴすぎる」
女「え?って言わないの?」
男「いや、言わないけど」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:26:53.07 ID:jndReV2L0
男友「女ちゃんおいーっす」
女「おいすー!」
男「こんな駐輪場の外れまで来てどうしたの? ここ何もないけど」
女「ちょっとした散歩っすよ! 食べた後は運動しないとね!」
男友「いい心がけだなぁ。男も見習っておけよ」
男「……」
男友「腹出てきてるんだから」
男「え、嘘ッ!?」
女「男君はお腹が出てる、っと」
男「ちょ、出てない、出てない! 復唱しないで!」
男友「さーてそろそろ鐘が鳴るかな」
男「午後の授業は眠たくなるよな」
女「だねー」
男(結局最後までいた……)
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:32:19.72 ID:jndReV2L0
[放課後]
担任「よーしこれでホームルーム終わりだ。今日の残りを堪能するようにな」
男(先生は仕事嫌いなんだろうな……)
友「まったく、男! 早くしろよな!」
男「これ見よがしに先に待ってやがって。まぁ昨日練習してないから元気だろうな」
友「……はい」
男「あ、表に出てないだけで昨日の結構キツかったんだな」
[体育館]
友「よし。ボール、ゴール、他もろもろ準備おkだ」
男「昨日の尻拭いだな」
友「もっと他にいい言い方あるだろwww」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:38:11.93 ID:jndReV2L0
部長「おっす。お前たち早いな」
男「あ、こんちわっす」
友「うっす!!!」
部長「ん、全部準備整ってるな」
友「うっす! 俺がやっておきました!」
部長「張り切ってるところ悪いが、今日はバレー部が入るからコート半分だぞ。片付けてこい」
友「……」
男(俺は気付いてたけどな)
男「昨日広かったから余計に狭く感じますね」
部長「まぁそれは仕方ないな」
友「体育館の半分っていっても男女で分けてさらに半分ですもんね」
部長「そこで俺は考えた」
男「?」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:42:39.10 ID:jndReV2L0
部長「女バスと試合をしようと思う」
男「は?」
部長「そうすれば、男子女子ともにオールコートで練習が出来るわけだ」
男「いやいや……」
部長「大会前に試合形式の練習をしたいが、ウチは人数が足りない」
部長「練習試合を組んでくれる学校もないだろう」
男「そらそうでしょう。怪我したくないし、させたくないでしょうし」
部長「女子相手ならどうだ?」
部長「こちらが接触を避ければ、非常に合理的だよ」
友「な、なるほど……っ!」
男「えー……」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:50:10.53 ID:jndReV2L0
部長「ちなみにもう申し込んである。そしておkだそうだ」
男「え、マジっすか?」
部長「条件として人数は5対3になる」
男(それもう実践用にもならないんじゃ)
部長「というか、今日他のやつ模試で休んでるから俺たちしかいないんだ」
友「やったー! 出られるー!」
男「お前はそこが大事なんだな」
部長「ってことで、急いで準備してこい」
友「うっす!!」
男「厄介なことになったなあ……」
友「なんだ、ヘッドバンドつけるのかっ? 俺が付けてやるぞっ? んっ?」
男「いいよ自分で付けるから。テンション高いなお前」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 23:56:01.24 ID:jndReV2L0
男部長「それじゃ、よろしく」
女部長「ええ。お互い、怪我には気をつけましょう」
女「あ、男君に友君だっ!」
男友「女ちゃんが相手か! これは負けられないぜ!」
女「よろしくおねがいしまーすっ!」
男友「おう! よろしく!」
男(やりづれー)
部長「それじゃ、ちょうどポジション分かれてるから俺F。男がG。友がCな」
男友「うっす!」
男「おっす」
……………………
…………
……
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:01:46.78 ID:jndReV2L0
男部長「お疲れさまでした」
女部長「お疲れ様でした」
男友「よっしゃー! 勝ったー!」
女「くっそーっ! 5対3だったのに負けちゃったよー!」
男友「男ー! 勝ったぞー!」
男「おう、そうだな」
男(……もうちょっと差がつくと思ったが、そうでもなかったな)
部長「よーし、それじゃこれで今日は終わりだ」
男「今日は少し早いっすね」
部長「本当はもっとやりたいけどな」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:07:00.13 ID:jndReV2L0
男(試合前だから俺たちのコンディションも考えてくれてるんだろうな)
男友「さっさと着替えて帰ろうぜ」
男「あぁ、分かってるよ」
男友「早くしろよな!」
男「お前、今日は本当にこれ見よがしだな」
[昇降口]
男「外がまだ少し明るいうちに帰れるなんて……」
男友「涙が出てくるな」
女「ホントだよねーっ」
男(もう突っ込まない……!)
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:11:09.48 ID:jndReV2L0
女友「ちょっと、女待ってよー」
女「ごめんごめん。……あ、そうだ。こちら女友。私と同じく女バスだからよろしくっ!」
女友「あ、どうも……」
男友「おっす。よろしくなー!」
男「よろしく」
女友「……えーっと」
女「ちょっとw なに照れてんのよwww」
女友「て、照れてない! 照れてないから!」
女「そんなキャラじゃないだろーっ!」
男(なんだ、このノリ)
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:21:34.11 ID:jndReV2L0
男友「女友ちゃんも今日試合出てたよな?」
女「女友は女子で一番大きいから重宝されるんだよっ!」
男(そういえば女子にしては背高いな)
女「羨ましいなーっ」
女友「……あのさぁ、いつも言ってるけど大きくてもいいことないからね?」
女「えーっ。ホントに羨ましいんだけどなー」
男友「女ちゃんはどっちかっていえば小さいもんな」
女「黒板上のほう届かねーっつの!」
女友「身長もらってほしいわー」
女「くれ。めっちゃくれ!」
男友「それなら俺にくれ!」
男(なんか盛り上がってんな)
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:26:09.75 ID:jndReV2L0
女「あ、そうだ。男君と男友くんさ。メールアドレス教えてよ」
男友「お、いいぞー」
女「よーし四人でメアド交換だーっ! 急げーっ!」
女友「え、これ急ぐの?」
男友「ほれ、ほれ。受信せい!」
女「よし来いっ!」
男友「いくぜぇ……30%……70%……よしきた100%だァァァァァ!!!」
女「よっしゃーーー!!!」
男「……」
女友「……男君、大丈夫?」
男「え、何が?」
女友「さっきから静かだなーって思って」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:33:18.05 ID:jndReV2L0
男「別にこれが普通だから気にしないで大丈夫だよ」
女友「そう? なら私もアドレス送るからケータイ出してw」
男「ん、はい、これ」
女友「よっと……はい、おk!」
男「ん、ありがとう」
女友「家に帰ってからでもアドレスに送っておいてね!」
男「うん分かった」
女「あ、じゃあ男君、次は私が送るから赤外線の準備だ!」
男「あ、はい。これ」
女「おk! 電話帳にぶち込んでやるぜ!」
男(女さんってこういうキャラなのか)
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:34:37.56 ID:34y2Yq0HO
どういうことだ!俺も前髪長いのに、こんな展開一度もなかったぞ!
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:35:40.35 ID:jndReV2L0
男友「……」
男「……」
男友「……あの、さ///」
男「何だよ」
男友「俺たちも、その……///」
男「……」
男友「メールアドレスの交換、する……?///」
男「悲しいことに電話帳1番の登録がお前だよ」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:41:47.84 ID:jndReV2L0
女「それじゃ私たち、こっちの道だから!」
女友「また明日ー!」
男友「おう! 2人とも気を付けて帰れよー!」
女友「え、何に?」
男友「……///」
女友「初々しいやつめっw」
男(女友さん、すでに打ち解けている……素晴らしい順応性だな)
女「男君も!」
男「……え?」
女「またねー! また明日ー!」
男「あ、うん」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:50:05.04 ID:jndReV2L0
男友「……ふう。俺としたことが、柄にもなくはしゃいでしまったぜ」
男「いや、冷静になったフリしてるけど柄通りそのままだからな」
男友「で、お前はお前でそっけないのなーwww」
男「そんな性格だから仕方ないよ」
男友「分かってんよ」
男「……」
男友「そういやお前、いつまでヘッドバンドしてんの? 気に入ってんの?」
男「ん? ……あぁ、外し忘れてた」
男友「そんなもんつけるぐらいなら髪切っちゃえばいいのにな」
男「まぁ確かにコレつけてると視界が開けて楽だな。今外して思ったけど」
男友「つけてる方が顔が見えて印象明るくなるからずっとつけとけば?」
男「四六時中か? それはちょっと恥ずかしいだろ……」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:55:34.11 ID:jndReV2L0
男友「まぁ最初のうちは恥ずかしいだろうがな」
男「どこの超速スピナーだよって」
男友「しかし女ちゃんのリストバンドみたいにいつも付けていれば、いつしかそれがお前のトレードマークみたいになってだな……」
男「そういえば女さん、いつも付けてるな」
男友「あれは運動少女の証だな」
男「つーかトレードマークって……流石に厨二病は卒業したつもりなんだ」
男友「出来てなくね?wwwww」
男「うっせ」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 00:59:10.56 ID:jndReV2L0
[家]
男「ただいまー」
姉「あ、おかえり」
男「うん」
母「あら、おかえり。ちょっと早かったわね」
男「ちょっとだけな。風呂入ってくるから飯はまだいいや」
母「はいはい」
男(トイレは……よし、電気点いてない)
ガチャ
父「……」
男「すまん、風呂に入ってたか」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:06.84 ID:XC7ePtT/0
父ルートwww
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:38.38 ID:vukTz4Vw0
親父wwwwwwwwwwwww
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:00:41.22 ID:6Gn7qZ4SO
親父ww
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:02:28.67 ID:jndReV2L0
[自室]
男(ふーっ。今日も一日疲れたな)
男(あ、そういやメール送らないといけないんだっけか)
男(えっと……女友、女友っと……)
『男です』
男(おk)
男(次は女さんだな……)
『男です』
男「おk」
姉「え、何が?」
男「うわ、部屋覗いてくんな!」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 01:09:56.69 ID:jndReV2L0
男(しかし、昨日の今日でこれだもんな)
男(馴れ馴れしいってレベルじゃないと思うんだけど、これぐらい普通なのかな。分からんけど)
男(友は2人とも結構仲良くなってたな。あいつは基本的に社交的だもんな)
男(まぁ俺に社交を説く資格はないけど)
男(女さん、か)
男(何だろうね。よく分かんね。とりあえず、あれだな)
男(苦手だ)
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:14:10.19 ID:jndReV2L0
[翌日]
男「……んん」
男(七時か。目覚ましはまだ鳴ってないのに何で目覚めたんだろ)
男(あーフラフラする……低血圧辛いな)
姉「おはよ」
男「ん、おはよう……」
姉「どした?」
男「いや、朝だから力入らなくてフラフラするだけだよ」
姉「あっそ。……そうだ。アンタ携帯の目覚ましなんてセットしてたの?」
男「携帯? 目覚まし時計ならちゃんとあるけど」
姉「朝から何度も鳴ってうっさいから父さん機嫌悪かったわよ。『今日は早めに出る』だってさ」
男「マジか。悪いことしたな」
男(寝惚けてセットする習慣はないハズなんだけどな……)
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:18:44.27 ID:jndReV2L0
母「あら、男も今日は早いのね」
男「なんか目が覚めたから」
母「母さんも今日は少し早く家を出るから、これ、お弁当ね。それじゃ行ってきます」
男「はいよ。行ってらっしゃい」
男(新着メールが5通……)
男(こんなに一度にメールが来たのなんて初めてな気がする)
男(女友さんと女さんの2人にメール送ってすぐに返事が来てたんだな。この時間はまだ起きてたけど気付かなかったな)
女友『女友です。これからよろしくー!』
女『うわっメールめっちゃ淡白w 女です!!w』
男(それと、6時50分と6時55分と7時ちょうどに女さんから)
男(姉ちゃんが言ってたのはこれだな)
男(七時……あぁ、そうか。このメールの音で俺は起きたのか)
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:21:11.85 ID:jndReV2L0
女『早速こんな時間にメールしてゴメン! 今日の時間割って何だっけ!?』
女『あーやっぱりまだ起きてないかな?』
女『あ、時間割表見つかったw お騒がせしましたw』
男「……何だこれ」
姉「何が?」
男「ちょ、独り言だから突っ込みにこなくていい! わざわざ部屋のドア開けてまでくんな!」
姉「はいはい。それじゃ私先行くわよ」
男「ん、行ってらっしゃい」
男(今までメールなんて滅多に来ないからそのままだったけど)
男(これからはマナーモードにしておこう……)
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:27:37.97 ID:jndReV2L0
[学校昇降口]
男友「おいーっす。今日は無性にお前を殴りたい気分だぜ」
男「やめてくれ。右腕でも疼くのか?」
男友「あぁ……力に共鳴しやがってよ……俺自身、抑えるので精一杯だぜ……ククッ」
男「あー懐かしいな。よくそんなことして遊んでたな」
男友「お前いつも汚いんだよ。散々盛り上がった末に『お前は死ぬ』っていう攻撃ばっかしてくるだろ」
男「お互いに黒歴史だなあ」
女「男の子ってホントにそんなことして遊ぶのっ?」
男友「いや、俺たちぐらいだと思うよ」
女「どうやってやるのっ?」
男友「そうだな、こう、まず声が聞こえる状況を作って声を聞かなきゃいけないな」
女「声?」
男友「――力が欲しいか?って……あ、ダメ、ちょっと恥ずかしくなってきた///」
男「ならやるなよ」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:35:04.87 ID:jndReV2L0
女「……あれ、男君が私のことを突っ込まない?」
男「ごめん、ちょっと慣れてきてた」
女「この私がこの星に降り立ってからこんなに早く人類に解け込むことが出来るだなんて……」
男「え、地球外生物か何かなの?」
男(あと、最初会ったときから自然だった気がする)
女友「みんなおはよー!」
女「あ、友おはよーっ」
女友「女、化学のプリントやってきた?」
女「あったり前じゃないっ! 昨日のうちに全部写させてもらったわっ!」
男友「何か男子の会話みたいだなあ」
女「そんなことないってw 女子だって出来ない子はこうなるよw」
男「……あ、そういえば今朝のメールだけど」
女「あー!w ごめんねw 私てんぱっちゃって」
男「それは全然構わないけど、見つかってよかったね」
女「うんっ」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:43:50.31 ID:jndReV2L0
担任「さぁ席つけー。週末までもう少しだぞー」
男(聖職なのにそんなに平日が嫌いなのか。好感持てるな)
[授業中]
男「……?」
男(ケータイのバイブが……メールか)
男(女さん?)
女『誰も突っ込まないけど、黒板の答え、一個ズレで全部間違ってない?w』
男(え、マジで? ……ホントだ)
男『案外、誰も気付いてないかも。この先生、生徒指さないから起きてるだけでいいし』
女『男君も?w』
男『例に漏れず、目開けたまま寝てたよ』
女『起こしちゃってごめんw』
男(クラスの女子に、一日に二度も起こされるとは……)
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:47:53.59 ID:jndReV2L0
[昼休み]
女「調子に乗って、また今日も来ちゃいました!」
男友「いえーい!」
女「連れてきちゃいましたっ!」
男友「いえーい!」
女友「お邪魔しまーす!」
男友「いえーい!」
男「……」
男友「……」
女「……」
女友「……」
男「……いえーい」
男友「いえーいwwwww」
女「いえーいwww」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 08:59:59.85 ID:jndReV2L0
[放課後]
男友「いやー高校生活始まってからというもの、笑っちゃうほどに女子と会話すらなくて困ってたが」
男(何だろう……少しずつ侵食されているような)
男「確かに女子と話す機会はないな」
男友「これで他の男子と差をつけてやったようなもんよ」
男「そうなのか?」
男友「そういうもんだ。2人とも可愛いしな。これで俺たち安泰だぜ?」
男「マヂで? 超やべぇじゃん」
男「こんちわーっす」
友「しゃーっす!」
部長「おう、2人とも来たか。それじゃ練習始めるかな」
男「うっす……ん?」
女
男(手振られてる……そりゃまぁ、いるよな。向こうも部活だしな)
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:06:23.24 ID:jndReV2L0
部長「よーし、それじゃ今日はここまでー!」
部員「お疲れ様でしたー!」
男友「いやー今日も疲れた疲れた」
男「あぁ、そうだな……」
男友「あ、男、清汗スプレーもってね?」
男「あるよ、ほれ」
男友「サンキュ。そういやさ、練習中にチラチラ女バスの方を見てたんだけどさ」
男「お前それあとで部長に報告しとくぞ」
男友「やめてやめてそれやめて」
男「それで、女バスが何?」
男友「ん、女ちゃんお前の方ずっとチラチラ見てたぞ」
男「そういや目が合ったときは手を振られた」
男友「女ちゃん、お前に気があるんじゃね? そうなんじゃね?」
男「それはないわ」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:12:28.28 ID:jndReV2L0
男友「そんなことない、って方がないと思うんだけどなあ」
男「それよりお前は練習中にそんなこと考えてたのか」
男友「うわわ、やめて、密告やめて」
男「いいや俺なら密告はせずに堂々と正面からだ」
男友「俺が怒られるところが見たいだけなんですね。分かります」
男「何にしたって今は大会に集中してないとマズいだろ」
男友「まぁな」
男「そら俺たちは来年もあるが、先輩たちはこれで終わりだ」
男友「え、そういうスポ根っぽいのはいいよ……俺たちそんなタイプじゃないだろ……」
男「……」
男友「……」
男「……そうだったな。俺は何を言ってるんだろう」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:18:26.98 ID:jndReV2L0
男友「さすがに大学入ってもバスケ続ける気はないしなぁ」
男「他に楽なサークルとかいくらでもあるだろうし、俺はそっちにドロップアウトだ」
男友「だよな」
[家]
男「ただいまー」
姉「おかえり。今日カレーだから自分で温めてよそって食べな」
男「母さんは?」
姉「あれ、聞いてなかった? 朝から有名な日本産のイケメン集団のライブツアー巡りに行ってるわよ」
男「初耳だな」
姉「だから暫く帰ってこないみたい」
男「マジで? 暫く? 飯は?」
姉「アンタと私でローテーション。今日は私。明日はアンタ。おk?」
男「汚い……ローテーションで先に楽なカレーを作るだなんて……」
姉「明日はカレーやだから。他にしてね」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:25:36.15 ID:jndReV2L0
男「ってちょっと待った。父さんは何でローテーションに入ってないんだ」
姉「いないわよ」
男「え?」
姉「今朝から出張だって。それも聞いてなかったの?」
男「むしろ四人家族なのにどうして俺の耳にだけ入ってこないのか不思議」
姉「ってことだから。昼は自分でどうにかしなさいね。私は学食だし」
男「こりゃ久し振りに購買で飯かな」
男(ふー。いい湯だったーっと)
男(……ん、携帯光ってる。メールか)
男(女さん? 何だろ)
女『大会近いねえ』
男「え、なに、これだけ?」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:31:45.25 ID:jndReV2L0
姉「アンタ、そのすぐ独り言漏れる癖、治した方がいいわよ?」
男「……大丈夫だよ。家だと気が緩むだけだから」
姉「普段どんだけ気ぃ張ってんのよーって」
男(これは返したほうが……いいんだろうな)
男『そうだねえ』
男(これでいいか)
男「……」
男「……うわ、返信はやっ」
女『男君は試合出られそう?』
男(見て分かるとおりだと思うんだけどな……)
男『男子は人数少ないから、出られると思うよ』
女『そっかー。私はちょっと分からないなー』
男『出られそうにないの?』
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:39:13.90 ID:jndReV2L0
女『人数は大して男子と違わないけど、先輩が多いからね』
男『あーなるほど。縦社会ってやつだね』
女『そんな大層なものじゃないよw でも何だかんだ言って先輩優先になるよねっ』
男『別に有名校でもないから勝つためなら新入生でも使う、とかそういうノリじゃないからね』
女『そうそうw って私が出ても勝てるわけじゃないんだけどさw』
男『何も出来ないのに出されるのも辛いんだなあ、これが』
女『5対3で勝っておいてそんなこと言わないでよw』
男(あははw……って、あれ)
男(……んん?)
男(俺、今メールしてて楽しかった……?)
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:45:00.58 ID:cRYFgTMvO
そういえばこんな時代もあったなぁ
今はゴミ屑だけど
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 09:55:38.06 ID:nVUq96EpO
>>139
過去は美化されるもんだぜ
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:47:29.15 ID:jndReV2L0
男『それじゃ俺、そろそろ寝るよ。おやすみ』
女『おっと。もうそんな時間だね。また明日ー!』
男(結局夜遅くまでずっとメールすることになるとは……)
男(友とだってこんなに長くやりとりが続いたことは……いや、友とメール続いてたらそれはそれで引くな)
男(まぁ、なんだっていいや。寝よう)
男(……)
[翌日]
男「しまった……寝過ごした」
姉「何で起こしてくれなかったのよー! 今日は一限から講義あったのに!」
男「俺がいつも起こしてたみたいに言うなよ。俺だって遅刻だよもう」
姉「単位ヤバないのに、落としたらアンタのせいだからね!」
男「理不尽すぎる」
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:53:20.63 ID:jndReV2L0
男(この暑い時期にチャリかっとばすのは嫌だな……学校着く頃には汗だくだ)
男(信号が後二つ……捕まらなければ何とか一時間目には間に合いそうだな)
男(……んん?)
男(今、反対側の歩道に女さんが見えたような)
男(見当たらないな……気のせいか)
[昇降口]
男「ふう、なんとか一時間目には出られそうだ」
男友「あぁ、ギリギリセーフだな」
男「何でお前ここにいんの。授業は?」
男友「寝過ごした。俺も今来たところだぜ」
男「どんな偶然だよ」
男友「俺だって嬉しくないやい」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 10:59:32.48 ID:jndReV2L0
[家庭科室]
男(一時間目が移動教室で良かった……教室じゃ浮いてるから視線が痛い)
男友「何で男は出席つけて、俺はダメなんすか!」
教師「申し訳無さそうに入って来ないからよ」
男友「チクショー!」
男(こいつと同じ教科専攻してて助かったなー)
[昼休み]
男「あーやっと飯だ」
男友「購買付き合ってくれ。待ち時間が寂しいんだ」
男「まぁいつもだしな。つーか今日は俺も購買でパン買わないといけないんだ」
男友「弁当は?」
男「母が自由人でして」
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:03:24.31 ID:jndReV2L0
男友「へぇ。ライブツアーね」
男「多分全箇所回っていくんじゃないかと思う」
男友「並みのおっかけじゃないな」
男「毎年この時期はそんなもんだよ」
女「やっほー。遊びにきたよーっ!」
女友「どもども」
男友「おーっす!」
男「うっす」
女「へぇ。アクティブだねえ。男君のお母さんって」
男「アクティブ……確かにそうかもしれない」
男友「俺も前に男の家に遊びに行ったときは、こいつとあまりのギャップに驚いたよ」
男「そいつぁすまんね」
男友「お姉さんも明るい人だよな」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:10:26.91 ID:jndReV2L0
女「お姉さんがいるんだっ」
男「うん。でも母さんよりも自由かもしれない。今日も朝一番に……」
女「何それwww……」
男友「ほう」
女友「どうしたの?」
男友「いやー。男が今日はよく喋るなーと思って」
女友「そうなの?」
男友「普段っていうか、今まではもう少しだけ静かだったような。多分」
女友「へー。男君とはいつから一緒なの?」
男友「中学から。同じバスケ部だったからよく一緒につるんでてさ」
女友「そうだったんだ」
男友「まぁいい傾向かなってことで」
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:19:00.22 ID:jndReV2L0
男友「おっと、鐘鳴ったな。午後の授業いくぞー」
男「おー」
女「おーっ!」
[教室]
担任「よし、それじゃ今日はここまでにしておこう。さっさと支度しろよー」
男(担任の受け持つ授業が6時間目だと帰りが早くていいな)
担任「それじゃ、気をつけ礼。さようなら」
男(はやっ)
男(さて、友のクラス覗いてみるか)
男(向こうのクラスはまだ終わりそうにないか。帰り際に話の長い担任は嫌だな)
男(いつも通り待っているべきか)
男(先に体育館行って準備しておくのもいいか)
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:25:05.31 ID:jndReV2L0
女「何してるのっ?」
男「え? あぁ、女さんか。友が来るのを待とうかなって思ったけど止めたよ」
女「待ってなくていいの?w」
男「この調子だとまだかかりそうだし、部活遅れて一緒にお咎めとか目も当てられないからね」
女「なるほどーっ……」
女「じゃあ一緒に行こうかっ!」
男「え?」
女「体育館だよ、体育館! っほら急げ急げ!」
男「ちょ、待って……」
男(いつもの俺ならここで走って追いかけないだろうし、別にそうしなくていいとは思うんだけど)
男(ここで放っておくには少し仲良くなりすぎたかもな……)
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:33:30.30 ID:jndReV2L0
部長「そろそろあれ、いっとくか」
男「まさか……」
男友「俺はそんなに実害ないからいいですけど」
男「嫌ですよ。そんなの今時流行らないですって……」
部長「いやーでもこういうのって伝統行事じゃん」
男友「まぁありがちっちゃありがちですよね」
男「そう、それ。ありがち過ぎて効果なんて薄れてますって。願掛けにもならないですよ」
部長「おっとこれは本気で嫌らしいな」
男友「こいつ、中学のときも結局1人だけやらなかったんですよ」
部長「筋金入りか」
男「必要がないと思ったから、しなかったんです」
男友「それでこいつ、引退直前は練習まであんまり出なかったですからねwww」
部長「いやーでもさ。大会前って言ったら」
部長「丸刈りだろ」
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:45:07.12 ID:jndReV2L0
男「いいぜ、てめえが何でも思い通りに出来るってなら、まずはその幻想をぶち殺す!」
部長「こらこら、先輩に向かって何言ってんだお前」
男友「こいつ中学のときも同じこといって、顧問に喧嘩売ってたんすよね」
部長「本当に筋金入りか」
男「右腕が疼きだす……ッ!」
部長「まぁ、俺だって優勝の見込みもない引退試合のために丸刈りなんて嫌だけどね」
男友「色々とぶっちゃけましたね。まぁ確かにウチじゃ二回戦が限界っすけど」
部長「前々から男は髪長いよなーと思ってて、切らせたらどうなるかなーって遊んでみた」
男「やめてくださいよ……」
部長「長髪気に入ってんの?」
男「いや、そんなこともないですけど」
男友「俺が前に聞いたときもそんなことないって言ってたよな」
男「本当だからな」
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 11:56:57.47 ID:jndReV2L0
男「別に見られたくない傷があるとか、髪長いのが好きってわけでもないんだけど」
男友「髪型とか身だしなみ気にしてたらあんな服着ないよな」
男「え、俺の格好ってそんなに酷いの?」
男友「……」
男「ちょ、おま、そこで黙るなよ。俺もう外歩けないじゃん」
部長「まぁ、そこはいいとして」
男「……」
男「……何ていうか」
部長「ん?」
男「目を合わせずに済むじゃないですか」
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:00:19.92 ID:jndReV2L0
部長「……」
男「そりゃ、完璧に隠れてたら前が見えないし……前が見える程度に掻き分けたら少しは目も合いますけど」
男「完全に直視ってのが、俺には辛いんです」
部長「……そうか」
男友「初耳だなー」
男「逆にお前だと、そんなことも気にしないでいられるからな」
男友「それは褒め言葉として受け取っておくぜ……!」
男「話半分でいいよ」
男友「それはそれで寂しいな」
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:05:31.74 ID:jndReV2L0
部長「まぁ、人それぞれだからな。髪はそのままでいいぞ」
男「どもっす」
部長「で、球技やるには不便だと思うんだが、そこはどうなんだ?」
男「それはまぁ、ヘッドバンドで何とか」
部長「試合の時はいいのか」
男「そうですね。試合中とか、練習でもそうですけど」
男友「難しいやつだな」
男「互いに了承した上で相手と向かうじゃないですか。それなら」
部長「ふむ……」
男(これなんて恥ずかしい自分語り? ……家に帰って冷静になったら悶えるだろうな)
女「……なるほどっ」
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:17:17.61 ID:jndReV2L0
男友「さぁーっ! 男ー! 帰るぞー!」
男「あぁ、うん……何でそんなにテンション高いの」
男友「別に何でもねーっての!」
男(機嫌いいな……)
女「待ってくれーいっ! 私たちも部活終わったよーっ!」
女友「ちょっ……女速い……何でそんなに元気なの……」
男友「おっとごめんな! 一緒に帰るぞーっ!」
女「おーっ!」
男(あぁ、この2人はいつもこんな感じだな……)
[家]
男「ただいまー」
姉「おかえり。アンタちょっとこっち来なさい」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:20:19.49 ID:jndReV2L0
男「え、何?」
姉「何じゃないでしょ。テーブルとキッチン。見てみなさい」
男「……」
姉「どうだった?」
男「何もなってないけど……」
姉「そう、何もないわよ」
男「んん?」
姉「……」
男「……あ」
姉「分かった?」
男「今日は出前とるか」
姉「アンタの小遣いでね」
男「お姉ちゃんごめん! 俺が悪かったよ! だから許して!」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:28:18.66 ID:jndReV2L0
男「……突然の痛い出費だよチクショー」
姉「まぁまぁ。忘れてたのがいけないってことで。明日は私が晩飯準備するから」
男「……同じメニューは続けないのが我が家の掟だぜ」
姉「昨日カレーで今日出前。一回空いてるからカレーおkね」
男「汚ぇ! それ姉ちゃんずっとカレーで回せるじゃねえか!」
姉「あ、昨日のまだ残ってるから明日はこれで済みそうね」
男「……」
[自室]
男(携帯また光ってるな……メールか)
男(女さんか)
女『ついに明後日は大会だねえ』
男『だねえ』
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:35:34.95 ID:jndReV2L0
女『お互い勝てるといいねー』
男『そうだね、多分3回戦も上がれないと思うけど』
女『めっちゃ弱気かよっw』
男『いやでも一桁の人数で勝ち上がりとか厳しいって。俺出場登録も出来ないと思ってたよ』
女『あははw……』
男(実際に話すより、メールの方がスムーズに会話ってのはやっぱ人としてマズいよなあ)
男(そう思って今日は少しだけ喋ることに専念してみたけど)
男(やっぱ柄じゃないかな)
女『それでも男君は試合で活躍出来るんだから頑張らなきゃ!』
男「……」
男『そうだね』
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:45:08.29 ID:jndReV2L0
[放課後]
担任「それじゃ、今日で今週の授業も終わりだ。よく頑張ったな。存分に休めよ」
男(先生もよく頑張ったな)
担任「先生もよく頑張ったので、週末はゆっくりと休むぞ。以上、気をつけ礼!」
男(何だかなあ)
[体育館]
部長「それじゃ明日は大会だ。みんな気を引き締めていこう」
部員「うっす!!」
部長「前日に無駄な怪我とかしたくないから、今日は軽めにいくぞー」
部員「よっしゃー!!」
男(やる気ねえな)
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:53:53.20 ID:bvcpRkvP0
剣道部だった俺には無い青春劇だなおい
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 12:56:23.11 ID:jndReV2L0
男「それじゃ男子と女子の会場は同じなんだ」
女「そうみたい。予選だから、大きな私立校の体育館で合同になるんだって」
男「市民体育館は準決勝以上か。例年通りだなあ」
女友「冷房効いてるならどこでもいいなー。暑いのだけは勘弁」
女「そうだねえ」
男友「無条件でベンチ入りだからとりあえず座れるのも助かるよな」
男「俺たち中学のとき二階のギャラリーから見てたもんな」
男友「そもそもユニフォーム着てなかったもんな」
男「選手交代の可能性もなかったからな」
男友「お前、ジャージの下に私服着てたもんな」
男「お前なんか私服だったろ」
男友「あれは流石に怒られたな」
女「2人ともすげーっ!」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:04:16.99 ID:jndReV2L0
男「明日は七時に駅だっけ?」
男友「そうそう。寝過ごさないようにな」
男「お前だってそうだろうが」
男友「女バスはいいよなー。保護者が動いてくれるなんて」
女友「車で快適に同じ時間に到着予定だから!w」
男友「俺1人だけでも混ぜてもらえねーかな……」
男「むしろお前1人ってのが逆に危ないわ危険分子。保護者がついてないと」
女「保護者って男君のこと?」
男「え、俺?」
男友「何だお前! 俺も一緒に乗りたいですって言えばいいのに俺を使ったな!」
女友「いや、乗せられないけどね」
男「いやいや、そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど……」
女「乗せられたらいいんだけどね」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:14:55.72 ID:jndReV2L0
女「それじゃ、ここで!」
男友「おーっ! お互い明日は頑張ろうなー!」
女友「また明日、会場でねーw」
女「まったねーっ!」
男「……また明日」
[家]
男「まさか本当に手を抜いてくるとは……」
姉「文句言うなら食べないの」
男「すいませんでした」
姉「あ、明日はアンタの当番だから。今度は忘れないでよね」
男「……」
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/11(土) 13:58:10.91 ID:GqCP3qRBO
俺んちの姉貴もこんなんだわwwwwww
アイドルマスター2が2011年2月24日発売だっておwww
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー(サントラCD+ビジュアルブック)付き
女「前髪長くない? 切らないの?」【中編】へつづく
転載元
女「前髪長くない? 切らないの?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247231149/
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