211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:05:33.94 ID:ZxNMfrGAO


    〜その夜〜


    女「…」しゃらしゃら、しゃしゃっ!

    女「…」

    女「…ゴシゴシゴシ」

    女「上手く、描けない」

    女「ゲームも…飽きちゃったし」


    ごろん


    女「…変なの。こんなのはじめてだ」

前の話から読む人はこちら
たぶん既出ジャンル「腐上司」【前編】


 
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:20:18.06 ID:ZxNMfrGAO



    女「…やるき起きない」

    女「休みで良かったなぁ。明日」

    女「……あ」

    女「そうだ。今日はかどらなかったから、明日も行くことになったんだっけ」

    女「…」

    女「うー。やだー」ゴロゴロ、ゴロリ


    女「…うまくいかないなぁ。何もかも」



214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:24:52.36 ID:ZxNMfrGAO



    〜次の日、会社〜


    女「はよごじゃまーす」とてとて

    男「あっ」

    女「え…」

    男「…えーと」



    男「がんばりましょうね。二人しかいませんけど」

    女「(…死のうかな)」



217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:32:54.42 ID:ZxNMfrGAO


    女「…」カタ、カタ

    男「…」カタカタ

    女「…」



    (時計)チッ、チッ、チッ、チッ…




    男「(…何だろうこの空気)」



218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:35:44.90 ID:ZxNMfrGAO


    男「…ゴホン」



    男「あの、先輩」

    女「むー?」

    男「こないだのこと。俺、よくよく考えてみたんですけど」

    女「…」

    男「なんつーか…俺はあれですか?もしかして」



    男「…先輩に、嫌われてますか?」


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:47:05.89 ID:ZxNMfrGAO


    男「いや、なんか会う度に先輩元気なくなってるなーって」

    男「確かに俺、有能な部下じゃないですけど…えっと」

    女「…あ」



    女「(何だろ…哀しい。凄く)」

    女「(誤解してるのに。すれ違ってるのに、でも教えられない)」

    女「(…教えたら、嫌われるもの)」



221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 19:51:07.06 ID:ZxNMfrGAO


    女「(でも)」

    女「(…私が嫌われないのと引き換えに。男くんは悩み続ける)」


    女「……」


    ――ガタッ


    男「?」


    とて、とて


    男「先輩?」



224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:03:11.93 ID:ZxNMfrGAO


    ぎゅっ




    男「――へ?」

    女「…私は、嫌いな人には抱きつけません」

    男「え?いや…ていうか、これは」

    女「だから、私は男くんが嫌いじゃない。信じて」

    男「あ……はい」


    はなれ


    女「…」

    男「…」

    女「…ふぇ―――…ん…」ぽろ、ぽろ

    男「(えええええ号泣!?)」



226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:09:12.89 ID:ZxNMfrGAO


    男くんは悪くないんです
    いい人です

    いい人だから
    なおさら

    その男くんでやらしい妄想をする
    私の不潔さと
    後ろめたさが辛いんです




    女「お、男くんは悪くないの。何もかも私だけが悪いの!」

    女「ごめんね。だめな上司でごめんね…謝るから」グス


    男「………」


    女「だから……私の部下でいてよぅ…」ぽろぽろ


228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:16:28.03 ID:ZxNMfrGAO


    〜小休止〜



    女「…」

    男「はいどうぞ。コーヒーで良いですか?」

    女「…ありがと」

    男「…」

    女「…」

    男「落ち着きましたか?」

    女「うん。だいぶ」

    男「そうですか。良かった」

    女「…」



230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:28:03.48 ID:ZxNMfrGAO


    男「まぁ、一通りはわかりました」

    女「え…うそ」

    男「いやわかりませんよ?でも、大ざっぱな事情は」

    女「…」

    男「とりあえず、先輩がここのところ悩んでたのは本当。でもそれは仕事関係ではなく、別の事」

    男「そして、それは俺には話せない。…そうですよね?」

    女「…コクン」



231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 20:35:41.76 ID:ZxNMfrGAO


    男「そこまで解れば充分です。とりあえず、俺に原因が無くて良かった」

    女「ふぇ…」

    男「ということで、それ飲んだら仕事に戻りましょーね」くるっ

    女「えっ」

    男「?何か?」

    女「…具体的に、聞かないの?」

    男「ん…まぁ、誰にも踏み込まれたくない領域ってのはありますしねぇ」

    女「…」



242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:16:47.74 ID:ZxNMfrGAO


    男「…」カタカタ

    女「…」カタ、カタタ

    男「チラ」

    男「あの、先輩」

    女「ん」

    男「そろそろ昼ですけど。一緒に行きませんか?」

    女「え?あー」

    女「……良いや。先にこれ片付けちゃう」

    男「…」


244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:21:21.04 ID:ZxNMfrGAO


    男「…じゃあ、俺ももう少し」

    女「良いよそんな。先行ってて」カタカタ

    男「……はい。では」ガタ

    女「…!」

    女「あ、え、えっとえっと」

    男「?」

    女「あの…嫌いじゃないからね?」

    男「!」

    女「じゃなくて…あのっ//」

    男「(かわいい)」



245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:26:13.13 ID:ZxNMfrGAO


    女「それにどうせどっちか一人は残ってないとだめでしょ?」

    男「あ。それもそうでした」

    女「そう、だから先行ってきて。何も気にしないでね」

    男「…wわかりましたよ。それでは」

    女「嫌ってないからねー?」ふりふり

    男「わかりましたってw」ふりふり


    …ガチャ



    女「…はぁ」くてん


249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:32:16.48 ID:ZxNMfrGAO


    女「…いつまでもこのままでいるわけにいかない」

    女「…いつかは、打ち明けなくちゃなぁ」へにょ



    …ガチャ


    女「!?」

    女「な、何か忘れ……!?」



    少年「あのー」


    女「」





    女「(ショタ?)」

250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:42:07.55 ID:ZxNMfrGAO


    少年「あのー…兄は?」

    女「え」

    少年「なんか頼まれて。書類持ってきたんですけど」

    女「(…そういや、さっきそんな電話してた気がする)」




    女「男くんの、弟さん?」

    弟「?…あぁ、はい。そんな感じかな」

    女「暑かったよね。座って」

    弟「え?いえっ…もう帰りますので」

    女「良いから良いから」ぐいぐい

    弟「…はぁ」



253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:49:50.14 ID:ZxNMfrGAO



    弟「…」キョロ、キョロ

    女「はい。お茶どうぞ」

    弟「あ…どうも」

    女「…」ジー

    弟「?」

    女「(日に焼けた肌、未成熟な身体)」

    女「ふふ」

    弟「!?」ゾク


    女「(あ…私また……悪い癖だ)」

    女「(´・ω・`)」シューン

    弟「(何だろうこの人…)」




255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 21:56:43.45 ID:ZxNMfrGAO


    弟「あの」

    女「ん」

    弟「…兄は?」

    女「今はお昼食べに出てる。すぐもどるよ」

    弟「はぁ」

    女「男くん戻るまではいるでしょ?ゆっくりしてってね」

    弟「ありがとうございます。…ところで」

    女「?」

    弟「さっきから髪にスクリーントーン。ついてますよ」

    女「!?」



256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:00:08.08 ID:jTcQxgm90
    弟も漫画描くのかよ!

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:04:44.10 ID:ZxNMfrGAO


    女「えっ?え?」

    弟「ほら。ここ」スッ

    女「あ…//どうも」

    弟「夏はくっつくよね。ベタベタしてさ」

    女「あ、そ、そうですね」




    女「(これはもしかして……同類?)」


259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:07:42.81 ID:ZxNMfrGAO


    女「(試してみる…?)」


    女「君、ちょっと…あの」

    弟「?」

    女「カズマ君に似てる。サマーウォーズの」

    弟「えぇ?似てないよ」

    女「(通じた――――!?)」


    弟「っ!?」ビクッ




262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:14:43.58 ID:ZxNMfrGAO


    女「(これは陽性…確実に)」ぐっ

    弟「お姉さん…さっきから何?」

    女「君、いくつ?」

    弟「…14だけど」

    女「(中2…少し荷が重いかもしれないけど、でも…!)」




    女「あの…相談があるんです。君のお兄さんに関して」

    弟「へ?」


266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:28:33.48 ID:ZxNMfrGAO


    〜中略〜


    弟「…なるほどね」

    女「…」

    弟「お姉さんそっちの方の人だったんだ」

    女「…コクン」

    弟「まぁ確かに、兄さんはそっちに耐性無いね」

    女「あぁ…やっぱり」シュン

    弟「でもまぁ、関係ないと思うけど」

    女「えっ…」


268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:37:45.87 ID:ZxNMfrGAO


    女「そんな…でも、妄想したことへの背徳が…罪悪感が」

    弟「それこそ、男の方がよくしてるじゃんか」

    女「え…」

    弟「女の人の胸元みたり、尻見たり」

    女「…そうかもしれません。でも、やっぱり私たちのは違うんです。質が悪いんです」

    弟「はぁ」

    女「…その人を、直接的に傷つけてしまうんですよ」

271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 22:52:35.43 ID:ZxNMfrGAO


    弟「じゃあそれ、言ってみてよ」

    女「…え」

    弟「もしかしたら、言われる方は全然平気かもしれないじゃん」

    女「え…でも、良いんですか?」

    弟「いいったら。どうぞ」

    女「えーと…」


    女「そうですね、弟くんは見たところ受けなので…『   』女顔ですし『   』同級生たちに『     』
    泣きながら『   』短パンの『     』絶望的な『     』ですよ」



    弟「………」



275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:05:02.07 ID:ZxNMfrGAO


    女「ほら……引きました」ずーん

    弟「いや…まぁ、たしかにゾクっとはしたけどね」

    女「男くん、きっと私を嫌うよ。こんな人って知ったら」

    弟「…妄想くらい、好き勝手にやれば良いと思うけど」

    女「…」



277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:09:43.34 ID:ZxNMfrGAO


    ――ガチャ



    女「!」

    弟「あ」



    男「ただ今帰りましたー」



278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:16:36.68 ID:ZxNMfrGAO



    女「あ…おかえり」

    男「遅くてすみません。先輩も食ってきてくださいね」

    女「あの、弟さんが来たよ」

    男「え、弟?」

    弟「うん。なんか、そーいうことに」

    男「…まぁ確かに色気は無いかw」くしゃ

    弟「っさい。アホ」

    女「えっ…」



280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:18:49.28 ID:ZxNMfrGAO



    男「こいつは弟じゃないですよwこう見えても妹です」

    女「…え」

    妹「すみません。でも、敢えて訂正することもないかとw」くすくす

    女「   」









    女「(男の娘!)」クワッ!



283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:30:22.42 ID:ZxNMfrGAO


    男「なるほど…こういう格好すると、確かに男だ」

    妹「えっ、胸が無いって言いたいわけ?」

    女「 」

    男「ん?」

    女「あの…私…すっごい失礼な」

    男「気にしないでください。こーゆーやつなんで」ぽすぽす

    妹「うわ、ひど」



284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:33:36.37 ID:ZxNMfrGAO


    妹「じゃあ兄さん、あたしは帰るけど」

    男「おー、ありがとな」

    妹「…お姉さん。ちょっと」

    女「へ?」



    ずいっ


    女「えっ…」

    妹「思うんだけどさ、ホモが嫌いな女なんていないよ?」ボソ

    女「…!!」

    妹「あたしもたまに考える。兄さんは確かに受けだよねw」

    女「コクコク!」

    妹「w…ま、頑張りなよ」


286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/03(木) 23:36:29.14 ID:ZxNMfrGAO


    妹「じゃね」

    男「気をつけて帰れよー」

    妹「ん」


    …バタン


    男「…」

    女「…」

    男「…さっき、何言われたんすか?」

    女「なんかエール送られた」

    男「??」

    女「…何でもない」


349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:26:43.94 ID:o/LroxLRO


    〜PM16:00〜


    女「…んん」のびー

    男「まぁ、こんなとこですか」

    女「あー。おわったー」へにゃ

    男「ははw思いの外早く済んで良かったですねー」

    女「…ありがと」

    男「はい?」

    女「一人じゃこんなに早く終わらなかった」にこー

    男「…」

    女「帰ろっか」カタ



350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:31:21.57 ID:o/LroxLRO



    女「まだ空が明るい!すばらしい」

    男「少し雨降りそうですね」


    女「…男くんって」

    男「はい」

    女「駅だよね?」

    男「ええ。そうです」

    女「…」

    男「?」

    女「帰る?一緒に」

    男「そうしますか」

    女「…そうする」



352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:35:29.01 ID:o/LroxLRO


    コツ、コツ、コツ、コツ


    男「…つまり俺は、実家暮らしというわけでは無いんですね」

    女「え?……でも」

    男「あ、妹ですか?」

    女「コクコク」

    男「あいつは何故か勝手に入ってくるんですよ。鍵持ってて」

    女「…へぇ」

    男「で、おつかいを頼んだだけで。まぁ報酬はきっちり取られますが」

    女「……」




355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:47:17.49 ID:o/LroxLRO


    妹『着たぞー…ってうわ、汚っ』

    男『またかよ。来んな』

    妹『うるせ。いい加減彼女くらい作れよ。で掃除してもらえ』

    男『必要ねーよ。かわいい妹がいるし』

    妹『なっ…//か、からかうなよ』

    男『ははw……からかってると思う?』

    妹『へ?』



    ギシ




356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:48:14.79 ID:o/LroxLRO


    妹『!?』

    男『…この暑いのに、なんで服とか着てんの?』しゅる

    妹『あっ、ちょ…やめ………//』

    男『んー?』

    妹『……………バカ…っ』



    …ぱさっ





    女「ふふっ」

    男「先輩?」



360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 17:58:54.16 ID:o/LroxLRO


    女「(死のう死のう死のう死のう死のう死のう今すぐ)」

    男「?」



    女「…あっ」

    男「?どうかしました?」

    女「(帰っても、食料が無い)」

    女「ちょっとスーパー寄って良い?」

    男「スーパー?」

    女「あ……だめなら、先に帰ってて」しゅん

    男「いやいや良いですよ。付き合います」

    女「っ…ほんとっ?」ぱあぁっ!

    男「(かわいい)」




363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:04:08.58 ID:o/LroxLRO


    〜スーパー〜


    男「…」



    (もやし、卵、ネギ)



    女「えーと、えーと」

    男「先輩…冗談なしで金無いんですね」

    女「う…恥ずかしながら」

    男「前にも言ってましたよね。趣味ですか?」

    女「…」コク

    男「そんな金かかるものって…服とか?」

    女「…ちがう」


364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:09:22.10 ID:o/LroxLRO


    男「あ、ちがうんだ」

    女「…服買うなくらいなら同人誌買う」ぼそ

    男「え、何て?」

    女「なんでも」

    男「じゃあ…バッグ?アクセサリー?」

    女「その類じゃない。必需品以外買わないもん私」


    (必需品:同人誌)




366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:11:19.21 ID:o/LroxLRO


    男「えぇ?…でも女性はあるんでしょ?化粧品とか、香水とか」

    女「香水なんて私、一本も持ってない」がさがさ

    男「えっ」

    女「あ、ねぇこれとこれ。どっちがお得かな?」くる

    男「(…なのに、どーして良い匂いがするんだろう)」

    女「聞いてる?」



367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:20:23.17 ID:o/LroxLRO


    アリガトウゴザイマシター


    女「ふぅ。買ったね買ったね」ぶらぶら

    男「…」

    女「…男くん?」

    男「ああ、はい。聞いてますよ」

    女「?」





    男「(…確かに、今まで見たことないタイプかも)」

    男「(まぁ、年上女性というよりは子供みたいなとこあるけど)」

    男「(でも……かわいい人だよなぁ)」



370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:24:29.14 ID:o/LroxLRO


    〜駅〜

    …ざわざわ、がやがや


    女「着いちゃったね」

    男「はぁ」

    女「ここまでだね」

    男「…」

    女「じゃ、これで」くるっ

    男「あ…ちょっと」

    女「?」

    男「一つ、聞いておきたいことが」

    女「?なに?」


372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:34:49.21 ID:o/LroxLRO


    男「一昨日、一緒に飲んだ時なんですけど」

    女「あ…あの時は随分迷惑かけて」

    男「いえ…それよりあの時の先輩の振る舞いには、何の意図もなかったんですよね?」

    女「へ?」

    男「えーと、つまり」



    女友『――手。…出さなかったのね』



    男「相手が、俺だったから。…あんなに気を許した」

    男「そーいうのでは、無いですよね?」



373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:43:36.71 ID:o/LroxLRO


    女「…?ちがう」フルフル

    男「ですよね」

    女「あ…そういえば、女友にも注意されたんだけど」

    男「?」



    女友『――あの後輩くんじゃなかったら、犯されてたわよ?』



    女「…良くわからなくて。ああいう時どーするのが普通なのか」



375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:48:31.98 ID:o/LroxLRO


    男「…」

    女「えーと、そもそも男の人と二人で食べたの自体はじめてだったし」


    女「(…思春期から恋愛なんて、二次で補って生きてきたしね)」


    女「…だから、普通の女の人とは違ったかもしれない」

    女「えーと…まずかったとこがあるなら、次から気をつけるから」




376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 18:50:19.59 ID:o/LroxLRO


    男「そうですか」

    女「うん…ごめん。迷惑かけて」

    男「つまり俺以外の男でも、ああなってたろうと。潰れて、無防備に眠って」

    女「えっ…まぁそうなるかな」

    男「そうですか」

    女「…ごめん。なんか」

    男「じゃ好きです」

    女「は?」


387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:06:55.03 ID:o/LroxLRO


    男「(あ)」

    女「え?…え?」

    男「ええと……まぁ、そんな感じで」

    女「……えぇ?」

    男「今すぐ返事くれとは言いませんから。一考して頂けるとうれしいというか、なんというか」

    女「…」



    『――まもなく、○○行の列車が、4番ホームに――』





388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:10:06.19 ID:o/LroxLRO


    男「やば、来ちゃった」

    女「え」

    男「えっと…じゃ、俺はこれで。今日は楽しかったですよ」くるっ


    女「やだ、ちょっと待」



    すかっ







    女「…」ぽつーん


389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:16:17.31 ID:o/LroxLRO


    女「………」

    女「帰ろ」くるっ


    〜電車〜

    ――ガタタン、ガタタン

    女「」死ーん




    〜到着→駅〜


    女「」死ーん

    清掃員「線路に近づくと危ないよ」

    女「…」



    のそ、のそ、のそ


391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:19:16.14 ID:cWYg2k3+0
    >>女「」死ーん
    死んだのかと思った


392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:22:38.13 ID:o/LroxLRO


    女「…」


    ――ぱらぱら、ぱらぱら


    女「雨」

    女「…まいいや」のそ



    …ひた、ひた、ひた、ひた


    女「…」


    『好きです』


    女「(…だから、恋愛は二次元で補ってきたんだってば)」ひた、ひた



393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:33:40.25 ID:o/LroxLRO


    のそ、のそ、のそ


    女「(…そもそも男くんは、まだ本当の私をしらない)」

    女「(じゃあ、私の何が良かったのさ)」

    女「(…)」

    女「(本当は君でやらしい妄想をするような女なんだよ)」



    女「(…なんで、あんなこと言うの……)」



    ――サァァァァァ…



    女「(けっこう降ってきたなぁ)」



394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:37:13.33 ID:o/LroxLRO


    ――――

    ――

    ―




    女「…?」



    ――サァァァァァ…

    ポタポタ、ポタ



    女「(…私いつの間に家に着いたんだっけ)」




395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:41:47.60 ID:o/LroxLRO


    女「(ま、いいや)」



    ガチャ…バタン



    女「ふぅ」ポタ、ポタ

    女「…」クシュンッ!

    女「寒」

    女「…」

    女「(寒い?夏なのに?)」



396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/04(金) 20:43:05.53 ID:o/LroxLRO


    女「」キョロキョロ


    ぐにゃぁあぁぁ


    女「おー」

    女「世界が回る。楽しい」

    女「」





    ………どさっ


429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:09:58.32  ID:3RmOKAAxO


    〜一方〜


    ――サァァァァァ…


    男「あーあ。やっぱ少し濡れたか」

    男「(…大丈夫かな先輩)」


    …ガチャ、


    男「あれっ?鍵が」


    バタン



    妹「あ、おかえり。来てるよ」

    男「……」



430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:14:03.55  ID:3RmOKAAxO


    男「それは良いけど…その格好は?」

    妹「あ、シャワー借りたんだ」

    男「やりたい放題か」

    妹「いやね、そこのアニメイトにいたんだけどさ。店出たら降ってて」

    男「…ちょうど良かったから、雨宿り?」

    妹「まぁそんな感じw」



431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:19:01.83  ID:3RmOKAAxO


    男「はぁ。…で、いつ帰るの」

    妹「そりゃ、雨が止んだらだね」

    男「…」チラ


    ――ザァァァァァ…


    男「止みそうにないけど」

    妹「だね」



434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:25:37.54  ID:3RmOKAAxO


    妹「ま、あたしはいーけどね。明日日曜だし」

    男「泊まるつもりっすか」

    妹「冗談だよw」

    男「…どうでも良いけど、着替えるから」

    妹「?どーぞ」

    男「せめてあっち向いててくれます?」

    妹「……クスクスw」くるっ



    しゅるる、ぱさっ



    妹「…」

    男「…」


436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:29:30.52  ID:3RmOKAAxO


    妹「…兄さん?」

    男「んー?」

    妹「『腐女子』って言葉…知ってる?」

    男「…人並み程度に」

    妹「軽蔑する?」

    男「ん。別に」

    妹「別に?」

    男「人の好き好きじゃないか、そんなの」

    妹「…もし兄さんの周りの、誰かがそうでも。構わない?」

    男「んー?」



438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:38:01.24  ID:3RmOKAAxO


    男「俺の周りって…まず妹がそうだし」

    妹「あたしのは、少し違うよ」

    男「?」

    妹「浅く広く。楽しそーなものに手を出してるだけなの、あたし」

    男「?よくわからんけd」

    妹「――あぁっ!」

    男「!?何、どうした?」

    妹「…爪が伸びてる」

    男「……」

    妹「爪切り借りるね」ひょい

    男「つくづくフリーダムだなお前」



439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:47:13.36  ID:3RmOKAAxO


    男「ちゃんと新聞紙広げてやれよー?」

    妹「はーい」



    ――プチン、プチン



    男「それで………なんの話だっけ」

    妹「腐女子」

    男「あ、そう…まぁとにかく、俺はその辺は良くわかんないけど」


    男「別に良いんじゃない、ホモが好きな人がいても。ただ『世界は広いなぁ』でさ」

    妹「ふーん」パチンッ


    妹「(…自分が、妄想の種にされてても?)」



441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 00:52:33.22  ID:3RmOKAAxO


    男「で、どうしたんだよ。急にそんなこと聞いて」

    妹「ん…いやさぁ」



    プチンッ



    妹「こないだね。自分が腐女子なことを妙に気に病んでる」

    妹「…そういう子に、会ってね」


    男「ふーん?」


443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:00:50.81  ID:3RmOKAAxO


    妹「その子はね。現実の男の人見ても、そーいう想像しちゃって」

    男「面白い人がいるんだなぁ」

    妹「ん…だからいつもその人への罪悪感を感じてて、辛いの」

    男「色々大変なんだ」

    妹「大変なんだよ」プチン

    男「…」



444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:06:44.59  ID:3RmOKAAxO


    妹「――『腐女子』ってさ」

    男「んん?」

    妹「腐った女子って。そう書くけど」




    妹「別に、ゾンビみたいなんじゃなくてさ。
    …要は、人より少し好奇心の強い女の子ってだけなんだよね」


    男「…」




447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:09:57.73  ID:3RmOKAAxO



    妹「そのフレーズだけで、その人の全てが決まるわけないのに」



    妹「ただそれに気づくだけで。…きっと色々なことが、うまくいくのにね」


    男「…」




    ――サァァァァァ…




    妹「雨、やまないね」

    男「…やまないねぇ」



450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:18:22.31  ID:3RmOKAAxO


    〜女の部屋〜


    女「」

    女「」


    女「…!」

    女「…?私、なんで濡れたまま玄関で寝て」


    むくっ


    女「?……からだがおもい…」

    女「風邪ひいたのかなぁ」


    女「…とにかく、ベッドで寝ないと」よろ、よろ



452 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:27:04.15  ID:3RmOKAAxO



    ――ぼすっ


    女「…」

    女「(…服、脱がないと)」もぞもぞ


    女「(…だるい…)」


    女「(…風邪って、こんなにきつかったっけ…?)」



453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:37:53.15  ID:3RmOKAAxO


    女「うー…」くてん


    女「…」


    女「(ごはんとか、どうしよ)」


    女「(一人暮らしでこれは、ちょっとまずいかも)」


    女「(そうか…二次元の人は、看病はしてくれないのか)」

    女「…」


    女「(どうやったら、画面から出てきてくれるかな?)」




456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 01:46:36.89  ID:3RmOKAAxO


    ――シーン


    女「…」

    女「心細い」

    女「…」

    女「…」

    女「苦しいよぅ…」

    女「…」

    女「…」



    女「……男くぅん…」枕ぎゅうぅ



462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 02:02:24.14  ID:3RmOKAAxO



    女「(…そういえば)」


    いつからだろ

    現実の恋愛について考えるのをやめたのは

    男の人と接点を持つことをあきらめたのは


    女「…」



463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 02:04:46.76  ID:3RmOKAAxO


    キャラクター(男の子)を見ても

    プレイヤー(参加者)としての参加は、はじめから放棄

    自分はプレイヤー(操縦者=傍観者)として
    彼らを見て、遊んで、耽る



    女「…」



    女「腐女子になんか…なりたくなかったなぁ」




465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/05(土) 02:10:39.03  ID:3RmOKAAxO


    女「(…でも、男くんに会って)」

    女「(私なんかに、あんなに優しくするもんだから)」

    女「(もう…どうすれば良いかなんて、分かるはずない)」

    女「優しくされればされるほど、罪悪感を感じる」

    女「(それで被害者みたいに苦しんでる自分も嫌)」

    女「(嫌)」


    女「…」

    女「(ぐちゃぐちゃだ。もう)」



たぶん既出ジャンル「腐上司」【後編】へつづく

引用元
たぶん既出ジャンル「腐上司」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1251875135/
 

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