192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:33:49.12 ID:mkjYFX+5O
    アメリカ──────
    PPP、PPP

    スネーク「なんだ大佐?」

    大佐「特命がフォクスハウンドに下った。今すぐラクーンシティへ向かってくれ」


    スネーク「なにぃ?どう言うことだ大佐!?」


    大佐「たくわんだよスネーク」


    スネーク「たくわん…だと?」


    日本公安9課────────。


    荒巻「少佐、トグサとバトーを連れて今すぐアメリカのラクーンシティへ飛んでくれ」


    少佐「また急ね。何かあったのかしら?」


    荒巻「9課に特命が下った。全てはたくわんだ、少佐」


    少佐「たくわん……?」


193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:38:31.19 ID:S0WQ8A2OO
   

たくわんスゲー




最初から読む人はこちら
唯「バイハザ!」【前編】

前の話から読む人はこちら
唯「バイハザ!」〜ラクーンシティ編〜【パート4】

バイハザ!の全作品はこちら

 
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:44:22.37 ID:mkjYFX+5O

    ネルフ本部─────。

    01「碇、君には今すぐアメリカのラクーンシティへエヴァンゲリオン三機を投入してもらいたい」

    08「左様、これは命令だよ碇」

    02「君に拒否権はない」

    碇「わかりました。その為のネルフです」

    03「話が早くて助かるよ」

    ゼーレ一同「そう、全てはたくわんの為に」

    そうたくわんは絶対の存在でありたくわんを拒否出来るものは誰もいないのだ

    ※彼らは本編には出てきませんネタ要員です
    ご注意ください


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:46:38.30 ID:mkjYFX+5O
    その頃、ラクーンシティ市街─────

    ヘリから次々に降りてくる人達、

    対バイオテロ私有部隊、BSAA到着───


    クリス『ブラッド、聞こえるか?』

    ブラッド『あぁ、感度良好だクリス』

    クリス『今から救助活動を開始する。お前は近くで待機しておいてくれ。』

    ブラッド『了解。さすがにこの街にはいられねぇからな。隣街でカフェと洒落込んで来るわ。グッドラックボーイ』

    飛び立つヘリを見送った後クリスが口を開いた。

    クリス「第一目標は生存者の救助だ。BOWの排除も忘れるな。アンブレラの関係者は拿捕しろ」

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:48:01.24 ID:8jQ5p1hzO
    凄まじい規模だな

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:50:51.36 ID:mkjYFX+5O

    バリー「了解だリーダー」

    ジル「了解。前みたいにハンドガン無くさないでねクリス」

    クリス「善処する」

    レベッカ「このラクーンシティにはハーブを治療に使うそうです。その辺りに生えているハーブを見つけたら私のマニュアルに従って調合してください。データはメモリーに送っておきます」

    一同「了解」

    メモリーとは、BSAAが導入している携帯式無線機だ。無線の他にも衛星からのデータでその建物の構築、蓄積されたデータの閲覧なども可能だ。

    クレア「兄さん、むちゃしないでね」

    クリス「それはこっちのセリフだクレア」

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:52:33.05 ID:mkjYFX+5O
    バリー「クリス!」

    バリーの激昂でクリスは銃を構える。長い付き合い故に名前を呼ぶだけでも何があったか把握出来る。


    クリス「奥から一体、後方から一体、ビルの中に一体か」

    バリー「待ち伏せされてた様だな。……103型か、どうするクリス?」

    クリス「撃退する、各々奮闘しろよ。」

    一同「了解」

    クリス「このBSAAは個人でも十分動ける人材だ。俺の指示など参考にまでにしか聞かなくていい。自分の思う様にやってくれ」

    暴君が迫る───


    クリス「戦闘開始」

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 15:56:42.37 ID:mkjYFX+5O
    ───────。

    さわ子は物陰からその戦いを見ていて驚愕した。5分だった、たった5分で……さわ子の差し向けたT‐103型三体は撃破されたのだ

    さわ子「ありえない……なんなのよあれ!」

    一体は氷漬けにされ一体は核を潰され一体は口に手榴弾をぶち込まれ……


    『三体では少ないかもな……』

    ウェスカーの言葉を思い出す。


    さわ子「これが対バイオテロにクリス・レッドフィールドが作った組織の実力なの……」
    計画を練り直す必要があるわね。

    クリスが何かを言っている。

    クリス「究極の出来損ないとは言ったものだな」

    さわ子「言ってくれるわね…」ギリッ……

    必ず後悔させてやるわ…その言葉


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:00:26.56 ID:mkjYFX+5O
    図書資料館──────


    律「ようやく4つ集まった……。しかし見事に誰にも合わないな。みんな死んだか脱出したのかね」

    最後のナイトプラグをポシェットに入れる。


    律「さっき唯の声が聴こえたのは……。」

    何を言ってるんだ私は。ついに頭までおかしくなったか田井中律

    私は家族を助け出す、そしてアンブレラを潰す。私の意思で、私だけの力で

    本当にそうだろうか
    これは私の意思で、私自身が澪を遠ざけてるのだろうか。

    あんなに大切だった澪の姿が霞んでいく

    私はどこ向かい、何処へ行きたいのだろう


212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:03:05.32 ID:mkjYFX+5O
    「見つけたわよ!律!」

    律「あん?」

    図書資料館の扉は二階一つ、これはやたら歯車がある部屋に繋がる。
    そしてその下の二つの扉、一つは小さい扉、STARSの勤め所に繋がる。もう一つはノブの二つついた大きい扉、エントランスの二階へ出る。そこの扉前に彼女はいた


    律「和か。久しぶりだな」

    和「梯子を下ろしておいてくれたおかげで早く来れたわ。ありがとう律」

    律「あんたの為に下ろしてわけじゃないよ」

    和「あら、ならあなたの大好きな澪の為?脱出しやすいようにって」

    ギリッ……

    律「何が言いたいの?」

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:10:25.70 ID:mkjYFX+5O
    和「とぼけないで。私の部下を撃ったあなたにはS.T.A.R.S.で危険人物扱いされてるのよ!……何で…撃ったの?」

    フフフ……

    律は柔和に笑みを浮かべる


    律「邪魔だったから。来い来いってしつこいんだもん。新手の誘拐の仕方だと思っちゃったよ」

    和「律!!」

    和が刀を抜く。
    顔の表情は穏やかではない
    嘗ての仲間に切っ先を向ける


    律「やろうってんだ…私と」

    どうしてこうなったんだろう


    和「彼は私の大切な仲間よ。そんな彼を撃たれて黙ってられるわけない…」

    唯は信じろと言ったけれど……!


    律「こいよ、和」

    今はこの道しかないのだから。その道に立ちふさがるなら仲間でも容赦はしない


216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:12:14.48 ID:mkjYFX+5O
    和の刀の鎬(しのぎ)が図書資料館の電気に反射し光る、ジリジリと足を地面に滑らせながら律に近づいて行く。


    律「そんな警戒することないだろ〜?銃なんて出さないって。これで十分だよ」

    律は腰からナイフを取り出す。コンバット式のサバイバルナイフだ。

    和「なめられたもんね…」

    律「あら〜ん?怒りになりました?STARSの大尉殿」

    和「今は少佐よ、おかげ様でね…」

    律「そうでしたか少佐殿。」

    和「悪く思わないでね…律(峰打ちで気絶させてから縛りあげて…それからは唯達と考えよう。)」

    律「さっさと来なって……」

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:14:19.39 ID:mkjYFX+5O
    和から動き出す──。
    カモシカの様に跳び駆ける。あっという間に律の前に来た和は刀の刃を逆にし、峰から横薙ぎに振るう。

    律「っと!」

    律はそれを屈んで避け、左手で持ったナイフを容赦なく和の左脇腹に目掛け突き込む────。


    和「ぐぅっ」

    左手で素早く鞘を持ちそれを盾にして律のナイフを防ぐ。
    金属と金属のぶつかった澄んだ音が響く。


    律「どうしたぁ?(やっぱりまだゾンビ犬にやられた傷が完全には治ってないか…)」

    律は直ぐ様ナイフを右手に持ち換え、振り上げる様に切り上げる。それは和の頬をカスり眼鏡を跳ね飛ばす。
    頬から切れ口から赤い一筋の血が流れる

    和「っ……」

224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:17:03.64 ID:B6kIhY1vO
    律かっけぇ…
    けど、元に戻ってくれよorz


225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:18:40.77 ID:mkjYFX+5O
    和は一旦バックステップで距離を取る、しかし読んでいた律はそれに並走している。


    律「そうやってすぐ逃げる癖は変わらないな和」

    和「なっ……このっ!」

    和はまた刀を横薙ぎにしようとするが、


    律「遅いよ……」

    それよりも早く律は和の腕の内側に入り当て身をし、体勢を崩す。

    和「(早い…っ)」

    このまま倒れれば尻餅をついて終わる、ならと和は体を反り手を先について足を戻す。
    早い話がバク転である。


    律「お〜凄い凄い」

    律はふざけた風に手を叩いてみせた

    和「(私がナイフ一本の相手に押されてる…。いや、違う…遠慮してるのね。唯に、澪に…みんなに)」

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:22:59.61 ID:mkjYFX+5O
    頬の血を右腕で拭う。言葉で語るより命を交えた方が彼女の気持ちがわかると思いしかけたけど…彼女は本気だ。本気に私を殺しに来ている。それだけの理由があるのだ
    ならばその理由を聞き出さない限り本当の殺し合いになる
    それは和にとっても唯達にとっても不本意だ。だから会話で揺さぶる

    和「律、あなたの家族がアンブレラに人質にされているのは知ってるわ。」

    律「……誰から聞いたの?」

    和「梓がレオンから聞いたらしいわ」

    律「…………そう。だから?」

    和「私も協力する。だから一緒に来て。全て終わった後に罪を認めて欲しいの。これは唯も梓も同じよ。あなたが人質を取られたり色々あったことで心を病んで一人で背負い込んで……。でも!あなたには仲間がいるじゃない軽音部の仲間が!一緒に助けよう律!」

    律「……和。」

    ありがとう、でもこの言葉が言い放たれることはなかった。

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:28:45.55 ID:mkjYFX+5O
    朱色がかった律の目一気にが紅くなる。


    律「仲間なんて物は所詮使う為にしか存在してないんだよ。自分が生き残る為に誰かを犠牲にしてそれを正当化して、本当に…本当に自分を救うのは自分だけ。自分だけなんだ」

    和「なら何故あなたは命がけで澪を守ったの!?」

    律「澪……その名前を呼ぶな……」

    和「律!!」

    律「うるさいっ!」

    ナイフの柄の下が開きそこから銃口が覗いている。

    和「パトリオットナイフ!?」

    パァン!!

    銃弾は和の右肩に当たりそこから血が噴き出す。

    律は走ってエントランス二階へ続く扉へ


    和「くっ、逃げるの!?律!言い返してみなさいよ!あなたは!軽音部の部長でしょうが!」

    バタン───

    その必死の声も、和以外誰もいないこの図書資料館で虚しく残響を残すだけだった。


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:27:25.41 ID:WL1gqPuSO
    関係ないけどムギ二年も寝てたら足動かねーぞ


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:31:19.15 ID:mkjYFX+5O
    >>231
    な、んだ……と
    貴重すぎる情報サンクス

    署長室前───────。


    パァン!!

    澪「銃声!?」

    ハンク「近いぞ!」

    澪は署長室と逆方向、銃声のした方へ走る。

    ハンク「待て澪!あぶねぇって!」

    追いかけるハンク。


    澪「はあ……はあ……」

    エントランスの二階へ出た、銃声はどこから……!?
    辺りを見回してると奥の大きな扉が開く。遠くからでもそれが誰かわかった

    澪「律ぅ!!!」

    澪は大声で叫んだ。エントランス内に澪の声が木霊する。

    律「…………くっ…」
    律は頭を抱えながら走り中央の梯子で一階に降りていく

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:33:32.80 ID:mkjYFX+5O
    澪「待って!律!話が…」

    澪も中央へ走り梯子を降りようとすると、銃声が響く。

    澪「律……」

    それは律が放った物でコルトから弾き出さた薬莢が地面にに落ちカランと音をたてた。


    律「はあ…降りて来るな……!」

    そのまま銃を構えたまま後退る律、


    和「待って!律!」

    さっき律が出てきた扉から肩を抑えながら和が出てきた。

    律「っく……」

    律は走り警察署の出入口の左側のドアへ消えて行った…。

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:37:37.88 ID:mkjYFX+5O
    澪「律……」

    律も気になる……けど今は!

    澪「和!大丈夫?!」

    血を出して倒れ込んでいる和の元へ駆け寄る。ちょっと前なら構わず律を追ったかもしれない。けれど今は違う、大切なのは律だからじゃないってことを気づいたから。仲間だから大切なんだよ、律


    和「その声は…澪?……久しぶり……ね。」

    息が荒い、でも出血はあまりしてないようだ


    澪「手当するから服を脱いで」

    和「わかった……けど……チラ……」

    『ターンターンターンタタターンタタターンターンターンターンタタターンタタターン』

    ハンク「自分マスクつけてるんで全く見えてないっす!」キリッ

241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:41:45.79 ID:mkjYFX+5O
    澪「ハンク、律を追ってくれ」

    ハンク「律ってあの茶髪か?でもな〜俺はこっちの子の方が好みだし今からヌード(ry」

    澪「マスクの空気口増やされたくなかったらさっさと行け」

    ハンク「はいぃぃぃ(みーちゃんドSだなぁ……まあそこもいいんやけど)」

    ハンクが一階に降りたのを確認してから和のSTARSの制服をはだけさせる

    澪「この傷……律にやられたの?コルトにしては傷口が小さい」

    和「律のパトリオットナイフにやられてね……油断したわ」

    澪「律が……和を…」

    律…あなたはもう変わってしまったの?律……

243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:45:46.89 ID:mkjYFX+5O
    ──────。
    はあ…はあ…

    後ろを振り返っても誰も追って来る様子はなかった。

    律「澪……何で追って来ないんだよ…私が大切じゃないのか…?」

    私より和の方が大切なんだ


    律「違う!澪は私のことを……私の……」

    自分から遠ざけた癖に何泣いてんだ私


    律「澪のことは……もう忘れよう」

    私は家族を助けないといけないんだ。いや…その前にあれを…いや…何だっけ…どうでもよくなってきた


    律「変わったんだな……澪」

    不意に呟いてしまった言葉

    寂しいけどこれでいい、これ以上危険なことに彼女を巻き込みたくないから

    ほんとにそれでいいの?


    律「うるさい…!あんたがこうしたんだろ!田井中律!」

244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:49:31.50 ID:mkjYFX+5O
    澪「弾は取り出したからこれで大丈夫だと思う。」

    和「ありがとう澪。ついでで悪いんだけど眼鏡取って来てくれない?私眼鏡ないとほとんど見えないから…」

    澪「…わかった。」

    図書資料室に入り転がっている眼鏡を拾い上げた。
    しかし右側の耳に掛ける部分がポロりと取れ落ちた。眼鏡のレンズには若干血がついている


    澪「律……!」

    怒りにも似た想いを胸に押し留め、和にこのことを伝える

    和「そっか。スペアはあんまり使いたくないけど」

    どこかから取り出した下のフレームが赤い眼鏡。和のトレードマークだ

248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 16:54:46.65 ID:mkjYFX+5O
    二人はここに来た経緯や出会った人物、今の状況などの情報を交換し合った。
    そして話題は律の話へ移行していく。


    澪「和……正直に話してほしい。律は本当に和の部下を撃ったのか?」

    和「直接見たわけじゃないから100%とは断言出来ない……けど撃たれた部下が茶髪で灰色のコートを着ていた女の子に撃たれたと…言っていたの。」

    澪「……そう。」

    澪は大きく息を吐いた。

    和「でもね澪。私はさっきの戦いで確信したわ。あれは律じゃない」

    澪「……そうだよね」

    和「違うの澪。そのままの意味よ。律そのものじゃないの」

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:04:55.22 ID:mkjYFX+5O
    澪「どう言う意味?」

    和「戦ってる時とあなたの名前を出して揺さぶった時の差が激しすぎるのよ。何か自分を抑えきれてなかった…そんな感じだった」

    澪「抑えきれ……」

    そう言えば自分にも覚えがあった。唯を叩いた時だ。
    自分の行動を正当化するつもりはないがあの時はそれを抑えることが出来なかった。
    コップいっぱいに入った水の中にコインを入れるような行為。溢れるのがわかっていても入れなきゃ駄目だって思ってしまう。

    澪「変な能力……赤みがかった目……性格の変化……まさかこれって」

    澪の中で三つの出来事が繋がっていく

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:10:05.68 ID:mkjYFX+5O
    澪「そうだ……確かにそれなら辻褄が合う…何かも!」

    こんな状況下なのに何故その選択肢を除外していたのだろうか
    こんなウイルスが溢れるこの場所で
    一気に推理はkskする


    和「??」

    澪「いやでも……」

    律は完全抗体者だ……かかるわけが…でも


    澪「和!唯は確かにTウイルスに汚染されたの?」

    和「え、えぇ…。今はもう元気でそろそろこっちに来ると思うけど…」

    澪「それは良かった。」

    となるとある状況化だと完全抗体者でもウイルス感染はありえる…でも律はゾンビ化していない。
    なら他のウイルス…?確かベンの資料にGウイルスとか…


255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:14:18.47 ID:mkjYFX+5O
    和「言うか迷ったんだけど…律はアンブレラに家族を人質に取られているらしいわ。何かを探してるって聞いたけどそれに関係するのかもね…(本当は澪や唯の家族もだけど…これは言わない方がいいわね)」

    澪「家族を……?それをずっと……私達に黙って…一人で……」

    あのバカ律っ……!


    気づけば私は走り出していた。


    和「澪!」

    澪「ごめん和!後で迎えに来るから!」

    和「私なら大丈夫よ。大した怪我じゃないし、行ってあげて」

    澪「うん……!」

    もう迷いはなかった────。

    律を説得する

260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:20:23.69 ID:mkjYFX+5O
    澪がエントランス一階に降りるとハンクが待っていた。

    ハンク「やっこさん見失っちまったぜ」

    澪「バカハンク!律がどこへ行くのかわかればいいんだけど……でも何でこっちに戻って来たんだろう」

    律の目的は下水道の先にある筈だ。じゃないと私達にわざわざついて来たりしない……。そして下水道へ行く道はあの犬舎からだけ…

    澪「ハンク!犬舎に戻ろう!そこに律がいる!」

    ハンク「えっ…署長室は行かなくて…」

    澪「それは後!」

    澪はハンクを置いて走り出した。


261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:23:25.88 ID:mkjYFX+5O
    警察署前────


    唯「思ったより早くついたね〜。やっぱり車は偉大だよぉ」

    梓「……」

    唯「盗んだんじゃないよ?!警察官は緊急の場合借りられるのだよ梓君!映画とかでもやってるしさぁ〜」

    梓「……」

    唯「あずにゃん?」

    梓「は、はい!?何ですか?」

    唯「どうしたの?時計塔出てからおかしいよ?」

    梓「いえ…少し考えをまとめていただけです。それで何の話でしたっけ?」

    唯「警察官は市民の味方って話だよぉ。さ、入ろうあずにゃん」

    梓「はい(また奴が居たり…いや…あれは…)」
    二人は本日二度目のRPDの門を潜った。


263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:26:04.02 ID:mkjYFX+5O
    唯「う〜んみんなはいないみたいだねぇ」

    梓「もう地下から脱出したのかもしれませんね」

    ───────。

    澪は何かに気づいていたみたいだけど…まあいいわ。私の感覚が正しかったら律は澪次第で元に戻る…問題はどうやって戻すかだけどね。

    ぐったりと壁にもたれかかる和。


    和「ここのS.T.A.R.S.も全滅かしらねこの様子じゃ……」


    「──────」

    「─────────」

    声が聞こえる、下の階からの様だ。和は壁から身を出して声をかけた

    和「お〜い」

    ────────。

265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:29:12.46 ID:mkjYFX+5O
    唯「じゃ近道使って地下へ行こっか」

    梓「そう言えば唯先輩ってここの警察官でした。忘れてました」

    唯「失礼だよあずにゃん!」

    梓「ごめんなさい(唯先輩すっかり元気になったみたいで良かった…)」

    「お〜い」

    唯「ん?あっ!和ちゃん!」

    梓「(あれ?でも肩怪我してる…何かあったのかな)」

    和「そこの梯子から上がって来てくれない?」

    唯「は〜い」

    梓「こんなところに梯子があるなんて。これでだいぶ行き来が楽になりそうですね」

    二人は梯子を登り二階に上がった。


267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:32:36.61 ID:mkjYFX+5O
    唯「和ちゃんその怪我…」

    和「いいのよこれは。もう済んだ話だから。それに澪に治療してもらったおかげで出血も止まったわ」

    梓「澪先輩と会ったんですか?」

    和「えぇ。もっとも今は恋人の説得に行ったわ。私は振られちゃったわね」

    和は冗談半分で言ったつもりだが唯はそんな和を抱き締めた。

    唯「和ちゃんには私がいるよ」

    和「ありがとう唯。でも後ろに嫉妬してる仔猫ちゃんがいるから程々にね」

    梓「…………」シュン

    唯「あずにゃんもぎゅ〜」

    梓「///」パアァァ

270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:35:23.50 ID:mkjYFX+5O
    和「さてと、じゃあこの辺りで一回合流しときましょうか。これからの話もしたいしね」

    唯「二人がどこへ行ったかわかるの?」

    和「正確にはあの仮面男入れて三人だけど…」ボソ

    梓「?」

    和「律は地下に向かった筈よ。唯、この警察署の施設でチェスの駒の様なプラグを差し込む場所って知ってる?」

    唯「う〜ん確か下水処理場前のドアにそんなのがいるとか書いてたような」

    和「多分それね。律のポシェットにそれとおぼしきプラグが入ってたから間違いないわ」

    梓「律先輩とも会ったんですか?!」

273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:45:39.01 ID:mkjYFX+5O

    和「えぇ」

    梓「じゃあもしかしてその傷は……」

    和「梓。いいのよ、澪が律を元に戻してくれれば。これは名誉の負傷ってところね。これぐらいで律を気づかせてやれたなら安いものよ」

    梓「はあ…」

    唯「ほえ?」

    和「何でもないわ唯。早く地下に行きましょ」

    唯「ふふふ、その必要はないのだよ和ちゃん!」

    和「?」

    梓「この図書資料館の上に行ったところからダストシュートが地下に下りてるらしいんです。それを使えば大幅な短縮になります」

    唯「あずにゃん私の手柄を〜!」

    梓「すいません…」

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:50:57.71 ID:mkjYFX+5O
    地下犬舎───────。


    澪「はあ…はあ…律は…もうマンホールを降りたのかな…」

    ハンク「さ…さあ…。地下に来てからは…ほとんど一本道だったから…降りたんちゃう?」

    澪「ふ〜、なら私達も降りよう」

    ハンク「澪。さっき俺がここに来た時はデカい蜘蛛がいた。危ないから俺が先に行こう」キリッ

    澪「あ、ありがと」

    珍しくまともなことを言ったハンクが先に降りる。それに続いて澪も降りた。

    ハンク「(いい尻の形だ…スカートじゃないのが残念で仕方ないが上下運動している尻を見逃すハンク様ではないわ!)」キリリッ

    澪「この一件が終わったら覚悟しといてね」

    ハンク「(バレた……だと?)」

278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:54:36.07 ID:mkjYFX+5O
    澪「下水の道を歩かなくちゃならないのか…」

    ハンク「嫌ならずっとお姫様抱っこしますぜ?」

    澪「別にいい」

    ジャバ…ジャバ

    二人は梯子を降り下水に足を浸す。


    澪「……」
    汚いとかそんなこと言ってる場合じゃないか……


    ハンク「ん?あれ?蜘蛛の野郎死んでやがる……」

    少し歩いた先に二匹のデカい蜘蛛の死体があった。どれくらいデカいかと言うと中学に上がりたての子が両親に買ってもらう自転車並みのデカさだ

    ハンク「昆虫に当たるなんざやっこさんよっぽど苛立ってるみたいだな」

    澪「律……」

280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:56:07.75 ID:mkjYFX+5O
    ───────。

    律「…………」ブツブツ

    律「私が悪いのか……」

    違うよ

    律「でも……」

    確かにあなたが澪を受け入れれば全ては丸く収まるかもしれない。けれどそれでは二年前と同じじゃないのか?


    律「それは…」

    誰かが生き残る為に誰かが死ぬ。そんな関係にまた戻りたいのか?

    律「……」

    それでいいんだよ田井中律。私は私の意思でこうしてきた。一人でも生きられる力を得た


    律「可能な限りの幸運…か」

    自分の命は保証してくれる癖に…、あぁ、だからか。
    その代わり本人は幸せにならないんだな


282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 17:58:05.33 ID:mkjYFX+5O
    4つある内の3つプラグを嵌める。


    律「ん…あれ……ない……」

    最後のプラグ、図書資料館で得たナイトプラグが見当たらない。いくらポシェットの中を漁っても出てこない


    落とした────

    不意にそんな答えが浮かび上がる。


    律「ふはは……ざまあないな田井中律…。もう何やってんだよ私…」

    小学生のお裁縫の様に全てちぐはぐだ。
    初めは周りを巻き込まないようにただ牽制をするだけだった。一人ならどんなことが起きても死なずに生還する自信があったから
    自分に巻き込まれて誰かに死んで欲しくなかったから
    であの時…誰かに押されるように引き金をひいてしまった。
    それから歯車は狂い始めたのかもしれない


283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:00:18.48 ID:mkjYFX+5O
    律「探しに戻るか……」

    そう言ってまた踵を返す。全くここの設計者を恨むよ。


    「…………」

    律「人間……じゃないよな」

    赤い橋の向こうには人らしきモノがいる。


    G「ォォォォ!」

    右手が肥大化しており肩に目玉の様なものがついている。

    橋の格子を持つとそのまま捻切り鉄パイプの役割の果たさせ武器にしている。
    どうやら知能はあるらしい。


    律「何だコイツ……新しいBOWか……?」

    律はマグナムを二つ共構える。合わせて残弾数は12


    律「人間じゃないなら遠慮はしない…」

284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:02:56.50 ID:mkjYFX+5O
    G「ォォォォォォォォ!」

    律に向かってただばか正直、一直線に走って来る。


    パァン!パァン!

    とりあえず二発入れてみるも止まらない。

    Gは右腕に持っている鉄パイプを律に向かってブン回す。
    縦、横、或いは斜めから。体勢を崩してもひたすらにそれを繰り返す。
    だがその一撃一撃は恐ろしく早く律も避けるので精一杯だった。

    律「くっ…このっ」

    隙を見つけては一発、また一発とマグナムを撃ち込むが止まらない─────。


    ブゥン───

    律「しまっ──」

    避けきれず左手に持っていたS&Wを弾き飛ばされる


285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:05:15.96 ID:mkjYFX+5O
    律「こんのぉ!!!」

    後退しつつコルトを連射


    G「ウォォォ…グォ……グ……」バタン

    ようやくGは地面に伏した。


    律「はあ…はあ…ざまあ……みろ」

    律は弾き飛ばされたS&Wを拾いに行く


    G「」ドクンドクン

    律「よいしょ……と…………嘘だ……ろ?」

    銃を拾って振り向くとGが立っている。
    体を変形させながら─────


    人間らしい面影は消え顔の横に更に顔が出来る。右腕に持っていた鉄パイプを捨てると手先から鋭い爪の様なものが生えてきた。

    Gは更に進化する─────


286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:06:55.11 ID:mkjYFX+5O
    弾を……いや…それより逃げ…

    後ろの扉はプラグが足りない為に開かない。残る扉は一つだけ、自らが入って来た橋の向こう側にある扉。Gが立ちふさがる先の向こうだった。

    律「駄目だ……」

    Gはゆっくりと律に迫り来る


    律「来るな!」

    右には残弾0のコルト
    左には後何発あるかわからないS&W
    迫ってくるGに気をとられ弾を込めることすら忘れている。

    律「大丈夫……私には可能な限りの……幸運が……」

    そんなもの、今ここにあると思う?



    律「なっ……」

    死ぬんだよ、あんたは。
    自分がそう語る


289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:10:02.44 ID:mkjYFX+5O
    自分で起こせる幸運なんてたかが知れている。それに頼りすぎた罰だ。
    ないものを使い続けていたんじゃない。あるものを削っていたんだ。
    今ようやくその事に気づかされた。

    律「死ぬんだな……私」

    Gは何も答えない


    律「ごめんなぁ澪……」

    目を瞑る。最早自分の力じゃどうしようもないと

    振り下ろされるGの爪……



    「律!!!!!」


    律「えっ…」

    律の体が第三者により動かされる。ダンプカーが迫っている仔猫を助ける如く

    澪は律を抱き抱えた


291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:12:50.42 ID:mkjYFX+5O
    澪「ハンク!!!」

    ハンク「了解!こっちだぜ化物ちゃんよぉ!」

    ハンクは自分の持っていたアサルトライフルをGに向かって連射する

    それに応じたのかGはハンクの方へ向きを変える。BOWにも言えることだが危険度がより高いものを先制的に狙うらしい。


    ハンク「ほら!こっちだ!追っかけてこいや!」

    ハンクはそのまま部屋を出るとGもそれを追いかけて部屋を出ていった。
    部屋には律と澪二人きりになりさっきの危機が嘘の様な感覚になる

    律「澪……」

    澪「このバカ律!!!」

    パシィンッ

    馬乗りの体勢になったまま澪は律の頬をはたく


294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:15:50.26 ID:mkjYFX+5O
    律の頬が叩かれた衝撃で赤くなる。


    澪「バカ!バカ!バカ!」

    何回かビンタが往復され


    澪「ばかぁ……」

    力なく止まった。


    澪「何で全部話してくれなかったの!?何で一人で無茶するの!?何でいっつも全部一人で背負い込んで……自分ばっかり苦しい思いして……」

    澪の瞳からボロボロと涙が落ち、律の顔に当たる。


    律「澪……」

    澪「死んじゃったら……もう……会えないんだよ……」

    律「……私にはあの能力があるから…死なない(死ねない)よ」

    澪「……違う…!違う違う!」

295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:17:25.87 ID:mkjYFX+5O
    澪「言いたいこといっぱいあるのに……やっと会えたのに……上手く言えないよ…律」

    律「……」

    澪「こうやってしばらく話したら……また律は一人で何処かへ行くの?」

    一人でこの冷たい海の様な中を……


    律「私は……わからない。どうしたらいいかとか…何をするべきだとか…わからなくなっちゃったんだ。澪」

    澪「グス…ン…わから…なぃ…?」

    律「うん。初めは家族を取り戻す為にレオンと躍起になってた。けど何回も何回もバイオテロの現場に行く度わからなくなって来たんだ。命の価値も、その尊さも」

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:19:20.36 ID:mkjYFX+5O
    澪は黙ってただ律の話を聞いている。


    律「みんな死んでいく…。ここに特別な存在もくそもないんだ。ただ平等に死んでいく。一番初めに私が助けた命も、結局はゾンビになって処理された。ここはね、澪。人がいるべき場所じゃないんだ」

    澪「……」

    律「澪や唯、梓やむぎや和……みんなはもっと平和に暮らすべきなんだ。幸せに……こんなことを思い出さずに」

    澪「なら律も……そうすればいいよぉ……」

    律「私は、もう普通の生活には戻れない。この能力で生き続ける、やつらを潰すまで」

297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:21:18.02 ID:mkjYFX+5O
    澪「…………だ……」

    初めは小さい声が……段々大きくなっていく……


    澪「私は…律が好きなんだ…」

    律「……そうか。でもな…澪、私は(ry」

    澪「私は律が大好きなんだ!能力なんか関係ない!無邪気で…おっちょこちょいで…勝気で…でも周りのみんなを誰よりも心配して構ってくれる優しい律が大好きなんだ……」

    澪は泣きながらも訴える。ここで彼女を引き止められなければ遠い何処かへ行ってしまってもう戻って来ない気がしていた。

    しかしまさにその通りだった。

    律の心は今必死で戦っていた。


    ウロボロスと────
    自分自身と


304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 18:34:21.99 ID:mkjYFX+5O
    しかし─────、
    それでも────、


    律「あんな作り笑いや空気で一生私を居させたいの?澪」

    戻らない─────


    澪「違う……」

    律「私はもう二年前みたいに笑えない……だから……ごめん」

    澪を押し退けて立ち上がる律。


    律「助けてくれたことには礼を言うよ……けどもうここを出るんだ、澪。唯達も連れてな。二度と私を探そうとなんかするな」

    澪「律……」

    これだけ言っても…駄目なのか…届かないのだろうか

    律は歩いて扉へ向かう

    一度切れた糸は、もう繋がらない─────


373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:05:58.26 ID:mkjYFX+5O
    ──────否
    澪もまだわかっていなかったのだ。自分一人の力で何とかしようとし過ぎるあまり周りを見失っている。

    そう、糸が切れたのなら結べばいい。
    その切れた糸を結ぶ鍵は、澪のポケットの中にこそある


    澪「あっ……」

    澪はギリギリでそれに気付いた。ポケット中のものを確かめ律を追いかける

    澪「待って!律……あなたがどうしても一人でいたいなら私はもう止めない……。けど…そうじゃないなら」

    振り返る律にポケットのクマのキーホルダーを渡す。

    澪「唯が作ったんだ。みんなまた一緒に集まれたらいいねって…」

376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:08:57.54 ID:mkjYFX+5O
    律「……」
    何も言わずそれを見つめる律。


    澪「心配してるのは私だけじゃない…唯や梓だって…。和もそうだよ?怪我しながらでも律を心配してた…。みんなが待ってるんだ…律」

    律「……」

    その瞳は何を思うのか、固まったまま動かない。
    それでも澪は続ける


    澪「律が私達を巻き込みたくないと思うように私達も律に平和に暮らしてほしいんだ……。この件に関してはいずれ決着をつけないとならないと私も思ってた。
    理不尽に人が死んでいくなんておかしいから…。だから今日ここで、みんなで……この件を解決してそしたら…」

380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:15:50.06 ID:mkjYFX+5O
    律「何で…そこまで私のことを?」

    律が顔を上げ真っ直ぐに澪を見つめる。


    澪「軽音部の…仲間だから。私が律を大好きだから。心の底から、一緒にいたいと思える人だから」

    律の中で何かが弾けた─────。

    誰が人一人の為に何度も何度も諦めずに自分の命を投げ出してまで救おうとするだろうか。
    前に律は自分を救うのは自分しかいないと定義したが澪はこんなにも私を救おうと努力している。

    自分が何度も何度も払った手を何度も何度もさしのべてくれる

    周りを巻き込みたくないと言う気持ちは、ただの甘えだったのだ

    自分がそう思ってると言うことは澪達も当然そう思っている筈だ。
    私はそれを理解せずただ私の意見だけを押し付けていた……


382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:20:25.60 ID:mkjYFX+5O
    目の赤みが消えていく……


    律「…………唯の…歌が聴こえたんだ」

    律は澪の手のひらにあるクマのキーホルダーを手にとった。

    澪「私もだよ。唯はまだ歌うことをやめてない。こんな中でも…」

    律「私の今までしてきたことに全て言い訳なんかしない。私は人を撃ち仲間を撃ち仲間を傷つけ仲間を裏切った。その責任を負わなくちゃならない」

    澪「律…」

    律「だから……」

    今、私の 願い事が
    叶うならば 翼がほしい

    また唯の歌声が聴こえる

    この背中に 鳥のように 白い翼 つけてください

    律は、ようやく澪の手を自ら

    握った─────。


386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:23:30.70 ID:B6kIhY1vO
    りっちゃん復活キタあああああああぁァ!!!!!!!
    もう、なんか、明日いろいろあるけど、どうでもいい
    律を見守ることに集中する


387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:28:13.37 ID:mkjYFX+5O
    その少し前────、
    唯達はダストシュートがある部屋に来ていた。

    和「しかしラッキーね。このプラグがないと律は先には進めないんだから自動に私達と会わなければならない形になるわね。律も落とすならあそこしかないと考えてるだろうし」

    さっき図書資料館を横切った時に落ちているプラグを見つけ拾っていたのだ


    梓「でも入れ違いになりませんか?私達がこっちから降りている間に……」

    和「澪が先に会ってるなら大丈夫でしょ。もしかしたら私達の出番なく話はついてるかもしれないけど…それはそれでね」

    唯「澪ちゃんなら大丈夫だよ。きっとりっちゃんを元に戻してくれるよ」

389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:33:18.21 ID:mkjYFX+5O
    梓「で、この階段どうします……?」

    この上がダストシュートなのだがその二階に上がる為の階段は宙に浮いている。
    恐らくあの下にある六角の穴に何かを取り付け下ろすのだろうがそんな道具は持ち合わせてなかった。


    和「……嫌だけど仕方ない……」

    和はその六角の穴が開いている所まで行き、「ふんっ」と刀の柄を無理矢理ねじ込んだ。

    それを回すことにより少しづつ階段が下がって来ている

    唯「和ちゃんとカターナがんばって!」

    和「カターナって…いや…突っ込むのやめとくわ」

391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:41:27.55 ID:mkjYFX+5O
    階段を登りダストシュート前まで来た三人。


    唯「あれぇれぇ〜行き止まりだぁ」

    和「本当ね。鉄板が怪しいわね。この向こうかしら」

    梓はその横の歯車の塊を見据えていた。間にぽったりと歯車が抜けており隣には赤いボタンがついている


    梓「これって…」

    梓はポケットからクラブの鍵の部屋で入手した歯車を入れボタンを押す、すると────

    ジジジジジと歯車が回転した後に隣の鉄板が自動ドアの様に横へズレた。

    唯「わ〜ぉ!お手柄、よあずにゃん!」グッジョッブ
    親指を立て突き出す唯

    和「さすが梓ね」

    梓「えへへ//」

392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:46:07.50 ID:mkjYFX+5O
    唯「暗いね〜、どこに繋がってるのかなぁ。もしも〜し」

    もしも〜し…………
    もしも〜……
    もし……

    唯「凄い響くよ!」

    和「遊んでないで行くわよ。私が最初に行くわ。降りてみて大丈夫そうなら声をかけるから」

    梓「大丈夫ですか?」

    和「まあ大丈夫でしょ」

    そう言って和は降りていった。


    一年後───────


    唯「結局あれから和ちゃんから返事はありませんでした…私達はそのままラクーンシティを脱出し…今では駅前のパン屋で生計を立ててます」

    梓「一人で何やってるんですか先輩…」

394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:53:19.99 ID:mkjYFX+5O
    唯「ぷ〜ノリ悪いなぁあずにゃんは」

    梓「そう言うのは律先輩担当ですから。」

    唯「りっちゃん…帰って来てくれるかな?」

    梓「きっと帰って来てくれますよ。人は変わってしまっても、思い出は変わりませんから」

    唯「そだね!」

    『二人とも降りてきて〜』

    和からの声がかかり二人も暗闇の穴の前に立つ。


    唯「……思ってたより怖いね」

    梓「そ、そうですね」

    唯「年功序列で私から先に行くよあずにゃん!」

    梓「がんばってください先輩!」

    唯「行ってきます…!」

    唯はそうして暗闇の世界にダイブした。


396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/02(日) 23:56:32.52 ID:mkjYFX+5O
    唯「ひゃあ〜っ」

    和「っと……」

    滑り落ちてきた唯を和が受け止める。


    唯「ありがと和ちゃん//」

    和「いいわよ。しかしここは……」

    唯「多分犬舎だよぉ、この先のマンホールからプラグの部屋に行けるよ〜」

    梓「………」スタッ

    唯「さすがあずにゃん…身のこなしが違うぅ」

    梓「一応色々訓練しましたから。さあ、急ぎましょう」

    三人は奥にあるマンホールを降りる。


    和「下水を歩くなんてあまりいい気はしないけど、みんな我慢して行きましょ」

    梓「義足錆びないかな…」

    唯「うひゃあ冷たい…」

399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:00:36.89 ID:8ABDrsMQO
    和を先頭にジャブジャブと下水道を歩く三人。この先がどうなっているのか、皆不安だった。
    変わってしまった律がまた私達を本当信じてくれるのかどうか…




    唯「今、私の 願い事が 叶うならば 翼がほしい」

    唯はその不安を打ち消す様に歌い始めた。


    唯和「この背中に 鳥のように」

    和もそれに続く…。唯の歌で戦うと言う言葉を笑わずに親身に受け止めてくれた唯一無二の親友

    マンホールを登りその先に見える扉に三人は歩いて行く


    唯和梓「白い翼 つけてください」

    梓も続く。誰よりも唯を心配し、何度も命を救ってくれた大切な後輩

403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:06:23.39 ID:8ABDrsMQO
    そして、その扉を開け放つ────


    澪「この大空に翼を広げ」

    恥ずかしがり屋で怖がりだけどみんなのまとめ役、軽音部の大切な仲間であり友達



    律「飛んで行きたいよ〜」

    いつもは軽口やお笑いキャラだけど誰よりも軽音部のみんなを思い、責任感がある部長であり、いい笑いの女房役

    まるで側で聞いてたかの様に二人は手を繋ぎながら続けて歌った。

    唯はその光景を見た瞬間涙を浮かべる。でもこのまま泣いてしまっては歌えないとそれを拭う。
    梓も同じだった、和はニコリと微笑みながら
    三人は赤い橋の真ん中辺りにいる澪と律の元へ行く。

    悲しみのない 自由な空へ───────

    翼 はためかせ…行きたい…

    五人はこうして、また集まれた

    この広い世界で

    これは偶然でも奇跡でもない、彼女達の互いを想う気持ちが生んだ軌跡なのだ


406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:13:21.44 ID:8ABDrsMQO
    律「…………みんな…」

    律の口が歪み、目から涙がこぼれ落ちる


    律「みん゛な…こん゛な゛私を……」

    涙で上手く喋れない……


    和「お帰りなさい、律」

    律「のどかには……謝っても謝りきれないよ…取り戻しつかないよ…」

    和「律、取り戻しのつかないことなんて、ないわ。そう思うのなら…償えばいいのよ。私にも、彼にも…誠意を持って」

    律「うん……うん……」

    泣きながら何度も頷く律


412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:18:09.92 ID:8ABDrsMQO
    梓「お帰りなさい、律先輩」

    律「ありがとう…梓。梓はそんな姿になってでもみんなを守るために戦ってるのに…私と来たら……」

    梓「律先輩も、気持ちは同じじゃないですか。みんなを守りたくて、ちょっとその伝え方が不器用になっちゃっただけです」

    律「梓……。後輩に慰められるなんて…部長失格だな」

    梓「桜高軽音部の部長は律先輩しかいません」

    律「梓…………」

415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:27:36.40 ID:8ABDrsMQO
    唯「お帰りりっちゃん!」

    律「唯……。唯の歌、聴こえたよ、私にも」

    唯「えっ?」

    律「私の恋はホッチキスも翼を下さいも」

    唯「そっかぁ……何でかはわからないけど…良かった//」

    律「これありがとう」

    律はクマのキーホルダーを見せる。



    唯「みんなでまた会えます様にって言うお守りだったんだけど効果テキメンだね!」

    律「だな」ニコッ

418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:34:39.13 ID:8ABDrsMQO
    澪「お帰り、律」

    律「ただいま、澪。澪には一番迷惑かけたな……。何回も冷たくしても…澪は私を追いかけて来てくれた」

    澪「私の力だけじゃないよ。みんなが、支えてくれたから。唯、叩いたりして本当にごめんね。ずっと謝りたかった」

    頭を下げる澪


    唯「ううん、私が悪かったの。だから私もごめんなさいだよ澪ちゃん」

    唯も頭を下げる


    律「二人とも顔をあげてくれ。その原因を作ったのは私なんだから……私が謝る」

    律は地面に膝をつけそのまま頭を下げる。
    日本の最高位の謝り方、土下座だ


    唯「そこまでしなくても……」

    澪「そうだよ律!」

    律「いや……こんなものじゃまだまだ足りないくらい私は迷惑をかけたんだ…だから……だから……」

    律「本当にすみませんでした!!!」

    律の澄んだ声が響いた


420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/03(月) 00:41:54.89 ID:8ABDrsMQO
    和「武士道ね」

    梓「許してあげるです」

    唯「侍だねりっちゃん!」

    澪「律、みんな律が大好きだよ」

    かつて私が唯に言ったセリフだ

    それを自分が言われるなんて思いもしなかった。


    律「ふふ」ニコリ

    律は土下座をしながら誰にも見えない様に笑う。

    私は帰って来られたんだ。この輪の中に

    律の心はもうもやもやかかった雲はない。
    空には虹が掛かり綺麗な快晴を覗かせている。

    晴れない空はないと、改めて思った。




バイハザSS一覧はこちら

唯「バイハザ!」〜ラクーンシティ編〜【パート6】へつづく

引用元
唯「バイハザ!」〜ラクーンシティ編〜
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1248442576/
 

最新記事50件