1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:30:00.52 ID:bb9zyXmeQ
    女「…………」

    男「何だ、緊張してんのか?」

    女「うん……きょ、今日、初めて殺人事件の弁護をするから」

    男「殺人か。そりゃあ確かにプレッシャーかかるかもな」

    女「あ、相手の検事はお姉ちゃんだし、ぶぶ、ぶざまなところは見せられない……」

    男「相変わらずアガリ症だな……水でも買ってきてやろうか」

    女「う、うん。じゃ、じゃ、じゃ、じゃーよろしく」

    男「ベートーベンの有名な曲みたいなテンポになってるじゃねーか」




 

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:33:44.50 ID:bb9zyXmeQ
    姉「………ん?おお、君か」
    男「あ、どうも。女のお姉さん」
    姉「名前で呼んでくれと言ったはずだが」
    男「じゃあ、姉さん。今日は遅いんですね」

    姉「遅くはない。女が早過ぎるだけでな。……っと、女はどうしてる?」

    男「控室で震えてますよ」
    姉「やっぱりか……まあいい。どんな状態であれ、叩きのめしてやるまでさ」
    男(妹相手にも容赦無いからなあ……)

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:37:41.98 ID:bb9zyXmeQ
    男「ほら、水」
    女「あ、ありがとう…………ふぅ」
    男「ちょっとは落ち着いたか?」
    女「うん……と、とにかく頑張るよ」
    男「今回の被告人はどんな感じだ?」

    女「うーんとね…多分、殺してないと思うよ。そんな印象受けなかったから」

    男「……ま、何にせよ……」
    女「私がお姉ちゃんに勝って、無罪にしてみせる…………多分」
    男「最後の最後で自信を無くすなよ」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:42:26.17 ID:bb9zyXmeQ
    ―法廷―

    女「い、異議あり!それは先程の証言と矛盾しており、信憑性が――」

    姉「異議あり!被告人にはその場に居なくとも殺人を犯す方法が――」

    女「異議あり!裁判長、おねえ――いや、検事殿の発言は想像に過ぎません!!」

    男(今日は女も姉さんも、気合い充分だな……)
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:45:40.62 ID:bb9zyXmeQ
    女「勝った!!勝ったよー!!」
    男「見てた見てた。……よかったな」
    女「うん!……あ、私、警察署に行ってこなくちゃ」
    男「あー……俺は先に帰ってていいか?」
    女「いいよ、お疲れ様!」
    男「じゃあ、お先に」
    (バタン)
    男「…………あれ?」
    姉「……………」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:49:04.48 ID:bb9zyXmeQ
    男「どうしたんですか?」
    姉「別に。……強いていうのなら、君を待っていた」
    男「え?」

    姉「最近……誰かに付き纏われているような気がしてな」

    男「ストーカー……ですか?」
    姉「どうだかな。私は法廷以外の場所でも色々と怨みを買ってるから」
    男「あー、確かに。そんな感じがしますね」
    姉「そこで納得するんじゃない。……という訳で、よければ送ってやってくれ」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:53:11.36 ID:bb9zyXmeQ
    男「いいですよ。じゃあ――」
    姉「どこに行くんだ?」
    男「え?姉さんの家に」

    姉「……ああ、すまない。勘違いをさせてしまったかな。」

    男「えーっと……?」
    姉「妹のことを送ってやってくれ。私は自分の身くらいは護れる」
    男「で、でも、つけられてるんですよね?」
    姉「その矛先が女に向けられたらどうする。……という訳で、任せたぞ」
    男「あっ、ちょ……」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 19:57:13.87 ID:bb9zyXmeQ
    女「あれ?男君何してるの?」
    男「お姉さんが、女を送ってやってくれってさ」
    女「……もう、いつまで子供扱いするんだろ」
    男「気持ちはわからんでもないけどな」
    女「そ、それどういう意味?」

    男「自分の胸に聞いてみな。……二つの意味で」

    女「こら。失礼だよ男君」
    男「スーツなら幼児体型を隠せるからいいよな」
    女「もう!!いざという時、男君の弁護してあげないからね!」
    男「そんなことになってたまるか……」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:00:53.63 ID:bb9zyXmeQ
    姉(…………朝か)
    姉(今日はオフだったな……昨日は…)
    姉(ああ、そうだ。被告人が無罪になって、弁護士は……)

    姉「……いい天気だ。たまには、出掛けてみるかな」

    姉(昨日の疲れがとれないな……ん?)

    姉「おい。……君は何をしている?」
    男「何をって……見ての通り、お買い物ですよ」
    姉「ふふ、男が一人でお買い物か。周りからするとただの寂しい奴だな」
    男「そういう姉さんは?」
    姉「私は……お買い物だ」
    男「……………」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:03:44.77 ID:HN3y7sXsO
    頭の尖った弁護士とか巨乳霊媒師とか赤いスーツの検事とか怪しい名探偵とか変な仮面つけたコーヒー検事はまだですか

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:04:53.88 ID:bb9zyXmeQ
    男「昨日の裁判、残念でしたね」
    姉「ん?……昨日の裁判……ああ、アレか」
    男「女が勝ったじゃないですか」

    姉「女はどうだか知らんが、私は裁判に勝敗などは求めていないよ」

    男「……はあ」
    姉「弁護士と検事。それは……ある意味、協力して真実を導き出す仕事だからな」
    男「わかるような気がします」
    姉「昨日の裁判でわかったことは、犯人は他に居る――ただ、これだけだ」
    男「カッコイイですね」
    姉「だろう?だから私は、検事になったんだ」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:07:45.90 ID:bb9zyXmeQ
    男「……そんな理由なんですか」
    姉「ああ、後悔はしていない。……いや、たまにするかな」
    男「たまに?」
    姉「たまに……弁護士になっておけばよかったと思うことはあるよ」
    男「弁護士ですか」
    姉「……検事という仕事はね、笑ってもらえないんだ」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:10:53.11 ID:bb9zyXmeQ
    姉「弁護士は無罪を勝ち取れば、被告人やその家族は笑顔を見せてくれる」
    男「…………」
    姉「でも、検事は有罪にしても被害者は笑ってくれないんだよ。……ただ、泣くだけだ」
    男「じゃあ……何で検事になったんですか?」
    姉「ん?……怖かったからだよ。弁護士ってのは、世間様から叩かれやすいからな」
    男「……………」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:12:59.15 ID:bb9zyXmeQ
    男「……っと、女からメールが……」
    姉「となると、私は邪魔者だな。これで失礼するよ」
    男「何度も言いますけど、ただの弁護士と助手の関係です」
    姉「はいはい。そういうことにしておこう……それじゃ」
    男「はい、また。…………本当、クールな人だな」
    男(それでいて、鈍いから困り者だ)

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:17:46.97 ID:bb9zyXmeQ
    女「さけがたりんぞぉー!さけが、さけがーー!!」
    男「女、飲み過ぎだって」
    女「およ?男君が三人……ぶんひんのじゅとぅ?」
    男「じゅとぅって何だよ、術だろ」
    女「私はぁ、お姉ちゃんにぃ、勝ったよ」
    男「何回も聞いた」
    女「スタイルは……ちょっと、勝ち目が無いけどにぇー……」
    男「脱ぐな脱ぐな」
    女「ぐー……」
    男「寝るな寝るな」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:20:46.60 ID:bb9zyXmeQ
    (ザー……キュッ)
    姉(やれやれ……さすがに、そろそろ髪を切るべきかな。洗髪が大変だ)
    姉「まあ、後ろで結べばもう少し……」

    (ピンポーン)

    姉「……客?こんな時間に?」
    姉(まさか、例のストーカーじゃないだろうな)

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:22:12.32 ID:bb9zyXmeQ
    (ガチャッ)
    姉「……はい」
    男「あー……どうも、男です」
    姉「男君?……どうした、こんな時間に」
    男「女が潰れちゃって……家まで持ちそうもないんです」
    姉「ちょっと待ってろ。今、私は下着姿だからな」
    男「それは報告しなくていいです」
    姉「着替えたらドアを開ける。……少しだけ、待て」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:27:02.62 ID:bb9zyXmeQ
    姉「……随分衣服が乱れてるな」
    男「女が悪酔いしまして……」
    姉「それになんだこの……魚介類の臭い…」
    男「さきいかを貪り食ってましたから」
    姉「…………本当だろうな」
    男「本当ですよ。こんな怖い検事さんが居るのに、裁判沙汰になんかしたくないです」
    姉「まあ、それもそうか。……上がれ」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:30:19.60 ID:bb9zyXmeQ
    男「……案外、散らかってますね」
    姉「まあな。ここ最近忙しかったから……漁るなよ。乙女の秘密が沢山だ」
    男「乙女の秘密?」
    姉「……下着とか、避妊具とかな」
    男「ぶっ!!」
    姉「冗談だ。下着は棚だし……この部屋に上がった男性は君が初めてだ」
    男(それはそれでどうなんだろ……)

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:32:43.51 ID:bb9zyXmeQ
    姉「……相当飲んでるな」
    男「ええ、そりゃもう」
    姉「仕方無い、コイツはここに泊めておくとしよう」
    男「すいません、わざわざ」
    姉「……しかし、君もアレだな」
    男「ん?」
    姉「自宅に連れ込んで襲う、くらいの心意気は無いのか?」
    男「………えーっと…」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:35:34.34 ID:bb9zyXmeQ
    男「襲うって……だから、女と俺は」
    姉「大体な。何度女の部屋に入れてもらった?少しくらい好機はあっただろう」
    男「いや、部屋に入れてもらったからって」
    姉「部屋に若い男女だぞ?女性にもその気があるということだろう」

    男「……ってことは、今の姉さんもその気があるってことですか?」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:38:47.51 ID:bb9zyXmeQ
    姉「……何?」
    男「向こうの部屋で女は寝てるし、二人ですよね。いいんですか?」
    姉「ばっ……いや、その、それはだな」
    男「いいんですよね?」
    姉「っ………こっ、これは、誘導尋問だ!」
    男「誘惑尋問です」
    姉「よ、よりタチが悪い!!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:40:51.70 ID:1xp554A9O
    男は真宵ちゃん的ポジションなのか

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:44:26.86 ID:bb9zyXmeQ
    男「じゃあ、帰ります」
    姉「帰れ帰れ、さっさとな」
    男「それじゃ」
    姉「ああ。………ふぅー……」
    姉(緊張した……)
    男「あ、そうそう」
    姉「わあっ!!な、何だいきなり!!」
    男「明日の仕事に遅れないよう、言っといて下さい」
    姉「わ、わかった」
    男「それでは」

    姉「…………はあー…」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:47:40.21 ID:bb9zyXmeQ
    女「……スー……スー……」
    姉「……すまないな、女」
    姉「少しだけ……揺らぎそうになったよ」
    姉「……実を言うとまだ……諦めきれていないんだ」
    姉「…………いずれ、忘れるから」
    姉「おやすみ……」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 20:53:50.47 ID:bb9zyXmeQ
    女「……あれ……お姉ちゃん……?」
    姉「やっと起きたのか、もう十時過ぎだぞ」
    女「うー……頭痛い……」
    姉「二日酔いだろう。……仕事に差し支えないようにな」
    女「うん、気をつける……」
    姉「ほら、大根の味噌汁だ。二日酔いにはいいぞ」
    女「…………ありがとう……あれ、男君は?」
    姉「帰った。泥酔した女を背負って来てくれたらしくてな」
    女「そっかぁ……男君、優しいね…」
    姉「………そうだな」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:01:26.59 ID:bb9zyXmeQ
    女「……お姉ちゃん……」
    姉「何だ?」
    女「私、いい加減男君に告白しようと思うんだ」
    姉「……っ、あ、ああ。いいんじゃないか。お似合いの二人だ」
    女「うん、ありがとう……勇気が出た」
    姉「……そうか」
    女「あ、そろそろ行かなきゃ!お姉ちゃん、ありがとう」
    姉「ああ、気をつけてな」

    姉(………勇気、か……)

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:21:39.41 ID:bb9zyXmeQ
    女「もしもし、男君?」
    女「……え?何言ってるの?」
    女「ちょ、ちょっと待って。落ち着いて……」
    女「そんな……そんなのって……」
    女「それで、犯人は?」
    女「…………わかった、今から行くよ」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:26:27.42 ID:bb9zyXmeQ
    (バン!)
    姉「女!!これは……これは一体!?」
    女「おねえちゃ……男君が……」

    姉「殺人容疑……くそ、悪い冗談だ」

    女「私、私……どうすれば……」
    姉「……決まっている。男君の弁護だ」
    女「……うん……あ、検事はお姉ちゃんだって…」
    姉「…………何……?」
    女「よかった……不幸中の幸いだよ…」
    姉「…………」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:33:02.63 ID:bb9zyXmeQ
    (バサッ)
    女「……どこに行くの?」
    姉「――彼が犯人だと言う証拠を見つけにだ」
    女「………え……」
    姉「私は、検事なんだよ。女」
    女「でも、でも……」
    姉「私たちの仕事は、庇うことでも責めることでもない。見つけることだ」
    女「見つける……何を……?」

    姉「――たった一つの、真実だ」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:38:37.42 ID:bb9zyXmeQ
    姉「ああ、ここの周辺をもう一度洗ってくれ」

    姉(これで……)
    姉(これで完璧に諦められる……)
    姉(私は彼を全力で有罪にしようとする……間違いなく嫌われるな)
    姉(ああ……最後に、後悔があるとしたら)

    姉(やはり私は、弁護士になればよかった……これだけだろうか…)

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:44:37.51 ID:bb9zyXmeQ
    男「……女……」
    女「く、暗いよ男君!大丈夫、私がちゃんと弁護するから!」
    男「……検事は?」
    女「……お姉ちゃん、だけど。私が何とか説得して……」

    男「ああ、じゃあ結構厳しいかもな」

    女「……まあ、正直…お姉ちゃんは凄い人だから」
    男「まあいいさ。俺はあの人のそういうところを好きになったから」
    女「……え?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:49:42.87 ID:bb9zyXmeQ
    男「好きなんだ、ずっと……まあ、気付いてないだろうし、脈も無いけど」
    女「………あ…」
    男「多分、全力で俺を潰しに来るだろうから……」
    女「…………」

    男「弁護は頼んだぞ、女。頼りにしてる」

    女「…………うん!頑張るよ」
    女(気持ちいいくらい脈無しなのは、私の方だよ……あーあ…)

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 21:54:25.85 ID:bb9zyXmeQ
    ―法廷―

    女(苦しい状況だけど……諦めない……!)
    女「いい、異議ありっ……」

    姉「待て、異議ありだ。苦し紛れの反論もここまで来ると痛々しい」
    女「……っ……」
    姉「もう一度説明しようか。彼は犯行時刻に――」

    女(待って……今……)
    女(何か引っ掛かって……)
    女(そっか……!!)

    女「――異議あり!!!」
    姉(やっと気付いたか………女……)

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:02:38.63 ID:bb9zyXmeQ
    姉(しかし、この資料……これで)
    姉(真相とは違うものの、トドメをさす事が出来る……完璧に…)
    姉(検事が目指すのは勝利か……それとも……真実か……?)

    裁判長「検事、何か反論は?」

    姉(私は……検事だ……)



    姉「反論、反論は…………ありません」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:07:35.34 ID:bb9zyXmeQ
    裁判長「被告人は――無罪」

    女(やった……!!)
    姉「…………」

    姉(私は……私は正しかったのか……?)

    姉(彼が犯人では無い。しかし、その真実を明らかにする為に力を抜いた)

    姉(私は……検事なのか…)
    姉(検事として……正しいことをしたのか……?)

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:15:34.06 ID:bb9zyXmeQ
    姉「八百長疑惑……か」
    女「お姉ちゃん……」

    姉「はは。――これは疑惑ではなく、真実だ」

    女「え?」
    姉「……すまない、女。私は、もう法廷に踏みいる勇気が無い」
    女「………何言ってるの?」

    姉「私は――検事を辞める」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:22:40.69 ID:bb9zyXmeQ
    男「あー、やっと自由になれた」
    (バタン)
    男「どうした?女」
    女「お姉ちゃんが……」
    男「姉さんが……?何だ、何かあったのか?」

    女「検事……辞めるって……」

    男「!?な、何でだよ!」
    女「もう……勇気が無いって……」

    男(八百長疑惑…………。俺のせいで…?)

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:27:45.32 ID:bb9zyXmeQ
    男「……姉さんは?」
    女「さっき……出ていっちゃった……」
    男「場所……場所は!?」
    女「携帯のGPSがある……けど…」
    男「貸してくれ」
    女「……どうするの?」
    男「決まってる!検事を辞めるなんて発言を撤回させるんだ!」
    女「……きっと、お姉ちゃんだって沢山悩んだんだよ!それで……勇気が無い、って…」

    男「……勇気が無いなら、俺がいくらでも分けてやる!!」
    男「俺は……俺は姉さんに、検事を辞めてほしくない!!!」

    女「………!」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:33:46.71 ID:bb9zyXmeQ
    姉(検事という仕事)
    姉(私の最初で最後の想い人)
    姉(……全て失った)

    姉「……涙か……何年ぶりだろう」
    姉「……これから、どうするか…」

    姉(いっそこの体も、心も、全て捨てるのも……いいかもしれんな…)

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:40:57.76 ID:bb9zyXmeQ
    姉「…………んっ!?」
    姉「む、むぐっ、む……っ……」
    (ハンカチ……薬!?しまっ……から…だ、が……)

    「へ、へへ……姉ちゃん……つーかまえた……」

    姉「……………」

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:47:08.10 ID:bb9zyXmeQ
    姉「………っ……ここは……」
    ス「どうも……姉ちゃん……」
    姉「何だお前は……ここは……っ!?」

    (ギシッ!)

    姉(動けない……縄か……)
    ス「ふひひひひ」
    姉「……お前………私を付けまわしていたストーカーか!?」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 22:53:53.37 ID:bb9zyXmeQ
    ス「僕ねえ………犯人なんだ」
    姉「…………何…?」
    ス「八百長疑惑になった、あの事件……」
    姉「な……何だと!?」

    ス「姉ちゃん、検事失格だってねぇ…………慰めてあげるよ…」

    姉「や、やめっ……!さ、触るな……ゃ…!」
    ス「ふひ、ふひひひひ」
    姉「ぁ……っぅ、あ……っ…!」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:00:53.10 ID:bb9zyXmeQ
    ス「へへ……可愛い検事さんだなあ…」
    姉「……はあっ…はあっ……あっ、あっあ…ん……!」
    姉(嫌だ……嫌だ……っ!!)
    (ギシギシギシッ)
    ス「逃げたところでさぁ、誰か君を必要とするのかなぁ……?」

    姉「………っ……!」

    ス「だったらいいじゃない……全部忘れられるくらい…可愛がってあげるから……」
    姉(全部……忘れられる……?)

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:05:53.34 ID:bb9zyXmeQ
    姉(辛いことも……悲しいことも……)
    姉「はあっ……は……っ」
    姉(もう、永久に告げることの出来ない想いも……)
    姉「っ、ふぁ……っ、あぁっ……」
    姉(この快楽に……身を投じれば……忘れられる……?)

    姉(男君……君のことも忘れてしまうのだとするならば……)

    姉「……私はっ、そんなの、嫌だっ……!!」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:14:19.43 ID:bb9zyXmeQ
    姉「誰か……助け……っ……!!」
    ス「誰も来ないよぉ〜」
    姉「男君……男君っ……!!」
    ス「来る訳――」

    男「それが来てるんだな、これが」

    ス「…………へ?」
    男「せーのぉ!!!」

    (バキッ!)

    ス「ぶへぇっ!!」
    男「……次は、俺にあらぬ罪を被せた分な」
    ス「へ……?」

    男「ほぁちゃあ!!」

    ス「ぐはぁぁあ!!!!」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:21:40.08 ID:bb9zyXmeQ
    姉「……何で………」
    男「……大丈夫ですか?とりあえず、これ着て下さい」
    姉「それより!何で……私は、私は君を……有罪にしようと……!!!」
    男「ちゃんと無罪になりましたよ」
    姉「……で、でも!!」

    男「……少しくらい事実を曲げたって、貴女が見つけたのは真実です」

    姉「…………」
    男「犯人も見つかりました。」
    姉「あ……」
    男「……まだ、検事辞める気ですか?」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:29:06.86 ID:bb9zyXmeQ
    ―約一年後―

    女「あわわわわ……」
    男「相変わらず緊張してるのか?」
    女「ゆ、優秀な相方が居なくなったからね」

    男「何言ってんだ。男友と結婚しただろうに」

    女「うーん……まあね!能力は愛で挽回!みたいな感じ」
    男「はいはい……それじゃあ、俺は行くぞ」
    女「うん、またねー」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:35:40.52 ID:bb9zyXmeQ
    裁判長「弁護側」

    女「もも、勿論、準備完了してまする」
    男友「馬鹿、落ち着け」
    女「おお、落ち着いてます!!」

    裁判長「よろしい。……それでは、検事側は?」


    姉「――無論、準備完了だ」


    女「…………」

    姉「さあ始めよう。そして見つけようじゃないか」

    姉「――たった一つの、真実(ハッピーエンド)を」



    完


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:37:19.00 ID:i1yVQ5QVO
    乙!
    いきなり男友がおいしいとこ持って行きやがった…


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日) 23:45:19.53 ID:sSptIztVO
    乙。
    逆転裁判久しぶりにやりたくなった


逆転裁判キャラクターズ4コマ

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「アガリ症の弁護士(妹)とクールな検事(姉)」おしまい

引用元
SS「アガリ症の弁護士(妹)とクールな検事(姉)」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240137000
 

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