593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:10:47.09 ID:Q1LrMsge0
593-1    レベルが十分なこともあってさほど疲弊しているわけでもないのに、進むにつれて一行の足取りはどんどん重くなっていく。
    見れば、みんなはしきりにかし子に声をかけているようだ。
    一体どうしたのだろうか。
    何を話しているのか聞こえないのがもどかしい。


593-2    マップを進むごとに敵も強くなり、さすがにみんなの表情からも余裕が消えていく。
    こんな外見だがこのデススタッフというのがかなりの難敵のようだ。

  



593-3    マリリンは馬車の中から回復するのが主な役目だが、アンクルには出番がまだ回ってこない。
    主力四人とは戦力に明らかな差があるので仕方ないと言えば仕方がないのだが、
    なら何故わざわざ世界を回ってまで仲間モンスターをパーティに入れたりしたのだろう?
    何か嫌な予感がする。



最初から読む人はこちら
アモスさんに幼なじみを奪われそうです【パート1】

前の話から読む人はこちら
アモスさんに幼なじみを奪われそうです【パート12】



 

594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:12:12.22 ID:Q1LrMsge0
594-1594-2    ボーンファイターはパーティの後列ばかり狙ってくる嫌らしい敵だ。
    苦手の直接攻撃に晒されながらもかし子は怯むことなく応戦する。
    さっきの例えがいよいよ現実味を帯びてきてしまった。
    一体なにがあった?
    これから何が起こるというんだ?


595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:14:16.46 ID:Q1LrMsge0
595-1    やがて四人はデスコッドの村に到着する。
    モンスターばかり住んでいるへんてこな村だ。







595-2595-3    中には人もいるけどみんなそれぞれ何か事情がありそうだ。
    俺の知る世界とは別の次元から来た人ではないか。
    なんとなくそう思った。




596 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:15:42.34 ID:Q1LrMsge0
596-1    一行はここを中継地点として一旦引き返すようだ。
    元の世界へ戻ったみんなはダーマ神殿で一泊してからルーラでモンストルへ飛んだ。

  



 596-2
    町へは入らずにそのまま北の山へと向かう。
    事ここに至ってついに俺の疑念は確信に変わった。
    俺たちが初めて出会ったここで、かし子は何かをする気なのだ。





597 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:15:58.63 ID:Q1LrMsge0
    ※ちょこっと裏話※

598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:16:32.33 ID:Q1LrMsge0
599    「思えば、あのときから予感があった」
    北の山の頂上で、仲間達に背を向けてかし子は語る。
    「お主らはきっとわしの何かを変えてくれる。
     そんな期待があったからこそわしはお主らについていくことにしたんじゃ」
    出会いの時を思い出しつつ、かし子は空を見上げる。
    ずうっと見上げ続けてとっくに見飽きた空を。
    これからも永遠に眺め続けることになる空を。

    「……ねえかし子。やっぱり他の方法を探そうよ。いくらあいつを助けるためだからって、こんな――」
    「くどいぞパル。お主も一度は納得したはずじゃろう。他に方法がないのならば、と」
    「そうだけど、そうだけど……でも……っ!」
    今や生涯一の友人となったパルの涙声を背中で聞くかし子の胸に、じんわりと温かなものが広がっていく。
    自分のために泣いてくれる人がいる。
    このようなこと、彼らと出会うまでは想像したこともなかった。

600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:18:04.90 ID:Q1LrMsge0
    「かし子さん」
    アモスが静かな声で語りかけてくる。
    「何度も言うようですが、僕はこのようなやり方を認めたくありません。
     美し女性が犠牲になるなんてお話は戯曲の中だけで沢山なのですよ」
    ふふ、とかし子は小さく笑う。
    いつもすげない返事ばかりしてはいるが、実のところアモスのストレートな物言いもかし子にとって嬉しくもあった。

    自分も女だ。「美しい」と言われて喜ばない女など滅多に居るものではない。
    しかしそれを――自分が女であることをかし子に教えたのは残念ながらこのアモスではなかった。
    この場に居ないあの男なのだ。
    「アモスよ。お主まで聞き分けのないことを言うでない。
     何故そうも悲劇的に考えるのじゃ。わしは本来の姿に戻るだけだと何度も説明したじゃろうが。
     木の姿に戻って、花を咲かせる。それであの男が助かるのだと」
    そう。
    グランマーズにあの男の行方を占って貰って、でもそこへ行くだけでは救うことができないのだと分かって。
    悲嘆に暮れるパルの顔を見ていられなくて、かし子は自分から提案したのだ。
    一つだけ彼を救う方法がある、と。

601 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:18:32.92 ID:Q1LrMsge0
    ダークドレアムの一部となった彼を現世に連れ戻すには、体を元の普通の人間に戻さなくてはないけない。
    大魔王デスタムーアさえも凌ぐ力を持つという古の魔神。
    魂まで深く打ち込まれたその力を取り去ることなど普通の方法では不可能だろう。
    だが、自分は命を司る世界樹だ。
    彼の命そのものを一から再生することができるのだとすれば、元の体に戻すことなど造作もないことである。
    世界樹の花にはそれだけの力がある。
    それを咲かせる代償として自分は大地に深々と根を張り、
    二度と人の姿になど戻れぬ体にならなくてはいけないが――
    元々いずれはそうならなければいけない身だ。
    遅いか速いか。それだけの違いである。

602 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:19:05.54 ID:Q1LrMsge0
    「本当のことを言え、パル」
    かし子はわざと冷たい口調で言い放つ。
    「あの男に会いたいのじゃろう? 言っておったではないか。
     あの嘘つき。勝手なことばかりするな。一発ぶん殴ってやらないと気が済まない
     みんなお主の言葉じゃぞ?」
    言葉は返ってこない。
    その代わり、かし子の背中をふわりと温かい感触が包み込んだ。
    「ごめん。ごめんねかし子……」
    「馬鹿の一つ覚えみたいに繰り返すでない。謝罪などもう聞き飽きたわ」
    抱きしめられた体から伝わる感触のなんと温かなことか。

    人の温もり。鼓動。命。
    数えきれぬほどのそれらを自分はこれから見守っていくことになるのだ。
    「謝罪などいらぬ。じゃから――」
    そう思えば寂しくはない。寂しくはないけど。
    こうして一人を特別に近く感じることは、きっともうないだろう。
    「たまにでよい。あの男が戻ったら、一緒に遊びに来てくれ。
     独りというのはいささか退屈じゃ」
    最後まで堪えるつもりでいた涙が、固く閉じた両目からぽろりぽろりとこぼれた。

603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:20:11.44 ID:Q1LrMsge0
    滴となって落ちていく惜別の想い。
    ああ、見るがいい。自分はこんなにも人を――世界を愛している。
    もしかすると、ダークドレアムに選択を迫られたときの彼もこんな気持ちだったのだろうか?
    ならばこれは間違いなく正しい行為だ。
    こんなに悲しい思いをするのは一人だけで――世界樹としての使命を背負った自分だけで十分だろう。
    ただの人間にはあまりも重すぎる。

    親友と認めたパルの腕の中で、かし子の体はゆっくりと輪郭を失って、光の粒となって舞い上がってゆき、
    やがて――

603    大木へと姿を変えた世界樹が、北の山の頂上に高々とそびえ立った。







604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:20:37.15 ID:Q1LrMsge0
    ※裏話おしまい※

605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:21:07.39 ID:Q1LrMsge0
    言葉がなかった。
    会話が聞こえなくても分かる。
    かし子は俺を助けるための犠牲となったのだ。

    この俺にそこまでしてもらう価値があるとでもいうのだろうか?
    こんなふうに考えてしまうこと自体がかし子の決断に対する冒涜になるのかもしれないが……
    「なるほど、考えたな。世界樹の花か。
     たしかにあれならば貴様を元の体に戻すことも出来よう」
    いつのまにかこちらのPCを覗き見していたドレアムが独り言のように言う。
    「あとは貴様の意志次第といったところか。
     どうだ? 帰ることが出来るのならば帰りたいか?」
    是非もない。何かを考えるヒマもなく、気がつけば即座に頷いていた。
    「そうか」
    納得したようにドレアムはそう言って、アゴを撫でながら自分のPCへと戻っていった。

606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:22:31.63 ID:Q1LrMsge0
606-1    ルーラでデスコッドへ戻り、さらに奥へと向かう一行。
    出てくる敵は手強くなる一方なのに主力のかし子が抜けてしまって戦闘はきついはずだが、
    みんなの足取りにはもう一切の迷いがない。
    脇目もふらずに先へ先へと進んでいく。



606-2    豊富な特技を存分にふるってパル達は並み居る敵を打ち倒していく。
    戦って戦って、ついにみんなはたどり着いてしまった。





607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:24:27.26 ID:Q1LrMsge0
607-1    「居るんでしょ?! 返事しなさい!」
    パルの声が聞こえる。
    なんだかもうそれだけで胸がいっぱいになってしまって、何を思えばいいのかも分からない。




607-2    そんな俺の代わりとばかりにドレアムが一行の前に姿を現す。
    あいつ、何をするつもりだ?
    「あんたなんかに用はないの。あいつに会わせて!」
    大魔王をも上回る力を持つ魔神を前にしてもパルはまるで怯まない。
    強い意志のこもった眼差しでドレアムを射貫きながら啖呵を切る。


608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:25:03.68 ID:Q1LrMsge0
    「ほう。たった一人の男に会うためだけにこのようなところまで来たと?
     何故そうまでしてあの男に固執するのだ?」
    「何故ですって?」
    何を言っているだ、というふうにパルはふんと鼻をならす。
    「つまらないことを訊かないで。
     好きな人に会いたいと思うのに理由なんてあるわけないでしょ?」

    思わず息をのんだ。
    あいつはこの言葉が俺にも聞こえていると分かって言っているのだろうか?
    今すぐあいつのところへ駆けつけて抱きしめたい。
    でもダメだ。今呼び出されているのはドレアムだけ。
    感覚としてはすぐ近くに居るのに、どうやればパル達の前に出て行けるのかが分からない。

609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:25:31.07 ID:Q1LrMsge0
    何を思ったか、ドレアムはここで一度俺が居る側の空間へ戻ってきた。
    恨めしそうに俺を見つつ、ぽつりと何かを呟く。
    「リア充は氏ねよ」
    「え? なんて?」
    「……いや、なんでもない」
    本当か? 何か、ザラキーマなんかよりも遙かに強い怨念のこもった言葉が聞こえたような気がしたのだけど。

610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:25:52.85 ID:Q1LrMsge0
    どうやら用件はそれだけだったらしく、ドレアムはまたパル達の前に出る。
    「よかろう。それほどまでに再会を望むのならば叶えてやらぬこともない。
     ただし、我を倒すことが出来ればな!」
    まるっきりお決まりのセリフを吐いて、ドレアムはパル達に躍り掛かっていく。
    「……って、おい! よせよ! なんでそんなことする必要があるんだ?!」
    俺が叫んでも、その声は誰にも届かない。
    古の魔神と俺の仲間達との戦いが始まってしまった。

612 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:30:01.55 ID:Q1LrMsge0
612-1    ドレアムがどれだけの力を持っているのかは誰よりも俺が一番よく知っている。
    いくらみんなが強くなったと言っても勝てるかどうか……





612-2








612-3









612-4  パルのギガスラッシュ、アモスさんのビッグバン、マジンガのバイキルト付き正拳突き。
    いずれも劣らぬ強力な攻撃なのに、ドレアムはびくともしない。




 612-5
    ドレアムが続けざまに放つ凶悪な攻撃があっというまにみんなを追い詰めていく。
    自動回復があるパルはともかく、耐性に優れていないアモスさんやアンクルはひとたまりもない。





613 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:31:04.15 ID:Q1LrMsge0
613    かし子から山彦の帽子を受け継いだアンクルの魔法攻撃は始まってすぐの頃こそ威力を発揮したが、
    ザオリクをはじめとして消費のでかい魔法を連発したせいですぐにMPが尽きてしまう。
    短期決戦を挑んでビッグバンを連発したアモスさんもまた然りだ。
    でも馬車の中に居るのはマリリンだけ。あいつのHPではドレアムの攻撃に耐えることが出来ない。
    ここへ来ていよいよかし子が抜けた穴の大きさが如実に表れてきてしまった。
    戦闘に出ているメンバーでMPが残っているのはパルだけ。
    回復手段はハッスルダンスと賢者の石が残されているが、
    ドレアムの圧倒的な攻撃力の前にそれだけでは不足もいいところだ。

614 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:31:30.17 ID:Q1LrMsge0
    「みんな――」
    俺はこんなところで何をしているんだ?
    みんなが俺のために戦ってくれているのに、その戦いであんなにも苦しんでいるのに、
    黙ってここで見ているだけか?
    俺はそんなにも情けない男だったのか?
    「……違う。そうじゃない」
    俺が情けない男かどうかなんてこの際どうでもいいんだ。
    重要なのは俺の気持ち。
    みんなが俺のために戦ってくれている今、それに俺が応えなくてどうするんだ!
    「開けええぇぇぇっ!」
    叫びつつ、ドレアムから譲り受けた力をフルパワーで解放する。
    この力を使うのはこれが最後だ。最後にしなければいけない。

615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:32:04.57 ID:Q1LrMsge0
    閉じた空間の扉を強引にこじ開けて、俺はついにみんなの前に降り立つ。

    アモスさんが、マジンガが、そして新メンバーの二人が動きを止めてこちらを見ている。
    俺の名前を叫ぶ声が聞こえた。
    でも今は再会を喜んでいる場合ではない。
    「ほう。まさか召還されたわけでもないのに自ら出てくるとはな。
     なかなか荒っぽい手を使う男だ」
    ドレアムは俺を見て感心したように言う。
    「だがどうするつもりだ?
     貴様はこの者達と違って修行などしておらぬ。
     今さら出てきたところで足手まといになるだけだぞ?」
    そう。俺の強さはロニーやデスタムーアと戦ったあの時のままだ。
    普通ならばこの魔神になど敵うべくもない。
    でも俺だって無為に時間を過ごしてきたわけじゃないんだ。
    あれを使うことが出来ればきっと――

616 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:32:55.96 ID:Q1LrMsge0
    と、俺が身構えるよりも遙かに速く。
    「悪いが貴様相手にも容赦はせんぞ。
     我は我より強き者にしか従わぬ」
    ドレアムがギガデインを唱える。
    あ、と思った時にはもう遅い。
    いつかのデジャヴ。でも今は織田信長軍なんてここには居なくて。
    圧倒的な破壊の力が遮るものなく俺に襲いかかってくる――

    と思ったその瞬間。俺とドレアムの間に割ってはいるものがあった。

616    マジンガだ。マジンガが仁王立ちで俺の前に立ちふさがっている。
    すでに瀕死の状態であるにも関わらず、だ。
    四人分のギガデインが容赦なくマジンガを打ち付ける。
    HPなんてとっくに尽きているはずなのに、
    ギガデインのあとに続いて放たれた目にも留まらぬ早業を全ての攻撃を受け止めきるまでマジンガは倒れなかった。
    「愛シ合ウ二人ハイツモ一緒。ソレガ一番ナノデース」
    活動を停止する直前、マジンガがぽつりとそうもらすのが聞こえた。
    ドレアムの容赦のない攻撃の前に堅牢を誇った装甲は原型を留めないほどにぼろぼろになっている。
    あれではもう、どんな回復魔法でも――

617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:33:56.15 ID:Q1LrMsge0
    「ふざけないで!」
    不吉な予感を吹き飛ばすかのように、パルが勢いよく叫んだ。
    「みんなで無事に帰るのよ! 無事に帰って、みんなでかし子のところへ報告に行くの!
     それ以外の結末なんて認めないんだから!」
    残りの全魔力を振り絞ってパルは回復魔法を唱え始める。

    あっちは任せておくしかない。
    俺は俺で、出来ることをやるだけだ。
    「行くぞドレアム。これが俺のとっておきだ!」
    俺は戦いの狼煙を上げた。
    ごおおおおお。
    下腹に響く重低音にも似た音が遠くの空から近付いてくる。
    俺が組み上げたプラモデル。
    もう一つの頼もしき我が仲間たち。

618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:34:52.28 ID:Q1LrMsge0
618    『メビウス1、フォックス2』
    戦闘機から放たれたミサイルが凄まじい熱量と共に飛来してドレアムに直撃。
    激しい爆発が起こって、さしものドレアムも苦悶の声をあげる。
    『全機、メビウス1に続け!』
    先頭の機体に続いて後続の各機も続けざまにミサイルを放つ。
    全てが命中するわけではないが、ドレアムにはすさまじいダメージがいっているはずだ。

    「ぐぬううぅぅっ! なめるなよ、この造形物どもめが!」
    立て続けにミサイルの直撃を受けながらも、ドレアムは倒れずに反撃をしかける。
    その口から放たれた輝く息が一体の戦闘機に命中し、撃墜した。
    『ああ! ジャン・ルイがやられた!』
    『落ち着け! ジーン、指揮を引き継げ!』
    戦闘機達にもなんかいろいろあるようだ。
    ジーンとやらが指揮を引き継いだおかげかどうかは知らないが、
    その後も編隊を整えて攻撃を続けた戦闘機たちの活躍により、ドレアムはついに倒れた。

619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:35:18.78 ID:Q1LrMsge0
    「おのれ、リア充ごときに負けるとは……」
    悔しげに言って、ドレアムは大きく息を吐く。
    「もうなんでもいいや。どこへでも行くがよい。
     所詮、我は一人でエロゲをやっているのがお似合いなのだ……」
    そう言い残して去っていくその背中がどこか寂しげなのは気のせいではあるまい。
    すまんドレアム。やっぱり俺は現世に戻りたいんだ。
    心の中でだけそう謝って、俺はパルの方に向き直る。
    パルの全力を注いだ治療の甲斐あって、マジンガはなんとか持ち直したようだ。

620 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:36:15.33 ID:Q1LrMsge0
    魔力を使い果たしてぐったりとしているパルの肩を「お疲れさま」と言ってぽんと軽く叩いてやると、
    一体どこにそんな元気が残っていたのか、
    狭間の世界で別れたときと同じようにパルが勢いよく俺の胸に飛び込んできた。

    「この馬鹿! なんで勝手に行っちゃうのよ!
     嘘つき! あんたなんか、あんたみたいな自分勝手な男なんて……っ!」
    俺の胸元にぎゅっとしがみついてパルはめちゃくちゃに叫ぶ。
    その頭にそっと手を回して抱き寄せながら「ごめん」と俺は何度も繰り返した。

621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:36:36.60 ID:Q1LrMsge0
    「あの声、聞こえてたから」
    「え?」とパルは顔を上げる。
    至近距離から目が合って思わず顔が熱くなってしまったけど、ここはごまかしていいところじゃないのでぐっと我慢だ。
    「その……好きな人に会いに来た、って……」
    「あ……」と小さく声をもらして、パルは俯いてしまう。
    その顔は耳まで真っ赤だ。きっと俺も同じような有様だろう。
    結局のところ、俺たちは似たもの同士なのだ。
    そう思うとなんだかおかしくて、少しは心が落ち着いた。
    「パル。俺もお前が好きだ」
    パルが小さく俺の名前を呼んで、顔を上げる。
    またお互いの視線が至近距離で交錯して、パルの済んだ青い瞳にすい込まれそうになって……

622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:36:58.27 ID:Q1LrMsge0
    「こほん!」
    わざとらしいアモスさんの咳払いが俺たちを現実に引き戻した。
    慌てて離れつつ、ごまかすようにアモスさんの顔色を窺う。
    「再会を喜ぶのも結構ですが。道具屋くん、君を救うためにかし子さんが――」
    「ああ、知ってるよ」
    そう。俺が現世に戻れるのはこうしてここに来てくれた五人の仲間達と、北の山にいるかし子のおかげなのだ。
    「会いに行こう。みんなでさ」
    その言葉に、パルもアモスさんも深々と頷いてくれた。

623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:38:28.92 ID:Q1LrMsge0
    現世に戻ってかし子に挨拶を済ませた後、
    アモスさんはまだ見ぬ美女との出会いを求めてまたどこかへと旅立っていった。
    マジンガは再びゼニス王のところへ。
    マリリンはサンマリーノへ戻り、アンクルは野へと帰って行った。

    そしてモンストルに戻った俺とパルは、やがてエルフの里へと姿を変えるその町で、
    大樹となったかし子と共に、温かな光に満ちた生涯を送った。

623-1












  623-2











625 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:40:26.24 ID:Q1LrMsge0
    終わりです。
    最後までお付き合い下さった方、ありがとうございました。

626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:40:48.35 ID:cPXWlLuu0
    乙!!

    こんなのどうでもいいことなんだが
    ロニー戦は5人PTで戦ったみたいだけどうちゅうのほうそくは乱れなかった?

628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:42:13.73 ID:Q1LrMsge0
    >>626
    言われてみればw
    まあ交代しつつ戦ったということで脳内保管をお願いしますw

631 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:43:38.48 ID:cPXWlLuu0
    >>628
    了解ですw
    とにかく9時間を超える投下お疲れ様です!
    楽しませていただきました。

632 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:44:23.18 ID:wARuABoXO
    乙!! 面白かった
    かし子が可愛すぎる

633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:47:03.74 ID:jDu5GZT3O
    乙!!!!!!!!!!
    面白かったよ
    ロリババァが可愛かった

634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:49:48.09 ID:Q1LrMsge0
    面白かったと言って下さった方、ありがとうございます。
    それだけでここまで頑張った甲斐があったと思えます。

635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:51:44.83 ID:nTnEXtvz0
    乙!
    面白かったぜ!

636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 04:55:58.63 ID:vm2RGzihO
    寝られなくて見に来たら終わってた

    >>1乙

    途中叩かれてたけど
    ドラクエ6好きな俺としてはすごく楽しめた

    イザを使った辺り、小説は読破した?

637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 05:03:48.25 ID:Q1LrMsge0
    >>636
    一応読破しましたが、正直小説は5のほうが面白かった気がしますね。
    同じ久美沙織さんなのに何故だろう……

638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 05:23:31.71 ID:5Dd9GeswO
    おつ!
    面白かったです

639 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 05:35:24.34 ID:wV+VwGPf0
    俺だって本当は叩きたくなんかねーんだよー・・・・・
    でもなあ、こんなとんでもない量を、こんなに詰めて書いててVIPでウケる訳ないじゃないか
    だったらこれ以上叩かれる前に別の板に行って欲しかったんだよ・・・・・・

641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 06:04:29.99 ID:Q1LrMsge0
    >>639
    もし荒れたら他へ行くつもりでしたが、レスもつかない代わりに荒れもしませんでしたからね。
    結果的にはこれでよかったのではないかと。

642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 06:13:08.87 ID:gl0vrrnFO
    600レスとか
    途中支援しようかとも思ったけど規制もされてないようだから見守ってた

643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 06:19:57.72 ID:HysZc8fD0
    いつの間にか朝か…>>1乙津!

644 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 07:22:31.29 ID:ajY/PEDkO
    >>1乙
    面白かった

645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 07:39:48.75 ID:QsI84SMV0
    1乙

646 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 08:07:31.00 ID:wV+VwGPf0
    や、やっと読み終わった・・・・・二時間もかかってしまった
    すごい面白かったよ、アモッさんがいい味出してた
    これはタイミングが良ければ1000行ってパー行って称賛レスがたくさんついてるレベル
    まあ読む方としては一気に投下してくれたほうが助かるんだけどね

647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 09:15:13.76 ID:32XQMGrE0
    今から読むぜ

648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 10:30:08.44 ID:Q1LrMsge0
    まさかまだ残ってるとは……

    みなさんありがとうございます。
    正直投下中にほとんどレスがなかったときは不安だったのですが、今はここに投下してよかったと心から思えます。

    >>646
    おお、かし子以外のキャラについてコメントがw
    実は睡眠時間を削ってでも一気に投下したのは理由がありまして、
    出来るだけvipろだの画像が流れてしまう前に読んで頂きたかったからです。
    一部「ちょっと画像が多すぎるかな?」と自分でも思う箇所もありますが……

649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 10:45:30.48 ID:32XQMGrE0
    飽きずに読めた
    >>1乙!!

650 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 11:20:26.08 ID:32XQMGrE0
    (´;ω;`)かし子かわいいお

651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 11:58:24.17 ID:Q1LrMsge0
    よく見たら ID:wV+VwGPf0はなんというツンデレw
    いや、もちろんありがたいことなんですが。

    てゆーかかし子が人気すぎてパルかわいそす……

652 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/28(火) 12:18:32.99 ID:32XQMGrE0
    パルもかわいいけどロリババアには敵わなかった



作者さんお疲れ様でした。
これを読んだ皆さんも長い間お疲れ様でした。
そして・・・




まとめたヒマッピーも乙www


アモスさんに幼なじみを奪われそうです おしまい

小説 ドラゴンクエスト〈1〉
小説 ドラゴンクエスト〈2〉悪霊の神々
小説 ドラゴンクエスト〈3〉そして伝説へ…
小説 ドラゴンクエスト4―導かれし者たち
小説 ドラゴンクエスト5―天空の花嫁
小説 ドラゴンクエスト6―幻の大地
小説 ドラゴンクエスト7―少年、世界を開き

引用元
アモスさんに幼なじみを奪われそうです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240828360

 

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