124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 06:38:42.18 ID:Egk5E+UG0
森の中
男「・・・今度は一体なんだ」
ハク「いやな、こう銅像にぺっとり張り付いてると」
ハク「冷たくて気持ちいいんだよ」
男「・・・そうか」
ハク「それよりお主」
ハク「手に持っているのは・・・まさか・・・!」
男「ああ」
男「例のブツだ」
ハク「・・・怖い言い方をするでない」
天使「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
友達「やってしまった・・・」【前編】【後編】
死神「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
兄「やってしまった・・・」【前編】【後編】
男「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
女「やってしまった・・・」【前編】【後編】
森の中
男「・・・今度は一体なんだ」
ハク「いやな、こう銅像にぺっとり張り付いてると」
ハク「冷たくて気持ちいいんだよ」
男「・・・そうか」
ハク「それよりお主」
ハク「手に持っているのは・・・まさか・・・!」
男「ああ」
男「例のブツだ」
ハク「・・・怖い言い方をするでない」
天使「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
友達「やってしまった・・・」【前編】【後編】
死神「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
兄「やってしまった・・・」【前編】【後編】
男「やってしまった・・・」【前編】【中編】【後編】
女「やってしまった・・・」【前編】【後編】
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 06:41:32.85 ID:Egk5E+UG0
モグモグ
男「毎回同じ饅頭で飽きないのか?」
ハク「何を言うか」
ハク「この曲線のフォルム、色、ツヤ、味、匂い」
ハク「どれをとっても飽きる要素が無い」
男「饅頭のラインに興奮する奴初めて見たわ」
男「それより、そろそろ時間だな」
ハク「?何がじゃ?」
ハク「!!ゲホゲホ」
男「ほらきた」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 06:44:35.04 ID:Egk5E+UG0
朝起きて学校行って森に行って帰る
朝家族と適当に会話して学校で友達と喋って森で神様とだべる
普通の人より少し変わった生活を繰り返していた俺だったが
悪くは無い居心地で
こんな人生も有りかなって思ってたりもした
そんな事ばかりを考えていたから
俺は、崩れゆく何かに気付けなかった。
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:00:22.27 ID:Egk5E+UG0
自宅
男「おはよう」
母「あら、おはよう」
母「・・・ってどうしたのよ」
男「・・・?」
母「なんか疲れてるように見えるけど」
男「いや、全然疲れてないけど」
母「嘘おっしゃい」
母「最近少し調子が変だとは思っていたけど、今日は余計に体調悪そうよ」
男「う〜ん・・・」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:02:29.84 ID:Egk5E+UG0
男「俺的には何も異常はないんだが」
母「きっと部活のしすぎで疲れているのよ」
母「今日は休んだら?」
男「部活で疲れたので休みますなんて」
男「さすがに言えないって」
母「でも・・・」
男「大丈夫だって、じゃあ時間無いからもう行くよ」
ガチャンッ
母「・・・大丈夫かしら」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:05:23.06 ID:Egk5E+UG0
学校
男「ようおはよう友達A」
友達A「んあ?おう、おはよ・・・・・って」
友達A「どうしたんだお前」
男「?」
友達A「なんかすんごい疲れているように見えるぞ」
男「・・・そんな事ないだろ」
友達A「いやいや、確実にいつもより変だ」
友達A「最近変だなぁとは思ってたけど、今日は余計にひどいぞ」
男「まじかよ」
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:09:01.14 ID:Egk5E+UG0
男「俺の体が疲れてるだけだろきっと」
友達A「疲れてるってお前最近毎日部活サボって森に行ってんじゃねえか」
友達A「それとも森で部活以上にきつい自主トレでもしてんのか?」
男「それはまずないと思う・・・」
友達A「だろ?やっぱりおかしいよお前」
男「心配のしすぎだって」
キーンコーン カーンコ-ン
男「ほら、授業始まるぞ」
友達A「・・・・・・」
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:10:42.32 ID:Egk5E+UG0
放課後
男「じゃ、俺例の如く1人で帰るから」
他の友達「あ、ああ・・・・」
他の友達「・・・・・・」
他の友達「・・・なんかあいつ、最近おかしいよな」
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:13:28.93 ID:Egk5E+UG0
学校 放課後
友達A「すいません、今日部活や済ませてもらっていいですか?」
顧問「珍しいな、お前が部活休むなんて」
友達A「すいません・・・」
顧問「お前は真面目だから信用してるよ気にすんな」
顧問「それより男に顔を出せって言っといてくれ」
友達A「ははっ」
友達A「そう伝えときます」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:17:14.32 ID:Egk5E+UG0
学校 校門前
友達A(そういえばそうだ・・・)
友達A(あいつがおかしくなってきたのは)
友達A(あの銅像を見に行った日辺りからだ)
友達A(そして・・・あの時あいつは変なことを言っていた)
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:21:24.48 ID:Egk5E+UG0
―よく見ろって
―女の子がいた
友達A(・・・そんな事を言っていた)
友達A(あの時俺はてっきり冗談だと思っていたが)
友達A(もしかしたら)
友達A(あいつはあの時、何かに巻き込まれたのかもしれない)
そうして、俺はある場所に向かった
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:25:39.71 ID:Egk5E+UG0
森の中
ハク「男・・・お主どうしたんじゃ?」
ハク「なんか疲れているように見えるぞよ?」
またか
今日何回目だこれ言われたの
男「・・・もうそれは聞き飽きたよ」
ハク「でも変じゃ!」
ハク「最近少しだるそうに見えたが、今日はひとしきり変・・・」
男「だから、聞き飽きたってば」
ハク「・・・聞き飽きたって事は」
ハク「お主はそれだけおかしな状態になってるって事じゃぞ」
男「・・・・・・」
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:30:12.87 ID:Egk5E+UG0
ハク「おまけに」
ハク「饅頭とお茶まで忘れおって」
男「・・・あれ?」
男「おかしいな持ってきたと思ったのに」
男「悪いな」
ハク「・・・・・・」
ハク「・・・自覚症状はないんかえ?」
男「まったく無い」
男「だから、信じられない」
ハク「・・・・・・」
男「・・・・・・」
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:44:25.12 ID:AoFIRxcT0
久しぶりに元ネタのないSSを見た
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:01:24.87 ID:Egk5E+UG0
オリジナルのSSしか書けないんだぜまじすいません
コンコン
「はい」
友達A「また来たよ、おじいちゃん」
おじいちゃん「おお、また来てくれたんか」
おじいちゃん「・・・じゃがどうした?そんな血相変えて」
友達A「・・・ごめん、今回もゆっくりお茶できそうも無い」
友達A「おじいちゃん」
友達A「いますぐ聞きたい事があるんだ」
おじいちゃん「んん?」
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:04:13.65 ID:Egk5E+UG0
友達A「単刀直入に言うよ」
友達A「・・・この前の銅像の話なんだ」
おじいちゃん「・・・・・」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:08:09.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「正確に言えば」
友達A「ハク様のこと」
おじいちゃん「・・・・・・」
友達A「最初に聞いた時のおじいちゃん、少し様子が変だった」
友達A「もしかして・・・なんだけどさ」
友達A「おじいちゃんは何か知ってるんじゃないの?」
おじいちゃん「・・・・・・」
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:11:41.47 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・分かったよ」
おじいちゃん「話すよ、あの銅像について」
友達A「!!」
おじいちゃん「ただし」
おじいちゃん「お茶は飲んでいきなさい」
友達A「え・・・」
友達A「でも時間が・・・・」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:13:46.47 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「この話は、立ち話で終わるほど短くないんじゃよ」
おじいちゃん「だから、休憩をかねて話をするよ」
友達A「で・・・・でも・・・・」
おじいちゃん「急いては事をし損じる」
おじいちゃん「昔からの諺だよ」
友達A「・・・分かったよ、おじいちゃん」
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:20:30.72 ID:Egk5E+UG0
居間
おじいちゃん「そもそも」
おじいちゃん「あの銅像、ハク様は元々」
おじいちゃん「1人の旅人が見つけた銅像なんじゃよ」
友達A「旅人?」
おじいちゃん「ああ、旅人は若くして病に倒れてしまったんじゃが」
おじいちゃん「その旅人が、ワシら町の者にハク様の存在を広めたんじゃ」
友達A「その旅人が・・・」
おじいちゃん「その当時のワシらは今よりずっと貧しくてのぅ」
おじいちゃん「頼れるよりどころを欲していたんじゃろうな」
おじいちゃん「・・・その銅像を、願いの叶えてくれる神様の宿る銅像だと思い込んでしまった」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:22:26.70 ID:AoFIRxcT0
人間って汚いね
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:23:17.58 ID:Egk5E+UG0
友達A「ワシらって・・・まさか・・・・」
おじいちゃん「そう、ワシもその当時いた」
おじいちゃん「まだ若かったがのう」
友達A「おじいちゃんが・・・当事者・・・・」
おじいちゃん「・・・そしてワシらは、ハク様を一生懸命奉った」
おじいちゃん「願いを叶えてくれる神様だと信じて」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:29:18.59 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「当時のワシらは、とにかく何にでもすがった」
おじいちゃん「自分達で打破しようだなんて、誰一人思わなかった」
おじいちゃん「当時のワシらは、恐ろしく愚かだった」
おじいちゃん「そんなある時、ワシらは気付いてしまったんじゃよ」
ハク様の正体に。
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:30:02.94 ID:4IC94S1iP
正体とな
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:31:44.57 ID:Egk5E+UG0
友達A「正体って・・・・」
友達A「ハク様は神様じゃないってこと?」
おじいちゃん「いや、ハク様は確かに神様じゃ」
おじいちゃん「じゃが・・・・・」
おじいちゃん「ただの神様ではなかった・・・・」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:33:25.86 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ハク様は・・・・・・」
おじいちゃん「疫病神だったんじゃよ」
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:33:49.05 ID:ovwXbkKJO
ふっ…読めたぜ このSSのオチが!!
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:34:32.45 ID:ovwXbkKJO
>>161
違ってた ごめん
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:35:24.64 ID:AoFIRxcT0
>>161-162
吹いたwwwwwww
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:38:06.86 ID:1YFcpzkXO
笑いましたwww
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:42:26.34 ID:ovwXbkKJO
笑うな!!俺は真剣だったんだ(´;ω;`)
まさか俺が>>161を書いてる間に>>160が投下されるとは…
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:39:28.43 ID:Egk5E+UG0
>>162こっちこそなんかごめん
友達A「厄病神・・・・」
おじいちゃん「そう」
おじいちゃん「ハク様は、幸運を運ぶ神様などではなく」
おじいちゃん「それとは正反対の疫病神じゃった」
おじいちゃん「そしてそれが分かった時」
おじいちゃん「ワシらは怒り狂った」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:45:32.46 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「旅人が若くして死んだのも、きっと疫病神の呪いじゃったんじゃろう」
おじいちゃん「ワシらは怒り狂い、ハク様を罵った」
罵倒してけなして蹴り飛ばしてお供え物をぶつけ
うらみつらみを吐き出して願い思い祈り全て投げぶつけて
残酷に冷徹に冷酷に卑小に意地悪に
おじいちゃん「ワシらは全てをぶつけ」
おじいちゃん「そして、離れていった・・・・」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:51:29.23 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「これで、話すことは全てじゃ」
友達A「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・まさか」
おじいちゃん「こんな大事が昔にあったなんて思わなかったかのう?」
友達A「・・・うん」
友達A「まさかこんな事が・・・・」
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「ただ一つ、確実に言える事は」
おじいちゃん「ワシらは、罪深き生物だということじゃ」
173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:54:38.04 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ワシらは、ハク様に謝っても謝りきれない程の罪がある」
おじいちゃん「だが笑ってくれ」
おじいちゃん「臆病に生きてきたワシらは、謝ることすら怖くて出来んのじゃよ」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・それは、しょうがないんじゃないかな」
おじいちゃん「え?」
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:57:06.00 ID:Egk5E+UG0
友達A「当時の生き方は、それが主流だった」
友達A「もし俺がその場にいたら、俺も多分みんなと同じことをしてた」
友達A「許される罪では無いと思うけれど」
友達A「後悔を持っている限り、一生付き纏う罪でもないと思う」
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・うっぐ、ひっぐ」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:58:54.90 ID:Egk5E+UG0
ふとこの時
俺の脳裏を
何かがかすめた
一瞬すぎて
何かは分からなかったけど
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:01:20.00 ID:Egk5E+UG0
友達A「おじいちゃん・・・泣かないでよ・・・」
おじいちゃん「・・・すまんのぅ」
おじいちゃん「いい年して情けない」
友達A「・・・涙が出るのは、良い人の証拠だよ」
友達A「きっと」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:04:10.15 ID:Egk5E+UG0
シュッ
またしても何かがかすめた
しかし、今度は浮かんで消えたという感じがした
何なんだ一体?
心当たりも特には無いのに
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:07:03.13 ID:Egk5E+UG0
ドカッ
!!
かすめていた物が、意識の壁に当たった
これでようやく何かが見れる
さぁ、
見せろ
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:10:36.53 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「友達A?どうしたんじゃ?」
友達「・・・・え?」
おじいちゃん「なんか急にボーッとしたから心配したぞ」
友達A「・・・・・・」
友達A「ねぇおじいちゃん」
おじいちゃん「?」
友達A「ハク様の容姿ってどんなのか知ってる?」
友達A「銅像の姿以外で」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:12:26.60 ID:Z5aeAnDlO
追い付いた
最初は微妙かなぁと思ったけど、ドンドン引き込まれる
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:13:02.59 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ワシは見たことが無いんじゃが」
おじいちゃん「その旅人は見たって言っておった」
おじいちゃん「なんでも、若くて幼い女の子だったそうじゃ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は家を飛び出していた。
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:13:22.44 ID:P4LpCWrO0
こういうSSを見るのは珍しい
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:17:40.57 ID:Egk5E+UG0
最初に行った時、男は言っていた
『この女の子が見えねーのかよ』
男は森に入り浸りになった
男は、段々やつれていっていた
まるで病気のように
友達A「・・・そうか」
友達A「・・・そういうことだったのか」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:19:31.23 ID:MLeH7X3v0
うおおおおおおおおお
急 展 開
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:20:43.99 ID:Egk5E+UG0
恐らく旅人は、ハク様の姿を見ることが出来た
だから旅人はハク様とより長い時間付き合うことになった
そして旅人は、長く触れ合っているうちに疫病神の呪いを少しずつ受けていった
そして旅人は病気になった
そして最後には・・・・・
友達A「・・・くそったれ」
友達A「今の男と同じじゃねえか」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:23:41.87 ID:Egk5E+UG0
俺は走っている
ひたすら走っている
旅人は死んだ
誰にも気付かれずに
だが男は違う
俺は気付いた
そしてまだ間に合うかもしれない
だから俺は走る
全速力で
あの森に
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:28:30.25 ID:Egk5E+UG0
森の中
男「・・・なぁハク」
ハク「ん?どうしたの?」
男「なんかさ」
ハク「うん」
男「凄く変な感じがするんだ」
ハク「変な感じ?」
男「うん」
ハク「・・・やっぱり体調悪いんじゃ」
男「そうなの・・・かな・・・・・・」
男「・・・・・・・」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:31:41.28 ID:Egk5E+UG0
男はよろめいた
そして銅像に寄りかかった
ハク「だ、大丈夫!?」
男「な、なんとか」
ハク「やっぱり家でゆっくりした方がいいよ」
男「気に・・・すんな・・・・・」
男「なんとも・・・ないって・・・」
男「だから・・・」
ゴフッ
ビチャ
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:41:43.74 ID:Egk5E+UG0
そうして彼は
微かな意識を持ちながら
銅像に、血を吐いたのでした
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:45:41.70 ID:Egk5E+UG0
ハク「男!男しっかりして!」
男「・・・・・ん・・・・ん?」
男「・・・俺は・・・何をしたんだ?・・・」
ハク「いいからもう喋らないで!」
ハク「そこで安静にしてて」
ハク「今助けをよんでく・・・・」
ハク「助けを・・・・」
ハク「・・・・・・・」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:46:32.43 ID:AoFIRxcT0
チクショウめが…
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:48:25.06 ID:Egk5E+UG0
男「・・・無理・・・だ・・ろ・・・」
男「お前の・・姿・・・も声も・・・・」
男「俺・・・・位にし・・か・・・・見えな・・・いんだ・・から」
ハク「・・・・・・」
ハク「・・・うるさいうるさい!!」
ハク「いいから黙って安静にしてなさい!!」
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:54:19.70 ID:Egk5E+UG0
ハク「いいから見てなさい!!」
ハク「私だって頑張れば人間に声を届けるくらい!!」
男「周・・・りには・・・・誰も・・いな・・・・・・いが・な・・・」
男「ぉ・・まけ・・・・にゴフッ」
ハク「!!男!!」
男「おま・・・けに・・・ハア・・・」
男「もう・・・むrそ・・・うなkがs・・・るr」
ハク「待って!ダメ!それは絶対にだめ!!」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:59:12.91 ID:Egk5E+UG0
私は泣き叫んだ
いつまでもいつまでも続くように泣き叫んだ
私は乞いつづけた
どこまでもどこまでも届くように乞いつづけた
私は願った
なによりもなによりも大切な物のために願った
そして私はこう言い続けた
『お願い!!誰か助けて!!!!』
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:03:33.38 ID:Egk5E+UG0
一度でいい
誰かに届いてこの声
お願いだから
こんな私の些細な願いを聞いて
神様が願い事なんておかしいことだけれど
神様が願い事するなんてって笑われたっていい
だからお願い
届いてこの声
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:05:01.12 ID:Egk5E+UG0
森の中
間に合ったか間に合っていないかは分からないが
とにかく俺は森に着いた
だが・・・・・
友達A「・・・やべえ」
友達A「・・・銅像の場所もう覚えてねえ」
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:08:18.74 ID:Egk5E+UG0
森の中でも俺は走った
闇雲に
友達A「くそっ・・・・」
友達A「だめだ分かんねぇ・・・・」
森の中は広い
今の時間に追われる俺にとっては
余計に広く感じる
友達A「はぁ・・・はぁ・・・くそっ!くそっ!」
友達A「どうすりゃあいいんだよ・・・・」
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:11:54.70 ID:Egk5E+UG0
友達A「どうする・・・・」
友達A「どうするんだ俺は・・・」
・・・・kて
友達A「・・・・ん?」
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:14:25.66 ID:Egk5E+UG0
今、何か声が聞こえた気がする
・・・・けて』
上手く聞き取れない
俺は耳を澄ます
・・・・助けて』
まだ聞き取れない
俺は全神経を耳に集中させた
『誰か助けて!』
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:17:05.66 ID:Egk5E+UG0
確かに聞こえた
助けを呼ぶ声が
若い女の子の声が
224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:17:58.65 ID:AoFIRxcT0
ハクゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:19:21.35 ID:Egk5E+UG0
友達A「どっちだ」
友達A「どっちから聞こえた」
ーーーー!
ーーーー!
友達A「・・・・・」
友達A「・・・こっちか!」
227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:22:27.78 ID:Egk5E+UG0
ハク「はぁ・・・はぁ・・・」
男「ハク・・・もういいよ・・・」
ハク「!!」
ハク「男!!少し落ち着いた!!」
男「ああ・・・・」
男「けど多分・・・・次にまた・・・発作が来る・・・」
男「そしたら・・・俺は・・・きっと・・・耐えられない・・・」
ハク「そ・・・そんな・・・」
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:26:55.40 ID:Egk5E+UG0
やっぱり
私の声なんて届かない
私の願いなんか叶わない
人一人ですら救えない
私はあんなに救ってもらったのに
恩返しも出来ない
私は無力
神様を語るなんておこがましい
人々に罵られていたあの頃に
私は死んでいればよかったのだろうか
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:32:01.03 ID:Egk5E+UG0
男「そんな事は・・・・ねぇよ・・・」
ハク「・・・え?」
男「どうせ・・・私なんか・・・いなきゃよかったとか・・・」
男「思ってたん・・・・だろ・・・?」
ハク「なんで・・・」
ハク「なんで心が読めるのよ・・・ただの人間のくせに・・・」
男「人間には・・・さ・・・・・」
男「敏感な・・・・心がある・・んだよ・・・・」
ハク「そんなものがあったって・・・・」
ハク「助からないじゃない・・・・」
男「・・・・・・フフッ」
男「・・・そうでも・・・・ないぞ・・」
236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:35:05.15 ID:Egk5E+UG0
男「・・・耳を・・・・澄まして・・・みな・・・」
ハク「?」
ハクは耳を澄ませた
ザッ
ザッザッ
ザッザッザッ
ハク「足音・・・・・?」
男「誰かさんの・・・足音・・・・・」
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:35:05.89 ID:AoFIRxcT0
まずい男に掘れた
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:39:01.78 ID:Egk5E+UG0
足音が近づいてくる・・・・
段々音は大きくなり
次第に今度は影が見えてきた
明らかにこっちに向かってきている
もしかして・・・・
私の声が届いた?
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:46:16.17 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・やっと見つけた」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・朝以上に元気がないんじゃないのか?男」
男「だろうな・・・」
私はこの人を知っている
多分今回で会うのは3回目
昔と、初めて来た時と、今
友達A「・・・とりあえず救急車は呼んだ」
友達A「後は、お前の問題だ」
男「そう・・・か・・・」
男「・・・・・」
男「一つ・・・・聞きたい・・・んだが・・・」
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:49:49.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・なんだよ」
男「・・・・・」
男「・・・よく・・・道・・・・覚えてたな・・・」
友達A「何言ってんだ、覚えてたわけねーだろ」
男「ほう・・・・」
男「じゃあ・・・なんで・・・・ここにこれ・・・たんだ?・・・」
友達A「そんなもん分かってんだろ」
「声がしたからだよ」
244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:52:31.60 ID:Egk5E+UG0
男「声・・・・とな・・・?」
友達A「ああ」
友達A「可愛らしい女の子の声だったぜ」
友達A「ずっと聞いてたかったぐらいだ」
男「ふふっ・・・・そうか・・・い・・・」
男「・・・誰が・・・助けを・・・呼んでくれたんだろうな・・・・」
天使A「さぁな」
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:53:13.99 ID:Egk5E+UG0
やべえ友達が天使になってる、なんでだまじごめん
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:53:50.24 ID:4IC94S1iP
こんなところで仕事してたのか天使
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:54:32.62 ID:pziBMidlO
なんだ天使もここ見てたのかよ
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:55:32.75 ID:Egk5E+UG0
私の声は届いてた・・・・
私の願いは叶えてもらえてた・・・・
私は、救うことが出来たんだ・・・・
私は・・・・
私は・・・・
私は、その場で泣き崩れた
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:59:55.74 ID:Egk5E+UG0
男「・・・・そう・・・いえば・・・」
男「まだ・・・言って・・・なかった・・・・・」
友達A「何をだ?」
男「お前・・・・じゃねえ・・・・・」
男「空気に・・・向けて・・・だ・・・・」
友達A「ほう、空気に恩でもあるのか」
男「・・・・・さぁ・・な」
男「だが・・・・」
男「ありがとう・・・・・・・」
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:05:07.21 ID:Egk5E+UG0
その後、男は病院へ搬送された
救急隊員も顔をしかめるほどの重症らしい
なんか臓器がどうとかこうとか
果たしてあいつは生き延びる事が出来るのだろうか
疫病神のご加護なんてものまで付いてて
まったく不幸だねあいつも
けど
手術は成功すると俺は思っている
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:08:24.59 ID:AoFIRxcT0
テリーマン「俺も思ってるぜ」
以下略
ウォーズマン「こーほー」
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:09:37.40 ID:WUbwCSVE0
>>254
もうちょっと略さずに書いてやれよw
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:10:18.44 ID:Egk5E+UG0
後日 病院外来受付
友達A「あのーすいません」
受付「はい?」
友達A「面会をしたいのですが」
受付「ご家族の方ですか?それともお知り合いさんで?」
友達A「友達です」
友達A「男って言うんですけど」
受付「かしこまりました」
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:14:06.48 ID:Egk5E+UG0
病室
友達A「・・・・・・」
男「おう、久しぶりだな」
友達A「・・・・・・」
男「なんだよ」
友達A「・・・・ププク」
友達A「頭!ツルツル!はははh!」
男「てめぇ、笑うんじゃねえ!」
友達A「悪い悪い・・・・ック」
男「好きでこうなったわけじゃねえっつうの
男「薬の副作用っつうのらしくてよ」
男「おまけに体重も激減だしよ」
男「まったく、イケメンが台無しだぜ」
友達A「まぁ最後の発言には同情できないな」
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:15:28.47 ID:AoFIRxcT0
頭が饅頭みたいになったお陰でハクに甘噛みされる日々が(ry
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:23:37.32 ID:4IC94S1iP
>>258
ゴクリ…
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:16:28.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「退院はいつ頃なんだ?」
男「さぁな」
男「ただ、しばらくは無理そうだ」
友達A「・・・・そうか」
友達A「それじゃああそこに行くのはしばらく後になりそうだな」
男「あそこ?」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:18:02.30 ID:Egk5E+UG0
友達A「決まってんだろ?森だよ森」
男「あー」
男「その件でさ」
男「頼みたいことがあるんだよね・・・」
友達A「?」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:21:45.65 ID:Egk5E+UG0
男「お前1人で森に通ってやってくれない?」
友達A「・・・・は?」
男「いや、だから俺が行けない間さ」
男「代わりに行ってくれないかなって思って」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・いっとくが、俺はハク様とやらは見えんぞ」
友達A「てか、そんな事したら俺が呪われるじゃねーか!」
男「いやいや、そうじゃないんだ」
男「これを銅像にお供えしてくれるだけでいい」
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:23:40.51 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・これは?」
男「饅頭6個+お茶セット」
友達A「・・・・なんで?」
男「あいつの大好物だからだよ」
友達A「あ、そうなんだ」
男「だからさ、時々でいいからさ、頼むよ、な!」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・分かったよ」
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:27:47.42 ID:Egk5E+UG0
数日後 森の中
友達A「・・・これをお供えするだけでいいんだよな」
俺は紙袋(饅頭6個+お茶セット)を
銅像の前に置いた
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・お辞儀とかしなくていいよな」
友達A「・・・・・・」
友達A「よし、帰ろう」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:30:46.76 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・・・・」
友達A「・・・あのさ」
俺はふと、銅像に話しかけた
血迷ったか俺
友達A「・・・俺には姿を見ることは出来ないし、多分もう声を聞く事も出来ない」
友達A「でも、俺の声は聞こえてるかもしれないから、一応言っておくよ」
友達A「ありがとう」
268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:33:20.58 ID:Egk5E+UG0
そう言い終えた俺は、帰路につくことにした
銅像を背に帰る時
微かに声がした気がするが
きっと気のせいだろう
俺には、見ることも聞く事も出来ない物なのだから
fin
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:34:54.03 ID:NzhEfeRoO
乙!
面白かった
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:36:30.88 ID:AoFIRxcT0
あぁ…最高の乙だ…
こんなじかんまで起きさせやがってもう寝ない!
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:47:13.32 ID:AreglGRyO
乙!
ハクの口調に統一感がないのが少し気になったが…
面白かった!
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:48:33.41 ID:Egk5E+UG0
>>277慣れる前と発狂中とデレてる時と泣いてる時に分けようとしたんだ
だが力不足でオワタ
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:01:41.45 ID:AreglGRyO
>>279
そうなんか。
いや、こっちの読解力がなかった。スマン
場面場面で一人称の中の人が違ったりして、途中からどんどん引き込まれた。
改めて乙。
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:07:18.96 ID:Egk5E+UG0
ではそろそろ去りますー
皆様ありがとうございましたorz
287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:15:16.23 ID:ovwXbkKJO
俺からも乙と言わせてくれ(´;ω;`)
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:36:38.63 ID:Z5aeAnDlO
乙!
途中で友人Aが天使Aになったのは笑えた
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 13:06:40.18 ID:nBKl4dDr0
あの瞬間、友達Aが天使Aの記憶なくした転生後って事に勝手に読みかえてみたwwwww
>>1乙、意図してなかったらスマソ
でも、敢えておかえり天使Aと言わせてくれ
友達A「やってしまった・・・」おしまい
引用元
友達A「やってしまった・・・」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1239374623/
モグモグ
男「毎回同じ饅頭で飽きないのか?」
ハク「何を言うか」
ハク「この曲線のフォルム、色、ツヤ、味、匂い」
ハク「どれをとっても飽きる要素が無い」
男「饅頭のラインに興奮する奴初めて見たわ」
男「それより、そろそろ時間だな」
ハク「?何がじゃ?」
ハク「!!ゲホゲホ」
男「ほらきた」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 06:44:35.04 ID:Egk5E+UG0
朝起きて学校行って森に行って帰る
朝家族と適当に会話して学校で友達と喋って森で神様とだべる
普通の人より少し変わった生活を繰り返していた俺だったが
悪くは無い居心地で
こんな人生も有りかなって思ってたりもした
そんな事ばかりを考えていたから
俺は、崩れゆく何かに気付けなかった。
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:00:22.27 ID:Egk5E+UG0
自宅
男「おはよう」
母「あら、おはよう」
母「・・・ってどうしたのよ」
男「・・・?」
母「なんか疲れてるように見えるけど」
男「いや、全然疲れてないけど」
母「嘘おっしゃい」
母「最近少し調子が変だとは思っていたけど、今日は余計に体調悪そうよ」
男「う〜ん・・・」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:02:29.84 ID:Egk5E+UG0
男「俺的には何も異常はないんだが」
母「きっと部活のしすぎで疲れているのよ」
母「今日は休んだら?」
男「部活で疲れたので休みますなんて」
男「さすがに言えないって」
母「でも・・・」
男「大丈夫だって、じゃあ時間無いからもう行くよ」
ガチャンッ
母「・・・大丈夫かしら」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:05:23.06 ID:Egk5E+UG0
学校
男「ようおはよう友達A」
友達A「んあ?おう、おはよ・・・・・って」
友達A「どうしたんだお前」
男「?」
友達A「なんかすんごい疲れているように見えるぞ」
男「・・・そんな事ないだろ」
友達A「いやいや、確実にいつもより変だ」
友達A「最近変だなぁとは思ってたけど、今日は余計にひどいぞ」
男「まじかよ」
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:09:01.14 ID:Egk5E+UG0
男「俺の体が疲れてるだけだろきっと」
友達A「疲れてるってお前最近毎日部活サボって森に行ってんじゃねえか」
友達A「それとも森で部活以上にきつい自主トレでもしてんのか?」
男「それはまずないと思う・・・」
友達A「だろ?やっぱりおかしいよお前」
男「心配のしすぎだって」
キーンコーン カーンコ-ン
男「ほら、授業始まるぞ」
友達A「・・・・・・」
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:10:42.32 ID:Egk5E+UG0
放課後
男「じゃ、俺例の如く1人で帰るから」
他の友達「あ、ああ・・・・」
他の友達「・・・・・・」
他の友達「・・・なんかあいつ、最近おかしいよな」
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:13:28.93 ID:Egk5E+UG0
学校 放課後
友達A「すいません、今日部活や済ませてもらっていいですか?」
顧問「珍しいな、お前が部活休むなんて」
友達A「すいません・・・」
顧問「お前は真面目だから信用してるよ気にすんな」
顧問「それより男に顔を出せって言っといてくれ」
友達A「ははっ」
友達A「そう伝えときます」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:17:14.32 ID:Egk5E+UG0
学校 校門前
友達A(そういえばそうだ・・・)
友達A(あいつがおかしくなってきたのは)
友達A(あの銅像を見に行った日辺りからだ)
友達A(そして・・・あの時あいつは変なことを言っていた)
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:21:24.48 ID:Egk5E+UG0
―よく見ろって
―女の子がいた
友達A(・・・そんな事を言っていた)
友達A(あの時俺はてっきり冗談だと思っていたが)
友達A(もしかしたら)
友達A(あいつはあの時、何かに巻き込まれたのかもしれない)
そうして、俺はある場所に向かった
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:25:39.71 ID:Egk5E+UG0
森の中
ハク「男・・・お主どうしたんじゃ?」
ハク「なんか疲れているように見えるぞよ?」
またか
今日何回目だこれ言われたの
男「・・・もうそれは聞き飽きたよ」
ハク「でも変じゃ!」
ハク「最近少しだるそうに見えたが、今日はひとしきり変・・・」
男「だから、聞き飽きたってば」
ハク「・・・聞き飽きたって事は」
ハク「お主はそれだけおかしな状態になってるって事じゃぞ」
男「・・・・・・」
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:30:12.87 ID:Egk5E+UG0
ハク「おまけに」
ハク「饅頭とお茶まで忘れおって」
男「・・・あれ?」
男「おかしいな持ってきたと思ったのに」
男「悪いな」
ハク「・・・・・・」
ハク「・・・自覚症状はないんかえ?」
男「まったく無い」
男「だから、信じられない」
ハク「・・・・・・」
男「・・・・・・」
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 07:44:25.12 ID:AoFIRxcT0
久しぶりに元ネタのないSSを見た
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:01:24.87 ID:Egk5E+UG0
オリジナルのSSしか書けないんだぜまじすいません
コンコン
「はい」
友達A「また来たよ、おじいちゃん」
おじいちゃん「おお、また来てくれたんか」
おじいちゃん「・・・じゃがどうした?そんな血相変えて」
友達A「・・・ごめん、今回もゆっくりお茶できそうも無い」
友達A「おじいちゃん」
友達A「いますぐ聞きたい事があるんだ」
おじいちゃん「んん?」
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:04:13.65 ID:Egk5E+UG0
友達A「単刀直入に言うよ」
友達A「・・・この前の銅像の話なんだ」
おじいちゃん「・・・・・」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:08:09.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「正確に言えば」
友達A「ハク様のこと」
おじいちゃん「・・・・・・」
友達A「最初に聞いた時のおじいちゃん、少し様子が変だった」
友達A「もしかして・・・なんだけどさ」
友達A「おじいちゃんは何か知ってるんじゃないの?」
おじいちゃん「・・・・・・」
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:11:41.47 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・分かったよ」
おじいちゃん「話すよ、あの銅像について」
友達A「!!」
おじいちゃん「ただし」
おじいちゃん「お茶は飲んでいきなさい」
友達A「え・・・」
友達A「でも時間が・・・・」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:13:46.47 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「この話は、立ち話で終わるほど短くないんじゃよ」
おじいちゃん「だから、休憩をかねて話をするよ」
友達A「で・・・・でも・・・・」
おじいちゃん「急いては事をし損じる」
おじいちゃん「昔からの諺だよ」
友達A「・・・分かったよ、おじいちゃん」
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:20:30.72 ID:Egk5E+UG0
居間
おじいちゃん「そもそも」
おじいちゃん「あの銅像、ハク様は元々」
おじいちゃん「1人の旅人が見つけた銅像なんじゃよ」
友達A「旅人?」
おじいちゃん「ああ、旅人は若くして病に倒れてしまったんじゃが」
おじいちゃん「その旅人が、ワシら町の者にハク様の存在を広めたんじゃ」
友達A「その旅人が・・・」
おじいちゃん「その当時のワシらは今よりずっと貧しくてのぅ」
おじいちゃん「頼れるよりどころを欲していたんじゃろうな」
おじいちゃん「・・・その銅像を、願いの叶えてくれる神様の宿る銅像だと思い込んでしまった」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:22:26.70 ID:AoFIRxcT0
人間って汚いね
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:23:17.58 ID:Egk5E+UG0
友達A「ワシらって・・・まさか・・・・」
おじいちゃん「そう、ワシもその当時いた」
おじいちゃん「まだ若かったがのう」
友達A「おじいちゃんが・・・当事者・・・・」
おじいちゃん「・・・そしてワシらは、ハク様を一生懸命奉った」
おじいちゃん「願いを叶えてくれる神様だと信じて」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:29:18.59 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「当時のワシらは、とにかく何にでもすがった」
おじいちゃん「自分達で打破しようだなんて、誰一人思わなかった」
おじいちゃん「当時のワシらは、恐ろしく愚かだった」
おじいちゃん「そんなある時、ワシらは気付いてしまったんじゃよ」
ハク様の正体に。
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:30:02.94 ID:4IC94S1iP
正体とな
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:31:44.57 ID:Egk5E+UG0
友達A「正体って・・・・」
友達A「ハク様は神様じゃないってこと?」
おじいちゃん「いや、ハク様は確かに神様じゃ」
おじいちゃん「じゃが・・・・・」
おじいちゃん「ただの神様ではなかった・・・・」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:33:25.86 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ハク様は・・・・・・」
おじいちゃん「疫病神だったんじゃよ」
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:33:49.05 ID:ovwXbkKJO
ふっ…読めたぜ このSSのオチが!!
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:34:32.45 ID:ovwXbkKJO
>>161
違ってた ごめん
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:35:24.64 ID:AoFIRxcT0
>>161-162
吹いたwwwwwww
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:38:06.86 ID:1YFcpzkXO
笑いましたwww
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:42:26.34 ID:ovwXbkKJO
笑うな!!俺は真剣だったんだ(´;ω;`)
まさか俺が>>161を書いてる間に>>160が投下されるとは…
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:39:28.43 ID:Egk5E+UG0
>>162こっちこそなんかごめん
友達A「厄病神・・・・」
おじいちゃん「そう」
おじいちゃん「ハク様は、幸運を運ぶ神様などではなく」
おじいちゃん「それとは正反対の疫病神じゃった」
おじいちゃん「そしてそれが分かった時」
おじいちゃん「ワシらは怒り狂った」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:45:32.46 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「旅人が若くして死んだのも、きっと疫病神の呪いじゃったんじゃろう」
おじいちゃん「ワシらは怒り狂い、ハク様を罵った」
罵倒してけなして蹴り飛ばしてお供え物をぶつけ
うらみつらみを吐き出して願い思い祈り全て投げぶつけて
残酷に冷徹に冷酷に卑小に意地悪に
おじいちゃん「ワシらは全てをぶつけ」
おじいちゃん「そして、離れていった・・・・」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:51:29.23 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「これで、話すことは全てじゃ」
友達A「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・まさか」
おじいちゃん「こんな大事が昔にあったなんて思わなかったかのう?」
友達A「・・・うん」
友達A「まさかこんな事が・・・・」
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「ただ一つ、確実に言える事は」
おじいちゃん「ワシらは、罪深き生物だということじゃ」
173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:54:38.04 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ワシらは、ハク様に謝っても謝りきれない程の罪がある」
おじいちゃん「だが笑ってくれ」
おじいちゃん「臆病に生きてきたワシらは、謝ることすら怖くて出来んのじゃよ」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・それは、しょうがないんじゃないかな」
おじいちゃん「え?」
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:57:06.00 ID:Egk5E+UG0
友達A「当時の生き方は、それが主流だった」
友達A「もし俺がその場にいたら、俺も多分みんなと同じことをしてた」
友達A「許される罪では無いと思うけれど」
友達A「後悔を持っている限り、一生付き纏う罪でもないと思う」
おじいちゃん「・・・・・・」
おじいちゃん「・・・うっぐ、ひっぐ」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 08:58:54.90 ID:Egk5E+UG0
ふとこの時
俺の脳裏を
何かがかすめた
一瞬すぎて
何かは分からなかったけど
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:01:20.00 ID:Egk5E+UG0
友達A「おじいちゃん・・・泣かないでよ・・・」
おじいちゃん「・・・すまんのぅ」
おじいちゃん「いい年して情けない」
友達A「・・・涙が出るのは、良い人の証拠だよ」
友達A「きっと」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:04:10.15 ID:Egk5E+UG0
シュッ
またしても何かがかすめた
しかし、今度は浮かんで消えたという感じがした
何なんだ一体?
心当たりも特には無いのに
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:07:03.13 ID:Egk5E+UG0
ドカッ
!!
かすめていた物が、意識の壁に当たった
これでようやく何かが見れる
さぁ、
見せろ
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:10:36.53 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「友達A?どうしたんじゃ?」
友達「・・・・え?」
おじいちゃん「なんか急にボーッとしたから心配したぞ」
友達A「・・・・・・」
友達A「ねぇおじいちゃん」
おじいちゃん「?」
友達A「ハク様の容姿ってどんなのか知ってる?」
友達A「銅像の姿以外で」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:12:26.60 ID:Z5aeAnDlO
追い付いた
最初は微妙かなぁと思ったけど、ドンドン引き込まれる
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:13:02.59 ID:Egk5E+UG0
おじいちゃん「ワシは見たことが無いんじゃが」
おじいちゃん「その旅人は見たって言っておった」
おじいちゃん「なんでも、若くて幼い女の子だったそうじゃ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は家を飛び出していた。
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:13:22.44 ID:P4LpCWrO0
こういうSSを見るのは珍しい
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:17:40.57 ID:Egk5E+UG0
最初に行った時、男は言っていた
『この女の子が見えねーのかよ』
男は森に入り浸りになった
男は、段々やつれていっていた
まるで病気のように
友達A「・・・そうか」
友達A「・・・そういうことだったのか」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:19:31.23 ID:MLeH7X3v0
うおおおおおおおおお
急 展 開
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:20:43.99 ID:Egk5E+UG0
恐らく旅人は、ハク様の姿を見ることが出来た
だから旅人はハク様とより長い時間付き合うことになった
そして旅人は、長く触れ合っているうちに疫病神の呪いを少しずつ受けていった
そして旅人は病気になった
そして最後には・・・・・
友達A「・・・くそったれ」
友達A「今の男と同じじゃねえか」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:23:41.87 ID:Egk5E+UG0
俺は走っている
ひたすら走っている
旅人は死んだ
誰にも気付かれずに
だが男は違う
俺は気付いた
そしてまだ間に合うかもしれない
だから俺は走る
全速力で
あの森に
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:28:30.25 ID:Egk5E+UG0
森の中
男「・・・なぁハク」
ハク「ん?どうしたの?」
男「なんかさ」
ハク「うん」
男「凄く変な感じがするんだ」
ハク「変な感じ?」
男「うん」
ハク「・・・やっぱり体調悪いんじゃ」
男「そうなの・・・かな・・・・・・」
男「・・・・・・・」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:31:41.28 ID:Egk5E+UG0
男はよろめいた
そして銅像に寄りかかった
ハク「だ、大丈夫!?」
男「な、なんとか」
ハク「やっぱり家でゆっくりした方がいいよ」
男「気に・・・すんな・・・・・」
男「なんとも・・・ないって・・・」
男「だから・・・」
ゴフッ
ビチャ
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:41:43.74 ID:Egk5E+UG0
そうして彼は
微かな意識を持ちながら
銅像に、血を吐いたのでした
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:45:41.70 ID:Egk5E+UG0
ハク「男!男しっかりして!」
男「・・・・・ん・・・・ん?」
男「・・・俺は・・・何をしたんだ?・・・」
ハク「いいからもう喋らないで!」
ハク「そこで安静にしてて」
ハク「今助けをよんでく・・・・」
ハク「助けを・・・・」
ハク「・・・・・・・」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:46:32.43 ID:AoFIRxcT0
チクショウめが…
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:48:25.06 ID:Egk5E+UG0
男「・・・無理・・・だ・・ろ・・・」
男「お前の・・姿・・・も声も・・・・」
男「俺・・・・位にし・・か・・・・見えな・・・いんだ・・から」
ハク「・・・・・・」
ハク「・・・うるさいうるさい!!」
ハク「いいから黙って安静にしてなさい!!」
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:54:19.70 ID:Egk5E+UG0
ハク「いいから見てなさい!!」
ハク「私だって頑張れば人間に声を届けるくらい!!」
男「周・・・りには・・・・誰も・・いな・・・・・・いが・な・・・」
男「ぉ・・まけ・・・・にゴフッ」
ハク「!!男!!」
男「おま・・・けに・・・ハア・・・」
男「もう・・・むrそ・・・うなkがs・・・るr」
ハク「待って!ダメ!それは絶対にだめ!!」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 09:59:12.91 ID:Egk5E+UG0
私は泣き叫んだ
いつまでもいつまでも続くように泣き叫んだ
私は乞いつづけた
どこまでもどこまでも届くように乞いつづけた
私は願った
なによりもなによりも大切な物のために願った
そして私はこう言い続けた
『お願い!!誰か助けて!!!!』
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:03:33.38 ID:Egk5E+UG0
一度でいい
誰かに届いてこの声
お願いだから
こんな私の些細な願いを聞いて
神様が願い事なんておかしいことだけれど
神様が願い事するなんてって笑われたっていい
だからお願い
届いてこの声
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:05:01.12 ID:Egk5E+UG0
森の中
間に合ったか間に合っていないかは分からないが
とにかく俺は森に着いた
だが・・・・・
友達A「・・・やべえ」
友達A「・・・銅像の場所もう覚えてねえ」
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:08:18.74 ID:Egk5E+UG0
森の中でも俺は走った
闇雲に
友達A「くそっ・・・・」
友達A「だめだ分かんねぇ・・・・」
森の中は広い
今の時間に追われる俺にとっては
余計に広く感じる
友達A「はぁ・・・はぁ・・・くそっ!くそっ!」
友達A「どうすりゃあいいんだよ・・・・」
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:11:54.70 ID:Egk5E+UG0
友達A「どうする・・・・」
友達A「どうするんだ俺は・・・」
・・・・kて
友達A「・・・・ん?」
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:14:25.66 ID:Egk5E+UG0
今、何か声が聞こえた気がする
・・・・けて』
上手く聞き取れない
俺は耳を澄ます
・・・・助けて』
まだ聞き取れない
俺は全神経を耳に集中させた
『誰か助けて!』
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:17:05.66 ID:Egk5E+UG0
確かに聞こえた
助けを呼ぶ声が
若い女の子の声が
224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:17:58.65 ID:AoFIRxcT0
ハクゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:19:21.35 ID:Egk5E+UG0
友達A「どっちだ」
友達A「どっちから聞こえた」
ーーーー!
ーーーー!
友達A「・・・・・」
友達A「・・・こっちか!」
227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:22:27.78 ID:Egk5E+UG0
ハク「はぁ・・・はぁ・・・」
男「ハク・・・もういいよ・・・」
ハク「!!」
ハク「男!!少し落ち着いた!!」
男「ああ・・・・」
男「けど多分・・・・次にまた・・・発作が来る・・・」
男「そしたら・・・俺は・・・きっと・・・耐えられない・・・」
ハク「そ・・・そんな・・・」
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:26:55.40 ID:Egk5E+UG0
やっぱり
私の声なんて届かない
私の願いなんか叶わない
人一人ですら救えない
私はあんなに救ってもらったのに
恩返しも出来ない
私は無力
神様を語るなんておこがましい
人々に罵られていたあの頃に
私は死んでいればよかったのだろうか
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:32:01.03 ID:Egk5E+UG0
男「そんな事は・・・・ねぇよ・・・」
ハク「・・・え?」
男「どうせ・・・私なんか・・・いなきゃよかったとか・・・」
男「思ってたん・・・・だろ・・・?」
ハク「なんで・・・」
ハク「なんで心が読めるのよ・・・ただの人間のくせに・・・」
男「人間には・・・さ・・・・・」
男「敏感な・・・・心がある・・んだよ・・・・」
ハク「そんなものがあったって・・・・」
ハク「助からないじゃない・・・・」
男「・・・・・・フフッ」
男「・・・そうでも・・・・ないぞ・・」
236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:35:05.15 ID:Egk5E+UG0
男「・・・耳を・・・・澄まして・・・みな・・・」
ハク「?」
ハクは耳を澄ませた
ザッ
ザッザッ
ザッザッザッ
ハク「足音・・・・・?」
男「誰かさんの・・・足音・・・・・」
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:35:05.89 ID:AoFIRxcT0
まずい男に掘れた
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:39:01.78 ID:Egk5E+UG0
足音が近づいてくる・・・・
段々音は大きくなり
次第に今度は影が見えてきた
明らかにこっちに向かってきている
もしかして・・・・
私の声が届いた?
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:46:16.17 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・やっと見つけた」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・朝以上に元気がないんじゃないのか?男」
男「だろうな・・・」
私はこの人を知っている
多分今回で会うのは3回目
昔と、初めて来た時と、今
友達A「・・・とりあえず救急車は呼んだ」
友達A「後は、お前の問題だ」
男「そう・・・か・・・」
男「・・・・・」
男「一つ・・・・聞きたい・・・んだが・・・」
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:49:49.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・なんだよ」
男「・・・・・」
男「・・・よく・・・道・・・・覚えてたな・・・」
友達A「何言ってんだ、覚えてたわけねーだろ」
男「ほう・・・・」
男「じゃあ・・・なんで・・・・ここにこれ・・・たんだ?・・・」
友達A「そんなもん分かってんだろ」
「声がしたからだよ」
244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:52:31.60 ID:Egk5E+UG0
男「声・・・・とな・・・?」
友達A「ああ」
友達A「可愛らしい女の子の声だったぜ」
友達A「ずっと聞いてたかったぐらいだ」
男「ふふっ・・・・そうか・・・い・・・」
男「・・・誰が・・・助けを・・・呼んでくれたんだろうな・・・・」
天使A「さぁな」
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:53:13.99 ID:Egk5E+UG0
やべえ友達が天使になってる、なんでだまじごめん
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:53:50.24 ID:4IC94S1iP
こんなところで仕事してたのか天使
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:54:32.62 ID:pziBMidlO
なんだ天使もここ見てたのかよ
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:55:32.75 ID:Egk5E+UG0
私の声は届いてた・・・・
私の願いは叶えてもらえてた・・・・
私は、救うことが出来たんだ・・・・
私は・・・・
私は・・・・
私は、その場で泣き崩れた
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 10:59:55.74 ID:Egk5E+UG0
男「・・・・そう・・・いえば・・・」
男「まだ・・・言って・・・なかった・・・・・」
友達A「何をだ?」
男「お前・・・・じゃねえ・・・・・」
男「空気に・・・向けて・・・だ・・・・」
友達A「ほう、空気に恩でもあるのか」
男「・・・・・さぁ・・な」
男「だが・・・・」
男「ありがとう・・・・・・・」
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:05:07.21 ID:Egk5E+UG0
その後、男は病院へ搬送された
救急隊員も顔をしかめるほどの重症らしい
なんか臓器がどうとかこうとか
果たしてあいつは生き延びる事が出来るのだろうか
疫病神のご加護なんてものまで付いてて
まったく不幸だねあいつも
けど
手術は成功すると俺は思っている
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:08:24.59 ID:AoFIRxcT0
テリーマン「俺も思ってるぜ」
以下略
ウォーズマン「こーほー」
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:09:37.40 ID:WUbwCSVE0
>>254
もうちょっと略さずに書いてやれよw
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:10:18.44 ID:Egk5E+UG0
後日 病院外来受付
友達A「あのーすいません」
受付「はい?」
友達A「面会をしたいのですが」
受付「ご家族の方ですか?それともお知り合いさんで?」
友達A「友達です」
友達A「男って言うんですけど」
受付「かしこまりました」
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:14:06.48 ID:Egk5E+UG0
病室
友達A「・・・・・・」
男「おう、久しぶりだな」
友達A「・・・・・・」
男「なんだよ」
友達A「・・・・ププク」
友達A「頭!ツルツル!はははh!」
男「てめぇ、笑うんじゃねえ!」
友達A「悪い悪い・・・・ック」
男「好きでこうなったわけじゃねえっつうの
男「薬の副作用っつうのらしくてよ」
男「おまけに体重も激減だしよ」
男「まったく、イケメンが台無しだぜ」
友達A「まぁ最後の発言には同情できないな」
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:15:28.47 ID:AoFIRxcT0
頭が饅頭みたいになったお陰でハクに甘噛みされる日々が(ry
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:23:37.32 ID:4IC94S1iP
>>258
ゴクリ…
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:16:28.13 ID:Egk5E+UG0
友達A「退院はいつ頃なんだ?」
男「さぁな」
男「ただ、しばらくは無理そうだ」
友達A「・・・・そうか」
友達A「それじゃああそこに行くのはしばらく後になりそうだな」
男「あそこ?」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:18:02.30 ID:Egk5E+UG0
友達A「決まってんだろ?森だよ森」
男「あー」
男「その件でさ」
男「頼みたいことがあるんだよね・・・」
友達A「?」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:21:45.65 ID:Egk5E+UG0
男「お前1人で森に通ってやってくれない?」
友達A「・・・・は?」
男「いや、だから俺が行けない間さ」
男「代わりに行ってくれないかなって思って」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・いっとくが、俺はハク様とやらは見えんぞ」
友達A「てか、そんな事したら俺が呪われるじゃねーか!」
男「いやいや、そうじゃないんだ」
男「これを銅像にお供えしてくれるだけでいい」
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:23:40.51 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・これは?」
男「饅頭6個+お茶セット」
友達A「・・・・なんで?」
男「あいつの大好物だからだよ」
友達A「あ、そうなんだ」
男「だからさ、時々でいいからさ、頼むよ、な!」
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・分かったよ」
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:27:47.42 ID:Egk5E+UG0
数日後 森の中
友達A「・・・これをお供えするだけでいいんだよな」
俺は紙袋(饅頭6個+お茶セット)を
銅像の前に置いた
友達A「・・・・・・」
友達A「・・・お辞儀とかしなくていいよな」
友達A「・・・・・・」
友達A「よし、帰ろう」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:30:46.76 ID:Egk5E+UG0
友達A「・・・・・・・」
友達A「・・・あのさ」
俺はふと、銅像に話しかけた
血迷ったか俺
友達A「・・・俺には姿を見ることは出来ないし、多分もう声を聞く事も出来ない」
友達A「でも、俺の声は聞こえてるかもしれないから、一応言っておくよ」
友達A「ありがとう」
268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:33:20.58 ID:Egk5E+UG0
そう言い終えた俺は、帰路につくことにした
銅像を背に帰る時
微かに声がした気がするが
きっと気のせいだろう
俺には、見ることも聞く事も出来ない物なのだから
fin
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:34:54.03 ID:NzhEfeRoO
乙!
面白かった
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:36:30.88 ID:AoFIRxcT0
あぁ…最高の乙だ…
こんなじかんまで起きさせやがってもう寝ない!
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:47:13.32 ID:AreglGRyO
乙!
ハクの口調に統一感がないのが少し気になったが…
面白かった!
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 11:48:33.41 ID:Egk5E+UG0
>>277慣れる前と発狂中とデレてる時と泣いてる時に分けようとしたんだ
だが力不足でオワタ
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:01:41.45 ID:AreglGRyO
>>279
そうなんか。
いや、こっちの読解力がなかった。スマン
場面場面で一人称の中の人が違ったりして、途中からどんどん引き込まれた。
改めて乙。
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:07:18.96 ID:Egk5E+UG0
ではそろそろ去りますー
皆様ありがとうございましたorz
287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:15:16.23 ID:ovwXbkKJO
俺からも乙と言わせてくれ(´;ω;`)
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 12:36:38.63 ID:Z5aeAnDlO
乙!
途中で友人Aが天使Aになったのは笑えた
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/11(土) 13:06:40.18 ID:nBKl4dDr0
あの瞬間、友達Aが天使Aの記憶なくした転生後って事に勝手に読みかえてみたwwwww
>>1乙、意図してなかったらスマソ
でも、敢えておかえり天使Aと言わせてくれ
友達A「やってしまった・・・」おしまい
引用元
友達A「やってしまった・・・」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1239374623/
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