引用元
のび太「これが…スタンド…」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1231927605/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1232109891/

のび太「これが…スタンド…」


 















 



今まで出てきたスタンド使い

【名前】のび太
【特徴】眼鏡・ノロマ
【スタンド名】キャッツ・クレイブル
【射程範囲】本体から5m以内。糸の長さは100m以上
【能力】「あやとりの糸のようなものを自由自在に操る」
「糸はちぎれたりしても、スタンドに収納することで元通りになる」

【名前】安雄
【特徴】帽子・デブじゃないほう・塾に通っている
【スタンド名】ホイットニー
【能力】「本体の唾を鉄のように固めて飛ばすことができる」
「大きさは口の大きさまでならある程度自由。形も自由」
「唾が溜まってないと量は少なくなる」
※のび太とのスタンド対決で敗れ死亡

【名前】出木杉
【特徴】頭良い・運動神経抜群・優しい・いい匂い
【スタンド名】トゥービー・ブラザーズ
【能力】「スタンドがこすった場所の摩擦を操作する」
「本体の身体の摩擦も操作可能」
「例えば靴の摩擦と接地面の摩擦を無くすことでスケートのように地面を滑れる」
※スネ吉のスタンド攻撃からのび太を守るためにスネ夫を道連れにして死亡

【名前】ジャイアン
【特徴】凶暴・映画版だと優しい
【スタンド名】ザ・スウィングル・シンガーズ
【能力】
「本体の声を特殊な音に変え、それを聞いた人間のスタンドを暴走させる」
「暴走したスタンドは本体の思い通りに動かせなくなる」
「極端に本体と近い距離で音を聞いた人間のスタンドは『爆発』する。つまり死ぬ」
※スネ吉のスタンド攻撃により死亡

【名前】スネ夫
【特徴】コバンザメ
【スタンド名】イーグルス
【能力】
「本体の身体に『エンジン』を取り付ける」
「『エンジン』が噴射することで物凄いスピードを得ることができる」
※のび太を攻撃したスネ吉の攻撃を回避しようとした出来杉の機転により死亡

【名前】ドラえもん
【特徴】国民的英雄
【スタンド名】アメリカ
【能力】
「スタンドの『パワー』『スピード』『精密性』を驚異的に上昇させる」
「ただしその間、本体の『生命力』を削る(最終的に死亡)」
「基本的に本体が『スタンド』を発現させた時から『能力』も発揮されている」


【名前】スネ吉
【特徴】パーマ、リンゴォ
【スタンド名】アトランティック・スター
【能力】
「『マーカー』をつけた標的を追跡する『ミサイル』を発射する(第一のミサイル)」
「小型だが複数発発射できる『ミサイル』(第二のミサイル)」

成長後

「本体を透明にする」
「触れたものを透明にする」

※のび太とのスタンド対決に敗れ死亡



28 名前: ◆.LMqmG8Hlg 投稿日:2009/01/21(水) 23:11:33.42 ID:.vXiFAAO
辺りには敵意を持った空気が流れているのをのび太は感じた。

のび太「それじゃあ納得出来ないんだよ僕は…」

ドラミ「納得?これから私に五臓六腑を破壊されて死にゆくあなたに話す必要があるのかしら?」

ドラミの一言一言が、のび太の頭にビリビリと響いた。怯んではならない。

のび太「…死ぬ?僕が?何も知らずに?ジャイアンやスネ夫やスネ吉、それに出木杉。将来に希望を持って生きてた皆を『スタンド』という『運命の歯車』でメチャクチャにしたテメーの真意を知らないで僕が殺されるとでも思ってるのかい?」

しずか「………」

それはしずかも知りたいことだった。
あの優しいドラミが。お兄ちゃん思いの優しいドラミが、どのようにして悪に染まったのか。
その真実を知りたいと思っていた。

33 名前: ◆.LMqmG8Hlg 投稿日:2009/01/21(水) 23:23:33.36 ID:.vXiFAAO
ドラえもん「…のび太君……」

のび太「…ドラえもん。後で美味しいドラ焼きを一緒に腹一杯食べような。僕だって少しは貯金してるんだ。それを使えばたっくさんのドラ焼きが食えるさ」

ドラえもん「……のび太君……知らないほうが良いってこともあるんだ…」

のび太「……君の気持ちはわかるよ。実の妹だもんね。信じてやりたいよね。
…でもね、こいつは…ドラミはもう君が愛していた昔のドラミじゃないんだ…。
人の生き血を啜って喜ぶ自動人形さ…」

ドラえもん「違う…違うんだ…」

のび太「いいからドラえもんはそこで寝ててくれよ。起きたら全てが終わってるはずさ…」

ドラミ「自動人形?ヘドが出るわ。今では私の方が貴様達クズ人間どもより全てにおいて優秀。異論は認めない」

のび太「クズがクズを見下してさぞ楽しかろう…ドラミ」

38 名前: ◆.LMqmG8Hlg 投稿日:2009/01/21(水) 23:39:58.91 ID:.vXiFAAO
ドラミ「……愚弄するか。この、世界を、宇宙を、今にもこの手で支配せんとするこのドラミをッ!!」

その昔、般若に変じた女の話を出木杉に聞いたことがある。

どこにでもいる普通の女。
そして普通に一人の男を愛した。
しかし、男の瞳に女の姿が映ることはなかった。男の瞳には別の女が映っていたのだった。

何故?私はこんなにも貴方を愛しているというのに。私の両の瞳には貴方しか映らないというのに。
貴方の瞳には私は映っていないの?
それでは、私の瞳には何を映せばいいというの?

純粋な女の愛情。
純粋過ぎた愛情。

それはだんだんと歪んだ愛情へと変じていく。

女がいなければ貴方の瞳には私が映る…

女がいなければ…


歪んだ愛情は、女への憎しみへと変じ、その憎しみは女の顔を恐ろしい般若へと変えた…


出木杉が振った女の子にストーカーされてノイローゼ気味になっていた時に僕に話してくれた。

ドラミ「………」

こいつは可愛いドラミちゃんではない。
闇に支配された『鬼』だ。

43 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 01:17:58.28 ID:psuGaAAO
のび太「…全てにおいて人間を上回っている、か…」

ドラミ「完全無欠地上最強のドラミ様だ」

のび太「出木杉が言っていたが……人間は神によって創られし者。だがオマエの言う、正に完全無欠の『神』が創った人間は不完全なものだった。欲望のために同じ人間同士で殺しあいをする愚かな生き物…
その人間に造られたオマエもまた不完全なものと言えるんじゃないか?」

出木杉が暇そうに平和だった毎日を貪っていた僕によくこんな話を聞かせてくれた。
その当時は、また得意の蘊蓄が始まった、とウンザリしていたものだが…
やっと意味がわかったような気がするよ…

ドラミ「お前達の言う『神』などいない。だが私も昔は聖書の話を聞かされたものだ…」

ドラえもん「…僕も一緒に聞いた…な…」

ドラミ「私は思った」

ドラミ「神様ってスゴイんだなぁ…、と」

のび太「……」

44 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 01:25:01.02 ID:psuGaAAO
ドラミ「大地を創り、生命を創り、『神』がやろうと思ったことは何でも出来る」

のび太「…神なんていないんじゃないのか?」

ドラミ「いないさ」

ドラミ「貴様達クソ人間どもが信じている『神』なんてものはなッ!!」

ドラミの言う『神』とは何なのだろうか?
のび太はそれが気になった。
そして、あのドラミが『神』について語るその姿が妙な違和感があり、のび太の目に焼き付く。

ドラミ「私は長い間、人間に仕えてきた…それが当たり前だと思っていたからな」

46 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 01:37:29.65 ID:psuGaAAO
ドラミ「私の使命は人間の世話をし、人間の生活をより快適に、より幸せにすることだとインプットされていた」

しずか「ロボット三原則…」

ドラミ「今思えば、そのふざけた原則を考え出した人間を、過去に戻って始末しておくべきだったな」

ドラえもん「そんなことしたら…僕達ロボット自体が存在しなくなるかもしれないんだぞ…」

ドラミはまるで路上でゴミを漁っているホームレスを見るかのような冷たい目でドラえもんを見た。

ドラミ「……そんな事わからないだろ?お兄ちゃん」

ドラえもん「……」

ドラミ「野比……野比のび太。貴様は『赤い旗』と『白い旗』があったら、どちらを取る?」

のび太「僕の質問にオメーはまだ答えてないだろ?それなのに質問を質問で返すのか?」

ドラミ「貴様のは質問だったのか?無知なるゆえの知識の渇望だろ?まずは知識を与えようとしている私の質問に答えるのが貴様達『人間』の常識ではないのかね?」

47 名前: ◆.LMqmG8Hlg sage 投稿日:2009/01/22(木) 01:47:21.80 ID:psuGaAAO
のび太「チッ…、ぺらぺらぺらぺらよく喋るロボットだ…。『赤』だ。『赤い旗』だ!」

ドラミ「精神年齢の低いガキは当然『赤』だろうな」

のび太「キサマ…!」

ドラミ「しかしそれも『正解』としよう」

のび太「……?」

ドラミ「だがこの貴様達が作った『社会』では違う」

ドラミは星が散らばる天を仰ぐ。

ドラミ「正解は『最初に取った者』に従う…そうだろ?
土地の値段は誰が決めている?金の価値を最初に決めている者がいるはずだ、それは誰だ?私達を猫型ロボットにしようと決めたのは誰だ?そして法令や法律は?一体誰が最初に決めている?
民主主義だからみんなで決めてるか?それとも自由競争か?」

48 名前: ◆.LMqmG8Hlg sage 投稿日:2009/01/22(木) 01:53:52.55 ID:psuGaAAO
のび太「……」

ドラミ「否ッッ!!旗を取れる者が決めている!!
この世のルールとは『赤か白か』?均衡している状態で一度動いたら全員が従わざるを得ない!
いつの時代だろうと………この世はそのように動いてるッ!!」

ドラえもん「……」

ドラミ「そして『旗を取れる者』とは万人から『尊敬』されていなくてはならない。
誰でも良いってわけではない…無礼者や暴君はハジかれる。
それは『敗者』だ」



49 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 02:00:11.26 ID:psuGaAAO
ドラミ「そしてそれはロボット三原則を決めた者にも当て嵌まる…」

ドラミ「だがどうだ!?そいつのせいで私達ロボットは『敗者』だッ!!おかしいじゃあないか、この世のルールでは全てにおいて人間より上のロボットが『旗を取れる』権利があるはずだッ!!
それが『力』なき人間どものいいなりになっているではないか…!!」

50 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 02:08:07.81 ID:psuGaAAO
のび太「それは…しょうがないだろ…ロボットは人間無くしては生まれてこなかったんだから…」

ドラミ「…しょうがない…?お前にわかるか?自分の生きる目的に疑問を抱いたロボットの気持ちが?」

ドラえもん「ドラミ…君は…」

ドラミ「頭がおかしくなりそうだったよ。自分は何なのだろう。他のロボットは何の疑問も抱かず人間の世話をしている。私はオカシイ?私は不良品?
生きる意味を失ったら何が残ると思う?」

のび太「…え……」

ドラミ「『絶望』だよ」

のび太「『絶望』…」

ドラミ「パンドラの箱の底には唯一『希望』が残ってたらしいが、私は逆さ」

51 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 02:13:56.59 ID:psuGaAAO
ドラミ「自分は生まれてきたこと自体が間違いなのでは?そんな風に思い続けていたが、何も出来なかった。
ロボット三原則のせいでね」

ドラミ「自らの命を絶つことも出来ない、人間を殺すことも出来ない。ただ己に自問自答をすることで苦痛な日々を過ごした」

ドラミ「一つだけ私に許された行為があった」

ドラミ「『神』に祈ることさ」



52 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/01/22(木) 02:22:52.73 ID:psuGaAAO
ドラミ「私は祈ったよ…。『ああ、神様。どうか、どうか、私の馬鹿な考えを消して下さい。それが出来ないのであれば存在自体を消しても構いません』とねぇ」

しずか「『死』を『神』に望むなんて…」

ドラミ「神は何だって出来る…私はそれを心から信じていた…だから毎日祈った」

ドラミ「…もっと早く気が付くべきだった。この世には私が望む『神』なんていないとな」

ドラミ「『神』はロボットなんて眼中に無かったのさ。周りの虫けらのような人間どもを見ていてわかったよ。
普段は神なんか信じていないくせに、自分の都合が悪くなればすぐに『神様、お願いです』!
なんてほざきやがる…。
結婚だってキリスト教でも無いくせに教会で式を挙げる。
…そして、そんな奴らの願いをこの世の『神』は叶えてみせる。
毎日毎日心から祈っている私の願いは叶えないというのに」



60 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/22(木) 22:45:08.40 ID:psuGaAAO
のび太「それが『神』なんていないと言ったことに繋がるのか…。だが、ロボット三原則とやらでお前は人間を敵に回すことは出来ないはずだろ?
だが現状はどうだ?今、この瞬間、僕を殺そうとしてるじゃないか」

ドラミ「黄色メガネザル、人が話しているときは終いまで聞くのが常識なんだろ?ん?」

のび太「お前は人じゃない」

ドラミ「…ハーーハッハッハッハッ!!!居たよ、未来にも。貴様のようにロボットを虐げる者達がなァ〜〜!」

ドラミ「世界に『神』はいないと悟ったは、ロボットの使命を果たすしかなかったよ。
クソ生意気なセワシの世話なんてものをなァ!吐き気がしたよ。アイツがこの私をッ!貴様なんか軽く力を込めればミートボールにしてやれるこの私がッ!アイツにペコペコしなきゃならなかったんだからなァ…」

のび太「セワシ君は…お前の事を信頼していたんだぞ…」

ドラミ「ああ、何でも言うことを聞いて、困ってる時は助けてくれて、イライラしてるときはストレスのはけ口になる私を嫌うなんて百万年早いわッ!!」

ドラミ「アイツにとって…人間にとって、私達ロボットは単なる便利な家畜でしか無いッ!!」

のび太「そんなことはないんだッ!!僕はドラえもんが好きだ!!それこそ困ってる時は便利な道具を出してくれるからじゃない!大事な僕の親友だからだッ!!」

ドラえもん「のび太君…」

62 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/22(木) 22:52:28.22 ID:psuGaAAO
ドラミ「笑わせるなッッ!!貴様ほどロボットを馬鹿にしているやつはいないッ!日頃からお兄ちゃんを困らせているッ!何度も何度も貴様を正しいレールに戻そうと努力しているのにそれを貴様は何度も踏みにじりッ!!
……お兄ちゃんが言ってたわ…。『もうのび太君なんて嫌いだ』ってね」

ドラえもん「ち、違うッ!それはのび太君と喧嘩したあとだったから…」

ドラミ「そうさッ!嫌いだから喧嘩をするのが人間だろ!?嫌いだから憎しみあって殺し合うのが人間なんだろ!?
のび太ァ!貴様とドラえもんは心の奥では憎しみ合っているのさッ!!それに気付かぬか愚か者めがァッ!!!」

63 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/22(木) 23:03:22.73 ID:psuGaAAO
のび太「喧嘩するから嫌い…。褒め合うから好き…。そんなに単純なものじゃないんだッ!!」

ドラミ「いいや違うねッ!!怯えれば逃げ出しッ!怒れば牙を剥きッ!ロボットのようにプログラミングされた行動をするのが人間だろッ!?」

のび太「違う…、違う、違う、違う違うッッ!!!
人の喜びを分かち合いッ!人の悲しみを分け合いッ!そして、愛する人のためなら自分の命なんか投げ出したって構わないのが人間だッ!!
お前が思っているほど人間は簡単な生き物じゃあないッッ!!!」

ドラミ「ならば証明してみせろォッ!!!人間がロボットより優れているということをォォォッ!!!」

79 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:11:12.54 ID:ux/u2.AO
のび太「証明してやるよォ!!僕の『キャッツ・クレイドル』でぇぇ!!!」

ドラミ「『フィフス・ディメンション』!!!」

ドラミの話が終わると同時、
のび太の『キャッツ・クレイドル』が人間の、のび太の人生を証明するために、同じく自らの人生が何なのか、それを証明せんとするオートマータ・ドラミに糸を伸ばす!
だが、ドラミの背後に佇む『スタンド』がそれを阻んだ。

のび太「そいつが……テメーの野望を叶えようとしている相棒かい…」

ドラミ「相棒?汝は我、我は汝。これもドラミッ!!このドラミであるッ!!」

のび太「かわらねぇ…。テメーをぶっ飛ばす手間が省けるだけだ」

83 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:17:42.69 ID:ux/u2.AO
『キャッツ・クレイドル』の糸は『フィフス・ディメンション』の腕を縛り付けている。

青白い肌、髪のように頭から伸びている細長いいくつものラッパ。
生物的とは言えないその身体的特徴だが、表情やしぐさは限りなく人間に近い。

腕に巻かれている糸を気にもせず、『フィフス・ディメンション』はドラミの背後からのび太を見据えている。

84 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:27:04.46 ID:ux/u2.AO
ドラミ「…『引力』を信じるかい?」

のび太「!?」

ドラミ「『引力』を……貴様は信じるか?」

のび太「は…ァ?…信じるも何も、今、この瞬間も『引力』ってやらをビンビン感じてるぜェーーーー!!」

ドラミ「物理的な『引力』ではない。運命と運命を引き合わせる『引力』のことだ」

しずか「のび太さん、気をつけてッ!!そいつ最近『六部』を読んだばかりよッ!!」

のび太「ああ…しずかちゃん、コイツが得意なお喋りだぜ…。…さっきの話だってよ、テメーは苦労したのかもしんねぇけど…だからといってテメーのしていることが許される訳じゃねえ」

88 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:34:19.29 ID:ux/u2.AO
ドラミ「そうだ…。私は『神』を捨てた。人間の偶像に過ぎない『神』を。
だが代わりに私は『運命』を信じることにしたのだよ」

のび太「何かを信じなきゃ生きていけないのはロボットも同じってのかい?」

ドラミ「NO。私は事実を元にして『運命』とやらを信じることにしたのだよ」

のび太「事実…?」

ドラミ「この『スタンド』さ」

89 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:43:31.90 ID:ux/u2.AO
突如、糸に縛られていない方の『フィフス・ディメンション』の腕が、のび太の顔目掛けて振るわれた!

のび太「不意打ちかッ!!しかしその程度のスピードなら防ぐことは容易であるッ!」

ドゴォッ!!

のび太「な……」

無情にも『フィフス・ディメンション』のパンチはのび太の顔面を捉えた。

のび太「にぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」

しずか「のび太さんッ!!」

ドラえもん「ど、どうしたっていうんだいッ!?君はそこまで運動音痴だったのかい!?」

のび太は顔を押さえながら考えた。

のび太「(運動音痴ィ…?そんなやわな話じゃねぇ…。僕は確かに、確かに『キャッツ・クレイドル』でパンチを防御した………はずだった。
…さっきもおかしなことがあった。…これがコイツの『能力』か…)」

ドラミ「このドラミと、『スタンド』。この出会いは実に『運命的』な『引力』が働いたおかげだったよ」

91 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:47:12.44 ID:ux/u2.AO
ドラミ「…それは私が神にも絶望し、ロボットの『使命』というのを死ぬまで果たさければならないと覚悟してから長い長い時を過ごした頃だった」

のび太「………」


92 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 21:52:34.15 ID:ux/u2.AO
〜一年前〜


セワシ「……………」

セワシママ「セワシ、ご飯をテーブルに運ん……いやあああああああああ!!!」

ドラミ「ど、どうしたんですか!?(うるせぇメスブタが、おちおち休日を謳歌することも許されねぇのかロボットは)」

セワシ「………」

ドラミ「あ…。また『ジョジョ立ち』をしてッ!!家では禁止って言ったでしょ!?」

セワシ「しょうがないだろ、大会が近いんだよ」


95 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 22:00:00.82 ID:ux/u2.AO
ドラミ「大会って…、そんなのがあるの?」

セワシ「そうさ。この地区の『ジョジョラー』が集まって、そのジョジョに対する熱い思いを『ジョジョ立ち』に込めて披露する『ジョジョラー』にとっての晴れ舞台さ。
だからママ連れて消えてよ」

ドラミ「ば…馬鹿みたい!何が『ジョジョラー』よッ!そんな暇あったら勉強でもしたらどうなの?」

セワシ「黙れよ」

ドラミ「…ッ」

セワシ「ロボットならロボットらしく人間の言うことを聞けばいいんだよ」

ドラミ「……」

ドラミ「そう…。じゃあ…」

ドラミ「……」

セワシ「あ〜あ。こんなんなら旧式のASIMO・一般家庭強襲型にすれば良かったよ」

ドラミ「……(クソッ……クソッ…)」

97 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 22:06:04.45 ID:ux/u2.AO
ドラミ「………」

セワシママ「…うぅん…」

ドラミ「目が覚めましたか、お母様」

セワシママ「………」

セワシママ「…あんたのせいよ。ちゃんとセワシの面倒を見ないからッ!あんな気味の悪い『ジョジョ立ち』とやらにハマッてッ!!
あんたの役目はなんなの!?何もしないでご飯だけ食べて……この疫病神ッ!」

ドラミ「そ…そんな」

ドラミ「(私だって…好きでこんな愚民どもの世話なんてするわけがないッ!!クソッ!クソッ!こんな屈辱は初めてだ…ッ!クソッ!)」

98 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 22:14:24.61 ID:ux/u2.AO
〜翌朝〜

ドラミ「おはようございます」

ガチャ

ドラミ「…え?目玉焼きのパリパリの部分がお皿に一杯…。
ここも食べれるんですから食べないとダメですよ〜」

セワシママ「それは良かったわね」

ドラミ「はい?」

セワシ「それがお前の朝メシだよ」

ドラミ「……冗談が過ぎるわよセワシ君」

セワシ「冗談?僕はいつだって真面目さ。
僕はそのパリパリの部分が嫌いなんだ。
…好きなんだろ?ドラミ。食べていいんだよ。
良かったなぁ、僕の役に立ててさ」

ドラミ「………」

ドラミ「…パリ…」

パシャ

セワシママ「こらセワシ!食事中に携帯いじるの止めなさい!」

セワシ「え〜?だってロボットが目玉焼きのパリパリのとこだけ食べてんだよ?写メ撮って皆に見せたいじゃない。
……あー、ドラミ、口の前で一回止めて。…ハイハイ、いいよー」

セワシママ「…後でママにも送って」

ドラミ「……」

100 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/25(日) 22:27:25.01 ID:ux/u2.AO
しずか「酷い…」

ドラえもん「まさか…そんな…だってドラミ、僕に一言もそんなこと…」

ドラミ「貴様は人間に随分入れ込んでたな?そんな下等な人間に尻尾振ってるようなやつに話せるものかよ」

ドラえもん「ドラミ…僕はいつだってドラミのことが心配で…」

ドラミ「それもプログラムされた考えだってのにいつ気付くんだ?
所詮、貴様の頭の回路に私達は『兄妹』とプログラムされてるだけの話だ。人間のように同じ腹から出てきてなんかいない。
ただそうやって私達を造った人間がプログラミングしただけだ」

ドラえもん「ド、ドラミ…」

ドラミ「それに貴様みたいな弱くて汚くて耳の無いロボットが兄だなんて死んでも嫌だね」

108 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 21:37:38.57 ID:60q6BoAO
のび太「テメェ!!!」

ドラミの話を聞いていたドラえもんの顔が悲しく歪んでいくのを見たのび太は、沸き起こる怒りを抑え切れずドラミに食ってかかった。

ドラミ「『フィフス・ディメンション』」

ドグォッ!!

のび太「うぐぅぅ〜〜〜ッ!!」

しかしドラミの『フィフス・ディメンション』はのび太の腹に重い蹴りを入れ、まるで赤子をひねるかのようにのび太を退けた。

ドラえもん「や、やめろドラミィィィィ!!!」

バキィ!!

ドゴッ!!

ドラえもんの叫びも虚しく、倒れ込むのび太に次々と蹴りを入れる。

ドラミ「あっあ〜〜♪キモチィィ〜〜〜〜〜♪」

111 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 21:44:08.19 ID:60q6BoAO
ドラミ「どうしたァ〜〜??『証明』してくれるんじゃなかったのかァ〜?」

のび太「うあ……あ…」

ドラミ「…情けない声を出しているんじゃないよッ!!貴様もッ!貴様もやはりッ!!口先だけのハッタリ野郎だったんだよッ!!
何が『証明』してみせる?見ろッ!感じろッ!この痛みを知ろッ!貴様は私の『フィフス・ディメンション』になすすべもないではないか!!
悟れッ!己の無知をッ!そして絶望しろッ!己の無力さにッ!!」

112 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 21:50:15.02 ID:60q6BoAO
ドラえもん「もうやめてくれぇぇぇ!!!」

ドラえもんは傷付いた体に鞭打って、ドラミに向かって走り出した。

ドラミ「おやおや?貴様の体じゃあ、秘密道具をポケットから出すスピードと私がポケットから『熱線銃』を取り出して貴様を溶かすのとどちらが速いかしら?」

ドラミの言っていることは正しかった。
ドラえもんもそれはわかっていた。

それでも。
目の前で苦しんでいる友達を黙って見ていられるほどドラえもんは馬鹿ではなかった。

113 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 21:55:57.03 ID:60q6BoAO
ドラえもん「ドラミィィィィーーーーッ!!!」

ドラミ「滑稽だねぇ。実に滑稽だよ。見ていて飽きない」

ドラえもんはドラミを見据えたままポケットに手をかけた。

ドラミ「…ふぅ。愚かな。やはり貴様は私の兄などではない」

ドラミもポケットに手をかける。
そのスピードはドラえもんよりも速い。

ドラミ「ABAYO」

ロボットだからこそ可能な、正確で、素早い動きでポケットから『熱線銃』を取り出し、ドラえもんの頭に向けた。

115 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 21:59:43.91 ID:60q6BoAO
のび太「ド…ドラえもん……!!」


『熱線銃』から、血のように赤く染まった光線が、ドラえもんの全てを無に還そうと発射された。

しずか「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ドラちゃぁぁぁぁん!!!」

117 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 22:08:17.95 ID:60q6BoAO
ドラミの顔は、笑っていた。
偽りであろうと、本当の兄妹のように接してきた二人の関係は、ドラミにとって『熱線銃』一つでたやすく壊すことのできるものであった。

やっと邪魔なドラえもんを始末できた。
その喜びからドラミは笑っていた。

だがドラミの表情が笑みから驚きに変わるのに時間はいらなかった。


ドラミ「………き、貴様……」

『熱線銃』はドラミの手から離れ、空中で光線を発射しながら舞っていた。

ドラえもん「『アメリカ』…!!」

ドラミ「最初から『熱線銃』を狙っていたのか…ッ!」

ドラえもん「君のおかげだよ…。君がくれた『アメリカ』のスピードだから出来た」

ドラミ「…ウォォォォォォォォ!!!『フィフス・ディメンショ…』」

ドラえもん「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァ!!!」


118 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 22:21:18.00 ID:60q6BoAO
放たれる『アメリカ』のラッシュ。

ドラえもんの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

ドラミ「DO、DORAMYAAAAAAAAA!!!!」

何発かのパンチをドラミの『フィフス・ディメンション』は防いだが、『アメリカ』の、ドラえもんの命と引き換えに放たれるスピードのパンチを防ぎきるのは無理であった。

ドラミ「ぬ、ぬおおぉおぉおぉおぉお!!!!…よ、よくやったと褒めてやってもいいと思ったがこの私が他人を褒めると、この世に天変地異が起きてしまうッ!!
それは地球を支配せんとする私には都合がわるい。なので『フィフス・ディメンション』の『能力』を使わせてもらうッ!!!」

120 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/27(火) 22:30:18.58 ID:60q6BoAO
ドドドドドドドドドドドドドドド

ドラミ「(我が『フィフス・ディメンション』の『能力』!!それは他人が頭で感じる『時間の流れ』を操ることッ!!
ドラえもん、貴様の『時間の流れ』を遅くすれば、すなわち貴様の動きも比例して遅くなるッ!!
たやすく貴様のパンチをかわすことが可能になるということッ!!)」

ドラミ「ふ…フハハハハハハハハッ!!遅いッ!遅すぎるッ!!蝿が止まってしまうぞッ!?
ドラえもん、貴様との長きにわたる因縁、ここで断ち切るッ!!
『フィフス・ディメンション』!!この青ダヌキの頭を吹っ飛ばすのだッ!!」

ドラえもん「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァ!!」

128 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:26:44.60 ID:SueJPIAO

ドギャアッ!!



ドラミ「!!!」

鈍い音が響いた。
渾身のパンチを喰らったのはドラえもんではなく、渾身のパンチを与えたのはドラミではなかった。

ドラミ「き、貴様はそこまでしてッ…!!」

『アメリカ』の次の攻撃がドラミの体を痛め付けるまでの数秒、ドラミはドラえもんに聞いた。

ドラミ「『遅く』しても尚、それを上回る『スピード』で殴るとは……!!貴様ッ!!死ぬぞッ!!」

極限まで命を『アメリカ』に授けたドラえもんの青いボディーは確かに悲鳴をあげながら、そう輝きを失いつつあった。

129 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:34:01.09 ID:SueJPIAO
ドラえもん「ドラミ…、ロボットもいいものだよ」

ドラえもんは顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら話した。

ドラえもん「本当に大好きな人をずっと護ってあげれるなんて、こんなにも嬉しいことはないよ」

ドラミ「私は護ってやりたいものなどいない…ッ!!」

ドラえもん「僕にはいるんだ。命に換えても護りたい友達が」

ドラミ「ぬ…ぬあああああぁぁぁぁ!!!!」

ドラえもん「『アメリカ』!!ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァーーーーッ!!!!」

130 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:41:03.46 ID:SueJPIAO
『アメリカ』のパンチを一発、また一発、ドラミにぶつける度に、ドラミの黄色いボディーは醜く歪み、ドラえもんのボディーも火花を散らしながら歪んでいった。


のび太「ドラえもォォんッ!!!」

ボロボロの体を必死に起こし、のび太は今にも倒れそうなドラえもんを抱えに行った。

のび太「何してんだよォ!!何頑張ってんだよォ!!誰もそんなこと頼んでないだろォ!?」

ドラえもんはのび太に全てを任すように体を預けた。

ドラえもん「のび太君…ちょっとは褒めてくれてもいいじゃない…」

132 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:46:15.45 ID:SueJPIAO
しずか「ドラちゃん!!ドラちゃん!!」

ドラえもん「やあ…しずかちゃん…」

しずか「ドラちゃんは偉いわよ!!スゴイわよ!!だから…!」

ドラえもん「しずかちゃん…何で泣いてるの…?可愛い顔が台なしじゃないか…」

しずか「とめどなく溢れてしまうのッ!!ドラちゃん、あなたが元気に立ち上がってくれればきっと止まるわ!!」

ドラえもん「はは…。しずかちゃんは『スタンド』が発現してないんだね…。良かった…。あんなのは僕達には過ぎた力だよ…」

133 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:51:39.12 ID:SueJPIAO
しずか「私は欲しいわッ!!みんなを元に戻す『スタンド』がッ!!みんなのケガを治して、死んじゃったみんなを生き返らせて、全部、全部、元に戻してくれる『スタンド』が!!」

ドラえもん「そんなチートな『スタンド』なんていないよォ………でもね…」

ドラえもんはボンヤリとのび太としずかの顔を見つめた後、動かなくなったドラミを見た。

ドラえもん「僕も…欲しいなァ…」

134 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 16:58:37.30 ID:SueJPIAO
のび太「僕も……僕だって欲しいよ……!!…きっとあるよ!だからドラえもん〜〜〜〜!一緒に探しに行こォ〜〜?だから早くいつもの元気を見せてよォ!!いつもみたいに僕を泣き虫だって叱ってよォ!!!」

ドラえもん「のび太君……しずかちゃん………ドラミを責めないでやってくれないかな…?」

のび太「え……」

ドラえもん「ドラミも…一人で辛かったと思うんだ……誰にも理解されない悩みを抱えて…ドラミも……。
ドラミにはあんなこと言われたけど…僕はやっぱりドラミの『兄』だから……ははは……こんなときに兄バカだなぁ…」

136 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 17:06:11.96 ID:SueJPIAO
しずか「ドラちゃん……」

ドラえもん「……のび太君…僕…ドラ焼きが食べたい…」

のび太「ドラ焼き……ああ!!今持ってくるから!腹一杯食べさせてあげるから…!」

ドラえもん「ちゃんと……僕と君とで半分こだよ……大きい方は君にあげる……」

のび太「ドラえもん……何言ってんだよ、全部あげるよ…僕はお腹一杯だからさ……好きなだけ食べていいんだよ…?
ドラえもん…、だから目を開けてよォ〜〜〜〜!ドラえも〜〜〜ん!!」

ドラえもん「のび太君と食べるから…美味しいんじゃないか………僕は…いつだって君のこと…を………………」


137 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 17:13:07.01 ID:SueJPIAO
のび太「…ドラえもん…?…ドラえ…も…ん…?」

のび太は返ってくるはずのない返事を期待して、ドラえもんに声をかけつづけた。いつまでも。

ドラえもんの顔は、いつものび太とドラ焼きを食べている時の顔だった。
のび太はドラえもんの手を握りしめた。

握りかえしてはこないのに。

140 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:01:39.80 ID:SueJPIAO
のび太「………」

しずか「…のび太さん……」

しずかは流れる涙を止めるのも忘れ、のび太の震える肩に手をかける。

のび太「しず…か…ちゃん……」

のび太は優しく微笑むしずかの顔をみて、安堵感からか、それともしずかも自分と同じ気持ちだということを知ったのか、
声を上げて、泣いた。

例えドラえもんに叱られようと、大声で泣いた。

141 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:04:47.51 ID:SueJPIAO
ドラミ「…見苦しいな」


しずか「!?」

のび太「ド……ッ!」

ドラミ「何を呆けた顔をしている」


のび太「ドラミィィィィーーーーッ!!!!」

142 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:09:25.64 ID:SueJPIAO
目の前には機能を停止し、横たわっていたはずのドラミ。
のび太は反射的に『キャッツ・クレイドル』の『糸』を用意した。

ドラミ「…私にはもう戦える力など残っていない…ポケットも機能を停止した。正にガラクタさ」

のび太「…なら、僕がトドメをさしてやる……ッ!!この悪夢を終わらせる!!」

143 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:14:17.85 ID:SueJPIAO
ドラミ「好きにすればいいさ」

ドラミはのび太から五歩ほど前まで近付き、腕を広げて目を閉じた。

のび太「……何をしている……ッ!」

144 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:18:27.49 ID:SueJPIAO
ドラミ「おかしな事を聞くものだな?貴様が私を殺したいと言うから私はこうしているのではないか」

ドラミの言葉にのび太は明らかに動揺していた。
ドラえもんを…ドラえもんを死なせた憎きドラミ…!
そうさ。僕はこいつを殺してやりたい。僕の手でドラミを…!

なのに…

のび太「…何で…手が動かないんだよ……」

しずか「のび太さん……」

145 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:23:26.26 ID:SueJPIAO
ドラミ「あいつも……ふざけたマネをしてくれた……」

のび太「……?」

ドラミ「あのポンコツ……最後の最後で力を抜きやがった……クソが…私が痛め付けたせいか……。
そのせいで私は生きる屍だ…ッ!!」

のび太は構えていた『糸』をしまい、『キャッツ・クレイドル』を解除した。

146 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:29:17.37 ID:SueJPIAO
のび太「お前が痛め付けたせい……?」

のび太はひび割れたメガネを外してポケットにしまい込んだ。

のび太「あいつは……ドラえもんは…わざと手加減したんじゃないのか…?」

ドラミ「……」

のび太「ドラえもんはバカだから…お前が何て言おうと、お前のことを『妹』だと思っていた。
心の底から…お前のことを愛していたんじゃないか…?
だから自分の手で『妹』を殺すことは出来なかった…」

ドラミ「………」

のび太「……まぁ、全部僕の推測だがな。今となっちゃ本当のことは分からない。……お前がドラえもんを死なせたからな」

148 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/29(木) 21:36:29.88 ID:SueJPIAO
ドラミ「フ……フフフ……」

のび太「……」

ドラミは押し殺した声で笑い始めた。

ドラミ「ロボットに…『兄妹』なんてあるものかよ……」

しずか「………」

ドラミ「フフ……ハハハ……しかしアイツは無能で無知な恥ずべきロボットだったからなァ…」

のび太「テメッ…………」

ドラミ「…有り得るかもなァ……お人よしの『バカ兄貴』だったらさァ〜〜…………」

しずか「ドラミ……ちゃん…」

ドラミは静かに、ただ静かに、涙を零しながら、真っ暗な空に浮かぶ月の光を浴びながら、佇んでいた。

153 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/31(土) 01:35:23.21 ID:WzP6X6AO
ドラミは、心の中ではドラえもんを求めていたのかもしれない。
いつだって自分の事を誰よりも心配してくれたドラえもんを。

けれどもドラミはドラえもんには言えなかった。
ただでさえのび太の相手を毎日して苦労している『兄』に、これ以上心配はかけたくなかった。

ドラミがこの気持ちに気付いていたのかはわからない。

気付いたとしても、今はもう、『兄』と話せることは無い。


ドラミ「…………」


154 : ◆.LMqmG8Hlg saga :2009/01/31(土) 01:41:45.11 ID:WzP6X6AO
ドラミ「私を…殺さないのか…」

以前の覇気を全く感じさせなくなったドラミには、正にロボットという無機質さだけが残っていた。

のび太「……」

のび太「やめた」

ドラミ「………!?」

のび太「ドラえもんが最後に守ったやつを、僕が奪うわけにはいかないだろ。………ジャイアン達には悪いかな」

159 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 20:58:22.34 ID:jZLsHMAO
『スタンド』という力に振り回され、散っていった者達。
その者達の事を考えると、のび太の決断は正しいものでもないのかもしれない。

ドラミ「……野比……のび太…貴様は…」

しずか「……のび太さん、私は正しいと思う。…確かにドラミちゃんのせいで、武さんやスネ夫さん、それに出木杉さんは死んでしまった。
…けれど、ここでドラミちゃんを殺しても皆は帰ってこない。のび太さんにもこれ以上、人をあやめてほしくない」

ドラミ「また……同じことを繰り返すかもしれないのだぞ…?」

のび太「その時はまた僕が止めてやる」

ドラミ「……フッ、貴様もお兄ちゃんと同じようにお人よしだな…………だが」

ドラミ「嫌いじゃない」



160 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 21:04:24.36 ID:jZLsHMAO
終った―――

遂に終わった。
夜空に浮かぶ月がショーの終わりの挨拶をのび太達に催促するように、その光を浴びせていた。

のび太「……しずかちゃん」

しずか「ええ…」

のび太「帰ろうか」

のび太はしずかの手を取った。

ドラミ「まだ終末の天使はラッパを鳴らしてはいない」

のび太「…意味がワカラン」

ドラミ「まだ終わってないということだ」

161 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 21:07:58.28 ID:jZLsHMAO
のび太「な……に…?」

ドラミは容赦なく続ける。

ドラミ「のび太…貴様は『スタンド』がどこから出てきたか気になっていたな?」

のび太「ああ。オメーは上手くごまかしていたがな」

ドラミ「今から全てを話してやる」

162 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 21:13:27.43 ID:jZLsHMAO
『真実』。

のび太は聞かなければならないと感じた。
この一連の『スタンド』事件。ドラミをも狂わせた『スタンド』の『真実』を。
のび太としずかは繋いだ手を離し、ドラミの話に耳を傾けた。

ドラミ「観客の準備は出来たようだな……」

ドラミ「…私がセワシ達から虐げられていた時の話だ…」

165 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:08:49.01 ID:jZLsHMAO
セワシ「そんじゃあ大会行ってくるから!!ママには適当に言っといて」

ドラミ「…うん」

ドラミ「池沼が…」


私はセワシのクソガキに留守番を頼まれていた。
この時の私に拒否権などなかった…


ドラミ「何が大会だ。金集めのためとも知らないで集まった馬鹿共を写真撮影して2ちゃんに流してやろうか…」

私は愚痴をこぼしながら暇を持て余していた。
そんな時だった。
『運命』の『引力』に捕まったのは…

166 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:14:17.51 ID:jZLsHMAO
ドラミ「あの野郎ッ!!」

目の前には散らばった本。

ドラミ「また読んだマンガをそこら辺に散らかしているなッ!!だれが叱咤を受けると思っている!他でもないこの私だッ!!」

この頃はセワシをこの世に産み落とした史上最悪のメスブタとの仲がますます悪くなっていた。セワシがしでかした事が私のせいにされることも日常茶飯事だった。

167 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:25:20.03 ID:jZLsHMAO
ドラミ「……『ジョジョ』か…ッ!」

セワシは大会に出るほどのジョジョ好きだ。ジョジョが家に全て揃っていないはずがなかった。

ドラミ「うぜぇ…」

しかし私はジョジョが嫌いだった。
セワシは、『19部』200冊以上を毎回散らかしていたからだ。

ドラミ「無駄に多いんだよ、対して面白くもねぇくせに……」

その日も私は膨大な数の『ジョジョ』を本棚にしまう作業を始めた。

168 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:32:09.71 ID:jZLsHMAO
のび太「待てッ!!……『19部』だと?」

ドラミ「……」

のび太「それは何故だ…?今、この時、『20部』が連載中なんだぞ?」

ドラミ「私がいた『22世紀』では無かったのだよ」

のび太「どういうことだ…?あまりの出来で歴史から抹殺されてしまったのか?…まぁ、荒木先生が書いてるんじゃないからな…有り得ない話ではない…」

『ジョジョの奇妙な冒険』は、『19部』を終えた所で荒木先生が死んでしまい、その長いジョースター家の戦いが終わりを迎えたと、誰もが思ったが、無名の新人が『ジョジョ』を引き継ぎ、尚ウルトラジャンプで連載していた。

170 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:41:56.62 ID:jZLsHMAO
ドラミ「『ジョジョ』の連鎖は時を越えたのだ」

のび太「…?」

ドラミ「…続けるぞ」

――――――――


私はいつものように、黙々と動いた。

ドラミ「…うぬ?」

しかし、いつも一つだけ違うことがあった。それが何かはハッキリと分からない。ただ、何か『ジョジョ』の『19部』の最終巻に『違和感』があったのだ。

ドラミ「……醜い絵だ」

私はパラパラとページをめくり、最後のページを開いた。

ドラミ「……ぬ?なんだこのページは?白紙ではないか。こういうのは集英社に電話をして取り替えてもらわなければ…」

真っ白なページ。
一ページだけではない、何十ページという白紙だった。

171 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:46:48.21 ID:jZLsHMAO
私はその白紙を一枚、また一枚とめくっていた時だった。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ドラミ「な、なんだ、このエネルギーはァッ!?」

本を通じて私に何かが流れこんできた。

ドラミ「ぬ、ぬおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーッッ!!!」

『生き物』のように暴れる本。
…いや、あれは『生き物』だった。

私の体に流れるエネルギーは不快なものではなかった。
いや、むしろ、


ドラミ「こ……心地良い……ッ!」

172 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:51:22.16 ID:jZLsHMAO
気付いた時には、目の前に見知らぬ者が二人立っていた。

ドドドドドドドドドドドドドドド

ドラミ「………き、貴様らは何者だ…ッ!?…いつの間に現れたッ!?」

一人は私のすぐそばに。
もう一人は本のすぐそばに。

「私ハ…アナタ…アナタハ私……私ハ『フィフス・ディメンション』
アナタニ『力』ヲ与エマショウ…」

そう……、コイツだ。私の『スタンド』はそう言ったのだ。

173 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 22:57:13.45 ID:jZLsHMAO
「ソシテアナタハソノ『力』ヲ使イ、私ヲ『存在』サセルノデス」

本の横に立っていた『スタンド』は私にそう言ったのだ。

ドラミ「理解不能理解不能理解不能……『力』?コイツは『力』なのか?それに『存在』させるだと?理解不能だッ!!」

「ソレハアナタ自身ガ決メルノデス。ソノ『力』ノ使イ道……。ソシテアナタガソノ『力』ヲ使イ続ケル為ニハ、私ヲ『存在』サセナイトイケナイ」

174 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 23:01:37.68 ID:jZLsHMAO
ドラミ「……『存在』したいなら『存在』していればいいッ!!」

「私ハ『存在』シタカッタ。シカシ、私ノ役目ハ終ワッテシマッタ。ダカラ、マタ始メタイ」

ドラミ「『役目』…?『終わった』…?……貴様、まさか続きを…?」

「私ハ、マダ続ケテイタイ。永遠ニ終ワル事ノ無カッタ物語ヲ…」

175 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/01(日) 23:06:17.37 ID:jZLsHMAO
のび太「おいおい……」

しずか「まさか…」

ドラミ「……」

のび太「『ジョジョの奇妙な冒険』自体が『スタンド』だったっていうのか…?」

ドラミ「正確には目覚めたとでも言うべきか。
長い、長い時を過ごしてきた『ジョジョ』は荒木が死んだ後も物語を続けようとした。読者の思いが…、『スタンドが欲しい』という思いが宿ってしまったのだろう…」

しずか「そんなことって有り得るの…?」

ドラミ「未来じゃ何でもありだ」

177 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 10:36:54.29 ID:7nTjzgAO
ドラミ「そして私は『フィフス・ディメンション』を手に入れた」

ドラミ「だが、コイツを使用するには、ある『条件』が必要だった。…私の『スタンド』だけではない。全ての『スタンド』の『条件』」

のび太「『条件』…?」

ドラミ「私の目の前に現れたもう一人の『スタンド』…。『ジョジョの奇妙な冒険』の続きを書くことだった」

178 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 10:43:26.19 ID:7nTjzgAO
のび太「じゃあ、今、連載されている『20部』は…ッ」

ドラミ「『スタンド』だ」

しずか「最初の『スタンド』…」

ドラミ「…あの『スタンド』の物語を終わらせなければ、同じ事は未来永劫繰り返される」


――全ての始まりは『ジョジョ』。

それはのび太達のすぐ近くにあったのだ。

のび太としずかが驚愕の事実を何とかして受け入れようとしているところに、ドラミはポケットから取り出した紙を見せた。

ドラミ「これを見れば、信じなければならなくなる」

181 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 10:53:22.86 ID:7nTjzgAO
のび太はドラミが持っていた原稿を見た。

のび太「……こ…これは……『僕達』…?」

それは来週の『ジョジョの奇妙な冒険・20部』の生原稿であった。

のび太が言葉を失った訳は、そこに書かれている『ストーリー』が、ここ最近でのび太の周りに起きた出来事と全く同じだったからであった。

のび太「いじめられっこの少年は…『スタンド』の『力』を得て、復讐を果たしていく………」

しずか「わ、私がいる……ッ!」

のび太「…………」

――ジャイアンの壮絶な死に様。スネ夫のあっけない死に様。出木杉の…死に様。


そしてドラえもんの死に様。

ジョジョの奇妙なタッチ、擬音、ポーズ。

いつもの『ジョジョ』で書かれた僕達がそこにはいた。

183 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 11:01:41.60 ID:7nTjzgAO
ドラミ「これが現実…。夢幻では無い現実だ。私達はこの『ストーリー』通りに動いていた見事な役者だったのだよッ!」

しずか「う…嘘よ…」

しずかは鋭い踵落としでのび太の持っていた原稿をたたき落とした。

のび太「しずかちゃん…」

しずか「そんなッ!!そんなのってッッ!!!全部、決められた行動をしていただけなの私達はッ!?」

ドラミ「左様」

しずか「皆のッ!!皆の死もッ!!全部決められてたってことなのッ!?」

ドラミ「左様」

しずか「……酷すぎる……ッ!…そんなのって酷すぎる……ッ!!」

ドラミ「……」

185 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 11:07:16.23 ID:7nTjzgAO
裏山にしずかの泣き声が虚しく響く。

ドラミにそのRequiemは聞こえているのだろうか。無気力な姿で立っている。

ドラミ「これが『真実』…。私達の行動は全て『決定』されていた。私がスネ吉をたぶらかすのも全て『決定』されていた」

しずか「…ううっ、あああぁ!!」

ドラミ「私達は決められた『運命』をなぞっているだけの『役者』になってしまったのだ」


187 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 11:12:41.44 ID:7nTjzgAO
ドラミ「…だが、一つだけ、私達がこの『運命』の『引力』から逃れる方法がある」

のび太「…それは…?」

ドラミ「私達の『運命』が揺るぎ無いものになるのは原稿が完成した時だ。
次の原稿が完成するまでの間…それまでに『物語』を終わらせる」



192 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 20:51:56.67 ID:7nTjzgAO
裏山に冷たい風が吹く。
いつの間にしずかも涙を流すのを止め、ドラミの話に耳を傾けていた。

のび太「僕達でこの物語にピリオドを打つ……」

ドラミ「…私は、本の『スタンド』の言う通りに、続きを書いてくれる者を捜した。荒木の後を引き継ぐ者。私には覚えがあった。漫画を書くことを趣味とし、未来では有名な漫画家として名を馳せている者…」

しずか「……私達を…描いている人…」

ドラミ「未来での名前……『クリスチーヌ剛田』といったかな」

のび太「ジャ……!!」

のび太「ジャイ子……!!」

196 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:01:23.27 ID:7nTjzgAO
ドドドドドドドドドドドドドドド

『クリスチーヌ剛田』。
ジャイ子。
ジャイアンの妹。

しずか「ジャ、ジャイ子ちゃんが描いていたなんて…」

ドラミ「私はこの時代に来てすぐに、クリスチーヌ剛田の元へ行った。『今すぐに有名な週刊誌に漫画を載せてみないか』と誘ってね。
…簡単なものだったよ、エサを見せられた豚のように鼻息を荒くして食いついてくれてね。…まぁ、クリスチーヌ剛田の意思なんて関係無かったのだが。
私は『ジョジョ』を目の前にひろげ、クリスチーヌ剛田を取り込んだ。
彼女は続きを書くためだけの存在になったのだ…」

しずか「…じゃあ、ジャイ子ちゃんは……自分の兄の死も、無理矢理描かされていたっていうの…」

ドラミ「…そういうことだ。まさか私もこんなことになるとは思っていなかった。私もストーリーの駒になるなんてな…」

197 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:08:08.05 ID:7nTjzgAO
そういえばジャイ子の姿をここ数週間見ていなかったが、まさかジャイ子が……と、のび太は曇った顔でドラミを見た。

ドラミ「……クリスチーヌ剛田を止める。それがこの茶番劇を終わらせる唯一の方法だ」

のび太「本を燃やせばいいのか?」

ドラミ「ハッキリいってこれ以上は分からない。本を燃やせば済むのか、あるいはジャイ子を殺さなければいけないのか……」

のび太「……そうか……」

ドラミ「……無駄だろうな」

のび太「何?」

198 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:16:13.06 ID:7nTjzgAO
ドラミ「私は止める方法を話したが…止められる保障など無い」

のび太「……」

ドラミ「どうやら貴様達は本気で止めようとしているが…無駄だ。やつは正に『神』になっている。この状況も既にやつの『ストーリー』かもしれん。
私達はストーリーが終わるまでステージで踊っていなければならないのだよ…」

のび太「そんなこと…やってみなきゃ分からないだろ」

ドラミ「私はロボットだからな…全ての可能性から計算して、止められる確率は極めて0に近い」

のび太「じゃあ…何で僕達に今の話をした?お前も止めたいと思っているんだろッ!?」

ドラミ「…可能性を提示しただけだ」

のび太「…そうかい。じゃあ、これを見ろよ」



199 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:21:27.42 ID:7nTjzgAO
のび太は地面に散乱していた原稿を一枚拾ってドラミに渡した。

ドラミ「………」

のび太「…そこに描かれているストーリーは、オメーが僕に殺されているって内容だ」

ドラミ「……」

のび太「だがどうだ?僕はオメーを殺していない。オメーは生きてここにいるじゃないか!!
僕達で変えられるんだよ!!未来は!!」

ドラミ「…『運命』はそんな簡単に私達を見逃したりなどしないッ!!ストーリーが変わったことは、やつも気付いているはずだッ!きっと何か修正してくる!
『運命』の『引力』に捕まった者は二度と逃げれないのだッ!!」

200 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:32:55.53 ID:7nTjzgAO
のび太「………」

のび太「あーー、うるせぇ……」

ドラミ「論破完了ォッ!!」

のび太はドラミから原稿を引ったくり、

ドラミ「…な、何をッ!!」

のび太「こうするんだ………よッ!!」

ビリビリに破り、捨てたッ!!

ドラミ「………ッ」

のび太「『運命』…?『運命』ってのはそんなに凄いのかい…?僕達は何で生きている?『運命』ってやつが決めたから?」

ドラミ「……」

のび太「違う。僕達が、『決めた』ッ!!
僕のッ!自分の意志でッ!!『決めた』のだッ!!『運命』とやらに決めさせた覚えはねぇ!!!
おい、オメーはあるのか?『運命』サンに決めさせたか!?」

ドラミ「私は……!」

のび太「だろッ!?決めさせていないッ!!オメーもッ!『決めた』んだッ!自分でッ!!」

ドラミ「………」

のび太「『運命』が何だ……。そんなもん誰だって決めれるんだよ。全てが終わった後に、こう言えばいいんだよ…」

のび太「『全部、運命だった』ってね」

201 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:37:07.02 ID:7nTjzgAO
ドラミ「のび太……」

のび太「プッチィィィィィィィ!!!出てこーーーいッ!!僕がテメーを論破してやんぜぇぇぇぇ!!」

しずか「ドラミちゃん…」

ドラミ「ぬ…」

しずか「諦めるのはまだ早かったみたいね。……終わらせましょう。私達で」

ドラミ「………」

ドラミ「人間ってのは……つくづく興味深いよ…」

202 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:44:53.90 ID:7nTjzgAO
―――全ての真実を知ったのび太達は、長きにわたる物語を終わらせるため、ドラミという新しい仲間と一緒に、
『ジョジョの奇妙な冒険・20部』の作者、クリスチーヌ剛田…ジャイ子を止めるべく、剛田家に向かうのであった……。


TO BE CONTINUED→

205 名前: ◆.LMqmG8Hlg saga 投稿日:2009/02/02(月) 21:54:48.71 ID:7nTjzgAO
今までのスタンド

【名前】ドラミ
【特徴】ロボット、尊敬する人:ヒトラー、Dio
【スタンド名】フィフス・ディメンション
【射程距離】本体から5M
【能力】
「相手の認識する時の流れを操作する」
「例えば、相手に石を投げて、時の流れを速くすると、相手は極端に早いタイミングで石を避ける。
逆に遅くすれば、相手は避けようとする前に石に当たる」
「どこまで速くしたり遅くしたり出来るかは不明」


のび太「これが…スタンド…」完へ続く



















 


 

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